JP3558907B2 - 硬表面防汚抗菌洗浄剤組成物 - Google Patents
硬表面防汚抗菌洗浄剤組成物 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬表面に付着するライムスケール、ケイ酸スケールなど水道水に起因する汚れ、糞便、尿など排泄物に起因する汚れ、皮脂等人体の代謝物に起因する汚れ及び黒スス等排気ガス由来の汚れを防止すると共に、抗菌作用を発揮せしめることにより微生物による汚染を防いで硬表面状態を常に清潔に保つことができる硬表面防汚抗菌洗浄剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、我々の身のまわりの住宅機器は、その表面状態及びその使用場面に応じて様々な汚れが付着する。例えば、トイレ空間における水洗便器などの陶器表面は、親水性であるため、水道水に由来する汚れが付きやすくなっている。
【0003】
具体的には、陶器製の水洗便器の水溜まり部の界面や、水洗便器、手洗い器及び洗面所の水洗水が流入する部分に黒色又は茶褐色の汚れが付着する。
これらの汚れは、水道水中に含まれるケイ酸が乾燥、付着を繰り返しケイ酸スケールとして形成されるものであり、水道水中のカーボンが混じった場合には黒色に、また、水道水中の鉄分が混入した場合には茶褐色になり、夫々目立った汚れとなっている。
【0004】
更に、便座、特に電気機器である温水洗浄便座或いは床材などに用いられる樹脂類の表面は一般的に疎水性であるため、空気中に浮遊するススなどの疎水的な汚れを呼び込み樹脂類の表面に付き、樹脂表面が黒くくすんだ状態となる。
これらの汚れは、長い時間をかけて形成されるため、一旦付着すると強酸、強アルカリ、漂白剤などの化学物質を用いても除去することは困難であり、除去できたとしても多大な労力がかかったり、除去の際に傷など披洗物に損傷を与えてしまう危険性が高いものとなる。
また、トイレ、浴室、キッチンなどにおいては、糞便・尿など人体排泄物由来の汚れ、或いは石鹸カス、皮脂、食べ物の付着や、細菌・カビなどの微生物の繁殖を促し、不快臭の発生などにより不衛生な状態となり、好ましい住環境ではないと考えられる。
【0005】
一方、近年女性の社会進出の増加、高齢化、清潔意識の向上などにより消費者の掃除に対する意識変化が起こり、掃除の簡便化、掃除時間の短縮化を含めた易洗浄化が望まれ、それを達成するために汚れが付きにくくなる防汚の技術の開発が望まれている。
それと同時に近年、微生物による食中毒などによる被害の拡大から住環境における微生物の繁殖を抑制できる抗菌、除菌も望まれている。
よって、住居用洗浄剤を考えた場合、ひとつの洗浄剤で種々の使用場面において防汚と抗菌を同時に達成できる洗浄剤の開発が望まれている。
【0006】
他方、従来の技術において、例えば、防汚に関しては、特開昭61−157591号公報においては、陶器表面のケイ酸スケールを抑制する技術が知られており、また、抗菌に関しては、特開平7−53995号公報において、カチオン系殺菌剤と金属キレート剤の組み合わせによりそれぞれ個別の機能を発現した組成物に関するものが知られている。
しかしながら、種々の住宅機器の材質に対応できる防汚と抗菌を同時に達成できる商品及び技術は未だ無いのが現状であり、防汚と抗菌を同時に達成できる硬表面洗浄剤組成物が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の課題及び現状等に鑑み、これを解消しようとするものであり、カチオン界面活性剤とカチオン系殺菌剤の存在下において両成分の有効性を十二分に発揮させるべく、更に特定の親水性のシリコーングラフト共重合体を共存させることにより各種の硬質表面において防汚性及び抗菌性の活性を低下させることなく、しかも、硬質表面に光沢や艶を付与することのできる硬表面防汚抗菌洗浄剤組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定のカチオン界面活性剤、カチオン系殺菌剤並びに特定の親水性のシリコーングラフト共重合体を組み合わせれば、カチオン界面活性剤の防汚性、並びにカチオン系殺菌剤の抗菌性を維持したまま、しかも、洗浄の際に硬質表面に光沢、艶を付与することのできる硬表面防汚抗菌洗浄剤組成物が得られることを見い出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明の硬表面防汚抗菌洗浄剤組成物は、
