JP5611574B2 - 抵抗変化メモリ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、抵抗変化メモリ及びその製造方法に関する。
近年、次世代不揮発性半導体メモリとして、可変抵抗素子をメモリ素子とするReRAM(Resistive RAM)や、相変化素子をメモリ素子とするPCRAM(Phase change RAM)などの抵抗変化メモリが注目を集めている。
これらの抵抗変化メモリの特徴は、メモリセルアレイがクロスポイント型であり、三次元集積化により大きなメモリ容量を実現できると共に、DRAM並みの高速動作が可能であるという点にある。
このような抵抗変化メモリが実用化されると、例えば、ファイルメモリとしてのNANDフラッシュメモリとワークメモリとしてのDRAMとを、この抵抗変化メモリで置き換えることも可能である。
抵抗変化メモリを実用化するに当っては解決しなければならない課題もあり、その1つとして、抵抗変化メモリに用いられる材料(例えば、シリサイド)に関する問題がある。
特許文献1には、他の元素が添加されたニッケルシリサイドに関する技術が開示されている。
しかし、抵抗変化メモリの構造を考慮したシリサイドが用いられることが、望まれる。
特開2005−019943号公報
本発明は、抵抗変化メモリに用いられる素子特性の劣化を抑制する技術を提案する。
本発明の例に関わる抵抗変化メモリは、第1の方向に延在する第1の配線と、前記第1の方向に交差する第2の方向に延在する第2の配線と、前記第1の配線と前記第2の配線との交点に設けられ、第1及び第2の端部の少なくとも一方にシリサイド層を有する非オーミック素子と抵抗状態の可逆的な変化に応じてデータを記憶するメモリ素子とを含むセルユニットと、を具備し、前記シリサイド層は、Si元素とシリサイドを形成する少なくとも1種類の3d遷移金属元素と、前記3d遷移金属元素の原子半径より大きい原子半径を有する少なくとも1種類の添加元素とを含み、前記シリサイド層において、前記3d遷移金属元素が(M)で示され、前記添加元素が(D)で示され、前記Si元素が(Si)で示される場合、前記シリサイド層の組成式は、M 1−x Si (0<x≦0.30、0<y≦2)で表される
本発明の例に関わる抵抗変化メモリの製造方法は、基板上方に、非オーミック素子を形成するためのSi元素を含む半導体層を形成する工程と、前記Si元素を含む半導体層上に、3d遷移金属元素と前記3d遷移金属元素の原子半径より大きい原子半径を有する添加元素とを含む金属膜を形成する工程と、前記Si元素を含む半導体層と前記金属膜とに対して、500℃以上に加熱処理を施して、前記Si元素とシリサイドを形成する前記3d遷移金属元素と前記添加元素とを含むシリサイド層を、前記半導体層上に形成する工程と、前記非オーミック素子内に含まれる前記シリサイド層に接続されるように、抵抗状態の可逆的な変化に応じてデータを記憶するメモリ素子を形成する工程と、を具備し、前記シリサイド層において、前記3d遷移金属元素が(M)で示され、前記添加元素が(D)で示され、前記Si元素が(Si)で示される場合、前記シリサイド層の組成式は、M 1−x Si (0<x≦0.30、0<y≦2)で表される
本発明によれば、抵抗変化メモリに用いられる素子特性の劣化を抑制できる。
抵抗変化メモリを示す図。 抵抗変化メモリのメモリセルアレイの構成例を示す図。 本実施形態に係る抵抗変化メモリのセルユニットを示す図。 本実施形態のセルユニットが含むシリサイドの特性を説明するための図。 本実施形態のセルユニットが含むシリサイドの特性を説明するための図。 本実施形態のセルユニットが含むシリサイドの特性を説明するための図。 本実施形態のセルユニットが含むシリサイドの特性を説明するための図。 本実施形態のセルユニットが含むシリサイドの特性を説明するための図。 本実施形態のセルユニットが含むシリサイドの特性を説明するための図。 本実施形態のセルユニットが含むシリサイドの特性を説明するための図。 本実施形態のセルユニットが含むシリサイドの特性を説明するための図。 セルユニットの構成例を示す図。 メモリ素子と整流素子との接続関係を示す図。 第1及び第2制御回路のレイアウトを示す図。 第1及び第2制御回路のレイアウトを示す図。 第1及び第2制御回路のレイアウトを示す図。 セルユニットの構造例を示す図。 シリサイドの仕事関数を説明するための図。 実施形態に係る抵抗変化メモリの第1の製造方法の一工程を示す図。 実施形態に係る抵抗変化メモリの第1の製造方法の一工程を示す図。 実施形態に係る抵抗変化メモリの第1の製造方法の一工程を示す図。 実施形態に係る抵抗変化メモリの第1の製造方法の一工程を示す図。 実施形態に係る抵抗変化メモリの第1の製造方法の一工程を示す図。 実施形態に係る抵抗変化メモリの第1の製造方法の一工程を示す図。 実施形態に係る抵抗変化メモリの第1の製造方法の一工程を示す図。 実施形態に係る抵抗変化メモリの第1の製造方法の一工程を示す図。 実施形態に係る抵抗変化メモリの第2の製造方法の一工程を示す図。 実施形態に係る抵抗変化メモリの第2の製造方法の一工程を示す図。 実施形態に係る抵抗変化メモリの第2の製造方法の一工程を示す図。 実施形態に係る抵抗変化メモリの第3の製造方法の一工程を示す図。 実施形態に係る抵抗変化メモリの第3の製造方法の一工程を示す図。 実施形態に係る抵抗変化メモリの第3の製造方法の一工程を示す図。 実施形態に係る抵抗変化メモリの第4の製造方法の一工程を示す図。 実施形態に係る抵抗変化メモリの第4の製造方法の一工程を示す図。 実施形態に係る抵抗変化メモリの第5の製造方法の一工程を示す図。 実施形態に係る抵抗変化メモリの第5の製造方法の一工程を示す図。 抵抗変化メモリの動作を説明するための図。 実施形態の抵抗変化メモリの変形例を示す図。 実施形態の抵抗変化メモリの変形例を示す図。 実施形態の抵抗変化メモリの変形例を示す図。 応用例の構造を説明するための図。 応用例の製造方法を説明するための図。 応用例の構造を説明するための図。 応用例の構造を説明するための図。 応用例の構造を説明するための図。 応用例の製造方法を説明するための図。
以下、図面を参照しながら、本発明の例を実施するための形態について詳細に説明する。以下の説明において、同一の機能及び構成を有する要素については、同一符号を付し、重複する説明は必要に応じて行う。
本発明は、可変抵抗素子又は相変化素子をメモリ素子とする抵抗変化メモリを対象とする。
[実施形態]
<基本例>
(1) 構成
図1乃至図3を用いて、本発明の実施形態に係る抵抗変化メモリについて、説明する。
図1は、抵抗変化メモリの主要部を示している。
抵抗変化メモリ(例えば、チップ)1は、メモリセルアレイ2を有する。
メモリセルアレイ2の第1方向の一端に、第1の制御回路3が配置され、第1方向に交差する第2方向の一端には、第2の制御回路4が配置される。
第1制御回路3は、例えば、ロウアドレス信号に基づいて、メモリセルアレイ2のロウを選択する。また、第2制御回路4は、例えば、カラムアドレス信号に基づいてメモリセルアレイ2のカラムを選択する。
第1及び第2制御回路3,4は、メモリセルアレイ2内のメモリ素子に対するデータの書き込み、消去及び読み出しを制御する。
ここで、抵抗変化メモリ1においては、例えば、書き込みをセット、消去をリセットと称する。セット状態の抵抗値は、リセット状態の抵抗値と異なっていればよく、それより高いか又は低いかは重要ではない。
また、セット動作において、メモリ素子が取り得る複数の抵抗値のレベルうちの1つのレベルを選択的に書き込めるようにすることによって、1つのメモリ素子が多値データ(multi-level data)を記憶する多値抵抗変化メモリを実現することもできる。
コントローラ5は、制御信号及びデータを抵抗変化メモリ1に供給する。制御信号は、コマンド・インターフェイス回路6に入力され、データは、データ入出力バッファ7に入力される。また、コントローラ5はチップ1内に配置されていてもよいし、チップ1とは別のチップ(ホスト装置)内に配置されていてもよい。
コマンド・インターフェイス回路6は、制御信号に基づいて、コントローラ5からのデータがコマンドデータであるか否かを判断する。そのデータがコマンドデータである場合、そのデータをデータ入出力バッファ7からステートマシーン8に転送する。
ステートマシーン8は、コマンドデータに基づいて、抵抗変化メモリ1の動作を管理する。例えば、ステートマシーン8は、コントローラ5からのコマンドデータに基づいて、セット/リセット動作及び読み出し動作を管理する。コントローラ5は、ステートマシーン8が管理するステータス情報を受け取り、抵抗変化メモリ1での動作結果を判断することも可能である。
セット/リセット動作及び読み出し動作において、コントローラ5は、アドレス信号を抵抗変化メモリ1に供給する。アドレス信号は、アドレスバッファ9を経由して、第1及び第2制御回路3,4に入力される。
電位供給回路(パルスジェネレータ)10は、ステートマシーン8からの命令に基づき、例えば、セット/リセット動作及び読み出し動作に必要な電圧パルス又は電流パルスを所定のタイミングで出力する。
図2は、メモリセルアレイの構造を示す鳥瞰図である。図2に示されるメモリセルアレイは、クロスポイント型の構造を有している。
クロスポイント型メモリセルアレイ2は、基板11上に配置される。基板11は、半導体基板(例えば、シリコン基板)、又は、半導体基板上の層間絶縁膜である。なお、基板11が、層間絶縁膜である場合、クロスポイント型メモリセルアレイ2下方の半導体基板表面に、電界効果トランジスタ等を用いた回路が形成されていてもよい。
クロスポイント型メモリセルアレイ2は、例えば、複数のメモリセルアレイ(メモリセルレイヤーともよばれる)のスタック構造から構成される。
図2は、一例として、クロスポイント型メモリセルアレイ2が、第3方向(基板11の主平面に対して垂直な方向)にスタックされた4つのメモリセルアレイM1,M2,M3,M4から構成される場合を示している。スタックされるメモリセルアレイの数は、2つ以上であればよい。尚、クロスポイント型メモリセルアレイ2は、1つのメモリセルアレイから構成されてもよい。また、スタックされた2つのメモリセルアレイに絶縁膜が設けられ、その絶縁膜によって、2つのメモリセルアレイが、電気的に分離されていてもよい。
このように、複数のメモリセルアレイM1,M2,M3,M4がスタックされている場合、アドレス信号は、例えば、メモリセルアレイ選択信号、ロウアドレス信号及びカラムアドレス信号を含んでいる。第1及び第2制御回路3,4は、例えば、メモリセルアレイ選択信号に基づいて、スタックされた複数のメモリセルアレイのうちの1つを選択する。第1及び第2の制御回路3,4は、スタックされた複数のメモリセルアレイのうちの1つに対してデータの書き込み/消去/読み出しを行うこともできるし、スタックされた複数のメモリセルアレイのうちの2つ以上又は全てに対して同時にデータの書き込み/消去/読み出しを行うこともできる。
メモリセルアレイM1は、第1及び第2方向にアレイ状に配置された複数のセルユニットCU1から構成される。これと同様に、メモリセルアレイM2は、アレイ状に配置された複数のセルユニットCU2から構成され、メモリセルアレイM3は、アレイ状に配置された複数のセルユニットCU3から構成され、メモリセルアレイM4は、アレイ状に配置された複数のセルユニットCU4から構成される。
セルユニットCU1,CU2,CU3,CU4は、それぞれ、直列接続されるメモリ素子と非オーミック素子とから構成される。
また、基板11上には、基板11側から順に、配線L1(j−1),L1(j),L1(j+1)、配線L2(i−1),L2(i),L2(i+1)、配線L3(j−1),L3(j),L3(j+1)、配線L4(i−1),L4(i),L4(i+1)、配線L5(j−1),L5(j),L5(j+1)が配置される。
基板11側から奇数番目の配線、即ち、配線L1(j−1),L1(j),L1(j+1)、配線L3(j−1),L3(j),L3(j+1)及び配線L5(j−1),L5(j),L5(j+1)は、第2方向に延びる。
半導体基板11側から偶数番目の配線、即ち、配線L2(i−1),L2(i),L2(i+1)及び配線L4(i−1),L4(i),L4(i+1)は、第1方向に延びる。
これらの配線は、ワード線又はビット線として用いられる。ここで、第2方向に延びる配線L1(j−1),L1(j),L1(j+1),L3(j−1),L3(j),L3(j+1),L5(j−1),L5(j),L5(j+1)と第1方向に延びる配線L2(i−1),L2(i),L2(i+1),L4(i−1),L4(i),L4(i+1)は、それぞれ交差する。
最も下の第1番目のメモリセルアレイM1は、第1番目の配線L1(j−1),L1(j),L1(j+1)と第2番目の配線L2(i−1),L2(i),L2(i+1)との間に配置される。メモリセルアレイM1に対するセット/リセット動作及び読み出し動作において、配線L1(j−1),L1(j),L1(j+1)及び配線L2(i−1),L2(i),L2(i+1)の一方がワード線として用いられ、他方がビット線として用いられる。
メモリセルアレイM2は、第2番目の配線L2(i−1),L2(i),L2(i+1)と第3番目の配線L3(j−1),L3(j),L3(j+1)との間に配置される。メモリセルアレイM2に対するセット/リセット動作及び読み出し動作において、配線L2(i−1),L2(i),L2(i+1)及び配線L3(j−1),L3(j),L3(j+1)の一方がワード線として用いられ、他方がビット線として用いられる。
メモリセルアレイM3は、第3番目の配線L3(j−1),L3(j),L3(j+1)と第4番目の配線L4(i−1),L4(i),L4(i+1)との間に配置される。メモリセルアレイM3に対するセット/リセット動作及び読み出し動作において、配線L3(j−1),L3(j),L3(j+1)及び配線L4(i−1),L4(i),L4(i+1)の一方がワード線として用いられ、他方がビット線として用いられる。
メモリセルアレイM4は、第4番目の配線L4(i−1),L4(i),L4(i+1)と第5番目の配線L5(j−1),L5(j),L5(j+1)との間に配置される。メモリセルアレイM4に対するセット/リセット動作及び読み出し動作において、配線L4(i−1),L4(i),L4(i+1)及び配線L5(j−1),L5(j),L5(j+1)の一方がワード線として用いられ、他方がビット線として用いられる。
図3は、1つのセルユニットの構造を模式的に示す鳥瞰図である。
クロスポイント型メモリセルアレイ2では、選択されたメモリ素子のみに電流を流すために、2つの配線(ワード線−ビット線)間にメモリ素子20と非オーミック素子30とが直列に接続される。
図3のセルユニットCUにおいて、メモリ素子20は、非オーミック素子30上にスタックされている。但し、図3に示されるセルユニットCUの構造は、一例であって、非オーミック素子30が、メモリ素子20上に積層されてもよい。
クロスポイント型メモリセルアレイにおいて、メモリ素子20と非オーミック素子30とから構成される積層体が、1つのセルユニットCUとして、2つの配線60,65が交差する部分に配置される。積層方向(第3の方向)において、セルユニットCUが、2つの配線60,65に挟まれている。ここで、配線60,65は、図2の配線L1(j)と配線L2(i)、又は、配線L2(i)と配線L3(j)、又は、配線L3(j)と配線L4(i)など、連続して積層される2つの配線に相当する。
メモリ素子20は、可変抵抗素子又は相変化素子である。ここで、可変抵抗素子とは、電圧、電流、熱などのエネルギーにより抵抗値が変化する材料からなる素子のことであり、相変化素子とは、相変化により抵抗値やキャパシタンスなどの物性(インピーダンス)が変化する材料からなる素子のことである。
相変化(相転移)とは以下のものを含む。
・ 金属-半導体転移、金属-絶縁体転移、金属-金属転移、絶縁体-絶縁体転移、絶縁体-半導体転移、絶縁体-金属転移、半導体-半導体転移、半導体-金属転移、半導体-絶縁体転移
・ 量子状態の相変化(金属-超伝導体転移など)
・ 常磁性体-強磁性体転移、反強磁性体-強磁性体転移、強磁性体-強磁性体転移、フェリ磁性体-強磁性体転移、これらの転移の組み合わせからなる転移
・ 常誘電体-強誘電体転移、常誘電体-焦電体転移、常誘電体-圧電体転移、強誘電体-強誘電体転移、反強誘電体-強誘電体転移、これらの転移の組み合わせからなる転移
・ 以上の転移の組み合わせからなる転移
例えば、金属、絶縁体、半導体、強誘電体、常誘電体、焦電体、圧電体、強磁性体、フェリ磁性体、螺旋磁性体、常磁性体又は反強磁性体から、強誘電強磁性体への転移、及び、その逆の転移
この定義によれば、可変抵抗素子は、相変化素子を含むことになる。本発明の実施形態において、可変抵抗素子は、主として、金属酸化物(例えば、2元系又は3元系金属酸化物など)、金属化合物、カルコゲナイド材(例えば、Ge−Sb−Te、In−Sb−Teなど)、有機物薄膜、カーボン、カーボンナノチューブなどから構成される素子を意味するものとする。尚、MRAM(Magnetoresistive RAM)に用いられる磁気抵抗効果素子も、その素子を構成する2つの磁性層の磁化の相対的な向きが変化することによって、素子の抵抗値が変化する。本実施形態において、例えば、MTJ(Magnetic Tunnel Junction)素子のような、磁気抵抗効果素子も可変抵抗素子に含まれる。
メモリ素子20の抵抗値を変化させる方法として、バイポーラ動作とよばれる動作と、ユニポーラ動作とよばれる動作が存在する。バイポーラ動作は、メモリ素子20に印加される電圧の極性を変えることにより、メモリ素子20の抵抗値を少なくとも第1値(第1レベル)と第2値(第2レベル)との間で可逆変化させる。ユニポーラ動作は、メモリ素子に印加される電圧の極性を変えずに、電圧の大きさや印加時間又はその両方を制御することにより、メモリ素子の抵抗値を少なくとも第1値と第2値との間で可逆変化させる。
