JP5618370B2 - 抗菌剤固定化方法および該方法により得られる物品 - Google Patents

抗菌剤固定化方法および該方法により得られる物品 Download PDF

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Description

本発明は、優れた抗菌性及び抗菌持続性を物品に付与することが可能なだけでなく、優れた洗浄性をも付与し得る抗菌剤固定化方法および該方法によって得られる物品に関する。
高齢化社会の到来により歯科材料、とくに義歯使用者が増大し義歯洗浄剤の使用量も増大しているが、様々な組成の義歯洗浄剤が使用されている。また、生活環境への衛生志向が向上し、食器、メガネ、流し、台所まわり、便器、トイレ周り、浴槽、浴室周り、洗面ボウル、洗面所周り、繊維製品または被服への衛生志向、抗菌志向が高まっている。
これらに使用されている抗菌剤組成物を成分系で分類すると、過酸化物、次亜塩素酸、酵素、酸、生薬、銀系無機抗菌剤又は消毒薬のいずれかを主要成分とし、あるいは二種以上を組み合わせた成分系に分類することができる。そして、同一の成分系に属する抗菌剤組成物においてもその具体的な組成は様々である。
このように様々な抗菌剤組成物が使用されているのは、とくに義歯洗浄剤として用いられる場合には、抗菌剤組成物として洗浄性能と殺菌性能の両者の機能が要求されるので、それぞれの作用を発揮する成分を組み合わせて抗菌剤組成物が構成されることが多いためである。
このような要求に対し、例えば、特許文献1に、ラウリル硫酸ナトリウムは優れた洗浄性能及び発泡作用を有するのであるが、従来の義歯洗浄剤はその組み合わせ成分のためラウリル硫酸ナトリウムの効力が減殺されているという問題に対し、ラウリル硫酸ナトリウムの機能を妨げることがなく、さらに殺菌性能を向上させることができるラウリル硫酸ナトリウムと銀、銅、亜鉛イオン等の抗菌性金属イオンを含有する義歯洗浄剤が開示されている。
特許文献2に、デンチャープラークの除去には酸性の義歯洗浄剤が好ましいが、義歯洗浄剤が酸性であると歯肉素材が変形や変色し、金属素材が黒変するおそれがあるために多くの洗浄剤が中性を呈するように調整され、義歯洗浄剤の洗浄性能が減殺されているという問題に対し、酸および過硫酸塩を含有する酸性速溶部と、過ホウ酸塩または過炭酸塩の少なくとも1種と炭酸塩を含有するアルカリ性徐溶部を有する粒状もしくは錠剤状の義歯洗浄剤であって、義歯洗浄水に配合されて該水の液性を低pHから高pHに変化させることのできる義歯洗浄剤が開示されている。
特許文献3には、オクタデシルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドなどの抗菌性物質を表面に固定化した抗菌性材料が開示され、義歯、インプラント、クラウン、ブリッジ、矯正用ブラケット、ワイヤーなどの歯科用途に使用できることも開示されているが、これらの抗菌剤成分を含有する抗菌剤組成物そのものは開示されていない。
このような抗菌剤組成物の改良によって洗浄性能および殺菌性能が高められた抗菌剤が得られるようになった。しかしながら、従来の抗菌剤は、とくに義歯、インプラント、クラウン、ブリッジ、矯正用ブラケット、歯科用ワイヤーなどの歯科材料を洗浄してきれいにしても、これらの歯科材料、とくに義歯を口腔内に装着して使用する間に義歯表面に再度デンチャープラークが形成されることを阻止することができないという問題があった。さらに、歯科材料の洗浄性能、とくに義歯洗浄性能を向上させた抗菌剤が求められている。また、食器、メガネ、流し、台所まわり、便器、トイレ周り、浴槽、浴室周り、洗面ボウル、洗面所周り、繊維製品または被服への抗菌用洗浄剤についても同じような抗菌性能、洗浄性能およびその持続性についての性能が求められている。
上記の問題点に鑑み、特許文献4は、洗浄性能および殺菌性能がより高く、また洗浄された被洗浄物品の抗菌性能、洗浄性能およびその持続性を改善することを目的とし、インプラント、クラウン、ブリッジ、矯正用ブラケット、歯科用ワイヤーなどの歯科材料、とくに義歯においては、口腔内に装着している間に義歯表面にデンチャープラークが再形成されるのを阻止することが可能な抗菌性能と洗浄性能をも兼ね備える洗浄剤組成物を提供することを目的とする。また、とくに義歯使用者に特別の負担や不快感を与えることなく義歯に容易に抗菌性能を付与することができる義歯洗浄剤組成物を提供することをも目的としている。
さらに、特許文献4は、食器、メガネ、流し、台所まわり、便器、トイレ周り、浴槽、浴室周り、洗面ボウル、洗面所周り、繊維製品または被服への洗浄剤についても同様に抗菌性能、洗浄性能およびその持続性への要求に応えることのできる洗浄剤組成物を提供することをも目的としている。
WO99/56714 A1号公報 特開2001−288062号公報 特開2004−209241号公報 特開2007−146134号公報
近年の生活環境への衛生志向の向上により、抗菌性洗浄剤を用いた洗浄においては、より幅広い材質からなる物品へのさらに優れた抗菌性能およびその持続性の付与が求められている。しかしながら、特許文献4に記載の洗浄剤組成物に含まれるケイ素含有化合物は、ガラス、セラミックス等の材料への結合性は高いものの、合成樹脂への結合性はあまり高くなく、合成樹脂製の物品への抗菌性能及びその持続性を付与する能力が充分なものではなかった。
そこで、本発明は、幅広い材料からなる物品に優れた抗菌性能およびその持続性を付与することが可能な抗菌剤固定化方法を提供することを目的とする。即ち、本発明で使用するケイ素含有化合物系抗菌剤の大きな特徴点は、被処理物品の表面に化学結合によって固着される点にある。このことについて以下に説明する。
下記の化学反応式は、本発明で使用するケイ素含有化合物の一例である(a)オクタデシルジメチル(3−トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド(EtAC)を含む抗菌剤組成物を用いた固定化例を示している。即ち、EtACを被処理物品の表面に塗布すると、EtACの固定化の際の足となる部位である含酸素官能基(−OC:エトキシ基)が被処理物品表面の含酸素官能基と反応してエタノールを放出するとともに酸素を介して共有結合する。これにより、被理物品表面にケイ素含有化合物(a)中の抗菌活性部位が堅固に固定化され、被理物品表面に強い抗菌性能と優れた持続性が付与されることとなる。