(A)下記一般式(I)で表されるモノ高級アルキル第四級アンモニウム型カチオン性界面活性剤と、
【化5】
(B)カチオン系殺菌剤と、
(C)下記構造式(III)で表されるモノマー(a)と、下記構造式(IV)で表されるモノマー(b)と、下記構造式(V)で表されるモノマー(c)と、カルボン酸基含有水溶性ビニルモノマー(d)とからなり、上記モノマー(a)の合計含有量が0.1〜50重量%、上記モノマー(b)の含有量が0.1〜50重量%、上記モノマー(c)の含有量が51〜90重量%及び上記モノマー(d)の含有量が10〜49重量%であり、上記モノマー(a)とモノマー(b)との重量比[a]/[b]が0.05〜20及び上記モノマー(b)とモノマー(c)の重量比[b]/[c]が0.01〜0.5である水溶性又は水分散性共重合体からなる親水性のシリコーングラフト共重合体と、
を含有することを特徴とする。
【化6】
【化7】
【化8】
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明の硬表面防汚抗菌洗浄剤組成物は、(A)下記一般式(I)で表されるモノ高級アルキル第四級アンモニウム型カチオン性界面活性剤と、
【化9】
(B)カチオン系殺菌剤と、
(C)下記構造式(III)で表されるモノマー(a)と、下記構造式(IV)で表されるモノマー(b)と、下記構造式(V)で表されるモノマー(c)と、カルボン酸基含有水溶性ビニルモノマー(d)とからなり、上記モノマー(a)の合計含有量が0.1〜50重量%、上記モノマー(b)の含有量が0.1〜50重量%、上記モノマー(c)の含有量が51〜90重量%及び上記モノマー(d)の含有量が10〜49重量%であり、上記モノマー(a)とモノマー(b)との重量比[a]/[b]が0.05〜20及び上記モノマー(b)とモノマー(c)の重量比[b]/[c]が0.01〜0.5である水溶性又は水分散性共重合体からなる親水性のシリコーングラフト共重合体と、
を含有することを特徴とするものである。
【化10】
【化11】
【化12】
【0010】
本発明で用いる(A)成分の上記一般式(I)で表されるモノ高級アルキル第四級アンモニウム型カチオン性界面活性剤(以下、単に「カチオン性界面活性剤」という)としては、具体的には、オクチルトリメチルアンモニウムクロリド、デシルトリメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ミリスチルトリメチルアンモニウムクロリド、パルミチルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド及びこれらに相当するブロミド、ヨージドを挙げられる。
このほか、R2、R3がメチル基で、R4がヒドロキシエチル基又はベンジル基のもの、例えば、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、パルミチルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロリド、X−がアルキル硫酸残基のもの、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート、ステアリルトリメチルアンモニウムエチルサルフェートなどを用いることができる。
また、必要に応じて、以上のカチオン性界面活性剤を1種又は2種以上のものを混合して用いることもできる。例えば、牛脂トリメチルアンモニウムクロリド、椰子トリメチルアンモニウムクロリドなどを用いることもできる。
【0011】
上記(A)成分のカチオン性界面活性剤の配合量としては、組成物全量に対して、0.001〜20重量%、好ましくは0.01〜10重量%とするのが望ましい。
配合量が0.001重量%未満であると、抗菌、除菌性能が低下となり、また、20重量%を越えると、防汚性能が低下となり、好ましくない。
【0012】
