JP5623268B2 - 床構造 - Google Patents

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Description

本発明は床構造に関し、床衝撃音の低減、特に重量床衝撃音の低減に用いて好適な床構造に関する。
床衝撃音とは、マンション等の集合住宅において問題とされる音であり、人の歩行や、飛び跳ねや、家具の引き摺りや、食器の落下などに起因する音である。床衝撃音は、床に衝撃を与えて加振するものの硬さと衝撃を加える時間の長さとに応じて、広い周波数成分の振動が発生し、これが床から放射して下階室において観測される音である。
この床衝撃音は、軽量床衝撃音と重量床衝撃音とに分類される。軽量床衝撃音は、家具の引き摺りや、物の落下等により生じる音であり、重量床衝撃音は、人の歩行、飛び跳ね、飛び降り等により生じる音である。
上述のような音を遮断するために、床の遮断性能を高める種々の方法、例えば、床スラブの断面を水平面と傾斜面および段差を組合せた変断面とすることによって、床の遮断性能を高める方法が提案されている(例えば、特許文献1および2参照。)。特許文献1および2に記載された変断面を有する床スラブでは、変断面を採用することによって床重量、床剛性を規則的に調整することができ、床の遮断性能の向上が図られている。
特開2006−328951号公報 特開2006−009249号公報
しかしながら、平面視した際のスラブの形状によっては床衝撃音の遮断性能が低く、スラブの厚さを大きくしても遮断性能が向上しにくいという問題があった。具体的には、梁によって一辺が4mから8mの範囲、特に5mから6mの範囲で区切られた矩形状のスラブの場合、他の形状のスラブと比較して、床衝撃音の遮断性能が低く、スラブの厚さを大きくしても遮断性能が向上しにくいことを発明者らは発見した。
しかも、梁によって一辺が5mから6mに区切られた矩形状のスラブは、多くの建築物に採用されているため、床衝撃音に対する遮断性向上が望まれているにもかかわらず、その対策が十分になされていないという問題があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、スラブの形状や大きさに関わらず、床衝撃音に対する遮断性能向上を図ることができる床構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明の第1の態様に係る床構造は、複数列に並ぶ柱の間をつなぐ第1梁と、第1梁と交差する方向に延びて、対向する柱をつなぐ第2梁と、第1梁および前記第2梁に固定されるコンクリート床スラブで形成される鉄筋コンクリート造の床構造において、床スラブの上面に、第1梁または第2梁と平行に畝状に突出する突出部が設けられている。
本発明の第2の態様に係る床構造は、複数列に並ぶ柱の間をつなぐ第1梁と、第1梁と交差する方向に延びて、対向する柱をつなぐ第2梁と、第1梁および第2梁に固定されるコンクリート床スラブで形成される鉄筋コンクリート造の床構造において、床スラブの下面に、第2梁と平行に畝状に突出する突出部が設けられ、突出部の両端部と、第1梁は切り離されている。
この発明によれば、突出部は、振動モードにおける隣接する節の間で振幅が最大となる点である腹を中心として、列方向において両側に、対向する第2梁の間を8等分割した一区間の範囲、および、上述の腹を中心として、列方向と交差する方向において両側に、対向する第1梁の間を8分割した一区間の範囲である腹領域を含み、この腹領域から上述の囲まれた付加スラブ面の周辺に向かって畝状に突出することが、より好ましい。また、突出部は、振動モードにおける隣接する節の間で振幅が最大となる点である腹を含み、この腹から上述の囲まれた付加スラブ面の周辺に向かって畝状に突出ことが、さらに好ましい。
この発明によれば、床構造における床スラブは、柱が並ぶ列方向(第1梁が延びる方向)に延びる長辺と、列方向と交差する方向(第2梁が延びる方向)に延びる短辺と、を有する長方形状に形成することが好ましい。
突出部を床スラブに上述のような形状で設けることで、衝撃が床スラブに加えられた際に、突出部が設けられていない場合と比較して、床スラブに形成される振動モードのパターンが変化するとともに振幅が減少したり、振動モードのパターンは同じでも振幅が抑えられたりする。床スラブに形成される振動モード、つまり振動の振幅が小さくなるため、本発明における床構造における床衝撃音に対する遮断性能の向上を図ることができる。
