JP2000290405A - 高分子材料の表面処理方法 - Google Patents

高分子材料の表面処理方法

Info

Publication number
JP2000290405A
JP2000290405A JP11101214A JP10121499A JP2000290405A JP 2000290405 A JP2000290405 A JP 2000290405A JP 11101214 A JP11101214 A JP 11101214A JP 10121499 A JP10121499 A JP 10121499A JP 2000290405 A JP2000290405 A JP 2000290405A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
ozone
polymer material
surface treatment
ozone water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP11101214A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Kanbayashiyama
章 上林山
Yoshiyuki Nishimura
喜之 西村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SHINKO PLANT KENSETSU KK
Original Assignee
SHINKO PLANT KENSETSU KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SHINKO PLANT KENSETSU KK filed Critical SHINKO PLANT KENSETSU KK
Priority to JP11101214A priority Critical patent/JP2000290405A/ja
Publication of JP2000290405A publication Critical patent/JP2000290405A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストで高効率のオゾン水による高分子材
料の表面改質処理方法を提供する。 【解決手段】 高分子材料の表面に、電解オゾン水又は
オゾン水とアルカリ水との混合水を接触させて前記高分
子材料の表面を改質するもので、特に、水の電解法によ
り生成したオゾン水とアルカリ水とを用いるものを最適
の形態とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高分子材料の表面
処理方法に関するもので、特に、高分子材料表面の親水
性,接着性,塗装性,印刷性等を改善するための表面処
理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、高分子材料は、化学構造的に極
性が低く、結晶性が高いので、その表面に印刷,メッ
キ,染色,塗装等の表面加工を行う場合には、何らかの
表面改質処理を行う必要があった。
【0003】係る高分子材料の表面処理方法として、従
来は、トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素による
表面処理法が行われていたが、環境問題からその使用が
禁止されたため、代替法として、特開平3ー19574
5号公報,特開平3−103448号公報及び特開平1
0ー101820号公報に見られる様に、高分子材料の
表面にオゾンガスを接触させ、オゾンの酸化力によって
該高分子材料の表面を改質する方法が提案されている。
又、特開平8−215618号公報に見られる様に、高
分子材料にオゾン水を噴射して該高分子材料表面を酸化
させて改質する方法が提案されている。
【0004】これらオゾンを用いる方法は、いずれもオ
ゾンの強い酸化能力を利用するもので、オゾン処理によ
って高分子材料表面で酸化反応が生じ、水酸基,カルボ
ニル基,アミノ基等の親水性を有する官能基を生成させ
ると共に、表面にミクロの粗面を形成させるものであ
る。この親水性基の生成と表面の粗面化により、高分子
材料表面の印刷性,メッキ性,染色性,塗装性等を改善
するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】係る従来の方法におい
て、先ず、オゾンガスを用いる方法においては、例えば
特開平10ー101820号公報に開示された方法は、
1万ppmもの高濃度のオゾンガスを用いるものであ
り、係る高濃度オゾンガスが大気中に漏出すると極めて
危険であるので、高分子材料の表面処理装置は密閉され
た特別な処理容器が必要となる。又、表面反応は、気−
固反応となるので反応速度も遅く(特開平10ー101
820号公報の実施例によると1万ppmのオゾンガス
で120分の反応時間が用いられている)、大量処理に