本発明に用いる(B)成分のカチオン系殺菌剤としては、例えば、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化セタルコニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ドデシルピリジニウム、3−メトキシシリルプロピルジメチルオクタデシルアンモニウムクロリド、アイオネン(ポリ〔ポリメチレン(ジメチルイミニオ)クロライド〕)、ポリオキシアルキレンアンモニウム(ポリ〔オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレン(ジメチルイミニオ)エチレンジクロライド〕、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、オクタデシルアミン酢酸塩、クロルヘキシジン、グルコン酸クロロヘキシジン、1,1’−(ヘキサメチレン ビス(5−(4−クロロフェニル)バイグアニド)ジグルコネイトなどが挙げられ、これらは1種又は2種以上のものを混合して用いることもできる。
カチオン系殺菌剤の配合量としては、組成物全量に対して、0.001〜20重量%、好ましくは0.01〜10重量%とするのが好ましい。
配合量が0.001重量%未満であると、抗菌、除菌性能が低下となり、また、20重量%を越えると、防汚性能が低下となり、好ましくない。
【0014】
本発明に用いる(C)成分は、下記構造式(III)で表されるモノマー(a)と、下記構造式(IV)で表されるモノマー(b)と、下記構造式(V)で表されるモノマー(c)と、カルボン酸基含有水溶性ビニルモノマー(d)とからなり、上記モノマー(a)の合計含有量が0.1〜50重量%、上記モノマー(b)の含有量が0.1〜50重量%、上記モノマー(c)の含有量が51〜90重量%及び上記モノマー(d)の含有量が10〜49重量%であり、上記モノマー(a)とモノマー(b)との重量比[a]/[b]が0.05〜20及び上記モノマー(b)とモノマー(c)の重量比[b]/[c]が0.01〜0.5である水溶性又は水分散性共重合体からなる親水性のシリコーングラフト共重合体であり、これらのシリコーングラフト共重合体は単独で又は2種以上混合して用いることができる。これらのシリコーングラフト共重合体は、表面改質剤となるものである。
【0015】
【化5】
【0016】
【化6】
【0017】
【化7】
【0018】
上記シリコーングラフト共重合体は、前記モノマー(a)〜(d)を含有するシリコーン系共重合体からなるものである。
前記モノマー(a)は、上記構造式(III)で表される1種又は平均分子量が異なる2種以上のシリコーン系モノマーである。
上記構造式(III)において、R6は、エーテル基を含有していてもよい炭素数1〜6、好ましくは、1〜4の2価脂肪族基を示す。この場合、脂肪族基に含まれていてもよいエーテル基(−O−)は、1つ又は複数であることができる。このような2価脂肪族基には、鎖状又は環状のアルキレン基が包含され、その具体例としては、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ヘキシレンの他、−CH2OCH2−、−C3H6O−C3H4、−CH2OCH2OCH2−等が挙げられ、jは0〜500、好ましくは20〜300の数である。
【0019】
R7は、炭素数2〜30、好ましくは2〜18の脂肪族基、芳香族基、ヒドロキシル基又は炭素数1〜22、好ましくは1〜18の含フッ素アルキル基を示す。
前記脂肪族基は、鎖状又は環状のアルキル基であることができる。
前記芳香族基には、アリール基及びアリールアルキル基が包含される。アリール基には、ベンゼンやトルエン等の単環芳香族化合物から誘導される基の他、ナフタレン等の縮合多環芳香族化合物から誘導される基及びビフェニルやビフェニルアルカン等の鎖状多環芳香族化合物から誘導される基が包含される。
前記アルキル基の具体例としては、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、ドデシル、オクタデシル、ノナデシル、シクロヘキシル等が挙げられる。
前記芳香族基の具体例としては、フェニル、トリル、ナフチル、ベンジル等が挙げられる。
