JP5616082B2 - セラミックス被覆材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、セラミックス被覆材の製造方法に係り、特に、物理気相蒸着(Physical Vapor Deposition;PVD)により成膜されたセラミックス被覆鋼の改良に好適な製造方法に関する。
化学気相蒸着(Chemical Vapor Deposition;CVD)やPVDにより鋼基材表面をセラミックス薄膜で被覆し、鋼基材の高機能化を図る表面改質技術が注目されており、切削工具をはじめとする幅広い分野で利用されている。CVDは、均一な成膜が可能、多層コーティングが容易、拡散層の形成により高い密着強度が得られるなど多くの長所を有するが、通常、800℃以上の高い成膜温度が必要とされ、成膜時に鋼基材の軟化が生じるという問題がある。一方、PVDでは、CVDに比べ低温での成膜が可能であるが、焼戻し温度が150℃〜200℃程度の工具鋼や軸受鋼では、PVDであっても基材の軟化や強度低下を引き起こすことが想定される。
このような状況に鑑みて、本発明者は、鋼基材の焼入れ処理後に成膜を行うという従来の手順に対して、窒化チタン(以下、TiNとする)の成膜後に鋼基材の焼入れ処理を行う手法を非特許文献1、非特許文献2に開示している。この手法は、非特許文献1に開示されるように、成膜後焼入れ処理により、成膜温度と鋼基材の焼戻し温度の大小関係から生じる成膜方法と鋼種の組み合わせに関する制限を緩和し、さらに、セラミックス被覆鋼の高性能化を図るものである。
例えば、非特許文献1では、成膜後焼入れ処理により、TiN薄膜と鋼基材との密着強度が大幅に向上することを開示している。また、非特許文献2では、成膜後焼入れ処理されたTiN被覆鋼は、密着強度が向上するだけでなく、耐摩耗性の向上、摩擦過程におけるTiN薄膜のはく離発生寿命の向上、摩擦係数の低下など、種々の特性が向上することを開示している。
田邉裕貴、外5名,「TiN薄膜の機械的特性に及ぼす成膜後基板焼入れ処理の影響」,日本機械学会論文集(A編),社団法人日本機械学会,平成17年1月,第71巻,第701号,p95‐101 田邉裕貴、外3名,「TiN薄膜の摩擦摩耗特性に及ぼす成膜後基板焼入れ処理の影響」,日本機械学会論文集(A編),社団法人日本機械学会,平成18年4月,第72巻,第716号,p208‐213
上記のように、非特許文献1、2に開示された手法によれば、TiN被覆鋼について密着強度や耐摩耗性等の特性が大幅に向上する。しかしながら、各非特許文献の開示内容からは、TiN以外のセラミックス薄膜についても同様の効果が得られるかどうかは想定できない。また、各非特許文献の開示内容は、TiNの成膜工程と鋼基材の焼入れ処理工程との順序を変更したものであるところ、セラミックス被覆鋼を含むセラミックス被覆材のさらなる高機能化を実現できるのか、そして、さらなる高性能化を実現するための因子が何であるかは未だ明らかになっていない。
本発明の目的は、セラミックス被覆材のさらなる高機能化を実現することが可能なセラミックス被覆材の製造方法を提供することである。特に、セラミックス薄膜と基材との密着強度、及びセラミックス薄膜の耐摩耗性が良好であるセラミックス被覆材の製造方法を提供することである。
本発明に係るセラミックス被覆材の製造方法は、基材上に窒化チタンアルミニウム又は窒化クロムのセラミックス薄膜が成膜されたセラミックス被覆材の製造方法において、セラミックス薄膜を基材上に成膜する成膜工程と、セラミックス薄膜が成膜された基材を少なくとも760℃を超える高温で加熱処理する加熱処理工程と、を有することを特徴とする。
このように、窒化チタンアルミニウム又は窒化クロムの成膜工程後に、少なくとも760℃を超える高温で加熱処理する加熱処理工程を有することによって、得られたセラミックス被覆鋼は、例えば、密着強度の向上、耐摩耗性の向上、摩擦係数の低下など、種々の特性が総合的に向上する。