は不適であり、実用性に乏しいという問題があった。
【0006】又、オゾン水を用いる方法においては、使
用するオゾン水は、オゾン発生装置で発生させたオゾン
ガスを水中に曝気して溶解させ、これによってオゾン水
を製造する「オゾン曝気法」によって生成されたオゾン
水を用いるものであるが、この方法では、高濃度オゾン
水の製造が困難な事から、数ppm程度のオゾン水が用
いられている。係る低濃度オゾン水では高分子材料との
反応速度が遅く、高分子材料の表面に必要な表面性状を
与えるには長時間接触させる必要があり、装置の大型化
が避けられず、これが実用化を阻む一因となっていた。
【0007】一方、オゾン水を製造する「オゾン曝気
法」においては、高濃度オゾンガスを水中に曝気する関
係上、該高濃度オゾンガスの大気への漏出を防止するた
めの密閉された特別なオゾン溶解容器が必要となる。
【0008】又、上記オゾン発生機及びオゾン曝気槽等
のオゾン水製造装置は、高分子材料の表面改質装置の近
傍に設置される必要があるので、前述の大型化が要求さ
れる表面処理装置に加えて、オゾンガス漏出防止のため
の高度に密閉されたオゾン水製造装置も必要になり、従
って、設備コストが高くなり、安価な高分子材料の表面
処理に適用するには、経済的に不可能であるのが実情で
ある。
【0009】そこで、簡便な手段で低コストの高分子材
料用オゾン処理装置が要求されており、本発明は、この
要求に応えるものであって、オゾン水中に反応性の高い
活性化オゾンが存在する環境下で高分子材料の表面改質
反応を行わせる事により、短時間で表面処理の可能な表
面処理方法を提供する事を第一の目的とし、更に、設備
の小型化と簡素化が可能な安価な表面処理方法を提供す
る事を第二の目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、係る観点の元
になされたものであって、基本的には2つの方法があ
る。先ず、第一の方法は、前記高分子材料の表面処理材
として、水の電解法により陽極側に生成した、水のクラ
スタが電解前の原水よりも小さくなっている小クラスタ
オゾン水を用いる方法であり、好ましくはクラスタ数8
0以下のオゾン水を用いる方法である。
【0011】第二の方法は、前記高分子材料の表面処理
材として、オゾン水とアルカリ水との混合水を用いる方
法であり、アルカリの存在によってオゾン水中のオゾン
の分解を促進させて活性化オゾンを生成させ、これによ
って速やかに高分子材料表面における酸化反応を生じさ
せる様にしたものである。尚、オゾン水とアルカリ水と
の混合は前記高分子材料の表面と接触させる直前に行う
のが好ましい。
【0012】この第二の方法で用いるオゾン水として
は、水の電解法により陽極側に生成した高濃度のオゾン
水が好ましい。又、前記アルカリ水としては、水の電解
法により陰極側に生成した水素イオン富化水を使用する
のが好ましい。この様なシステムでは、オゾン水とアル
カリ水とが、水の電解法によって両極に生成した生成物
を用いる事ができるので、格別な原料を必要としない利
点がある。
【0013】前記アルカリ水のpHとしては、前記電解
法によって容易に得る事ができるpH9〜11のものが
好ましく、又、その前記オゾン水への混合量は、前記オ
ゾン水に対して重量比で1/1〜1/50の割合で混合
させるのが好ましい。
【0014】又、本発明が対象とする高分子材料として
は、ポリオレフィン樹脂,ポリビニル樹脂,ポリビニリ
デン樹脂,フェノール樹脂,ポリアラミド樹脂の群から
選ばれた1種以上が典型的な樹脂として挙げられる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。先ず、本発明の第一の方法である小クラスタオゾ
ン水について説明する。「クラスタ」とは水分子の集団
度合いを意味し、解明されていない点も多々あるが、通
常の水は、温度,圧力によっても異なるが数百程度の値
を有している。ところが、水の電解法により得られたオ
ゾン水では、そのクラスタが小さくなっており、一般に
はクラスタが80以下になる事が判明した。このクラス
タの小さな水にオゾンが溶解する場合には、オゾンと水
クラスタとの衝突頻度が高くなり、この結果、マクロ的
にはオゾンの溶解度の向上が期待され、ミクロ的にはオ
ゾン水中のオゾンの均一分布が期待される。現実に、前
記「オゾン曝気法」によるオゾン水の製造方法に比し
て、高濃度オゾン水を得る事は極めて容易である。従っ
て、前記「オゾン曝気法」により製造したオゾン水に比
して、反応性の高いオゾン水が得られる事が期待され
る。
【0016】次に、本発明の第二の方法は、オゾン水と
アルカリ水との混合水を高分子材料の表面処理液として
使用するものである。オゾン水は、アルカリ存在下では
分解が進行し易い特性を有しているので、従来のオゾン
水には、安定化剤として塩酸や硫酸等の酸性物質が添加
され、そのpHを7以下の酸性領域に維持するのが普通
であった。しかしながら、「安定なオゾン水」という事