前記含フッ素アルキル基の具体例としては、前記各種アルキル基において、その水素原子の1つ又は複数をフッ素原子で置換したものが挙げられる。特に好ましい含フッ素アルキル基としては、パーフルオロメチル、パーフルオロエチル、パーフルオロブチル、パーフルオロドデシル、パーフルオロオクタデシル等のパーフルオロアルキル基を挙げることができる。
【0020】
前記モノマー(b)は、上記構造式(IV)で表されるアクリレート系モノマーである。
前記構造式(IV)において、そのR12の具体例としては、前記R6に関して示したものが挙げられる。R13は炭素数1〜11、好ましくは1〜3の2価脂肪族基である。そのR13の具体例としては、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ヘキシレン、オクチレン等が挙げられる。
Mはsp値(溶解度パラメータ)が8.2〜10.4(cal/cm3)1/2、好ましくは8.2〜9.0(cal/cm3)1/2のラジカル重合性モノマーである。このようなモノマーとしては、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル等であり、特にスチレン、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル等が挙げられる。ラジカル重合性モノマーのSP値(溶解度パラメーター)とは、溶解性を議論するための半経験的に用いられる相互作用パラメーターである〔詳しくは、例えば「溶剤ポケットハンドブック」有機合成協会編p.11〜p.41(1967)オーム社、「高分子データハンドブック」基礎編(p.591〜p.593高分子学会編(1986)培風館〕。
Mの重合度を示すqは、10〜100、好ましくは10〜60である。
【0021】
前記モノマー(c)は、上記構造式(V)で表されるオキシアルキレン系モノマーである。
前記構造式(V)において、そのR15の炭化水素基の具体例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチルが挙げられる。gの数は4〜50、好ましくは4〜30の数である。
【0022】
前記モノマー(d)は、カルボン酸基を含有する水溶性ビニルモノマーである。その具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等が挙げられる。特に好ましいものは、アクリル酸及び/又はメタクリル酸である。
【0023】
本発明で用いる表面改質剤となる前記シリコーングラフト共重合体は、前記モノマー(a)〜(d)を必須成分として含有するものであるが、必要に応じ、更に他のモノマー(e)を含有することができる。
このモノマー(e)としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、ビニルピロリドン、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜18のアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、スチレン等が挙げられる。
なお、前記(メタ)アクリルアミドは、アクリルアミド及び/又はメタクリルアミドを意味し、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を意味する。
【0024】
本発明において表面改質剤として用いる前記共重合体において、その1種又は平均分子量が異なる2種以上のシリコーン系モノマー(a)の合計含有量は0.1〜50重量%、好ましくは、1〜30重量%である。
また、上記モノマー(a)の比率が0.1重量%未満では、親水性表面を疎水性表面に変える効果が乏しく、50重量%を越えると、共重合体が界面活性剤水溶液に溶けない場合がある。
上記モノマー(b)の含有量は、0.1〜50重量%、好ましくは、1〜30重量%である。0.1重量%未満では、表面特性を変える効果が乏しく、50重量%を越えると界面活性剤水溶液に溶けない場合がある。
上記モノマー(c)の含有量は、51〜90重量%、好ましくは、51〜70重量%である。51重量%未満では、疎水性表面を親水性表面に変える効果が乏しく、90重量%を越えると、親水性表面を疎水性表面に変える効果が乏しい場合がある。
