JP4972743B2 - 洗浄剤組成物および洗浄方法 - Google Patents

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本発明は、洗浄性に優れ、抗菌性に優れ、抗菌持続性に優れた洗浄剤組成物に関する。
高齢化社会の到来により歯科材料、とくに義歯使用者が増大し義歯洗浄剤の使用量も増大しているが、様々な組成の義歯洗浄剤が使用されている。また、生活環境への衛生志向が向上し、食器、メガネ、流し、台所まわり、便器、トイレ周り、浴槽、浴室周り、洗面ボウル、洗面所周り、繊維製品または被服への衛生志向、抗菌志向が高まっている。
これらに使用されている抗菌性洗浄剤を成分系で分類すると、過酸化物、次亜塩素酸、酵素、酸、生薬、銀系無機抗菌剤又は消毒薬のいずれかを主要成分とし、あるいは二種以上を組み合わせた成分系に分類することができる。そして、同一の成分系に属する抗菌性洗浄剤においてもその具体的な組成は様々である。
このように様々な抗菌性洗浄剤が使用されているのは、抗菌性洗浄剤としては洗浄性能と殺菌性能の両者の機能が要求されるので、それぞれの作用を発揮する成分を組み合わせて洗浄剤が構成されることが多いためである。また、さらに高い洗浄性能または殺菌性能あるいは短時間の洗浄で使用ができるような抗菌性洗浄剤が要求されており、とくに義歯洗浄剤にはその要求が顕著である。
このような要求に対し、例えば、特許文献1に、ラウリル硫酸ナトリウムは優れた洗浄性能及び発泡作用を有するのであるが、従来の義歯洗浄剤はその組み合わせ成分のためラウリル硫酸ナトリウムの効力が減殺されているという問題に対し、ラウリル硫酸ナトリウムの機能を妨げることがなく、さらに殺菌性能を向上させることができるラウリル硫酸ナトリウムと銀、銅、亜鉛イオン等の抗菌性金属イオンを含有する義歯洗浄剤が開示されている。
特許文献2に、デンチャープラークの除去には酸性の義歯洗浄剤が好ましいが、義歯洗浄剤が酸性であると歯肉素材が変形や変色し、金属素材が黒変するおそれがあるために多くの洗浄剤が中性を呈するように調整され、義歯洗浄剤の洗浄性能が減殺されているという問題に対し、酸および過硫酸塩を含有する酸性速溶部と、過ホウ酸塩または過炭酸塩の少なくとも1種と炭酸塩を含有するアルカリ性徐溶部を有する粒状もしくは錠剤状の義歯洗浄剤であって、義歯洗浄水に配合されて該水の液性を低pHから高pHに変化させることのできる義歯洗浄剤が開示されている。
特許文献3には、オクタデシルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドなどの抗菌性物質を表面に固定化した抗菌性材料が開示され、義歯、インプラント、クラウン、ブリッジ、矯正用ブラケット、ワイヤーなどの歯科用途に使用できることも開示されているが、これらの抗菌剤成分を含有する洗浄剤組成物そのものは開示されていない。
WO99/56714 A1 号公報 特開2001-288062号公報 特開2004-209241号公報
このような洗浄剤の改良によって洗浄性能および殺菌性能が高められた洗浄剤が得られるようになった。しかしながら、従来の洗浄剤は、とくに義歯、インプラント、クラウン、ブリッジ、矯正用ブラケット、歯科用ワイヤーなどの歯科材料を洗浄してきれいにしても、これらの歯科材料、とくに義歯を口腔内に装着して使用する間に義歯表面に再度デンチャープラークが形成されることを阻止することができないという問題があった。さらに、歯科材料の洗浄性能、とくに義歯洗浄性能を向上させた洗浄剤が求められている。また、食器、メガネ、流し、台所まわり、便器、トイレ周り、浴槽、浴室周り、洗面ボウル、洗面所周り、繊維製品または被服への抗菌用洗浄剤についても同じような抗菌性能、洗浄性能およびその持続性についての性能が求められている。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑み、洗浄性能および殺菌性能がより高く、また洗浄された被洗浄物品の抗菌性能、洗浄性能およびその持続性を改善することを目的とし、インプラント、クラウン、ブリッジ、矯正用ブラケット、歯科用ワイヤーなどの歯科材料、とくに義歯においては、口腔内に装着している間に義歯表面にデンチャープラークが再形成されるのを阻止することが可能な抗菌性能と洗浄性能をも兼ね備える洗浄剤組成物を提供することを目的とする。また、とくに義歯使用者に特別の負担や不快感を与えることなく義歯に容易に抗菌性能を付与することができる義歯洗浄剤組成物を提供することをも目的としている。さらに、本発明は、食器、メガネ、流し、台所まわり、便器、トイレ周り、浴槽、浴室周り、洗面ボウル、洗面所周り、繊維製品または被服への洗浄剤についても同様に抗菌性能、洗浄性能およびその持続性への要求に応えることのできる洗浄剤組成物を提供することをも目的としている。
本発明の目的は、次の本発明の洗浄剤組成物を採用することにより解決することができることを臨床的に知り、本発明を完成するに至った。本発明は次のとおりである。
[1] (a)一般式(1)
(式中、R1は炭素原子数6以上の炭化水素基を示し、R2およびR3は同一または異なっていてもよい炭素原子数1ないし6の低級炭化水素基を示し、R4は炭素原子数1ないし6の二価の低級炭化水素基を示し、R5、R6およびR7は同一または異なっていてもよい炭素原子数1ないし6の低級アルキル基または低級アルコキシ基を示し、Xはハロゲンイオンまたは有機カルボキニルオキシイオンを示す。)で表されるケイ素含有化合物と、(b)陽イオン界面活性剤(ただし、上記ケイ素化合物を除く)(b1)および非イオン界面活性剤(b2)からなる群から選ばれた少なくとも1種の界面活性剤とを、含有し、