は、「オゾンの分解反応が生じ難いオゾン水」である事
を意味しており、これは、高分子材料の表面反応が生じ
難い事をも意味している。そこで、本発明の第二の方法
では、オゾン水に積極的にアルカリ水を添加混合させて
オゾン水中のオゾンの分解を促進させて活性化オゾンを
生成させる事により、高分子材料の表面反応を促進する
方式を採用している。
【0017】
【実施例】以下に、本発明方法の効果を、次の実施例に
よって説明する。 〔実施例1〕比較的表面処理の困難なポリイミド樹脂の
平板を、次の3種類のオゾン水の流水中に浸漬してその
表面性状の経時的な変化を調査した。 (試験1)蒸留水にオゾンガスを溶解して得られたオゾ
ン濃度約20ppmのオゾン水を用いたもの。 (試験2)後述する水電解法によって得られたオゾン濃
度20ppmのオゾン水のみの流水を用いたもの。 (試験3)上記オゾン水の流水の上流部に、後述する水
電解法によって得られたpH10の水素イオン富化水
を、オゾン水に対して1/10の流量で添加混合させた
混合水を用いたもの。
【0018】得られたポリイミド板の表面粗さを測定
し、これらを比較した結果、所定の格レベルの表面粗さ
に達するまでに要する時間は、試験1の方法では試験2
の方法に対して約1.2〜1.5倍の流水時間が必要で
あり、又、試験2の方法では試験3の方法に比して約
2.5〜3.5倍の流水時間が必要であった。即ち、各
試験における所要反応時間の比は、試験1:試験2:試
験3≒4:3:1である事が確認された。
【0019】この試験結果から、電解オゾン水を用いる
試験2の方法は、オゾン曝気法により得られたオゾン水
を用いる試験1の方法に比して、高い反応速度性が得ら
れているのは、試験2の電解オゾン水の方が試験1の曝
気オゾン水に比べて水のクラスタが小さいため、オゾン
が水中にミクロ的な均一分布を示すと共に、高分子材料
の反応基とオゾンとの衝突頻度が高くなっているためと
推測される。又、電解オゾン水とアルカリ水との混合水
を用いる試験3の方法では、電解オゾン水を用いる試験
2の方法に比して、約3倍に反応速度を示しているの
は、アルカリの存在によりオゾンが分解して活性化した
状態のオゾンが多量に生成し、これが速やかな反応を実
現しているものと推測される。
【0020】〔実施例2〕又、長尺のポリイミド樹脂の
平板をオゾン水の流水中に浸漬し、これにアルカリ水を
添加した点(添加点)からの距離と、反応速度との関係
についても調査したところ、添加点よりも若干下流側の
部分での反応が促進されている事が分かった。この事か
ら、アルカリ水は、高分子材料に接触させる直前に混合
させるのが最も効果的である事が判明した。
【0021】以上の実施例から、次の事が理解される。 (1)水の電解により得られた電解オゾン水を用いる場
合には、従来のオゾン曝気法により製造されたオゾン水
を用いる方法に比べて、高分子材料の所定の表面処理に
要する時間は、数10%程度短縮する事が可能となる。 (2)オゾン水とアルカリ水との混合水を用いる場合に
は、オゾン水を単独で用いる場合に比して、数倍の反応
速度で高分子材料の表面処理を行う事が可能となる。 (3)オゾン水とアルカリ水との混合水を用いる場合に
は、高分子材料と接触させる直前に混合するのが好まし
い。
【0022】次に、上記実施例で使用したオゾン水とア
ルカリ水の製造について説明する。水電解法によるオゾ
ン水の製造方法は特開平8−134677号等に示され
ている様に、既に一般的に知られている方法であり、そ
の装置の代表的構造は、図1の要部縦断面図に示してい
る通り、耐オゾン性のフッ素系イオン交換膜等の固形電
解質膜1の一方の面に、オゾン発生触媒機能を有する貴
金属製の金網からなる陽極電極2を該電解質膜に重ね合
わせる様にして配置し、他方の面には、同様に陰極電極
3を該電解質膜に重ね合わせる様にして配置すると共
に、両電極の外側面には、夫々ステンレス鋼等の耐蝕性
を有する金属製のラス網4,5が、全長に亘って配置さ
れており、両電極間に直流電圧を印加できる様に、各電
極は直流電源(図示せず)に接続されている。又、各電
極2,3とラス網4,5とを内包する様に、外側に陽極
側ジャケット6と陰極側ジャケット7が夫々配置され、
各ジャケットには、陽極側水流入口8,陰極側水流入口
9及びオゾン水流出口10,アルカリ水流出口11が夫
々形成されている。
【0023】係る装置において、両電極間に直流電圧を
印加すると共に、各水流入口8,9から原料水を供給し
つつ電解を行うと、陽極2側には水の電解により生成し
たOHイオン(OH- )が集まり、このOHイオンは陽
極のオゾン発生触媒の作用によってオゾンとなると共に
直ちに水中に溶解してオゾン水が生成する。このオゾン
水は、オゾン水流出口10からオゾン水タンク(図示せ
ず)に送出される。ここで、陽極電極2の外面近傍に
は、千鳥状に金網が互いに接合されているラス網4によ
って複雑に入り組んだ流路が形成されているので、陽極
電極外面には多数の小さな渦流が生じ、この結果、電極
