JP5618620B2 - 硬貨処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、収納した硬貨を処理して出金する硬貨処理装置に関し、特に自動販売機や、コンビニエンスストア、銀行等の金融端末機等で用いられる硬貨処理装置に関するものである。
銀行等の金融機関においては、出金の処理を行うことができ、収納している硬貨を出金硬貨として利用する硬貨処理装置が広く用いられている。また、最近では、銀行以外の金融機関において、例えばコンビニエンスストアなどにおいても金融端末機が設置されつつある。金融端末機に内蔵され出金処理を行う硬貨処理装置には、出金硬貨を準備する作業が必要である。この作業は今まで、硬貨処理装置に精通した係員により人的に行われていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−298188号公報(段落0073、0074等)
特に、コンビニエンスストア等の金融端末機を設置する販売店舗では、商品等の販売が主目的であり、金融端末機に許されるスペースが極端に限られ、また販売区域に設置されても外観上違和感をなくするため硬貨処理装置の小型化が強く要望されている。
また、近年、出金硬貨の準備作業を管理会社等の外部に委託することが多く、硬貨処理装置に詳しくない人により一日に複数の硬貨処理装置の出金硬貨の準備作業が行われている。硬貨処理装置の設置環境、使用環境の変更に対応するために、準備金についてはユーザ側の操作で金種を適宜変更することができる仕様とすることが要求されている。このため、硬貨処理装置内へ準備する金種を間違えてしまうことがあり、このような場合でも間違った金種は硬貨処理装置外へ放出しないようにすることが強く望まれている。
そこで、小型化された硬貨処理装置であって、出金される硬貨の金種を間違えて装置外へ放出する誤放出のない硬貨処理装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1の態様に係る発明による硬貨処理装置101は、例えば図1、図3、図4に示すように、硬貨を収納する収納部5と;前記収納された硬貨を収納部5から放出する放出部21と;前記放出された硬貨を検出する硬貨計数センサ13と、硬貨計数センサ13からの検出信号に基づき、前記検出された硬貨を計数する計数部37とを有する放出検出部13、37と;前記放出された硬貨の金種を検出する金種判別センサ11と、金種判別センサ11からの検出信号に基づき、前記検出された硬貨の金種を判別する金種判別部38とを有する金種判別センサ部11、38と;前記放出された硬貨を、適正硬貨またはリジェクト硬貨と判断する適正硬貨判断部33とを備え;放出検出部13、37は、硬貨計数センサ13からの信号に基づき、前記放出された硬貨に形成されている穴の有無を判断する穴の有無判断部39を有し;適正硬貨判断部33が、穴の有無判断部39によって判断された硬貨の穴の有無に関する第1の情報を受け取り、さらに金種判別部38によって判別された硬貨の金種に関する第2の情報を受け取り、前記第1の情報と前記第2の情報とが整合しない場合にリジェクト硬貨と判断し、リジェクト硬貨以外を適正硬貨と判断するよう構成される。
このように構成すると、収納部から放出部によって放出された硬貨に形成されている穴の有無を放出検出部の穴の有無判断部で判断し、当該硬貨の金種を金種判別部により判別し、適正硬貨判断部が、穴の有無判断部から第1の情報を受け取り、金種判別部から第2の情報を受け取り、さらに第1の情報と第2の情報とが整合しない場合にリジェクト硬貨と判断し、リジェクト硬貨以外を適正硬貨と判断するよう構成されるので、当該硬貨が適正硬貨である場合に出金処理し、当該硬貨がリジェクト硬貨の場合はリジェクト処理することができ、よって簡易な構成の小型化された硬貨処理装置であって、誤った金種の硬貨を装置外へ放出する誤放出のない硬貨処理装置を提供することができる。
第2の態様に係る発明による硬貨処理装置101は、例えば図1に示すように、第1の態様に記載の硬貨処理装置において、金種判別センサ11が、前記硬貨の外径を検出し、金種判別部38が、前記外径から金種を判別する。
金種判別センサが、硬貨の外径を検出し、金種判別部が、外径から金種を判別するので、金種判別部により、金種を一義的に判別することができる。例えば、日本国の硬貨の場合、各金種の硬貨は、それぞれ外径が異なるので、金種を一義的に判別することができる。ここで、金種を一義的に判別するとは、例えば、100円硬貨であれば100円硬貨であると判別し、10円硬貨であれば10円硬貨であると判別することをいう。
第3の態様に係る発明による硬貨処理装置201は、例えば図6、図7、図8に示すように、硬貨を金種ごとに収納する複数の収納部5と;前記収納された硬貨を収納部5から放出する放出部21と;前記放出された硬貨を検出する硬貨計数センサ13と、硬貨計数センサ13からの検出信号に基づき、前記検出された硬貨を計数する計数部37とを有する放出検出部13、37と;前記放出された硬貨の材質を検出する金種グループ判別センサ111と、金種グループ判別センサ111からの検出信号に基づき、前記検出された硬貨の金種グループを判別する金種グループ判別部140とを有する金種グループ判別センサ部111、140と;前記放出された硬貨を、適正硬貨またはリジェクト硬貨と判断する適正硬貨判断部133とを備え;放出検出部13、37は、硬貨検出センサ13からの信号に基づき、前記放出された硬貨に形成されている穴の有無を判断する穴の有無判断部39を有し;金種グループ判別センサ部111、140は、金種判別部138をさらに有し;金種判別部138が、穴の有無判断部39によって判断された硬貨の穴の有無に関する第1の情報を受け取り、さらに金種グループ判別部140によって判別された硬貨の金種グループに関する第3の情報を受け取り、前記第1の情報と前記第3の情報から前記放出された硬貨の金種を判別し、硬貨の金種に関する第4の情報を形成するよう構成され;適正硬貨判断部133が、収納部5が収納する硬貨の金種に関する第5の情報を受け取り、前記第4の情報と前記第5の情報とが整合しない場合にリジェクト硬貨と判断し、リジェクト硬貨以外を適正硬貨と判断するよう構成される。
このように構成すると、収納部から放出部によって放出された硬貨に形成されている穴の有無を放出検出部の穴の有無判断部で判断し、当該硬貨の金種グループを金種グループ判別部により判別し、金種判別部が、穴の有無判断部から第1の情報を受け取り、金種グループ判別部から第3の情報を受け取り、第1の情報と第3の情報から前記放出された硬貨の金種を判別し、硬貨の金種に関する第4の情報を形成するよう構成され、さらに適正硬貨判断部が、収納部が収納する硬貨の金種に関する第5の情報を受け取り、第4の情報と第5の情報とが整合しない場合にリジェクト硬貨と判断し、リジェクト硬貨以外を適正硬貨と判断するよう構成されるので、当該硬貨が適正硬貨である場合に出金処理し、当該硬貨がリジェクト硬貨の場合はリジェクト処理することができ、よって簡易な構成の小型化された硬貨処理装置であって、誤った金種の硬貨を装置外へ放出する誤放出のない硬貨処理装置を提供することができる。