バイポーラ動作は、例えば、スピン注入型MRAMなどのように、書き込み時に、メモリ素子に対して双方向に電流が流れることが必要なメモリに採用される。
非オーミック素子30は、その入出力特性に、線形性を有さない、つまり、非オーミック特性を有する素子である。
非オーミック素子30には、例えば、PN接合ダイオード、PIN接合ダイオード、ショットキーダイオード或いはMIS(Metal-Insulator-Semiconductor)ダイオードなどの整流素子が、用いられる。PN接合ダイオードとは、P型半導体層(アノード層)とN型半導体層(カソード層)とがPN接合を形成するダイオードのことである。PINダイオードとは、P型半導体層(アノード層)とN型半導体層(カソード層)との間に真性半導体層(Intrinsic semiconductor layer)を有するダイオードのことである。ショットキーダイオードとは、半導体層と金属層とがショットキー接合を形成するダイオードのことである。MISダイオードとは、金属層と半導体層との間に絶縁層を有するダイオードのことである。
また、整流素子のほかに、SIS(Semiconductor-Insulator-Semiconductor)構造やMIM(Metal-Insulator-Metal)構造などの積層構造が、非オーミック素子30に用いられる。
ユニポーラ動作によって駆動する抵抗変化メモリでは、主に、ダイオードのような整流素子が非オーミック素子30として用いられる。バイポーラ動作によって駆動する抵抗変化メモリでは、主に、MIM構造やSIS構造が非オーミック素子30として用いられる。
本実施形態において、主に、ユニポーラ動作を用いた抵抗変化メモリについて説明する。但し、本発明の実施形態の抵抗変化メモリは、バイポーラ動作を用いたメモリでもよいのはもちろんである。
クロスポイント型メモリセルアレイを有する抵抗変化メモリ(以下、クロスポイント型抵抗変化メモリとよぶ)をユニポーラ動作によって駆動させる場合、セット/リセット動作及び読み出し動作を正確に行うために、非オーミック素子としての整流素子30には、順バイアスが印加されたときの電流(フォワード電流)が大きく、かつ、逆バイアスが印加されたときの電流(リバース電流)が小さく、絶縁耐圧が大きい、という特性が要求される。
図3に示されるように、本実施形態の抵抗変化メモリにおいて、セルユニットCUを構成している非オーミック素子30は、その積層方向(第3方向)の一端(上端)及び他端(下端)の少なくとも一方に、シリサイド層39を有する。
このシリサイド層(単にシリサイドともよぶ)39は、シリコン元素50、第1の原子半径r1を有する3d遷移金属元素51及び第2の原子半径r2を有する元素52を含む。尚、図3において、図示の簡単化のため、3種類の元素50,51,52がシリサイド層39内にランダムに配置されているように示されているが、3種類の元素50,51,52が、化学量論的組成比に基づいて化学的に結合し、1つの結晶粒又は1つの層を形成しているのは、もちろんである。
3d遷移金属元素51は、Si元素50とシリサイド層を形成する。
本実施形態において、3d遷移金属元素51とは、原子の3d軌道に安定な不対電子を持つことが可能な金属元素のことである。3d遷移金属元素として、例えば、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)が挙げられる。本実施形態において、3d遷移金属元素として挙げられたこれらの元素のグループのことを、3d遷移金属元素群(第1の元素群)とよぶ。
シリサイド層39に含まれる元素51は、3d遷移金属元素群の中から選択された少なくとも1種類の元素である。
元素52は、選択された3d遷移金属元素の原子半径r1より大きい原子半径r2を有する。原子半径r2を有する元素52は、Si元素と3d遷移金属元素とから形成されるシリサイドに対して、添加される元素であり、そのシリサイドに対して、異元素である。本実施形態において、元素52のことを、添加元素や異元素ともよぶ。
添加元素52としては、4d遷移金属元素、4f遷移金属元素、13族元素及び14族元素が挙げられる。
本実施形態において、4d遷移金属元素とは、原子の4d軌道に安定な不対電子を持つことが可能な金属元素のことである。
4d遷移金属元素として、例えば、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、テクネチウム(Tc)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、カドミウム(Cd)などが挙げられる。
本実施形態において、4f遷移金属元素とは、原子の4f軌道に安定な不対電子を持つことが可能な金属元素のことである。
4f遷移金属元素として、例えば、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プロセオジウム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、レニウム(Re)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、金(Au)などが、挙げられる。
13族元素として、インジウム(In)、タリウム(Tl)等が挙げられる。また、14族元素として、ゲルマニウム(Ge)、錫(Sn)、鉛(Pb)などが挙げられる。
3d遷移金属元素51として選択された元素より原子半径の大きい元素52のグループのことを、添加元素群(第2の元素群)とよぶ。シリサイド39に含まれる第2の元素52は、第2の元素群の中から少なくとも1種類、選択される。
添加元素52は、ここで例示された添加元素群に属する元素に限らず、添加元素52の原子半径r2が、3d遷移元素群から選択された1種類の3d遷移金属元素51の原子半径r1より大きければよい。また、3d遷移金属元素として選択された元素の原子半径r1より原子半径を有する元素であれば、3d遷移金属元素群に属する元素が、添加元素52に用いられてもよい。
尚、本実施形態において、元素の原子半径とは、選択された元素52及び元素間の結合状態に応じて、金属結合半径、イオン半径、共有結合半径のいずれかによって、規定されるものとする。ここでは、元素毎の原子半径についての詳細な説明は、省略する。一般的に、元素(原子)の原子半径は、同一の族の元素においては、元素周期表の原子番号が大きいものほど、原子半径が大きく、同一周期の元素においては、原子番号の小さいものほど、原子半径が大きくなる傾向がある。
添加元素52は、Si元素50と3d遷移金属元素51とから形成されるシリサイドの結晶構造において、主として、3d遷移金属元素51と格子置換して、シリサイド層39内に存在する。つまり、添加元素52を含むシリサイド層39は、添加元素52の添加によって、混晶となっている。
ただし、添加元素52は、それとSi元素50との化合物の結晶粒、それと3d遷移金属元素51との化合物の結晶粒、それと2つの元素50,51との化合物、又は、添加元素52単独の結晶粒として、シリサイド層39内に存在する場合もある。
3d遷移金属元素が“M”、3d族遷移金属元素より原子半径の大きい元素が“D”、シリコンが“Si”で示される場合、本実施形態の抵抗変化メモリが含むシリサイド39は、“M1−xSi”の化学式(組成式)で示される。ここで、“x”は0.01以上、0.99以下の範囲であり、“y”は1以上2以下の範囲である。
但し、3d遷移金属元素51とSi元素52とからなるシリサイドが、シリサイド39の主成分(ベース材)であることが好ましく、“x=x2”、“x1=1−x=1−x2”で示される場合、つまり、Mx1x2Siで示される場合、x1>x2の関係を有することが好ましい。
より具体的には、Si元素と3d遷移金属元素(M)とからなるシリサイド(ベース材)に対する添加元素Nの添加量(元素Mに対する元素Nの比率)は、30atomic%以下であることが好ましい。つまり、本実施形態のシリサイドの組成式中の“x”の値は、0.3以下であることが好ましい。
これは、以下の理由に基づく。元素“D(52)”が過剰に添加されると、添加元素を含む化合物も、シリサイド層39内で過剰に生成される可能性がある。過剰に形成された化合物によって、シリサイド層39の結晶相が乱雑になったり、相分離が引き起こされたりする。これに起因して、所定の特性を有するシリサイド層が形成されず、シリサイド層39の品質が大きく劣化してしまうのを、防止するためである。
また、添加元素52は、3d遷移金属元素51より1周期以上離れた元素であることが好ましい。例えば、TiやNiが3d遷移金属元素51として選択された場合、PdやPtが添加元素52として用いられることが好ましい。
これは、上述又は組成式で示されるように、添加された元素“D(52)”は、シリサイドの結晶構造において、3d遷移金属元素と格子置換し、シリサイド層39は混晶となっている。それゆえ、添加された元素52とSi元素50とから形成される化合物(例えば、シリサイド)の結晶構造や、添加元素52を含む化合物の結晶構造が、Si元素50と3d遷移金属元素51とから形成されるシリサイドの結晶構造と近似した構造であることが好ましいためである。
例えば、NiSiのように、MnP構造の結晶構造を有する場合、Siと添加元素とから形成されるシリサイドの結晶構造がMnP構造と近似した結晶構造をとり得る元素(例えば、Pt、Pd)が、ベース材となるシリサイドに添加される元素52として選択されることが好ましい。
このように、異元素52の添加によるシリサイド層の組成や結晶構造の変化を考慮することによって、異元素52の添加が悪影響を引き起こすことを、防止する。
本発明の実施形態に係る抵抗変化メモリにおいて、図3に示されるように、Si元素50とシリサイドを形成する3d遷移金属元素51とその元素51の原子半径r1より大きい原子半径r2の元素52とを含むシリサイド層39が、抵抗変化メモリを構成している非オーミック素子(例えば、整流素子)の一端及び他端の少なくとも一方に設けられている。
このシリサイド層39は、あるシリサイドに異元素52が添加されることによって、高い耐熱性を有し、且つ、シリサイド層39と他の部材との接合部における特性劣化を低減する。
したがって、本発明の実施形態の抵抗変化メモリによれば、抵抗変化メモリを構成する素子の特性、例えば、ダイオードの順バイアス/逆バイアス特性を、向上できる。
(2) シリサイドの特性
図4乃至図8Bを用いて、本発明の実施形態の抵抗変化メモリが含んでいるシリサイドの特性について、説明する。
図4は、本実施形態の抵抗変化メモリが含んでいるシリサイドにおいて、シリサイドに対する加熱処理温度とシリサイドの電気抵抗との関係を示すグラフである。図4において、横軸に加熱温度(図4中では、「A」で表示,単位:℃)が示され、縦軸に電気抵抗(図4中では、「B」で表示)が示されている。図4において、電気抵抗は、シート抵抗(単位:Ω/□)で示されている。
図4には、パラジウム(Pd)が添加されたシリサイドと白金(Pt)が添加されたシリサイドの特性が示されている。ベース材となるシリサイドは、ニッケルシリサイド(NiSi(0<y≦2))である。この場合、図3において、Niが3d遷移金属元素51に相当し、Pd又はPtが添加元素52に相当する。Pd又はPtを含むNiSiは、BドープSiGe上に形成されている。ここで、シリサイドに対する加熱処理は、RTA(Rapid Thermal Annealing)法によって、実行されている。
図4において、Pdの濃度は8atomic%、15atomic%及び30atomic%であり、Ptの濃度は、8atomic%及び15atomic%である。
本実施形態において、Pd及びPtの濃度(原子パーセント)は、Niに対するPd(又はPt)の比率で規定されている。本実施形態において、この比率を、原子パーセントで示し、atomic%又はat.%で表記する。例えば、Pdの濃度が8atomic%である場合、Pdを含むNiSiは、Ni0.92Pd0.08Si(0<y≦2)で示される。
図4に示されるように、500℃から700℃の加熱処理温度において、Pdを添加したNiSi及びPtを添加したNiSiのシート抵抗値は、大きな抵抗値の変化無しに、10Ω/□から30Ω/□の範囲内の値をそれぞれ示している。
シリサイド層内における金属の凝集やシリサイド層の相分離が生じると、そのシリサイド層の電気抵抗(シート抵抗)は、高くなる。
それゆえ、Pd又はPtが添加されたNiSiは、500℃〜700℃の加熱処理を施しても、シリサイド層内における金属元素(Ni、Pd及びPt)の凝集(アグロメ)の発生、シリサイドの相分離、或いは、シリサイド層の結晶性の劣化が生じないことが、図4の実験結果より示される。
特に、Pdが8atomic%及びPdが15atomic%添加されたNiSiの電気抵抗は、750℃の加熱処理を施しても、500℃〜700℃の加熱温度における抵抗値と同じレベルを維持している。
尚、Pdを添加したNiSiにおいて、350℃程度の加熱処理を施したシート抵抗に比較して、500℃〜700℃の加熱処理を施したシート抵抗が低くなっている。これは、加熱処理によるシリサイドの結晶性の改善、または、金属(Ni、Pd)元素とSi元素との化学反応が、500℃〜700℃の温度範囲で最適化される結果として、Ni、Pd及びSiからなるシリサイドの組成比が、より理想的な化学量論的組成比に近づくため、と考えられる。
一方、Ptを添加したNiSiの抵抗値は、350℃〜700℃の範囲で、大きな変化は生じていない。このことから、Ptを含むNiSiのシリサイド化のための反応温度(以下、シリサイド反応温度ともよぶ)は、Pdを含むNiSiのシリサイド反応温度より低い、と考えられる。
図5A及び図5Bは、本実施形態の抵抗変化メモリが含むシリサイドにおいて、シリサイドに添加された元素(異元素)の濃度に対するシリサイドの電気抵抗の変化を示している。図5A及び図5Bにおいて、横軸は添加された元素の濃度(図5A及び図5B中では、「A」で表示)を示し、縦軸は電気抵抗(ここでは、シート抵抗)(図5A及び図5B中では、「B」で表示)を示している。添加された元素の濃度の単位は、at.%(atomic%)である。
図5A及び図5Bは、図4に示される例と同様に、NiSiにPd又はPtが添加された場合について、示している。尚、図4と同様に、各シリサイド層は、BドープSiGe上に形成されている。
図5Aは、Pd又はPtが添加されたNiSiに対して700℃の加熱処理が施された場合を示し、図5Bは、Pd又はPtが添加されたNiSiに対して750℃の加熱処理が施された場合を示している。
図5A及び図5Bに示されるように、Pdが添加されたNiSiは、Ptが添加されたNiSiに比較して、低いシート抵抗を有する。
また、図4で示されたのと同様に、Ptが添加されたNiSiは、加熱温度が750℃になると、加熱温度が700℃の場合に比較して、シート抵抗が高くなる。一方、Pdが添加されたNiSiは、加熱温度が750℃に達しても、加熱温度が700℃の場合とほぼ同じレベルのシート抵抗を示している。
また、Pdが添加されたNiSiyにおいて、Pdの濃度が8atomic%から30atomic%程度の範囲であれば、Pdの濃度に依存せずに、同じレベルのシート抵抗が得られている。
図4乃至図5Bによる実験結果より、NiSiにPdが添加されたシリサイド層が、低い電気抵抗を有するとともに、最高の高温耐性に近い特性を実現できる。この特性は、NiSiにPdが添加されたシリサイド層がSiGe上に形成された場合に、特に顕著になる。
また、P型シリコンを用いたMISダイオードのように、P型シリコン層上のシリサイド層の高温耐性において、Ptを添加したNiSiよりも、Pdを添加したNiSiが良好な高温耐性(高い耐熱性)を示す。尚、製造コストとシリサイドの特性とを対比させると、Ptを添加したNiSiよりも、Pdを添加したNiSiが、低コストで高性能な素子(例えば、整流素子)及びその素子を用いた抵抗変化メモリを実現できる。
例えば、添加されるPdの濃度が15atomic%以下である場合、Pdが添加されたNiSi(Ni0.85Pd0.15Si)は、20Ω/□程度の比較的低いシート抵抗を確保できるとともに、750℃程度の温度における高い耐熱性も得られる。
以上の結果より、Si元素(Si)と3d遷移金属元素(M)とからなるシリサイド(ベース材)に対する異元素(D)の添加量(元素Mに対する元素Nの比率)は、15atomic%以下であることが、さらに好ましい。この場合、本実施形態のシリサイドの組成式中の“x”の値は、0.15以下である。
図6を用いて、あるシリサイドに対する異元素の添加とシリサイドを構成する結晶粒との関係について、説明する。
図6の(a)は、本実施形態の抵抗変化メモリが含んでいるシリサイド(NiSi)において、シリサイドに添加される元素の濃度[at.%](図6中では、「A」で表示)とシリサイドの結晶粒経[nm](図6中では、「B」で表示)の関係を示している。図6の(b)は、シリサイド層の表面の顕微鏡画像を示している。図6の(b)において、異元素が添加されていないニッケルシリサイド(NiSi)の表面と、異元素が30atomic%添加されたNiSiの表面を示している。
図6の(a)に示されるように、NiSiに添加される異元素の濃度が高くなると、1つのシリサイド層を構成する結晶の粒径が、小さくなる。
また、図6の(b)にそれぞれ示されるように、異元素が添加されないNiSiは、粒径の大きい結晶から1つのシリサイド層が形成され、異元素Dが添加されたNiSiは、30nm以下の結晶(以下、微結晶とよぶ)から1つのシリサイド層が形成されている。
図6に示されるように、あるシリサイド層に対して、そのシリサイド層を形成している3d遷移金属元素の大きさと異なる大きさの元素、特に、その3d遷移金属元素より大きな原子半径を有する元素Dが、添加されることによって、シリサイド層を構成する結晶の粒径は、微細になる。