面で発生したオゾンは、渦流に巻き込まれて速やかに水
中に溶解する事になるので、オゾンガスとして水流と共
に流出するオゾン量は減少し、即ち、溶解オゾン量が増
加して、30ppm程度の高濃度オゾン水が生成される
事が確認されている。
【0024】同様に、水の電界により生成した水素イオ
ン(H+ )は、陰極電極3側の電極面に集まって水素ガ
スとなって水中から放出されるが、陰極側には水中に微
量に含まれているナトリウムイオン(Na+ )やカルシ
ウムイオン(Ca++)等のアルカリ金属イオンやアルカ
リ土類金属イオンも集まって濃縮されて陰極側の水をア
ルカリ水となし、前述の水素ガスと共にアルカリ水流出
口11からアルカリ水タンク(図示せず)に送出される
事になる。この様に、陰極側には、水素ガスと共に水中
に微量に含有されているアルカリ金属イオンやアルカリ
土類金属イオン(主としてNa+ )も濃縮される結果、
陰極側の水はpH9〜11或いはそれ以上のアルカリ水
が生成される事が確認されている。
【0025】本発明においては、上記した水電解法によ
って生成した高濃度オゾン水とアルカリ水とを用いる方
式が最も好ましい実施形態であり、この場合には、オゾ
ン水製造装置でアルカリ水も同時に製造でき、しかも、
両者を混合して高分子材料の表面処理操作を行った後の
水は、アルカリの作用によってオゾンが分解しているの
で、通常の水に戻っているから、そのまま排水しても何
らの問題は生じない。
【0026】尚、本発明で使用するオゾン水とアルカリ
水との混合比は、オゾン水に対する重量比、即ち流量比
で、1/1〜1/50程度でよい。アルカリ水の量がオ
ゾン水の量より多くなると、オゾンの分解速度が早くな
って、高分子材料との有効な反応時間(接触時間)が得
られ難くなると共に、オゾン濃度が低下して反応速度が
遅くなる問題が生じる。従って、アルカリ水の添加混合
量は、最大でもオゾン水の量と同程度に抑える必要があ
る。一方、アルカリ水の添加量がオゾン水に対して1/
50以下、即ち5%程度以下となると、オゾン水との混
合時のオゾン分解反応にバラツキが生じ易く、高分子材
料との表面反応に寄与することなく水中から放出される
オゾン量が多くなって高分子材料の改質効率が低下する
おそれが生じると共に、アルカリ水のpHとして高い値
の強アルカリ水が必要になり、取扱いにも注意が必要と
なる。従って、オゾン水とアルカリ水の比としては、オ
ゾン水1に対してアルカリ水を1〜1/50とするのが
好ましい。
【0027】尚、アルカリ水のpHとしては、9〜11
程度が好ましく、pH9以下では、オゾンの分解速度が
遅く、充分な効果が期待し難い。又、pH11以上で
は、オゾンの分解速度が早くなり、充分な高分子材料と
の接触時間(反応時間)が得難くなるおそれが生じる。
【0028】又、本発明により表面処理される高分子材
料としては、上記したポリイミド樹脂のみならす、あら
ゆる高分子材料の表面処理に適用可能であるが、特に、
ポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィン樹
脂、ポリ塩化ビニル,ポリスチレン,ポリ塩化ビニリデ
ン等のビニル又はビニリデン樹脂、フェノール系樹脂、
ポリアラミド系樹脂等は、化学構造的に極性が低く、結
晶性が高いため、その表面へのメッキ,接着,塗装,印
刷,染色等が困難であるので、これらの樹脂に対して
は、特に有効である。
【0029】本発明は、上記した実施態様に限定される
ものではなく、特許請求の範囲に記載した技術思想に基
づいて種々の態様が存在する事はいうまでもない。例え
ば、本発明の適用環境応じて、オゾン水の選択やアルカ
リ水の選択は可能である。即ち、高分子材料の表面処理
装置の近傍に安価なアルカリ水が存在する場合には、上
記した水電解法によって生成したアルカリ水に代わっ
て、そのアルカリ水を使用する事も可能である。この場
合には、上記電解装置の陰極側のラス網を省略して設備
コストの低減を図ると共に、陰極水中への水素の溶解度
の増加は行わず、水素ガスとして回収して、水素を他の
用途に使用する事も可能である。又、既に他の目的で製
造している大量のオゾン水が存在する場合には、新たに
電解法によるオゾン水製造設備の設置を行う事なく、そ
のオゾン水を使用すると共に、適宜のアルカリ水を調整
して、これと併用する事も可能である事はいうまでもな
い。
【0030】又、前記オゾン水とアルカリ水とを混合し
た状態で高分子材料と接触させるに当り、その混合は、
高分子材料との接触直前が好ましく、混合した状態で保
存するとオゾンの分解が進行するので好ましくない。こ
の意味から、オゾン水とアルカリ水との混合中に高分子
材料を浸漬して表面処理を行う場合には、該混合水を表
面処理容器の一方から他方に向けて常時流水させ乍ら表
面処理を行う様になすと共に、両者の混合は、該表面処
理容器への供給直前に配管中で混合させるか、該表面処
理容器内に別々の配管から供給する場合には、該容器入
口部近傍に邪魔板を配置する等、容器入口部近傍で混合
が生じ易い構造となすのが好ましい。