上記モノマー(d)のカルボン酸基を有する水溶性のビニルモノマーの含有量は、10〜49重量%、好ましくは、30〜49重量%である。10重量%未満では、界面活性剤に溶けない場合があり、49重量%を越えると、洗浄対象である硬表面の表面特性を変える効果が十分に得られない場合がある。
【0025】
そして、本発明の場合、上記モノマー(b)に対するモノマー(a)、及び上記モノマー(c)の比率も重要であり、上記モノマー(a)と、上記モノマー(b)の重量比(〔a〕/〔b〕は、0.05〜20、好ましくは、0.1〜10、特に、好ましくは、1〜10である。
また、上記モノマー(b)とモノマー(c)の重量比〔b〕/〔c〕は、0.01〜0.5、好ましくは、0.02〜0.3、特に好ましくは、0.03〜0.3である。
これらの比率が前記夫々の範囲を外れた場合は、十分に硬表面の特性を変化させる能力に乏しいこととなる。
【0026】
本発明で用いる上記共重合体の分子量は、特に限定されないが、通常、重量平均で5000〜100万、好ましくは、1万〜50万の範囲のものが望ましい。また、本発明で用いる上記共重合体において、そのモノマー(d)に含まれるカルボン酸基は、通常その一部又は全部が中和された塩の形である。この中和には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物や、アンモニア、アルカノールアミン、アルキルアルカノールアミン等のアミン類を用いることができる。
【0027】
また、本発明において、シリコーングラフト共重合体としては、オルガノシロキサンポリマーを含有する第1の側鎖と、水溶性及び/又はアルコール可溶性ポリマーを含有する第2の側鎖とを含有する重合平均分子量が1万〜500万の範囲の親水性共重合体からなり、該共重合体中に、オルガノシロキサンポリマー含有率が0.1〜90重量%及び水溶性及び/又はアルコール可溶性ポリマーの含有率0.01〜90重量%の範囲にあることを特徴とするシリコングラフト共重合体を好適に用いることができる。
より具体的には、特開平7−243173号公報、特開平7−69828号公報、特開平8−183826号公報、特開平10−176019号公報に記載されている重合方法により製造されたシリコーングラフト共重合体を用いることができる。
具体的には、オルガノポリシロキサン鎖を有するビニル系モノマー(1)のうち1種或いは2種以上、及び/又はアルコール可溶性ポリマー鎖を有するビニル系モノマー(2)のうち1種又は2種以上、及び親水性ビニル系モノマー1種又は2種以上(親水性ビニル系モノマーとして非イオン性ビニル系モノマー(3)及び/又は塩形成基を有するビニル系モノマー(4))を用いて製造されるシリコーングラフト共重合体を好適に用いることができる。
【0028】
好ましくは、上記ビニル系モノマー(1)〜(4)の内、モノマー(1)及びモノマー(3)及び/又はモノマー(4)を必須成分として構成される親水性シリコングラフト共重合体を用いることができる。
特に好ましくは、モノマー(1)が共重合体中、0.01〜30重量%、モノマー(2)が共重合体中、0.01〜20重量%、モノマー(3)が共重合体中、1〜80重量%、モノマー(4)が共重合体中、20〜99重量%からなるモノマー混合物をラジカル重合開始剤の存在下で有機溶媒中で溶液重合させて、得られた共重合体溶液に、必要に応じて添加された中和剤の存在下で、水を添加し、有機溶剤を留去することにより得られる親水性シリコーングラフト共重合体を用いることができる。
【0029】
これらの親水性シリコーンの配合量としては、組成物全量に対して、0.001〜30重量%、好ましくは,0.01〜10重量%とするのが望ましい。
配合量が0.001重量%未満であると、防汚性能が低下となり、また、30重量%を越えると、抗菌、除菌性能が低下となり、好ましくない。
【0030】
本発明の硬質表面防汚抗菌洗浄剤組成物は、上記(A)成分〜(C)成分を必須構成成分とし、残部は基本的には、水(精製水、イオン交換水等)及び/又は水溶性溶剤よりなるが、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で更にノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤、キレ−ト剤、pH調整剤等を配合することができる。
