JP5618002B2 - 角加速度検出素子 - Google Patents

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Description

この発明は、検出軸回りに作用する角加速度を検出する角加速度検出素子に関する。
ある種の角加速度検出素子は、回転錘と支持梁と検出部を備えて構成される(例えば特許文献1および2参照。)。支持梁は、検出軸に対して垂直な方向に延設され、両端部が回転錘と固定部とに接続される。回転錘は、角加速度検出素子に検出軸回りの角加速度が作用すると、それに伴う回転慣性力の作用で固定部に対して回転(揺動)する。支持梁は回転錘の回転に伴って変形し、検出部は支持梁に生じる応力を検出する。支持梁に生じる応力は回転錘に作用する検出軸回りの角加速度に応じて変化するため、検出部の検出信号から検出軸回りの角加速度を計測することができる。
このような角加速度検出素子において、回転錘の検出軸回りでの回転バランスが崩れていれば、並進慣性力によっても回転錘が回転してしまう。すると、並進慣性力が検出信号のノイズ要因となり、検出軸回りでの角加速度の検出精度が低下する。
通常、回転錘の回転バランスを取るために、角加速度検出素子は回転錘の重心位置を中心に対称形状で形成される。特許文献1では、重心位置を中心に対称に配置した複数の支持梁で、環状の回転錘を内側から支持する。特許文献2では、重心位置を中心に対称に配置した複数の支持梁で、回転錘を外側から支持する。
特許第2602300号公報 特開2010−139263号公報
先行技術では、回転錘の受けた慣性力を複数の支持梁が分散して受けるため、所定の固有振動数で角加速度検出素子を構成した場合に、角加速度あたりの梁に発生する応力が小さくなり、角加速度の検出感度が低くなるという問題があった。
そこで、角加速度検出素子で高い検出感度を得るために、支持梁の数を減らすことが考えられるが、回転錘の回転バランスを確保するためには支持梁の数や配置には強い制約があり、支持梁の数の低減には限界があった。
本発明の目的は、回転錘の回転バランスを確保しながら実質的な支持梁の数を低減し、高い検出感度を実現できる角加速度検出素子を提供することにある。
この発明は、回転錘と固定部と支持梁と検出部を備える角加速度検出素子に関する。回転錘は、所定の検出軸回りの回転慣性力の作用で検出軸回りに回転する。固定部は前記回転錘から離間する位置に設けられる。支持梁は、前記検出軸に対する直交面における前記固定部と前記回転錘との間に設けられ、前記固定部に対して前記回転錘を弾性支持する。検出部は前記支持梁に生じる応力に基づく検出信号を出力する。そして、回転錘は、前記直交面における重心位置が前記支持梁に重なるものである。
この構成では、回転錘の重心位置に重なる単一の支持梁のみで回転錘の回転バランスを取ることができる。
または、この発明の角加速度検出素子は、検出軸回りでの前記回転錘の回転に伴って作用する応力の中立面が一致する複数の支持梁を備え、回転錘は、前記直交面における重心位置が前記中立面に重なるものである。
この構成では、複数の支持梁それぞれに作用する応力の中立面が一致するため、複数の支持梁の総体としての応力分布が、単一の支持梁による応力分布と実質的に等価なものになる。このため、実質的に単一の支持梁のみで回転錘の回転バランスを取ることができる。
上述の角加速度検出素子の回転錘は、前記検出軸に沿う方向を厚み方向とする薄板状に構成されると好適である。
この構成では、検出軸回りでの回転錘の慣性モーメントが大きくなるため、角加速度あたりの回転慣性力を大きくすることができる。すると、固有振動数を保つために必要な支持梁の幅が太くなるとともに支持梁の長さが短くなる。このことが角加速度の検出感度を高めることに寄与する。
上述の角加速度検出素子の回転錘は、前記直交面に沿う長軸方向と短軸方向とを持つ形状で構成されると好適である。
この構成では、検出軸回りでの回転錘の慣性モーメントがさらに大きくなるため、角加速度あたりの回転慣性力をより大きくすることができる。このため、同じ角加速度検出感度を得るために必要な素子占有面積を低減でき、低コスト化や小型化を進展させることができる。
上述の角加速度検出素子の支持梁は、前記回転錘の長軸方向を長さ方向として構成されると好適である。
この構成の回転錘は短軸回りの慣性モーメントが大きく、外乱振動による短軸回りの回転慣性力が大きくなってしまう。そのため、回転錘の短軸方向が支持梁の長さ方向であれば、短軸回りの回転慣性力により支持梁が捻れ、支持梁のエッジ部分に過大な応力集中が生じて耐衝撃性能が低下してしまう。そこで、上述のように支持梁の長さ方向を回転錘の長軸方向とすることで、短軸回りの回転慣性力によって支持梁が捻れることを防ぎ、支持梁のエッジ部分への応力集中を回避できる。
この発明によれば、回転錘を支持する実質的に単一の支持梁のみで回転錘の回転バランスを取るため、並進慣性力が作用しても回転錘の回転が生じず、その上、実質的な支持梁の数が低減されるために支持梁に生じる応力が大きくなる。これらのことから角加速度の検出精度を向上させることができる。