上記目的を達成するために、第4の態様に係る発明による硬貨処理装置101は、例えば図1に示すように、第1の態様乃至第3の態様のいずれか1の態様に記載の硬貨処理装置において、前記リジェクト硬貨と判断された硬貨をリジェクトし収納するリジェクト部9、50と;前記適正硬貨と判断された硬貨を出金する出金部1、2とを備える。
リジェクト部と出金部とを備えるので、リジェクト硬貨と判断された硬貨をリジェクト部によりリジェクトし収納することができ、適正硬貨と判断された硬貨を出金部により出金することができる。
以上説明したように、本発明の硬貨処理装置によれば、収納部と、放出部と、穴の有無判断部を有する放出検出部と、金種判別センサ部と、適正硬貨判断部とを備えるので、収納部から放出部によって放出された硬貨に形成されている穴の有無を放出検出部の穴の有無判断部で判断し、当該硬貨の金種を金種判別部により判別し、適正硬貨判断部が、穴の有無判断部から第1の情報を受け取り、金種判別部から第2の情報を受け取り、さらに第1の情報と第2の情報とが整合しない場合にリジェクト硬貨と判断し、リジェクト硬貨以外を適正硬貨と判断するよう構成されるので、当該硬貨が適正硬貨である場合に出金処理し、当該硬貨がリジェクト硬貨の場合はリジェクト処理することができ、よって簡易な構成の小型化された硬貨処理装置であって、誤った金種の硬貨を装置外へ放出する誤放出のない硬貨処理装置を提供することができる。
以上説明したように、本発明の硬貨処理装置によれば、収納部と、放出部と、穴の有無判断部を有する放出検出部と、金種グループ判別センサ部と、適正硬貨判断部とを備えるので、収納部から放出部によって放出された硬貨に形成されている穴の有無を放出検出部の穴の有無判断部で判断し、当該硬貨の金種グループを金種グループ判別部により判別し、金種判別部が、穴の有無判断部から第1の情報を受け取り、金種グループ判別部から第3の情報を受け取り、第1の情報と第3の情報から前記放出された硬貨の金種を判別し、硬貨の金種に関する第4の情報を形成するよう構成され、さらに適正硬貨判断部が、収納部が収納する硬貨の金種に関する第5の情報を受け取り、第4の情報と第5の情報とが整合しない場合にリジェクト硬貨と判断し、リジェクト硬貨以外を適正硬貨と判断するよう構成されるので、当該硬貨が適正硬貨である場合に出金処理し、当該硬貨がリジェクト硬貨の場合はリジェクト処理することができ、よって簡易な構成の小型化された硬貨処理装置であって、誤った金種の硬貨を装置外へ放出する誤放出のない硬貨処理装置を提供することができる。
図1(A)は、本発明の第1の実施の形態に係る硬貨処理装置の主要構成を示す正面断面ブロック図、図1(B)は同側面断面ブロック図である。 図2は、図1に示す硬貨処理装置のスタッカカセット部の主構成を示すブロック図である。 図3は、図1に示す硬貨処理装置の制御部の構成を示すブロック図である。 図4は、図1に示す硬貨処理装置の制御系の構成図である。 図5は、図1に示す硬貨処理装置の硬貨の計数と穴検出の関係を示す図である。 図6は、本発明の第2の実施の形態に係る硬貨処理装置の主要構成を示す正面断面ブロック図である。 図7は、図6に示す硬貨処理装置の制御部の構成を示すブロック図である。 図8は、図6に示す硬貨処理装置の制御系の構成図である。
以下、本発明の第1の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図において互いに同一あるいは相当する部材には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
図1(A)は、本発明の第1の実施の形態に係る硬貨処理装置101の主要構成を示す正面ブロック図、図1(B)は同側面ブロック図である。
図1(A)、(B)を参照して、硬貨処理装置101の主要構成を説明する。硬貨処理装置101は、通常図示のように底辺を水平にして配置される。硬貨処理装置101は、スタッカカセット部4と、搬送部3と、金種判別センサ11と、出金部としての出金受皿部2と、出金部としてのシャッター部1と、制御部10とを含んで構成される。スタッカカセット部4は、収納部としてのホッパ5(4個)と、硬貨計数センサ13(図4)(4個)と、リジェクト部としての出金リジェクト箱9とを有する。
なお、金種判別センサ11と後述の金種判別部38(図3)が金種判別センサ部を構成する。硬貨計数センサ13と後述の計数部37(図3)、後述の穴の有無判断部39(図3)とを含んで放出検出部が構成される。
図2に示すように、スタッカカセット部4はフレーム形状である。スタッカカセット部4は、ホッパ5と、硬貨計数センサ13(図4)と、放出シュート25と、出金リジェクト箱9とを含んで構成される。また、スタッカカセット部4は、前述した各構成を収納した状態で、水平方向に図1(A)中、左方向への移動が可能であり、硬貨処理装置101(図1)から着脱可能である。
スタッカカセット部4は、水平方向断面形状が略矩形のフレーム形状である。矩形の断面は短辺と長辺からなり、スタッカカセット部4は、一方の短辺を含む接客壁41Aと、一方の短辺に対向する他方の短辺を含む裏壁41Bと、長辺を含むフレーム側壁42とを含んで構成される。なお、接客壁41Aは、硬貨処理装置101(図1)が内蔵される不図示の端末機の接客面の近傍に配置される。以下、接客壁41Aと裏壁41B間の長さを奥行きと称し、フレーム側壁42間の長さを幅と称する。接客壁41Aと裏壁41B間に位置する仮想上の面であって、接客壁41Aと裏壁41Bとから略等間隔にある面を、接客壁41Aと裏壁41B間の中央面43(図中、2点鎖線にて表示)とする。なお、図に示すように、スタッカカセット部4の奥行きは、Z方向の長さであり、幅は、Y方向の長さである。
スタッカカセット部4は、その上部に、持ち運びのための取手45が取り付けられ、さらに開口44を有し、開口44を塞ぐ扉19と、扉19に施錠を行う施錠機構20とが取り付けられている。扉19は、スタッカカセット部4の図中、手前側の一方のフレーム側壁42を構成する。このような構成としたので、スタッカカセット部4は扉19の施錠を維持した状態で、硬貨処理装置101からの着脱が可能となる。
図2において、施錠機構20は、スタッカカセット部4の図中、右上に取り付けられ、施錠機構20によって扉19に施錠がなされ、扉19が開かなくなり、ホッパ5がそれぞれスタッカカセット部4から引き出せなくなる。施錠機構20は、決められた係員が持つ鍵により施錠が外されて扉19が開けられ、ホッパ5の引き出しが可能になる。硬貨処理装置101(図1)から引き出したスタッカカセット部4を、ホッパ5をスタッカカセット部4内に安全に閉じこめて、安全な場所に移し、ホッパ5からの硬貨の回収、ホッパ5への硬貨の補充を安全に行うことができる。