結晶が微細になる結果として、各結晶の表面積が小さくなり、結晶を維持するためのエネルギーが安定化する。このような、微結晶化による結晶のエネルギーの安定によって、大きな熱エネルギーがシリサイド層に与えられても、シリサイドの結晶(原子間の結合)の分解が生じず、金属の凝集やシリサイドの結晶相の劣化が抑制されると、考えられる。
図4乃至図6に示されるように、Siとシリサイドを形成する3d遷移金属元素と3d遷移金属元素より大きな原子半径を有する元素を含むシリサイドは、高温耐性(高い耐熱性)を示す。
一般的な半導体装置(例えば、集積回路)のバックエンドプロセスにおいて、500℃程度の熱処理が用いられている。抵抗変化メモリは、600℃〜700℃程度の加熱処理が用いられる場合がある。
本実施形態の抵抗変化メモリが含むシリサイド層は、700℃以上の加熱処理に対しても、シリサイドの結晶性の品質が大きく劣化せずに、電気特性を維持できる。
したがって、図4乃至図6に示されるように、Ni1−xPdSi及びNi1−xPtSiのように、3d遷移金属元素とその原子半径より大きい原子半径を有する元素を含むシリサイドは、一般的なバックエンドプロセスの加熱処理に比較して高い温度に対する耐性(以下、高温耐性とよぶ)が得られ、抵抗変化メモリに用いられる高温の加熱処理に対しても耐性を有する。
図7A及び図7Bは、シリコンと本実施形態のシリサイドとの接合における電流−電圧特性(I−V特性)を示している。図7A及び図7Bにおいて、横軸は、シリコン−シリサイド接合に印加される電圧(図7A及び図7B中では、「A」で表示,単位:[V])を示し、縦軸は印加電圧によって接合を流れる電流(図7A及び図7B中では、「B」で表示,単位:[A])を示している。
図7Aは、Niに対するPdの濃度が13atomic%に設定されたシリサイド(Ni0.87Pd0.13Si)とP型シリコンとの接合において、255K(絶対温度)、270K、285K及び300Kの温度条件下で測定されたI−V特性をそれぞれ示している。図7Bは、Niに対するPdの濃度が30atomic%に設定されたシリサイド(Ni0.70Pd0.30Si)とP型シリコンとの接合において、255K(絶対温度)、285K及び300Kの温度条件下で測定されたI−V特性をそれぞれ示している。尚、“y”は、0<y≦2の範囲で示される値である。
図7Aに示されるように、Ni0.87Pd0.13SiとP型シリコンとの接合は、ショットキー接合を形成している。そして、図7Aに示される各I−V特性の温度依存性から、その接合のショットキー障壁の高さは、0.28eV程度であることが測定される。
図7Aと同様に、Ni0.70Pd0.30SiはP型シリコンとショットキー接合を形成し、図7Bに示される各I−V特性の温度依存性から、Ni0.70Pd0.30SiとP型シリコンとのショットキー障壁の高さは、0.31eV程度であることが測定される。
通常、Pdが添加されないNiSi、チタンシリサイド(TiSi)及びタンタルシリサイド(TaSi)のそれぞれとP型シリコンとのショットキー接合において、各ショットキー接合は0.4eV〜0.5eV程度のショットキー障壁の高さを、それぞれ有する。
図7A及び図7Bの測定結果から、以下のことが示される。
“MSi”で示されるシリサイドに対して、元素(3d遷移金属元素)Mの原子半径より大きい原子半径を有する元素Dを添加することによって、シリサイドの仕事関数を変調することができる。また、図7A及び図7Bに示されるように、シリサイドの仕事関数の変調は、添加される元素Dの濃度に依存する。
さらに、異元素の添加によりシリサイドの仕事関数を変調することによって、シリコンに対するシリサイドの仕事関数を最適化でき、シリコン−シリサイド接合の界面抵抗を低減できる。
例えば、上述のように、Pdが添加されたNiSiは、Pdが添加されないNiSiに比較して、P型シリコンに対するショットキー障壁を、低減する。つまり、異元素が添加されないNiSi、TiSi及びTaSiに比較して、Pdが添加されたNiSiは、P型シリコンに対する界面抵抗を、低減できる。
シリサイドに対する異元素(PtやPdなど)の添加は、シリサイドとシリコンとの界面において、PtやPdまたはシリコンが含む他の不純物の偏析を引き起こす傾向がある。このため、不純物が高濃度に偏析した層(高濃度偏析層とよぶ)が、シリサイド−シリコン界面に形成され、その結果として、シリコン−シリサイド接合の界面抵抗が低減される。
図7A及び7Bに示されるように、3d遷移金属元素とその原子半径より大きい原子半径を有する異元素(添加元素)を含むシリサイドにおいて、異元素の添加によりシリサイドの仕事関数を変調でき、それに伴って、シリコン−シリサイド接合の界面抵抗を低減できる。
尚、図4乃至図7Bにおいて、主に、NiSiにPd又はPtが添加された場合を主に例示して、本実施形態の抵抗変化メモリが含んでいるシリサイドの特性について、述べた。但し、本実施形態において、Si元素と他の3d遷移金属元素(例えば、Ti)からなるシリサイド、他の添加元素(異元素)が用いられた場合においても、図4乃至図7Bと実質的に同じ傾向が示され、同様の結果が得られる。
図8A及び図8Bを用いて、図3に示されるように、Si元素50、3d遷移金属元素51、3d遷移金属元素の原子半径r1より大きい原子半径r2を有する少なくとも1種類の元素52を含むシリサイド層(M1−xSi)が、抵抗変化メモリに適用された場合の効果について、説明する。
図8Aは、高温の加熱処理が施された場合における抵抗変化メモリに含まれる非オーミック素子の状態を模式的に示す図である。図8Aにおいて、クロスポイント型抵抗変化メモリのセルユニットを構成するダイオード30X,30が、それぞれ示されている。尚、図8Aにおいて、ダイオード30X,30の一例として、3つの半導体層(シリコン層)31,32,33から構成されるPINダイオードが、それぞれ示されている。
ここで、PINダイオードは、真性半導体層32、P型の不純物を多く含む(アクセプタ不純物濃度が高い)半導体層33及びN型の不純物を多く含む(ドナー不純物濃度が高い)半導体層31の積層構造を有する。尚、P型の半導体層33とN型の半導体層31の積層位置(上下関係)は、図8Aと反対であってもよい。
図8Aの(a)において、ダイオード30Xは、異元素が添加されないシリサイド(MSi)90がダイオード30Xの一端(半導体層33側)に設けられている。図8Aの(b)において、ダイオード30は、異元素Dが添加されたシリサイド(M1−xSi)39がダイオード30の一端(半導体層33側)に設けられている。
抵抗変化メモリの製造工程において、非オーミック素子やメモリ素子の形成のため、600℃〜800℃程度の高温加熱処理が実行される場合がある。
例えば、異元素が添加されないNiSiの高温耐性(耐熱性)は、600℃程度である。600℃以上の高温の加熱処理が実行された場合、図8Aの(a)に示されるように、異元素が添加されないシリサイド(MSi)が用いられたダイオード30Xにおいて、シリサイドを形成する金属元素Mの凝集物59が、シリサイド層90が設けられる半導体層33内やその下方の真性半導体層32内に形成される可能性がある。
また、遷移金属元素(遷移金属原子)Mは、高温の加熱処理によって、半導体層33,32内に拡散する可能性がある。特に、PINダイオードは、N型/P型半導体層31,33間に、真性半導体層32が設けられている。そのため、真性半導体層32に対する金属原子の拡散は、真性半導体層32内に不純物準位を形成し、PINダイオードの電気的特性を大きく劣化させる。
さらに、高温の加熱処理による過剰なシリサイド反応に起因して、半導体層33の端部だけでなく、半導体層33の内部や半導体層32のように、シリサイド層を形成する必要がない領域まで、シリサイド層91が侵食するように、形成される場合がある。この侵食によって、シリコン−シリコン接合が破壊される可能性がある。
これらによって、ダイオード30Xの電気的特性は劣化し、抵抗変化メモリの動作特性は悪くなる。また、半導体層33の膜厚を厚くすることによって、金属元素の凝集/拡散及びシリサイドの侵食に起因する悪影響の低減を図ると、セルユニットの微細化(アスペクト比の低減)が困難になる。
また、金属元素の凝集/拡散、半導体層に対するシリサイド層の侵食は、メモリセルアレイ内で不均一に発生するため、メモリセルアレイ内におけるセルユニット毎の特性のばらつきが、大きくなる。
一方、Si元素、3d遷移金属元素(M)及び3d遷移金属元素の原子半径より大きい原子半径の元素(D)を含むシリサイド層39は、図4乃至図6を用いて説明したように、結晶粒の微結晶化によって、700℃〜750℃までの高温耐性を有する。
したがって、図8Aに示されるように、シリサイド層39を有するダイオード30において、シリサイド(M1−xSi)の高い耐熱性によって、500℃以上の加熱処理が施されても、金属元素(M又はD)の凝集/拡散の発生及びシリサイドの侵食の発生は、抑制される。
それゆえ、抵抗変化メモリの製造工程に含まれる高温の加熱処理に起因して、シリサイド層を含むセルユニットの特性、例えば、ダイオードの順バイアス特性及び逆バイアス特性が劣化することは、低減される。
図8Bには、ダイオードのI−V特性の一例が示されている。図8Bにおいて、横軸は、ダイオードの両端に印加される電位差(図8B中では、「D」で表示,単位:[V])を示し、縦軸は、印加された電位差によって接合内を流れる電流(図8B中では、「E」で表示,単位:[A])をlogスケールで示している。
図8Bにおいて、特性線(実線)Aは、例えば、図8Aの(b)に示されるダイオード30のように、Si元素、3d遷移金属元素(M)及び添加元素(D)を含むシリサイド層39が一端に設けられたダイオードのI−V特性の内製シミュレータによるシミュレーション結果を示している。特性線(一点鎖線)Bは、Si元素及び3d遷移金属元素(M)を含むシリサイド層、つまり、異元素が添加されないシリサイド層が一端に設けられたダイオードのI−V特性のシミュレーション結果を示している。これらの特性線A,Bで示されるシミュレーションは、シリコン−シリサイド界面抵抗モデルが適用されている。
特性線(破線)Cは、特性線Bで示されるダイオードのI−V特性の実測値を示している。特性線Bと特性線Cとによって、シミュレーションと実測値とが、実質的に一致することが示される。
尚、図8Bに示されるシミュレーション及び実験において、シリサイド層はP型シリコン層と界面を形成している。また、特性線A及び特性線B,Cにそれぞれ対応するダイオードにおいて、シリサイド層は、同じ種類の3d遷移金属元素を含んでいる。
順バイアス印加時における整流素子の出力電流(フォワード電流とよぶ)の大きさ(上限値)は、シリコン−シリサイド接合における界面抵抗の大きさの影響を受ける。具体的には、界面抵抗が大きくなると、フォワード電流の上限値は低下する。
上述の図7A及び図7Bに示したように、所望の濃度の添加元素(異元素)をあるシリサイドに対して添加することによって、シリサイドの仕事関数を変調できる。それゆえ、シリコンとシリサイドとの接合において、その界面に生じる抵抗(界面抵抗)を低減できる。つまり、界面抵抗が低減できる結果として、界面抵抗に起因する電流損失は低減できる。
それゆえ、図8Bの特性線Aで示されるように、特性線Bで示される異元素が添加されないシリサイドを用いている整流素子に比較して、本実施形態の抵抗変化メモリは、順バイアス印加時における整流素子のフォワード電流の上限を向上できる。
したがって、整流素子(非オーミック素子)に印加されるある電圧において、整流素子はより大きいフォワード電流をメモリ素子に供給することができる。これは、抵抗変化メモリの消費電力を低減することにも貢献する。
また、上記のように、本実施形態の抵抗変化メモリにおいて、異元素が添加されたシリサイド層は高温耐性を有するため、シリサイド層が含む金属元素の凝集及び拡散、他の部材に対するシリサイド層の侵食を抑制できる。これによって、半導体層内における不純物準位の形成や接合の破壊を防止できる。
それゆえ、本実施形態の抵抗変化メモリにおいて、非オーミック素子として用いられた整流素子において、大きい絶縁耐圧を確保でき、逆バイアス印加時における整流素子の出力電流(リバース電流とよぶ)を、低減できる。
また、本実施形態の抵抗変化メモリにおいて、シリコン層内で、ランダムに発生する凝集物の形成及び金属元素の拡散を抑制できるため、1つのメモリセルアレイ内におけるセルユニットの特性のばらつきを、小さくできる。
さらに、整流素子の順バイアス/逆バイアス特性を改善できる結果として、整流素子を構成する各層の薄膜化及びセルユニットの面積の縮小に貢献できる。
したがって、本発明の実施形態に係る抵抗変化メモリによれば、抵抗変化メモリの特性劣化を抑制できる。
<実施例>
(1) 構成
図9乃至図19を用いて、本発明の実施形態に係る抵抗変化メモリの実施例について、より具体的に説明する。
(a) メモリセルアレイ及び制御回路の構成
図9は、クロスポイント型メモリセルアレイにおける、配線及びセルユニットの構造の一例を、具体的に示している。
ここでは、図2における2つのメモリセルアレイM1、M2内のセルユニットCU1,CU2を示している。この場合、図2における2つのメモリセルアレイM3,M4内のセルユニットの構成は、図2における2つのメモリセルアレイM1、M2内のセルユニットの構成と同じになる。
セルユニットCU1,CU2は、それぞれ、直列に接続されるメモリ素子と非オーミック素子とから構成される。ここでは、非オーミック素子に、整流素子が用いられている。
メモリ素子と整流素子の接続関係については、様々なパターンが存在する。但し、1つのメモリセルアレイ内の全てのセルユニットについては、メモリ素子と整流素子の接続関係が同じであることが必要である。
図10は、メモリ素子と整流素子の接続関係を示している。
1つのセルユニットにおいて、メモリ素子と整流素子の接続関係は、メモリ素子と整流素子の位置関係が2通り、整流素子の向きが2通りで、合計4通り存在する。したがって、2つのメモリセルアレイ内のセルユニットに関して、メモリ素子と整流素子の接続関係のパターンは、16通り(4通り×4通り)存在する。
図10のa〜pは、この16通りの接続関係を表している。
本発明の実施形態において、これら16通りの接続関係の全てに対して適用可能であるが、以下の説明では、主として、図10のaの接続関係を例にする。
図11A及び図11Bは、第1及び第2制御回路のレイアウトの第1例を示している。
図2で示した、メモリセルアレイM1,M2,M3,M4のいずれか1層に相当するメモリセルアレイMsは、図11Aに示すように、アレイ状に配置される複数のセルユニットCUsから構成される。セルユニットCUsの一端は、配線Ls(j−1),Ls(j),Ls(j+1)に接続され、その他端は、配線Ls+1(i−1),Ls+1(i),Ls+1(i+1)に接続される。
メモリセルアレイMs+1は、図11Bに示すように、アレイ状に配置される複数のセルユニットCUs+1から構成される。セルユニットCUs+1の一端は、配線Ls+1(i−1),Ls+1(i),Ls+1(i+1)に接続され、その他端は、配線Ls+2(j−1),Ls+2(j),Ls+2(j+1)に接続される。
但し、sは、1,3,5,7,…とする。
配線Ls+1(i−1),Ls+1(i),Ls+1(i+1)の第1方向の一端には、スイッチ素子SW1を介して第1制御回路3が接続される。スイッチ素子SW1は、例えば、制御信号φs+1(i−1),φs+1(i),φs+1(i+1)により制御される。スイッチ素子SW1は、例えば、Nチャネル型電荷効果トランジスタ(FET : Field effect Transistor)から構成される。
配線Ls(j−1),Ls(j),Ls(j+1)の第2方向の一端には、スイッチ素子SW2を介して第2制御回路4が接続される。スイッチ素子SW2は、例えば、制御信号φs(j−1),φs(j),φs(j+1)により制御される。スイッチ素子SW2は、例えば、NチャネルFETから構成される。
配線Ls+2(j−1),Ls+2(j),Ls+2(j+1)の第2方向の一端には、スイッチ素子SW2’を介して第2制御回路4が接続される。スイッチ素子SW2’は、例えば、制御信号φs+2(j−1),φs+2(j),φs+2(j+1)により制御される。スイッチ素子SW2’は、例えば、Nチャネル型電界効果トランジスタから構成される。
図11Cは、第1及び第2制御回路のレイアウトの第2例を示している。尚、図11Cにおいて、メモリセルアレイMs,Ms+1,Ms+2,Ms+3の内部構成は、図11A又は図11Bに示されるメモリセルアレイと実質的に同じであるため、図11Cにおいて、メモリセルアレイの内部構成の図示は省略する。
第2例のレイアウトが第1例のレイアウトと異なる点は、メモリセルアレイMs,Ms+1,Ms+2,Ms+3の第1方向の両端に、それぞれ第1制御回路3が配置され、かつ、メモリセルアレイMs,Ms+1,Ms+2,Ms+3の第2方向の両端に、それぞれ第2制御回路4が配置されることにある。
但し、sは、1,5,9,13,…とする。
配線Ls+1(i−1),Ls+1(i),Ls+1(i+1)の第1方向の両端には、それぞれスイッチ素子SW1を介して第1制御回路3が接続される。スイッチ素子SW1は、例えば、制御信号φs+1(i−1),φs+1(i),φs+1(i+1),φs+3(i−1),φs+3(i),φs+3(i+1)により制御される。スイッチ素子SW1は、例えば、Nチャネル型電界効果トランジスタから構成される。
配線Ls(j−1),Ls(j),Ls(j+1)の第2方向の両端には、それぞれスイッチ素子SW2を介して第2制御回路4が接続される。スイッチ素子SW2は、例えば、制御信号φs(j−1),φs(j),φs(j+1),φs+2(j−1),φs+2(j),φs+2(j+1)により制御される。スイッチ素子SW2は、例えば、Nチャネル型電界効果トランジスタから構成される。
(b) セルユニットの構造
図12は、セルユニットの構造例を示している。