また、窒化チタンアルミニウム被覆材の製造において、加熱処理工程の加熱処理温度は、760℃〜1060℃であることが好ましく、860℃〜1060℃であることがより好ましく、960℃〜1060℃であることが特に好ましい。
また、窒化クロム被覆材の製造において、加熱処理工程の加熱処理温度は、760℃〜1060℃であることが好ましく、760℃〜960℃であることがより好ましく、860℃ないし860℃±50℃であることが特に好ましい。
上記のような加熱処理温度とすれば、密着強度、耐摩耗性、摩擦係数等の特性について、さらなる高機能化を実現することができる。本発明者は、鋼基材を用いた検討を通して、成膜後焼入れ処理による効果の大部分は、加熱過程にて出現するとの仮説を立て、鋼基材の焼入れ温度に拘束されず加熱処理温度について鋭意検討した結果、加熱処理温度を高温化した場合、特に、窒化チタンアルミニウム被覆材の製造では、加熱処理温度を960℃〜1060℃、窒化クロム被覆材の製造では、加熱処理温度を860℃ないし860℃±50℃とすることにより、セラミックス被覆材のさらなる高機能化が実現できることを初めて見出した。
本発明に係る窒化チタンのセラミックス薄膜が成膜されたセラミックス被覆材の製造方法は、セラミックス薄膜を熱処理前の基材上に成膜する成膜工程と、セラミックス薄膜が成膜された基材を860℃〜960℃で加熱処理する加熱処理工程と、を有することを特徴とする。また、窒化チタン被覆材の製造における加熱処理温度は、960℃ないし960℃±50℃であることが特に好ましい。
このような加熱処理温度とすれば、窒化チタン被覆材についても、密着強度、耐摩耗性、摩擦係数等の特性をさらに高めることが可能である。
また、基材としては、鋼基材を用いることができる。鋼基材を用いた場合、加熱処理された鋼基材を急冷した後、該鋼基材を焼戻し処理する工程を有することが好ましい。
本発明に係るセラミックス被覆鋼の製造方法によれば、セラミックスの成膜後、セラミックスの種類に応じた適切な温度範囲で加熱処理することにより、密着強度、耐摩耗性、摩擦係数等の複数の特性について、さらなる高機能化を実現することができる。したがって、本発明に係る製造方法により製造されたセラミックス被覆材、特に、セラミックス被覆鋼は、機械要素(例えば、摺動部品、軸受、歯車、カム等)、切削工具、金型などに好適であって、適用された製品の長寿命化、高速化・高効率化を実現することができる。また、本発明に係る製造方法は、簡便且つ安価な方法であり、既存設備を利用して容易に実施することが可能である。
本発明に係る実施の形態におけるセラミックス被覆鋼の製造方法の概念を示す図である。 各セラミックス薄膜が成膜されたセラミックス被覆鋼において、各加熱処理温度に対するセラミックス薄膜と鋼基材との密着強度を示す図である。 各セラミックス薄膜が成膜されたセラミックス被覆鋼において、各加熱処理温度に対するセラミックス薄膜の膜硬さを示す図である。 各セラミックス薄膜が成膜されたセラミックス被覆鋼において、各加熱処理温度に対するセラミックス薄膜の耐摩耗性を示す図である。 成膜後に標準焼入れ温度で焼入れ処理された窒化チタン被覆鋼において、深さ方向に対する元素分布を示す参考図である。 加熱処理温度がそれぞれ異なる窒化チタン被覆鋼において、摺動距離の増加に伴う摩擦係数の変化を示す図である。 加熱処理温度がそれぞれ異なる窒化チタンアルミニウム被覆鋼において、摺動距離の増加に伴う摩擦係数の変化を示す図である。 加熱処理温度がそれぞれ異なる窒化クロム被覆鋼において、摺動距離の増加に伴う摩擦係数の変化を示す図である。