前記陽イオン界面活性剤(b1)は、N−ココイル−アルギニンエチルエステルピロリドンカルボン酸塩であり、
前記非イオン系界面活性剤(b2)は、ソルビタンラウリレートおよび/またはポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートであることを特徴とする洗浄剤組成物。
[2]上記一般式(1)で表されるケイ素含有化合物(a)のR1は炭素原子数10ないし25のアルキル基を示し、R2およびR3は同一または異なっていてもよい炭素原子数1ないし6の低級アルキル基を示し、R4は炭素原子数1ないし6の低級アルキレン基を示し、R5、R6およびR7は同一または異なっていてもよい炭素原子数1ないし6の低級アルキル基またはアルコキシ基を示し、Xはハロゲンイオンまたは有機カルボキニルオキシイオンであることを特徴とする[1]に記載の洗浄剤組成物。
[3]上記一般式(1)で表されるケイ素含有化合物(a)が、オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニムクロライド、オクタデシルジエチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、オクタデシルジメチル(2−トリメチルシリルエチル)アンモニウムクロライド、オクタデシルジプロピル(4−トリメトキシシリルブチル)アンモニムアセテート、オクタデシルジメチル(3−トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、オクタデシルジメチル(3−トリイソプロポキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、オクタデシルジメチル(3−トリエチルシリルプロピル)アンモニウムクロライド、オクタデシルジメチル(3−トリイソプロピルシリルプロピル)アンモニウムクロライド、ヘプタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、ヘプタデシルジイソプロピル(2−トリエトキシシリルエチル)アンモニウムクロライド、ヘキサデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニムクロライド、ヘキサデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニムアセテートおよびペンタデシルジメチル(3−トリエトキシシリルプロピル)アンモニムクロライドからなる群から選ばれた少なくとも1種のケイ素含有化合物であることを特徴とする[1]または[2]に記載の洗浄剤組成物。
] 上記一般式(1)で表されるケイ素含有化合物(a)が、オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドである[1]ないし[]のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
] ケイ素含有化合物(a)としてオクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドおよび陽イオン界面活性剤(b)としてN−ココイル−アルギニンエチルエステルピロリドンカルボン酸塩であることを特徴とする[1]ないし[]のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
] ケイ素含有化合物(a)としてオクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドおよび非イオン界面活性剤(b2)としてポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートであることを特徴とする[1]ないし[4]のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
] 上記ケイ素含有化合物(a)を0.01ないし60容量%含有する[1]ないし[]のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
] 上記ケイ素含有化合物(a)を0.1ないし10容量%含有する[1]ないし[]のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
] 上記ケイ素含有化合物(a)を0.01ないし40容量%および陽イオン界面活性剤(b1)または/および非イオン界面活性剤(b2)を0.007ないし20容量%で含有する[1]ないし[]のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
10] 上記ケイ素含有化合物(a)を0.1ないし10容量%および陽イオン界面活性剤(b1)および非イオン界面活性剤(b2)を0.05ないし10容量%で含有する[1]ないし[]のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
11] 被洗浄物品の表面を[1]ないし[10]に記載された洗浄液に浸漬または洗浄することを特徴とする洗浄方法。