よって、ホッパ5を従来の補充カセット、ホッパ5を従来の回収カセットとして安全に使用することができる。このようにすると硬貨の回収、補充作業を容易とすることができ、別個の補充カセット、回収カセット用のスペースをスタッカカセット部4に設ける必要がないので、硬貨処理装置101(図1)を小型化することができる。
図1に戻って説明を続ける。放出シュート25は、スタッカカセット部4内の接客壁41Aと裏壁41Bのほぼ中央を鉛直下方向に配置されている。放出シュート25は後述するホッパ5の放出部21の放出口22のそれぞれに接続されている。
ホッパ5は、フレーム状のスタッカカセット部4内に2個ずつ上段にホッパ5Aと、ホッパ5Bが、下段にホッパ5Cと、ホッパ5Dが配列されている。以下、ホッパ5の名称は、ホッパを総称する場合に使用する。各段(上段、下段)ともホッパ5Aおよびホッパ5B、ホッパ5Cおよびホッパ5Dは、奥行き方向に配列されている。このように配置したので、装置の奥行き方向の長さを小さくすることができ、装置を小型化することができる。上段は、図1(A)中、右側が500円硬貨用のホッパ5A、左側が1円硬貨用のホッパ5B、下段は、図1(A)中、右側が100円硬貨用のホッパ5C、左側が10円硬貨用のホッパ5Dである。
ホッパ5は、硬貨(不図示)を収納する収納ケース15と、収納ケース15に収納された硬貨を釣銭として一枚ずつ放出する放出部21とを、それぞれ含んで構成される。収納ケース15は、ホッパ5の上部に取り付けられ、硬貨をバラ積み状態にて収納する。本第1の実施の形態では、上側の各ホッパ5A、5Bの収納ケース15A、15B(それぞれ500円、1円硬貨用)は同じ容積とし、下側の各ホッパ5C、5Dの収納ケース15C、15D(100円、10円硬貨用)は同じ容積としている。放出部21は、収納ケース15の直下にそれぞれ取り付けられる。収納ケース15の名称は、収納ケースを総称する場合に使用する。硬貨をホッパ5の外部へ放出する放出口22は、放出部21の中央面43を向く側面部にそれぞれ設けられる。
また、放出口22を、放出部21の、接客壁41A、裏壁41B間の中央面43を向く側面部に設けたので、特に制限の厳しい装置の幅を、小さくすることができ、装置を小型化することができる。
ホッパ5は、硬貨処理装置101から水平方向にスタッカカセット部4を取り外し、取り外したスタッカカセット部4の施錠機構20による扉19の施錠が開いているとき、それぞれY方向(Z方向に直角な水平方向であって図面(図2)から飛び出す方向)(図2)に容易に交換できるように構成されている。
ホッパ5の放出部21は、それぞれ放出シュート25に接続されている。放出部21は、収納した硬貨を一枚ずつ放出する円盤ホッパ方式の放出機構24(図1(A)中、破線にて表示)と、放出機構24を駆動する駆動手段としてのモータ5AM〜5DM(図4)などをそれぞれ備える。また、放出部21は、収納ケース15内の硬貨を放出口22経由で放出シュート25に放出するものである。
ホッパ5の放出口22は、前述したように中央面43を奥行き方向を向くように設けてある。さらに放出シュート25の放出口22と接続される部分には接続部位23が配置される。しかし、放出シュート25の接続部位23の上方のスペースに、収納ケース15を張り出して、容積を大きくすることにより、収納ケース15が収納する硬貨の枚数を多くすることができる。
ホッパ5は、モータ負荷検出装置(不図示)を備え、モータ負荷検出によりホッパ5内の硬貨の噛み込みを検知し、噛み込みが発生した場合は、放出機構24の円盤(不図示)の逆転による解除を行てリトライを行い、掻き上げ不良による硬貨の未放出が発生した場合でも、同様のリトライ動作を重ねて行うものである。
ホッパ5には、それぞれの金種ごとに硬貨計数センサ13(図4)が配置されている。硬貨計数センサ13(図4)は、各ホッパ5に、すなわち、それぞれの金種ごとに設置されている。硬貨計数センサ13は、ホッパ5より放出された硬貨を一枚ずつ検出し、検出信号を制御部10に送るよう構成され、かつ当該検出信号に基づいて当該硬貨に形成されている穴の有無が一枚ずつ判断される。硬貨計数センサ13(図4)は、ホッパ5の内部であって、放出機構24の直下流側にそれぞれ設置されている(硬貨計数センサ13(図4)は合計4個(ホッパ5の数と同数))。硬貨を計数するために検出する硬貨計数センサ13(図4)から送られる検出信号が、硬貨の穴の有無を判断するためにも使用されるので、硬貨の穴の有無を検出するために信号を発生するセンサを別途設ける必要がなく、装置の小型化を図ることができる。
硬貨計数センサ13は、ホッパ5の放出機構24の後流側から前述した接続部位23であって、放出シュート25の中央面に合流するまでの硬貨ルートに設ける場合は、金種ごとに設けることができる。硬貨計数センサは、搬送部3にまたは搬送部3の出口の直下流側に設けてもよい(但し、出金受皿部2の上流側とする)。
前述のように、硬貨計数センサ13(図4)から発生する信号は、ホッパ5より放出された硬貨を一枚ずつ検出する検出信号であり、加えて、当該検出信号により硬貨に形成された穴の有無が判断される。10円のホッパ5Dや100円のホッパ5Cに、外径や材質が類似の5円や50円が入った場合でも、硬貨に形成された穴の有無の要素を判断基準に取り入れると、金種判別センサ11のような簡易な構成のセンサと併用し、簡易的な判別をすることで、利用客への誤った放出を抑えることができる。さらに、ホッパ5のうち、どの設置場所のホッパ5も金種を変更することが可能であり、特に変更前には穴の開いた5円、50円のホッパを含まず変更後に穴の開いた5円、50円のホッパを含んだ場合は、簡易に硬貨の穴の有無を判断することができる穴の有無判断部39(図3)を有する制御部10を備えた本第1の実施の形態の硬貨処理装置101が有効となる。
また、本第1の実施の形態では、原則として機械的に、硬貨の中心と硬貨計数センサ13(図4)の光軸とを合わせるように構成することが望ましい(後述の本第2の実施の形態において同じ)。金種により、硬貨の中心が硬貨計数センサ13(図4)の光軸と合わない場合が生じ、若干のズレが生じることがあるが、硬貨計数センサ13(図4)による硬貨の計数、穴の有無の検出には支障はない。
硬貨処理装置101では、放出シュート25を落下した硬貨が、搬送部3に導かれる。放出シュート25(スタッカカセット部4)を出た硬貨は、搬送部3に到達する前に、放出シュート25の出口に設けた1個の検出センサ3S(図4)により硬貨通過の監視が行われる。具体的には、ホッパ5からの放出から所定時間(例えば、放出シュート25の落下時間の3倍;約5秒)の未到達、ホッパ5からの放出がない状態での検出、遮光状態を継続的に検出した場合、搬送部3を所定時間(例えば、当該検出センサから出金受皿部2までの距離を硬貨の搬送速度で割った値の2.5倍;約4.5秒)動作させた後に問題となる前記状態の解除を確認する。問題が解決されれば、再度ホッパ5から1枚目の放出動作が開始され、解除されない場合には装置を停止する。