【0031】又、オゾン水とアルカリ水とを高分子材料
の表面に噴射し乍ら表面処理を行う事も可能であり、こ
の場合も、混合水として噴射する場合と両者を別々の配
管から噴射する場合とがあり、前者の場合には、噴射直
前に混合するのが好ましく、後者の場合には、高分子材
料の同一表面に両者を同時に噴射するのが好ましい態様
といえる。
【0032】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明の高分子材料
の表面処理方法によると、従来のオゾンガス或いは「オ
ゾン曝気法」により製造されたオゾン水を用いる処理方
法に比して、以下の如き顕著な効果が期待される。
【0033】先ず、電解オゾン水を用いる事により、小
さなクラスタの水にオゾンが溶解する事によって、オゾ
ン水中のオゾン分布がミクロ的に均一となる結果、溶在
オゾンと高分子材料の反応基との衝突頻度が高まり、従
来のオゾン曝気法によるオゾン水に比べて高い反応速度
を得る事が可能となる。これにより、従来に比して、装
置の小型化と処理費用の低減を図る事が可能となる。
【0034】次に、オゾン水とアルカリ水との混合水を
用いる方法においては、オゾン水中のオゾンの分解を促
進しつつ高分子材料の表面処理を行う様にしているの
で、活性化したオゾンが高分子材料の表面に高濃度に存
在する事になり、高分子材料の表面改質のための反応速
度が速くなって、短時間で表面改質を行う事が可能とな
る。この結果、表面処理装置も小型化され、設備コスト
の低減が可能となる。
【0035】又、オゾン水及びアルカリ水として、水電
解法によって生成したオゾン水及びアルカリ水を用いる
場合には、これらの製造装置として水電解装置のみがあ
れば良いので、設備も極めて簡素化され、設備コストの
低減が可能となる。この点を従来のオゾン曝気法による
オゾン水の製造設備を用いる方法と比較すると、オゾン
曝気法では、高濃度オゾンガスが大気中の漏出するのを
防止するための特別な密閉容器が必要となり、又、高濃
度オゾンガスを発生するためのオゾン発生機や発生オゾ
ンを貯蔵するためのオゾン槽等の特殊な装置が必要とな
るが、水電解法によるオゾン水製造装置を用いる場合に
は、これらの問題が全て解決される事になり、この点
は、極めて重要な効果である。
【0036】又、水電解法により生成したオゾン水とア
ルカリ水とを用いる場合には、これらを混合した混合水
で高分子材料の表面処理をした後の排水は、単なる水で
あって、各種金属塩や有機物を含んでいないので、その
まま排水しても何らの問題はないばかりか、再度、その
水を電解用に使用する事も可能である。この点を、オゾ
ン水の安定化のために、塩酸や硫酸等の酸類を添加する
従来のオゾン水を用いる方法と比べると、従来法の排水
には、係る酸類が存在するので、そのまま排水として放
出することはできないから、何らかのアルカリ物質を添
加して中和する必要があった。この事は、安定剤として
の酸類と中和剤としてのアルカリ成分の両方を必要とな
し、運転コストの増加は不可避であったが、前者の本発
明方法では、水を原料とし、排水も水のみであるから、
この問題も解消される事になり、操業面からは極めて大
きな利点と言える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用するオゾン水とアルカリ水の製造
設備である水電解装置の要部縦断面図である。
【符号の説明】
1 固体電解質膜 2 陽極電極 3 陰極電極 10 オゾン水流出口 11 アルカリ水流出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C25B 1/30 C25B 1/00 Z // C08L 23:00 27:02 61:04 77:10 Fターム(参考) 4F073 AA01 BA06 BA13 BA14 BA15 BA21 BA30 BA31 BB02 DA07 EA11 EA41 4K021 AA01 AB15 BA02 DC15

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子材料の表面に、水の電解法により
    陽極側に生成した、水のクラスタが電解前の原水よりも
    小さくなっている小クラスタオゾン水を接触させ、該オ
    ゾン水中のオゾンの酸化作用によって前記高分子材料の
    表面を改質する事を特徴とする高分子材料の表面処理方
    法。
  2. 【請求項2】 前記小クラスタオゾン水の水のクラスタ
    が80以下である請求項1に記載の高分子材料の表面処
    理方法。
  3. 【請求項3】 高分子材料の表面に、オゾン水とアルカ
    リ水との混合水を接触させて、該オゾン水中のオゾンの
    酸化作用によって前記高分子材料の表面を改質する事を
    特徴とする高分子材料の表面処理方法。
  4. 【請求項4】 前記オゾン水とアルカリ水とを、前記高
    分子材料の表面と接触させる直前に混合させる請求項3