この発明によれば、突出部が設けられる位置を、腹を中心として、列方向において両側に、対向する第2梁の間を8等分割した一区間の範囲、および、上述の腹を中心として、列方向と交差する方向において両側に、対向する第1梁の間を8分割した一区間の範囲である腹領域を少なくとも含むようにすることで、床スラブにおける振動の振幅を小さくすることができる。突出部がこの腹領域を含まない場合には、床スラブにおける振動の振幅を小さくする効果がほとんど発揮されなくなる。例えば、振動の振幅を小さくする効果が0.5dB以下になる。
この発明によれば、第1梁が延びる方向である上述の列方向、および、第2梁が延びる方向である上述の列方向と交差する方向における柱同士の間隔が、4mから8mの範囲、より好ましくは5mから6mの範囲(床構造における遮断性能が低く、床スラブの厚さを大きくしても遮断性能が向上しにくい範囲)内の場合に、本発明の床構造と、それ以外の床構造との間で遮断性能に大きな差が発生する場合がある。
この発明によれば、一対の4分割線は、対向する第1梁の間を4等分する3本の4分割線のうち、中央の4分割線を除いた、第1梁と隣接する2本の4分割線である。さらに一対の4分割線の配置位置は、対向する第1梁の間に形成される振動モード(第1梁と直交する面で切断した断面で見た振動モード)における節の間の振幅が最も大きな位置である腹と一致していることが好ましい。等分割線は、対向する第2梁の間を等分割する線である。さらに、等分割線の配置位置は、対向する第2梁の間に形成される振動モード(第2梁と直交する面で切断した断面で見た振動モード)における節の間の振幅が最も大きな位置である腹と一致していることが好ましい。
突出部を第1梁または第2梁と平行に延ばして設けることにより、床スラブに形成される振動モード、特に、重量床衝撃音の大きさに影響を与える、対向する第2梁または第1梁の間に形成される振動モードに対して振幅を抑制する効果を得ることができる。
出部は第1梁または第2梁と切り離されても、床スラブにおける振動モードの振幅を抑制する役割を果たす一方で、床スラブを支える梁としての役割を果たすことがなくなる。そのため、梁としての役割も果たす場合と比較して、突出部に求められる強度が低くなり、突出部に必要な断面積が小さくなる。つまり、突出部における床スラブから突出高さや、突出部の幅を小さくして、突出部の小型化を図ることができる。
突出部と第1梁または第2梁とをつないだ場合、突出部は床スラブを支える梁としての役割を果たすことができる。この場合、突出部には、梁としての役割を果たすだけの強度を備えることが求められる。例えば、突出部と第1梁または第2梁とが切り離されている場合と比較して、突出部の断面積を広くすること、具体的には曲げモーメントに対する強度を有することが求められる。
本発明の床構造によれば、突出部を床スラブに上述のような形状で設けることで、床スラブに形成される振動モードのパターンを変化させるとともに振幅を減少させたり、振動モードのパターンは同じでも振幅を抑えたりすることができ、スラブの形状や大きさに関わらず、床衝撃音に対する遮断性能向上を図ることができるという効果を奏する。
本発明の第1の実施形態に係る床構造の構成を説明する模式図である。 図1の床構造の構成を説明するA−A'断面視図である。 図1の床構造の構成を説明するB−B'断面視図である。 図1の突出部が配置される位置を説明する模式図である。 重量床衝撃音における遮断性能を求める際に用いた数値解析モデルを説明する模式図である。 本実施形態の床構造における周波数とインピーダンスレベルとの関係を説明するグラフである。 床スラブ、第1梁および第2梁のみを有する床構造における床スラブの振動状態を説明する参考図である。 第1の実施形態の床構造における床スラブの振動状態を説明する解析結果の図である。 図2の突出部を設ける位置を変更した他の実施例を説明する断面視図である。 図1の床構造における他の実施例を説明する模式図である。 本発明の第1の実施形態の変形例に係る床構造の構成を説明する模式図である。 図11の床構造の構成を説明するC−C'断面視図である。 本発明の第2の実施形態に係る床構造の構成を説明する模式図である。 本実施形態の床構造における周波数とインピーダンスレベルとの関係を説明するグラフである。 本実施形態の床構造における床スラブの振動状態を説明する解析結果の図である。