1つのセルユニットCUは、2つの配線60,65間に配置される。1つのセルユニットCUは、1つのメモリ素子20と1つの非オーミック素子30とから構成される。
1つのセルユニット内において、メモリ素子20が非オーミック素子30上に、又は、非オーミック素子30がメモリ素子20上に、積層される。
ここでは、2つの素子20,30の積層方向において、配線65側を上側(上端又は上部)とよび、配線60側を下側(下端又は下部)とよぶ。
ここでは、非オーミック素子30として、PINダイオードを例示している。上述のように、PINダイオードは、真性半導体層がP型半導体層とN型半導体層との間に挟まれた構造を有する。尚、図10に示されるような2つのメモリセルアレイ2のセルユニットの接続関係に応じて、ダイオード30のアノード層とカソード層との積層方向における上下関係は、反対になる場合がある。
例えば、図12の(a)に示されるセルユニットCUにおいて、上側の半導体層33がPINダイオードのP型半導体層(アノード層)である場合、下側の半導体層31はPINダイオードのN型半導体層(カソード層)になる。これに対して、上側の半導体層33がPINダイオードのN型半導体層(カソード層)である場合、下側の半導体層31はPINダイオードのP型半導体層(アノード層)になる。これらのいずれの場合においても、2つの半導体層31,33間の半導体層32は、PINダイオードの真性半導体層となる。
図12の(b)〜(f)のセルユニットにおいても、整流素子(非オーミック素子)30にPINダイオードが用いられている場合、真性半導体層32を挟む2つの半導体層31,33は、図12の(a)と同様の関係を有する。
各半導体層31,32,33は、例えば、シリコンを主成分とする材料から構成される。例えば、シリコンカーバイト(SiC)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、シリコン錫(SiSn)、多結晶シリコン(Poly−Si)、アモルファスシリコン、単結晶シリコンなどが、半導体層31,32,33を形成するために用いられる。SiCにおいて、Siに対するC(炭素)の濃度は、0〜3atomic%程度である。SiGeにおいて、Siに対するGe(ゲルマニウム)の濃度は、0〜30atomic%程度である。SiSnにおいて、Siに対するSn(錫)の濃度は、0〜3atomic%程度である。
また、P型伝導型のシリコンを主成分とする半導体層31,32,33には、ボロン(B)が添加され、N型伝導型のシリコンを主成分とする半導体層31,32,33には、リン(P)やヒ素(ヒ素)が添加される。尚、真性半導体層には、P型/N型の不純物が含まれる場合もあるが、真性半導体層32に含まれるP型/N型の不純物の濃度は、半導体層31,33に含まれる不純物の濃度よりも低い。
メモリ素子20は、抵抗変化膜21が、2つの電極25,26に挟まれた構造を有する。図12に示される例では、素子20,30の積層方向において、下側の電極25を下部電極とよび、上側の電極26を上部電極とよぶ。
抵抗変化膜21は、電圧、電流、熱などにより抵抗値が変化する材料からなる層、又は、相変化により抵抗値やキャパシタンス(インピーダンス)などの物性が変化する材料からなる。抵抗変化膜21の抵抗値は、電圧などのエネルギーが印加されることによって、可逆的に変化し、且つ、それの抵抗値が変化した状態は、抵抗値を変化させるエネルギーが再び与えられるまで、不揮発に保持される。
尚、メモリ素子20は、電極25,26と抵抗変化膜21との組み合わせによって、この特性を示す素子でもよいし、抵抗変化膜21がこの特性を示す素子でもよい。
配線60,65は、上述のように、ビット線及びワード線として用いられる。配線60,65は、例えば、Cu、Al、Wなどの金属、窒化チタン(TiN)や窒化タングステン(WN)などの金属化合物、或いは、NiSiやTiSiなどのシリサイドから構成される。
図12の(a)に示される例において、ダイオード30上に、メモリ素子20が積層されている。ダイオード30は、配線60上に配置されている。ダイオード30の一端(底部)は、配線60に電気的に接続されている。ダイオード30の他端(上部)は、メモリ素子20の一端(下部電極)に電気的に接続されている。メモリ素子20の他端(上部電極)は、配線65に電気的に接続されている。
ダイオード30は、その上端にシリサイド層39Aを有し、シリサイド層39Aは、上側の半導体層33内の上部に設けられている。シリサイド層39Aは、半導体層33とメモリ素子20の下部電極25との間に介在している。例えば、シリサイド層39Aは、下部電極25に直接接触している。
また、図12の(b)に示される例では、ダイオード30は、メモリ素子20上に積層される。この場合、メモリ素子20が、配線60上に配置されている。メモリ素子20の一端(下部電極)は、配線60に電気的に接続されている。メモリ素子20の他端(上部電極)は、ダイオード30の一端(底部)に電気的に接続されている。ダイオード30の他端(上部)は、配線65に電気的に接続されている。図12の(b)に示されるセルユニットにおいて、ダイオード30は、その下端にシリサイド層39Bを有し、シリサイド層39Bは、下側の半導体層31の底部に設けられている。シリサイド層39Bは、半導体層31と上部電極26との間に介在している。例えば、シリサイド層39Bは、上部電極26に直接接触している。
図12の(c)に示される例では、メモリ素子20が、ダイオード30上に積層されている。シリサイド層39Bは、ダイオード30の半導体層31の底部に設けられている。シリサイド層39Bは、半導体層31と配線60との間に介在している。例えば、シリサイド層39Bは、配線60に直接接触している。
図12の(d)に示される例では、ダイオード30が、メモリ素子20上に積層されている。シリサイド層39Aは、ダイオード30の半導体層33の上部に設けられている。シリサイド層39Aは、半導体層33と配線65との間に介在している。例えば、シリサイド層39Aは、配線65に直接接触している。
図12の(a)乃至(d)に示されたように、ダイオードの片側の端部(一端)のみに、シリサイド層39A,39Bを形成することにより、シリサイド層39A,39Bを有するダイオードの製造工程を簡略化することができる。
特に、本実施形態に用いられるようなNi、Ti等の3d遷移金属元素に、Pt、Pd、Os、Ir、Rh、Ruなどのように価電子帯に近い仕事関数を有する金属元素を添加したシリサイドが、本実施形態のシリサイド(M1−xSi)として用いられる場合、シリサイド層39A,39Bが、P型伝導型のシリコンを主成分とする半導体層に形成されることが、効果的である。上記のPtなどが属する系は、P型Siの価電子帯に近い値の仕事関数を有し、それらの元素によって、界面における不純物の偏析及び不純物の活性化率の向上が図れるため、上記の系を用いたシリサイドとP型の半導体(例えば、P型Si)との電気的な接合を形成することが、素子の電気的特性に対して好ましいからである。
また、図12の(e)及び(f)に示されるように、シリサイド層39A,39Bは、ダイオード30の両端(上部/底部)にそれぞれ設けられてもよい。
図12の(e)に示される例では、ダイオード30の上部に設けられたシリサイド層39Aは、下部電極25と半導体層33との間に、介在している。また、ダイオード30の底部に設けられたシリサイド層39Bは、半導体層31と配線60との間に、介在している。例えば、素子の上部側のシリサイド層39Aは、下部電極25に直接接触し、素子の底部側のシリサイド層39Bは、配線60に直接接触している。
図12の(f)に示される例では、ダイオード30の上部に設けられたシリサイド層39Aは、半導体層33と配線65との間に、介在している。また、ダイオード30の底部に設けられたシリサイド層39Bは、半導体層31と上部電極26との間に、介在している。例えば、素子の上部側のシリサイド層39Aは、配線65に直接接触し、素子の底部側のシリサイド層39Bは、上部電極26に直接接触している。
図10に示される接続関係を満たすように、図12に示されるセルユニットのいずれかが、ビット線とワード線との間に配置されて、メモリセルアレイ及びクロスポイント型メモリセルアレイが構成される。
図12の(a)〜(f)にそれぞれ示されるセルユニットCUのように、非オーミック素子(例えば、整流素子)の一端(上部)及び他端(底部)の少なくとも一方に、シリサイド層39A,39Bが設けられている。シリサイド層39A,39Bは、図3で示したように、Si元素50、Si元素とシリサイドを形成する3d遷移金属元素51、及び、3d遷移金属元素の原子半径より大きい原子半径を有する添加元素(異元素)52を、含んでいる。
シリサイド層39A,39Bとシリコン層31,32との接合部において、添加元素52の添加によって、シリコン層が含む不純物(ドナー/アクセプタ)が高濃度に偏析した偏析層(図示せず)を有する場合がある。
尚、シリサイド層39A,39Bは、1種類の添加元素を含んでいてもよいし、2種類以上の添加元素を含んでいてもよい。
図12の(a)〜(f)において、PINダイオードのように3つの半導体層が積層された構造を例示しているが、MIS(Metal-Insulator-Semiconductor)ダイオードや、SIS構造、MIM構造が、非オーミック素子30に用いられてもよいし、PNダイオードのように、2つの層が積層された構造が、非オーミック素子に用いられてもよい。さらに、非オーミック素子は、4つの層(膜)によって非オーミック特性が得られる素子でもよい。
例えば、本実施形態のシリサイド層39Aを有する非オーミック素子30が、MISダイオードであれば、下側からメタル層、絶縁層、半導体層の順序、又は、下側から半導体層、絶縁層、メタル層の順序で、3つの層が積層される。尚、MISダイオードであれば、半導体層のみにシリサイド層を設ける構造で十分である。ただし、メタル層と絶縁層との接合面の反対側のメタル層の面に、半導体層及びシリサイド層が設けられてもよい。
尚、非オーミック素子30は、3層構造のバイポーラトランジスタ型や、4層構造のサイリスタ型など、P型の半導体層とN型の半導体層とが3層以上交互に積層された構造でもよい。それらの積層構造において、特に、上部側の半導体層33がP型の半導体層である場合、又は、半導体層33がN型の半導体層である場合に、本実施形態で述べたシリサイド層39A,39Bが、半導体層33に設けられてもよい。
尚、図12の(a)〜(f)において、配線60,65と非オーミック素子30との間、非オーミック素子30とメモリ素子20との間、メモリ素子20と配線60,65との間に、拡散防止層や接着層が設けられてもよい。拡散防止層は、接合される部材間におけて、各部材の構成原子又は構成分子の拡散を防止する。接着層は、接合される部材間の結合力を確保し、部材間の剥離を防止する。尚、電極25,26が、拡散防止層または接着層と実質的に同じ機能を有していてもよい。
図13は、非オーミック素子(ここでは、整流素子)の一例及びシリサイドの仕事関数を示している。
図13の(a)及び(b)には、非オーミック素子として、PINダイオードが示されている。PINダイオードのように、非オーミック素子が半導体層を含む場合、本実施形態で用いられるシリサイド層39は、セルユニットの接続関係に応じて、P型半導体層35内、又は、N型半導体層37内に、設けられる。真性半導体層36は、P型半導体層35とN型半導体層37との間に、設けられる。半導体層35,36,37は、シリコンを主成分とする半導体層であり、シリコンに加えてGeやCを含む層でもよいが、ここでは、説明の簡単化のため、単に、P型/N型シリコン層とよぶ。
シリサイド層とN型のシリコン層とが界面(接合)を形成する場合、N型シリコン層の伝導帯とシリサイド層の仕事関数との関係が、シリサイド層とP型のシリコン層とが界面(接合)を形成する場合、P型シリコン層の価電子帯とシリサイド層の仕事関数との関係が、素子の電気的特性に影響を及ぼす。つまり、シリコンの伝導帯(N型Si)/価電子帯(P型Si)とシリサイドの仕事関数との差が、界面抵抗が発生する一因となる。
シリコンの伝導帯(N型Si)/価電子帯(P型Si)とシリサイドの仕事関数とのエネルギー差が0eVに近づくほど、界面抵抗が小さくなり、シリコン−シリサイド接合を経由して出力される電流及び電圧は大きくなる。
シリサイド層と界面を形成するP型/N型シリコン層が、例えば、1020/cm以上の高い不純物濃度のP+/N+シリコン層であれば、界面抵抗による損失を低減できるエネルギー差でよい。この場合の一例として、P型シリコンの価電子帯とシリサイドの仕事関数とのエネルギー差、及び、N型シリコンの伝導帯とシリサイドの仕事関数とのエネルギー差が、0.7eV以下でよい。
図7A及び図7Bにおいて述べたように、Si元素と3d遷移金属元素から構成されるシリサイド層に、3d遷移金属元素の原子半径より大きい原子半径を有する少なくとも1種類の添加元素を添加することで、シリサイドの仕事関数の大きさを調整できる。
それゆえ、シリサイドの材料と添加元素との組み合わせ及び添加元素の添加量を制御することで、整流素子を構成するシリコンに対してシリサイドの仕事関数を適した値に調整できる。これによって、P型/N型半導体(例えば、P型/N型シリコン)とシリサイドとの接合に生じる界面抵抗を低減できる。
図13の(c)は、各シリサイドの仕事関数の大きさが示されている。図13の(c)の横軸は、本実施形態のシリサイド層39を形成するためのベース材が示され、縦軸は、仕事関数(図13の(c)では、「A」で表示,単位:[eV])る。
図13の(a)に示されるように、シリサイド層39とP型半導体層(例えば、P型シリコン層)との間に界面が形成される場合、図13の(c)内の実線で囲まれたグループG1に属するシリサイドが、P型シリコン層に対してシリサイド層39を形成するためのベース材(本例では、ベースシリサイド材ともよぶ)に用いられることが好ましい。
グループG1内のシリサイドにおいて、TiSi、VSi、CrSi、MnSi、FeSi、CoSi、NiSi、NdSi、MoSi、HfSi、TaSi、WSi、PdSi、IrSi、PtSi、RhSi、ReSi、OsSiのいずれかが、シリサイド層39のベース材として用いられ、これらのシリサイドに異元素を添加することが、シリサイド層39とP型シリコン層との界面抵抗を低減するために、好ましい。尚、各組成式中の“y”は、0より大きい値、且つ、2以下の値で示される。
図13の(b)に示されるように、シリサイド層39とN型半導体層(例えば、N型シリコン層)37との間に界面が形成される場合、図13の(c)内の破線で囲まれたグループG2に属するシリサイドが、N型シリコン層に対してシリサイド層39を形成するためのベース材に用いられることが好ましい。
グループG2内のシリサイドにおいて、TiSi、VSi、CrSi、MnSi、FeSi、CoSi、NiSi、NdSi、MoSi、HfSi、TaSi、YSi、YbSi、ErSi、HoSi、DySi、GdSi、TbSiのいずれかが、シリサイド層39のベース材として用いられ、これらのシリサイドに異元素を添加することが、シリサイド層39とN型シリコン層との界面抵抗を低減するために、好ましい。尚、各組成式中の“y”は、1〜2で示される値である。
シリサイド層と接合を形成するシリコン層がP型シリコン層であるかN型シリコン層であるか応じて、シリサイド層39に対する添加元素のドープ量を調整するだけでなく、シリサイド層39のベース材となるシリサイドの材料を変えることによって、シリサイド層39の高温耐性を向上させるとともに、より適した物性を有する材料を用いて、シリコン層とシリサイド層39との界面抵抗を低減できる。
尚、高温耐性の観点に基づくと、TiSi、CoSi、PtSi、TaSi、WSiが、異元素が添加されたシリサイド層39を形成するためのベース材として、有効である。
尚、図13において、シリサイド層39がPINダイオードを構成するP型/N型シリコン層と界面を形成する場合が例示されている。但し、シリサイド層39が、PIN構造、MIS構造(例えば、MISダイオード)、PN構造(例えば、PNダイオード)など、他の素子構造を構成するP型/N型シリコン層に設けられる場合においても、図13に示された例と実質的に同じである。
上述のメモリセルアレイ及びセルユニットの構成に応じて、図12及び図13に示されるように、3d遷移金属元素の原子半径より大きい原子半径の添加元素を含むシリサイド層39,39A,39Bのセルユニット内における配置や、そのシリサイド層39,39B,39のベース材となる材料を調整することで、シリサイド層の高温耐性の向上や界面抵抗の低減を図ることができる。
本実施形態の抵抗変化型メモリにおいて、異元素の添加によるシリサイド層の高温耐性の向上によって、シリサイド層が含む金属元素(原子)の凝集や拡散、或いは、シリサイド層の侵食などが抑制できるため、整流素子の絶縁耐圧を大きくでき、逆バイアス印加時における整流素子のリバース電流を低減できる。
また、本実施形態の抵抗変化メモリにおいて、異元素の添加によるシリコン−シリサイド接合の界面抵抗の低減によって、順バイアス印加時における整流素子のフォワード電流を増大できる。
さらに、これらの素子特性の改善は、素子の薄膜化及びセル面積の縮小に貢献できる。以上のように、本発明の実施形態に係る抵抗変化メモリによれば、抵抗変化メモリに用いられる素子特性の劣化を抑制できる。
(2) 製造方法
(a) 第1の製造方法
図14A乃至図14Gを用いて、本実施形態の抵抗変化メモリの第1の製造方法について説明する。ここで、図14A乃至図14Eは、本製造方法の一工程におけるメモリセルアレイの第2の方向に沿う断面工程図をそれぞれ示している。また、図14F及び図14Gは、本製造方法の一工程におけるメモリセルアレイの第1の方向に沿う断面工程図を、それぞれ示している。
尚、本製造方法において、形成されるセルユニットの構造は、メモリ素子が非オーミック素子上に積層された場合を例示するが、本製造方法は、その構造に限定されない。