搬送部3は、第1の搬送部3Aと、第2の搬送部3Bと、第3の搬送部3Cとからなる。各搬送部3A〜3Cは、プーリとプーリに掛けられた搬送ベルトを有し、放出した硬貨を一枚ずつ搬送する。搬送部3の適当な部位には追加の検知センサ3S(図4)を配置し、搬送硬貨の計数および停滞監視を行う。
停滞監視については、具体的には、硬貨の流れに対して前段の検出センサ3Sからの所定時間(例えば、検出センサ3S間の距離を硬貨の搬送速度で割った値の2.5倍の未検出)の未到達の場合、あるいは、同一検出センサ3Sでの所定時間(例えば、金種判別センサ11の適宜な処理に必要な時間;約200ms)より短い検出の場合には、ホッパ5からの硬貨の放出を中止し、搬送部3上の硬貨を全て出金受皿部2に搬送し、出金リジェクト箱9に硬貨を取り込んだ後に、再度ホッパ5から1枚目の硬貨の放出動作が開始される。この段落で前述したような状態が所定回数(例えば、10回)に到達すると異常として装置を停止する。
検知センサ3S(図4)により検知された硬貨は、次に第1の搬送部3Aと第2の搬送部3Bとに挟まれて、略水平方向に搬送され、次に略鉛直方向上方に向けて、金種判別センサ11の手前まで搬送される。金種判別センサ11の手前まで搬送された硬貨は、金種判別センサ11を通過する間、第1の搬送部3Aのみによって搬送される。金種判別センサ11を通過する硬貨は、金種判別センサ11から送られる信号を用いて制御部10の後述の金種判別部38よって金種が判別される。金種判別センサ11を通過した硬貨は、次に第1の搬送部3Aと第3の搬送部3Cとに挟まれて、略鉛直方向上方に搬送され、次に斜め上方に搬送される。
金種判別センサ11は、電磁式センサであり、対向する一対のコイルを備え、金種を判別するためのパラメータは電圧と周波数である。よって、金種判別センサ11は、簡易な構造のものとすることができ、簡易な構造の装置とすることができる。一方、硬貨計数センサ13(図4)は、光学式であり、硬貨による遮光を検出する。金種判別センサ11は、金種判別に多数のパラメータを用いる必要がなく、またコイルを複数備える必要がないので、制御部10の制御回路も大きなものとならず、硬貨処理装置101の小型化に貢献している。
硬貨が金種判別センサ11を通過するときに、硬貨は片寄せされ、金種判別センサ11に対する硬貨の位置が一定になるように、搬送部3が構成されている。
図3を参照して、硬貨処理装置101の制御部10の構成について説明する。
制御部10は、上位装置102(図4)、硬貨計数センサ13(図4)、金種判別センサ11、検知センサ1S、2S、3S(図4)からの出力信号が入力される(1)入力受信部31と、入力受信部31が受けた信号を処理する(2)入力処理部32とを含んで構成される。制御部10は、硬貨計数センサ13(図4)、金種判別センサ11(図1)、検知センサ1S、2S、3S(図4)の機能の一部を担う。
入力処理部32は、さらに、硬貨計数センサ13(図4)が出す出力信号を入力受信部31を介して受信し、当該受信した受信信号により硬貨を一枚ずつ計数する(2a)計数部37と、金種判別センサ11が出す出力信号を入力受信部31を介して受信し、当該受信した受信信号により硬貨の金種を判別する(2b)金種判別部38と、硬貨計数センサ13(図3)が出す出力信号を入力受信部31を介して受信し当該受信した受信信号により硬貨の穴の有無を判断する(2c)穴の有無判断部39とを含んで構成される。
制御部10は、さらに入力処理部32から受けた、穴の有無判断部39が判断した硬貨の穴の有無に関する情報と、金種判別センサ11が判別した硬貨の金種に関する情報とを比較する(3)適正硬貨判断部としての情報比較部33と、上位装置102から受けた入力を記憶する(4)記憶部34と、上位装置102からの入金金額、取引金額の情報に基づき出金する金種と当該金種の枚数を演算する(5)演算部35と、演算部35からの出金する金種と当該金種の枚数の情報に基づきモータ1M、2M、3M、5AM、BM、CM、5DMへ駆動信号を送って作動を指示する(6)作動指示部36とを含んで構成される。
入力処理部32は、穴の有無判断部39からの硬貨の穴の有無に関する情報を示す信号、金種判別部38からの硬貨の金種に関する情報を示す信号を情報比較部33に送り、上位装置102から受けた入力を記憶部34に送る。さらに、上位装置102からの入金金額、取引金額の情報を示す信号を演算部35に送り、演算部35の演算結果に基づき、出金する金種と当該金種の枚数の情報を作動指示部36に送る。
次に、図4を参照して、硬貨処理装置101の制御系について説明する。
制御部10は、シャッター部1のモータ1M、出金受皿部2のモータ2M、搬送部3のモータ3M、各ホッパ5A〜5Dのモータ5AM〜5DMへ、作動指示部36(図3)から駆動信号を送り各モータの駆動制御を行うよう構成されている。
制御部10は、さらに入力受信部31(図3)を介して、硬貨処理装置101の上位装置102との通信を行うものである。当該通信によって、作動開始前に各ホッパ5ごとに金種が決められ上位装置102からホッパ5の金種情報が入力され、当該ホッパ5の金種情報が制御部10に送られ記憶部34(図3)に記憶される(すでに入力が済みで変更が必要ない場合を除く)。また、上述のように上位装置102から送られた、入金金額、取引金額の情報から、制御部10の演算部35によって、釣銭として出金すべき硬貨の枚数が金種ごとに決められる。
本第1の実施の形態の硬貨処理装置101は、前述のように、制御部10の入力受信部31(図3)へ、各ホッパ5の硬貨計数センサ13(合計4個)から、計数信号(出力信号)が送られるよう構成されている。具体的には、硬貨が硬貨計数センサ13を通過していないときには、硬貨によって光が遮られることがないので、硬貨計数センサ13から透光信号が送られ、硬貨が硬貨計数センサ13を通過したときには、硬貨によって光が遮られ、遮光信号が発生し当該遮光信号が送られる。
シャッター部1は検知センサ1Sを有し、検知センサ1Sはシャッター部1のシャッタ(不図示)の開閉を検知し、検知信号(出力信号)を制御部10の入力受信部31(図3)に送る。出金受皿部2は、検知センサ2Sを有し、受皿底部50(図1(A))の開閉を検知し、検知信号を制御部10の入力受信部31に送る。搬送部3は、検知センサ3Sを有し、搬送硬貨の計数および停滞監視を行う。検知サンサ3Sからの検知信号(出力信号)は、制御部10の入力受信部31(図3)に送られる。
制御部10は、外部の電源に接続され、モータ1M、2M、3M、5AM、5BM、5CM、5DM、検知センサ1S、2S、3S、硬貨計数センサ13、金種判別センサ11等に電気を供給する。
図1を参照して説明を続ける。