図面を用いて、本発明に係るセラミックス被覆材の製造方法の実施形態につき、以下詳細に説明する。なお、以下では、セラミック薄膜が被覆される基材として、鋼基材を例に挙げて説明するが、基材としては、加熱処理工程の加熱温度に耐える基材であれば種々の基板を用いることができ、例えば、鉄、シリコン、チタン等の金属又は合金からなる基材、カーボン基材、鋼基材(ステンレス鋼や高張力鋼も含む)などを用いることができる。図1は、本発明の実施形態であるセラミックス被覆鋼の製造方法の概念図であり、図2〜図4は、図1に示す製造方法によって製造されたセラミックス被覆鋼の特性を示す図である。
セラミックス薄膜が成膜される鋼基材の鋼としては、組成分類すると、炭素鋼(普通鋼)、合金鋼(特殊鋼)、ニッケルクロム鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼、クロム鋼、クロムモリブデン鋼、マンガン鋼などが挙げられる。なお、日本工業標準(JIS)では、一般構造用鋼、自動車用鋼板、配管用鋼管、油井用鋼管、刃物鋼、工具鋼(炭素工具鋼等)、軸受鋼などのように用途分類されている。
本製造方法は、通常焼入れや焼戻し等の熱処理がなされて、硬さ等の特性が向上する鋼種を使用することが好ましく、特に、焼戻し温度が比較的低温である工具鋼や軸受鋼において好適に利用される。なお、以下では、鋼基材として、炭素工具鋼(SK105)から構成される基材を例に挙げて説明する。SK105は、炭素含量が1.0〜1.1%、標準焼入れ温度が750〜810℃、標準焼戻し温度が150〜200℃である(JIS G4401)。
鋼基材としては、目的とする製品形態に応じて種々の形態の基材を用いることができる。以下では、一例として、SK105の基材を用いて説明する。より具体的には、基材の寸法は、40mm×18mm×5mmであって、基材表面(40mm×18mmの表面)は、耐水エメリー紙(♯2000)で研磨して算術平均粗さRaを約0.05μmとしたものを用い、該基材表面に後述の成膜工程10でセラミックス薄膜を成膜した。
鋼基材の表面に成膜されるセラミックスは、窒化チタン(TiN)、窒化チタンアルミニウム(以下、TiAlNとする)、窒化クロム(以下、CrNとする)である。ここで、TiNは、高硬度で耐摩耗性に優れ、工具鋼のコーティング膜に好適なセラミックスである。また、TiAlNは、TiNにAlを添加することにより、TiNよりも優れた耐酸化性、耐熱性を有するセラミックスであり、通常、3〜30重量%のAlが添加されたものである。さらに、CrNは、TiAlNと同等の耐熱性を有し、TiN、TiAlNよりも耐摩耗性に優れるという特性をもったセラミックスである。
図1(a)に示すように、本製造方法は、成膜工程10と、加熱処理工程11と、から構成される。本実施形態の製造方法では、詳しくは後述するように、成膜されるセラミックスの種類に応じて加熱処理工程11における加熱処理温度を変更することが重要である。また、図1(b)に示すように、急冷過程を有する加熱処理工程11の後に、焼戻し工程12を追加することもできる。
成膜工程10は、上記のセラミックス薄膜を、鋼基材の表面に形成する工程である。ここで、鋼基材としては、焼入れ処理、焼戻し処理、焼なまし処理等の熱処理がなされていないものを用いることができる。成膜工程10におけるセラミックス薄膜の成膜は、スパッタリング、イオンプレーティング、蒸着などのPVDにより実施できる。
例えば、反応性スパッタリングによる成膜は、次のような条件にて実施される。
<反応性スパッタリングによる成膜条件>
・装置:dcマグネトロンスパッタ装置(ヒラノ光音(株)社製)
・ターゲット:Ti円板(直径100mm、板厚7mm、純度99.99%、(株)高純度化学研究所社製)
・反応ガス、作動ガス:窒素(N)、アルゴン(Ar)
・成膜温度:約200℃