第1の実施形態に係る角加速度検出素子の構成を説明する図である。 角加速度検出素子での応力分布のシミュレーションを説明する図である。 角加速度検出素子での検出回路の構成を説明する図である。 検出回路の動作を説明する図である。 本構成と比較構成の有限要素解析について説明する図である。 第2の実施形態に係る角加速度検出素子を説明する図である。 角加速度検出素子での応力分布のシミュレーションを説明する図である。 第3の実施形態に係る角加速度検出素子を説明する図である。 第4の実施形態に係る角加速度検出素子を説明する図である。 第5の実施形態に係る角加速度検出素子を説明する図である。 第6の実施形態に係る角加速度検出素子を説明する図である。 第7の実施形態に係る角加速度検出素子を説明する図である。 第8の実施形態に係る角加速度検出素子を説明する図である。 第9の実施形態に係る角加速度検出素子を説明する図である。 第10の実施形態に係る角加速度検出素子を説明する図である。 第11の実施形態に係る角加速度検出素子を説明する図である。 第12の実施形態に係る角加速度検出素子を説明する図である。 第13の実施形態に係る角加速度検出素子を説明する図である。 第14の実施形態に係る角加速度検出素子を説明する図である。 第15の実施形態に係る角加速度検出素子を説明する図である。 第16の実施形態に係る角加速度検出素子を説明する図である。 角加速度検出素子での検出回路の構成を説明する図である。 第17の実施形態に係る角加速度検出素子を説明する図である。 角加速度検出素子での検出回路の構成を説明する図である。 第18の実施形態に係る角加速度検出素子の検出回路の構成を説明する図である。
以下の説明では、角加速度検出素子の厚み方向を直交座標系のZ軸とし、支持梁の長さ方向をY軸方向、支持梁の幅方向をX軸方向とする。
《第1の実施形態》
図1(A)は本発明の第1の実施形態に係る角加速度検出素子1の構成を示す斜視図であり、図1(B)は角加速度検出素子1の平面図である。
角加速度検出素子1は、Z軸に垂直な上下面間を貫通する溝を形成した一体の矩形板からなり、回転錘2、支持梁3、固定部4、および検出部5(不図示)を備える。矩形板は半導体ウェハの面加工により切り出されたものである。半導体ウェハの面加工は加工技術や加工装置の性能が成熟しており、複数の矩形板を効率的に高精度に製造することができる。
固定部4は、矩形板のX−Y面中心からずれた位置に矩形状で設けられ、図示しない筐体に上面と下面との少なくとも一方で固定される。回転錘2は、X−Y面で固定部4を囲むように矩形板に矩形開口を設けて構成している。支持梁3は、X−Y面における固定部4と回転錘2との間に、Y軸正方向に長方形状に延設して設けられ、回転錘2の上下面を図示しない筐体から浮いた状態にして固定部4に回転錘2を支持させる。検出部5(不図示)は支持梁3に作用する応力に応じた検出信号を出力する。
支持梁3、固定部4それぞれのX軸座標における中心位置は、回転錘2の中心位置に一致させている。固定部4のY軸座標における中心位置は、回転錘2の中心位置からY軸負方向にずらしている。支持梁3のY軸座標における中心位置は、回転錘2の中心位置からY軸正方向にずらし、回転錘2のY軸座標における重心に一致させている。
このような構成の角加速度検出素子1は、Z軸回りの回転慣性力が作用することで回転錘2がX−Y面において固定部4に対してZ軸回りに回転(揺動)し、Z軸を検出軸として角加速度を検出することになる。
図2は、Z軸回りの回転慣性力が作用する場合の、支持梁3に発生する応力分布を説明する図である。図中には、角加速度検出素子1がZ軸正方向から視て時計回りに回転する状態を示している。
この場合、回転錘2は、固定部4を基準としてZ軸正方向から視て反時計回りに回転し、支持梁3にはZ軸正方向から視て反時計回りの回転慣性力が作用する。これにより、支持梁3は、X軸負方向の側面近傍の領域に圧縮応力が作用し、X軸正方向の側面近傍の領域に引っ張り応力が作用し、X軸負方向に撓むことになる。支持梁3の幅方向の中心面(一点鎖線で図示する。)が引っ張り応力と圧縮応力との境となり応力が作用しない中立面であり、X−Y面で視てこの中心面上に回転錘2の重心位置(×で図示する。)が重なることになる。
図3は、検出部5の構成について説明する図である。図3(A)は支持梁3の近傍の平面図であり、図3(B)は検出部5の回路図である。
検出部5は、支持梁3の上面にY軸方向を長手とするピエゾ抵抗5A,5Bを備える。ピエゾ抵抗5A,5Bは、半導体ウェハに半導体プロセスを用いて形成されることにより、微細な位置・形状を高精度にすることが可能である。これらのピエゾ抵抗5A,5Bは、支持梁3の中立面の両側に平行に配置され、互いに直列接続され定電圧源に接続される。支持梁3の中立面を境に一方の領域は圧縮応力が作用し、他方の領域は引っ張り応力が作用するため、ピエゾ抵抗5A,5Bは伸縮が逆になる。ピエゾ抵抗5A,5Bは伸長する際には抵抗値が増大し、短縮する際には抵抗値が低減する。そのため、ピエゾ抵抗5A,5Bによる分圧比が変動するため、ピエゾ抵抗5Aやピエゾ抵抗5Bの両端電圧から、支持梁3に作用する応力を検出することが可能になる。
図4は、各種加速度の作用による支持梁の変形とピエゾ抵抗の変化を説明する図である。
図4(A)は、この角加速度検出素子1にZ軸正方向から視て反時計回りの回転慣性力が作用した状態を示している。この状態では、支持梁3がX−Y面で湾曲し、ピエゾ抵抗5Aが伸長しピエゾ抵抗5Bが短縮する。伸長したピエゾ抵抗5Aは抵抗値が増大し、短縮したピエゾ抵抗5Bは抵抗値が低下する。このため、検出部5においてはピエゾ抵抗5Aの両端電圧が増加し、ピエゾ抵抗5Bの両端電圧が減少することになる。