次に、本発明の洗浄剤組成物を構成する各構成成分およびその配合組成について説明する。
(1)ケイ素含有化合物(a)
ケイ素含有化合物(a)は一般式(1)
(式中、R1は炭素原子数6以上の炭化水素基を示し、R2およびR3は同一または異なっていてもよい炭素原子数1ないし6の低級炭化水素基を示し、R4は炭素原子数1ないし6の二価の低級炭化水素基を示し、R5、R6およびR7は同一または異なっていてもよい炭素原子数1ないし6の低級アルキル基または低級アルコキシ基を示し、Xはハロゲンイオンまたは有機カルボニルオキシイオン(有機カルボン酸イオン)を示す。)で表されるケイ素含有化合物である。
さらに、一般式(1)で表されるケイ素含有化合物(a)のうちで、好ましい態様は、上記一般式(1)のR1は炭素原子数10ないし25のアルキル基を示し、R2およびR3は同一または異なっていてもよい炭素原子数1ないし6の低級アルキル基を示し、R4は炭素原子数1ないし6の低級アルキレン基を示し、R5、R6およびR7は同一または異なっていてもよい炭素原子数1ないし6の低級アルキル基または低級アルコキシ基を示し、Xはハロゲンイオンまたは有機カルボニルオキシイオン(有機カルボン酸イオン)であるケイ素含有化合物である。
R1の炭素原子数6以上の炭化水素基としては、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ウンエイコシル基、ドエイコシル基、トリエイコシル基、テトラエイコシル基、ペンタエイコシル基などが例示できる。
R2およびR3の同一または異なっていてもよい低級炭化水素基としては、たとえば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、へキシル基、シクロヘクシル基、フェニル基、トリル基などを例示することができる。
R4の低級アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基などを例示できる。
R5、R6およびR7は同一または異なっていてもよい低級アルキル基または低級アルコキシ基であり、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、へキシルオキシ基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、へキシル基などを例示できる。
Xとしては塩素イオン、臭素イオンなどのハロゲンイオン、メチルカルボニルオキシイオン(アセテートイオン)、エチルカルボニルオキシイオン(プロピオネートイオン)、フェニルカルボニルオキシイオン(ベンゾエートイオン)などの有機カルボニルオキシイオン(有機カルボン酸イオン)を例示することができる。
ケイ素含有化合物(a)として具体的には、次の化合物を例示することができる。
オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニムクロライド、
オクタデシルジエチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、
オクタデシルジメチル(2−トリメチルシリルエチル)アンモニウムクロライド、
オクタデシルジプロピル(4−トリメトキシシリルブチル)アンモニムアセテート、
オクタデシルジメチル(3−トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、
オクタデシルジメチル(3−トリイソプロポキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、
オクタデシルジメチル(3−トリエチルシリルプロピル)アンモニウムクロライド、
オクタデシルジメチル(3−トリイソプロピルシリルプロピル)アンモニウムクロライド、
ヘプタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、
ヘプタデシルジイソプロピル(2−トリエトキシシリルエチル)アンモニウムクロライド、
ヘキサデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニムクロライド、
ヘキサデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニムアセテート、
ペンタデシルジメチル(3−トリエトキシシリルプロピル)アンモニムクロライド。
(2)陽イオン界面活性剤(b1)
陽イオン界面活性剤(b1)は、N−ココイル−アルギニンエチルエステルピロリドンカルボン酸塩(12)である。
(3)非イオン界面活性剤(b2)
非イオン界面活性剤(b2)は、ソルビタンラウリレートおよび/またはポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートである。
(4)溶媒
本発明の洗浄剤組成物の溶媒としては、通常水溶液が採用されるが、上記ケイ素含有化合物(a)、陽イオン界面活性剤(b1)および/または非イオン界面活性剤(b2)が溶解する限り、水とメタノール、エタノール、プロパノール、アセトンなどの親水性溶媒との混合溶媒として使用することもできる。
(5)本発明の洗浄剤組成物の組成
本発明の洗浄剤組成物の有効成分としてケイ素含有化合物(a)を単独で含有して構成される場合には、洗浄剤組成物中のケイ素含有化合物(a)の含有量は通常0.01ないし60容量%、好ましくは0.1ないし10容量%である。洗浄作用、抗菌作用およびその持続性を発揮するにはこの範囲にあることが好ましい。