なお、ターゲットと鋼基材表面との距離は70mmとした。また、鋼基材表面の清浄化を図るためにアセトン溶液による超音波洗浄、スパッタ装置真空槽内でのスパッタクリーニング処理(DC power supply:800W, Bias voltage:-100V, Ar gas pressure:0.9Pa)を10分間ずつ行った後、TiNの成膜(DC power supply:800W, Bias voltage:-60V, Ar gas pressure:0.57Pa, N2gas pressure:0.23Pa)を実施し、成膜時間を制御することで、約2.5μmの厚みを有するTiN薄膜を得た。ここで、TiN薄膜の厚みは、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた断面観察により確認した。
反応性スパッタリングによるTiAlN、CrN薄膜の成膜についても、Ti金属のターゲットの代わりに、Ti−Al合金のターゲット、Cr金属のターゲットをそれぞれ用いることにより実施することができる。ここで、Ti−Al合金の種類(Al含有量)を変更することにより、TiAlNのAl含有量を調整することができる(アークイオンプレーティングについても同様)。また、アークイオンプレーディング(AIP法)によっても、約2.5μmのTiN、TiAlN、CrNの各セラミックス薄膜を鋼基材上に成膜することができる。
以下では、各セラミックス薄膜は、アークイオンプレーティング(マルチアークPVD装置:日新電機(株)社製、成膜温度:約400℃)により成膜されたものとして説明する。なお、各セラミックス薄膜の厚みは、約2.5μmに調整した。また、TiAlN薄膜のAl含有量は、20〜30重量%に調整した。
加熱処理工程11は、各セラミックス薄膜が成膜された鋼基材を加熱処理する工程である。上記のように、セラミックスの種類に応じて加熱処理温度を変更することが重要であり、加熱処理温度によって、密着強度、耐摩耗性、摩擦係数等の特性が大きく変化する。最適な加熱処理温度としては、CrNが最も低く、TiN及びTiAlNは、CrNよりも高温で加熱処理することが好ましい。
具体的に、TiN被覆鋼の製造における加熱処理温度は、860℃〜960℃の温度範囲であることが好ましく、960℃ないし960℃±50℃であることが特に好ましい。この温度は、TiNが被覆されたSK105の標準焼入れ温度よりも高温であって、このような高温領域で加熱処理することにより、密着強度や耐摩耗性等の特性が特に良好なものとなる。一方、加熱処理温度が高すぎる(1060℃)と、密着強度や耐摩耗性等の特性が低下するため、960℃を最高温度として加熱処理する必要がある。
また、TiAlN被覆鋼の製造における加熱処理温度は、鋼基材自体の特性を高めるために、少なくとも鋼基材の焼入れ温度、即ち、750℃〜810℃(SK105の標準焼入れ温度)以上の高温であることが好ましい。より具体的には、760℃〜1060℃であることが好ましく、さらに好ましくは860℃〜1060℃、特に好ましくは960℃〜1060℃である。詳しくは後述するように、加熱処理温度が960℃〜1060℃の高温領域では、密着強度や耐摩耗性の特性がTiN被覆鋼を上回って、特に良好なものとなる。
また、CrN被覆鋼の製造における加熱処理温度は、鋼基材自体の特性を高めるために、少なくとも鋼基材の焼入れ温度、即ち、750℃〜810℃(SK105の標準焼入れ温度)よりも高温とされる。セラミックス薄膜と基材との密着強度を向上させるためには、加熱処理温度が、760℃〜1060℃であることが好ましく、さらに好ましくは860℃〜1060℃である(図2参照)。但し、良好な密着強度を維持しながら耐摩耗性を向上させるためには、760℃〜1060℃であることが好ましく、760℃〜960℃であることがより好ましく、860℃ないし860℃±50℃であることが特に好ましい。
