JP5042982B2 - 板厚精度に優れた高強度鋼板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、冷間圧延後に連続焼鈍ラインまたは連続焼鈍溶融亜鉛めっきラインにて製造される板厚精度に優れた高強度鋼板の製造方法に関するものである。
近年、自動車の軽量化、安全性向上を目的として自動車部品およびそれに使用される素材の高強度化が進められており、その代表的な素材である鋼板も高強度鋼板の使用比率が高まってきている。特に、高強度化による軽量化効果は、板厚の減少により得られることが多いため、冷間圧延後に焼鈍される冷延鋼板や、冷間圧延後に焼鈍と溶融めっきを行う、溶融亜鉛めっき鋼板及び合金化溶融亜鉛めっき鋼板の高強度化が著しく、590MPa級を超える鋼板が使用されることは決して珍しく無い。これら高強度冷延鋼板や高強度亜鉛めっき鋼板は、冷間圧延後の焼鈍後に所定の強度となるのだが、当然の事ながら熱間圧延後の熱延鋼板の状態においても、一般的な軟鋼に比べ高強度となる。このため、冷間圧延における圧延負荷を低減させるため、熱間圧延における捲取温度(以下CT)は、300℃以上とする場合が多い。このため、熱間圧延中のCTバラツキや、捲取後のコイルの冷却速度偏差により、コイル長手方向や幅方向の硬度バラツキが大きくなる傾向に有る。この硬度バラツキは、後工程である冷間圧延時に、圧延負荷の変動に伴う板厚精度の悪化や、更にひどい場合には、硬度偏差に起因した圧延負荷変動により、冷間圧延中の板破断を引き起こす場合がある。
例えば特許文献1には、工具鋼のJIS G 4401や、機械構造用鋼のJIS G 4051における、冷間圧延の対策として、焼鈍後の冷却速度を規定しているが、一般に自動車用の高強度鋼板として使用される鋼板は、その用途上、溶接性が重視されるために、当該鋼種に比べ焼入れ性が低い。このため、当該文献にて開示されている方法では、過度の均一性担保のため、生産性に劣る事や、コイル最内外周での脱炭を引き起こす恐れがある。また、特許文献2や特許文献3の様に、冷間圧延機の圧延方法及び制御方法を工夫する事で、圧延時の板厚精度を改善する方法も有るが、予めコイル全長での硬度変動が判っていない場合には、その制御も意味を成さない。
特開2002−285242号公報 特開平8−197121号公報 特開2004−141885号公報
本発明は上記の問題に鑑み、自動車用高強度鋼板の製造において、熱間圧延時の捲取温度CTに応じた冷間圧延前の焼戻し熱処理により、鋼帯長手及び幅方向の硬度を均一化し、冷間圧延することを特徴とする板厚精度に優れた高強度鋼板の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者は、まず590MPa以上の冷間圧延後に製造される冷延鋼板および溶融亜鉛めっき鋼板および合金化溶融亜鉛めっき鋼板において、熱延板の硬度分布と冷間圧延時の板厚変動について鋭意調査を行った。この結果、冷延板の板厚変動は、熱延板の硬度と密接な関係が有り、熱延板の硬度を均一化することが出来れば、冷延後の板厚精度を高精度化できることに着目した。熱延板の硬度を均一化する最も容易い方法としては、捲取温度CTを室温以下とする事にあるが、この場合、冷間圧延時の圧延負荷が増大するため、冷間圧延が困難となる。また、300℃以上の捲取温度では、熱間圧延の仕上圧延後の冷却において、形状が不安定となりやすい鋼帯最先端部および最後端部では、鋼板上面の冷却の水乗り方が不均一となり、鋼帯の場所によってCTが不均一になったり、捲取後の鋼帯の冷却速度が、鋼帯の最内外周や鋼帯端部で速くなるため、これによる影響も受けたりする事が判った。そこでこれら課題を解決するため、CTに応じた焼戻し熱処理を実施する事で、最適な硬度均一化が図れ、板厚精度の向上と冷延反力の低減が同時に達成できる製造方法を提案するに到った。
本発明の要旨は以下の通りである。
(1)質量%で、
C:0.02〜0.4%、
Si:2.0%以下、
Mn:0.5〜3.5%、
P:0.0005〜0.1%、
S:0.02%以下、
Al:0.01〜3.0%、