本発明の洗浄剤組成物が有効成分としてケイ素含有化合物(a)および陽イオン界面活性剤(ただし、上記ケイ素化合物を除く)および非イオン界面活性剤からなる群から選ばれた少なくとも1種の界面活性剤(b)を含有して構成される場合には、洗浄剤組成物中のケイ素含有化合物(a)の含有量は通常0.01ないし40容量%、好ましくは0.1ないし10容量%および該界面活性剤(b)の含有量は通常0.007ないし20容量%であり、好ましくは0.05ないし10容量%であり、洗浄作用、抗菌作用およびその持続性を発揮するにはこの範囲にあることが好ましい。
本発明に係る洗浄剤組成物は、従来の洗浄剤にくらべて洗浄性能、殺菌性能、抗菌性能およびその持続性に優れているので、インプラント、クラウン、ブリッジ、矯正用ブラケット、歯科用ワイヤーなどの歯科材料、とくに義歯洗浄剤としては、従来の義歯洗浄剤と同等以上の洗浄性能、殺菌性能を有するとともに、抗菌性能をも有するので、口腔内で使用中にも微生物の増殖によるデンチャープラークの形成を阻止することができ、デンチャープラークの形成に起因する義歯性口内炎,口角炎,舌炎,鵞口瘡,カリエス,歯周病,嚥下性肺炎,消化管感染等の防止に寄与することができる。そして、義歯使用者に不快感を与えるのを防止し健康の維持に寄与することができる。さらに、本発明の洗浄剤組成物は、食器,メガネ,流し、台所まわり、便器、トイレ周り、浴槽、浴室周り、洗面ボウル、洗面所周り、繊維製品また被服への洗浄作用、抗菌作用およびその持続性にも優れている。
本発明の洗浄剤組成物は前記ケイ素含有化合物(a)および前記界面活性剤の範囲で有効でありかつその用途も前記の広い範囲で有効である。本発明を実施するための最良の形態として、前記ケイ素含有化合物(a)の1例として、オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド(Dimethyloctadecyl[3−(trimethoxysilyl)propyl]ammonium chloride C26H58ClNO3Si)を選択し、用途の1例として義歯用洗浄剤として評価した結果を報告する。本発明はこの実施例のケイ素含有化合物(a)および界面活性剤(b)、そして義歯用洗浄剤の用途に限定されるものではないことは明瞭である。
本発明に係る洗浄剤組成物の1つの用途として、義歯洗浄剤の実施形態について説明するが、その用途が義歯洗浄剤に限定されるものではない。本発明の実施例に係る義歯洗浄剤は、オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド(Dimethyloctadecyl[3−(trimethoxysilyl)propyl]ammonium chloride C26H58ClNO3Si)を含有してなる。すなわち、本義歯洗浄剤は、通常は殺菌剤として使用されているオクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドを含有する。この義歯洗浄剤は、溶液、粉末または錠剤のいずれの形態であるかを問わない。その義歯洗浄剤を水に溶解させて義歯洗浄液として使用される水溶液中に所要のオクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドが含有されるようになっておればよい。
オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドは、義歯洗浄液中の濃度が容量パーセントで好適には0.1〜10容量%となるように使用される。これにより以下に説明するように十分な抗菌性能を付与することができる。
なお、オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドの溶解性を考慮すると、義歯洗浄剤が液またはペースト状の場合であれば特に問題はないが、義歯洗浄剤が錠剤状の場合は低濃度側、例えば、0.1〜1容量%が好ましい。
本発明の実施例の義歯洗浄剤は、オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドにさらに陽イオン系界面活性剤を含有してなるのがよい。これにより、洗浄性能および殺菌性能を向上させることができるとともに、義歯洗浄液に義歯を浸漬することによる変質(粘度の増大やゲル化等)を防止し、均質な抗菌性を付与することができるようになる。均質な抗菌性の付与という点からは、陽イオン系界面活性剤としてヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライドが好適である。
また、本発明の実施例の義歯洗浄剤は、オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドにさらに非イオン系界面活性剤を含有してなるのがよい。これにより、義歯洗浄液に義歯を浸漬することによる変質を防止することができる。非イオン系界面活性剤としては、短時間で均質な抗菌性を付与することができるという点でポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートが好適である。
このような本発明の実施例・比較例の義歯洗浄剤についてその性能を調べた。以下にその結果を説明する。図1は、本実施例の義歯洗浄剤の洗浄性能を示すグラフである。横軸は各義歯洗浄剤を溶解させた義歯洗浄液を示し、縦軸は各義歯洗浄液中に試料を浸漬し15分間の超音波洗浄を行ったときの残留バイオフィルムの量を示す。