なお、図4(B)は、角加速度検出素子1にX軸正方向から視て反時計回りの回転慣性力が作用した状態を示している。この状態では、支持梁3がY−Z面で湾曲し、ピエゾ抵抗5A,5Bはともに短縮して抵抗値が低下する。このため、検出部5においてはピエゾ抵抗5Aの抵抗値の変化とピエゾ抵抗5Bの抵抗値の変化とが相殺されて、分圧電圧が維持される。
図4(C)は、角加速度検出素子1にY軸正方向から視て反時計回りの回転慣性力が作用した状態を示している。この状態では、支持梁3がX−Z面で捻れる。すると、ピエゾ抵抗5A,5Bにも同様な捻れが生じて抵抗値の変化が一致する。このため、検出部5においてはピエゾ抵抗5A内の抵抗値の変化およびピエゾ抵抗5B内の抵抗値の変化がそれぞれ共に相殺されて、分圧電圧が維持される。
図4(D)は、角加速度検出素子1にX軸正方向の並進慣性力が作用した状態を示している。この状態では、支持梁3がX−Y面で湾曲する。すると、ピエゾ抵抗5A,5Bには同様な湾曲が生じて抵抗値の変化が一致する。このため、検出部5においてはピエゾ抵抗5A内の抵抗値の変化およびピエゾ抵抗5B内の抵抗値の変化がそれぞれ共に相殺されて、分圧電圧が維持される。
図4(E)は、角加速度検出素子1にY軸正方向の並進慣性力が作用した状態を示している。この状態では、支持梁3がY軸方向に伸長する。すると、ピエゾ抵抗5A,5Bは同様に伸長して抵抗値の変化が一致する。このため、検出部5においてはピエゾ抵抗5Aの抵抗値の変化とピエゾ抵抗5B抵抗値の変化とが相殺されて、分圧電圧が維持される。
図4(F)は、角加速度検出素子1にZ軸正方向の並進慣性力が作用した状態を示している。この状態では、支持梁3がY−Z面で湾曲する。すると、ピエゾ抵抗5A,5Bは同様に伸縮して抵抗値の変化が一致する。このため、検出部5においてはピエゾ抵抗5A内の抵抗値の変化およびピエゾ抵抗5B内の抵抗値の変化がそれぞれ共に相殺されて、分圧電圧が維持される。
したがって、この角加速度検出素子1によれば、Z軸回りの回転慣性力が作用した状態でのみ出力電圧が変化することになる。
ここで、支持梁3に作用する応力の大きさに付いて説明する。
固定部4に対する回転錘2のZ軸回りの回転角θは、次式で示すようにZ軸回りの角加速度βに比例し、回転錘2と支持梁3と固定部4とからなる構造体のZ軸まわりでの固有振動数f0の二乗に反比例する。
角加速度検出素子1で応答周波数範囲を一定にするために固有振動数f0は適切な設定値とすると好適である。そのため固有振動数f0が定まる場合、次式のように単位角加速度あたりの回転角θ/βは一意に定まる。
固有振動数f0は、回転錘2、支持梁3、固定部4からなる構造体の複数の形状パラメータに依存するものでもあり、支持梁の数が相違する構成であっても各部の寸法調整により一致させることが可能である。したがって、固有振動数f0が同一の構成であれば、同じ角加速度が作用した場合の回転角θは等しいものになる。
そこで、角加速度検出素子において支持梁の数nを異ならせ固有振動数f0を一致させた場合の、構成ごとの各部寸法や性能を有限要素法で解析した結果について説明する。
図5(A)は比較構成に係る角加速度検出素子10Aの構成を示す平面図である。角加速度検出素子10Aは、2つの支持梁を備え、回転錘の重心位置を中心に対称な形状で構成している。
図5(B)は比較構成に係る角加速度検出素子10Bの構成を示す平面図である。角加速度検出素子10Bは、4つの支持梁を備え、回転錘の重心位置を中心に対称な形状で構成している。
これら構成の解析例では、実施形態に係る角加速度検出素子1とともに同じ外形寸法2mm×2mm×200μmとし、回転錘2および固定部4を同形状とし、支持梁の寸法調整により固有振動数f0を2.0kHzで一致させた。
図5(C)は、各解析例における各部寸法や性能を示す図である。
実施形態に係る角加速度検出素子1は、支持梁の数nが1、支持梁の長さ(Y軸方向寸法)Lyが110μm、支持梁の幅(X軸方向寸法)Lxが20μmであり、これにより固有振動数f0を2.0kHzとしている。
比較構成に係る角加速度検出素子10Aは、支持梁の数nが2、支持梁の長さ(Y軸方向寸法)Lyが441μm、支持梁の幅(X軸方向寸法)Lxが10μmであり、これにより固有振動数f0を2.0kHzとしている。
比較構成に係る角加速度検出素子10Bは、支持梁の数nが4、支持梁の長さ(Y軸方向寸法)Lyが640μm、支持梁の幅(X軸方向寸法)Lxが10μmであり、これにより固有振動数f0を2.0kHzとしている。
このように固有振動数f0を一致させて単位角加速度当たりの回転角θ/βを等しくする場合、支持梁3の数が少ないほど支持梁の長さが短いものになる。
ここで、支持梁のたわみ角θ’を考えると、次式のように、支持梁のたわみ角θ’は支持梁の長さLyと支持梁のたわみ曲率1/ρの積で表わされる。
一方、支持梁3におけるピエゾ抵抗5A,5Bの近傍に発生する応力σは次式のように、支持梁の中立面からピエゾ抵抗5A,5Bまでの距離xと支持梁のたわみ曲率1/ρと支持梁の材料の縦弾性係数Eの積で表わされる。
上記2式から次式が得られる。
つまり、支持梁長さLyをより短く、中立面からピエゾ抵抗5A,5Bまでの距離xをより大きくすることで、支持梁のたわみ角θ’あたりの支持梁3に発生する応力σを大きくすることができる。
仮に、支持梁のたわみ角θ’が回転錘2の回転角θと等しいとすると、上述の数2の式と数5の式から次式が成りたつ。