しかしながら、ポリプロピレンやポリエチレン或いはアクリル樹脂等の表面に含酸素官能基が存在しないか、存在しても比率が小さい合成樹脂の場合には、抗菌機能を有するケイ素含有化合物が被処理物品の表面に固着しないか、固着率が極めて低くなり、固定化抗菌剤の機能が果たせなくなるという問題がある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、上記抗菌剤組成物を用いて処理を施す前に、物品の表面に含酸素官能基を付与する表面処理を施すことによって、該物品が合成樹脂からなる場合においても非常に優れた抗菌性能およびその持続性を付与できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の抗菌剤固定化方法は、アクリル樹脂製である物品の表面に含酸素官能基を付与するオゾン水処理を施した後、さらに該物品に
(a)一般式(1)
(式中、R1は炭素原子数6以上の炭化水素基を示し、R2およびR3は同一または異なっていてもよい炭素原子数1ないし6の炭化水素基を示し、R4は二価の炭素原子数1ないし6の炭化水素基を示し、R5、R6およびR7は同一または異なっていてもよい炭素原子数1ないし6のアルキル基または炭素原子数1ないし6のアルコシ基を示し、Xはハロゲンイオンまたは有機カルボキニルオキシイオンを示す)で表されるケイ素含有化合物と非イオン界面活性剤(b2)とを含む抗菌剤組成物を用いた処理を施すことを特徴とする
本発明の抗菌剤固定化方法の他の好適例において、前記一般式(1)で表されるケイ素含有化合物(a)のR1は炭素原子数10〜25のアルキル基を示し、R2およびR3は同一または異なっていてもよい炭素原子数1ないし6の低級アルキル基を示し、R4は炭素原子数1ないし6の低級アルキレン基を示し、R5、R6およびR7は同一または異なっていてもよい炭素原子数1ないし6の低級アルキル基またはアルコシ基を示し、Xはハロゲンイオンまたは有機カルボキニルオキシイオンであるのが好ましい。
本発明の抗菌剤固定化方法の他の好適例において、前記一般式(1)で表されるケイ素含有化合物(a)が、オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニムクロライド、オクタデシルジメチル(3−トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、オクタデシルジエチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、オクタデシルジメチル(2−トリメチルシリルエチル)アンモニウムクロライド、オクタデシルジプロピル(4−トリメトキシシリルブチル)アンモニムアセテート、オクタデシルジメチル(3−トリイソプロポキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、オクタデシルジメチル(3−トリエチルシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、オクタデシルジメチル(3−トリイソプロピルシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、ヘプタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、ヘプタデシルジイソプロピル(2−トリエトキシシリルエチル)アンモニウムクロライド、ヘキサデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニムクロライド、ヘキサデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニムアセテートおよびペンタサデシルジメチル(3−トリエトキシシリルプロピル)アンモニムクロライドからなる群から選ばれた少なくとも1種のケイ素含有化合物であるのが望ましい。
本発明の抗菌剤固定化方法の他の好適例において、前記非イオン界面活性剤(b2)が、ポリオキシエチレン単位および/またはポリオキシプロピレン単位を含有するポリオキシアルキレングリコールのアルキルエーテルまたは脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセライド、脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、脂肪酸アミド、アルキルエーテル、アルキルアミンオキシド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル及びポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルからなる群から選ばれた少なくとも1種の非イオン系界面活性剤であるのが望ましい。
本発明の抗菌剤固定化方法の他の好適例において、前記非イオン界面活性剤(b2)は、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートであるのが好ましい。
本発明によれば、従来は固定化が困難であった合成樹脂系物品等にも、ケイ素含有化合物の固定化が可能となるので、幅広い材料からなる物品に優れた抗菌性能およびその持続性を付与することができるという有利な効果を奏する。
抗菌剤固定化処理に加えてオゾン水処理または1〜10GHzのマイクロ波照射処理を行った試験片と、抗菌剤固定化処理のみ行った試験片と、全く処理を行わなかった試験片との抗菌性能を比較したグラフである。 オゾン水で0、1、3、5、10分間処理した後に抗菌剤固定化処理した試験片の抗菌性試験において、培養開始から12時間後の結果を示す図である。 オゾン水で0、1、3、5、10分間処理した後に抗菌剤固定化処理した試験片の抗菌性試験において、培養開始から18時間後の結果を示す図である。 オゾン水で0、1、3、5、10分間処理した後に抗菌剤固定化処理した試験片の抗菌性試験において、培養開始から36時間後の結果を示す図である。 オゾン水で0、1、3、5、10分間処理した後に抗菌剤固定化処理した試験片の抗菌性試験において、培養開始から48時間後の結果を示す図である。 オゾン水で0、1、3、5、10分間処理した後に抗菌剤固定化処理した試験片の抗菌性試験において、培養開始から1週間後の結果を示す図である。 参考例1における各溶液を用いて抗菌剤固定化処理を施した試験片の抗菌性試験において、培養開始から33時間後の結果を示す図である。 参考例1における各溶液を用いて抗菌剤固定化処理を施した試験片の抗菌性試験において、培養開始から45時間後の結果を示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の抗菌剤固定化方法は、物品の表面に含酸素官能基を付与する表面処理を施した後、さらに該物品に