〔第1の実施形態〕
以下、本発明の第1の実施形態に係る床構造ついて図1から図10を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る床構造の構成を説明する模式図であり、図2は、図1の床構造の構成を説明するA−A'断面視図であり、図3は、図1の床構造の構成を説明するB−B'断面視図である。
本実施形態では本発明の床構造1を、床版がスパン方向(列方向)および桁行き方向(列方向と交差する方向)ともに4mから8mの範囲内、より好ましくは5mから6mの間隔で配置された梁によって支持されるものであって、RC造のものに適用して説明する。
なお、上述のように、床構造1の支持間隔が5mから6mの場合に、本発明の床構造1を適用してもよいし、床構造1の支持間隔が5mから6m以外の場合であっても、本発明の床構造1を適用してもよい。床構造1の支持間隔が5mから6mの場合には、床構造1における重量床衝撃音などの床衝撃音に対する遮断性能が最も悪いため、本発明の床構造1を適用することによる遮断性能の向上が最も顕著となる。床構造1の支持間隔が5mから6m以外の場合であっても、本発明の床構造1の適用による効果である遮断性能の向上を図ることができる。
床構造1には、図1から図3に示すように、上下方向(図1の紙面に対して垂直方向)に延びるとともにスパン方向(図1の水平方向)に並んで配置された複数の柱10と、スパン方向に延びて柱10の間をつなぐ第1梁20と、桁行き方向(図1の上下方向)に延びて柱10の間をつなぐ第2梁30と、第1梁20および第2梁30に固定される床版である床スラブ40と、が主に設けられている。
柱10は、第1梁20、第2梁30および床スラブ40を支えるものであり、本実施形態では断面が矩形の四角柱状に形成されたものに適用して説明する。柱10は、スパン方向に延びる2本の直線上に5mから6mの範囲内の所定間隔で等間隔に並んで配置されている。複数の柱10が並ぶ2本の直線は、桁行き方向に、5mから6mの範囲内の所定間隔だけ離れて平行に配置されている。
第1梁20および第2梁30は床スラブ40を支えるものであり、その断面が床スラブ40を支えるために必要な形状、例えば矩形に形成されたものに適用して説明する。なお、第1梁20および第2梁30の断面は、床構造1を施工する際の施工性さを考慮すると、上述のように矩形に形成されることが望ましいが、その他にも台形など、種々の形状を適用することもできる。
第1梁20はスパン方向かつ水平方向に延びて配置され、その端部がスパン方向に隣接して配置された柱10に固定されているものである。一の第1梁20における他の第1梁20と対向する側面には床スラブ40が固定されている。
第2梁30は、桁行き方向かつ水平方向に延びて配置され、その端が桁行き方向に隣接して配置された柱10に固定されているものである。第2梁30は床スラブ40を支持するものであり、第2梁30と床スラブ40との間は、鉄骨構造(以下、「S造」と表記する。)における梁と床との間の構造と同等の構造とされている。
床スラブ40は、柱10および第1梁20の間に形成された長方形状の空間に配置された板部材である。床スラブ40には、床構造1における床衝撃音、特に重量床衝撃音の遮断性能を高める突出部41が設けられている。
図4は、図1の突出部が配置される位置を説明する模式図である。
突出部41は、床スラブ40の下面から下方に向かって突出し、畝状に延びて配置されているものである。突出部41は、第1梁20および第2梁30に囲まれた床スラブ40において形成される振動モードにおける腹領域ANを含んで通過し、第2梁30と平行に延びて配置されている。より好ましくは、振動モードにおける隣接する節の間で振幅が最大となる点である腹を含み、第2梁30と平行に延びて配置されている。突出部41は第1梁20まで延び、その端部は第1梁20とつながっている。
ここで、腹領域ANは、床スラブ40に突出部41が設けられていない状態において、後述する数値計算によって求められた第1梁20および第2梁30に囲まれた床スラブ40に形成される振動モードにおける腹を中心として、スパン方向において両側に、対向する第2梁30の間を8等分割した一区間の範囲、および、桁行き方向において両側に、対向する第1梁20の間を8分割した一区間の範囲である。