則ち、支持梁3におけるピエゾ抵抗5A,5Bの近傍に発生する単位角加速度当たりの応力σ/βも、支持梁長さLyをより短く、中立面からピエゾ抵抗5A,5Bまでの距離xをより大きくすることで増大させることができる。このことは図5(C)に示した有限要素解析によっても確認することができる。実施形態に係る角加速度検出素子1では、支持梁長さLyが最も短く支持梁3に作用する応力の単位角加速度当たりの最大値は73Pa/(rad/s2)であった。比較例に係る角加速度検出素子10Aは支持梁長さLyがより長く、支持梁3に作用する応力の単位角加速度当たりの最大値は49Pa/(rad/s2)であった。比較例に係る角加速度検出素子10Bは支持梁長さLyがさらに長く、支持梁3に作用する応力の単位角加速度当たりの最大値は29Pa/(rad/s2)であった。
このように、本実施形態の角加速度検出素子1では支持梁の数がひとつであり、支持梁3に作用する応力が大きなものになるため、回転錘から支持梁が受ける回転慣性力がより集中して支持梁に発生する応力は大きくなり、ピエゾ抵抗5A,5Bの変形量が増大して高い検出感度が得られることになる。
なお、この実施形態ではZ軸方向からみた回転錘2の外形を矩形とする例を示したが、円形や星形など、その他の形状であってもよい。また、回転錘2の内形を略矩形とする例を示したが、これもその他の形状であってもよい。また、固定部4の外形を矩形とする例を示したが、これもその他の形状であってもよい。また、支持梁の形状を長方形とする例を示したが、これもその他の形状であってもよい。
さらには、この実施形態では、半導体ウェハの面加工により各部を構成し、また、検出部5をピエゾ抵抗5A,5Bにより構成する例を示したが、最終的に応力を電気信号に変換可能な手段であれば検出原理や製造方法、構成材料を問わず、その他の構成であってもよい。
《第2の実施形態》
図6(A)は、本発明の第2の実施形態に係る角加速度検出素子11の変形状態での斜視図である。図6(B)は、角加速度検出素子11の支持梁13の周辺構造を示す模式図である。
角加速度検出素子11は、回転錘12、支持梁13、固定部14、および検出部15(不図示)を備える。回転錘12、支持梁13、および固定部14は、第1の実施形態とほぼ同様な構成を採用することができる。第1の実施形態との主な相違点は、検出部15(不図示)が備えるピエゾ抵抗15A,15Bを支持梁13の上下面に配置し、X軸を検出軸として角加速度を検出する点である。
図7は、X軸回りの回転慣性力が作用する場合の、支持梁13に発生する応力分布を説明する図である。図中には、角加速度検出素子11がX軸正方向から視て反時計回りに回転する状態を示している。
この場合、回転錘12は、固定部14を基準としてX軸正方向から視て時計回りに回転し、支持梁13にはX軸正方向から視て時計回りの回転慣性力が作用する。これにより、支持梁13は、Z軸正方向の上面近傍の領域に圧縮応力が作用し、Z軸負方向の下面近傍の領域に引っ張り応力が作用し、支持梁13はZ軸正方向に撓むことになる。
このとき、支持梁13の厚み方向の中心面が引っ張り応力と圧縮応力との境となり応力が作用しない中立面(一点鎖線で図示する。)となる。そして、Y−Z面における回転錘12の重心(×で図示する。)がこの中立面上に位置することにより、X軸回りの回転錘12の回転バランスを確保しながら、検出部15(不図示)でX軸回りの角加速度を高い検出感度で検出することが可能になる。このように角加速度検出素子は構成することもできる。
《第3の実施形態》
図8は、第3の実施形態に係る角加速度検出素子91の構成を示す斜視図である。
角加速度検出素子91は、Z軸に垂直な上下面間を貫通する溝を形成した長方形板からなり、回転錘92、支持梁93、固定部94、および検出部95(不図示)を備える。回転錘92はY軸負方向が開いたコの字状であり、X軸方向を長軸としY軸方向を短軸とする。支持梁93は、回転錘92の重心位置に中心が一致し、Y軸方向を長さ方向、X軸方向を幅方向とする。固定部94は、回転錘92の開口内に設けられて図示しない筐体に上面と下面との少なくとも一方で固定され、支持梁93を介して回転錘92を支持する。
このような構成の角加速度検出素子91でも、Z軸回りの回転慣性力が作用することで回転錘92がX−Y面において固定部94に対してZ軸回りに回転(揺動)し、Z軸を検出軸として角加速度を検出することができる。
また、回転錘92がX軸方向を長軸とする形状であるため、Z軸回りでの慣性モーメントが大きく、回転錘の外形が正方形状である場合などよりも、同じ素子専有面積で、角加速度あたりの回転慣性力を大きくすることができる。
そのため、角加速度検出素子91の固有振動数を維持したまま支持梁93を太く短くすることが可能であり、角加速度検出感度を高めることができる。
《第4の実施形態》
図9(A)は、第4の実施形態に係る角加速度検出素子21の斜視図である。
角加速度検出素子21は、Z軸に垂直な上下面間を貫通する溝を形成した長方形板からなり、回転錘22、支持梁23、固定部24、および検出部25(不図示)を備える。回転錘22はX軸正方向が開いたコの字状であり、Y軸方向を長軸としX軸方向を短軸とする。支持梁23は、回転錘22の重心位置に中心が一致し、Y軸方向を長さ方向、X軸方向を幅方向とする。固定部24は、回転錘22の開口内に設けられて図示しない筐体に上面と下面との少なくとも一方で固定され、支持梁23を介して回転錘22を支持する。
