JP5609263B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
また、ブロック20の辺のうちタイヤ幅方向に沿って延びる2つの辺A1、A2がタイヤ周方向に対してなす角α1、α2の差は10°以下である。
ブロック20の辺のうちタイヤ幅方向に沿って延びる辺が直線ではない場合は、タイヤ幅方向に沿って延びる辺の両端を結ぶ直線(図3(a)〜(c)に点線で示される直線A1、A2)によって、タイヤ幅方向に沿って延びる辺を定義する。
また、複数のサイプ30がタイヤ周方向に対してなす角の最大値と最小値の差は10°以下である。
また、10°≦α−β≦45°の関係を満たすように、ブロック20に複数のサイプ30が形成される。
なお、図2に示されるように、サイプ30が直線形状ではない場合は、サイプ30のタイヤ幅方向の両端を結ぶ直線がタイヤ周方向に対してなす角によって、βを定義する。また、αとβはいずれもタイヤ周方向の同一方向(例えば、図2の上方向)を基準として定義される。
また、本実施形態の空気入りタイヤでは、β<αの関係を満たすようにブロック20に複数のサイプ30が形成されることにより、β=αの関係を満たすようにブロック20に複数のサイプ30が形成される場合に比べて、サイプ30の長さを長くすることができる。そのため、ブロック20のエッジ成分を増加させることができる。
その結果、本実施形態の空気入りタイヤによれば、氷雪路面における制動性能を向上させることができる。
また、タイヤ幅方向に沿ったブロック20のエッジ成分を増加させるためには、50°≦αとすることが好ましい。
本実施形態のブロック20は、トレッド面(ブロック20が路面と接する面)において、ブロック20の面積に対して複数のサイプ30が形成される部分の面積が15%以下であることが好ましい。ブロック20の面積に対して複数のサイプ30が形成される部分の面積を15%以下とすることにより、ブロック剛性の低下を抑制することができるためである。
ブロック剛性の低下をより効果的に抑制するためには、ブロック20の面積に対して複数のサイプ30が形成される部分の面積を8%以上12%以下とすることが好ましい。
本実施形態の複数のサイプ30は、3mm以上の間隔で形成されることが好ましい。複数のサイプ30を3mm以上の間隔で形成することにより、ブロック剛性の低下を抑制することができるためである。
次に、図4を参照して、変形例1のブロックについて説明する。本変形例では、ブロック20に形成されるサイプ30の形状が、図2を参照して説明した実施形態とは異なる。図4は、本変形例のブロックを示す平面図である。図4に示されるように、本変形例のブロック20に形成されるサイプ30は、少なくとも一部分が波形状である。その他の点では、本変形例のサイプ30の形状は、上述した実施形態と同様である。
波形状の部分のサイプ30の振幅(図4にbで示される長さ)は、0.8mm以上3.0mm以下であることが好ましく、0.8mm以上1.5mm以下であることがより好ましい。
なお、サイプ30の他の変形例として、サイプ30が直線状に形成されるものでもよい。
次に、図5を参照して、変形例2のブロックについて説明する。本変形例では、ブロック20に形成されるサイプ30の形状が、図2を参照して説明した実施形態とは異なる。図5(a)、(b)は、本変形例のブロックを示す平面図である。
図5(a)に示される例のサイプ30は、サイプ30の少なくとも一方の端がブロック20の内部で終端している。図5(b)に示される例のサイプ30は、サイプ30の両端がブロック20の内部で終端している。その他の点では、本変形例のサイプ30の形状は、上述した実施形態と同様である。
次に、図6を参照して、変形例3のブロックについて説明する。本変形例では、ブロック20に形成されるサイプ30の形状が、図2を参照して説明した実施形態とは異なる。図6は、本変形例のブロックを示す斜視図である。
図6に示されるように、本変形例のサイプ30は、3次元形状のサイプである。具体的には、本変形例のサイプ30は、図2の平面図を参照して説明した実施形態と同様、トレッド面ではジグザグ形状に形成されているが、サイプの底は、ジグザグ形状のサイプ30の振幅と実質的に同じ溝幅を有する細溝状に形成されている。つまり、サイプ30は、トレッド面からサイプの底に向けて徐々に幅が狭くなる複数の平面S1と、トレッド面からサイプの底に向けて徐々に幅が広くなる複数の平面S2とを有し、これらの平面S1,S2を組み合わせることにより、トレッド面からサイプの底に向けてサイプ形状の振幅が徐々に変化している。
雪上テストコースにおいて、時速40kmで直進走行中の車両にフル制動を付与し、車両が停止するまでの制動距離を測定した。制動距離の逆数により評価結果を求め、従来タイヤを100とする指数値でその結果を示す。この値が大きいほど、制動距離が短く、氷上制動性能が優れている。
氷上テストコースにおいて、時速30kmで直進走行中の車両にフル制動を付与し、車両が停止するまでの制動距離を測定した。制動距離の逆数により評価結果を求め、従来タイヤを100とする指数値でその結果を示す。この値が大きいほど、制動距離が短く、氷上制動性能が優れている。
従来例、実施例1〜4、比較例1〜3の空気入りタイヤを用いて、α−βの大きさを変えることの効果を調べた。
