JP5620046B2 - テモゾロマイドエステルよりなる医薬組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、医薬分野に関する。より詳細には、本発明はテモゾロマイド−8−カルボキシレート誘導体、その製造方法、それらよりなる組成物、及び腫瘍治療用の医薬の製造に於ける、その誘導体及び組成物の使用、特に、皮膚癌、脳腫瘍及びリンパ腫のような腫瘍の治療のための経口及び経皮製剤における当該化合物及び組成物の使用に関するものである。
癌治療用のアルキル化剤であるテモゾロマイド(以下「TMZ」と表す)は、広域スペクトラムな抗腫瘍の生物活性を有していて[L.H. Tsang, et al. Cancer Chemother Pharmacol. 27(1991):342-346]、特に神経膠腫(脳腫瘍)及び悪性黒色腫(皮膚癌)の治療のための生物活性を有している。
幾つかの西洋諸国に於いて、TMZカプセルが、悪性神経膠腫の治療用に認可されている。WO0057867には周期的なスケジュールでTMZを使用する方法が記載されている。また、中国においても、TMZカプセルの臨床使用が認可されている。
フェーズII臨床試験は、TMZが悪性黒色腫を治療する活性を有していることを示し[N.M. Bleehen, et al. J. Clin. Oncol. 13(1995):910-913]、さらに最近のフェーズIII試験は、TMZがダカルバジンと同様の悪性黒色腫の治療のための活性を有し[M.R. Middleton, et al. J. Clin. Oncol. 18(2000)158-166]、白血球減少症、吐き気、嘔吐、脱毛、赤疹及び便秘のような同様の副作用さえも伴うことを明らかにした。
さらに、TMZの経口投与は用量規制骨髄毒性を示した[A.M. Heimberger, et al. Clin. Can. Res. 6(2000):4148-4153]。製剤変更についての先の研究は、TMZ溶液の注射による髄腔内投与が副作用を低減し得ることを示した[J.H. Sampson, et al. Clin. Can. Res. 5(1999):1183-1188]。
従って、皮膚癌の治療、特にその初期段階では、TMZについては経皮製剤が理想的であると見なされる。いくつかの研究は、腫瘍部位へのトレミフェンの局所投与は、全身濃度を下げて、高い局所濃度をもたらすことができることを証明しており[L. Soe, et al. Cancer Chemother. Pharmacol., 39(1997):513-520]、これはより低い全身毒性をもたらした。
一般に経皮投与は、皮膚保護と薬剤の物理化学性の両者により調節される。当該薬剤の不安定性及び不溶性が、その製剤化の妨げになっている。WO0057867で公開されているように、研究によれば当薬剤の人工皮膚(シリコン膜)、ラット皮膚及びヒト皮膚への浸透が不能であることが、その経皮製剤化を不可能にしているということである。この点から見て、TMZの適用は大いに限定されてしまうのである。
以前は、構造修飾により、多くの誘導体が合成されており、その大部分は第3位窒素原子の置換基の置換及び第8位アミド基の窒素原子の置換基の修飾に焦点が当てられていた。EP0252682(1987)に記載されているように、一般式は、テモゾロマイド−8−カルボン酸メチル、エチル、プロピル及びブチルを請求しているが、それらの腫瘍治療のための薬理作用及び活性は開示していなかった。
一方、TMZによって一般的に表されるイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−4−オンは、非常に悪い溶解性を共有しているため、酢酸エチル、ジクロロメタン及び水のような、よく使用される何れの溶媒にも殆ど溶解できない。これらは、有機溶媒と水の混合液、例えば、濃度1〜10%の酢酸、アセトニトリル、アセトン、メタノール又はエタノール水溶液においては、約1〜5%という小さい溶解度を示す。非プロトン性極性溶媒、DMSO中でさえも、それらの溶解度は約5%である。
更に、これら化合物の他の特徴はそれらの不安定性であり、それは単に光に対する感度によるだけではなく、pH値7以上のアルカリ性媒体、及びアミドゲン、ヒドロキシル及びメルカプト基を含有する化合物のような求核基を有する媒体への感度によって具体化されるものである。例えば、pH値7以上の環境はこれらの化合物を直ちに分解して変色(赤)させ;同様の現象がメタノール及びエタノール中で起こる。従って、製剤の製造において、メタノール及びエタノールを可溶剤として使用することには制限がある。従って、製薬産業での適用において、新規な生物活性化合物の開発並びにその安定性及び溶解性を高める方法の探求が大いに望まれているように思われる。
このように、本発明の目的は、一般式(I)の、3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸誘導体及びそれらの調製方法、並びに前記誘導体を含有する組成物及び当該組成物の調製方法を提供することである。
本発明者らは、一般式(I)の、3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸誘導体及びそれらを含有する組成物が、抗腫瘍活性を有し、癌、特に皮膚癌、脳腫瘍及びリンパ腫等の治療に用いられることを見いだした。
従って、本発明の他の目的は、一般式(I)の、3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸誘導体、及び皮膚癌、脳腫瘍及びリンパ腫等の腫瘍の治療のための薬剤の製造におけるそれらを含有する組成物の使用を提供することである。
本発明の他の目的は、抗腫瘍の生物活性を有し、一般式(I)のテモゾロマイド−8−カルボン酸誘導体を有効成分として含有してなる各種製剤、特に経口製剤及び局所経皮パッチ(皮膚浸透パッチ)を提供することである。当該局所経皮パッチは、マトリックス型の放出制御パッチ、固体貯留型の放出制御パッチ又は液体貯留型の放出制御パッチを包含する。
本発明の、3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸化合物は、以下の一般式(I)で示される。
Figure 0005620046
式中、
Xは、O又はSである。
Rは、置換又は非置換のC3〜C10の直鎖若しくは分岐鎖アルキル、C3〜C10のシクロアルキル、C3〜C10の直鎖若しくは分岐鎖アルケニル、又はC3〜C10の直鎖若しくは分岐鎖アルキニルである。
更に、Rは、置換基を有していてもよく、当該置換基はC1〜C6のアルキル、C1〜C6のアルコキシ、C1〜C6のアルキルチオ基、C1〜C6のアルキルアミノ基、フェニル、又はハロゲンで置換されたフェニルであってよい。
好ましくは、XはOである。
上記の定義において、本明細書で用いる「C3〜C10の直鎖又は分岐鎖アルキル」という用語は、3〜10個の炭素原子を有する飽和の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基であり、例えば、プロピル、ブチル、アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル又はデシルなど、及びイソプロピル、イソブチル、tert−ブチル、iso−ヘキシル又はイソ−ヘプチル等のようなそれらの全ての異性体である。