〔図1〕について。
図1において、CTは試料を蒸留水中に浸漬させた場合でありコントロールの場合を示す(比較例)。HN1は試料をオクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドの5%(vol/vol)水溶液中に浸漬させた場合、HN2は試料をオクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド(5%(vol/vol))とN−ココイル−アルギニンエチルエステルピリドンカルボン酸塩(10%(wt/vol))との混合水溶液中に浸漬させた場合であり本発明の実施例の場合を示す。SD、ND、CS及びPDはそれぞれ市販の義歯洗浄剤を蒸留水に所定量溶解させた水溶液中に試料を浸漬した場合であり従来例の場合を示す(比較例)。また、棒グラフは、各試験数5回分のデータの平均値を示し、線分はバラツキの範囲を示す。
図1によると、本発明実施例のHN1(実施例1)およびHN2(実施例2)とも、従来例の場合より残留バイオフィルムの量が少なくなっている。特にHN2(実施例2)の残留バイオフィルム量は、従来例の場合の約1/3になっている。これは、発明例が従来例の場合より洗浄性能および殺菌性能が優れていることを示している。
なお、図1に示す試験は以下のように行った。先ず試料を以下のように作製した。ポリメタクリル酸メチル樹脂製の外径10mm、厚さ10mmの試験片をヒト血清処理し、その試験片表面上に1.0×107CFU/mlに調整したカンジダアルビカンスの菌液50μLを接種し、これを37℃で2時間保持してその試験片表面に菌を付着させた。その後2.0mLのサブロー培地を加え、試験片表面に付着させた菌を37℃で72時間培養し、人工バイオフィルムを形成させた。つぎに試験片表面の余剰な菌を水洗・除去して試料を作製した。
つぎに、所定量の義歯洗浄剤を蒸留水に溶解して200mlの義歯洗浄液を作製し、これに上記で作製した試料を浸漬し超音波洗浄を行った。超音波洗浄装置は、シチズン時計株式会社製SW7800型を用い、周波数40kHzで洗浄を行った。その後、試料表面に残留したバイオフィルムからATP量を抽出し、定量した。ATP量の抽出は、500μlの東亜電波工業株式会社製微生物用ATP抽出試薬AF−2K1に室温にて30分間浸漬して行った。ATP量の測定は、得られた抽出液をチューナーバイオシステム社製セルタイマーグローにセットして行った。なお、CFU/mlは、略称でColony Forming Unit(コロニーフォーミングユニット)と称される菌液1ml中のコロニー形成能がある菌数を示す。CFU/gはバイオフィルム1g当たりのコロニー形成能がある菌数を示す。
図2に、本発明の実施例の義歯洗浄剤の抗菌性能をグラフに示した。
〔図2〕について。
図2(a)は、最終濃度でオクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド3%(vol/vol)とヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド1%(wt/vol)の混合水溶液(HD水溶液)に試料を浸漬したときの浸漬時間と試料に付着したSi量(質量%)の関係を示すグラフである。図2(a)は、最終濃度でオクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド3%(vol/vol)とポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート1%(wt/vol)の混合水溶液(PO水溶液)に試料を浸漬したときの浸漬時間と試料に付着したSi量(質量%)の関係を示すグラフである。
図2において、縦軸はSi量、横軸は処理方法を示し、横軸の処理方法1は浸漬前の試料の場合(未処理)、処理方法2から4はそれぞれ浸漬時間が0.25h、8h、24hの場合を示す。なお、試料は、通常義歯の素材として用いられる歯科用アクリルレジン製の板(厚さ0.5mm)から、1cm×1cmの試験片を切り出して作製した。Si量の測定は、株式会社堀場製作所製MESA−500W型の蛍光X線分析装置にて行った。このSiは、オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドを構成する主要な原子であるから、Siが検出される場合は合成樹脂表面にオクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド膜が形成されているものと認められる。
図2(a)によると、試料をHD水溶液に浸漬した場合は、0.25h浸漬したときSiが検出されず、8hおよび24h浸漬したとき35から40%のSiが検出されることが分かる。一方、図2(b)によると、試料をPO水溶液に浸漬した場合は、0.25h、8hおよび24h浸漬したとき25から27%のSiが検出されることが分かる。また、検出されるSi量はHD水溶液に浸漬したときの場合が、PO水溶液に浸漬したときの場合より多いことが分かる。なお、歯科用アクリルレジンにはポリメタクリル酸メチル樹脂に肌色発色剤が含有されており、Si以外にTiやCaが検出され、上記におけるSi量はこれらの合計質量中の質量%を示す。