(a)一般式(1)
(式中、R1は炭素原子数6以上の炭化水素基を示し、R2およびR3は同一または異なっていてもよい低級炭化水素基を示し、R4は二価の低級炭化水素基を示し、R5、R6およびR7は同一または異なっていてもよい低級アルキル基または低級アルコシ基を示し、Xはハロゲンイオンまたは有機カルボキニルオキシイオンを示す)で表されるケイ素含有化合物を含む抗菌剤組成物を用いた処理を施すことを特徴とする。前記表面処理は、物品の表面に−O−や−OHのような含酸素官能基を付与する処理であればよく、具体的には、オゾン水処理または1〜10GHzのマイクロ波照射処理が好適な処理として挙げられる。なお、本発明の抗菌剤固定化方法においては、被洗浄物品を、先に前記抗菌剤組成物によって処理し、次いで該抗菌剤組成物を該物品の表面に残存させたまま、1〜10GHzのマイクロ波照射による表面処理を施してもよく、同等の効果を得ることができる。
上述したように、物品の表面をオゾン水処理または1〜10GHzのマイクロ波照射処理等によって含酸素官能基を付与する表面処理を施した後に、上記抗菌剤組成物によって処理するか、又は物品の表面に上記抗菌剤組成物を塗布し、次いで該抗菌剤組成物を該物品の表面に残存させたまま、1〜10GHzのマイクロ波照射処理することによって、物品の表面に上記抗菌剤組成物に含まれる抗菌成分である上記ケイ素含有化合物が結合しやすくなり、物品の表面に上記ケイ素含有化合物の膜がより良好に形成される結果、物品により優れた抗菌性能およびその持続性を付与することができる。
上記オゾン水による処理は、特に制限されないが、例えば適宜濃度を調整したオゾン水に物品を浸漬するか、又は物品にオゾン水を噴霧するか、もしくは塗布するなどして物品の表面をオゾン水に接触させることによって行うことができる。オゾン水による処理時間は、使用するオゾン水の濃度によって適宜変更することができ、例えば、オゾンの濃度が0.4〜0.6ppmである場合、約5分間程度浸漬処理をすればよく、通常の数ppmの濃度のオゾン水の場合には単に噴霧して自然乾燥処理すれば、物品に充分な抗菌性能及びその持続性を付与することができる。
上記のような方法によって物品をオゾン水処理すると、炭化水素中の水素部分がラジカル化して含酸素官能基(―OHやーCHO等)が生成して、物品の表面に含酸素官能基を付与することとなり、上記抗菌剤組成物中の抗菌成分との反応性が向上することで、物品により高い抗菌性能及びその向上した持続性を付与することが考えられる。
また、上記1〜10GHzのマイクロ波照射処理は、特に制限されないが、電子レンジによる処理であるのが望ましく、電子レンジ内に物品を設置し、該電子レンジによりマイクロ波を照射することによって行うことができる。ここで、電子レンジとは、「高周波の電磁波を当てて食品を加熱する調理用装置」であり、一般的に2.450GHzの波長のマイクロ波を照射して、食品を加熱する装置全般を含む。また、マイクロ波の照射方法としては、バッチ式、連続式のいずれの方法を用いてもよい。本発明に用いることができる電子レンジとしては、例えば、家庭用の電子レンジ、出力の高い業務用電子レンジ、工業用マイクロ波加速装置等を挙げることができる。なお、電子レンジの出力と処理時間について、上記抗菌剤組成物による処理を行う前には、出力700Wで30秒間処理することによって充分な効果を得ることができ、上記抗菌剤組成物による処理を行った後では、700Wでは20秒間、500Wでは30秒間で充分な効果を得ることができる。即ち、物品にマイクロ波を照射することにより、物品表面の原子が励起されて雰囲気中の酸素と反応して含酸素官能基を形成したり、或いはCH結合が切れて雰囲気中の酸素と反応して含酸素官能基を生成することになる。このようにして物品表面にマイクロ波を照射することによって含酸素官能基が生成されることになる。
上述したオゾン水処理、1〜10GHzのマイクロ波照射処理のいずれを用いても本発明の効果が得られるが、オゾン水処理であれば、処理対象となる物品が風呂などの大型のものでも容易に処理を行うことができ、製品を工場のラインで製造し、本発明の抗菌剤固定化方法を用いて製品に抗菌性能を付与する際に、ラインに組み込みやすい。1〜10GHzのマイクロ波照射処理の場合には、電子レンジ処理を用いることができることから、家庭用電子レンジでも本発明の効果が得られ、家庭にて容易に本発明の抗菌剤固定化方法を実施可能であるという利点がある。
本発明の抗菌剤固定化方法に用いる上記抗菌剤組成物の構成成分について、以下に詳細に説明する。上記抗菌剤組成物に含まれる抗菌成分であるケイ素含有化合物(a)は一般式(1)
(式中、R1は炭素原子数6以上の炭化水素基を示し、R2およびR3は同一または異なっていてもよい低級炭化水素基を示し、R4は二価の低級炭化水素基を示し、R5、R6およびR7は同一または異なっていてもよい低級アルキル基または低級アルコキシ基を示し、Xはハロゲンイオンまたは有機カルボニルオキシイオン(有機カルボン酸イオン)を示す。)で表されるケイ素含有化合物である。上記抗菌剤組成物は、上記一般式(1)で表されるケイ素含有化合物を一種又は複数種含んでもよい。
さらに、上記一般式(1)で表されるケイ素含有化合物(a)のうちで、好ましい態様は、上記一般式(1)のR1は炭素原子数10ないし25のアルキル基を示し、R2およびR3は同一または異なっていてもよい炭素原子数1ないし6の低級アルキル基を示し、R4は炭素原子数1ないし6の低級アルキレン基を示し、R5、R6およびR7は同一または異なっていてもよい炭素原子数1ないし6の低級アルキル基または低級アルコシ基を示し、Xはハロゲンイオンまたは有機カルボニルオキシイオン(有機カルボン酸イオン)であるケイ素含有化合物である。
