JP7329976B2 - トイレ便器用コーティング剤 - Google Patents
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Description
項1.ベタイン基を有する単量体を繰返単位として含み、且つ一方の末端がシラノール基を有するベタイン基含有親水性ポリマーを含有する、トイレ便器用コーティング剤。
項2. ベタイン基を有する単量体を繰返単位として含み、且つ一方の末端がシラノール基を有するベタイン基含有親水性ポリマーを含有するコーティング剤を、トイレ便器の表面に接触させる、トイレ便器のコーティング方法。
項3. ベタイン基を有する単量体を繰返単位として含み、且つ一方の末端がシラノール基を有するベタイン基含有親水性ポリマーを含有する組成物の、トイレ便器用コーティング剤としての使用。
本発明のトイレ便器用コーティング剤は、ベタイン基を有する単量体を繰返単位として含み、且つ一方の末端がシラノール基を有するベタイン基含有親水性ポリマーを含有することを特徴とする。以下、本発明のトイレ便器用コーティング剤について詳述する。
本発明のトイレ便器用コーティング剤では、トイレ便器の表面をコーティングする成分として、ベタイン基を有する単量体を繰返単位として含み、且つ一方の末端がシラノール基を有するベタイン基含有親水性ポリマーを使用する。当該ベタイン基含有親水性ポリマーは、トイレ便器の表面に接触させると、シラノール基を介してトイレ便器の表面に付着してコーティングした状態になることにより、糞便汚れに対して格段に優れた防汚効果を付与する。
本発明のトイレ便器用コーティング剤は、前記ベタイン基含有親水性ポリマー以外に、他の添加剤や基剤を含んでいてもよい。このような添加剤や基剤としては、例えば、水、1価低級アルコール、多価アルコール、界面活性剤、漂白剤、香料、消臭剤、着色剤、可溶化剤、殺菌剤、キレート剤、増量剤、溶解性調整剤、充填剤、pH調整剤、増粘剤、無機系ビルダー、有機系ビルダー、酵素等が挙げられる。
本発明のトイレ便器用コーティング剤は、トイレ便器の表面(ボウル部の表面)に対して前記ベタイン基含有親水性ポリマーをコーティングさせ、糞便汚れに対する防汚効果を付与する目的で使用される。
本発明のトイレ便器のコーティング方法は、前記ベタイン基含有親水性ポリマーを含むトイレ便器用コーティング剤をトイレ便器の表面に接触させることを特徴とする。本発明のトイレ便器のコーティング方法によって、トイレの便器の表面に対して優れた防汚効果を付与することが可能になる。
先ず、以下に示す試験液を準備した。
ベタイン基含有親水性ポリマー含有液1:一般式(1)において、nが3;mが350程度;pが3;R2が前記一般式(2a)に示す基であって、R21が水素原子、R22が基-NH-、R23が炭素数3のアルキレン基;R3が一般式(3a)に示すスルホベタイン基であって、R31及びR32がメチル基、R33が炭素数3のアルキレン基; R4が水素原子;Xが硫黄原子であるベタイン基含有親水性ポリマーを含有する液。ベタイン基含有親水性ポリマー含有液1には、当該ベタイン基含有親水性ポリマーが1~20重量%含まれている。
ベタイン基含有親水性ポリマー含有液2:一般式(1)において、nが3;mが450程度;pが3;R2が前記一般式(2a)に示す基であって、R21がメチル基、R22が酸素原子、R23が炭素数2のアルキレン基;R3が一般式(3b)に示すカルボキシベタイン基であって、R34及びR35がメチル基、R36がメチレン基; R4が水素原子;Xが硫黄原子であるベタイン基含有親水性ポリマーを含有する液。ベタイン基含有親水性ポリマー含有液2には、当該ベタイン基含有親水性ポリマーが1~20重量%含まれている。
イソプレングリコール含有液:イソプレングリコール99重量%含有液、商品名「IPG-S」(株式会社クラレ)
ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート含有液:商品名「ブラウノンOT-106」(青木油脂工業株式会社)
ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート含有液:商品名「ブラウノンOT-320」(青木油脂工業株式会社)
ポリオキシエチレンステアリルエーテル含有液:商品名「ブラウノンSR-720」(青木油脂工業株式会社)
ポリグリセリン脂肪酸エステル含有液:商品名「グリサーフDP-9」(青木油脂工業株式会社)
ポリオキシエチレン合成アルコールエーテル含有液:商品名「ファインサーフNE-50」(青木油脂工業株式会社)
ポリエーテル変性シリコン含有液:商品名「SH3771M」(東レ・ダウコーニング株式会社)
プロピレングリコールモノリシノレート含有液:商品名「PGMR」(伊藤製油株式会社)
アクリルポリマー含有液:アクリルポリマー60重量%含有液、商品名「ポリフローKL-850」(共栄社化学株式会社)