【0031】
本発明の硬質表面防汚抗菌洗浄剤組成物の使用可能なpHとしては、2から12、好ましくは、5から9、更に好ましくは、6から8の範囲である。
このpH範囲を超えると、該両親媒性グラフト共重合体中のエステル結合の加水分解が進行し、経時保存での安定性、性能の維持に問題が生じる。
【0032】
キレート剤として、例えば、クエン酸、リンゴ酸、グリコール酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、ニトリロトリ酢酸、トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、ホスホン酸、マレイン酸、ポリアクリル酸、イソアミレン・マレイン酸コポリマー、ケイ酸、グルコン酸、イミジノ酢酸及びこれらの塩から選ばれる1種または2種以上を選択して用いることができる。
【0033】
また、pH調整剤として脂肪族アミン、モルホリン、アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、苛性ソーダ、苛性カリ、ケイ酸ソーダ、炭酸ソーダなどのアルカリ性物質を配合することができる。更に、組成物の保存安定性を維持する目的でエタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの低級アルコール、p−トルエンスルホン酸ソーダなどの低級アルキルベンゼンスルホン酸塩、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチルカルビトール、グリセリン、ポリグリセリンなどのハイドロトロープ剤が配合可能である。
また、BHT(2,6−ジ第3ブチル−p−クレゾール)、BHA(ブチルヒドロキシアニソール)、α−トコフェロールなどの抗酸化剤、防腐剤、色素、香料、紫外線吸収剤、塩類、増粘剤、減粘剤等を本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
【0034】
本発明の硬表面防汚抗菌洗浄剤組成物は、通常の方法により、例えば、各成分を混合配合することにより製造することができ、水溶液状、固形状、水性分散液などの各種剤型とすることができる。
また、本発明の硬表面防汚抗菌洗浄剤組成物は、各種の固体表面に適用することができ、この適用により、その固体表面の特性を変化させることができる。この場合の固体表面としては、陶器、ガラス、石、コンクリート、金属、木材、紙、繊維、樹脂、毛髪、皮膚、爪等の表面を挙げることができる。更に具体的には、各種の住居用洗剤、例えば、お風呂用洗剤、トイレ用洗剤、洗面所用洗剤、台所用洗剤、床用洗剤、窓ガラス用洗剤、車用洗剤又は衣類用洗剤、洗顔剤などに好適に用いることができる。
【0035】
このように構成される本発明の硬表面防汚抗菌洗浄剤組成物は、上記(A)成分〜上記(C)成分の新規な組み合わせにより、上記一般式(I)で表されるカチオン界面活性剤の防汚性、並びに、カチオン系殺菌剤の抗菌性を維持したまま、かつ、洗浄の際に硬質表面に光沢、艶を付与することのできるものとなる(この点に関しては更に実施例などで詳述する)。
【0036】
【実施例】
次に、本発明を実施例及び比較例により具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0037】
〔実施例1〜10、比較例1〜4〕
親水性のシリコーングラフト共重合体として、下記モノマーa〜d成分及び下記表1の組成からなるものを使用した。
【0038】
【化8】
【0039】
【表1】
【0040】
上記表1等の組成となるシリコーングラフト共重合体を使用し、下記表2に記載の配合組成となる洗浄剤組成物について、下記評価法により防汚性(スケール形成抑制能、糞便付着抑制能及び帯電防止能)、抗菌性、つや・光沢について各々評価した。
これらの結果を下記表2に示す。
【0041】
(1)防汚性の評価法
▲1▼スケール形成抑制
清浄なタイル(10cm×10cm)に対し、試料〔洗浄剤組成物(原液)、以下同様〕0.4mlで洗浄処理し、更に水道水でかるくすすぎ、一定の水道水を入れた試験槽の中に立てかけた。次いで、室温下にて、20時間放置し、喫水面にてスケールが形成されるか否かについて目視により下記評価基準で評価した。