好ましいRは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、1−メチル−プロピル、2−メチル−プロピル、アミル、1−メチル−ブチル、2−メチル−ブチル、3−メチル−ブチル、ヘキシル、1−メチル−アミル、2−メチル−アミル、3−メチル−アミル、4−メチル−アミル、ヘプチル、1−メチル−ヘキシル、2−メチル−ヘキシル、3−メチル−ヘキシル、4−メチル−ヘキシル、5−メチル−ヘキシル、オクチル、1−メチル−ヘプチル、2−メチル−ヘプチル、3−メチル−ヘプチル、4−メチル−ヘプチル、5−メチル−ヘプチル、6−メチル−ヘプチル、1−エチル−プロピル、1−エチル−ブチル、1−エチル−アミル、2−エチル−アミル又は3−エチル−アミルよりなる群から選択される。より好ましいRは、n−ヘキシル、イソ−ヘキシル及びシクロヘキシルである。最も好ましいRは、n−ヘキシルである。
上記の群に対応するTMZ−8−カルボン酸誘導体は、次のものを包含する:
3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸メチル;
3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸エチル;
3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸プロピル;
3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸ブチル;
3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸1−メチル−ブチル;
3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸1−エチル−ブチル;
3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸1−エチル−プロピル;
3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸1−エチル−アミル;
3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸1−メチル−ヘキシル;
3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸2−メチル−ヘキシル;
3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸3−メチル−ヘキシル;
3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸4−メチル−ヘキシル;
3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸5−メチル−ヘキシル;
3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸1−メチル−ヘプチル;
3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸2−メチル−ヘプチル;
3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸3−メチル−ヘプチル;
3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸4−メチル−ヘプチル;
3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸5−メチル−ヘプチル;
3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸6−メチル−ヘプチル;
3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸アミル;
3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸n−ヘキシル;
3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸シクロヘキシル;
3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸イソヘキシル;
3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸ヘプチル;及び、
3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸オクチル。
より好ましいものは、3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸n−ヘキシル、3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸イソヘキシル及び3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸シクロヘキシルであり、最も好ましいものは、3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸n−ヘキシルである。
上述の一般式の定義において、本明細書で使用する用語C3〜C10のシクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロアミル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル又はシクロデシル等のような、3〜10個の炭素原子を有する環状の飽和炭化水素基である。
上述の一般式の定義において、「C3〜C10の鎖状アルケニル」という用語は、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル及びヘプタジエニル等のような、1、2又は3個の不飽和の二重結合及び3〜10個の炭素原子を有する炭化水素基を示す。
上述の一般式の定義において、「C3〜C10の鎖状アルキニル」という用語は、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル及びヘプチニル等のような、1、2又は3個の不飽和の三重結合及び3〜10個の炭素原子を有する炭化水素基を示す。
上述の一般式の定義において、「C1〜C6のアルキル」という用語は、上で定義したように、メチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル、ヘキシル等及びそれらの全ての異性体のような、1〜6個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖のアルキルを示す。
上述の一般式の定義において、「C1〜C6のアルコキシ」という用語は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキシルオキシ等及びそれらの全ての異性体のような、酸素原子を含む上記のアルキルを示す。
上述の一般式の定義において、「C1〜C6のアルキルチオ基」という用語は、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ、アミルチオ、ヘキシルチオ等及びそれらの全ての異性体のような、酸素原子が硫黄原子に置き換わった上記のアルコキシルを示す。