R1の炭素原子数6以上の炭化水素基としては、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ウンエイコシル基、ドエイコシル基、トリエイコシル基、テトラエイコシル基、ペンタエイコシル基などが例示できる。
R2およびR3の同一または異なっていてもよい低級炭化水素基としては、たとえば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘクシル基、フェニル基、トリル基などを例示することができる。
R4の低級アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基などを例示できる。
R5、R6およびR7は同一または異なっていてもよい低級アルキル基または低級アルコシ基であり、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などを例示できる。
Xとしては塩素イオン、臭素イオンなどのハロゲンイオン、メチルカルボニルオキシイオン(アセテートイオン)、エチルカルボニルオキシイオン(プロピオネートイオン)、フェニルカルボニルオキシイオン(ベンゾエートイオン)などの有機カルボニルオキシイオン(有機カルボン酸イオン)を例示することができる。
ケイ素含有化合物(a)として具体的には、次の化合物を例示することができる。オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニムクロライド、オクタデシルジメチル(3−トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、オクタデシルジエチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、オクタデシルジメチル(2−トリメチルシリルエチル)アンモニウムクロライド、オクタデシルジプロピル(4−トリメトキシシリルブチル)アンモニムアセテート、オクタデシルジメチル(3−トリイソプロポキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、オクタデシルジメチル(3−トリエチルシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、オクタデシルジメチル(3−トリイソプロピルシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、ヘプタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、ヘプタデシルジイソプロピル(2−トリエトキシシリルエチル)アンモニウムクロライド、ヘキサデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニムクロライド、ヘキサデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニムアセテートおよびペンタサデシルジメチル(3−トリエトキシシリルプロピル)アンモニムクロライド。
上記抗菌剤組成物は、上記ケイ素含有化合物の他にも、陽イオン界面活性剤(ただし、上記ケイ素含有化合物を除く)(b1)、非イオン界面活性剤(b2)および両イオン界面活性剤(b3)からなる群から選ばれた少なくとも1種の界面活性剤を含有することができる。
上記陽イオン界面活性剤(b)は、下記一般式(2)で表される陽イオン界面活性剤であり、ただし、上記ケイ素化合物(a)を除く陽イオン界面活性剤(b11)である。
(式中、R11は炭素原子数6以上の炭化水素基を示し、R12、R13およびR14は同一でも異なってもよい低級炭化水素基を示す。)で表される陽イオン界面活性剤(b11)、N−ココイル−アルギニンエチルエステルピリドンカルボン酸塩(b12)または塩化セチルピリジニウムのようなセチルピリジニウム塩(b13)であることが好ましい。
さらに、上記一般式(2)で表される陽イオン界面活性剤(b11)のうちでは、R11は炭素原子数10ないし25のアルキル基を示し、R12、R13およびR14は同一または異なっていてもよい炭素原子数1ないし6の低級アルキル基を示し、Yがハロゲンイオンまたは有機カルボニルオキシイオン(有機カルボン酸イオン)であることが好ましい。
上記一般式(2)で表される陽イオン界面活性剤(b11)の炭素原子数6以上の炭化水素基R11としては、上記ケイ素含有化合物(a)の一般式(1)のR1として例示した炭素原子数6以上の炭化水素基を同様に例示することができる。
上記一般式(2)で表される陽イオン界面活性剤(b11)のR12、R13およびR14としては、上記ケイ素含有化合物(a)の一般式(1)のR2およびR3として例示した低級炭化水素基を同様に例示することができる。
上記一般式(2)で表される陽イオン界面活性剤(b11)として具体的には、次の化合物を例示することができる。すなわち、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、デシルトリメチルアンモニウムクロライド、デシルトリエチルアンモニウムアセテート、ドデシルトリメチルアンモニウムアセテート、ドデシルトリイソプロピルアンモニウムブロマイド、トリデシルトリエチルアンモニウムプロマイド、テトラデシルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラデシルトリエチルアンモニウムクロライド、テトラデシルトリ−n−プロピルアンモニウムクロライド、ペンタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ペンタデシルトリエチルアンモニウムクロライド、ペンタデシルトリ−n−プロピルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリエチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリ−n−プロピルアンモニウムクロライド、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライドおよびオクタデシルトリエチルアンモニウムクロライド、オクタデシルトリ−n−プロピルアンモニウムクロライドなどを挙げることができ、とりわけヘキサデシルトリメチルアンモニウムは最も好適である。