加熱処理工程11における成膜された鋼基材の加熱処理は、例えば、電気炉(TLG−40:(株)サーマル社製)を用いて実施することができる。具体的に、成膜された鋼基材は、加熱処理温度に設定された電気炉に入れられて加熱処理される。なお、加熱処理工程11は、鋼基材の酸化を抑制するために、大気圧下、N等の不活性ガス気流下で実施することが好ましい。
加熱処理後の冷却方法としては、図1(a)に示すように、緩やかな冷却、例えば、不活性ガス気流下において自然冷却する方法が挙げられる。また、図1(b)に示すように、冷却媒体を用いて急冷することもできる。加熱処理後の冷却方法の違いによって、セラミックス被覆鋼の特性が変化し、例えば、急冷したときには、通常、鋼基材の硬さが向上する。ここで、冷却媒体としては、例えば、熱処理油(ユニクエンチCQV20S、新日本石油(株)社製)を用いることができる。
加熱処理時間としては、密着強度や耐摩耗性の向上の観点から、少なくとも10分以上であることが好ましく、より具体的には、10〜60分であることが好ましく、10〜20分であることが特に好ましい。鋼基材のサイズ等によっても好ましい加熱処理時間は変化するが、概ね、このような加熱処理時間とすれば、密着強度等の特性を十分に向上できると共に、工程時間を短くすることができる。
図1(b)に示すように、加熱処理後に急冷したときには、焼戻し工程12を追加することが好ましい。焼戻し温度としては、SK105の一般的な焼戻し温度である150℃〜200℃とすることが好ましい。また、焼戻し処理時間としては、例えば、90分とすることができる。
上記のような加熱処理工程11を経て得られたセラミックス被覆鋼では、セラミックス薄膜と鋼基材との密着強度が大幅に向上する。これは、加熱処理の効果により、セラミックス薄膜−鋼基材間の界面に拡散層が形成されたためであると想定される。参考例として、図5(a)に、成膜後に標準焼入れ温度で焼入れ処理したTiN被覆鋼(CQ材とする)のTiN表面から深さ方向(厚み方向)に対する元素分布を示す。なお、図5(b)は、焼入れ処理・焼戻し処理後に成膜したセラミックス被覆鋼(QC材とする)の元素分布を示している。図5に示す元素分布は、マーカス型高周波グロー放電発光表面分析装置(JY−5000RF:(株)堀場製作所社製)を用いて測定したものである。
図5に示すように、TiN薄膜と鋼基材との界面近傍において、CQ材における各元素の濃度分布の勾配は、QC材に比べて緩やかになっていることが解る。即ち、CQ材では、セラミックス薄膜−鋼基材間の界面において、拡散層の形成が促進されている。したがって、セラミックス薄膜の成膜後に、例えば、1060℃という高温で加熱処理されたTiAlN被覆鋼やCrN被覆鋼、960℃で加熱処理されたTiN被覆鋼は、図5(a)に示すCQ材よりも密着強度が向上していることから、さらに拡散層の形成が促進されていることが予想される。
本実施形態の製造方法によって製造された各セラミックス被覆鋼の特性について、図2〜図4、図6〜図8を用いて説明する。上記のように、図2は、各セラミックス薄膜と鋼基材との密着強度、図3は、各セラミックス薄膜の膜硬さ、図4は、各セラミックス薄膜の耐摩耗性を、それぞれ示す図であり、縦軸に特性値、横軸に加熱処理工程11の加熱処理温度をとる。また、図6〜図8は、各セラミックス薄膜の摺動距離の増加に伴う摩擦係数の変化を示す図である。
特性評価されるセラミックス被覆鋼(試料)としては、約2.5μmの各セラミックス薄膜が成膜されたものであり、製造条件は次の通りである。
<試料の製造条件>
・鋼基材:炭素工具鋼SK105
・成膜方法:AIP法(成膜温度:約400℃)
・加熱処理温度:0℃(加熱処理なし)〜1060℃
・加熱処理時間:20分
なお、加熱処理後、窒素気流下にて自然冷却し、急冷処理・焼入れ焼戻し処理は実施しないものとする。