上述の一般式の定義において、「C1〜C6のアルキルアミノ基」という用語は、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ブチルアミノ、アミルアミノ、ヘキシルアミノ等及びそれらの全ての異性体のような、1つ又は2つの上記アルキルを含むアミノ基を示す。
上述の一般式の定義において、「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を示す。
一般式(I)の化合物は以下の方法で製造される:
TMZを濃硫酸と撹拌しながら混合する。
硝酸ナトリウムを水に溶解し、温度15℃以下の氷浴槽上の上記混合物に滴下して、室温で1晩撹拌する。
得られた混合物に、氷を加え続け、氷浴槽中で1時間冷却する。
TMZ酸の固形生成物をろ過収集し、真空乾燥する。
無水DMF及びTHFの混合物を、TMZ酸及びブロモ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウム−ヘキサフルオロホスフェート(Pybrop)で満たしたフラスコに注入し、撹拌して固体を完全に溶解させ、その中に、氷浴槽条件下で、DMAPを加える。
次いで、適量の無水炭化水素アルコール又はメルカプタンを、得られた混合物に注入し、30分反応を続けさせ、1晩室温で撹拌する。
反応完了後、懸濁液をブフナー漏斗でろ過する。
得られた母液を蒸留し、残渣に氷を加え、酢酸エチル(10ml×3)で抽出する。
酢酸エチル層を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥させる。
酢酸エチルを回転式蒸発器によって除去し、残渣を得る。
残渣をシリカゲルカラムで連続精製し、溶媒蒸発後、最終生成物を得る。
生成物を、IRスペクトル、H−NMR、13C−NMR及びMSで同定する。
本発明の更なる態様によれば、前記3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸誘導体を含有する組成物及びこれらを調製する方法が提供される。
本発明の医薬組成物は抗腫瘍活性を有し、当該組成物は、通常薬学的に許容される担体と共に、有効成分としての一般式(I)の1つ又はそれ以上の化合物の治療有効量を、含有している。前記薬学的に許容される担体は、液体又は固体の賦形剤、希釈剤、湿潤剤、防腐剤、味覚マスキング剤及び着色剤などのような、先行技術分野において公知のものである。
本発明の組成物は、有効成分として、前記一般式(I)の1つ又はそれ以上の化合物を含有している。一般式(I)の好ましい化合物は:
3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸メチル、
3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸エチル、
3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸プロピル、
3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸ブチル、
3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸1−メチル−ブチル、
3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸1−エチル−ブチル、
3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸1−エチル−プロピル、
3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸1−エチル−アミル、
3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸1−メチル−ヘキシル、
3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸2−メチル−ヘキシル、
3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸3−メチル−ヘキシル、
3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸4−メチル−ヘキシル、
3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸5−メチル−ヘキシル、
3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸1−メチル−ヘプチル、
3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸2−メチル−ヘプチル、
3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸3−メチル−ヘプチル、
3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸4−メチル−ヘプチル、
3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸5−メチル−ヘプチル、
3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸6−メチル−ヘプチル、
3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸アミル、
3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸n−ヘキシル、
3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸イソ−ヘキシル、
3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸シクロヘキシル、
3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸ヘプチル、及び
3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸オクチル
よりなる群から選択される。
より好ましい化合物は、3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸n−ヘキシル、3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸イソ−ヘキシル及び3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸シクロヘキシルである;最も好ましい化合物は、3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸n−ヘキシルである。
さらに、本発明の組成物は薬学的に許容される酸性成分、例えばオレイン酸、ステアリン酸、リノレイン酸、フマル酸、安息香酸、酒石酸、ソルビン酸、乳酸、クエン酸、酢酸、EDTA等のような製薬産業で使用される酸性賦形剤又は担体を含有していてもよい。これらの酸性物質は一般式(I)の化合物を安定化する役割を果たす。