従来例の空気入りタイヤは、ブロック20の辺のうちタイヤ幅方向に沿って延びる辺がタイヤ周方向に対してなす角の平均αと、複数のサイプ30がタイヤ周方向に対してなす角の平均βとが互いに等しい。具体的には、α=β=65°である。
また、従来例、各実施例、各比較例のサイプ30の深さは、いずれも7.0mmである。また、従来例、各実施例、各比較例のサイプ30の幅は、いずれも0.4mmである。また、従来例、各実施例、各比較例のサイプ30のサイプ間隔は、いずれも4.5mmである。
また、比較例2、実施例1〜4における雪上制動性能、氷上制動性能の試験結果より、α<90°とすることにより、雪上制動性能、氷上制動性能が向上することが分かった。
また、実施例1〜4、比較例3における雪上制動性能、氷上制動性能の試験結果より、10°≦α−β≦45°とすることにより、雪上制動性能、氷上制動性能が向上することが分かった。また、実施例1〜4における雪上制動性能、氷上制動性能の試験結果より、15°≦α−β≦30°とすることにより、雪上制動性能、氷上制動性能が更に向上することが分かった。
次に、実施例2、5〜8の空気入りタイヤを用いて、ブロック20の面積に対して複数のサイプ30が形成される部分の面積の比率(サイプ面積比率)を変えることの効果を調べた。
実施例5のサイプ面積比率は、5%である。実施例6のサイプ面積比率は、8%である。実施例2のサイプ面積比率は、12%である。実施例7のサイプ面積比率は、15%である。実施例8のサイプ面積比率は、20%である。
なお、実施例2、5〜8は、いずれも、α=65°、β=50°、α−β=15°である。
次に、実施例2,9,10の空気入りタイヤを用いて、サイプ30の少なくとも一方の端がブロック20の内部で終端することの効果、サイプ30を3次元形状とすることの効果を調べた。
また、実施例10のブロック20の形状は、図6を参照して説明した変形例3のブロック20と同様である。すなわち、実施例10のブロック20に形成されるサイプ30は、3次元形状のサイプである。
また、サイプ30を3次元形状とすることにより、雪上制動性能、氷上制動性能が向上することが分かった。
12 幅方向溝
20 ブロック
30 サイプ
Claims (10)
- タイヤ周方向に延びる複数の周方向溝と、タイヤ幅方向に延びる複数の幅方向溝と、によって画定される複数のブロックをトレッド部に備える空気入りタイヤであって、
前記ブロックには、少なくとも一方の端が前記周方向溝で終端している複数のサイプによりタイヤ周方向に挟まれて区切られた部分が形成されており、
トレッド面における前記ブロックの辺のうちタイヤ幅方向に沿って延びる辺がタイヤ周方向に対してなす角の平均をαとすると、α<90°であり、
前記複数のサイプがタイヤ周方向に対してなす角の平均をβとすると、β<αであり、
前記ブロックの辺のうちタイヤ幅方向に沿って延びる2つの辺がタイヤ周方向に対してなす角の差は10°以下であり、
前記複数のサイプがタイヤ周方向に対してなす角の最大値と最小値の差は10°以下であり、
前記複数のサイプは、10°≦α−β≦45°の関係を満たすこと
を特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記複数のサイプは、15°≦α−β≦30°の関係を満たす、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記ブロックは、50°≦α≦80°の関係を満たし、
前記複数のサイプは、30°≦βの関係を満たす、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。 - 前記ブロックは、50°≦α≦70°の関係を満たし、
前記複数のサイプは、40°≦β≦60°の関係を満たす、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。 - トレッド面において、前記ブロックの面積に対して前記複数のサイプが形成される部分の面積は、15%以下である、請求項1乃至4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- トレッド面において、前記ブロックの面積に対して前記複数のサイプが形成される部分の面積は、8%以上12%以下である、請求項1乃至4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 前記複数のサイプは、3mm以上の間隔で形成される、請求項1乃至6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 前記サイプは、少なくとも一部分がジグザグ形状、又は、波形状である、請求項1乃至7のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 前記サイプは、3次元形状のサイプである、請求項1乃至8のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 前記サイプの一方の端が前記ブロックの内部で終端する、請求項1乃至9のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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