N:0.01%以下、
を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなる鋳造スラブを、鋳造ままあるいは一旦冷却した後に再度1100℃以上に加熱し、Ar3点以上の仕上温度で熱間圧延を施し、その後、5〜500℃/秒の冷却速度にて室温〜700℃の範囲の鋼帯捲取温度[CT]まで冷却後、酸洗前に(1)に示す焼戻し温度[TA]℃以上の加熱温度で3秒以上の加熱を行い、しかる後に冷間圧延することを特徴とする板厚精度に優れた高強度鋼板の製造方法。
[TA]=0.0006[CT]2+0.15[CT]+350・・・(1)
[TA]:焼戻し温度(℃)
[CT]:鋼帯捲取温度(℃)
(2)更に、鋳造スラブ中に質量%で、
Ti:0.2%以下、
Nb:0.2%以下、
Mo:1.0%以下、
Cr:1.0%以下、
B:0.0002〜0.005%
Ca:0.0005〜0.005%
Mg:0.0005〜0.005%
の1種または2種以上を含有させることを特徴とする請求項1に記載の板厚精度に優れた高強度鋼板の製造方法。
(3)前記熱延鋼板の焼戻しは、酸洗前のコイルをBAF焼鈍炉にて焼戻すことを特徴とする請求項1または2に記載の板厚精度に優れた高強度鋼板の製造方法。
(4)前記熱延鋼板の焼戻しは、熱延鋼板を連続酸洗設備のコイル巻き戻しから酸洗槽進入前までの間で、誘導加熱方式にて鋼板の焼戻しを行う事を特徴とする請求項1または2に記載の板厚精度に優れた高強度鋼板の製造方法。
(5)連続酸洗設備のコイル巻き戻し設備から酸洗槽の間に、誘導加熱装置を設ける事を特徴とする(4)に記載の板厚精度に優れた高強度鋼板を製造可能な製造設備。
本発明によれば、冷間圧延前の素材強度を均一化することができ、冷間圧延後の鋼板板厚精度不合格による歩留まり落ちや、冷間圧延中の板破断を低減する事ができ、飛躍的に生産性を高める事が可能となる。
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、成分について説明する。
Cは安価に引張強度を増加させる元素であるので、その添加量は狙いとする強度レベルに応じて変化するが、C量が0.02%未満となった場合、そもそも熱延板の強度が低い事や、熱間圧延時の冷却不均一による熱延板強度ばらつきが起き難いため、熱延板強度ばらつきに起因した冷延後板厚の精度悪化が置き難いため、これを下限とする。一方、C量が0.4%を超えると、熱延板強度が高くなり過ぎ熱間圧延時に鋼帯として巻き取る事が困難となるため、これを上限とする。
Siは固溶体強化元素として強度を増加させる働きがあることの他、残留γ等を含む組織を得るためにも有効であり、その添加量は狙いとする強度レベルに応じて変化するが、Si量が2.0%超となると鋼板の脆化を招く事から、冷間圧延が困難となるためこれを上限とする。
冷間圧延の後に溶融亜鉛めっきを施す場合には、めっき密着性の低下、合金化反応の遅延による生産性の低下などの問題が生ずるので1.2%以下とすることが好ましい。下限は特に設けないが、製鋼での脱酸元素として活用される事も有り、0.001%以下とするのは製造コストが高くなるのでこれが実質的な下限である。
Mnはγ相を安定化し、γ域を低温まで拡張するのでベイナイトやマルテンサイトといった硬質相が得られやすく高強度化に有利であり、その添加量は狙いとする強度レベルに応じて変化するが、Mn量が3.5%超となると板厚中心におけるMn偏析が大きくなり、板厚中心部が非常に硬化するため、冷間圧延を行う事が困難となるためこれを上限とする。また、0.5%未満となった場合、そもそも熱延板の強度が低い事や、熱間圧延時の冷却不均一による熱延板強度ばらつきが起き難いため、熱延板強度ばらつきに起因した冷延後板厚の精度悪化が置き難いため、これを下限とする。
PはSiと同様に安価に強度を高める元素として知られており、強度を増加する必要がある場合に積極的に添加する。ただし、添加量が0.1%を超えると、スポット溶接後の疲労強度が劣悪となったり、降伏強度が増加し過ぎたりしてプレス時に面形状不良を引き起こすため0.1%を上限とする。また、0.0005%以下とするのは、製造コストが高くなるのでこれを下限とする。