また、本発明の発明者らは、薬学的に許容される2級アルコール又は3級アルコールを組成物の総量に対して0.5〜20重量%、好ましくは1〜10重量%加えることによって、本組成物の有効成分である、TMZ−8−カルボン酸化合物の溶解度及び保持量が、媒体中で、増強されることを見いだした。ここで、好ましいアルコールは、イソプロパノール、イソブチルアルコール、イソアミルアルコール、tert−ブチルアルコールのような、C3〜C8の2級アルコール若しくは3級アルコール、又はトリグリセリド及びポリグリコールエーテルのようなそれらのエステル又はエーテル誘導体である。一方、前記物質は、前記組成物及びTMZ−8−カルボン酸誘導体又はその他のイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−4−オンを含有している別のタイプの製剤、の可溶化剤として使用することができる。
本発明の組成物は、通常の医薬製剤に製剤化できる。具体的に、製剤は以下の要素:所望の効果、有効成分の特性、用量、患者の年齢、性別及び症状:に基づいて設計される。これらの製剤は、経口、注射、直腸、局所投与を含む投与に適したもの、例えば錠剤、ピル、分散性粉末、カプセル、顆粒剤、乳剤、溶液、懸濁液、シロップ、膣及び直腸投与用の固体坐剤、及び局所使用パッチ、を包含する。好ましいものは、局所投与される経皮製剤又は経口投与される製剤である。最も好ましいものは局所投与される経皮製剤である。
本発明の組成物及びそれらの全ての製剤は、医薬分野における公知の何れの方法でも製造できる。
本発明により、3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸誘導体に適した形態の製剤の1つは、経口用製剤であり、固体及び液体製剤を包含し、このうち適切な経口投与用固形製剤は錠剤、ピル、分散性粉末、カプセル及び顆粒などを包含する。
固形製剤の製剤化過程において、、生物薬剤であるTMZ−8−カルボン酸誘導体は、その他の何れとも混合しないか、又は炭酸カルシウム、澱粉、アルギン酸又は乳糖などを包含する不活性希釈剤の少なくとも1つと混合でき、そしてフマル酸、酒石酸、ソルビン酸及びクエン酸などのような酸性物質を製剤に加えることができる。上記成分に加えて、滑沢剤、ステアリン酸マグネシウムのような他の成分を製剤に包含させることができる。更に、TMZ−8−カルボン酸誘導体は、乳化剤、溶液、分散剤及びシロップ等を包含する、経口投与用の液体製剤形態に製造することができる。上記液体製剤中には、常に、界面活性剤又は流動パラフィンを含有する水性液体が、不活性希釈剤として存在する。不活性希釈剤とは別に、その他の添加剤、例えば湿潤剤、ポリビニルピロリドン(PVP)のような懸濁剤、甘味剤、味覚マスキング剤、香料及び防腐剤、も包含させることができる。
3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸誘導体を投与するのに適したその他の医薬製剤形態は、膣又は直腸投与用の固形坐剤を包含する、坐剤である。通常の賦形剤に加えて、持続放出及び放出制御の目的を達成するために、当該坐剤は一般に、ポリ乳酸(PLGA)、CPPのポリ無水物及びポリ(混合無水物)及びSAのような生物分解性ポリマーを包含する。
3,4−ジヒドロ−3−メチル−4−オキソイミダゾ[5,1−d]−1,2,3,5−テトラジン−8−カルボン酸誘導体は、皮膚浸透可能であるという優れた特質を考慮すると、これらの最も好ましい製剤は、チンキ、懸濁剤、乳化剤、軟膏、ゲル、坐剤、フィルム及びパッチなどを包含する、局所投与用の経皮製剤である。通常、局所投与用の経皮製剤は油性媒体、界面活性剤などのような賦形剤を一般に含有する。
局所投与用経皮製剤に使用される前記油性媒体は、オレイン酸、ミリスチン酸イソプロピル(IPM)、ラウリン酸、蜜蝋、セチルアルコール、ステアリルアルコール、流動パラフィン、ワセリン、無水ラノリン、ステアリン酸、綿実油、ヒマシ油、リノレン酸及びトリグリセリドなどよりなる群から選択される。上記の通常用いられる界面活性剤は、リン脂質、Myrj系、Brij系、Tween系、アカシア、トラガカント、グルチン、及びビタミンE TPGS(VE TPGS)などよりなる群から選ばれる。
TMZ−8−カルボン酸化合物の好ましい局所投与経皮パッチは、マトリックス形及び貯留形の2つの群に分類される。マトリックス形は、シングルマトリックス(AM)とポリマトリックス(PM)に分類される。貯留形は、液体貯留形(LRS)及び固体貯留形(SRS)を包含し、これらは多層粘着剤(MLA)及び多層ポリマーマトリックス(SRS)よりなっている。基本的に、TMZ−8−カルボン酸化合物の局所投与経皮製剤のマトリックス形及び貯留形の両者は実質的に:マトリックス、ポリマー物質、薬剤貯留部(すなわち、薬剤溶液又は懸濁液)、速度調節膜、感圧接着剤(PSAs)及びPSAsを保護する放出層:よりなっている。更なる論考を以下に示す。
固体貯留形式パッチ:このマトリックスは透明で安定なマイクロエマルジョンで、異なった比率の水層、油層及び界面活性剤から形成される、製剤形態であり、液体と固体の貯留パッチに分類される。前記固体形式の貯留パッチは、油層としてオレイン酸又はミリスチン酸イソプロピル(IPM)のどちらかを選択することができ、ラウリン酸、蜜蝋、セチルアルコール、ステアリルアルコール、流動パラフィン、ワセリン、無水ラノリン、ステアリン酸、綿実油、ヒマシ油及びリノレン酸も油層として選択することができる。
本発明のTMZ−8−カルボン酸化合物の固体貯留パッチの好ましい油層は、ミリスチン酸イソプロピル(IPM)又はオレイン酸であり、好ましい水層は水であり、そして好ましい界面活性剤はVE TPGS及びクエン酸である。
液体貯留形式の放出制御パッチは、熱溶性の非透過性マトリックス(又はマトリックスと呼ばれる)、液体の薬剤、速度調節膜、PSAs及び放出膜から形成される。
本発明のTMZ−8−カルボン酸化合物の液体貯留形式パッチの各々の部分の構造は、以下の通りである。
マトリックス、すなわち非透過性マトリックスは、一般に、ポリエステル、ポリエチレン、塩化ポリビニル(PVC)、ポリ(塩化ビニリデン)(PVDC)及びポリウレタンなどのような透過性又は非透過性を有する合成高分子物、及び綿及びウールのような天然高分子物であってよい。本発明のマトリックスは、PVC、ニトログリセリン(Transdermal(登録商標))、ポリジメチルシロキサン(Nitrodisc(登録商標))、PVP、ポリビニルアルコール(Nitor−Dur(登録商標)I)、ポリエチレンオキシド、PEG、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル又はポリエチレングリコールジメチルエーテルのような全てのPEG誘導体、コハク酸ポリエチレングリコール(TPGS)、及びVE TPGSなどの複合体、よりなる群から選ぶことができる。好ましくは、ポリエチレン、塩化ポリビニル、PVDC、ポリウレタン又は綿である。
好ましくは、速度調節膜は、エチレンと酢酸ビニルの共重合体で形成される膜、又はポリウレタン膜及び二酢酸グリコール膜のような均質の膜である。PSAsは、唯一の生物接着剤であり、ポリシロキサン感圧接着剤又はポリアクリレート感圧接着剤が好ましい。
