JP5560651B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、トレッド部にブロックパターンを備える空気入りタイヤに関する。
ウェット路面や氷雪路面において優れたトラクション性を発揮するために、トレッド部にブロックパターンを備える空気入りタイヤが用いられている。これは、トレッド部にブロックパターンを設けることにより、エッジ成分が増加し、空気入りタイヤと路面との摩擦係数が高くなるためである。また、エッジ成分を増加させることにより、空気入りタイヤの摩擦係数を更に高くするため、トレッド部に設けられた一つのブロックに複数のサイプが形成された空気入りタイヤが用いられている。
例えば、ブロック表面にタイヤ周方向に対して88〜90°の角度でのびる少なくとも2本のサイピングを設けた空気入りタイヤにおいて、サイピングは、ブロック表面に対して92°〜94°の範囲の角度βで、しかも溝底を後着側に向けて傾かせるとともに、ブロックの先着壁面は、溝底縁を先着側に位置させ、かつ後着壁面は、溝底縁を後着側に位置させるとともに、円周断面において、先着壁面がタイヤ半径線となす角度γ1と、後着壁面がタイヤ半径線となす角度γ2と、サイピングの角度βとは、β−90°≦γ2<γ1<30°を満足することを特徴とする空気入りタイヤが知られている(特許文献1)。
また、互いに交差する複数の溝によって区画された複数のブロック状陸部をトレッドに備え、ブロック状陸部には実質的にタイヤ軸方向に沿って延びる複数のサイプがタイヤ周方向に複数形成されている空気入りタイヤであって、複数のサイプのうちの少なくとも一つのサイプは、深さ方向の一部が踏面と垂直な方向に対して傾斜しており、複数のサイプで区分された複数の小ブロックは、蹴り出し側の小ブロックのタイヤ周方向の寸法が踏み込み側の小ブロックのタイヤ周方向の寸法よりも大であることを特徴とする空気入りタイヤが知られている(特許文献2)。
また、複数の周方向溝と、これらの周方向溝と交わる横方向溝で区分されたブロックをタイヤトレッド面に備えた空気入りタイヤにおいて、タイヤトレッド面に、1ブロック内にタイヤ幅方向に延びると共にサイプ厚みが異なる複数種類のサイプを有するブロックを備えたことを特徴とする空気入りタイヤが知られている(特許文献3)。
特開平8−25918号公報 特開2001−63322号公報 特開平10−29412号公報
上記空気入りタイヤは、いずれもブロックにサイプを設けることによりトラクション性能と耐偏摩耗性能との両立を図るものであるが、一方において、ブロック剛性は低下し、ハンドリング性能等の他性能に影響を与える。
本発明は、従来とは異なる方式により、ブロック剛性の低下を抑制しつつ、ヒール・アンド・トゥ摩耗を抑制する空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明の空気入りタイヤは、トレッド部にトレッドパターンとしてブロックを備え、回転方向が定められた空気入りタイヤであって、前記ブロックには、タイヤ幅方向に沿ったサイプが複数形成されており、前記複数のサイプの幅は、前記ブロックの蹴り出し側に形成されたサイプほど広いことを特徴とする。
また、ブロックの最も蹴り出し側に形成されたサイプの幅は、0.2mm以上1.0mm以下であることが好ましい。また、ブロックの最も踏み込み側に形成されたサイプの幅は、0.5mm以上2.0mm以下であることが好ましい。
また、ブロックの高さに対するサイプの深さは、10%以上であることが好ましい。
また、前記複数のサイプは、タイヤ周方向の断面において、前記ブロックの接地面の法線を基準として、前記ブロックの蹴り出し側に傾斜して形成されることが好ましい。
特に、タイヤ周方向の断面において、前記ブロックの接地面の法線を基準とする前記複数のサイプの傾斜角は、50度以下であることが好ましい。
また、前記タイヤ周方向の断面において、前記ブロックの接地面の法線を基準とする前記複数のサイプそれぞれの傾斜角は、前記ブロックの蹴り出し側に形成されたサイプほど大きいことが好ましい。
また、前記複数のサイプそれぞれの深さは、前記ブロックの蹴り出し側に形成されたサイプほど深いことが好ましい。
また、ブロックの最も蹴り出し側に形成されたサイプの深さは、ブロックの高さの10%以上50%以下であることが好ましい。また、ブロックの最も踏み込み側に形成されたサイプの深さは、ブロックの高さの30%以上70%以下であることが好ましい。
本発明の空気入りタイヤによれば、ブロック剛性の低下を抑制しつつ、ヒール・アンド・トゥ摩耗を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤのトレッドバターンを示す展開図である。 (a)は、第1の実施形態における図1に示すブロックのA−A断面図であり、(b)は、制動時におけるブロックのA−A断面図である。 (a)は、従来例のブロックの断面図であり、(b)は、従来例の制動時におけるブロックの断面図である。 第2の実施形態における図1に示すブロックのA−A断面図である。 (a)は、第3の実施形態における図1に示すブロックのA−A断面図であり、(b)は、変形例2における図1に示すブロックのA−A断面図である。 第4の実施形態における図1に示すブロックのA−A断面図である。 実施例2における図1に示すブロックのA−A断面図である。