これらの結果によると、HD水溶液による浸漬処理の場合は8h以上、PO水溶液による浸漬処理の場合は0.25h以上浸漬処理をすることにより歯科用アクリルレジンの表面にオクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド膜を形成させることができることが分かる。すなわち、本発明に係る義歯洗浄剤を用いて一晩の義歯洗浄を行うことにより、義歯にデシルジメチルアンモニウムクロライド膜を形成させることができることが分かる。また、PO水溶液成分からなる義歯洗浄液を用いれば浸漬時間が0.25h程度でデシルジメチルアンモニウムクロライド膜を形成させることができることも分かる。そして、このデシルジメチルアンモニウムクロライド膜により義歯に抗菌性を付与することができることが分かる。
以上説明したように、本発明の実施例に係る義歯洗浄剤は、義歯洗浄剤として要求される洗浄性能、殺菌性能は従来品以上の性能を有し、さらに、本義歯洗浄剤を用いて洗浄することにより義歯に抗菌性能を付与することができる。また、義歯に抗菌性を付与することができるデシルジメチルアンモニウムクロライド膜又は義歯をデシルジメチルアンモニウムクロライド水溶液で洗浄処理することは、以下に示すように安全衛生上の問題を引き起こすおそれが少ない。
〔図3〕について。
図3は、オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドが人体に対して安全か否かを調べた毒性試験の結果を示す。毒性試験は以下の亜急性毒性試験により行った。すなわち、日本チャールズリバー株式会社より購入したCharles River CD−1マウス(雄6匹、雌6匹、共に生後5週齡)を、オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド投与群(雄3匹、雌3匹)と、オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドを投与しないコントロール群(雄3匹、雌3匹)とに分け、2〜3日おきに体重測定を行った。オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドの投与は、3匹のマウス/1ケージ当たり1μlのオクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドの原液/200ml水となるよう添加したものを飲料水として毎日与え、一週間に一度、新鮮なものと交換した。なお、オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドの原液はモル濃度で70%のメタノール溶液を使用した。
図3において、横軸は経過日数を示し、縦軸はマウスの体重を示す。パラメータは、cont♂が雄のコントロール群、cont♀が雌のコントロール群、QAS♂が雄のオクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド投与群、QAS♀が雌のオクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド投与群である。
図3によると、いずれのマウスも体重変化はほとんどない。また、雄および雌についてオクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド投与群とコントロール群とも体重変化の状態に差異はないことが分かる。すなわち、本発明に係る義歯洗浄剤は、義歯洗浄剤として用いても十分な安全性を有することが分かる。
次に、本発明の実施例の洗浄剤組成物の着色抑制効果、低濃度域における効果、陶器(ガラス、セラミック)の抗菌化性能についての試験結果を報告する。
本発明の洗浄剤組成物のFRPおよび樹脂の着色抑制効果についての説明(1)
オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド[
Octadecyldimethyl(3−trimethoxysilylpropyl) ammonium chloride (以下Si−QAC)]に陽性界面活性剤または非イオン系界面活性剤を添加した、試作洗剤に浸漬した場合、樹脂の着色を防ぐことができるかどうかについての検討を行った。
陽性界面活性剤としてはヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド(以下HD)、非イオン系界面活性剤としてはポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(以下PO)を用いた。
人工歯にはフィラーが含まれておりFRPと類似の組成を有する。このガラス質フィラーがSi−QACと反応し、人工歯表面に皮膜を形成することが期待できる。上記洗剤成分に人工歯を浸漬することでその表面に皮膜形成をさせ、人工歯の着色防止が可能かどうかについての検討を行った。
方法1.洗剤成分
1. Control; コントロール (蒸留水)(比較例)
2. 3%Si−QAC溶液+1%界面活性剤(HD)(実施例)
3. 3%Si−QAC溶液+1%界面活性剤(PO)(実施例)
各溶液に、白色のガラスフィラー含有樹脂(FRP樹脂)を24時間浸漬後、実験に供した。事前に、色調をシェードアイ(松風)にて測定した(L0)。ついでサントリー製缶コーヒー(商品名:Boss Black)に各溶液に浸漬・水洗した人工歯を1週間および2週間浸漬し、色測定(L1wおよびL2w)を行ないその差(色差ΔL=L0−L1wまたはL0−L2w)を求めた。