出金受皿部2は、搬送部3により搬送された硬貨を集積し出金するよう構成されている。シャッター部1は、出金受皿部2の上方に配置され、シャッター(不図示)と当該シャッターを駆動するモータ1M(図4)を含むシャッター機構(不図示)により出金受皿部2のシャッターの開閉を行う。当該シャッターが開となることにより利用客は出金受皿部2の硬貨を取り出すことができる。すなわち、出金受皿部2の出金はシャッター部1が開となることにより可能となる。シャッター機構は、検知センサ1S(図4)を有し、シャッタの開閉を検知し、検知信号を制御部10の入力受信部31(図3)に送る。
出金受皿部2には、リジェクト部としての受皿底部50が取り付けられ、受皿底部50はモータ2M(図4)の駆動により開放が可能に構成されており(開状態を二点鎖線で表示)、出金リジェクト硬貨(不図示)、取忘硬貨(不図示)を、リジェクトシュート51を介して、出金リジェクト箱9に投下することができる。出金リジェクト箱9は、扉19を開け、図1(A)中、出金リジェクト箱9を手前に倒すことにより、投下された内部の硬貨を回収できる。出金受皿部2は、検知センサ2S(図4)を有し、受皿底部50の開閉を検知し、検知信号を制御部10の入力受信部31(図3)に送る。
図1を参照して、ホッパ5の収納ケース15の大きさの決め方について説明する。前述のように、本第1の実施の形態では、収納ケース15には、それぞれ500円、1円、100円、10円の硬貨が割り当てられている。このように金種が割り当てられた収納ケース15の大きさは、硬貨処理装置101が取り付けられる設置環境、使用環境を考慮して、入金される硬貨の金種毎の枚数を統計的に把握し、把握された枚数を基に硬貨の量(容積に換算した量)を求め、求められた硬貨の量にほぼ比例するように収納ケース15の容積を決めてもよい。設置環境とは、金融端末機、自動販売機など硬貨処理装置が内蔵される機器が置かれる場所をいう。使用環境とは、前述の機器が使用される環境、例えばコンビニエンスストア、銀行、鉄道駅、遊戯場等、また例えば利用者に子供、女性が多い等の顧客の特質等をいう。
硬貨処理装置101の設置環境、使用環境が変わり、仕様変更が必要となった場合は、新しい設置環境、使用環境において入金される硬貨の金種毎の枚数を統計的に把握し、把握された枚数を基に硬貨の量(容積に換算した量)を求め、求められた硬貨の量にほぼ比例するように収納ケース15の容積を決めるとよい。このようにするとホッパ5のスペースを有効に利用することができ、硬貨処理装置101を小型化することができる。
図5を参照し、適宜図4を参照して、硬貨計数センサ13による、硬貨に穴が形成されているか否かの判定の詳細を説明する。
硬貨計数センサ13の出力について説明する。硬貨が硬貨計数センサ13を通過する前は(図5において時間t1まで)、硬貨計数センサ13は透光信号を発している。硬貨が硬貨計数センサ13を通過したとき(図5において時間t1からt4)であって、硬貨に穴が形成されている場合は、穴の開いていない部分が硬貨計数センサを通過する間(時間t1からt2(例えば、5ms)、および時間t3からt4(例えば、5ms))は、硬貨計数センサ13は遮光信号を発する。穴の開いている部分が硬貨計数センサ13を通過する間(時間t2からt3(例えば、9ms))は、光が穴の部分を通過するので透光信号を発する(図5の(1))。
硬貨に穴が形成されていない場合は、硬貨が硬貨計数センサ13を通過する間(図5において時間t1からt4)は、硬貨計数センサ13は、遮光信号を発し続ける。ここで、穴の開いていない硬貨の場合の硬貨計数センサ13の直接の信号は、図5では記載が省略されている。
硬貨が硬貨計数センサ13を通過した場合は、硬貨計数センサ13からの透光信号、遮光信号にしたがって、計数信号が形成される。計数信号は計数部37(図3)により形成される。計数部37(図3)は計数信号を作成する計数信号作成部でもある。計数信号は、硬貨に穴が形成されているか、穴が形成されていないかにかかわらず、一定の値を保つ同じ信号であり、時間t1から時間t5(計数マスク時間)(例えば、100ms)までの間持続する(図5の(2))。計数マスク時間は、硬貨計数センサ13によって通過が検出される時間(時間t1から時間t4)にさらに所定の時間を加えたものである。ここでいう所定の時間とは、硬貨の滞留などを考慮した予備時間である。
上述の硬貨計数センサ13からの透光信号、遮光信号にしたがって、穴判断信号が形成される。穴判断信号は穴の有無判断部39(図3)により形成される。穴の有無判断部39(図3)は穴判断信号を作成する穴判断信号作成部でもある。硬貨に穴が形成されている場合の、穴判断信号は、時間t1からt2の間、および時間t3からt4の間が遮光信号から形成され、時間t2からt3の間、および時間t4からt5の間が透光信号から形成されている(図5の(3))。すなわち、遮光信号と遮光信号との間に透光信号を含む。
硬貨に穴が形成されていない場合の、穴判断信号は、時間t1からt4の間が遮光信号から形成され、および時間t4からt5の間が透光信号から形成されている(図5の(4))。すなわち、遮光信号と遮光信号との間に透光信号を含まない。穴判断信号が穴判断情報Xである。
次に、図1〜図4を参照して、ホッパ5の交換作業について説明する。
前提条件として、通常の使用環境では、標準として各金種は、500円(ホッパ5A)、1円(ホッパ5B)、100円(ホッパ5C)、10円(ホッパ5D)とされている。しかし、実際の使用環境では、統計的には5円または50円が関係する出金取引も多く、残る金種で、出金がない、あるいは500円が関係する出金が比較的少ない場合などは、金種の設定変更をすることが便利である場合が考えられる。一例として以下にホッパ5Aの金種を500円から5円に変更する場合を示す。
各放出部21(合計4個)は、互いに外形寸法は同じであるが、放出する硬貨の外径の相違に起因して一部の内部部品の寸法が異なり、当該取り扱う硬貨の外径に合わせて寸法を決め製作しているものがある。したがって、一のホッパ5の金種を交換する場合は、そのホッパ5全体を互いに交換する必要がある。そこで、500円用のホッパ5Aを5円用のホッパ(不図示)に、ホッパ全体として交換する。次にユーザが上位装置(不図示)から金種設定の変更を行う。金種設定の変更により、以後の処理において交換したホッパ(不図示)から放出される硬貨の金種は5円となる。
まず、準備金をセットするために以下の操作が行われる。すなわちユーザが硬貨処理装置101を、端末機(不図示)のガイドレール(不図示)上を滑らせて、端末機から水平方向に引き出す(図1(A)中、左方向)。さらにホッパ5を収納するスタッカカセット部4を硬貨処理装置101のガイドレール(不図示)上を図1(A)中、左方向に水平に滑らせて硬貨処理装置101の外部に引き出す。この際、ロック機構(不図示)を操作し、スタッカカセット部4のガイドレール(不図示)上のロック状態を解除することが必要である。スタッカカセット部4が硬貨処理装置101外部に出た後、スタッカカセット部4を鉛直方向上方に引き出す。