図14Aに示されるように、配線となる導電層60Xが、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法やスパッタ法が用いられて、基板(例えば、層間絶縁膜)1上に、堆積される。
導電層60X上に、セルユニットの整流素子(非オーミック素子)を形成するための複数の層が、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いて、順次堆積される。
例えば、整流素子がPINダイオードの場合、3つの半導体層31X,32X,33Xが、積層される。半導体層31X,32X,33Xは、シリコンを含む半導体層であって、例えば、SiC層、SiGe層、SiSn層、多結晶Si層、アモルファスシリコン層、単結晶Si層、などのうち、いずれか1つからなる。SiC層及びSiSn層において、Siに対するCの比率、Siに対するSnの比率は、例えば、それぞれ、0atomic%〜3atomic%程度である。SiGe層において、Siに対するGeの比率は、0atomic%〜30atomic%程度である。
セルユニットの整流素子がPINダイオードである場合、半導体層31X及び半導体層33Xのうち、一方の半導体層はP型半導体層(例えば、BドープSi)であり、他方の半導体層はN型半導体層(例えば、PドープSi)である。半導体層31Xと半導体層33Xとの間の半導体層32Xは、真性半導体層である。
PNダイオードが整流素子として用いられる場合には、2つの半導体層が導電層60X上に積層され、MISダイオードの場合には、金属層、絶縁層及び半導体層が、導電層60X上に積層される。
半導体層など、整流素子を構成する2以上の層の積層順序は、セルユニットが図10のa〜pに示される回路構成のうち、どの構成を有するかによって適宜変更される。例えば、セルユニットが、図10のaに示される構成を有する場合、図14Aにおいて、導電層60X上に、N型半導体層(カソード層)31Xが、5nm〜30nm程度の膜厚で、堆積される。真性半導体層(I層)32Xが、50nm〜120nm程度の膜厚で、N型半導体層31X上に堆積される。そして、真性半導体層32X上に、P型半導体層(例えば、アノード層)33Xが、5nm〜30nm程度の膜厚で、堆積される。
ここでは、積層された3つの層(半導体層)31X,32X,33Xのことを、シリコン層31X,32X,33Xとよぶ。
尚、導電層60Xとシリコン層31Xとの間に、拡散防止層、接着層、高濃度不純物層が形成されてもよい。
金属膜59が、例えば、スパッタ法やCVD法を用いて、半導体層33X上に堆積される。本実施形態の第1の製造方法において、金属膜59は、合金膜である。その合金膜は、3d遷移金属元素51とその元素の原子半径より大きい原子半径を有する添加元素52を含んでいる。
3d遷移金属元素51は、上述のSc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Znの3d遷移金属元素群から選択された1種類の元素である。また、添加元素52は、上述のY、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、In、Tl、Ge、Sn、Pbの添加元素群から選択された少なくとも1種類の元素である。
例えば、3d遷移金属元素51としてNi又はTiが用いられた場合、金属元素52には、Pd又はPtが用いられる。尚、合金膜59は、2種類以上の添加元素を含んでもよく、例えば、PdとPtとを両方含んでもよい。
この後、シリサイド層を形成するための加熱処理(シリサイド処理)が、基板11に対して施される。例えば、シリコン層33がシリサイド層を形成するためのシリコンの供給源(以下、ベース層とよぶ)となる。加熱処理の温度は、例えば、500℃から800℃の範囲内で実行される。シリサイド処理のための加熱方法は、RTA(Rapid Thermal Annealing)法でもよいし、他の加熱方法でもよい。
この加熱処理によって、シリコン層33Xと合金膜59とのシリサイド反応が生じる。それゆえ、図14Bに示されるように、シリコン層33Xの上部において、シリサイド層39Xが形成される。シリサイド層39Xは、シリコン層33Xに起因するSi元素50と、合金膜に起因する3d遷移金属元素51と添加元素52とを、含んでいる。形成されたシリサイド層39Xを構成する結晶粒は、あるシリサイドに対して異元素が添加されていることによって、微結晶となっている。
尚、図14Aにおいて、合金膜59に含まれる3d遷移金属元素51及び添加元素52の比率は、形成されるシリサイド層39Xの化学量的組成比や、所望の高温耐性及び所望の仕事関数が得られる量に基づいて、適宜設定される。これと同様に、所定のシリサイド層39Xが形成されるように、合金膜59の膜厚も、半導体層33Xの膜厚に対する相対的な厚さで設定される。シリサイド処理の加熱時間又は温度によって、形成されるシリサイド層39の組成比及び膜厚が制御されてもよい。
尚、異元素52が添加されたシリサイド層39が形成されることによって、シリサイド層39とシリコン層33との接合部に、シリコン層33が含む不純物(ドナー又はアクセプタ)が偏析した偏析層(図示せず)が形成される場合がある。
シリサイド処理の後、シリコン層とシリサイド反応しなかった合金膜59は、例えば、ウェットエッチングを用いて、除去される。
尚、シリサイド層39Xは、シリコン層33Xが含むSi元素以外の元素(例えば、B、Ge)をさらに含んでいてもよい。
図14Cに示されるように、メモリ素子の構成部材として、第1の電極層25X、抵抗変化膜21X及び第2の電極層26Xが、シリサイド層39X上に順次堆積される。電極層25X,26Xは、例えば、CVD法又はスパッタ法を用いて、形成される。抵抗変化膜26Xは、例えば、スパッタ法、CVD法、ALD(Atomic Layer Deposition)法、MOCVD(Metal-Organic CVD)法などが用いられて、形成される。
電極層25X,26X及び抵抗変化膜21Xの材料は、抵抗変化膜25Xの抵抗値が可逆的に変化し、かつ、変化した抵抗変化膜25Xの抵抗値が不揮発に維持される材料の組み合わせに基づいて、選択される。但し、抵抗変化膜25X自体が、外部から与えられたエネルギー(例えば、電圧又は熱)によって、抵抗値が可逆的に変化し、且つ、抵抗値が変化した状態を維持する材料であれば、電極層25X,26Xの材料は限定されない。
抵抗変化膜26Xは、上述したように、金属酸化物、金属化合物、又は、有機物などが用いられる。そのため、抵抗変化膜26Xを形成するための材料に応じて、600℃〜800℃程度の高い形成温度が用いられる場合がある。
本実施形態において、シリコン層33X上に形成されたシリサイド層39Xは、Si元素及び3d遷移金属元素の他に、3d遷移金属元素の原子半径より大きい原子半径の添加元素を含んでいる。これによって、図4乃至図6で示したように、シリサイド層39Xは、シリサイド層39を構成する結晶粒は微結晶となり、高い高温耐性(耐熱性)を有している。
それゆえ、本実施形態の製造方法において、高温の加熱処理によるシリサイド層39Xを形成するための金属元素の凝集(アグロメ)は、発生しにくくなり、その凝集物がシリサイド層39X及びその下方のシリコン層32X,33X内に形成されることは、抑制される。また、シリコン層32X,33X内に対するシリサイド層39Xが含む金属元素の拡散も、抑制される。さらに、シリサイド層39Xが高温の加熱処理によって過剰に形成されることに起因して、シリコン層33Xが所定の厚さより薄くなったりすることや、シリサイド層39Xが2つのシリコン層32X,33Xを侵食して、2つのシリコン層間の接合(界面)を破壊したりすることが、防止される。
それゆえ、金属元素の拡散及びシリサイド層の侵食の悪影響を緩和するために、シリコン層31X、32X,33Xの膜厚を厚くする必要性は、低くなる。
図14Dに示されるように、電極層26Y上に、所定の形状を有するマスク(図示せず)が形成される。例えば、RIE(Reactive Ion Etching)法を用いたエッチングによって、マスクの下方の各層が、マスクの形状に応じて加工される。これによって、電極層25Y,26Y、抵抗変化膜21Y、シリサイド層39Y及びシリコン層31Y,32Y,33Yが順次加工され、セルユニット毎に、所定の間隔を有して、第2方向に分割される。これによって、基板11上に、積層体100が形成される。形成された積層体100は、第1方向に延在する。積層体100が形成されるのと同時に、導電層60が加工され、基板11上に、第2方向に延在する配線60が形成される。
この後、層間絶縁膜69が、例えば、CVD法や塗布法によって、隣接する積層体100間に埋め込まれる。
尚、この工程において、積層体を第1方向に分割する加工及び第2方向に延在する配線を形成する工程を行って、図2に示される第1のメモリセルアレイM1を形成してもよい。但し、クロスポイント型メモリセルアレイにおいて、図14Dに示される工程の直後に、積層体100を第1の方向に分割する工程を行わずに、以下の図14E乃至図14Fに示される製造工程で、セルユニット及びメモリセルアレイを形成することが好ましい。
図14E及び図14Fに示されるように、第1方向に延在する積層体100及び層間絶縁膜69上に、第2の配線となる導電層65Xが、堆積される。そして、第2のメモリセルアレイのセルユニットを構成するための各層が、導電層65X上に、順次堆積される。導電層65X上に堆積される層の積層順序は、1つの配線(導電層65X)を共通に用いる2つのセルユニットが、図10のa〜pに示される接続関係のうち、いずれの接続関係を有するかによって、異なる。ここでは、説明の簡単化のため、図10のaに示される接続関係を有する場合について、述べる。
図14Eに示される例では、導電層65X上に積層される各層31X’,32X’,33X’,25X’,21X’,26X’の積層順序は、積層体100を構成する各層の積層順序と同じである。導電層65X上に積層される各層は、積層体100を構成する層と同じ製造工程によって、形成される。
積層体100の上方に、シリサイド層39X’が形成されるとき、高温(500℃〜800℃程度)の加熱処理が、基板全体に施される。積層体100内のシリサイド層39Yは、異元素が添加されていることにより微結晶化されているため、高温耐性を有する。このため、シリサイド層39Yを含む積層体100において、シリサイド層39Yが含む金属元素の拡散やシリコン層33Yに対するシリサイド層39Yの侵食など、高温の加熱処理の悪影響は、抑制される。
この後、配線60に対するエッチング選択比を確保して、フォトリソグラフィ技術及びRIE法によって、配線60上の積層体100及び積層体100上の各層が加工され、第1方向に延在していた積層体100は、セルユニット毎に、所定の間隔を有して、第1方向に分割される。積層体を第1方向に分割するための加工と同時に、積層体上の導電層65Xが、第1方向に分割されたそれぞれ個別のパターンとなるように加工され、第2方向に延在する配線65が、第1方向に延在する配線60上の積層体上に、形成される。
これによって、図14Gに示されるように、第1方向に延在する配線60と第2方向に延在する配線65との間に、セルユニットCU1が形成される。
セルユニットCU1において、整流素子(非オーミック素子)30は、その上部にシリサイド層39を有し、シリサイド層39は、シリコン層39の上部表面に設けられている。そして、シリサイド層39上に、メモリ素子20が設けられている。
また、エッチングは上層から順次実行されるため、積層体100’が配線65を挟んで、セルユニットCU1上に形成される。積層体100’は、配線65と同様に、第1方向に所定の間隔を有して分割されている。図14Gに示される工程において、積層体100’は、図14Eに示されるのと同様に、第2方向に延在している。クロスポイント型メモリセルアレイにおいて、積層体100’は、積層体100’の第2方向に対する加工を実行することによって、1層目のメモリセルアレイの上層(2層目)のメモリセルアレイのセルユニットCU2になる。
この後、第1方向に隣接するセルユニットCU1間、第1方向に隣接する積層体100’間に、層間絶縁膜が埋め込まれる。
ここで、積層体100’上に、メモリセルアレイがさらに設けられる場合、図14E乃至図14Gに示される工程と同様の工程が、メモリセルアレイの積層数が所定の数になるまで、繰り返し実行される。
図14E乃至図14Gに示されるように、基板11上に、1層目のメモリセルアレイが形成されるのと同時に、2層目のメモリセルアレイに対する加工が行われる。
このように、上層のメモリセルアレイを形成するための加工と下層のメモリセルアレイを加工するための工程が共通化されることによって、各層(配線レベル)のメモリセルアレイ毎に第1方向及び第2方向に対する加工を行う場合に比較して、クロスポイント型メモリセルアレイを有する抵抗変化メモリの製造工程が、簡便になり、且つ、その製造コストが削減される。
尚、図14A乃至図14Eにおいて、シリサイド層が、整流素子の上部に形成される場合について説明した。図12の(b),(c)のように、シリサイド層39が整流素子の底部に形成される場合、導電層60Xとシリコン層と間に形成された合金膜が、シリコン層とシリサイド処理されることによって、シリサイド層39がシリコン層の底部に形成される。シリサイド層39を形成するためのシリコン層は、シリコン層31Xでもよいし、シリコン層31Xとは別途に形成された層でもよい。
尚、図14Bにおいては、シリサイド処理の後、シリコン層とシリサイド反応しなかった合金膜59は、例えば、ウェットエッチングを用いて、除去する場合について、述べた。但し、シリサイド反応しなかった合金膜は、拡散防止層、接着層、又は、整流素子又はメモリ素子の電極の一部として用いるために、シリサイド層39X上に残存させてもよい。
例えば、図14Hに示されるように、メモリ素子の構成部材として、抵抗変化膜21X及び第2の電極層26Xが、第1の電極層として用いられる金属膜(合金膜)59上に、順次堆積されてもよい。この結果、メモリ素子の下部電極(第1の電極層)を別途に堆積する工程を削減でき、抵抗変化メモリの製造工程を簡略化できる。
以上のように、本実施形態に係る抵抗変化メモリの第1の製造方法において、シリサイド層39は、非オーミック素子(整流素子)30の一端(上部)及び他端(底部)の少なくとも一方に、設けられる。シリサイド層39は、Si元素50と3d遷移金属元素51と含むとともに、3d遷移金属元素51の原子半径より大きい原子半径を有する元素(添加元素)52を含んでいる。本製造方法において、シリサイド層39は、3d遷移金属元素51と添加元素52とを含む金属膜(合金膜)とシリコン層とに対する500℃以上の加熱処理によって、形成される。
図4乃至図6で示したように、本実施形態の抵抗変化メモリが含むシリサイド層39は、添加元素52を含むことによって、高温耐性を有する。それゆえ、抵抗変化メモリのように、半導体装置の製造工程に高温の加熱処理が含まれていても、シリサイド層が含む金属元素(原子)の凝集や他の構成要素(例えば、シリコン層)に対する拡散、他の構成要素に対するシリサイドの侵食を、抑制できる。
この結果として、本実施形態の抵抗変化メモリにおいて、例えば、逆バイアス印加時における整流素子のリバース電流の増大などのように、耐熱性の低いシリサイドを用いた場合に生じる非オーミック素子の特性劣化は、低減する。
さらに、金属元素の拡散やシリサイド層の侵食の影響を緩和するために、シリコン層33Xの膜厚を厚くせずともよくなる。それゆえ、非オーミック素子(整流素子)の膜厚(積層方向の高さ)は小さくなり、セルユニット(積層体)のアスペクト比を小さくなる。
したがって、セルユニットを形成するための加工(エッチング)が比較的容易になり、隣接するセルユニット間の層間絶縁膜の埋め込み性も改善される。
図14E乃至図14Gに示したように、積層された2つのメモリセルアレイ(セルユニット)を同時に加工する場合、アスペクト比が大きくなるので、非オーミック素子の膜厚を小さくすることで、アスペクト比の増大を抑制することは、有効である。
加えて、非オーミック素子の高さが小さくなることによって、加工のためのマージンを確保するために、隣接するセルユニットの間隔を大きくしなくともよくなる。これによって、抵抗変化メモリのメモリセルアレイの面積を小さくできる。
さらに、図7A及び図7Bに示したように、あるシリサイドに異元素52を添加することによって、シリサイドの仕事関数を調整することができる。これによって、シリサイド層39と半導体層33との間の界面抵抗を低減できる。
これによって、界面抵抗による電流の損失は低減され、例えば、整流素子において、順バイアス印加時におけるフォワード電流の上限値が大きくなり、ある印加電圧値に対する整流素子のフォワード電流の出力が大きくなる。このため、選択セルユニットに印加されるある駆動電圧において、メモリ素子20に供給できる電流(電圧)も大きくなる。
以上のように、本発明の実施形態に係る抵抗変化メモリの製造方法によれば、素子特性の劣化を抑制した抵抗変化メモリを提供できる。
(b) 第2の製造方法
図15A乃至図15Cを用いて、本発明の実施形態に係る抵抗変化メモリの第2の製造方法について、説明する。図15A乃至図15Cは、本製造方法の一工程におけるメモリセルアレイの第2の方向に沿う断面工程図をそれぞれ示している。尚、第1の製造方法で述べた部材と共通する部材には、同じ符号を付して、その説明を省略する。また、図14A乃至図14Gで述べた第1の製造方法と共通する工程について、ここでの説明は省略する。
本実施形態の抵抗変化メモリの第2の製造方法は、1種類の3d遷移金属元素51を含む金属膜及び3d遷移金属元素51より大きい原子半径の元素52とを少なくとも1種類含む金属膜が、それぞれ別途に堆積されることが、第1の製造方法と異なる。
図15Aに示されるように、シリコン層33X上に、3d遷移金属元素51を主成分とする金属膜57が形成される。さらに、金属膜57上に、添加元素52を主成分とする金属膜58が堆積される。