上記非イオン界面活性剤(b2)は、ポリオキシエチレン単位または/ポリオキシプロピレン単位を含有するポリオキシアルキレングリコールのアルキルエーテルまたは脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセライド、脂肪酸アルカノールアミド、脂肪酸アミド、アルキルエーテル、アルキルアミンオキシド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル及びポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルからなる群から選ばれた少なくとも1種の非イオン系界面活性剤である。
上記非イオン系界面活性剤(b2)として具体的には、ポリエチレングリコールのモノアルキルエーテル、ポリオキシエチレン単位とポリオキシプロピレン単位の両方を含有するポリアルキレングリコールのモノアルキルエーテル、ソルビタンラウリレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、脂肪酸モノグリセライド、脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、脂肪酸アミド、アルキルエーテル、アルキルアミンオキシド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル及びポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルからなる群から選ばれた少なくとも1種の非イオン系界面活性剤を例示できる。
より詳細には、非イオン性界面活性剤としては、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンセスキイソステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル;グリセリンモノオレート、グリセリンモノイソステアレート等のグリセリン脂肪酸エステル;ジグリセリルモノオレート、デカグリセリルジイソステアレート等のポリグリセリン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビットモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビットテトラオレート等のポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル;ポリオキシエチレングリセリルモノオレート、ポリオキシエチレングリセリルモノオレート等のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンモノイソステアレート、ポリオキシエチレンモノオレート等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンジイソステアレート、ポリオキシエチレンジイソステアレート等のポリエチレングリコールジ脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル(10E.O.)等のポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル等が挙げられる。これらの中でもとりわけポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートは最も好適である。
上記両イオン界面活性剤(b3)としては、ベタイン系、アミンオキサイド系からなる群から選ばれた少なくとも1種がある。
具体的には、ベタイン系両イオン界面活性剤としては、例えば、ココ脂肪酸アミドプロピルカルボキシベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、イミダゾリウムベタインなどが挙げられる。これらの中でも、溶液中の抗菌成分である上記ケイ素含有化合物の安定性の観点から、ココ脂肪酸アミドプロピルカルボキシベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインが好ましい。
アミンオキサイド系両イオン界面活性剤としては、例えば、ラウラミドプロピルジメチルアミンオキサイド、ラウリルジメチルアミンオキサイドなどが挙げられる。これらの中でも、溶液中の抗菌成分である上記ケイ素含有化合物の安定性の観点から、これらラウラミドプロピルジメチルアミンオキサイド、ラウリルジメチルアミンオキサイドが好ましい。特に、上述したベタイン系及びアミンオキサイド系両イオン界面活性剤の中でも、溶液中での上記ケイ素含有化合物の長期間の安定性の観点から、ラウラミドプロピルジメチルアミンオキサイドが最も好ましい。
本発明に用いる上記抗菌剤組成物の溶媒としては、通常水溶液が採用されるが、上記ケイ素含有化合物(a)、陽イオン界面活性剤(b1)および/または非イオン界面活性剤(b2)および/または両イオン界面活性剤(b3)が溶解する限り、水とメタノール、エタノール、プロパノール、アセトンなどの親水性溶媒との混合溶媒として使用することができる。
上記抗菌剤組成物の有効成分としてケイ素含有化合物(a)を単独で含有して構成される場合には、抗菌剤組成物中のケイ素含有化合物(a)の含有量は通常0.01〜60容量%、好ましくは0.1〜10容量%である。洗浄作用、抗菌作用およびその持続性を充分に発揮するにはこの範囲にあることが好ましい。
上記抗菌剤組成物が有効成分としてケイ素含有化合物(a)および陽イオン界面活性剤(ただし、上記ケイ素含有化合物を除く)、非イオン界面活性剤及び両イオン界面活性剤からなる群から選ばれた少なくとも1種の界面活性剤(b)を含有して構成される場合には、上記抗菌剤組成物中のケイ素含有化合物(a)の含有量は通常0.01〜40容量%、好ましくは0.1〜10容量%であり、界面活性剤(b)の含有量は通常0.007〜20容量%であり、好ましくは0.05〜10容量%であり、洗浄作用、抗菌作用およびその持続性を充分に発揮するにはこの範囲にあることが好ましい。