ユーザが施錠機構20を鍵により解除し、扉19を開放する。ホッパ5を収納するスタッカカセット部4から、ホッパ5A(500円用)を引き出し、予め決められた所定の硬貨(5円)を対応するホッパ(不図示)に準備(収納)し、当該5円用のホッパをスタッカカセット部4に戻し、扉19を閉鎖する。スタッカカセット部4を硬貨処理装置にセットし、さらに硬貨処理装置101を不図示の端末機にセットして、準備金セットが終了する。
このように人手で準備金作業が行われるため、誤補充の可能性が出てくる。さらに、前述したようユーザにて各ホッパ5の収納金種を変更することも可能であり、金種変更により入れるべき硬貨を間違えることが発生する恐れがあった。
次に、図1〜図4を参照して、入金および出金について説明する。
利用者により、紙幣などによる入金が上位装置102(図4)の入金処理機(不図示)に対して行われる。入金した後、利用者は入金確定操作として入金処理機(不図示)の確認ボタン(不図示)を押すなどの確認操作を行う。入金確定操作が行われると、制御部10の演算部35(図3)において入金金額と取引金額とから出金金額の金種と金種の枚数の演算が行われる。制御部10は、比較結果から要求された出金の硬貨金種ごとの枚数を確認し、その金種のホッパ5内の硬貨の有無とを比較する。次に制御部10は放出できる硬貨の金種と金種ごとの枚数を確認し、その金種のホッパ5と当該ホッパ5の位置とを確認する。各ホッパの位置は制御部10の記憶部34に記憶されている。
制御部10は、ホッパ5の位置により、ホッパ5の硬貨の開放を開始する開始時間と放出間隔を制御する。これはホッパ5の位置、放出シュート25の形状などで変わるので、予め実測し、仕様を満たす硬貨放出時間となるように設定され、制御部10の記憶部34に記憶される。放出間隔を制御し硬貨間の間隔をある程度保つことで搬送部3の構成を簡略化でき、また、まれに発生してしまう各シュート・搬送部のベルト内への硬貨残留や、ホッパ5の硬貨連続放出で発生するおそれのある異常を低減することができる。
確認操作の結果に基づき、該当する一つのホッパ5のモータ5AM〜5DMへ制御部10の作動指示部36から駆動信号を出力し、ホッパ5から硬貨が1枚放出される。このとき硬貨の連続放出(放出間隔が制御された間隔より短いものをいう)や他のホッパ5からの硬貨の放出は行わない。
ホッパ5の放出部21から放出された1枚目の硬貨は、ホッパ5の放出シュート25の横方向に配置された接続部位23を通過・落下し、放出シュート25の縦方向に配置された部分に到達し、放出シュート25の縦方向部分を落下する。制御部10は、放出シュート25の出口に設けられた検知センサ3Sから検知信号が送られており、検知センサ3Sの状態を監視する。この検知センサ3Sは、放出シュート25の出口に硬貨が到達すると一旦遮光状態になり、搬送部3のベルトにくわえ込まれた硬貨がベルトによって搬送が開始されると透光状態となる。
制御部10は、放出シュート25の出口に設けられた検知センサ3Sの遮光が生じてから所定時間後(マージンを含む)に透光した場合に、正常動作として残りの出金硬貨の有無を確認し、残りの出金硬貨がない場合は、硬貨の放出を終了する。ここで所定時間とは、硬貨の計数信号として穴消しの時間を含めたものであり、例えば100msecである。この所定時間経過後に透光を検出すれば通過と判断する。
制御部10は、残りの出金硬貨がある場合は、放出する硬貨のホッパ5の位置を確認する。上記の放出できる硬貨の金種を特定する動作から硬貨の放出を終了する動作までを、放出硬貨がなくなり硬貨放出を終了するまで繰り返す。
硬貨の計数は、硬貨計数センサ13からの出力信号をもとに、制御部10の計数部37が行い、硬貨の金種の判別は金種判別センサ11からの出力信号をもとに、制御部10の金種判別部38が行う。
金種の良否の判定は、制御部10の情報比較部33が行う。金種の良否の判定は、ホッパ5に設置された硬貨計数センサ13からの出力信号から得られた第1の情報としての穴の有無に関する情報と金種判別センサ11からの出力信号が示す第2の情報としての硬貨の金種に関する情報を比較して行うが、詳細は後述する。情報比較部33は判定結果を作動指示部36に送る。作動指示部36は判定情報に基づき出金部としてのシャッター部1またはリジェクト部としての受皿底部50に作動指示を送り、出金処理またはリジェクト処理が行われる。
金種の判定結果が良の場合、具体的には第1の情報と第2の情報が整合する場合、かつ、リジェクト硬貨以外すなわち適正硬貨の場合、出金受皿部2に硬貨が収納される。出金硬貨の終了まで上記の硬貨のホッパ5からの放出の動作と出金受皿部2への硬貨の収納の動作が繰り返される。全ての出金硬貨が出金受皿部2に収納されると、出金受皿部2の上方のシャッター部1のシャッター(不図示)を開放し、出金動作(出金処理)を終了する。
金種の判定結果が否の場合、具体的には第1の情報と第2の情報が整合しない場合、および、リジェクト硬貨の場合、その判定された硬貨の出金受皿部2への収納を待ち、当該硬貨の収納後に、出金受皿部2に取り付けられた受皿底部50が開放され、それ以前に収納した硬貨を含めて出金リジェクト箱9に硬貨を収納(リジェクト処理)し、最初から出金放出の動作をやり直す。金種の判定結果が否である場合における出金放出のリトライ回数は、適宜決めることができ、例えば判定結果による否が2回連続した場合には異常として装置を停止する。
ここで制御部10の硬貨の金種の良否に関する判定について説明する。
ホッパ5から硬貨が放出され、硬貨計数センサ13を通過すると、硬貨計数センサ13から遮光信号が制御部10の入力受信部31に出力にされる。制御部10の穴の有無判断部39は、硬貨計数センサ13の出力により、通常の計数処理に加え、硬貨の穴の有無に対応する出力を確認し、一旦記憶部34に記憶する。硬貨に穴が形成されている場合は、穴検出情報Xが「穴有り」として記憶され、硬貨に穴が形成されていない場合は、穴検出情報Xが「穴無し」として記憶される。
ホッパ5より放出された硬貨は搬送部3を経由して、金種判別センサ11まで搬送される。金種判別センサ11は、搬送された硬貨の金種信号を作成する基となる信号を制御部10の入力受信部31へ出力する。金種信号は金種判別部38により作成される。金種判別部38は硬貨金種信号を作成する硬貨金種信号作成部でもある。制御部10の情報比較部33は、放出が行われたホッパ5の金種(記憶部34から情報比較部33に送られる)と、金種判別センサ11からの信号を基に作成された金種信号(以下、金種判別センサ11からの金種信号)が示す金種とを比較する。比較の結果、ホッパ5の金種と金種判別センサ11からの金種信号が示す金種とが一致しない場合は、情報比較部33によって判断を否とする。この否の回数は前述した金種の判定結果が否における出金放出のリトライ回数に含むものとする。
比較の結果、放出が行われたホッパ5の金種と金種判別センサ11からの金種信号が示す金種とが一致した場合には、さらに金種判別センサ11からの金種信号が示す金種と記憶していた穴検出情報Xと一旦記憶した穴検出情報X(硬貨計数センサ13により検出)を比較する。比較は同様に情報比較部33により行われる。