図2に示す密着強度の特性値は、スクラッチ試験により測定した臨界荷重Lcを示すものである。同図に示すLcは、試料及び測定位置を変化させて得た10個の測定値の平均値であり、日本機械学会基準「ドライコーティング膜の欠陥評価試験法 JSME S 010」に準拠して、次のような条件により測定されたものである。
<スクラッチ試験の測定条件>
・試験機:CSR−01((株)レスカ社製)
・荷重負荷速度:39.2N/分
・試料移動速度:7mm/分
なお、臨界荷重Lcの値が大きい方がセラミックス薄膜と鋼基材との密着強度が高いことを意味する。
図2に示すように、いずれのセラミックス被覆鋼においても、概ね、加熱処理工程11における加熱処理温度が上昇すると密着強度は高くなる傾向を示す。但し、セラミックスの種類によって、密着強度に対する最適な加熱処理温度は異なる。
TiN被覆鋼の場合は、加熱処理温度が比較的低温のときから密着強度が向上し、860℃までは、TiAlN、CrN被覆鋼よりも高い値を示している。そして、860℃を超える温度で加熱処理すると密着強度が大きく向上し、960℃付近で加熱処理したときに最大の密着強度を示すようになり、960℃を超えると密着強度が低下する傾向にある。したがって、TiN被覆鋼の場合、密着強度を向上させるためには、加熱処理工程11の加熱処理温度が、860℃〜1060℃であることが好ましく、960℃ないし960℃±50℃であることがさらに好ましいといえる。
また、TiAlN被覆鋼の場合は、加熱処理温度が760℃を超える高温であるときに密着強度の向上が顕著である。具体的に、TiAlN被覆鋼は、960℃を超えると、TiN被覆鋼よりも密着強度が高くなり、加熱処理温度を1060℃まで上昇させると、さらに密着強度が向上する。したがって、TiAlN被覆鋼の場合、密着強度を向上させるためには、加熱処理工程11の加熱処理温度が、760℃を超える高温であることが好ましく、さらに好ましくは860℃〜1060℃、特に好ましくは960℃〜1060℃である。
また、CrN被覆鋼では、TiAlN被覆鋼と同様に、加熱処理温度が760℃を超える高温であるときに密着強度の向上が顕著である。具体的に、CrN被覆鋼は、960℃を超えると、TiN被覆鋼よりも密着強度が高くなり、加熱処理温度を1060℃まで上昇させると、さらに密着強度が向上する。したがって、CrN被覆鋼の場合、密着強度を向上させるためには、加熱処理工程11の加熱処理温度が、760℃を超える高温であることが好ましく、860℃〜1060℃であることがさらに好ましいといえる。
図3に示す硬さHは、超微小硬さ試験機(MZT−3、(株)アカシ社製)により測定した値である。なお、圧子の押込み深さは、膜厚の1/10である0.25μmに設定して測定を行った。
図3に示すように、いずれのセラミックス被覆鋼においても、加熱処理工程11における加熱処理温度が上昇すると、膜硬さが低下する傾向にある。しかし、1060℃で加熱処理した場合であっても、15GPa程度の膜硬さ(TiN被覆鋼)が得られており、セラミックス薄膜を被覆しない鋼基材に比べるとその硬さは大幅に向上している。故に、本製造方法により製造されたセラミックス被覆鋼は、密着強度や耐摩耗性が大幅に向上するという長所を活かして、十分な利用価値が見込まれる。
図4に示す耐摩耗性の特性値は、ボールオンディスク式摩擦摩耗試験(摩擦摩耗試験機FPR−2000:(株)レスカ社製)を行った後、セラミックス薄膜表面の粗さを測定(表面粗さ測定機SV−9734−3D:(株)ミツトヨ社製)して得た比摩耗量Sを示すものである。なお、ボールオンディスク式摩擦摩耗試験の条件は、セラミックス薄膜の種類に応じて適切な条件に設定した。
図4に示すように、いずれのセラミックス被覆鋼においても、概ね、加熱処理工程11における加熱処理温度が760℃ないし860℃まで上昇すると、比摩耗量Sが減少して耐摩耗性が高くなる傾向を示すが、セラミックス薄膜の種類によって、耐摩耗性に対する最適な加熱処理温度は異なる。なお、CrN被覆鋼は、加熱処理を行わない場合(20℃(室温))であっても、TiN、TiAlN被覆鋼を加熱処理したものと同等の優れた耐摩耗性を示すが、加熱処理を行うことによって、さらに耐摩耗性が向上する。