第1梁20および第2梁30に囲まれた床スラブ40において形成される振動モードは、床スラブ40および桁行き方向と垂直な面で切断した断面視においては、第2梁30との固定部の2ヶ所が節であり、中央の1か所が腹となる振動モードであり、床スラブ40およびスパン方向と垂直な面で切断した断面視においては、第1梁20との固定部および中央の3か所を節とし、その間の2ヶ所を腹とする振動モードである。
なお、第1梁20および第2梁30に囲まれた床スラブ40において形成される振動モードは、上述の振動モードに限定されることなく、他の振動モードであってもよい。具体的には、床スラブ40および桁行き方向と垂直な面で切断した断面視においては、第2梁30との固定部の2ヶ所が節であり、中央の1か所が腹となる1次振動モードに限定されることなく、2次振動モードや3次振動モード等であってもよい。床スラブ40およびスパン方向と垂直な面で切断した断面視においては、第1梁20との固定部および中央の3か所を節とし、その間の2ヶ所を腹とする2次振動モードに限定されることなく、1次振動モードや3次振動モード等であってもよい。
より好ましくは、一対の第1梁20の間を等分割する等分割線DLと、一対の第2梁30の間を4等分する3本の4分割線QLのうち、中央の4分割線QLを除いた第2梁30に隣接する4分割線QLと、の交点CPを中心として、スパン方向において両側に、対向する第2梁30の間を8等分割した一区間の範囲、および、桁行き方向において両側に、対向する第1梁20の間を8分割した一区間の範囲(以下、「交差領域」と表記する。)を通過し、等分割線DL上を延びて配置されていることが望ましい。等分割線DLと、第2梁30に隣接する4分割線QLとの交差領域は、上述の腹領域ANに含まれるか、一致する領域である。
上記の構成からなる床構造1において、床スラブ40の重量は、主に第1梁20および第2梁30を介して柱10により支えられる。また、両端が第2梁30につながれていることから、さらに、突出部41および第2梁30を介して、床スラブ40の重量は柱10により支えられる。つまり、突出部41は床スラブ40を支える役割も果たすため、床スラブ40の支持に耐えうる断面積を有する。例えば、後述するように突出部に床スラブ40を支える役割を持たせない場合と比較して、(床スラブ40の下面と平行な方向の寸法が同じという仮定の下で)突出部41における、床スラブ40の下面から突出部41の下面までの距離が大きく形成されている。
次に、上記の構成からなる床構造1における床衝撃音、特に重量床衝撃音の遮断性向上について説明する。具体的には、有限要素法(FEM)を用いた数値解析に基づいて本実施形態の床構造1における床衝撃音の遮断性能の向上について説明する。ここでは、床スラブのインピーダンスを、有限要素法を用いて解析し床スラブから放射される音を「インピーダンス法(日本建築学会)」と同様の方法を用いて算出している。
図5は、重量床衝撃音における遮断性能を求める際に用いた数値解析モデルを説明する模式図である。
数値解析に用いられたモデルについて図5を参照しながら説明する。図5に示す数値解析モデルは、床スラブ40、第1梁20および第2梁30を有する従来の床構造の解析に用いられたモデルである。この数値解析モデルでは、第1梁20および第2梁30に囲まれた床スラブ40が5つ直列に並んで配置され、その中央に配置された床スラブ40に対して複数の加振点VP(例えば49の加振点VP)が均等に分散して配置されている。また、本実施形態の床構造1に対する数値解析についても、図5に示す数値解析モデルと同様な数値解析モデルが用いられる。本実施形態の床構造1に対する数値解析では、床スラブ40に突出部41が設けられている。
床スラブ40についてのインピーダンスは、それぞれの加振点VPについて、床スラブ40に設けられた全ての計算節点への伝達インピーダンスを平均したインピーダンスを算出し、さらに、それぞれの加振点VPについて求められたインピーダンスを、全ての加振点VPについて平均することにより算出されている。