上述したオゾン水等の処理前及び処理後の物品の上記抗菌剤組成物による処理は、物品を上記抗菌剤組成物に浸漬するか、上記抗菌剤組成物を物品の表面に塗布もしくは噴霧するか、上記抗菌剤組成物によって物品の表面を数回洗い流す(洗浄する)か、又は物品の表面を上記抗菌剤組成物を染みこませた布等によって清拭することによって行うことができ、物品と上記抗菌剤組成物とが所定の時間接触できる方法であれば特に制限されない。また、これらの処理を行う時間も、上記抗菌剤組成物に含まれる抗菌成分が物品の表面と充分に反応することができる時間であればよく、適宜選択することができる。なお、物品の表面にオゾン水処理または1〜10GHzのマイクロ波照射処理等の含酸素官能基を付与する表面処理を施した後に上記抗菌剤組成物による処理を行う場合には、上記抗菌剤組成物による処理を行った後に、上記抗菌剤組成物による処理を行った後に1〜10GHzのマイクロ波照射処理を施す場合には、マイクロ波照射処理の後に、必要に応じて水洗するなどして物品の表面から抗菌剤組成物を除去してもよい。
本発明の抗菌剤固定化方法によって表面に抗菌剤が固定化されてなる物品としては、インプラント、クラウン、ブリッジ、矯正用ブラケット、歯科用ワイヤーなどの歯科材料、食器、メガネ、流し、台所周り、便器、トイレ周り、浴槽、浴室周り、洗面ボウル、洗面所周り、繊維製品または被服など広範囲にわたる物品を挙げることができる。本発明の抗菌剤固定化方法によって処理された物品は、該物品が上記抗菌剤組成物に含まれる抗菌性ケイ素含有化合物が結合しにくい合成樹脂からなるものであっても、非常に優れた抗菌性能およびその持続性を有する。なお、物品を構成する材料は特に限定されず、本発明の抗菌剤固定化方法によれば、ガラス、陶器、セラミックス、金属、合成樹脂等、様々な材料であっても、優れた抗菌性能及びその持続性を付与することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
本実施例においては、抗菌剤組成物で抗菌剤固定化処理を施す前に、オゾン水またはマイクロ波照射(電子レンジ)によって前処理を行うことによって、抗菌剤が固定化された物品の抗菌性能およびその持続性においてどのような影響があるのか調査した。
(材料)
抗菌剤を固定化する物品として、アクリル板の10×10×0.2mmの試料片を用いた。抗菌性試験に用いる細菌としては、カンジダ・アルビカンス(C.albicans)の菌株GDH18を用い、サブロー培地で18時間前培養後、超純水(MQ水)で1×10個/mLに菌液を調整した。
(オゾン水処理)
1×1センチ角のアクリル板の試料片を、オゾンだっしゅ除菌名人(オゾントータルシステム株式会社製)により生成した0.4〜0.6ppmのオゾン水約30mLに5、10、15分間浸漬した後、濾紙にて水を切り、各試料片をオクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド(Si−QAC)(3%(容量/容量))とポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(PO)(1%(容量/容量))とを混合した水溶液に浸漬した後、水洗し、抗菌性試験のための試験片とした。
(マイクロ波照射処理:電子レンジ処理1)
1×1センチ角のアクリル板を、家庭用電子レンジ(出力700W、ナショナル製、商品名:電子レンジNE−EZ2、マイクロ波:2.450GHz)にて30、60、90秒間処理した後、直ちに、各サンプルをSi−QAC(3%(容量/容量)とPO(1%(容量/容量))との混合水溶液に浸漬した後、水洗し、抗菌性試験のための試験片とした。
(マイクロ波照射処理:電子レンジ処理2)
1×1センチ角のアクリル板を、Si−QAC(3%(容量/容量))とラウラミドプロピルジメチルアミンオキサイド(LAO)(1%(容量/容量))との混合水溶液に浸漬した後、すぐに家庭用電子レンジ700Wにて30秒間処理するか、又は500Wにて20秒間処理した後、ただちに水洗し、抗菌性試験のための試験片とした。
(抗菌性試験)
上記のようにして得られた各試験片表面に、予め1×10個/mLに調整したカンジダ・アルビカンスの菌液を25μL(2500個)接種し、2時間放置し、菌の沈降を待った。その後、pH指示薬としてクロルフェノールレッドを含有するサブロー培地(フジ製薬社製 カンジダイエロー培地)を1mL添加し、37℃で48時間培養を行った。次いで、各試験片表面に発育した菌からATPを抽出し、定量を行った。ATPの抽出は、500μLの東亜電波工業株式会社製微生物用ATP抽出試薬AF−2K1に各試験片を30分間浸漬して行った。ATP量の測定は、得られた抽出液をチューナーバイオシステム社製セルタイマーグローにセットして行った。
抗菌性試験の結果を図1に示す。なお、コントロールとして、オゾン水等による処理及びSi−QAC(1%(容量/容量)PO)溶液による処理を行っていないものと、Si−QAC溶液による処理のみ行ったものを用いた。
図1の縦軸は1試料あたりのATP量(pmol)を示し、ATP 1pmolは約100個の菌に相当する。抗菌性試験の結果、オゾン水等による処理およびSi−QAC溶液による処理を行っていない(図1中の「Si−QAC無」)場合、細菌は4×10個に増殖したが、オゾン水等による処理なしでSi−QAC溶液による処理のみ行った場合(図1中の「Si−QAC有」)、約3分の1程度に増殖を抑えた。これに対して、前処理を行った各試験片では、オゾン水等による処理なしでSi−QAC溶液による処理を行った試験片よりも菌の増殖がさらに抑えられた。さらに詳細には、オゾン水処理を5分以上行った場合又は電子レンジ処理を0.5分間行った場合、菌の発育を全く認めなかった。
また、Si−QAC溶液による処理前に電子レンジ処理を行った場合、Si−QAC+LAO溶液に浸漬して700Wで30秒間照射の場合では全く菌の発育を認めなかった(図1中の「レンジ7−30」)。同様にSi−QAC+LAO溶液に浸漬して500Wで20秒間照射の場合では若干の菌の発育を認めたが、オゾン水等による処理およびSi−QAC溶液による処理を行っていない場合あるいはSi−QAC溶液による処理のみの場合と比較して10倍以上高い抗菌効果を示した。
実施例2
本実施例では、オゾン水による前処理の時間と抗菌剤が固定化された物品の抗菌性能およびその持続性との関係について試験した。