制御部10の情報比較部33は、金種判別センサ11からの金種信号が示す金種から導かれる穴の有無の情報と、一旦記憶した穴検出情報X(硬貨計数センサ13により検出)が一致するか否かを決定するために両情報を比較する。比較の結果、金種判別センサ11が示す金種から導かれる穴の有無の情報と、一旦記憶した穴検出情報X(硬貨計数センサ13により検出)とが一致しない場合には、判断を否とする。
そして、判断が否である場合は、作動指示部36からの指示により出金受皿部2のモータを作動させ受皿底部50を開とし、硬貨を利用者に受け渡せないので、出金リジェクト箱9に硬貨を収納する。比較の結果、金種判別センサ11からの金種信号が示す金種から導かれる穴の有無の情報と、一旦記憶した穴検出情報X(硬貨計数センサ13により検出)とが一致した場合は、判断を良とする。判断が良の場合、作動指示部36が指示を出すことにより、出金受皿部2へ硬貨を収納し、ホッパ5よりの放出動作を継続し、すべての硬貨がホッパ5より放出され、判断が否である場合がない場合は、出金受皿部2より出金される。
金種判別センサ11からの出力を受けた金種判別部38が、媒体たる硬貨の形状、搬送状態によって金種を誤判別するおそれがある。具体的には、金種として材質と径が比較的近い場合、硬貨の片寄せの効果が不十分で金種判別センサ11に対して硬貨がずれて通過した場合である。例えば、
1)10円硬貨を5円硬貨と判別する場合、
2)100円硬貨を50円硬貨と判別する場合が考えられる。
そこで、例えば5円用のホッパから放出された硬貨が、金種判別センサ11を通過し「5円」と判別された場合、穴検出情報Xの穴の有無と比較し、穴検出情報Xが「穴無し」の場合は、リジェクトする。なんらかの理由で収納された10円がホッパから放出された誤放出の可能性があるからである。
同様に、例えば50円用のホッパから放出された硬貨が、金種判別センサ11を通過し「50円」と判別された場合、穴検出情報Xの穴の有無と比較し、穴検出情報Xが「穴無し」の場合は、リジェクトする。なんらかの理由で誤って収納された100円が50円用のホッパから放出された誤放出の可能性があるからである。
本第1の実施の形態の硬貨処理装置101によれば、ホッパ5から放出部21によって放出された硬貨に形成されている穴の有無を硬貨計数センサ13で検出し、当該硬貨の金種を金種判別センサ11により判別し、制御部10が硬貨計数センサ13から得た穴の有無に関する情報(第1の情報)を穴の有無判断部39から受け取り、金種判別センサ11から得た硬貨の金種に関する情報(第2の情報)を金種判別部38から受け取り、さらに金種の判定結果が否の場合(第1の情報と第2の情報とが整合しない場合)にリジェクト硬貨と判断し、金種の判定結果が良の場合(第1の情報と第2の情報が整合する場合)適正硬貨と判断するよう構成されるので、当該硬貨が適正硬貨である場合に出金処理し、当該硬貨がリジェクト硬貨の場合はリジェクト処理することができる。
よって、簡易な構成の小型化された硬貨処理装置101であって、誤った金種の硬貨が装置外放出される誤放出のない硬貨処理装置101を提供することができる。
なお、計数部37と穴の有無判断部39は、硬貨計数センサ13とは別体の制御部10の入力処理部32にあるとして説明したが、硬貨計数サンサ13と一体に形成されていてもよい。また、金種判別部38は、金種判別センサ11とは別体の制御部10の入力処理部32にあるとして説明したが、金種判別センサ11と一体に形成されていてもよい。
次に図6、図7、図8を参照して本発明の第2の実施の形態に係る硬貨処理装置201を説明する。以下において、第1の実施の形態との相違点を説明する。以下に記載されていない点では、第2の実施の形態は、第1の実施の形態と同様とする。
相違点は、(1)前述のように、第1の実施の形態の硬貨処理装置101(図1)は、金種判別センサ11を備え、金種判別センサ11からの出力信号によって硬貨の外径を特定し、金種を判別する。日本国硬貨の場合、硬貨の直径は各々異なるので、外径を特定することにより硬貨を一義的に判別することができる。また、硬貨処理装置101(図1)は、制御部10の金種判別部38(図1)を備え、制御部10の金種判別部38は、金種判別センサ11からの出力信号により金種信号を作成する。
一方、本第2の実施の形態では、硬貨処理装置201は、金種グループ判別センサ部を備え、金種グループ判別センサ部は、金種グループ判別センサ111と、制御部110の硬貨金種グループ判別部140と、制御部110の金種判別部138を含んで構成される。硬貨金種グループ判別部140は、金種グループ判別センサ111からの出力信号により硬貨の材質を特定することにより、硬貨がどの金種グループに属するか決定し、さらに金種グループ判別センサ111からの出力信号により金種グループ信号を作成する(硬貨金種グループ判別部140は金種グループ信号を作成する金種グループ信号作成部でもある。)。ここで、金種グループとは、銅系グループ(5円、10円)、キュプロニッケル系グループ(50円、100円、500円)、アルミ系グループ(1円)である。
相違点は、(2)前述のように、第1の実施の形態の硬貨処理装置101(図1)の制御部10(図1)は、情報比較部33(図3)を有し、情報比較部33は、穴の有無判断部39が判断した硬貨の穴の有無に関する情報と、金種判別センサ11からの出力信号により金種判別部38が判別した硬貨の金種に関する情報とを比較する。
本第2の実施の形態では、硬貨処理装置201の制御部110は、金種判別部138と金種グループ判別部140とを有し、金種判別部138は、穴の有無判断部39から第1の情報(穴の有無)を受け取り、さらに金種グループ判別部140から第3の情報(例えば、銅系グループ)を受け取り、第1の情報と第3の情報から放出された硬貨の金種を判別し、硬貨の金種に関する第4の情報である金種信号を形成するよう構成される(金種判別部138は金種信号を作成する金種信号作成部でもある。)。さらに硬貨処理装置201の制御部110は、適正硬貨判断部としての情報比較部133を有し、情報比較部133が、収納部5が収納する硬貨の金種に関する第5の情報(収納されていたホッパ5に基づく金種)(例えば、ホッパ5Dに収納されていた場合は、金種は10円)を記憶部34から受け取り、第4の情報と第5の情報とを比較する。そして、第4の情報と第5の情報とが整合しない場合にリジェクト硬貨と判断して、リジェクト処理し、第4の情報と第5の情報とが整合する場合に適正硬貨と判断して、出金処理する。なお、金種グループ判別部140は、金種グループ判別センサ111とは別体の制御部110の入力処理部32にあるとして説明したが、金種グループ判別センサ111と一体に形成されていてもよい。
よって、簡易な構成の小型化された硬貨処理装置201であって、誤った金種の硬貨が装置外放出される誤放出のない硬貨処理装置201を提供することができる。