図6は、本実施形態の床構造1における周波数とインピーダンスレベルとの関係を説明するグラフである。図6における実線が本実施形態の床構造1におけるインピーダンスレベル(dB)の変化を示し、破線が従来の床構造におけるインピーダンスレベル(dB)の変化を示している。なお、インピーダンスレベル(dB)は値が大きくなるほど重量床衝撃音の遮断性能が高くなる。さらに、図6中に示した63Hz帯域は、重量床衝撃音における遮断性能を評価する際に決定周波数(決定的な影響を与える周波数)となりやすい。
図6に示すように、周波数(Hz)が100Hz程度よりも低い範囲で、本実施形態の床構造1におけるインピーダンスレベルは、従来の床構造におけるインピーダンスレベルよりも高くなる傾向が示されている。図6に示されている63Hz帯域においても同様に、本実施形態の床構造1は従来の床構造よりもインピーダンスレベルが高くなる傾向が示されている。つまり、本実施形態の床構造1は、従来の床構造と比較して重量床衝撃音の遮断性能が高くなることが示されている。
図7は、床スラブ40、第1梁20および第2梁30のみを有する床構造における床スラブ40の振動状態を説明する参考図である。図8は、本実施形態の床構造における床スラブ40の振動状態を説明する解析結果の図である。
次に、本実施形態の床構造1における床スラブ40の振動状態(図8参照。)と、床スラブ40、第1梁20および第2梁30を有する従来の床構造における床スラブ40の振動状態(図7参照。)と、を対比する。図7および図8における細線で示された曲線は、床スラブ40における振幅の大きさを表す曲線である。
従来の床構造における床スラブ40では、図7に示すように、第1梁20および第2梁30に囲まれた領域において、2つの腹領域(細線からなる閉曲線で囲まれた領域)ANを形成する振動モードが形成される。2つの腹領域ANは、床スラブ40における桁行き方向に並んでいる。このときの重量床衝撃音を基準(0dB)とする。
本実施形態の床構造1では、図8に示すように、床スラブ40における振動の様相が大きく変化する。つまり、第1梁20、第2梁30および突出部41に囲まれた領域において1つの腹領域ANを形成する振動モードが床スラブ40に形成される。上述の場合と同様に、第1梁20および第2梁30に囲まれた領域でみると、床スラブ40では、スパン方向に並んで2つの腹領域ANを形成する振動モードが形成される。さらに、本実施形態の床構造1における腹領域ANにおける振幅は、従来の床構造における腹領域ANの振幅よりも小さくなっている。そのため、本実施形態の床構造1における重量床衝撃音は、従来の床構造のものより小さくなっている(−12dB)。
上記の構成によれば、床スラブ40に突出部41が設けられていない場合と比較して、突出部41を床スラブ40に設けることで、衝撃が床スラブ40に加えられた際に、床スラブ40における振動モードのパターンを変化させるとともに、振動モードの振幅(特に腹領域ANにおける振幅)を減少させることができる。そのため、本実施形態の床構造1における床衝撃音、特に重量床衝撃音に対する遮断性能の向上を図ることができる。
特に、第1梁20が延びる方向であるスパン方向、および、第2梁30が延びる方向である桁行き方向における柱10同士の間隔が、4mから8mの範囲(例えば4m×4mから7m×8mの範囲)、より好ましくは5mから6mの範囲では床構造における遮断性能が、柱10同士の間隔が他の範囲の床構造と比較しても低く、床スラブ40の厚さを大きくしても遮断性能が向上しにくい。そのため、柱10同士の間隔が、この範囲内の場合に、本実施形態の床構造1と、それ以外の床構造との間で遮断性能に大きな差が発生する。
さらに、突出部41を第1梁20と平行に延ばして設けることにより、床スラブ40における振動モード、特に、重量床衝撃音の大きさに影響を与える、対向する第1梁20および対向する第2梁30に囲まれた床スラブ40における振動モードの振幅を抑制する効果を得ることができる。
図9は、図2の突出部41を設ける位置を変更した他の実施例を説明する断面視図である。
なお、上述の実施形態では、突出部41が床スラブ40の下面から下方に向かって突出する例に適用して説明したが、図9に示すように、突出部41Aを床スラブ40の上面から上方に向かって突出させてもよい。
このようにすることで、床スラブ40の下面から下方に突出部41を突出させる場合と比較して、突出部41Aを形成しやすくなる。つまり、RC造である本実施形態の床構造1を形成する際(コンクリートを打設する際)、床スラブ40の下面に突出部41が設けられている場合と比較して、床スラブ40の上面に突出部41Aが設けられている場合は、型枠を組み易く、コンクリートの打ち込みが行い易い。