(材料)
義歯床用アクリルレジン((株)ジーシー製 商品名:アクロンMC)を通法通り重合し、10×10×0.2mmの試料片を作成した。なお、被験面は、ガラス圧接面とした。抗菌性試験に用いる細菌としては、カンジダ・アルビカンス(C.albicans)の菌株GDH18を用い、サブロー培地で18時間前培養後、超純水(MQ水)で1×10個/mLに菌液を調整した。
(オゾン水処理)
試料片をオゾンだっしゅ除菌名人(オゾントータルシステム株式会社製)により生成した0.4〜0.6ppmのオゾン水約30mLに0、1、3、5、10分間浸漬した後、濾紙にて水を切り、各試料片をSi−QAC(3%(容量/容量))とPO(1%(容量/容量))との混合水溶液に浸漬した後、水洗し、抗菌性試験のための試験片とした。
(抗菌性試験)
各試験片表面に、1×10個/mLに調整した菌液を20μL(2000個)接種し、2時間放置し、菌の沈降を待った。その後、pH指示薬としてクロルフェノールレッドを含有するサブロー培地(フジ製薬社製 カンジダイエロー培地)を1mL添加し、37℃で培養を行った。菌が増殖している場合、培地のpHが6.0〜4.5〜3.0になるため、培地の色が赤色(6.0)からオレンジ色(約4.5)〜黄色(約3.0)に変化する。このような培地の色の変化を指標として、抗菌性の評価を行った。結果を図2〜5に示す。図中、「未」は前処理及びSi−QAC溶液による処理をしなかった未処理サンプルを示す。
図2は、培養開始から12時間後の結果を示す。図2中、未処理サンプルでは、培地が黄色になり、1×10個/mL以上に菌が増殖しているのに対してオゾン水で0、1、3、5、10分間処理した後に、Si−QACとPOとの混合溶液で処理した試験片では、全く菌の発育を認めなかった。ただし、1分間処理のサンプルについてはオレンジ色を呈しており、1×10個/mLのオーダーに菌が増殖している。
図3及び4は、培養開始から18〜36時間後の結果を示す。図3及び4より、0、1、3分間処理したサンプルでは、36時間後に培地が黄色になり、1×10個/mL以上に菌が増殖していることが示され、初期に接種した2000個のうち、約50−100個が生存していたものと考えられる。これに対して、オゾン水で5、10分間処理後にSi−QAC溶液による処理をした試料片では、18時間後では全く菌の発育を認めなかったが、5分間処理したものについては36時間後にオレンジ色を呈しており、数個程度の菌が残存していたものと考えられる。
図5は、培養開始から48時間後の結果を示し、図6は培養開始から1週間後の結果を示す。図5より、培養開始から48時間以降、各サンプルの状態はほぼ同じであるが、図6に示されるように、オゾン水で10分間処理した場合には、1週間後でも菌の発育を全く認めず、接種した菌のすべてが殺滅されたと考えられる。
参考例1
参考例では、オゾン水処理を行い、陽イオン界面活性剤または両イオン界面活性剤を含む抗菌剤組成物を用いることによって、物品の抗菌性能およびその持続性においてどのような影響があるのかを調査した。
(材料)
抗菌剤を固定化する物品として、血球計算盤用カバーグラスを試験片として用いた。抗菌性試験に用いる細菌としては、カンジダ・アルビカンス(C.albicans)の菌株GDH18を用い、サブロー培地で18時間前培養後、超純水(MQ水)で1×10個/mLに菌液を調整した。
(オゾン水処理)
試料片を超純水およびオゾンだっしゅ除菌名人(オゾントータルシステム株式会社製)により生成した0.4〜0.6ppmのオゾン水約30mLに1分間浸漬した後、濾紙にて水を切り、各試料片を、▲1▼:オクタデシルジメチル(3−トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド(EtAC)(3%(容量/容量))とLAO(1%(容量/容量))との混合水溶液、▲2▼:EtAC(3%(容量/容量))とラウリルジメチルアミンオキサイド(Aromox)(1%(容量/容量))との混合水溶液、▲3▼:EtAC(3%(容量/容量))とヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド(HD)(1%(容量/容量))との混合水溶液、▲4▼:EtAC(3%(容量/容量))とセチルピリジニウムクロライド(CPC)(1%(容量/容量))との混合水溶液、▲5▼:EtAC(3%(容量/容量))の70%エタノール溶液、▲6▼:EtAC(3%(容量/容量))の水溶液に各々5分間浸漬した後、取り出してすぐに水洗して余剰の抗菌化組成物を除去し、抗菌性試験のための試験片とした。
なお、コントロールとして、超純水に浸漬した後に▲5▼:EtAC(3%(容量/容量))の70%エタノール溶液に5分間浸漬したものと、超純水に浸漬したのみのものの2種を用意した。
各試験片表面に、1×10個/mLに調製した菌液を50μL(約5000個)接種し、室温にて2時間放置し、菌の沈降を待った。その後、pH指示薬としてクロルフェノールレッドを含有するサブロー培地(フジ製薬社製 カンジダイエロー培地)を5mL添加し、37℃で継続して培養を行った。菌が増殖している場合、培地のpHが6.0〜4.5〜3.0になるため、培地の色が赤色(6.0)からオレンジ色(約4.5、増殖菌:1×10個/mL以上)〜黄色(約3.0、増殖菌:1×10個/mL以上)に変化する。このような培地の色の変化を指標として、抗菌性の評価を行った。
培養開始から24時間後では、すべての条件において培地は赤色を呈し、いずれの溶液を用いた抗菌剤固定化処理によっても、接種後24時間は菌の発育抑制が充分可能であると考えられる。なお、抗菌剤固定化処理を行わなかったコントロール(超純水に浸漬したのみのもの)では、若干ながらオレンジ色に変化した。
培養開始から33時間後の結果を図7に示す。図7(および後述する図8)中における各溶液およびコントロールの表記は表1に示すとおりである。
参考例1は、EtACによる処理時間が室温で5分と非常に短時間であったため、オゾン水処理を施さなかったコントロールでは、抗菌性がほとんど認められなかったと考えられる。