    に記載の高分子材料の表面処理方法。
  5. 【請求項5】 前記オゾン水が、水の電解法により陽極
    側に生成したオゾン水である請求項3又は4に記載の高
    分子材料の表面処理方法。
  6. 【請求項6】 前記アルカリ水が、水の電解法により陰
    極側に生成した水素イオン富化水である請求項3乃至5
    のいずれかに記載の高分子材料の表面処理方法。
  7. 【請求項7】 前記アルカリ水のpHが、9〜11のも
    のである請求項6に記載の高分子材料の表面処理方法。
  8. 【請求項8】 前記アルカリ水を、前記オゾン水に対し
    て重量比で1/1〜1/50の割合で混合させる請求項
    5乃至7のいずれかに記載の高分子材料の表面処理方
    法。
  9. 【請求項9】 前記高分子材料が、ポリオレフィン樹
    脂,ポリビニル樹脂,ポリビニリデン樹脂,フェノール
    樹脂,ポリアラミド樹脂の群から選ばれた1種以上であ
    る請求項1乃至8のいずれかに記載の高分子材料の表面
    処理方法。
JP11101214A 1999-04-08 1999-04-08 高分子材料の表面処理方法 Withdrawn JP2000290405A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11101214A JP2000290405A (ja) 1999-04-08 1999-04-08 高分子材料の表面処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11101214A JP2000290405A (ja) 1999-04-08 1999-04-08 高分子材料の表面処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000290405A true JP2000290405A (ja) 2000-10-17

Family

ID=14294672

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11101214A Withdrawn JP2000290405A (ja) 1999-04-08 1999-04-08 高分子材料の表面処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000290405A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006305784A (ja) * 2005-04-26 2006-11-09 Hiroshima Univ プラスチック混合物から塩素含有プラスチックを分離する方法および装置
WO2007018012A1 (ja) * 2005-08-09 2007-02-15 Konica Minolta Opto, Inc. 光学フィルム、光学フィルムの処理方法及び光学フィルムの処理装置
WO2009057502A1 (ja) * 2007-11-01 2009-05-07 Iwatani Corporation リン酸カルシウム複合体の製造方法
EP2274985A1 (en) * 2008-05-09 2011-01-19 Hiroshima University Method of fixing antibacterial agent and article obtained by the method
US20120114832A1 (en) * 2009-04-30 2012-05-10 Sofsera Corporation Calcium phosphate complex, and method for production thereof
CN113289470A (zh) * 2020-02-24 2021-08-24 山东师范大学 一种利用臭氧进行烟气脱硝的方法
CN114645465A (zh) * 2020-12-17 2022-06-21 洛阳尖端技术研究院 聚脲弹性体复合材料及其制备方法

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4635198B2 (ja) * 2005-04-26 2011-02-16 国立大学法人広島大学 プラスチック混合物から塩素含有プラスチックを分離する方法および装置
JP2006305784A (ja) * 2005-04-26 2006-11-09 Hiroshima Univ プラスチック混合物から塩素含有プラスチックを分離する方法および装置
WO2007018012A1 (ja) * 2005-08-09 2007-02-15 Konica Minolta Opto, Inc. 光学フィルム、光学フィルムの処理方法及び光学フィルムの処理装置
JP5393473B2 (ja) * 2007-11-01 2014-01-22 岩谷産業株式会社 リン酸カルシウム複合体の製造方法