図9(B)は、Z軸回りの回転慣性力が作用する場合の、支持梁23に発生する応力分布を説明する図である。図中には、角加速度検出素子21がZ軸正方向から視て時計回りに回転する状態を示している。
この場合、回転錘22は、固定部24を基準としてZ軸正方向から視て反時計回りに回転し、支持梁23にはZ軸正方向から視て反時計回りの回転慣性力が作用する。これにより、支持梁23は、X軸負方向の側面近傍の領域に圧縮応力が作用し、X軸正方向の側面近傍の領域に引っ張り応力が作用し、X軸負方向に撓むことになる。
このとき、支持梁23の幅方向の中心面が中立面(一点鎖線で図示する。)となる。そして、X−Y面における回転錘22の重心(×で図示する。)をこの中心面上に配置することにより、Z軸回りでの回転錘22の回転バランスを確保しながら、検出部25(不図示)でZ軸回りの角加速度を高い検出感度で検出することが可能になる。
この構成の角加速度検出素子21では、回転錘22がY軸方向を長軸とする形状であるため、Z軸回りでの慣性モーメントが大きく、回転錘の外形が正方形状である場合などよりも、同じ素子専有面積で、角加速度あたりの回転慣性力を大きくすることができる。
そのため、角加速度検出素子21の固有振動数を維持したまま支持梁を太く短くすることが可能になり、角加速度検出感度を高めることができる。
なお、回転錘22はX軸回りでの慣性モーメントも大きく、外乱振動による回転錘22の短軸回りでの回転慣性力まで大きなものになる。前述の第3の実施形態においては支持梁の長さ方向が回転錘の短軸方向と一致するため、回転錘の短軸回りの回転慣性力は支持梁23に捻れを生じさせるが、本実施形態においては支持梁の長さ方向が回転錘の長軸方向と一致するため、回転錘の短軸回りの回転慣性力は支持梁23に捻れではなく曲げを生じさせる。支持梁の大きな捻れは支持梁23のエッジ部分に応力集中を生じさせて破壊現象を引き起こす危険性が高いため、本実施形態のように支持梁の長さ方向を回転錘の長軸方向と一致させた構成とすることにより、支持梁に大きな捻れが生じることを防ぎ、角加速度検出素子の耐衝撃性能を改善することができる。
《第5の実施形態》
図10は、第5の実施形態に係る角加速度検出素子31における、回転慣性力が作用する場合の応力分布を説明する図である。
角加速度検出素子31は、回転錘32、支持梁33、固定部34、および検出部35(不図示)を備える。回転錘32、固定部34、および検出部35(不図示)は、第4の実施形態とほぼ同様な構成である。第4の実施形態との主な相違点は、回転錘32の重心(×で図示する。)を隔てて平行に設けられる2つの支持梁33を備える点である。
この構成では、Z軸回りの角加速度が作用した場合に、2つの支持梁33に作用する応力が、それぞれ逆の極性のもの、則ち、引っ張り応力または圧縮応力になる。そして、支持梁33それぞれに作用する応力の中立面(一点鎖線で図示する。)が2つの支持梁33の中間で一致し、その中立面上に回転錘32の重心が位置することにより、Z軸回りの回転錘32の回転バランスを確保しながら、検出部35(不図示)がZ軸回りの角加速度を高い検出感度で検出することが可能になる。このように角加速度検出素子は構成することもできる。
《第6の実施形態》
図11は、第6の実施形態に係る角加速度検出素子41における、回転慣性力が作用する場合の応力分布を説明する図である。
角加速度検出素子41は、回転錘42、支持梁43、固定部44、および検出部45(不図示)を備える。回転錘42、固定部44、および検出部45(不図示)は、第4の実施形態とほぼ同様な構成である。第4の実施形態との主な相違点は、支持梁43が回転錘42の重心位置に中心が一致し、Y軸方向を長さ方向、X軸方向を幅方向とするH字状に構成される点である。
この構成では、Z軸回りの角加速度が作用した場合に、支持梁43のX軸負方向の側面近傍の領域に圧縮応力が作用し、X軸正方向の側面近傍の領域に引っ張り応力が作用し、X軸負方向に撓むことになる。
このとき、支持梁43の中立面(一点鎖線で図示する。)上にX−Y面における回転錘42の重心(×で図示する。)が位置することにより、Z軸回りの回転錘42の回転バランスを確保しながら、Z軸回りの角加速度を高い検出感度で検出することが可能になる。有限要素解析からは、支持梁43のY軸方向の中心に近いほど、両側面の近傍領域での応力が大きくなることが確認でき、このことから、それらの領域を検出部45の応力検出位置とすることで、角加速度検出感度をさらに高めることが可能になると考えられる。
《第7の実施形態》
図12は、第7の実施形態に係る角加速度検出素子51における、回転慣性力が作用する場合の応力分布を説明する図である。
角加速度検出素子51は、回転錘52、支持梁53、固定部54、および検出部55(不図示)を備える。回転錘52、固定部54、および検出部55(不図示)は、第4の実施形態とほぼ同様な構成である。第4の実施形態との主な相違点は、支持梁53が回転錘52の重心位置に中心が一致し、Y軸方向を長さ方向、X軸方向を幅方向とし、中央の幅が狭く両端の幅が広いテーパ状に構成される点である。
この構成では、Z軸回りの角加速度が作用した場合に、支持梁53のX軸負方向の側面近傍の領域に圧縮応力が作用し、X軸正方向の側面近傍の領域に引っ張り応力が作用し、X軸負方向に撓むことになる。