Sは、0.02%超では熱間割れの原因となったり加工性を劣化させたりするので、これを上限とする。
Alは、脱酸調製剤として使用しても良い。更に、Siを積極的に使用し難い亜鉛めっき鋼板において、フェライト変態を促進するために積極的に添加しても構わない。ただしAlは変態点を著しく高めるので、多量に添加されると低温γ域での圧延が困難となるの事や、鋼板を脆化させる働きが有り、冷間圧延を困難とするため上限を3.0%とする。また、脱酸の観点からAl量の下限は0.01%以上とすることが好ましい。
Nは、AlNの介在物量が増加する事による加工性劣化防止の観点から、0.01%を上限とする。N量の下限は特に設けないが、0.0005%未満とすることは、コストがかかるばかりでそれほどの効果が得られないことから0.0005%以上とすることが望ましい。
Ti,Nb,Mo,Crは鋼板の結晶粒微細化や、焼鈍中のフェライト再結晶挙動を遅らせる効果が有り、これらの効果により高強度化する事が可能なため、これら元素を添加しても良い。それぞれ、特に下限は設けない。
Ti・Nb量は、0.2%を超えると、冷間圧延後の焼鈍中におけるフェライトの再結晶挙動を大幅に遅延させ、焼鈍後の材質を劣化させるため、これを上限とする。
Mo・Cr量は、1.0%を超えると、冷間圧延後の焼鈍中におけるフェライトの再結晶挙動を大幅に遅延させ、焼鈍後の材質を劣化させるため、これを上限とする。
B量は、0.0002%未満となると、十分な焼入れ性向上効果が得られないためこれを下限とする。また、0.005%以上では、過剰添加となるのでこれを上限とする。
Ca・Mg量は、脱酸元素として有用であるほか、硫化物の形態制御にも効果を奏するので、0.0005〜0.005%の範囲で添加しても良い。0.0005%未満では効果が十分でなく、0.005%超添加すると加工性が劣化するのでこの範囲とする。
次に、熱間圧延条件の限定理由について述べる。
熱間圧延に供するスラブは前述の成分で連続鋳造スラブや薄スラブキャスターなどで製造したものであればよい。また、鋳造後に直ちに熱間圧延を行う連続鋳造−直接圧延(CC−DR)のようなプロセスにも適合する。
熱間圧延時の加熱温度は、1100℃未満では、圧延中の荷重負荷が極端に高くなる事や、Nb、Ti、Mo、Crなどの端窒化物形成元素含有したスラブを用いる際には、これら合金端窒化物を熱間圧延再加熱時に、溶解させる必要が有るため、1100℃以上に加熱する必要が有り、好ましくは1180℃以上に加熱する。また、仕上げ圧延温度がAr3点以下となると、圧延中にオーステナイトからフェライトに変態する事から、圧延負荷の変動が起こり板の形状が安定しない。これにより、熱延板の状態での板厚精度が極端に悪化するため、Ar3変態点以上で仕上げ圧延を行う必要が有り、好ましくはAr3点+50℃とする。更に、仕上げ圧延後の冷却速度は、500℃/s以上の冷却速度とする事は、実質困難な事からこれを上限とし、空冷でも5℃/s未満とする事が困難なためこれを下限とする。また、熱間圧延時の捲取温度は、700℃以上とした場合、圧延方向の熱延板強度ばらつきが大きくなり過ぎ、本発明における焼戻し効果が十分に得られないためこれを上限とし、実質的に室温以下まで冷却する事は、水冷設備を使用している関係上不可能なので、これを下限とする。
次に、熱延鋼板の焼戻し条件の限定理由について述べる。
まず、焼戻し温度[TA]であるが、一般に熱延鋼帯捲取温度[CT]よりも高い温度で焼戻しをする必要があり、この温度を鋭意調査した結果、(1)に示す関係式を満足した時に、冷間圧延後の板厚精度として、目標板厚の±100μm以下となる事を見出した。板厚精度の定義としては、冷間圧延設備において、最終圧延出側でのオンラインX線測定により、約20cm間隔で最先端および最後端の10mを除いた鋼帯全長に渡り鋼帯幅方向中心位置での測定を行った結果を、3点の移動平均として求めたものを実績板厚と定義した上で、目標板厚に対して実績板厚の変化量を求めた物である。一般に、目標板厚に対して±100μm以内の板厚精度にする事で、プレス成形時の部品の形状安定性や、金型とのかじりを防止する事が出来るため、これを板厚精度の上限値とした。図1に熱延鋼帯捲取温度[CT]と焼戻し温度[TA]の関係を示す。図1において、(1)に示す関係式