これらの層33X,57,58に対して加熱処理が施されることによって、2つの金属膜57,58中の元素51,52が、シリコン層33X中のSi元素とシリサイド反応し、図14Bと同様に、半導体層33X上に、シリサイド層39Xが形成される。
尚、図15Bに示されるように、添加元素52を含む金属膜58がシリコン層33X上に堆積され、3d遷移金属元素31を含む金属膜57が金属膜58上に堆積されてもよい。
図15A及び図15Bに示されるように、本実施形態の抵抗変化メモリの第2の製造方法も、上述の第1の製造方法と同様に、高温耐性を有し、且つ、シリコン層33Xとの界面抵抗を低減できるシリサイド層を形成できる。
また、シリコンとシリサイド反応しなかった金属膜57,58は、それをメモリ素子の電極の一部として用いるために、シリサイド層38X上に残存させてもよい。
例えば、図15Aの工程の後に、シリコン層とシリサイド反応しなかった金属膜を除去する工程を省略することにより、金属膜58を第1の電極層(メモリ素子の下部電極)に用いることができる。
例えば、図15Cの(a)に示されるように、メモリ素子の構成部材として、抵抗変化膜21X及び第2の電極層26Xが、第1の電極層として用いられる金属膜57上に、順次堆積される。この結果、第1の電極層を別途に堆積する工程を削減でき、製造工程を簡略化できる。
これと同様に、図15Bの工程の後に、シリコン層とシリサイド反応しなかった金属膜を除去する工程を省略することにより、金属膜57を第1の電極層(メモリ素子の下部電極)に用いることができる。
例えば、図15Cの(b)に示されるように、メモリ素子の構成部材として、抵抗変化膜21X及び第2の電極層26Xが、第1の電極層として用いられる金属膜58上に、順次堆積される。この結果、第1の電極層を別途に堆積する工程を削減でき、製造工程を簡略化できる。
したがって、本発明の実施形態に係る抵抗変化メモリの第2の製造方法においても、第1の製造方法と同様に、素子特性の劣化を抑制した抵抗変化メモリを提供できる。
(c) 第3の製造方法
図16A乃至図16Cを用いて、本発明の実施形態に係る抵抗変化メモリの第3の製造方法について、説明する。図16A乃至図16Cは、本製造方法の一工程におけるメモリセルアレイの第2の方向に沿う断面工程図をそれぞれ示している。尚、第1及び第2の製造方法で述べた部材と共通する部材には同じ符号を付し、その説明を省略する。また、第1及び第2の製造方法と共通する工程について、ここでの説明は省略する。
本実施形態の抵抗変化メモリの第3の製造方法は、Si元素50と3d遷移金属元素51とを含むシリサイド層が形成された後、その形成されたシリサイド層に3d遷移金属元素51より大きい原子半径の添加元素52が添加されることが、第1及び第2の製造方法と異なる。
図16Aに示されるように、シリコン層33X上に、Si元素50と3d遷移金属元素51を含むシリサイド層(以下、ベースシリサイド層とよぶ)37が形成される。ベースシリサイド層37は、例えば、シリコン層33Xと3d遷移金属元素を含む層とのシリサイド反応によって、形成される。ベースシリサイド層37が形成された後、金属膜58が、シリサイド層37上に、堆積される。金属膜58は、3d遷移金属元素51の原子半径より大きい原子半径を有する元素52を含む。
この後、ベースシリサイド層37と金属膜58とに対して加熱処理が施され、金属膜58内に含まれる元素52が、ベースシリサイド層37内に拡散する。拡散した元素52が、シリサイド層37内のSi元素50及び金属元素51と化学反応(結合)する。これによって、Si元素50と3d遷移金属元素51とを含むベースシリサイド層37内に、元素52が添加される。
このように、図14Bに示されるのと同様に、Si元素50、3d遷移金属元素51及びその元素51より大きい原子半径の元素52を含むシリサイド層39が、シリコン層33X上に形成される。
図16Bに示されるように、Si元素50と添加元素52とを含む化合物層38上に、3d遷移金属元素51を主成分とする金属膜57が堆積されてもよい。この場合、加熱処理によって、化合物層38内のSi元素50と金属膜57内の3d遷移金属元素51とがシリサイド反応し、図14Bに示されるシリサイド層39が形成される。尚、化合物層38は、選択された添加元素52の種類に応じて、Si元素50と添加元素52とのシリサイド層となる場合もある。
図16A及び図16Bに示されるように、本実施形態の抵抗変化メモリの第3の製造方法も、第1及び第2の製造方法と同様に、高温耐性を有し、半導体層33Xとの界面抵抗を低減できるシリサイド層を形成できる。
また、シリサイド層中に拡散しなかった金属膜57,58は、それをメモリ素子の電極の一部として用いるために、シリサイド層38X上に残存させてもよい。
例えば、図16Aの工程の後に、シリコン層とシリサイド反応しなかった金属膜を除去する工程を省略することにより、金属膜58を第1の電極層(メモリ素子の下部電極)に用いることができる。
例えば、図16Cの(a)に示されるように、メモリ素子の構成部材として、抵抗変化膜21X及び第2の電極層26Xが、第1の電極層として用いられる金属膜57上に、順次堆積される。この結果、第1の電極層を別途に堆積する工程を削減でき、製造工程を簡略化できる。
これと同様に、図16Bの工程の後に、シリコン層とシリサイド反応しなかった金属膜を除去する工程を省略することにより、金属膜57を第1の電極層(メモリ素子の下部電極)に用いることができる。
例えば、図16Cの(b)に示されるように、メモリ素子の構成部材として、抵抗変化膜21X及び第2の電極層26Xが、第1の電極層として用いられる金属膜58上に、順次堆積される。この結果、第1の電極層を別途に堆積する工程を削減でき、製造工程を簡略化できる。
したがって、本発明の実施形態に係る抵抗変化メモリの第3の製造方法においても、第1及び第2の製造方法と同様に、素子特性の劣化を抑制した抵抗変化メモリを提供できる。
(d) 第4の製造方法
図17A及び図17Bを用いて、本発明の実施形態に係る抵抗変化メモリの第4の製造方法について、説明する。図17A及び図17Bは、本製造方法の一工程におけるメモリセルアレイの第2の方向に沿う断面工程図をそれぞれ示している。尚、第1乃至第3の製造方法で述べた部材と共通する部材には同じ符号を付し、その説明を省略する。また、第1乃至第3の製造方法と共通する工程について、ここでの説明は省略する。
本実施形態の抵抗変化メモリの第4の製造方法は、イオン注入によって、3d遷移金属元素の原子半径より大きい原子半径の元素を、シリサイド層中に添加することが、第1乃至第3の製造方法と異なる。
図17Aに示されるように、Si元素50及び3d遷移金属元素51を含むベースシリサイド層37内に、イオン化された元素52が、イオン注入法によって、所定のドーズ量で、注入される。元素52が注入されたシリサイド層37に対して、加熱処理が施される。この加熱処理によって、シリサイド層37内に注入された元素52が、シリサイド層37内で活性化し、添加された元素52がシリサイド層37内のSi元素50や3d遷移金属元素51と化学反応(結合)する。
これによって、図14Bに示されるのと同様に、Si元素50、3d遷移金属元素51及びその元素51より大きい原子半径の元素52を含むシリサイド層39が、シリコン層33X上に形成される。
また、図17Bに示されるように、Si元素50及び添加元素52を含む化合物層38に、イオン化された3d遷移金属元素51を注入してもよい。この後、図17Aで示したのと同様に加熱処理を行うことによって、注入された3d遷移金属元素51は、化合物層38内のSi元素52とシリサイド反応し、シリサイド層39がシリコン層33X上に形成される。
さらには、3d遷移金属元素51と添加元素52との両方を、イオン注入法によって、シリコン層33X内に注入してもよい。この場合においても、加熱処理が施されることによって、シリサイド層39が形成される。
図17A及び図17Bに示されるように、本実施形態の抵抗変化メモリの第4の製造方法も、第1乃至第4の製造方法と同様に、高温耐性を有し、半導体層33Xとの界面抵抗を低減できるシリサイド層を形成できる。
また、上述の第4の製造方法のように、イオン注入法を用いて、添加元素52を含むシリサイド層を形成することによって、加熱処理のみを用いて添加元素52がシリサイド層に添加される場合よりも低い加熱温度で、添加元素を含むシリサイド層39を形成できる。つまり、第4の製造方法は、シリサイド層39を形成するための加熱処理の温度を、低くできる。
これによって、クロスポイント型メモリセルアレイのように、複数のメモリセルアレイが積層される場合において、シリサイド層39を形成するための熱が、下層に形成されたメモリセルアレイに繰り返し与えられることを抑制できる。これによって、複数回の高温処理の履歴によって、素子の特性が劣化したり、上層の素子と下層の素子とで素子の特性にばらつきが生じたりするのを、低減できる。
また、シリサイド層39を形成するための加熱処理によって、層間絶縁膜中の不純物(例えば、炭素)や配線又は電極内に含まれる金属原子が、半導体層31X,32X,33Xや抵抗変化膜21X内に拡散するのを抑制できる。これによって、不純物の拡散による素子特性の劣化を抑制できる。
したがって、本発明の実施形態に係る抵抗変化メモリの第4の製造方法においても、第1及び第2の製造方法と同様に、素子特性の劣化を抑制した抵抗変化メモリを提供できる。
(e) 第5の製造方法
図18A及び図18Bを用いて、本発明の実施形態に係る抵抗変化メモリの第5の製造方法について、説明する。図18A及び図18Bは、本製造方法の一工程におけるメモリセルアレイの第2の方向に沿う断面工程図をそれぞれ示している。尚、第1乃至第4の製造方法で述べた部材と共通する部材には同じ符号を付し、その説明を省略する。また、第1乃至第4の製造方法と共通する工程について、ここでの説明は省略する。
第1乃至第4の製造方法においては、セルユニットを構成する複数の層が、所定の形状(寸法)の積層体となるように加工される前に、Si元素、3d遷移金属元素及び添加元素を含むシリサイド層を形成する場合について説明した。但し、積層体が形成された後に、シリサイド層を形成してもよい。
図18Aにおいて、セルユニットを構成する非オーミック素子(整流素子)が、メモリ素子上に積層された場合について説明する。
例えば、図18Aに示されるように、導電層60X上に、電極層25X、抵抗変化膜21X及び電極層26Xが順次堆積される。さらに、電極層26X上に、3つのシリコン層31X,32X,33Xが、順次堆積される。
この後、図14Dに示す工程と同様に、フォトリソグラフィ技術及びRIE法によって、積層体100が形成される。そして、隣接する積層体100間に、層間絶縁膜69が埋め込まれる。
積層体100が形成された後、例えば、金属膜59が、半導体層33X上及び層間絶縁膜69上に堆積される。金属膜59は、3d遷移金属元素と3d遷移金属元素の原子半径より大きい原子半径を有する元素を含んでいる。
そして、金属膜59とシリコン層33Yとに対する加熱処理よって、金属膜59に含まれる3d遷移金属元素がシリコン層33Yに含まれるSi元素とシリサイド反応し、シリサイド層が形成される。金属膜59内の添加元素は、シリサイド層内に添加される。
これによって、積層体100が形成された後のシリコン層33Yの端部(上部)に、Si元素、3d遷移金属元素及びその元素より大きい原子半径の元素を含むシリサイド層39が、形成される。
本実施形態の抵抗変化メモリの第5の製造方法のように、積層体に加工された後に、本実施形態に用いられるシリサイド層が形成される工程は、例えば、図12のd又はfに示されるセルユニットCUのように、整流素子30がメモリ素子20上に積層された構造に対して、有効である。
但し、メモリ素子が整流素子上に積層された場合おいても、図18Bに示されるように、整流素子を構成するシリコン層31Y,32Y,33Yを1度加工し、図18Aと同様の手法を用いて、シリサイド層を形成してもよい。
尚、ここでは、上述の第1の製造方法を用いて、3d遷移金属元素51及び添加元素51を含むシリサイド層が、積層体の加工後に形成される場合について述べた。しかし、図18A及び18Cに示されるのと同様に、上述の第2乃至第4の製造方法を用いても、積層体の加工後に、シリサイド層が形成できるのは、もちろんである。
したがって、本発明の実施形態に係る抵抗変化メモリの第5の製造方法においても、第1及び第2の製造方法と同様に、素子特性の劣化を抑制した抵抗変化メモリを提供できる。
(4) 動作
上述の抵抗変化メモリの動作について説明する。
図19は、2つのメモリセルアレイを示している。
メモリセルアレイM1は、図2のメモリセルアレイM1に相当し、メモリセルアレイM2は、図2のメモリセルアレイM2に相当する。セルユニットCU1,CU2内のメモリ素子及び非オーミック素子(例えば、整流素子)の接続関係は、図4のaに相当する。
A. セット動作
まず、メモリセルアレイM1内の選択セルユニットCU1-selに対して書き込み(セット)動作を行う場合について説明する。
選択セルユニットCU1-selの初期状態は、消去(リセット)状態である。
また、例えば、リセット状態を高抵抗状態(100kΩ〜1MΩ)とし、セット状態を低抵抗状態(1kΩ〜10kΩ)とする。
選択された配線L2(i)は高電位側の電源電位Vddに接続され、選択された配線L1(j)が低電位側の電源電位Vssに接続される。
また、基板側から1番目の配線のうち、選択された配線L1(j)以外の残りの非選択の配線L1(j−1),L1(j+1)は電源電位Vddに接続される。基板側から2番目の配線のうち、選択された配線L2(i)以外の残りの非選択の配線L2(i+1)は電源電位Vssに接続される。
さらに、基板側から3番目の非選択の配線L3(j−1),L3(j),L3(j+1)は電源電位Vssに接続される。
この時、選択セルユニットCU1-sel内の整流素子(例えば、ダイオード)には、順バイアスが印加される。そのため、定電流源からのセット電流I-setは選択セルユニットCU1-selに流れ、選択セルユニットCU1-sel内のメモリ素子の抵抗値が高抵抗状態から低抵抗状態に変化する。
ここで、セット動作時において、選択セルユニットCU1-sel内のメモリ素子に、例えば、1V〜2Vの電圧が印加され、そのメモリ素子(高抵抗状態)に流すセット電流I-setの電流密度は、例えば、1×10〜1×10A/cmの範囲内の値にされる。尚、セット動作時におけるメモリ素子の抵抗値の変化が、電流のパルス幅に依存する場合、セット電流のパルス幅は、所定のパルス幅に適宜設定される。
一方、メモリセルアレイM1内の非選択セルユニットCU1-unselのうち、非選択の配線L1(j−1),L1(j+1)と非選択の配線L2(i+1)との間に接続されるセルユニット内の整流素子(ダイオード)には、逆バイアスが印加される。
同様に、メモリセルアレイM2内の非選択セルユニットCU2-unselのうち、選択された配線L2(i)と非選択の配線L3(j−1),L3(j),L3(j+1)との間に接続されるセルユニット内の整流素子(ダイオード)には、逆バイアスが印加される。
したがって、セルユニット内の整流素子には、逆バイアスが印加されたときの電流が十分に小さく、かつ、絶縁耐圧が十分に大きい、という特性が要求される。
B. リセット動作
次に、メモリセルアレイM1内の選択セルユニットCU1-selに対して消去(リセット)動作を行う場合について説明する。
選択された配線L2(i)は高電位側の電源電位Vddに接続され、選択された配線L1(j)は低電位側の電源電位Vssに接続される。
また、基板側から1番目の配線のうち、選択された配線L1(j)以外の残りの非選択の配線L1(j−1),L1(j+1)は電源電位Vddに接続される。基板側から2番目の配線のうち、選択された配線L2(i)以外の残りの非選択の配線L2(i+1)は電源電位Vssに接続される。
さらに、基板側から3番目の非選択の配線L3(j−1),L3(j),L3(j+1)は電源電位Vssに接続される。
この時、選択セルユニットCU1-sel内の整流素子(例えば、ダイオード)には、順バイアスが印加されるため、定電流源からのリセット電流I-resetが選択セルユニットCU1-selに流れ、選択セルユニットCU1-sel内のメモリ素子の抵抗値が低抵抗状態から高抵抗状態に変化する。
ここで、リセット動作時において、選択セルユニットCU1-sel内のメモリ素子には、1V〜3Vの電圧が印加され、そのメモリ素子(低抵抗状態)に流すリセット電流I-resetの電流密度としては、1×10〜1×10A/cm2の範囲内の値にされる。尚、セット動作時におけるメモリ素子の抵抗値の変化が、電流のパルス幅に依存する場合、セット電流のパルス幅は、所定のパルス幅に適宜設定される。
一方、メモリセルアレイM1内の非選択セルユニットCU1-unselのうち、非選択の配線L1(j−1),L1(j+1)と非選択の配線L2(i+1)との間に接続されるセルユニット内の整流素子(ダイオード)には、逆バイアスが印加される。
同様に、メモリセルアレイM2内の非選択セルユニットCU2-unselのうち、選択された配線L2(i)と非選択の配線L3(j−1),L3(j),L3(j+1)との間に接続されるセルユニット内の整流素子(ダイオード)には、逆バイアスが印加される。
したがって、セルユニット内の整流素子には、逆バイアスが印加されたときの電流が十分に小さく、かつ、絶縁耐圧が十分に大きい、という特性が要求される。
尚、セット電流I-setの電流値とリセット電流I-resetの電流値とは互いに異なる。また、メモリ素子のセット/リセット動作が、電流/電圧のパルス幅に依存する場合、セット電流のパルス幅とリセット電流のパルス幅は、異なる。さらに、それらを生成するために選択セルユニットCU1-sel内のメモリ素子に印加する電圧値/時間は、メモリ素子を構成する材料に依存する。
C. 読み出し動作