TiN被覆鋼では、加熱処理温度が860℃までは、TiAlN被覆鋼よりも優れた耐摩耗性を示している。加熱処理温度が860℃を超えてから960℃まで耐摩耗性が向上するが、960℃を超えると耐摩耗性が低下する傾向にある。したがって、TiN被覆鋼の場合、耐摩耗性を向上させるためには、加熱処理工程11の加熱処理温度が、860℃〜1060℃であることが好ましく、960℃ないし960℃±50℃であることがさらに好ましいといえる。なお、この温度範囲は、セラミックス薄膜と鋼基材との密着強度向上の観点からも好ましい。
また、TiAlN被覆鋼では、加熱処理工程11における加熱処理温度が、760℃、特に860℃を超える高温領域において、耐摩耗性の向上が顕著である。一方、加熱処理温度が1060℃を超えると、耐摩耗性が逆に低下する傾向となる。したがって、TiAlN被覆鋼の場合、耐摩耗性を向上させるためには、加熱処理工程11の加熱処理温度が、760℃を超える高温であることが好ましく、さらに好ましくは860℃〜1060℃、特に好ましくは960℃〜1060℃である。なお、この温度範囲は、セラミックス薄膜と鋼基材との密着強度向上の観点からも好ましい。
また、CrN被覆鋼では、TiAlN被覆鋼と同様に、加熱処理温度が760℃を超える高温であるときに耐摩耗性の向上が顕著である。一方、加熱処理温度が860℃を超えると、耐摩耗性が逆に低下する傾向となる。したがって、CrN被覆鋼の場合、耐摩耗性を向上させるためには、加熱処理工程11の加熱処理温度が、760℃〜1060℃であることが好ましく、760℃〜960℃であることがより好ましく、860℃ないし860℃±50℃であることが特に好ましい。なお、この温度範囲は、密着強度を考慮するとやや低温であるが、例えば、860℃で加熱処理した場合でも実用(例えば、軸受け等)において特に問題のない密着強度レベルが得られる。したがって、CrN被覆鋼では、耐摩耗性の向上をより重視して、当該温度範囲で加熱処理することが好ましい。
図6〜図8に示す摺動距離の増加に伴う摩擦係数の変化のデータは、ボールオンディスク式摩擦摩耗試験(摩擦摩耗試験機FPR−2000:(株)レスカ社製)を、長時間にわたって実施し経時的に摩擦係数を測定して得られたものである。具体的には、回転中心からずらした地点において、セラミックス薄膜に所定荷重でボールを押付け、その状態でステージを回転させることにより測定した。即ち、ボールとセラミックス薄膜の間に生じる摩擦力により、ボールが回転方向に引っ張られるので、この力を荷重センサで検出して、印加した荷重で割ることで摩擦係数を算出することができる。
本評価は、耐摩耗性に関する耐久性評価と言うことができる。摩擦係数が摺動距離の増加により変化(増加)し難いサンプルは、加熱処理工程11でセラミックス薄膜の表面に形成される酸化物層の厚さが厚いと想定され、優れた耐摩耗性を長期間維持できるものである。なお、図6〜図8に示す摩擦係数が急増する摺動距離、即ち、耐摩耗性に関する耐久性は、加熱処理工程11の加熱処理温度によって明確に異なる。
図6に示すように、TiN被覆鋼では、初期の摩擦係数は加熱処理温度によらずほぼ一定であるが、摩擦係数が急増する摺動距離は、加熱処理温度によって大きく異なる。例えば、460℃程度で加熱処理した場合でも、加熱処理を行っていないものに比べて、摩擦係数が急増する摺動距離が大きくのび、加熱処理により耐摩耗性に関する耐久性が向上することが図6から良く理解できる。なお、860℃〜60℃で加熱処理すると、耐久性の向上が特に顕著である。即ち、TiN被覆鋼の場合、耐摩耗性を向上させるためには、加熱処理工程11の加熱処理温度が、860℃〜960℃であることが好ましく、960℃ないし960℃±50℃であることがさらに好ましいといえる。なお、この温度範囲は、セラミックス薄膜と鋼基材との密着強度向上の観点からも好ましいものであって、図4に示す比摩耗量Sが顕著に向上する温度範囲と一致する。