本第1または第2の実施の形態の硬貨処理装置101、201の場合、穴の開いている硬貨のホッパと、穴の開いていない硬貨のホッパとを取り違えて硬貨処理装置に組み込んで設定した場合に加えて、穴の開いている硬貨のホッパに穴の開いていない硬貨が誤って紛れ込んだ場合、あるいは穴の開いてない硬貨のホッパに穴の開いている硬貨が誤って紛れ込んだ場合に、誤った硬貨を装置外に出金処理することを避けることができる。
本第1または第2の実施の形態の硬貨処理装置101、201では、小型化された硬貨処理装置を提供することが目的のひとつであるため、大型装置では可能な、振り分け爪を用いた出金硬貨の自動振り分けが可能な(振り分け爪を用いてリジェクト硬貨を自動的にリジェクト処理する)高性能な出金識別装置を内蔵することはできない。したがって、振り分けを硬貨の穴情報の有無を判別する硬貨計数センサ13と、金種判別センサ11または金種グループ判別センサ111とを使用して、簡易な硬貨処理装置で行えるようにした。また、各ホッパ5に金種判別センサ11または金種グループ判別センサ111でなく簡易な硬貨計数センサ13を設けるようにしたことも装置の小型化をもたらしている。
上記の実施の形態において、ホッパは、500円、1円、100円、10円の4種類の金種用として4個のホッパから構成されているとして説明したが、500円、1円、100円、10円、5円、50円の6種類の金種用として6個のホッパから構成されるものであってもよい。この場合、ホッパの位置を誤ってしかるべき位置に設置せずに硬貨処理装置内に収納した場合にも効果を奏する。
1 シャッター部(出金部)
1M モータ
1S 検知センサ
2 出金受皿部(出金部)
2M モータ
2S 検知センサ
3 搬送部
3M モータ
3S 検知センサ
3A 第1の搬送部
3B 第2の搬送部
3C 第3の搬送部
4 スタッカカセット部
5 ホッパ(収納部)
5A ホッパ
5AM モータ
5B ホッパ
5BM モータ
5C ホッパ
5CM モータ
5D ホッパ
5DM モータ
9 出金リジェクト箱(リジェクト部)
10 制御部
11 金種判別センサ
13 硬貨計数センサ
15 収納ケース
15A、15B、15C、15D 収納ケース
19 扉
20 施錠機構
21 放出部
22 放出口
23 接続部位
24 放出機構
25 放出シュート
31 入力受信部
32 入力処理部
33 情報比較部
34 記憶部
35 演算部
36 作動指示部
37 計数部
38 金種判別部
39 穴の有無判断部
41A 接客壁
41B 裏壁
42 フレーム側壁
43 中央面
44 開口
45 取手
49 扉ヒンジ
50 受皿底部(リジェクト部)
51 リジェクトシュート
101 硬貨処理装置
102 上位装置
110 制御部
111 金種グループ判別センサ
133 情報比較部
138 金種判別部
140 金種グループ判別部
201 硬貨処理装置

Claims (5)

  1. 硬貨を収納する収納部と;
    前記収納された硬貨を前記収納部から放出する放出部と;
    前記放出された硬貨を検出する硬貨計数センサと、前記硬貨計数センサからの検出信号に基づき、前記検出された硬貨を計数する計数部とを有する放出検出部と;
    前記放出された硬貨の金種を検出する金種判別センサと、前記金種判別センサからの検出信号に基づき、前記検出された硬貨の金種を判別する金種判別部とを有する金種判別センサ部と;
    前記放出された硬貨を、適正硬貨またはリジェクト硬貨と判断する適正硬貨判断部とを備え;
    各前記収納部はそれぞれ予め決められた金種の硬貨を収納し、交換可能に構成され;
    前記放出検出部は、前記硬貨計数センサからの信号に基づき、前記放出された硬貨に形成されている穴の有無を判断する穴の有無判断部を有し;
    出金処理に関して、前記適正硬貨判断部が、前記穴の有無判断部によって判断された硬貨の穴の有無に関する第1の情報を受け取り、さらに前記金種判別部によって判別された硬貨の金種に関する第2の情報を受け取り、前記放出が行われた収納部の金種と前記第2の情報が示す金種が一致しない場合、又は前記第1の情報と前記第2の情報とが整合しない場合にリジェクト硬貨と判断し、リジェクト硬貨以外を適正硬貨と判断するよう構成された;
    硬貨処理装置。
  2. 前記金種判別センサが、前記硬貨の外径を検出し、前記金種判別部が、前記外径から金種を判別する;
    請求項1に記載の硬貨処理装置。
  3. 硬貨を金種ごとに収納する複数の収納部と;
    前記収納された硬貨を前記収納部から放出する放出部と;
    前記放出された硬貨を検出する硬貨計数センサと、前記硬貨計数センサからの検出信号に基づき、前記検出された硬貨を計数する計数部とを有する放出検出部と;
    前記放出された硬貨の材質を検出する金種グループ判別センサと、前記金種グループ判別センサからの検出信号に基づき、前記検出された硬貨の金種グループを判別する金種グループ判別部とを有する金種グループ判別センサ部と;
    前記放出された硬貨を、適正硬貨またはリジェクト硬貨と判断する適正硬貨判断部とを備え;
    各前記収納部はそれぞれ予め決められた金種の硬貨を収納し、交換可能に構成され;
    前記放出検出部は、前記硬貨計数センサからの信号に基づき、前記放出された硬貨に形成されている穴の有無を判断する穴の有無判断部を有し;
    前記金種グループ判別センサ部は、金種判別部をさらに有し;
    出金処理に関して、前記金種判別部が、前記穴の有無判断部によって判断された硬貨の穴の有無に関する第1の情報を受け取り、さらに前記金種グループ判別部によって判別された硬貨の金種グループに関する第3の情報を受け取り、前記第1の情報と前記第3の情報から前記放出された硬貨の金種を判別し、硬貨の金種に関する第4の情報を形成するよう構成され;
    前記適正硬貨判断部が、前記収納部が収納する硬貨の金種に関する第5の情報を受け取り、前記第4の情報と前記第5の情報とが整合しない場合にリジェクト硬貨と判断し、リジェクト硬貨以外を適正硬貨と判断するよう構成された;
    硬貨処理装置。
  4. 前記リジェクト硬貨と判断された硬貨をリジェクトし収納するリジェクト部と;
    前記適正硬貨と判断された硬貨を出金する出金部とを備える;
    前記リジェクト硬貨と判断された場合、前記リジェクト部はその判定された硬貨を出金リジェクト箱に収納し、前記出金部は最初から出金放出の動作をやり直すように構成された;
    請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の硬貨処理装置。
  5. 各前記収納部は引き出し可能に構成された;
    請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の硬貨処理装置。
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