US20100247736A1 (en) * 2007-11-01 2010-09-30 Kunihiko Koike Method for producing calcium phosphate complex
US8580347B2 (en) 2007-11-01 2013-11-12 Iwatani Corporation Method for producing calcium phosphate complex
WO2009057502A1 (ja) * 2007-11-01 2009-05-07 Iwatani Corporation リン酸カルシウム複合体の製造方法
EP2274985A1 (en) * 2008-05-09 2011-01-19 Hiroshima University Method of fixing antibacterial agent and article obtained by the method
EP2274985A4 (en) * 2008-05-09 2013-08-28 Univ Hiroshima METHOD FOR FIXING ANTIBACTERIAL AGENT AND ARTICLE OBTAINED BY THE METHOD
US8859009B2 (en) 2008-05-09 2014-10-14 Hiroshima University Method of fixing antibacterial agent and article obtained by the method
US20120114832A1 (en) * 2009-04-30 2012-05-10 Sofsera Corporation Calcium phosphate complex, and method for production thereof
US9447502B2 (en) * 2009-04-30 2016-09-20 Iwatani Corporation Calcium phosphate complex, and method for production thereof
CN113289470A (zh) * 2020-02-24 2021-08-24 山东师范大学 一种利用臭氧进行烟气脱硝的方法
CN114645465A (zh) * 2020-12-17 2022-06-21 洛阳尖端技术研究院 聚脲弹性体复合材料及其制备方法
CN114645465B (zh) * 2020-12-17 2024-03-08 洛阳尖端技术研究院 聚脲弹性体复合材料及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8349192B2 (en) Method for collapsing microbubbles
US6767447B2 (en) Electrolytic cell for hydrogen peroxide production and process for producing hydrogen peroxide
CN1053166C (zh) 电解水制造装置
JP5411389B2 (ja) 燃焼排ガスからガス成分を除去する方法及びシステム
CN101020590B (zh) 一种自由基处理高难度有机废水的方法
CN105585180B (zh) 一种高效反渗透浓水处理方法
CN102863109B (zh) 一种氨氮废水的处理方法及其处理装置
CN103864183A (zh) 一种耦合分子氧活化的高效中性电芬顿氧化水处理方法
CN105084648A (zh) 一种难生物降解污水的处理方法
KR102139679B1 (ko) 복합 방식을 이용한 폐수의 암모니아 제거장치
JP4394942B2 (ja) 電解式オゾナイザ
JPH0290995A (ja) 電解オゾンを使用する水処理方法及び装置
CN108069491B (zh) 用于难降解废水的电催化氧化方法及反应装置
JP2000290405A (ja) 高分子材料の表面処理方法
CN204022601U (zh) Meo微电解高级氧化反应器
CN113735348A (zh) 一种有机废水的处理方法
CN113772789A (zh) 一种有机废水电化学处理及其二氧化碳还原的方法及装置
CN111620469A (zh) 一种用于异相催化臭氧高级氧化技术的膜-臭氧反应装置
CN104944657B (zh) 一种治理废水的声波电氧化工艺
CN212374965U (zh) 一种电催化氧化装置
CN109179596A (zh) 电镀废水的处理方法
CN201882991U (zh) 电镀含氰废水处理及氰化物在线回收装置
CN113479976A (zh) 一种集成化的废水处理装置及其应用
CN112028187A (zh) 一种电催化氧化装置及方法
CN103755099A (zh) 一种多维无极电氧化处理废水的方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20060704