その結果を図4のグラフに示した。縦軸は前後の色変化の差を色差ΔLで示しており、この値が大きいほど着色が起こっていることを示す。Si−QACにPOを添加した場合、最も高い色素沈着抑制効果が認められ、Si−QACにHDを添加した場合にも有意な抑制がみられた。
〔図4〕について。
本発明の洗浄剤組成物の低濃度領域における効果の説明(2)
洗浄剤としてオクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド(以下Si−QAC)と陽性界面活性剤のヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド(以下HD)を用いる場合の、最低必要濃度の決定のため、口腔分離株であるCandida albicans GDH 18を用いて、最小発育濃度MICおよび最小殺滅濃度MFCの決定を行なった。
溶液はSi−QAC3%、HD1%の溶液を作製し、蒸留水によって2倍ずつの段階希釈を行なった。各溶液に、107/mLに調整したC. albicansのサブロー培地中の菌液を等量接種することで、Si−QACおよびHDの最終濃度が下表のようになるように調整した。
その後、培養ウェルを37℃で48時間培養し、MICを求めた。
また、MFCは発育阻止のみられたウェル中の液をサブロー寒天培地に20μL接種し、さらに48時間培養を行ない、コロニーの出現の有無で判定した。その結果を図5に示した。
〔図5〕について。
図5の結果によれば、 MICはSiQAC0.0232375%、HD0.0078125%であり、MFCはSiQAC0.09375%、HD0.03125%であった。この結果より洗浄剤としてSi−QACとHDの混合液を用いると、それぞれSi−QAC0.1%とHD0.03%以上で存在する真菌を殺滅することが可能であり、Si−QAC0.01%とHD0.008%以上で真菌の発育阻止を行なえることが明らかとなった。
本発明の洗浄剤組成物の陶器(ガラス、セラミック)の抗菌化効果についての説明(3)
これまでの検討結果から、抗菌性を与えるという点では陽性界面活性剤が優れ、防汚効果の点では非イオン系界面活性剤が優れたことから、Octadecyldimethyl (3−trimethoxysilylpropyl) ammonium chloride (以下Si−QAC)に陽性界面活性剤および非イオン系界面活性剤を添加した洗剤を用いて検討を行った。
陽性界面活性剤としてはヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド(以下HD)、非イオン系界面活性剤としてはポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(以下PO)を用いた。
組成は、3%Si−QAC溶液+0.5%界面活性剤(HD)+0.5%界面活性剤(PO)とその10倍希釈洗浄液を用いた。
陶器の容器を通常の家庭用洗剤による洗浄と同様に、10秒間洗った後、直ちに水洗を行なった。コントロールは、蒸留水による水洗のみである。
この容器中に、Candida albicans GDH18 (1x108 cfu/ml)を2.0mL添加し、1時間放置後、水洗にて菌液を除去した。直ちにサブロー液体培地2.0mLを添加し、37℃にて24時間培養し、残存していた生菌の培養を行ない、試料表面への付着菌と上清中の菌とに分けてアデノシン3リン酸(ATP)量を測定し、残存する生菌数を求めた。その結果を図6に示した。
〔図6〕について。
図6は、陶器表面へのカンジダ菌の残存付着量をCFU(colony forming unit)に換算したものである。
この結果、試作洗剤で洗った容器では有意に残存付着菌数が低下し、また、10倍希釈のものでも十分な効果が得られた。その結果を図7に示した。
〔図7〕について。
さらに、陶器容器中の残存総菌数を定量した結果であるが、この結果,試作洗剤で洗った容器では培養され増加する菌数が有意に低下し、また、10倍希釈のものでも非常に高い抗菌効果が得られた。
本発明の実施例および比較例に係る義歯洗浄剤と従来品の洗浄剤の洗浄性能、殺菌性能を比較したグラフである。 本発明の実施例に係る義歯洗浄剤を用いて洗浄処理をした試料表面の蛍光X線分析によりSi量を示すグラフである。 オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドに対する毒性試験の結果を示すグラフである。 オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドを含有する本発明の洗浄剤組成物が樹脂(人口歯)に対する着色防止効果が高いことを示す試験結果のグラフである。 オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドを含有する本発明の洗浄剤組成物が極めて低濃度域でも抗菌効果が高いことを示す試験結果の表である。 および オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドを含有する本発明の洗浄剤組成物が極めて低濃度域でも陶器(ガラス,セラミック)に対して抗菌効果が高いことを示す試験結果のグラフである。

Claims (11)

  1. (a)一般式(1)