図10は、図1の床構造1における他の実施例を説明する模式図である。
なお、上述の実施形態では、スパン方向に延びる柱10の列が2列(2本)の例に適用して説明したが、図10に示すように、スパン方向に延びる柱10の列が3列(3本)平行して配置されていてもよい。
〔第1の実施形態の変形例〕
次に、本発明の第1の実施形態の変形例に係る床構造ついて図11および図12を参照して説明する。本変形例の床構造の基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、突出部の構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図11および図12を用いて突出部の構成のみを説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。図11は、本変形例の床構造の構成を説明する模式図であり、図12は、図11の床構造の構成を説明するC−C'断面視図である。
本変形例の床構造101における床スラブ140には、図11および図12に示すように、床構造101における床衝撃音、特に重量床衝撃音の遮断性能を高める突出部141が設けられている。
突出部141は、第1の実施形態の突出部41と同様に、床スラブ140の下面から下方に向かって突出し、畝状に延びて配置されているものである。突出部141と、第1梁20との間には分離溝142が設けられ、突出部141と、第1梁20とは分離溝142よって切り離されている。
上述のように、突出部141は、分離溝142によって第1梁20と切り離されているため、突出部141は床スラブ140の重さを支える役割を果たすことがない。そのため、第1梁20とつながる第1の実施形態の突出部41と比較して、本変形例の突出部141は、床衝撃音の遮断性を高める役割を果たすだけでよく、より小さい断面積で形成されている。例えば、(床スラブ140の下面と平行な方向の寸法が同じという仮定の下で)床スラブ140の下面から突出部141の下面までの距離が小さく形成されている。
このような構成とすることで、突出部141に必要な断面積を小さくすることができる。突出部141は第1梁20と切り離されても、床スラブ140における振動モードの振幅を抑制する役割を果たすことができる一方で、床スラブ140を下方から支える梁としての役割を果たすことがなくなる。そのため、第1の実施形態のように突出部41が梁としての役割も果たす場合と比較して、突出部141に求められる強度が低くなり、突出部141に必要な断面積が小さくなる。その結果、第1の実施形態のように突出部41を第1梁20につないだ場合と比較して、床衝撃音の遮断性向上を確保しつつ、突出部141における床スラブ140から突出高さや、突出部141の幅(床スラブ140の下面と平行な方向の寸法)を小さくして、突出部141の小型化を図ることができる。
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態に係る床構造ついて図13から図15を参照して説明する。本実施形態の床構造の基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、突出部の延びる方向が異なっている。よって、本実施形態においては、図13から図15を用いて突出部の周辺のみを説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。図13は、本実施形態に係る床構造の構成を説明する模式図である。
本実施形態の床構造201における床スラブ240には、図13に示すように、床構造201における床衝撃音、特に重量床衝撃音の遮断性能を高める突出部241が設けられている。
突出部241は、床スラブ240の下面から下方に向かって突出し、畝状に延びて配置されているものである。突出部241は、第1梁20および第2梁30に囲まれた床スラブ240における振動モードにおける腹領域ANを含んで通過し、第2梁30と平行に延びて配置されている。より好ましくは、振動モードにおける隣接する節の間で振幅が最大となる点である腹を含み、第2梁30と平行に延びて配置されている。突出部241は第2梁30まで延び、その端部は第2梁30とつながっている。