両新媒性オリゴマー含有液:両新媒性オリゴマー14重量%含有液、商品名「ポリフローKL-900」(共栄社化学株式会社)
ポリエチレンオキサイド含有液:ポリエチレンオキサイド96重量%含有液、商品名「アルコックスE-30」(名成化学工業株式会社)
アセチレングリコール含有液:アセチレングリコール100重量%含有液、商品名「サーフィノール485」(日信化工株式会社)
<防汚効果の判定基準>
◎:3か所の疑似糞便が全て剥がれるまでに要した時間が30秒以下である。
○:3か所の疑似糞便が全て剥がれるまでに要した時間が30秒超60秒以下である。
×:3か所の疑似糞便が全て剥がれるまでに要した時間が60秒超である。
試験液として、前記試験例1で使用したベタイン基含有親水性ポリマー溶液1及び2を準備した。衛生陶器のカットタイル(KYタイルP4-100、日本テストパネル株式会社製、1cm×5cm、厚み0.5cm)をアセトンで洗浄した後に、蒸留水で洗浄し、自然乾燥を行った。乾燥後のカットタイルに、前記試験液2滴(約40μl)を滴下して全体に塗り広げた後に自然乾燥させた。その後、カットタイルを、試験液で処理した面が上になるようにして、実験用のトイレ便器内に固定し、フラッシュ水を105回フラッシュさせた(1回のフラッシュ当たりの水量は約10l)。105回のフラッシュが終了した後に、カットタイルを回収して1日間自然乾燥した。自然乾燥後のカットタイルの表面(試験液で処理した面)に、疑似糞便としてオレイン酸を3か所(1カ所当たり0.02g)に滴下し、この状態のカットタイルを、常温の蒸留水150mlを入れた300ml容のビーカーの底に3秒間かけて沈め、静置した。カットタイルをビーカーの底に沈めた時点から、3か所の疑似糞便が全て剥がれるまでの時間を計測し、前記試験例1と同様の判定基準で、耐水試験後の防汚効果を評価した。
試験液として、前記試験例1で使用したベタイン基含有親水性ポリマー溶液1及び2を準備した。衛生陶器のカットタイル(KYタイルP4-100、日本テストパネル株式会社製、1cm×5cm、厚み0.5cm)をアセトンで洗浄した後に、蒸留水で洗浄し、自然乾燥を行った。乾燥後のカットタイルに、前記試験液2滴(約40μl)を滴下して全体に塗り広げた後に自然乾燥させた。その後、カットタイルを、表3に示す組成の人工尿800ml中に40℃で30秒間浸漬させた。次いで、人工尿からカットタイルを取り出し、水道水800ml中に20℃で60秒間浸漬させ、水道水から取り出した後、自然乾燥させた。人工尿及び水道水への浸漬のサイクルを10回繰り返した。その後、カットタイルを回収して1日間自然乾燥した。自然乾燥後のカットタイルの表面(試験液で処理した面)に、疑似糞便としてオレイン酸を3か所(1カ所当たり0.02g)に滴下し、この状態のカットタイルを、常温の蒸留水150mlを入れた300ml容のビーカーの底に3秒間かけて沈め、静置した。カットタイルをビーカーの底に沈めた時点から、3か所の疑似糞便が全て剥がれるまでの時間を計測し、前記試験例1と同様の判定基準で、人工尿浸漬後の防汚効果を評価した。
試験液として、前記試験例1で使用したベタイン基含有親水性ポリマー溶液1及び2を準備した。衛生陶器のカットタイル(KYタイルP4-100、日本テストパネル株式会社製、1cm×5cm、厚み0.5cm)をアセトンで洗浄した後に、蒸留水で洗浄し、自然乾燥を行った。
Claims (2)
- ベタイン基を有する単量体を繰返単位として含み、且つ一方の末端がシラノール基を有するベタイン基含有親水性ポリマーを含有し、
前記ベタイン基含有親水性ポリマーは、下記一般式(1)に示す化合物である、トイレ便器用コーティング剤。
一般式(3b)において、R 34 及びR 35 は、同一又は異なって、水素原子、又は炭素数1~4のアルキル基であり、R 36 は、炭素数1~4のアルキレン基であり、
一般式(3c)において、R 37 は、炭素数1~4のアルキレン基であり、R 38 、R 39 及びR 40 は、同一又は異なって、水素原子、又は炭素数1~4のアルキル基である。) - ベタイン基を有する単量体を繰返単位として含み、且つ一方の末端がシラノール基を有する下記一般式(1)に示すベタイン基含有親水性ポリマーを含有するコーティング剤を、トイレ便器の表面に接触させる、トイレ便器のコーティング方法。
一般式(3b)において、R 34 及びR 35 は、同一又は異なって、水素原子、又は炭素数1~4のアルキル基であり、R 36 は、炭素数1~4のアルキレン基であり、
一般式(3c)において、R 37 は、炭素数1~4のアルキレン基であり、R 38 、R 39 及びR 40 は、同一又は異なって、水素原子、又は炭素数1~4のアルキル基である。)
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