次に、メモリセルアレイM1内の選択セルユニットCU1-selに対して読み出し動作を行う場合について説明する。
選択された配線L2(i)は高電位側の電源電位Vddに接続され、選択された配線L1(j)は低電位側の電源電位Vssに接続される。
また、基板側から1番目の配線のうち、選択された配線L1(j)以外の残りの非選択の配線L1(j−1),L1(j+1)は電源電位Vddに接続される。基板側から2番目の配線のうち、選択された配線L2(i)以外の残りの非選択の配線L2(i+1)は電源電位Vssに接続される。
さらに、基板側から3番目の非選択の配線L3(j−1),L3(j),L3(j+1)は電源電位Vssに接続される。
この時、選択セルユニットCU1-sel内の整流素子(例えば、ダイオード)には、順バイアスが印加される。そのため、定電流源からの読み出し電流I-readが選択セルユニットCU1-sel内のメモリ素子(高抵抗状態又は低抵抗状態)に流れる。
従って、例えば、メモリ素子に読み出し電流I-readが流れているときのセンスノードの電位変化を検出することにより、そのメモリ素子のデータ(抵抗値)を読み出すことができる。
ここで、読み出し電流I-readの値は、読み出し時にメモリ素子の抵抗値が変化しないように、セット電流I-setの値及びリセット電流I-resetの値よりも十分に小さいことが必要である。また、メモリ素子の抵抗値の変化が、電流のパルス幅に依存する場合には、読み出し電流のパルス幅は、メモリ素子の抵抗値の変化が生じないパルス幅に、設定される。
読み出し時にも、セット/リセット時と同様に、メモリセルアレイM1内の非選択セルユニットCU1-unselのうち、非選択の配線L1(j−1),L1(j+1)と非選択の配線L2(i+1)との間に接続されるセルユニット内の整流素子(ダイオード)には、逆バイアスが印加される。
また、メモリセルアレイM2内の非選択セルユニットCU2-unselのうち、選択された配線L2(i)と非選択の配線L3(j−1),L3(j),L3(j+1)との間に接続されるセルユニット内の整流素子(ダイオード)にも、逆バイアスが印加される。
このように、セルユニット内の整流素子には、逆バイアスが印加されたときの電流が十分に小さく、かつ、絶縁耐圧が十分に大きい、という特性が要求される。
以上のように、抵抗変化メモリのセット/リセット動作、及び読み出し動作が実行される。
上述のように、本実施形態の抵抗変化メモリは、図3に示されるように、そのセルユニットを構成している非オーミック素子(ここでは、整流素子)の両端の少なくとも一方に、シリサイド層39を有している。シリサイド層39は、Si元素50、Si元素50とシリサイドを形成する3d遷移金属元素51、3d遷移金属元素の原子半径より大きい原子半径を有する添加元素(異元素)52を含んでいる。
本実施形態の抵抗変化メモリに含まれているシリサイド層39は、異元素の添加により、高い高温耐性(高い耐熱性)を有しているため、シリサイド層が含む金属元素(原子)の凝集(アグロメ)や拡散、シリコン層に対するシリサイド層の侵食が生じにくくなる。
本実施形態の抵抗変化メモリにおいて、このような高温加熱処理によるシリサイド層に対する悪影響を抑制できるため、例えば、逆バイアス印加時におけるリバース電流を低減でき、かつ、大きい絶縁耐圧を確保できる。
このように、本実施形態の抵抗変化メモリにおいて、その製造プロセス中に高温の加熱処理が実行されても、整流素子の逆バイアス特性が劣化することを抑制できる。非選択セルユニットの逆バイアス特性の劣化を抑制できるため、非選択セルユニットに対する過大な電流の供給など、非選択セルユニットの誤動作(例えば、誤書き込み)の発生を低減できる。
加えて、セット/リセット動作及び読み出し動作のいずれの場合においても、選択セルユニットの個数に比較して、非選択セルユニットの個数は多い。
そのため、非選択セルユニットの逆バイアス特性が劣化していると、メモリセルアレイ全体で生じるリバース電流の総量は非常に大きくなる。この結果として、図2のクロスポイント型メモリセルアレイ2の消費電力が大きくなる。
これに対して、本実施形態の抵抗変化メモリは、整流素子の逆バイアス特性の劣化を抑制できるため、抵抗変化メモリの消費電力が増大するのを抑制できる。
また、本実施形態の抵抗変化メモリに含まれているシリサイド層は、シリサイドに対する異元素の添加により、そのシリサイド層の仕事関数を変調できる。つまり、あるシリサイドに添加される異元素の種類及び添加量を適宜選択することによって、シリコン−シリサイド接合の界面抵抗を低減でき、その界面抵抗に起因する電流損失を低減できる。
このため、本実施形態の抵抗変化メモリにおいて、順バイアス印加時におけるフォワード電流の上限を向上でき、ある順バイアス電圧に対する整流素子のフォワード電流を大きくできる。
それゆえ、本実施形態の抵抗変化メモリにおいて、選択セルユニットのメモリ素子に対して、セット/リセット動作を正確に実行するのに十分な大きさの電流を供給できる。順バイアス印加時における整流素子の特性改善は、抵抗変化メモリの消費電力の低減にも貢献できる。
これらによって、シリサイドを含む構成素子(例えば、整流素子)の特性劣化は抑制される。
このように、本発明の実施形態の抵抗変化メモリにおいて、Si元素50とシリサイドを形成する3d遷移金属元素51とその元素51より原子半径の大きい添加元素52とを含むシリサイド39を用いて非オーミック素子(整流素子)が形成されることによって、高温処理によるシリサイド層の変質及びそれに起因した素子に対する悪影響を抑制し、且つ、シリサイド層の界面抵抗を低減し、素子の電気的特性を改善する。
したがって、本発明の実施形態に係る抵抗変化メモリによれば、抵抗変化メモリの素子特性の劣化を抑制できる。
<変形例>
図20A乃至図21を用いて、本発明の実施形態に係る抵抗変化メモリの変形例について説明する。
(1) 変形例1
図20A及び図20Bを用いて、本発明の実施形態に係る抵抗変化メモリの変形例2について、説明する。
図20Aは、セルユニットに用いられるシリサイド層39の変形例を、模式的に示している。
図20Aに示される変形例において、シリサイド層39Dは、上述の添加元素群から選択された2種類以上の添加元素52,53が含まれている。
第2の添加元素53の原子半径r3は、第1の添加元素52の原子半径r2より大きくてもよいし、原子半径r2以下でもよい。
ここで、NiSiに、Pd及びPtが添加された場合を例示して、本変形例について、説明する。
抵抗変化メモリのクロスポイント型メモリセルアレイが、層間絶縁膜を挟んで、周辺回路が形成された基板上方に設けられた場合、シリサイドを形成するための加熱処理が、例えば、素子分離絶縁膜のエッジに対する潜り込み効果のように、フロントエンドプロセスで形成された素子の劣化を引き起こす場合がある。また、例えば、メモリセルアレイを形成するバックエンドプロセスにおいても、加熱処理に用いられる温度を可能な範囲内で低くすることが好ましい。
図4を用いて説明したように、Pdを添加したNiSi(Ni1−xPdSi)は、Ptを添加したNiSi(Ni1−xPtSi)に比較して、シリサイド反応が生じる温度が高い。換言すると、Ni1−xPtSiは比較的低い加熱温度で形成できる。
また、Ni1−xPdSiは、Ni1−xPtSiに比較して、低い電気抵抗と高い高温耐性を有する。このような特性の違いを利用して、Ni1−xPdSiとNi1−xPtSiとを組み合わせることによって、高い高温耐性及び低い電気抵抗を維持しつつ、低温で形成できるシリサイドを提供できる。
Pt及びPdの両方を含むNiSiにおいて、シリサイド層39Dの反応温度(加熱温度)を低くするには、Ptの添加量がPdの添加量よりも多くなっていればよい。
また、Pt及びPdの両方を含むNiSiにおいて、電気抵抗が低く、高温耐性が向上させるには、Pdの添加量がPtの添加量よりも多くなっていればよい。
このように、あるシリサイド層に対して、2種類以上の添加元素を添加することによって、シリサイド層39Dの特性を、抵抗変化メモリの動作特性及び製造プロセスにより適応するように、調整できる。
これによって、フロントエンドプロセス及びバックエンドプロセスのいずれの工程において形成された抵抗変化メモリの素子に対して、高温の加熱処理による抵抗変化メモリの素子特性の劣化を抑制できる。
図20Bは、図20Aとは異なる変形例を、模式的に示している。
異元素が添加されたシリサイド層39Eは、上述の製造方法によって、金属膜とSi元素を含む層との加熱処理又はSiを含む層に対する元素のイオン注入などによって、形成される。
このように、ベース層としてのSiを含む層は、SiC、SiGe、SiSnなどが用いられ、これらの材料に対して、シリサイド処理及び異元素の添加が行われている。
また、非オーミック素子の構造及び特性に応じて、N型シリコン層やP型シリコン層の一部がシリサイド化されることによって、シリサイド層39Eが形成される場合もある。そのため、Siに対してドナーとなる元素(例えば、P又はAs)又はSiに対してアクセプタとなる元素(例えば、B)が、シリサイド層39E内に含まれる可能性がある。
また、メモリの製造工程において、シリコン層の表面に、酸化膜や窒化膜が形成される場合がある。
それゆえ、図20Bに示されるように、シリサイド層39Eは、Si元素50、3d遷移金属元素51及び添加元素52に加えて、例えば、C、Ge、Sn、P、As、B、O及びNなどのように、シリサイド層39Eを形成するためのSi元素を含む層(ベース層)に起因する1種類以上の元素54を、含んでいてもよい。
これらの元素54は、主として、Si元素50と格子置換している。
図20A及び図20Bに示される抵抗変化メモリの変形例1においても、基本例及び実施例で述べた抵抗変化メモリと実質的に同様の効果が得られるのは、もちろんである。
(2)変形例2
図21を用いて、本発明の実施形態に係る抵抗変化メモリの変形例2について、説明する。
ワード線/ビット線として用いられる配線は、CuやAlなどの金属や金属化合物以外に、シリサイドが用いられる場合がある。
それゆえ、配線60,65に、Si元素と3d遷移金属元素と添加元素とを含んでいるシリサイド層が用いられてもよい。
図21の(a)では、下側の配線60が、シリサイド層39から形成される。図21の(b)では、上側の配線65が、シリサイド層39から形成される。また、図21の(c)は、2つの配線60,65の両方が、シリサイド層39からなる。
尚、配線60,65は、金属層とシリサイド層39とを有する積層構造を有してもよい。
図21に示される抵抗変化メモリの変形例2においても、基本例及び実施例で述べた抵抗変化メモリと実質的に同様の効果が得られるのは、もちろんである。
<応用例>
図22乃至図26を用いて、本発明の実施形態の応用例について、説明する。
(1) トランジスタ
抵抗変化メモリにおいて、図2に示されるメモリセルアレイ2は、例えば、バックエンドプロセスで形成される。一方、制御回路3,4などの周辺回路を構成する電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)は、フロントエンドプロセスで形成される。図22に示されるように、周辺回路の電界効果トランジスタTrは、メモリセルアレイ2の下方の半導体基板(シリコン基板)上に、形成される。
図22は、周辺回路に用いられる電界効果トランジスタTrの断面構造の一例を示している。図22には、電界効果トランジスタのチャネル長方向の断面が示されている。
図22に示されるように、電界効果トランジスタTrのゲート電極23,39、電界効果トランジスタTrのソース/ドレイン電極39,39に、本発明の実施形態のセルユニットが含むシリサイド層と同じ材料が、用いられてもよい。
半導体基板70内には、Pウェル71A及びNウェル71Bが設けられる。Pウェル71A及びNウェル71Bは、素子分離絶縁膜79によって、半導体基板70内で、それぞれ電気的に分離されている。
Pウェル71A内には、Nチャネル型電界効果トランジスタTrが、設けられる。Nウェル71B内には、Pチャネル型電界効果トランジスタが設けられる。Pチャネル型及びNチャネル型電界効果トランジスタの構造は、実質的に同じであるため、ここでは、Pウェル71A内のトランジスタTrの構造について、説明する。
Pウェル71A内には、2つの拡散層74,75が設けられている。拡散層74,75は、トランジスタTrのソース/ドレインとして用いられる。拡散層74,75の表面には、ソース/ドレイン電極39,39が設けられている。
2つの拡散層74,75間のウェル71表面には、ゲート絶縁膜72が設けられる。ゲート電極73,39は、ゲート絶縁膜72上に設けられる。ゲート電極の上部は、シリサイド層39から構成され、ゲート電極の下部は、シリコン層73から構成される。
ゲート電極73,39の側部には、側壁絶縁膜76が設けられている。
ゲート電極73,39及びソース/ドレイン電極39,39上には、コンタクトCP1,CP2,CP3がそれぞれ設けられている。
各電極73,39,39,39は、コンタクトCP1,CP2,CP3を経由して、配線M1,M2,M3に接続される。
コンタクトCP1,CP2,CP3及び配線M1,M2,M3は、層間絶縁膜77A,77B内に設けられている。コンタクトCP1,CP2,CP3には、Wなどの金属が用いられる。
ゲート電極の上部電極39及びソース/ドレイン電極39,39は、Si元素と3d遷移金属元素とを含むシリサイドに異元素(添加元素)が添加されたシリサイド層39,39,39から形成される。
電界効果トランジスタに用いられるシリサイド層39,39,39において、図3を用いて説明したセルユニットに用いられるシリサイド層と同様に、添加される異元素の原子半径は、3d遷移金属元素の原子半径より大きい。尚、シリサイド層39,39,39内の添加元素は、1種類でもよいし、2種類以上でもよい。
図22に示される電界効果トランジスタは、以下の製造方法で形成される。
図23は、電界効果トランジスタの製造方法の一例を示している。
図23示されるように、半導体基板(シリコン基板)70内に、ウェル71A,71B及び素子分離絶縁膜79が形成される。
ウェル71A,71B表面上に、ゲート絶縁膜72が、例えば、熱酸化法やCVD法などによって、形成される。シリコン層が、例えば、CVD法によって、ゲート絶縁膜72上に堆積される。シリコン層は、フォトリソグラフィ技術及びRIE法を用いて、所定の形状のゲート電極73に、加工される。
そして、ゲート電極73Aがマスクに用いられて、拡散層74,75が、例えば、イオン注入法により、ウェル71A,71B内に形成される。Pウェル71A内に、N型の拡散層が形成される場合、Nウェル71B表面は、マスク(レジスト)によって、覆われている。これとは反対に、Nウェル71B内に、P型の拡散層が形成される場合、Pウェル71A表面は、マスクによって覆われている。
拡散層(ソース/ドレイン)74,75がウェル71A内に形成された後、側壁絶縁膜76が、CVD法及びRIE法によって、ゲート電極73Aの側面上に形成される。
この後、シリコンの単層構造のゲート電極73A及びシリコン基板内の拡散層74,75表面に対して、シリサイド処理が実行される。Pウェル内に形成されるトランジスタに対してのみ、シリサイド処理が実行される場合、図23に示されるように、Nウェル71B表面は、マスク(絶縁膜)78によって覆われている。
図23に示すように、図14A及び図14Bで示された製造方法と同様に、ゲート電極73A上及び拡散層74,75上に、3d遷移金属元素と他の元素(添加元素)とを含む合金膜59が、スパッタ法又はCVD法によって形成される。そして、加熱処理が基板70に対して施され、合金膜59とシリコンとがシリサイド反応する。
但し、トランジスタのゲート電極にシリサイド層を形成する方法は、実施例で述べた第2乃至第4の製造方法のいずれかが用いられてもよい。
これによって、図22に示されるように、トランジスタのゲート電極73上に、シリサイド層39が形成される。また、トランジスタの拡散層74,75の表面に、ソース/ドレイン電極として、シリサイド層39,39が形成される。
シリサイド層39,39,39は、Si元素、3d遷移金属元素及び3d遷移金属元素より原子半径の大きい添加元素を含む。
Pウェル71A内のトランジスタに対する処理と同様に、Nウェル27B内に形成されるトランジスタに対してシリサイド処理が施される。
尚、Pウェル71A内において、Nチャネル型トランジスタのソース/ドレインとしての拡散層74,75は、N型伝導型のシリコンであり、Nウェル71B内において、Pチャネル型トランジスタのソース/ドレインとしての拡散層は、P型伝導性型シリコンである。それゆえ、Pチャネル型トランジスタとNチャネル型トランジスタとにおいて、シリサイドの仕事関数を考慮して、シリサイド層39,39,39を形成するための3d遷移金属元素及び添加元素が、ソース/ドレインとしてのP型又はN型拡散層に応じて、それぞれ異なってもよい。また、Pチャネル型トランジスタとNチャネル型トランジスタとで、シリサイド層が同じ添加元素を含んでもよく、その場合には、PウェルとNウェルに対するシリサイド処理を同時に行ってもよい。
この後、Siとシリサイド反応しなかった合金膜が除去された後、周知の技術を用いて、トランジスタTrを覆うように、層間絶縁膜及び配線層などが形成され、本応用例の電界効果トランジスタが完成する。
以上のように、図22及び図23に示される本応用例において、Si元素と3d遷移金属元素と添加元素を含むシリサイド層39,39,39は、トランジスタのゲート電極やソース/ドレイン電極に用いられる。添加元素の原子半径は、3d遷移金属元素の原子半径よりも大きい。
本応用例において、高い高温耐性を有するシリサイド層が、各電極39,39,39に用いられている。そのため、上述のように、メモリセルアレイが形成されるバックエンドプロセスにおいて高温の加熱処理が実行されたとしても、その高温の加熱処理に起因して、フロントエンドプロセスで形成され、且つ、シリサイド層を含む素子(例えば、基板上のFET)の特性劣化の発生は、抑制される。