本発明の貯留形式放出制御パッチは、次の工程よりなる方法で製造することができる。
TMZ−8−カルボン酸n−ヘキシルの適量を秤量して、微粉末に粉砕する;
水のような水層、オレイン酸などのような油層、及びVE TPGSなどのような界面活性剤を添加する;これらをよく混ぜ合わせる;これに粉砕した薬剤を添加し、混合物を磨りつぶしてマイクロエマルジョンにする;エチレンと酢酸ビニルとの共重合体から形成されているような速度調節膜及び適量のPSAsをよく攪拌しながら加え;水浴槽を用いる熱保持によって脱ガスを行い;そして、これをポリエチレンマトリックス上に広げ、乾燥して、小片に切断して目的生成物を得る。
本発明の当該シングル接着性マトリックスパッチは、次の工程:薬剤をPSAsに広げることによって薬剤の放出を制御する:よりなる方法で製造される。この放出制御システムの特徴は、より小さい容積、より単純な技術工程及び工業化の容易さである。本発明組成物の薬剤接着マトリクスの補助剤は、塩化ポリビニル、ポリアクリレート、ポリジメチルシロキサン及びPVPのような親水性ポリマー、ポリビニルアルコール、ゲルから製造される水性ゲル(例えば、Prostep(登録商標))、PVPとポリエテンオキシドの複合体、PEG及びポリエチレングリコールモノメチルエーテル又はポリエチレングリコールジメチルエーテルのようなその誘導体、コハク酸ポリエチレングリコール及びVE TPGSを包含する、天然又は合成高分子よりなる群から選ばれる。ポリアクリレートが好ましい。
通常、当該TMZ−8−カルボン酸化合物は1日当たり0.1〜200mg/体重kg、好ましくは1日当たり1〜20mg/体重kgの用量で投与される。
TMZ−8−カルボン酸化合物の脂溶性、安定性及び溶解性の検討
この検討では、TMZと比較すると、TMZ−8−カルボン酸誘導体の脂溶性が有意に改善されることを示した。例えば、標準としてLogPを用いると、TMZのLogPは−0.66であるのに対し、TMZ−8−カルボン酸n−ヘキシルのLogPは2.56である。このことは、TMZ−8−カルボン酸n−ヘキシルが、局所皮下投与するのに理想的な薬剤でるということを意味している(LogPの測定方法については、「Leo and Hansch, Chemical Reviews 71 No.6, December 1971 (Partition Coefficients and Their Uses, Leo A., Hansch C. and Elilins D.)」を参照のこと)。
本発明の発明者らは、薬学的に許容される酸性成分を添加することによって得られる酸性条件下(pH1〜6.5)に於いて、TMZ−8−カルボン酸エステル誘導体単独又は他のイミダゾ[5,1d]−1,2,3,5−テトラジン−4−オンとの組み合わせの安定性を大きく増大することを見いだした。従って、TMZ−8−カルボン酸誘導体を、チンキ、懸濁液、乳化剤及び注射液のような液体製剤、及び軟膏、坐剤及びフィルムのような固体製剤中で、有効成分として用いると、有効成分の安定性が有意に増大されるであろう。当該酸性成分は、オレイン酸、ステアリン酸、リノレン酸、フマル酸、安息香酸、酒石酸、ソルビン酸、乳酸、クエン酸、酢酸、EDTAなどを包含する。
一方、本発明の発明者らは、イソプロパノール、イソブチルアルコール、イソアミルアルコール、tert−ブチルアルコール、又はトリグリセリド、ポリグリコールエーテルのようなそれらのエステル又はエーテルのような、薬学的に許容される2級アルコール又は3級アルコールを0.5〜20%、媒体中に添加することによって、本組成物の有効成分である、TMZ−8−カルボン酸化合物の安定性及び保持量が増強されるということも見いだした。従って、イソプロパノール、イソブチルアルコール、イソアミルアルコール、tert−ブチルアルコールなどのような2級アルコール又は3級アルコールを、TMZ−8−カルボン酸誘導体及び他のイミダゾ[5,1d]−1,2,3,5−テトラジン−4−オンを含有している組成物中で安定化剤として使用することができる。
この所見に基づいて、本発明は、1つ又はそれ以上のTMZ−8−カルボン酸誘導体、薬学的に許容される酸性物質、任意の薬学的に許容される2級アルコール又は3級アルコール及びそれらの誘導体、及び薬学的に許容される賦形剤及び/又は担体を含有してなる、抗腫瘍組成物を提供する。本発明は、本発明組成物により製造されるさまざまな製剤も提供する。
TMZ−8−カルボン酸メチル、TMZ−8−カルボン酸ブチル及びTMZ−8−カルボン酸n−ヘキシルの癌に対する薬学的作用についてのインビトロでの以下の実験を、それらの有益な効果を明らかにするために示す。
腫瘍細胞の死滅効果についてのTMZ−8−カルボン酸化合物のインビトロ研究
実験は、TMZ−8−カルボン酸メチル、TMZ−8−カルボン酸ブチル、TMZ−8−カルボン酸n−ヘキシル、及び癌に対して活性な化合物として知られているTMZ酸について行い、フルオロウラシル注射薬(10ml:0.25g、「Xudong Pharmaceutical Co. Ltd」から入手、バッチナンバーは「000612」であった)を陽性対照の薬剤として用いた。実験で用いた癌細胞株は、HCT−8(ヒト結腸癌細胞)、A549(ヒト肺癌細胞)、MCF−7(ヒト乳癌細胞)、Bel7402(ヒト肝癌細胞)、BGC−823(ヒト胃癌細胞)及びMV3(ヒトメラノーマ細胞)を包含していた。
(薬剤及び試薬)
TMZ酸は白色の粉末であり;TMZ−8−カルボン酸メチル、TMZ−8−カルボン酸ブチル及びTMZ−8−カルボン酸n−ヘキシルの白色鱗片晶は、実施例2記載の方法で製造し;フルオロウラシル注射薬(10ml:0.25g)は、陽性対照の薬剤として、Xudong製薬会社によって製造された、バッチナンバー「000612」を使用し;RPMIは、GIBCOにより製造され;ウシ胎仔血清は、「Sijiqing bio-engineer material Co. Ltd, 杭州」で製造され;そしてMTTはBebcoにより製造された。
(細胞株)
HCT−8、A549、MCF−7、Bel−7402、BGC−823、MV3及びB16の全てのガン細胞株は、薬物研究所(Institute of Materia Medica)、中国医学科学院(Chinese Academy of Medical Sciences)及び中国(北京)協和医科大学(Peking Union Medical College)で培養したものを生育及び転写した。
装置:BIORAD 550酵素標識器を用いた。
(方法)
テトラゾリウム塩[3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニル−テトラゾリウムブロマイド、MTT]還元試験を用いた。
よく生育したガン細胞を全て採取し、10%ウシ胎仔血清を含有するRPMI1640培養液で、1×10/mlの細胞懸濁液に調節し、1ウェル当たり100μL(1000個のガン細胞を含有)となるように、96ウェル培養プレートに接種した。5%のCOサーモ培養器中、37℃の温度で24時間培養した後、薬剤を添加した。ブランクの対照群を設定し、陽性対照の薬剤をフルオロウラシルとした。試験薬を異なった濃度の5群に分け、各々の濃度で平行して3回試験を行い、37℃の温度の5%COサーモ培養器中で4日間培養した。培養液を除去して、各ウェルに100μLのMTT溶液(0.4mg/ml、RPMI1640で調整)を添加して、37℃の温度で4時間培養を続けた。上澄液を除去して、150μLのDMSOを加えてFomazan顆粒を溶解した。軽くかき混ぜた後、OD値を、BIORAD550酵素標識器で、540nmの波長及び450nmの基準波長で測定した。