[TA]=0.0006[CT]2+0.15[CT]+350・・・(1)
[TA]:焼戻し温度(℃)
[CT]:鋼帯捲取温度(℃)
を満足すれば、いずれの場合にも目標板厚が100μm以内であることがわかる。
また、焼戻し時間に関しては、3秒未満の焼戻し時間では、十分な硬度均一化が図れないためこれを下限とした。上限は特に設けないが、焼戻し時間が長時間となる程、熱延鋼板の硬度均一化が図れる反面、極端に長時間となると表層での脱炭や結晶粒径の粗大化が起こる可能性があるため、200時間以下が望ましい。図2に焼戻し温度[TA]と狙い板厚に対する変動の最大値の関係を示す。ここでの変動の最大値とは、前述の3点移動平均の中で目標板厚に対して板厚精度が最大限外れた時の値を示す。図2において、焼戻し温度[TA]が3秒以上であれば目標板厚に対する変動の最大値は100μm以内であることが分かる。尚、焼戻時間の上限が200時間を超えても目標板厚に対する変動の最大値は悪化することはないが、生産性が著しく低下するため、生産上の都合から上限は200時間までが好ましい。
また、この焼戻し熱処理を行う手段としては、酸洗前のスケールの付いた状態、いわゆる黒皮材の状態でBAF焼鈍炉または連続焼鈍炉にて焼戻すことで硬度均一化を図ることが出来る。さらに好ましい方法として、熱延鋼板を連続酸洗設備のコイル巻き戻しから酸洗槽進入前までの間で、誘導加熱方式にて鋼板の焼戻しを行うことが出来れば生産性の面および設備のコンパクト化の面からも好ましい。
図3、図4は、熱延鋼板を連続酸洗設備のコイル巻き戻しから酸洗槽進入前までの間で、誘導加熱方式にて鋼板の焼戻しを行う一例で、図3は連続酸洗設備の入側ルーパーの入側に誘導加熱装置を設置した一例、図4は連続酸洗設備の入側ルーパーの出側に誘導加熱装置を設置した一例である。いずれも連続酸洗設備の酸洗槽前、即ち連続酸洗設備の入側で鋼板を誘導加熱する例であるが、図4の場合のように、連続酸洗設備の入側ルーパーの出側に誘導加熱装置を設置する方が、連続酸洗設備の入側のコイル切替、溶接による加減速やライン停止の影響を入側ルーパーが吸収してくれ、酸洗槽と同じ一定速度で誘導加熱できるためより好ましい。
以下に本発明の実施例を示す。
表1に示すA〜Sの鋼材を用い、表2〜表5に示す条件で熱間圧延を行った。なお、表2〜表5の内容は連続したものである。それぞれの成分のスラブに対し、同様の条件で熱間圧延を複数本実施した。それぞれ、焼戻しをせずに常法通り熱延板を酸洗後、冷間圧延を行う物を子番aとし、熱延板を酸洗前の誘導過熱設備で焼戻しを行う物を子番bとし、熱延板を酸洗後に連続焼鈍設備で焼戻し後に冷間圧延を行う物を子番cとし、熱延板を酸洗前にBAF焼鈍設備で焼戻しを実施後、引き続き酸洗を実施後に冷間圧延を行った物を子番dとし、熱延板を酸洗後にBAF焼鈍設備で焼戻しを実施後、引き続き酸洗を実施後に冷間圧延を行った物を子番eとする。
Figure 0005042982
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冷間圧延後の板厚精度は、冷間圧延出側のX線測定器にて、幅方向中心位置での板厚を測定した。板厚は、鋼帯の先端部から後端部にかけて冷間圧延直後にオンラインでX線を用いて約20cm間隔で測定しており、3点の移動平均を鋼帯全長測定した。
製造No.A-b-1、B-d-3、K-d-2では、熱間圧延時の加熱温度が低いため、熱間圧延時の圧延荷重が高くなり、圧延する事が不可能であった。
製造No.A-a-1、A-a-2、A-a-3、B-a-1、B-a-2、B-a-3、C-a-1、C-a-2、C-a-3、D-a-1、E-a-1、F-a-1、G-a-1、H-a-1、I-a-1、J-a-1、K-a-1、L-a-1、M-a-1、N-a-1では、焼戻しを実施しなかったため、冷間圧延後の板厚変動が大きい。