拡散層74,75やゲート電極の下部73は、シリコンから構成される。異元素が添加されたシリサイド層39,39,39によって、拡散層−ソース/ドレイン電極間など、シリコン−シリサイド接合の界面抵抗を低減できる。
ゲート電極において、シリサイド層39が用いられたゲート電極の上部とシリコン層73が用いられたゲート電極の下部との界面において、その界面抵抗は、低減する。界面抵抗に起因する電圧降下が低減する結果として、ゲート電極73に印加するゲート電圧を低減でき、界面抵抗の悪影響なしに、低いゲート電圧でゲート電極39,73下方にチャネルを形成できる。
これと同様に、シリコン基板70内に形成された拡散層74,75とソース/ドレイン電極39,39との間の界面抵抗は、低減する。この結果として、ある供給電位に対する電界トランジスタのドレイン電流は、増大する。
尚、ここでは、抵抗変化メモリの周辺回路の電界効果トランジスタに、異元素を添加したシリサイド層39,39,39を用いた例について述べた。但し、そのシリサイド層は、電界効果トランジスタ以外のフロントエンドプロセスで形成される基板上の構成素子に適用されてもよい。
また、本実施形態で述べたシリサイド39,39,39が、他の半導体メモリの周辺回路、或いは、半導体集積回路(例えば、ロジック回路)の構成素子としての電界効果トランジスタに、用いられてもよい。
以上のように、本発明の実施形態の抵抗変化メモリにおいて、Siと3d遷移金属元素から構成されるシリサイド層に、3d遷移金属元素の原子半径より大きい原子半径を有する少なくとも1種類の元素が添加される。本応用例において、そのシリサイド層39,39,39は、メモリセルアレイだけでなく、例えば、電界効果トランジスタのゲート電極及びソース/ドレイン電極など、シリコン基板上に形成された周辺回路に用いられる。
したがって、図22及び図23に示されるように、本発明の実施形態の応用例においても、抵抗変化メモリに用いられる素子特性の劣化を抑制できる。
(2) 選択トランジスタ
基本例及び実施例では、クロスポイント型メモリセルアレイを有する抵抗変化型メモリについて主に説明され、そのメモリのセルユニットは、メモリ素子と非オーミック素子とから構成されている。しかし、抵抗変化メモリの種類に応じて、セルユニットが、1つのメモリ素子と少なくとも1つのトランジスタとから構成される場合もある。
図24に示される例では、1つのセルユニットは、1つのメモリ素子20と1つのトランジスタSTrとから構成される、いわゆる、1T+1R構造を有している。トランジスタ(以下、選択トランジスタとよぶ)は、メモリ素子に対する選択素子として用いられている。このような選択トランジスタSTrを含むセルユニットは、例えば、MRAMやPCRAMに用いられる。尚、1つのメモリ素子に対して、2つ以上の選択トランジスタが設けられてもよい。
図24に示されるセルユニットにおいて、選択トランジスタSTrのゲート電極及びソース/ドレイン電極に、本実施形態で述べたシリサイド層39,39,39が用いられる。選択トランジスタSTrの構造は、図22に示される周辺回路内のトランジスタTrの構造と実質的に同じであるため、ここでは、相違点についてのみ説明する。
選択トランジスタSTrは、半導体基板(例えば、シリコン基板)上に形成される電界効果トランジスタである。
メモリ素子20は、層間絶縁膜77A,77Bを介して、選択トランジスタSTrの上層に設けられる。
メモリ素子20の一端は、コンタクトV1を経由して、第1のビット線BLに電気的に接続される。メモリ素子20の他端は、中間配線M0及びコンタクトCP1を経由して、選択トランジスタSTrの電流経路の一端(ソース/ドレイン)39,75に電気的に接続される。
選択トランジスタSTrの電流経路の他端(ソース/ドレイン)39,74は、コンタクトCP2を介して、第2のビット線bBLに電気的に接続される。
選択トランジスタSTrのゲート電極39,73は、ワード線に接続される。図24に示される例では、ゲート電極39,73が、ワード線WLとして用いられ、そのゲート電極39,73は、チャネル幅方向に延在する。
選択トランジスタSTrのゲート電極及びソース/ドレイン電極に、シリサイド層39,39,39を形成する方法は、図23を用いて説明した製造方法と同様であるので、ここでの説明は省略する。
MRAMやPCRAMにおいて、データの書き込み又は読み出し時、選択セルユニット内の選択トランジスタのゲート電極(ワード線)に電位が印加され、その選択トランジスタSTrがオンする。オン状態の選択トランジスタSTrの電流経路(チャネル)を経由して、書き込み電流又は読み出し電流が、メモリ素子20に供給される。
例えば、MRAMの書き込み動作にスピン注入磁化反転方式が用いられた場合、書き込むデータに応じて、メモリ素子(MTJ素子)に供給する書き込み電流Iの流れる向きを、変える。また、PCRAMにおいて、メモリ素子20の抵抗変化膜の結晶相を変化させる熱量を与えるため、書き込み電流Iがメモリ素子20に供給される。
このため、メモリの動作時、書き込み電流又は読み出し電流は、シリコン−シリサイド接合を流れる。
上述したように、シリサイド層39,39,39は、あるシリサイドに対して異元素を添加することによって、シリサイドの仕事関数を変調できる。その結果として、シリサイドと他の部材との接合における界面抵抗が、低減される。
このため、本応用例の抵抗変化メモリは、界面抵抗に起因する電流の減衰なしに、書き込み電流又は読み出し電流を、メモリ素子20に供給できる。
また、図22の電界効果トランジスタの例と同様に、選択トランジスタSTrのゲート電極及びソース/ドレイン電極に用いられているシリサイド層39,39,39において、シリサイド層に添加元素を含むことによって、そのシリサイド層に含まれる金属元素の高温の加熱処理による凝集及び拡散は、抑制される。それゆえ、高温の加熱処理に起因する選択トランジスタSTrの電流転送能力の劣化は、抑制される。
したがって、メモリ素子20にデータを書き込むために十分な大きさの書き込み電流を供給でき、書き込み電流の低減に起因する書き込み不良を防止できる。又、書き込み電流と同様に、界面抵抗による読み出し電流の低減も抑制できるため、データを判定するための電流又は電位(例えば、ビット線電位)の劣化を抑制でき、正確にデータを読み出すことができる。
さらに、界面抵抗に起因する書き込み電流の低減の影響は小さくなるため、大きな界面抵抗によって電流が減少するのを考慮して、あらかじめ大きな電流を生成せずともよくなる。それゆえ、抵抗変化メモリの消費電力を低減できる。
したがって、図24に示されるように、本発明の実施形態の応用例においても、抵抗変化メモリに用いられる素子特性の劣化を抑制できる。
(3) フラッシュメモリ
上述の例では、Si元素と3d遷移金属元素と3d遷移金属元素の原子半径より大きい原子半径を有する添加元素とを含むシリサイド層を、抵抗変化メモリに用いる例について、説明した。
但し、そのシリサイド層は、他の半導体メモリに用いることも可能である。上述のシリサイド層は、フラッシュメモリに適用できる。
図25A及び図25Bは、NAND型フラッシュメモリの1つのセルユニット(NANDセルユニット)の断面構造を示している。図25Aは、NANDセルユニットのy方向に沿う断面を示し、図25Bは、NANDセルユニットのx方向に沿う断面を示している。
1つのNANDセルユニットは、電流経路が直列接続された複数のメモリセルMC(例えば、n個)と、その一端及び他端に接続された選択トランジスタSG1,SG2から構成される。
図25A及び図25Bに示されるように、NANDセルユニットは、半導体基板80のアクティブ領域AA内に配置される。x方向に隣接するアクティブ領域AAは、素子分離絶縁膜89によって電気的に分離されている。
図25Aに示すように、メモリセルMCは、例えば、電荷蓄積層82A上にコントロールゲート電極39,84が積層されたゲート構造を有する電界効果トランジスタである。
メモリセルMCのゲート構造は、電荷蓄積層82Aにフローティングゲート電極を用いたスタックゲート構造でもよいし、電荷蓄積層82Aにトラップ準位を含む絶縁膜(例えば、窒化シリコン膜)を用いたMONOS構造でもよい。図25A及び図25Bには、フローティングゲート電極が電荷蓄積層に用いられた場合が示されている。
フローティングゲート電極82Aは、半導体基板1表面に形成されたゲート絶縁膜81A上に設けられる。
コントロールゲート電極39,84Aは、ゲート間絶縁膜83Aを介して、フローティングゲート電極3A上に積層されている。コントロールゲート電極84A,39は、多結晶Si層84A上にシリサイド層39が積層されたポリサイド構造を有する。尚、コントロールゲート電極は、コントロールゲート電極の上端から下端までの全体がシリサイド層からなるフルシリサイド構造(FUSI構造)を有してもよい。
コントロールゲート電極39,84Aは、x方向に延在し、x方向に隣接する複数のメモリセルMCで共有される。コントロールゲート線39,84Aはワード線WLとして用いられる。
また、y方向に隣接する複数のメモリセルMCは、拡散層85Aを共有して、直列接続されている。拡散層85Aは、メモリセルMCのソース/ドレインとして用いられる。
直列接続されたメモリセルMCの一端(ドレイン側)及び他端(ソース側)には、選択トランジスタSG1,SG2がそれぞれ設けられる。選択トランジスタSG1,SG2は、拡散層85D,85Sを介して、隣接するメモリセルMCに接続される。
選択トランジスタSG1,SG2は、メモリセルMCと同時工程で形成されるため、スタックゲート構造の電界効果トランジスタとなる。選択トランジスタSG1,SG2の下部ゲート電極82Bは、フローティングゲート電極82Aと同時に形成される。選択トランジスタSG1,SG2の上部ゲート電極39,84Bは、コントロールゲート電極39,84Aと同時に形成される。選択トランジスタSG1,SG2において、上部ゲート電極82Bは、ゲート間絶縁膜4Bに形成された開口部Pを介して、下部ゲート電極3Bに電気的に接続している。
上部ゲート電極39,84Bは、ポリサイド構造を有し、シリサイド層39を含んでいる。選択トランジスタSG1,SG2のゲート電極39,82B,84Bは、x方向に隣接する複数の選択トランジスタで共有される。2つの選択トランジスタSG1,SG2のゲート電極39,82B,84Bは、選択ゲート線としてそれぞれ用いられる。
選択トランジスタSG1のドレイン側の拡散層86Dは、コンタクトBC,V1及び中間配線M0を経由して、ビット線BLに接続される。選択トランジスタSG2のソース側の拡散層86Sは、ソース線コンタクトSCを経由して、ソース線SLに接続される。
尚、コンタクトBC,SC,V1及び配線M0,BL,SLは、層間絶縁膜88A,88B,88C内に形成されている。
図26を用いて、本応用例のフラッシュメモリの製造方法について、説明する。
図26に示されるように、半導体基板80上に、CVD法、フォトリソグラフィ及びRIE法を用いて、メモリセル及び選択トランジスタのゲート電極82A,84A,82B,84Bが形成される。上述のように、メモリセルでは、コントロールゲート電極84Aが、ゲート間絶縁膜83Aを介して、フローティングゲート電極82A上に、形成されている。コントロールゲート電極84Aは、例えば、多結晶Si層から構成されている。
ゲート電極82A,84A,82B,84Bが形成された後、そのゲート電極82A,84Aを覆うように、層間絶縁膜88Aが形成される。そして、層間絶縁膜88Aに、エッチバックが施され、コントロールゲート電極84A及び選択トランジスタのゲート電極83Bの上部が露出する。
そして、図14A及び図14Bで示された製造方法と同様に、合金膜59が、層間絶縁膜88A上及び露出したコントロールゲート電極84A上に堆積される。合金膜59は、3d遷移金属元素と3d遷移金属元素の原子半径より大きい原子半径を有する元素(添加元素)とを含んでいる。そして、加熱処理が基板80に対して施され、合金膜59とコントロールゲート電極の多結晶Si層84Aの上部とが、シリサイド反応する。
これによって、図25A及び図25Bに示されるように、シリサイド層39が、コントロールゲート電極の多結晶Si層84A上に、形成される。シリサイド層39は、Si元素及び3d遷移金属元素のほかに、3d遷移金属元素の原子半径より大きい原子半径の元素を含んでいる。
これと同様に、選択トランジスタのゲート電極(選択ゲート線)においても、シリサイド層39が、多結晶Si層84B上に形成される。
尚、メモリセルのゲート電極にシリサイド層39を形成する方法は、実施例で述べた第2乃至第4の製造方法のいずれかが用いられてもよい。
シリサイド反応しなかった合金膜が除去された後、層間絶縁膜88B,88C、コンタクトBC,SC,V1及び配線M0,BL,SLが、周知の技術を用いて、基板80上に、順次形成される。これによって、図25A及び図25Bに示されるフラッシュメモリが完成する。
以上のように、図25A及び図25Bに示されるように、Si元素と3d遷移金属元素と添加元素(異元素)を含むシリサイド層39は、メモリセル及び選択トランジスタのゲート電極、つまり、フラッシュメモリの制御線(ワード線/選択ワード線)に適用できる。このシリサイド層39において、抵抗変化メモリに用いられるシリサイド層と同様に、添加元素の原子半径は、3d遷移金属元素の原子半径より大きい。
これによって、ワード線WL内のシリコン−シリサイド接合の界面抵抗を低減できる。
フラッシュメモリの書き込み動作において、選択セルユニット内の選択ワード線に書き込み電圧が印加されることによって、電荷蓄積層82Aに対して電荷が注入される。
本応用例によれば、ポリサイド構造を有するワード線(コントロールゲート電極)において、界面抵抗に起因する書き込み電圧の低減は小さくなるため、書き込み電圧の界面抵抗による低減を考慮して、あらかじめ大きな電圧を生成せずともよくなる。それゆえ、フラッシュメモリの消費電力を、低減できる。
尚、ここでは、フラッシュメモリを例に挙げて、説明したが、DRAMやSRAM、或いは、それらのメモリを含む混載メモリに対しても、本発明の実施形態で述べたシリサイド層39を適用できる。尚、DRAMやSRAMにおいて、本実施形態で述べた、シリサイド層は、メモリセルに含まれるトランジスタのゲート電極(ワード線)やソース/ドレイン電極に用いられる。
[その他]
本発明の例は、上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、各構成要素を変形して具体化できる。また、上述の実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を構成できる。例えば、上述の実施形態に開示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよいし、異なる実施形態の構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1:抵抗変化メモリ、2:メモリセルアレイ、CU,CU1,CU2:セルユニット、20:メモリ素子、30:非オーミック素子、39A,39B:シリサイド層、50:Si元素、51:3d遷移金属元素、52,53:添加元素。

Claims (4)

  1. 第1の方向に延在する第1の配線と、
    前記第1の方向に交差する第2の方向に延在する第2の配線と、
    前記第1の配線と前記第2の配線との交点に設けられ、第1及び第2の端部の少なくとも一方にシリサイド層を有する非オーミック素子と抵抗状態の可逆的な変化に応じてデータを記憶するメモリ素子とを含むセルユニットと、
    を具備し、
    前記シリサイド層は、
    Si元素とシリサイドを形成する少なくとも1種類の3d遷移金属元素と、
    前記3d遷移金属元素の原子半径より大きい原子半径を有する少なくとも1種類の添加元素とを含み、
    前記シリサイド層において、前記3d遷移金属元素が(M)で示され、前記添加元素が(D)で示され、前記Si元素が(Si)で示される場合、
    前記シリサイド層の組成式は、
    1−x Si (0<x≦0.30、0<y≦2)
    で表されることを特徴とする抵抗変化メモリ。
  2. 前記3d遷移金属元素は、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Znのグループから選択された少なくとも1種類の元素であることを特徴とする請求項1に記載の抵抗変化メモリ。
  3. 前記添加元素は、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、In、Tl、Ge、Sn、Pbのグループから選択された少なくとも1種類の元素であることを特徴とする請求項2に記載の抵抗変化メモリ。
  4. 基板上方に、非オーミック素子を形成するためのSi元素を含む半導体層を形成する工程と、
    前記Si元素を含む半導体層上に、3d遷移金属元素と前記3d遷移金属元素の原子半径より大きい原子半径を有する添加元素とを含む金属膜を形成する工程と、
    前記Si元素を含む半導体層と前記金属膜とに対して、500℃以上に加熱処理を施して、前記Si元素とシリサイドを形成する前記3d遷移金属元素と前記添加元素とを含むシリサイド層を、前記半導体層上に形成する工程と、
    前記非オーミック素子内に含まれる前記シリサイド層に接続されるように、抵抗状態の可逆的な変化に応じてデータを記憶するメモリ素子を形成する工程と、
    を具備し、
    前記シリサイド層において、前記3d遷移金属元素が(M)で示され、前記添加元素が(D)で示され、前記Si元素が(Si)で示される場合、
    前記シリサイド層の組成式は、
    1−x Si (0<x≦0.30、0<y≦2)
    で表されることを特徴とする抵抗変化メモリの製造方法。
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