(結果)
次いで、細胞阻害の比率の値を、薬剤の濃度に対してプロットして、用量反応曲線を得て、これによって50%阻害の濃度IC50値を計算した(表1及び表2を参照されたい)。
結果(表1を参照されたい)は、選択された細胞株に対する4つの薬剤(TMZ−8−カルボン酸メチル、TMZ−8−カルボン酸ブチル、TMZ−8−カルボン酸n−ヘキシル及びTMZ酸)のIC50値の範囲は、10〜30μg/mlであり、細胞における作用について、これら薬剤間の有意な差は観察されなかった。
Figure 0005620046
MV3ヌードマウスにおいて異種移植されたヒトメラノーマの生育に対するTMZ−8−カルボン酸n−ヘキシルの局所投与の効果
MV3ヌードマウスにおいて異種移植されたヒトメラノーマの生育に対するTMZ−8−カルボン酸誘導体の影響を評価するため、代表化合物としてTMZ−8−カルボン酸ヘキシルを選択した。
TMZ−8−カルボン酸ヘキシルをDMSOに溶解して、50mg/ml溶液を得た。ヒトメラノーマをBALB/C−nuのヌードマウスに異種移植した。腫瘍が100〜300mmに広がるまで、全ての動物を腫瘍の大きさによって、1群を8匹の2群に分けた。
これら2群のうち、1群をTMZ−8−カルボン酸ヘキシルの溶液を塗布して治療処理する処置群とし;他の群を腫瘍を自然に成長させる対照群とした。
処置群に於いては、腫瘍部位及び周辺域(2cm×2cm)に1日2回(土曜日及び日曜日は1回)に薬剤塗布することによって薬剤を投与した。毎回、溶液が乾燥した時に、1〜2回繰り返し投与した。マウスに投与したTMZ−8−カルボン酸ヘキシルの1日平均総投与量は、約20mgであった。
マウスの腫瘍容積を、週に2回測定して、腫瘍の動的な成長を観察して記録した。
対照群の腫瘍がある大きさに成長してから、全てのマウスを殺し、腫瘍を剥がして秤量し、成長阻害比率を算出した。腫瘍増殖率(T/C(%))を2群において相対的な腫瘍容積比率を用いて算出した。
腫瘍容積(TV)を、次のような式で算出した。
長さ×巾÷2
相対的な腫瘍容積比率を、次のような式で算出した。
/V
ここにおいて、Vは、該動物を別々のゲージに分けて飼育した時に測定したTVであり、 は、その後各々の回に測定されたTVである。
t−検定を、腫瘍重量、TV及びRTVのような多くの指標における2群間の統計的な差異を比較するために用いた。相対的な腫瘍増殖比率(T/C(%))を、次のように算出して、抗腫瘍についての生物活性の指標として用いた。
T/C(%)=(治療群(T)のRTV/対照群(C)のRTV)×100
(効果の評価基準)
統計分析によって効果を評価した。T/C(%)が60より大きい場合には、効果がないと見做し、そして、T/C(%)が60以下で、p<0.05の場合に効果があると見做した。
結果は、TMZ−8−カルボン酸ヘキシルが、顕著な上皮性悪性腫瘍の阻害効果、及びヒトメラノーマMV3のような上皮性悪性腫瘍細胞に対する強力な死滅効果を有し、マウスに於ける20mgの毎日の外用投与が移植された上皮性悪性腫瘍の阻害における明確な作用を有する、ことを示した。実験終了までに、対照群と比較して、腫瘍の重量及び容積の両方について統計的に顕著な差異があった。結果は、図1、2及び表2で確認することができる。図1は、対照群(又は陰性対照群)と比較して、治療群に於けるヒトメラノーマの増殖が明確に阻害されていて、TMZ−8−カルボン酸ヘキシル塗布によるヒトメラノーマの増殖に対する効果を見い出せる、ことを示している。図2は、2つの群のマウスの実際の写真である。最初の写真の上の部分は対照群マウスの写真を示し、そして下の部分は治療群のマウスの写真を示す。2番目の写真の上の部分は対照群に於ける腫瘍の全体写真を示し、下の部分は治療群に於ける腫瘍の全体写真である。表2は、TMZ−8−カルボン酸ヘキシル塗布による、MV3保持のマウスの腫瘍増殖に対する影響を示している。
Figure 0005620046
注:対照群と比較して、P<0.05、体重、腫瘍の重量及び腫瘍の容積をX±SDで表す。
発明を実施するための最良の形態
以下の実施例は、本発明の範囲を何ら限定することなく、本発明を説明するものである。
TMZ酸の製造(EP0252682)
TMZ(2.577mmol、0.5g)を撹拌しながら濃硫酸(4ml)と混合した。硝酸ナトリウム(9.4mmol、0.65g)を、水(2.6ml)に溶解して、15℃以下の温度の氷浴槽上の上記混合物中に滴下し、室温で1晩撹拌した。得られた混合物に10gの氷を加え続け、氷浴槽中で1時間冷却した。固体生成物をろ取して、真空下で乾燥し、TMZ酸0.493gを得た。収率は98.6%であった。
TMZ−8−カルボン酸化合物の製造
実施例1により製造されたTMZ酸(1mmol、0.195g)及びPybrop(1mmol、0.466g)を充填したフラスコに、無水DMF(2ml)及びTHF(3ml)の混合物を注入し、固体が十分に溶解するまで撹拌して、氷浴槽条件下で、その中にDMAP(2mmol、0.244g)を加えた。次いで、適量の無水炭化水素アルコール又はメルカプタン(2.2mmol)を、得られた混合物中に加えて半時間反応を続け、室温で1晩撹拌した。反応の完了後、懸濁液をブフナー漏斗でろ過した。得られた母液を蒸留し、残渣に10gの氷を加えて酢酸エチル(10ml×3)で抽出した。酢酸エチル層を合わせて、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。酢酸エチルを回転式蒸留器で除去して、残渣を得た。この残渣をシリカゲルカラムで逐次精製して、溶媒を蒸発した後、最終生成物を得た。
生成物をIRスペクトル、H−NMR、13C−NMR及びMS測定の方法で同定した。代表的なデータを以下に示す。
1.TMZ−8−カルボン酸メチル
H NMR(d6−DMSO/ppm)δ8.66(s、1、H−6)、3.90(s、3、C −O)、3.87(s、3、C −N)
13C NMR(d6−DMSO/ppm)δ161(OO)、139(C−4)、137(C−6)、129(C−9)、126(C−8)、52.2(O)、36.4(N
νmax(KBr):3489、2961(C−H)、1752(C=O)、1727(C=O)、1214(C−O)、1062(C−O)、828、556cm−1
MS:+ES:m/z=232[M+H]、214[M+H−HO]
2.TMZ−8−カルボン酸エチル
H NMR(CDCl/ppm)δ8.45(s、1、H−6)、4.52(q、2、J=7.1Hz、C −O)、4.04(s、3、C −N)、1.45(t、3、J=7.1Hz、CH
13C NMR(d6−DMSO/ppm)δ161(OO)、139(C−4)、137(C−6)、129(C−9)、127(C−8)、60.9(O)、36.4(N)、14.3(CH
νmax(KBr):3478、2991(C−H)、1754(C=O)、1700(C=O)、1467(C−O)、1258(C−O)、1060(C−O)、844、561cm−1
MS:+ES:m/z=246[M+H]、228[M+H−HO]
3.TMZ−8−カルボン酸プロピル