このとき、支持梁53の中立面(一点鎖線で図示する。)上にX−Y面における回転錘52の重心(×で図示する。)が位置することにより、Z軸回りの回転錘52の回転バランスを確保しながら、Z軸回りの角加速度を高い検出感度で検出することが可能になる。有限要素解析からは、支持梁53のY軸方向の中心の近傍に応力が集中することが確認でき、このことから、それらの領域を検出部55の応力検出位置とすることで、角加速度検出感度をさらに高めることが可能になると考えられる。
《第8の実施形態》
図13は、第8の実施形態に係る角加速度検出素子61における、回転慣性力が作用する場合の応力分布を説明する図である。
角加速度検出素子61は、回転錘62、支持梁63、固定部64、および検出部65(不図示)を備える。回転錘62および固定部64は、第4の実施形態とほぼ同様な構成である。第4の実施形態との主な相違点は、支持梁63を回転錘62の重心位置に中心が一致し、Y軸方向を長さ方向、X軸方向を幅方向とし、中央を幅広に構成し両端を幅狭に構成した多段形状に構成した点である。
この構成では、Z軸回りの角加速度が作用した場合に、支持梁63のX軸負方向の側面近傍の領域に圧縮応力が作用し、X軸正方向の側面近傍の領域に引っ張り応力が作用し、X軸負方向に撓むことになる。
このとき、支持梁63の中立面(一点鎖線で図示する。)上にX−Y面における回転錘62の重心(×で図示する。)が位置することにより、Z軸回りの回転錘62の回転バランスを確保することが可能になる。
有限要素解析からは、支持梁63の中央の幅広な領域では応力が小さく、両端の幅狭な領域では応力が大きくなることが確認でき、このことから、検出部65(不図示)の応力検出位置を、支持梁63の両端近傍の幅狭な領域とすることで、Z軸回りの角加速度を高い検出感度で検出することが可能になると考えられる。
《第9の実施形態》
図14は、第9の実施形態に係る角加速度検出素子71の部分拡大斜視図である。
角加速度検出素子71は、回転錘72、支持梁73、固定部74、および検出部75(不図示)を備える。回転錘72、固定部74、および検出部75(不図示)は、第4の実施形態とほぼ同様な構成である。第4の実施形態との主な相違点は、支持梁73のZ軸正方向の上面に突起部73Aを備える点である。なお、突起部は、上面のみ、下面のみ、上下両面のいずれにあってもよい。突起部73Aを設けることで支持梁73のZ軸方向の厚みが増して剛性が高まり、X軸周りで過大な曲げ応力が作用しても、支持梁73が破損を防ぐことができる。
《第10の実施形態》
図15(A)は、第10の実施形態に係る角加速度検出素子81の斜視図である。
角加速度検出素子81は、第4の実施形態の構成を2つ突き合わせて回転錘を一体化したような構成であり、回転錘82、支持梁83、固定部84、および検出部85(不図示)を備える。回転錘82は開口を備えるロの字状であり、Y軸方向を長軸としX軸方向を短軸とする。回転錘82の開口内には2つの支持梁83と2つの固定部84とが配置される。2つの支持梁83は、回転錘82の重心を隔てて平行に設けられる。2つの固定部84は、図示しない筐体に上面と下面との少なくとも一方で固定され、それぞれ支持梁83を介して回転錘82を支持する。
図15(B)は、Z軸回りの回転慣性力が作用する場合の、支持梁83に発生する応力分布を説明する図である。図中には、角加速度検出素子81がZ軸正方向から視て時計回りに回転する状態を示している。
この場合、回転錘82は、固定部84を基準としてZ軸正方向から視て反時計回りに回転し、支持梁83にはZ軸正方向から視て反時計回りの回転慣性力が作用する。これにより、X軸負方向側の支持梁83は圧縮応力が作用し、X軸正方向の支持梁83は引っ張り応力が作用し、2つの支持梁83はX軸負方向に撓むことになる。
このとき、支持梁83のそれぞれに作用する応力の中立面(一点鎖線で図示する。)が2つの支持梁83の中間で一致し、その中立面上にX−Y面における回転錘82の重心(×で図示する。)が位置することにより、Z軸回りの回転錘82の回転バランスを確保しながら、Z軸回りの角加速度を高い検出感度で検出することが可能になる。
《第11の実施形態》
図16は、第11の実施形態に係る角加速度検出素子101の構成を示す斜視図である。
角加速度検出素子101は、回転錘102、支持梁103、固定部104、および検出部105(不図示)を備える。支持梁103、固定部104、および検出部105(不図示)は、第3の実施形態と同様な構成である。第3の実施形態との主な相違点は、回転錘102がZ軸正方向の上面に部分的な突起部102A,102Bを備える点である。なお、このような部分的な突起部は、回転錘102の上面のみ、下面のみ、上下両面のいずれに設けてもよい。
このような構成の角加速度検出素子101でも、Z軸回りの回転慣性力が作用することで回転錘102がX−Y面において固定部104に対してZ軸回りに回転(揺動)し、Z軸を検出軸として角加速度を検出することができる。
《第12の実施形態》
図17は、第12の実施形態に係る角加速度検出素子111の構成を示す斜視図である。
角加速度検出素子111は、回転錘112、支持梁113、固定部114、および検出部115(不図示)を備える。回転錘112は外形が円形状である。このような構成の角加速度検出素子111でも、Z軸回りの回転慣性力が作用することで回転錘112がX−Y面において固定部114に対してZ軸回りに回転(揺動)し、Z軸を検出軸として角加速度を検出することができる。
《第13の実施形態》