図7に示すように、TiAlN被覆鋼では、TiN被覆鋼と同様に、初期の摩擦係数は加熱処理温度によらずほぼ一定であるが、摩擦係数が急増する摺動距離は、加熱処理温度によって大きく異なる。加熱処理温度が860℃〜1060℃である場合に、耐久性の向上が顕著であり、特に、960℃〜1060℃で加熱処理すると耐久性がより向上する。即ち、TiAlN被覆鋼の場合、耐久性を向上させるためには、加熱処理工程11の加熱処理温度が、860℃〜1060℃であることが好ましく、960℃〜1060℃であることが特に好ましい。なお、この温度範囲は、セラミックス薄膜と鋼基材との密着強度向上の観点からも好ましいものであって、図4に示す比摩耗量Sが顕著に向上する温度範囲と一致する。
図8に示すように、CrN被覆鋼では、TiN被覆鋼及びTiAlN被覆鋼と同様に、摩擦係数が急増する摺動距離は、加熱処理温度によって大きく異なる。例えば、摺動距離が10m程度のときには、加熱処理温度が760℃〜1060℃である場合に、耐久性を向上させる効果がある。特に、860℃で加熱処理すると耐久性が顕著に向上する。即ち、CrN被覆鋼の場合、耐久性を向上させるためには、加熱処理工程11の加熱処理温度が、760℃〜1060℃であることが好ましく、860℃ないし860℃±50℃であることが特に好ましい。なお、この温度範囲は、セラミックス薄膜と鋼基材との密着強度向上の観点からも概ね好ましいものであって、図4に示す比摩耗量Sが顕著に向上する温度範囲と一致する。
以上のように、本実施形態におけるセラミックス被覆鋼の製造方法によれば、TiN被覆鋼(炭素工具鋼SK105)の製造においては、成膜工程10の後に、860℃〜960℃、さらに好ましくは960℃ないし960℃±50℃で加熱処理する加熱処理工程11を有することにより、密着強度の向上、耐摩耗性の向上、摩擦係数の低減を実現することができる。
また、TiAlN(炭素工具鋼SK105)の製造においては、成膜工程10の後に、760℃〜1060℃、さらに好ましくは860℃〜1060℃、特に好ましくは960℃〜1060℃で加熱処理する加熱処理工程11を有することにより、優れた特性(密着強度の向上、耐摩耗性の向上、摩擦係数の低減)を得ることができる。
また、CrN被覆鋼(炭素工具鋼SK105)の製造においては、成膜工程10の後に、760℃〜1060℃、さらに好ましくは760℃〜960℃、特に好ましくは860℃ないし860℃±50℃で加熱処理する加熱処理工程11を有することにより、優れた特性(密着強度の向上、耐摩耗性の向上、摩擦係数の低減)を得ることができる。
このような特性を有するセラミックス被覆鋼は、例えば、摺動部品、切削工具、軸受、金型などに好適に利用することができ、各種製品の長寿命化、高速化・高効率化を可能にする。
10 成膜工程、11 加熱処理工程、12 焼戻し工程。

Claims (2)

  1. 基材上に窒化チタンアルミニウムが成膜されたセラミックス被覆材の製造方法において、
    窒化チタンアルミニウムを基材上に成膜する成膜工程と、
    窒化チタンアルミニウムが成膜された基材を960℃〜1060℃の温度で加熱処理する加熱処理工程と、
    を有することを特徴とするセラミックス被覆材の製造方法。
  2. 請求項1に記載のセラミックス被覆材の製造方法において、
    基材は、鋼基材であり、
    加熱処理した鋼基材を急冷して、該鋼基材を焼戻し処理する工程を有することを特徴とするセラミックス被覆材の製造方法。
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