H NMR(CDCl/ppm)δ8.46(s、1、H−6)、4.41(t、3、J=6.7Hz、C −O)、4.03(s、3、C −N)、1.83(sextet、2、J=7.1Hz、C−C −C)、1.03(t、3、J=7.4Hz、C−C
13C NMR(CDCl/ppm)δ160(OO)、138(C−4)、136(C−6)、130(C−9)、128(C−8)、67.1(O)、36.5(N)、21.7(CH)、8.87(CH
νmax(KBr):3122、2960(C−H)、1729(C=O)、1700(C=O)、1457(C−O)、1200(C−O)、1174(C−O)、1052、942cm−1
MS:+ES:m/z=260[M+H]、242[M+H−HO]
4.TMZ−8−カルボン酸ブチル
H NMR(CDCl/ppm)δ8.45(s、1、H−6)、4.45(t、2、J=7.1Hz、C −O)、4.03(s、3、C −N)、1.79(quintet、2、J=7.4Hz、C−C −C)、1.46(sextet、2、J=7.3Hz、C−C −CH)、0.95(t、3、J=7.3Hz、C−C
13C NMR(d6−DMSO/ppm)δ161(OO)、139(C−4)、137(C−6)、129(C−9)、127(C−8)、64.5(O)、36.4(N)、30.3(OCH )、18.7(CH CH)、13.6(CH
νmax(KBr):3156、2967(C−H)、1746(C=O)、1467(C−O)、1261(C−O)、1054(C−O)、823、561cm−1
MS:+ES:m/z=274[M+H]、256[M+H−HO]
5.TMZ−8−カルボン酸アミル
H NMR(CDCl/ppm)δ8.46(s、1、H−6)、4.45(t、2、J=7.0Hz、C −O)、4.03(s、3、C −N)、1.79(quintet、2、J=7.1Hz、C−C −C)、1.29〜1.40(m、4、C−(C −CH)、0.96(t、3、J=6.9Hz、C−C
13C NMR(d6−DMSO/ppm)δ161(OO)、139(C−4)、137(C−6)、129(C−9)、127(C−8)、64.6(O)、36.4(N)、30.9(OCH )、28.2(O(CH )、22.8(CH)、14.0(CH
νmax(KBr):3136、2967(C−H)、1736(C=O)、1459(C−O)、1231(C−O)、1154(C−O)、923、761cm−1
MS:+ES:m/z=288[M+H]、270[M+H−HO]
6.TMZ−8−カルボン酸ヘキシル
H NMR(CDCl/ppm)δ8.49(s、1、H−6)、4.45(t、2、J=6.9Hz、C −O)、4.04(s、3、C −N)、1.79(quintet、2、J=7.1Hz、C−C −C)、1.29−1.40(m、6、C−(C −CH)、0.87(t、3、J=6.9Hz、C−C
13C NMR(d6−DMSO/ppm)δ161(OO)、139(C−4)、137(C−6)、129(C−9)、127(C−8)、64.8(O)、36.4(N)、30.9(OCH )、28.2(O(CH )、25.1(CHCH)、22.1(CH)、13.9(CH
νmax(KBr):3156、2967(C−H)、1746(C=O)、1467(C−O)、1261(C−O)、1054(C−O)、823、561cm−1
MS:+ES:m/z=302[M+H]、284[M+H−HO]
7.TMZ−8−カルボン酸ヘプチル
H NMR(CDCl/ppm)δ8.39(s、1、H−6)、4.38(s、2、C −O)、4.00(s、3、C −N)、1.75(s、2、C−C −C)、1.19(s、8、C−(C −C)、0.83(s、3、、C−C
13C NMR(d6−DMSO/ppm)δ161(OO)、139(C−4)、137(C−6)、129(C−9)、127(C−8)、64.8(O)、36.4(N)、31.1(OCH )、2×28.4(OCHCH)、25.3(CHCH)、22.1(CH)、13.8(CH
νmax(KBr):3146、2927(C−H)、2858(C−H)、1748(C=O)、1718(C=O)、1457(C−O)、1245(C−O)、828、566cm−1
MS:+ES:m/z=316[M+H]、398[M+H−HO]
8.TMZ−8−カルボン酸オクチル
H NMR(CDCl/ppm)δ8.36(s、1、H−6)、4.36(s、2、C −O)、3.95(s、3、C −N)、1.74(s、2、C−C −C)、1.19(s、10、C−(C −C)、0.78(s、3、、C−C
13C NMR(d6−DMSO/ppm)δ160(OO)、139(C−4)、137(C−6)、129(C−9)、127(C−8)、64.8(O)、36.4(N)、31.2(OCH )、2×28.6(OCHCH)、28.2(O(CH )、25.4(CHCH)、22.1(CH)、13.9(CH
νmax(KBr):2925、2853、1758、1720、1467、1255、838、556cm−1
MS:+ES:m/z=330[M+H]、312[M+H−HO]
TMZ−8−カルボン酸誘導体のアルコール中に於ける安定性の検討
TMZ−8−カルボン酸n−ヘキシルを正確に秤量して、メタノール、エタノール、イソプロパノール及びtertーブタノールでそれぞれ希釈して、1%の溶液を調整した。上記溶液の各々から、3つのサンプル溶液(20ml)を取り出して、50ml容量の褐色ガラス瓶に注入し、封印して室温で放置した。スタートから1、4、8、12、16、20、24、28、32ケ月後の時点で、溶液をサンプリングしてTMZ−8−カルボン酸n−ヘキシルの濃度をHPLCで測定して、3つの同時に実行した溶液の平均値を計算してプロットした。結果は、TMZ−8−カルボン酸n−ヘキシルがメタノール及びエタノール中で急速に分解されるが、イソプロパノール及びtertーブタノール中では安定性を保持していることを示した。図3を参照されたい。
TMZ−8−カルボン酸エステルの酸性媒体中に於ける安定性の検討
水酸化ナトリウム及びクエン酸を正確に秤量し、それぞれ水で希釈してpH値が7.5、7.0、6.5、6.0及び5.5の溶液を作成した。TMZ−8−カルボン酸n−ヘキシルを正確に秤量し、異なったpH値の上記の水溶液に溶解して、TMZ−8−カルボン酸n−ヘキシルの一連の1%溶液を作成した。3つのサンプル溶液(20ml)を取り出して、50ml容量の褐色ガラス瓶に注入し、封印して室温で放置した。スタートから1、4、8、12、16、20、24、28、32ケ月後の時点で、溶液をサンプリングしてTMZ−8−カルボン酸n−ヘキシルの濃度をHPLCで測定して、3つの同時に実施した溶液の平均値を計算してプロットした。結果は、TMZ−8−カルボン酸n−ヘキシルが弱アルカリ性(pH7.5)又は中性(pH7.0)の媒体下では急速に分解されるが、酸性(p<7.0)中では相対的に安定性を保持することを示した。図4を参照されたい。
TMZ−8−カルボン酸メチルの固体貯留形式の製造
TMZ−8−カルボン酸メチルの3gを秤量して、微粉末に粉砕して20gの水、50gのオレイン酸、30gのVE TPGS及び適量のクエン酸と混合し、磨りつぶしてマイクロエマルジョンを形成した。適量の速度調節膜(エチレンと酢酸ビニルの共重合体)及びPSAs(ポリシロキサン感圧接着剤)を添加した。得られた混合物をよく撹拌し、水浴槽を用いて熱保持して脱ガスし、ポリエチレンマトリックス上に広げた。乾燥して50片のパッチに切断して目的生成物を得た。