製造No.A-a-3、B-e-3、F-b-1では、熱間圧延時の仕上げ温度がAr3以下となり、フェライト/オーステナイト2相域圧延となったため、熱延鋼板の板厚変動が大きくなり、焼戻しを実施しても冷間圧延後の板厚変動が大きくなった。
製造No.B-a-3、B-c-3では、捲取温度が高温となったため、熱延板強度のばらつきが大きくなり過ぎ、焼戻しを実施しても冷間圧延後の板厚変動が大きくなった。
製造No.A-b-3、A-c-3、A-d-2、C-e-1、C-e-2、E-b-1、H-b-1、J-b-2では、焼戻しの温度が[TA]℃以下であったため、鋼帯の強度均一化が不十分となり、冷間圧延後の板厚変動が大きくなった。
製造No.B-b-2、C-b-1、K-b-2では、焼戻し時間が不十分であったため、鋼帯の強度均一化が不十分となり、冷間圧延後の板厚変動が大きくなった。
鋼No.O、Sでは、熱延鋼板の強度が低く、焼戻しを実施せずとも十分な板厚制度が得られるため、本発明においては比較鋼となる。
鋼No.P、Qでは、熱延鋼板が脆化しており、焼戻し実施の有無に関わらす、冷間圧延中に破断したため、本発明においては比較鋼となる。
鋼No.Rでは、熱延鋼板の強度が高くなりすぎ、熱間圧延における捲取を実施中に割れたため、本発明においては比較鋼となる。
上記以外の製造No.においては、狙いの板厚に対する変動が小さく、板厚制度に優れた高強度鋼板を製造する事が出来た。
は熱延鋼帯捲取温度[CT]と焼戻し温度[TA]の関係を示すグラフである。 は焼戻し温度[TA]と狙い板厚に対する変動の最大値の関係を示すグラフである。 は連続酸洗設備の入側ルーパーの入側に誘導加熱装置を設置した一例を示す説明図である。 は連続酸洗設備の入側ルーパーの出側に誘導加熱装置を設置した一例を示す説明図である。

Claims (5)

  1. 質量%で、
    C:0.02〜0.4%、
    Si:2.0%以下
    Mn:0.5〜3.5%、
    P:0.0005〜0.1%、
    S:0.02%以下、
    Al:0.01〜3.0%、
    N:0.01%以下、
    を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなる鋳造スラブを、鋳造ままあるいは一旦冷却した後に再度1100℃以上に加熱し、Ar3点以上の仕上温度で熱間圧延を施し、その後、5〜500℃/秒の冷却速度にて室温〜700℃の範囲の鋼帯捲取温度[CT]まで冷却後、酸洗前に(1)に示す焼戻し温度[TA]℃以上の加熱温度で3秒以上の加熱を行い、しかる後に冷間圧延することを特徴とする板厚精度に優れた高強度鋼板の製造方法。
    [TA]=0.0006[CT]2+0.15[CT]+350・・・(1)
    [TA]:焼戻し温度(℃)
    [CT]:鋼帯捲取温度(℃)
  2. 更に、鋳造スラブ中に質量%で、
    Ti:0.2%以下、
    Nb:0.2%以下、
    Mo:1.0%以下、
    Cr:1.0%以下、
    B:0.0002〜0.005%
    Ca:0.0005〜0.005%
    Mg:0.0005〜0.005%
    の1種または2種以上を含有させることを特徴とする請求項1に記載の板厚精度に優れた高強度鋼板の製造方法。
  3. 前記熱延鋼板の焼戻しは、酸洗前のコイルをBAF焼鈍炉にて焼戻すことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の板厚精度に優れた高強度鋼板の製造方法。
  4. 前記熱延鋼板の焼戻しは、熱延鋼板を連続酸洗設備のコイル巻き戻しから酸洗槽進入前までの間で、誘導加熱方式にて鋼板の焼戻しを行う事を特徴とする請求項1または2に記載の板厚精度に優れた高強度鋼板の製造方法。
  5. 連続酸洗設備のコイル巻き戻し設備から酸洗槽の間に、誘導加熱装置を設けることを特徴とする請求項4記載の板厚精度に優れた高強度鋼板を製造可能な製造設備。
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