上記の構成からなる床構造201において、床スラブ240の重量は、主に第1梁20および第2梁30を介して柱10により支えられる。また、両端が第1梁20につながれていることから、さらに、突出部241および第1梁20を介して、床スラブ240の重量は柱10により支えられる。つまり、突出部241は床スラブ240を下方から支える役割も果たすため、床スラブ240の支持に耐えうる断面積を有する。
次に、上記の構成からなる床構造201における床衝撃音、特に重量床衝撃音の遮断性向上について説明する。具体的には、第1の実施形態と同様に、有限要素法(FEM)を用いた数値解析に基づいて本実施形態の床構造201における床衝撃音の遮断性能の向上について説明する。
図14は、本実施形態の床構造201における周波数とインピーダンスレベルとの関係を説明するグラフである。図14における実線が本実施形態の床構造201におけるインピーダンスレベル(dB)の変化を示し、破線が従来の床構造におけるインピーダンスレベル(dB)の変化を示している。
図14に示すように、結果が得られたほぼ全ての周波数(Hz)にわたって、本実施形態の床構造201におけるインピーダンスレベルは、従来の床構造におけるインピーダンスレベルよりも高くなる傾向が示されている。図14に示されている63Hz帯域においても同様に、本実施形態の床構造201は従来の床構造よりもインピーダンスレベルが高くなる傾向が示されている。つまり、本実施形態の床構造201は、従来の床構造と比較して重量床衝撃音の遮断性能が高くなることが示されている。
図15は、本実施形態の床構造における床スラブ240の振動状態を説明する解析結果の図である。
次に、本実施形態の床構造201における床スラブ240の振動状態(図15参照。)と、第1梁20および第2梁30を有する従来の床構造における床スラブ40の振動状態(図7参照。)と、を対比する。
本実施形態の床構造201では、図15に示すように、従来の床構造における床スラブ40と同じ態様(振動モード)の振動が発生する。つまり、第1梁20および第2梁30に囲まれた領域において、2つの腹領域ANを形成する振動モードが発生する。2つの腹領域ANは、床スラブ240における桁行き方向に並んでいる。本実施形態の床構造201と従来の床構造との相違点は、振幅の大きさにあり、従来の床構造と比較して、本実施形態の床構造201における振幅は小さくなっている。そのため、本実施形態の床構造201における重量床衝撃音は、従来の床構造のものより小さくなっている(−7dB)。
上記の構成によれば、突出部241を第2梁30と平行に延ばして設けることにより、床スラブ240における振動モード、特に、重量床衝撃音の大きさに影響を与える、対向する第1梁20および対向する第2梁30に囲まれた床スラブ240における振動モードの振幅を抑制する効果を得ることができる。そのため、本実施形態の床構造201における床衝撃音、特に重量床衝撃音に対する遮断性能の向上を図ることができる。
1,101,201…床構造、10…柱、20…第1梁、30…第2梁、40,140,240…床スラブ、41,41A,141,241…突出部、142…分離溝、DL…等分割線、QL…4分割線

Claims (2)

  1. 複数列に並ぶ柱の間をつなぐ第1梁と、
    前記第1梁と交差する方向に延びて、対向する前記柱をつなぐ第2梁と、
    記第1梁および前記第2梁に固定されるコンクリート床スラブで形成される鉄筋コンクリート造の床構造において、
    前記床スラブの上面に、前記第1梁または前記第2梁と平行に畝状に突出する突出
    設けられていることを特徴とする床構造。
  2. 複数列に並ぶ柱の間をつなぐ第1梁と、
    前記第1梁と交差する方向に延びて、対向する前記柱をつなぐ第2梁と、
    記第1梁および前記第2梁に固定されるコンクリート床スラブで形成される鉄筋コンクリート造の床構造において
    前記床スラブの下面に、前記第2梁と平行に畝状に突出する突出部が設けられ
    前記突出部の両端部と、前記第1梁は切り離されていることを特徴とする床構造。
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