TMZ−8−カルボン酸プロピルの固体貯留形式の製造
この製造方法は、有効成分としてのTMZ−8−カルボン酸メチルをTMZ−8−カルボン酸プロピルに置き換えて、50片のパッチを製造する実施例5に従う。
TMZ−8−カルボン酸ブチルの固体貯留形式の製造
この製造方法は、有効成分としてのTMZ−8−カルボン酸メチルをTMZ−8−カルボン酸ブチルに置き換えて、50片のパッチを製造する実施例5に従う。
TMZ−8−カルボン酸ヘプチルの固体貯留形式の製造
この製造方法は、有効成分としてのTMZ−8−カルボン酸メチルをTMZ−8−カルボン酸ヘプチルに置き換えて、50片のパッチを製造する実施例5に従う。
TMZ−8−カルボン酸n−ヘキシルの固体貯留形式の製造
この製造方法は、有効成分としてのTMZ−8−カルボン酸メチルをTMZ−8−カルボン酸n−ヘキシルに置き換えて、50片のパッチを製造する実施例5に従う。
TMZ−8−カルボン酸エチルの固体貯留形式の製造
この製造方法は、有効成分としてのTMZ−8−カルボン酸メチルをTMZ−8−カルボン酸エチルに置き換えて、50片のパッチを製造する実施例5に従う。
TMZ−8−カルボン酸アミルの固体貯留形式の製造
この製造方法は、有効成分としてのTMZ−8−カルボン酸メチルをTMZ−8−カルボン酸アミルに置き換えて、50片のパッチを製造する実施例5に従う。
TMZ−8−カルボン酸ブチルのカプセルの製造
5mgのTMZ−8−カルボン酸ブチルを微粉末に粉砕し、硬グルチンカプセルに充填して、カプセルを製造した。
TMZ−8−カルボン酸ヘプチルのカプセルの製造
10mgのTMZ−8−カルボン酸ヘプチルを微粉末に粉砕し、硬グルチンカプセルに充填して、カプセルを製造した。
TMZ−8−カルボン酸オクチルのカプセルの製造
10mgのTMZ−8−カルボン酸オクチルを微粉末に粉砕し、硬グルチンカプセルに充填して、カプセルを製造した。
TMZ−8−カルボン酸n−ヘキシルのカプセルの製造
処 方
TMZ−8−カルボン酸n−ヘキシル 10mg
乳糖 65mg
アルファ化でんぷん 25mg
クロスカルメロースナトリウム 3mg
コロイド状二酸化珪素 0.25mg
ステアリン酸マグネシウム 0.30mg
TMZ−8−カルボン酸n−ヘキシル、乳糖、アルファ化でんぷん、クロスカルメロースナトリウム(架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)を後で使用するように、それぞれ65メッシュスクリーンに通した。TMZ−8−カルボン酸n−ヘキシルを処方に記載に従ってその量を秤量して、比例的に量を増やす方法でその他の補助成分と混合した。混合物を65メッシュスクリーンに3回通した。安息角を測定して30°以下にした。含量試験及び容量測定後に、混合物を3号カプセルに挿入してカプセルを製造した。
TMZ−8−カルボン酸オクチルのカプセルの製造
処 方
TMZ−8−カルボン酸オクチル 10mg
乳糖 65mg
アルファ化でんぷん 25mg
クロスカルメロースナトリウム 3mg
コロイド状二酸化珪素 0.25mg
ステアリン酸マグネシウム 0.30mg
製造方法は、有効成分としてTMZ−8−カルボン酸n−ヘキシルをTMZ−8−カルボン酸オクチルに置き換えて、実施例15に従う。望ましいカプセルが得られた。
TMZ−8−カルボン酸3−メチル−ヘプチルのカプセルの製造
処 方
TMZ−8−カルボン酸3−メチル−ヘプチル 10mg
乳糖 65mg
アルファ化でんぷん 25mg
クロスカルメロースナトリウム 3mg
コロイド状二酸化珪素 0.25mg
ステアリン酸マグネシウム 0.30mg
製造方法は、有効成分としてTMZ−8−カルボン酸n−ヘキシルをTMZ−8−カルボン酸メチル−ヘプチルに置き換えて、実施例14に従う。望ましいカプセルが得られた。
TMZ−8−カルボン酸2−エチル−アミルのパッチの製造
処 方
TMZ−8−カルボン酸2−エチル−アミル 3g
水 20g
オレイン酸 50g
VE TPGS 30g
クエン酸 適量
上記物質をよく混合してマイクロエマルジョンを製造し、ここに適量の速度調節膜(エチレンと酢酸ビニルの共重合体)及びPSAs(ポリシロキサン感圧接着剤)を添加した。得られた混合物をよく撹拌し、水浴槽を用いて熱保持して脱ガスし、ポリエチレンマトリックス上に広げた。乾燥して50片のパッチに切断して目的生成物を得た。
TMZ−8−カルボン酸n−ヘキシルの局所投与用経皮エマルジョンの製造
3gのTMZ−8−カルボン酸n−ヘキシルを微粉末に粉砕し、20gの水、50gのオレイン酸、30gのリン脂質、適量のクエン酸又はソルビン酸(pH5.5)、ビタミンE及びイソプロパノールと混合して、マイクロエマルジョンを製造した。これは直接使用するか、又は50部に分割して25のパッチを製造することもできる。
TMZ−8−カルボン酸n−ヘキシルの局所投与用経皮エマルジョンの製造
3gのTMZ−8−カルボン酸n−ヘキシルを微粉末に粉砕し、20gの水、35gのVETPGS、45gの長鎖又は中鎖トリグリセリド、適量の乳酸又は安息香酸(pH5.0)及びイソプロパノールと混合して、マイクロエマルジョンを製造した。これは直接使用するか、又は50部に分割して25のパッチを製造することもできる。
TMZ−8−カルボン酸n−ヘキシルの局所投与用経皮エマルジョンの製造
3gのTMZ−8−カルボン酸n−ヘキシルを微粉末に粉砕し、15gの水、50gのVETPGS、35gのミリスチン酸イソプロピル、適量のリンゴ酸又はフマル酸(pH6.0)及びイソブチルアルコールと混合して、軟膏を製造した。これは直接使用するか、又はマイクロエマルジョンにして、50部に分割し、次いで25のパッチを製造することもできる。
図1は、ヒトメラノーマの増殖に対するTMZ−8−カルボン酸n−ヘキシルの阻害効果を示す、腫瘍の増殖曲線である。 図2は、治療群及び対照群の両方のマウスの実体写真である。 図3は、TMZ−8−カルボン酸n−ヘキシルの通常のアルコール中に於ける安定性を示す。 図4は、TMZ−8−カルボン酸n−ヘキシルの安定性に対する、媒体のpH値の影響を示す。

Claims (1)

  1. 通常薬学的に許容される担体
    有効成分として治療有効量の1又はそれ以上の一般式I:
    Figure 0005620046
    (式中、
    Xは、O又はSであり;
    Rは、置換又は非置換の 〜C 10 の直鎖若しくは分岐鎖アルキル、 〜C 10 のシクロアルキル、 〜C 10 の直鎖若しくは分岐鎖アルケニル、又は 〜C 10 の直鎖若しくは分岐鎖アルキニルであり;
    そして、Rは、置換基を有していてもよく、当該置換基は 〜C のアルキル、 〜C のアルコキシ、 〜C のアルキルチオ基、 〜C のアルキルアミノ基、フェニル、又はハロゲンで置換されたフェニルであってよい)
    で表される化合物;及び、
    オレイン酸、ステアリン酸、リノレイン酸、フマル酸、安息香酸、酒石酸、ソルビン酸、乳酸、クエン酸、酢酸及びEDTAよりなる群から選ばれる1つ又はそれ以上の薬学的に許容される酸性成分
    を含有してなる、抗腫瘍活性を有する医薬組成物。
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