予めオゾン水処理(1分)を施したサンプルでは、▲1▼:EtAC+LAO、▲3▼:EtAC+HD、▲4▼:EtAC+CPC、▲5▼:EtACの70%エタノール溶液による抗菌剤固定化処理により、ガラス表面で全く発育を認めず、非常に高い抗菌性が得られることが示唆された。これに対して、オゾン水処理を施しても▲6▼:Etacのみの場合や▲2▼:EtAC+Aromoxでは、抗菌作用効果がやや低く、33時間で菌が0.5×10/mL程度まで増加していた。
培養開始から培養45時間後の結果を図8に示す。図8中における各溶液およびコントロールの表記は図7と同様、表1に示すとおりである。図8より、MQ水浸漬後にEtak処理したもの(「cont」上)とMQ水浸漬のみのもの(「cont」下)では、黄色がさらに強くなっていることから、菌が1×10/mL以上に増加していると判断された。
予めオゾン水処理(1分)を施したサンプルでは、▲1▼:EtAC+LAO、▲3▼:EtAC+HD、▲4▼:EtAC+CPC、▲5▼:EtACの70%エタノール溶液による抗菌剤固定化処理により、ガラス表面で全く菌の発育が認められず、非常に高い抗菌性が得られていた。これに対して、オゾン水処理を施しても▲6▼:Etacのみの場合や▲2▼:EtAC+Aromoxでは、抗菌作用効果がやや低く、45時間で菌が1×10/mL程度まで増加していた。
なお、培養開始から78時間経過後の結果についても、図8に示す結果と同様の結果が得られた。

Claims (5)

  1. アクリル樹脂製である物品の表面に含酸素官能基を付与するオゾン水処理を施した後、さらに該物品に
    (a)一般式(1)
    (式中、R1は炭素原子数6以上の炭化水素基を示し、R2およびR3は同一または異なっていてもよい炭素原子数1ないし6の炭化水素基を示し、R4は二価の炭素原子数1ないし6の炭化水素基を示し、R5、R6およびR7は同一または異なっていてもよい炭素原子数1ないし6のアルキル基または炭素原子数1ないし6のアルコキシ基を示し、Xはハロゲンイオンまたは有機カルボニルオキシイオンを示す)で表されるケイ素含有化合物と非イオン界面活性剤(b2)を含む抗菌剤組成物を用いた処理を施抗菌剤固定化方法であって
    前記オゾン水処理が、オゾン水に浸漬する処理、オゾン水を噴霧する処理、またはオゾン水を塗布する処理であり、且つ前記オゾン水のオゾン濃度が0.4〜0.6ppmであり、そして、
    前記抗菌剤組成物中の前記ケイ素含有化合物(a)の含有量が0.01〜40容量%であり、前記非イオン界面活性剤(b2)の含有量が0.007〜20容量%である、抗菌剤固定化方法
  2. 前記一般式(1)で表されるケイ素含有化合物(a)のR1は炭素原子数10〜25のアルキル基を示し、R2およびR3は同一または異なっていてもよい炭素原子数1ないし6のアルキル基を示し、R4は炭素原子数1ないし6のアルキレン基を示し、R5、R6およびR7は同一または異なっていてもよい炭素原子数1ないし6のアルキル基またはアルコキシ基を示し、Xはハロゲンイオンまたは有機カルボキニルオキシイオンであることを特徴とする請求項に記載の抗菌剤固定化方法。
  3. 前記一般式(1)で表されるケイ素含有化合物(a)が、オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、オクタデシルジメチル(3−トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、オクタデシルジエチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、オクタデシルジメチル(2−トリメチルシリルエチル)アンモニウムクロライド、オクタデシルジプロピル(4−トリメトキシシリルブチル)アンモニウムアセテート、オクタデシルジメチル(3−トリイソプロポキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、オクタデシルジメチル(3−トリエチルシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、オクタデシルジメチル(3−トリイソプロピルシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、ヘプタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、ヘプタデシルジイソプロピル(2−トリエトキシシリルエチル)アンモニウムクロライド、ヘキサデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、ヘキサデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムアセテートおよびペンタサデシルジメチル(3−トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドからなる群から選ばれた少なくとも1種のケイ素含有化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の抗菌剤固定化方法。
  4. 前記非イオン界面活性剤(b2)が、ポリオキシエチレン単位および/またはポリオキシプロピレン単位を含有するポリオキシアルキレングリコールのアルキルエーテルまたは脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセライド、脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、脂肪酸アミド、アルキルエーテル、アルキルアミンオキシド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル及びポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルからなる群から選ばれた少なくとも1種の非イオン系界面活性剤であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の抗菌剤固定化方法。
  5. 前記非イオン界面活性剤(b2)は、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートであることを特徴とする請求項に記載の抗菌剤固定化方法。
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