図18は、第13の実施形態に係る角加速度検出素子121の構成を示す斜視図である。
角加速度検出素子121は、回転錘122、支持梁123、固定部124、および検出部125(不図示)を備える。回転錘122は外形が円形状であり、支持梁123は、X−Y面を視て、中央が狭く両端が広い形状であって、側面が半円状である。このような構成の角加速度検出素子121でも、Z軸回りの回転慣性力が作用することで回転錘122がX−Y面において固定部124に対してZ軸回りに回転(揺動)し、Z軸を検出軸として角加速度を検出することができる。
《第14の実施形態》
図19は、第14の実施形態に係る角加速度検出素子131の構成を示す斜視図である。
角加速度検出素子131は、回転錘132、支持梁133、固定部134、および検出部135(不図示)を備える。回転錘132は外形が楕円形状であって、Y軸方向が長軸であり、X軸方向が短軸である。このような構成の角加速度検出素子131でも、Z軸回りの回転慣性力が作用することで回転錘132がX−Y面において固定部134に対してZ軸回りに回転(揺動)し、Z軸を検出軸として角加速度を検出することができる。
《第15の実施形態》
図20は、第15の実施形態に係る角加速度検出素子141の構成を示す斜視図である。
角加速度検出素子141は、回転錘142、支持梁143、固定部144、および検出部145(不図示)を備える。回転錘142は外形が長方形であって、矩形の開口部142Aを備える。開口部142Aを設けることにより回転錘142の重心位置を調整することが容易となる。このような構成の角加速度検出素子141でも、Z軸回りの回転慣性力が作用することで回転錘142がX−Y面において固定部144に対してZ軸回りに回転(揺動)し、Z軸を検出軸として角加速度を検出することができる。
《第16の実施形態》
図21は、第16の実施形態に係る角加速度検出素子151の構成を示す斜視図である。
角加速度検出素子151は、回転錘152、支持梁153、固定部154、引出電極155、および検出部156(不図示)を備える。この角加速度検出素子151は、固定部154が外周側に配置され、回転錘152が固定部154の内側に配置された構成である。
固定部154は、X−Y面で視た外形が、Y軸方向に長軸でX軸方向に短軸の矩形環状である。回転錘152は、X−Y面において固定部154の開口内に配置されX軸正方向が開いたコの字状である。支持梁153は回転錘152の重心位置に配置され、Y軸方向を長さ方向とし、X軸方向を幅方向とする。引出電極155は支持梁153上から、固定部154の上面に引き出される。この角加速度検出素子151でも、Z軸回りの回転慣性力が作用することで回転錘152がX−Y面において固定部154に対してZ軸回りに回転(揺動)し、Z軸を検出軸として角加速度を検出することができる。
この構成では、半導体ウェハから複数の角加速度検出素子151を分離する際に、固定部154の外周が分離面となる。そのため、分離時に、回転錘152が他部材に接触することを防ぐことができ、支持梁153に過重がかかって破損することを防止できる。また角加速度検出素子を他部材に組み込む際にも、回転錘152が他部材に接触することを防いで、組み立てを容易にすることができる。
図22は、検出部の他の構成について説明する図である。
検出部は、4つのピエゾ抵抗166A〜166Dにより構成する。ピエゾ抵抗166A,166Bは、支持梁163の上面の中立面よりもX軸負方向に配置される。ピエゾ抵抗166C,166Dは、支持梁163の上面の中立面よりもX軸正方向に配置される。また、ピエゾ抵抗166A,166Cは、支持梁163の上面のY軸負方向側に配置され、ピエゾ抵抗166B,166Dは、支持梁163の上面のY軸正方向側に配置される。
また、ピエゾ抵抗166A〜166Dは、ブリッジ回路を構成する。ピエゾ抵抗166A,166Bはブリッジ回路四辺の対向する辺に設けられ、ピエゾ抵抗166C,166Dもブリッジ回路四辺の対向する辺に設けられる。
支持梁163の中立面を境に反対側に設けたピエゾ抵抗同士を直列に接続し、2組の直列回路を定電圧源あるいは定電流源に並列接続することで、支持梁163の応力によりブリッジ出力端子の電位が互いに逆極性で変わるように配線して、その電位差を電圧変動として計測することができる。ブリッジ回路を採用することにより、第1の実施形態で示したように分圧比を用いて角加速度を検出する場合に比べ、同じ応力でより大きな電位差が得られる。またブリッジ回路を採用することにより駆動電源ノイズに対する同相除去比を高め、微小な電気信号を良好なS/N比で取り出すことができる。これらのために、さらに角加速度の検出感度および検出精度を高めることができる。
《第17の実施形態》
図23は、第17の実施形態に係る角加速度検出素子171の構成を示す斜視図である。
角加速度検出素子171は、回転錘172、支持梁173、固定部174、引出電極175、および検出部176(不図示)を備える。この角加速度検出素子171は、第16の実施形態と同様に、固定部174が外周側に配置され、回転錘172が固定部174の内側に配置された構成である。第16の実施形態との主な相違点は、引出電極175の配置位置である。
角加速度検出素子171を筺体に収める場合、ピエゾ抵抗に接続された引出電極175から電気信号を読み取る必要があるが、筺体加工の制約から引出電極175の相互間距離は、一定以上の長さとする必要がある。