評価基準:
○:スケ−ルが全く付着しない。
△:部分的にスケ−ルが付着する。
×:喫水部全面にスケ−ルが付着する。
【0042】
▲2▼糞便付着抑制
実際に家庭で使われている便器で、日常的に使用された状態において便付着のしにくさを評価した。すなわち、10名のパネラーにより2週間の使用テストを行い、用便時の便付着について下記評価基準でテストを行った。
評価基準:
◎:便付着は全く起こらなかった。
○:使用前と比較して便付着が大幅に減少した。
△:使用前と比較して便付着はやや減少した。
×:使用前と便付着を変わらず起こった。
【0043】
▲3▼帯電防止能測定(比表面抵抗値測定)
帯電防止能は、10cm×10cmの軟質塩化ビニル板に試料0.4mlを塗布し、ティッシュペーパーで拭き取り乾燥後、25℃、湿度40%環境下に於ける比表面抵抗値を測定した。
各種樹脂板の比表面抵抗値を三菱油化(株)製Hiresta Model HT−210を用いて評価した。
評価基準は、以下のとおりである。なお、未処理の各種樹脂板の表面比抵抗値は1014Ω以上であった。
評価基準:
◎:比表面抵抗値が108Ω以下
○:比表面抵抗値が108〜1010Ω
△:比表面抵抗値が1011〜1013Ω
×:比表面抵抗値が1014Ω以上
【0044】
(2)抗菌性評価
大腸菌(Escherichia coli IF03301)及び黄色ブドウ球菌(Staphylococus aureus FDA209P)に対する抗菌性について評価した。すなわち、披験菌をSCDLP寒天培地(栄研化学(株)製)にて前培養した菌(約109個/ml)0.1mlを試料5.0mlに添加し、30秒後の試料液を適宜希釈しながら1/20普通ブイヨン培地に塗布し、30℃、24時間後の菌数を測定し、生菌数変化から殺菌率を算出した。
【0045】
(3)つや・光沢評価
10cm×10cmの陶器タイル(INAX製)に試料0.4mlを塗布、水洗後、処理前後の表面状態を観察した。10名のパネラーにより評価を行った。尚、評価基準は以下のとおりである。
評価基準:
○:つや光沢が大いに付与された。
△:つや光沢がやや付与された。
×:処理前とつや光沢に変化なし。
【0046】
【表2】
【0047】
上記表2の結果から明らかなように、本発明となる実施例1〜10は、本発明範囲外となる比較例1〜4に較べて、防汚性(スケール形成抑制能、糞便付着抑制能及び帯電防止能)に優れ、かつ、優れた抗菌性を有し、しかも、優れたつや・光沢を付与することができる洗浄剤組成物、すなわち、硬表面防汚抗菌洗浄剤組成物となることが判明した。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、硬表面に付着するライムスケール、ケイ酸スケールなど水道水に起因する汚れ、糞便、尿など排泄物に起因する汚れ、皮脂等人体の代謝物に起因する汚れ及び黒スス等排気ガス由来の汚れを防止すると共に、抗菌作用を発揮せしめることにより微生物による汚染を防いで硬表面状態を常に清潔に保つことができる硬表面防汚抗菌洗浄剤組成物が提供される。
Claims (1)
- (A)下記一般式(I)で表されるモノ高級アルキル第四級アンモニウム型カチオン性界面活性剤と、
(C)下記構造式(III)で表されるモノマー(a)と、下記構造式(IV)で表されるモノマー(b)と、下記構造式(V)で表されるモノマー(c)と、カルボン酸基含有水溶性ビニルモノマー(d)とからなり、上記モノマー(a)の合計含有量が0.1〜50重量%、上記モノマー(b)の含有量が0.1〜50重量%、上記モノマー(c)の含有量が51〜90重量%及び上記モノマー(d)の含有量が10〜49重量%であり、上記モノマー(a)とモノマー(b)との重量比[a]/[b]が0.05〜20及び上記モノマー(b)とモノマー(c)の重量比[b]/[c]が0.01〜0.5である水溶性又は水分散性共重合体からなる親水性のシリコーングラフト共重合体と、
を含有することを特徴とする硬表面防汚抗菌洗浄剤組成物。
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