    (式中、R1は炭素原子数6以上の炭化水素基を示し、R2およびR3は同一または異なっていてもよい炭素原子数1ないし6の低級炭化水素基を示し、R4は炭素原子数1ないし6の二価の低級炭化水素基を示し、R5、R6およびR7は同一または異なっていてもよい炭素原子数1ないし6の低級アルキル基または低級アルコキシ基を示し、Xはハロゲンイオンまたは有機カルボキニルオキシイオンを示す。)で表されるケイ素含有化合物と、(b)陽イオン界面活性剤(ただし、上記ケイ素化合物を除く)(b1)および非イオン界面活性剤(b2)からなる群から選ばれた少なくとも1種の界面活性剤とを、含有し、
    前記陽イオン界面活性剤(b1)は、N−ココイル−アルギニンエチルエステルピロリドンカルボン酸塩であり、
    前記非イオン系界面活性剤(b2)は、ソルビタンラウリレートおよび/またはポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートであることを特徴とする洗浄剤組成物。
  2. 上記一般式(1)で表されるケイ素含有化合物(a)のR1は炭素原子数10〜25のアルキル基を示し、R2およびR3は同一または異なっていてもよい炭素原子数1ないし6の低級アルキル基を示し、R4は炭素原子数1ないし6の低級アルキレン基を示し、R5、R6およびR7は同一または異なっていてもよい炭素原子数1ないし6の低級アルキル基またはアルコキシ基を示し、Xはハロゲンイオンまたは有機カルボキニルオキシイオンであることを特徴とする請求項1に記載の洗浄剤組成物。
  3. 上記一般式(1)で表されるケイ素含有化合物(a)が、オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニムクロライド、オクタデシルジエチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、オクタデシルジメチル(2−トリメチルシリルエチル)アンモニウムクロライド、オクタデシルジプロピル(4−トリメトキシシリルブチル)アンモニムアセテート、オクタデシルジメチル(3−トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、オクタデシルジメチル(3−トリイソプロポキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、オクタデシルジメチル(3−トリエチルシリルプロピル)アンモニウムクロライド、オクタデシルジメチル(3−トリイソプロピルシリルプロピル)アンモニウムクロライド、ヘプタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、ヘプタデシルジイソプロピル(2−トリエトキシシリルエチル)アンモニウムクロライド、ヘキサデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニムクロライド、ヘキサデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニムアセテートおよびペンタデシルジメチル(3−トリエトキシシリルプロピル)アンモニムクロライドからなる群から選ばれた少なくとも1種のケイ素含有化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の洗浄剤組成物。
  4. 上記一般式(1)で表されるケイ素含有化合物(a)が、オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドである請求項1ないし3のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
  5. ケイ素含有化合物(a)としてオクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドおよび陽イオン界面活性剤(b)としてN−ココイル−アルギニンエチルエステルピロリドンカルボン酸塩であることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の洗浄剤組成物。
  6. ケイ素含有化合物(a)としてオクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドおよび非イオン界面活性剤(b2)としてポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
  7. 上記ケイ素含有化合物(a)を0.01ないし60容量%含有する請求項1ないしのいずれかに記載の洗浄剤組成物。
  8. 上記ケイ素含有化合物(a)を0.1%ないし10容量%含有する請求項1ないしのいずれかに記載の洗浄剤組成物。
  9. 上記ケイ素含有化合物(a)を0.01ないし40容量%および陽イオン界面活性剤(b1)および/または非イオン界面活性剤(b2)を0.007ないし20容量%で含有する請求項1ないしのいずれかに記載の洗浄剤組成物。
  10. 上記ケイ素含有化合物(a)を0.1ないし10容量%および陽イオン界面活性剤(b1)および非イオン界面活性剤(b2)を0.05ないし10容量%で含有する請求項1ないしのいずれかに記載の洗浄剤組成物。
  11. 被洗浄物品の表面を請求項1ないし10に記載された洗浄剤組成物に浸漬,洗浄または洗浄剤組成物により清拭することを特徴とする洗浄方法。
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