第16の実施形態で示したように回転錘の片側の固定部に全ての引出電極を設ける場合には、引出電極の形成に要する面積が増大するために、一定面積を維持するならば、回転錘172を小さくする必要があり、回転錘の慣性モーメントが減少する要因となる。
そこで、本実施形態では、4つの引出電極175のうちの2つを、固定部174の回転錘172を挟んだ逆側にまで引き出して設けることで、引出電極の形成に要する面積を抑制し、回転錘172の大きな慣性モーメントを確保し、ひいては角加速度検出感度の減少を抑制することができる。
図24は、検出部の他の構成について説明する図である。
この検出部は、4つのピエゾ抵抗186A〜186Dによりブリッジ回路を構成する。ピエゾ抵抗186A,186Bは、支持梁183の上面の中立面よりもX軸負方向に、Y軸と平行に配置される。ピエゾ抵抗186C,186Dは、支持梁183の上面の中立面よりもX軸正方向にY軸と平行に配置される。
このようにピエゾ抵抗186A〜186Dを配置しても、支持梁183の中立面を境に反対側に設けたピエゾ抵抗同士を直列に接続し、2組の直列回路を定電圧源あるいは定電流源に並列接続することで、支持梁183の応力によりブリッジ出力端子の電位が互いに逆極性で変わるように配線して、その電位差を電圧変動として計測することができる。
《第18の実施形態》
図25は、第18の実施形態に係る角加速度検出素子191の構成を説明する図である。本実施形態の角加速度検出素子191は、第2の実施形態と同様に、X軸回りの角加速度を検出する構成である。
この構成では、4つのピエゾ抵抗196A〜196Dによりブリッジ回路を構成する。ピエゾ抵抗196A,196Bは、支持梁193の下面に配置される。ピエゾ抵抗196C,196Dは、支持梁193の上面に配置される。
このようにピエゾ抵抗196A〜196Dを配置しても、支持梁193の中立面(X−Y面との平行面)を境に反対側に設けたピエゾ抵抗同士を直列に接続し、2組の直列回路を定電圧源あるいは定電流源に並列接続することで、支持梁193の応力によりブリッジ出力端子の電位が互いに逆極性で変わるように配線して、その電位差を電圧変動として計測することができる。
以上に説明した各実施形態のように、本発明は様々な形態で実施でき、少なくとも回転錘の重心が支持梁に重なる構成、または、支持梁の中立面に重なる構成とすることにより、本発明は好適に実施できる。
1…角加速度検出素子
2…回転錘
3…支持梁
4…固定部
5…検出部
73A,102A,102B…突起部

Claims (11)

  1. 所定の検出軸回りの角加速度による慣性力の作用で前記検出軸回りに回転する回転錘と、
    前記回転錘から離間する位置に設けられた固定部と、
    前記検出軸に対する直交面における前記固定部と前記回転錘との間に設けられ、前記固定部に対して前記回転錘を弾性支持する支持梁と、
    前記支持梁に発生した応力に応じた検出信号を出力する検出部と、を備え、
    前記検出軸方向から視た前記回転錘の重心位置が前記支持梁に重なるものである、角加速度検出素子。
  2. 所定の検出軸回りの角加速度による慣性力の作用で前記検出軸回りに回転する回転錘と、
    前記回転錘から離間する位置に設けられた固定部と、
    前記検出軸に対する直交面における前記固定部と前記回転錘との間に設けられ、前記固定部に対して前記回転錘を弾性支持する複数の支持梁と、
    前記複数の支持梁に発生した応力に応じた検出信号を出力する検出部と、を備え、
    前記検出軸方向から視た前記回転錘の重心位置が、前記検出軸回りでの前記回転錘の回転に伴って前記複数の支持梁に作用する応力の中立面に重なるものである、角加速度検出素子。
  3. 前記回転錘は、前記直交面に沿う長軸方向と短軸方向とを持つ形状で構成される、請求項1または2に記載の角加速度検出素子。
  4. 前記支持梁または前記複数の支持梁は、前記回転錘の長軸方向を長さ方向として構成される、請求項3に記載の角加速度検出素子。
  5. 前記固定部は、前記支持梁または前記複数の支持梁および前記回転錘を内装する開口を備える、請求項1〜4のいずれかに記載の角加速度検出素子。
  6. 前記検出部は、前記支持梁または前記複数の支持梁に作用する応力に応じた検出信号を出力する素子を四辺に設けたブリッジ回路を備え、前記ブリッジ回路の隣接する辺の素子が前記支持梁または前記複数の支持梁の中立面に対して異なる側に設けられる、請求項1〜5のいずれかに記載の角加速度検出素子。
  7. 前記検出部は、前記支持梁または前記複数の支持梁に作用する応力に応じて抵抗値が変化する抵抗素子で構成される、請求項1〜6のいずれかに記載の角加速度検出素子。
  8. 前記支持梁または前記複数の支持梁と前記固定部と前記回転錘とは、同一の薄板状部材から加工形成される、請求項1〜7のいずれかに記載の角加速度検出素子。
  9. 前記薄板状部材が半導体ウェハで構成される、請求項8に記載の角加速度検出素子。
  10. 前記回転錘の前記検出軸は、前記薄板状部材の厚み方向に構成される、請求項8または9に記載の角加速度検出素子。
  11. 前記支持梁または前記複数の支持梁は、前記薄板状部材の厚み方向に前記回転錘よりも突出する突起部を備える、請求項10に記載の角加速度検出素子。
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