<第1の実施形態>
以下、本実施形態の空気入りタイヤについて、詳細に説明する。
本実施形態の空気入りタイヤは、JATMA YEAR BOOK 2008(日本自動車タイヤ協会規格)のC章に規定されているトラック及びバス用の重荷重用タイヤに適用することができる。重荷重用タイヤの他、A章に規定されている乗用車用タイヤ、B章に規定されている小形トラック用タイヤに適用することもできる。
まず、図1を参照して、本実施形態の空気入りタイヤのトレッドパターンを説明する。図1は、本実施形態に係る空気入りタイヤのトレッドパターンの展開図の一例である。図1の縦方向はタイヤ周方向を示す。本実施形態の空気入りタイヤは、タイヤサイド部に表示されたマーキングにより回転方向が定められており、図1の下方向はタイヤ回転方向を示す。また、図1の横方向はタイヤ幅方向を示す。また、CLはタイヤ赤道線を示す。図1に示されるように、本実施形態の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延びる複数の周方向溝10と、タイヤ幅方向に延びる複数の幅方向溝12と、によって画定される複数のブロック20をトレッド部に備える。ブロック20には、複数のサイプ30,31,32が形成されている。
図1の下方向がタイヤ回転方向であるため、図1においてブロック20の下側の壁面が踏み込み側壁面22であり、ブロック20の上側の壁面が蹴り出し側壁面24である。
ここで、周方向溝10は、図1に示されるようにタイヤ赤道線CLと平行な溝に限定されない。周方向溝10は、例えば、タイヤ赤道線CLに対して35度以内の角度で傾斜する溝も含む。また、周方向溝10の幅は、5mm以上である。
また、幅方向溝12は、図1に示されるように、タイヤ赤道線CLに直交する方向(タイヤ幅方向)と平行な溝に限定されない。幅方向溝12は、例えば、タイヤ幅方向に対して35度以内の角度で傾斜する溝も含む。また、幅方向溝12の幅は、2mm以上である。
そのため、ブロック20の形状は、直方体に限定されず、例えば、平行六面体であってもよい。
また、サイプとは、ブロック20が路面と接地する面(以下、「ブロックの接地面」と呼ぶ。)からブロック20の内部に向かって形成される溝である。サイプの幅は、周方向溝10や幅方向溝12の幅と比較して十分小さい。サイプの幅は、2.0mm以下である。
ここで、図2(a)を参照して、ブロック20に形成された複数のサイプ30,31,32について詳細に説明する。図2(a)は、図1に示すブロック20のA−A断面図である。図2(a)に示されるように、本実施形態のブロック20には、ブロック20の接地面に垂直に3本のサイプ30,31,32が形成されている。また、3本のサイプ30,31,32の幅は、ブロック20の蹴り出し側壁面24に近い側に形成されたサイプほど広い。すなわち、サイプ30,31,32の幅をそれぞれW,W,Wとすると、W≦W≦W、かつ、W<W、である。
本実施形態のブロック20は、タイヤ周方向の長さが50mm、タイヤ幅方向の長さ(ブロック幅)が35mm、ブロック20の高さ(溝の深さ)が20mmである。
本実施形態では、3本のサイプ30,31,32は、タイヤ周方向に等間隔に形成される。また、3本のサイプ30,31,32の幅は、W=0.5mm,W=0.7mm,W=1.0mmである。また、ブロック20の高さに対する3本のサイプ30,31,32の深さの比率をそれぞれH,H,Hとすると、本実施形態では、H=H=H=50%である。
なお、以下の説明では、ブロック20の蹴り出し側壁面24に近い側を「蹴り出し側」、ブロック20の踏み込み側側面22に近い側を「踏み込み側」と呼ぶ。また、ブロック20の高さに対する3本のサイプ30,31,32の深さの比率H,H,Hを、単に「サイプの深さ」と呼ぶこともある。
次に、図2(b)を参照して、制動時においてブロック20にかかる接地圧の分布を説明する。図2(b)は、制動時におけるブロック20のA−A断面図である。図2(b)に示す矢印は、ブロック20が路面から受ける接地圧を示す。一般に、路面から制動力を受けたとき、蹴り出し側ほど路面から大きな接地圧を受ける。本実施形態のブロック20に形成された3本のサイプ30,31,32の幅は、蹴り出し側に形成されたサイプほど広い。せん断力により傾斜した幅の広いサイプほどブロック20が路面から受ける接地圧による歪みをより吸収するため、図2(b)に示すように、ブロック20の踏み込み側と蹴り出し側にかかる接地圧の大きさの分布を従来よりも均一にすることができる。そのため、本実施形態によれば、蹴り出し側の接地圧を下げることにより、ヒール・アンド・トゥ摩耗を抑制することができる。
ここで、図3に示す従来例のブロックの作用を説明することにより、本実施形態の効果を定性的に説明する。図3(a)は、従来例のブロック20のA−A断面図であり、図3(b)は、従来例の制動時におけるブロック20のA−A断面図である。図3(a)に示されるように、従来例のブロック20には、ブロックの接地面に垂直に3本のサイプ30,31,32が形成されている。しかし、本実施形態と異なり、3本のサイプ30,31,32の幅は全て等しい。すなわち、サイプ30,31,32の幅は、いずれもWである。
従来例では、3本のサイプ30,31,32の幅は全て0.5mmである。
次に、図3(b)を参照して、制動時において従来例のブロック20にかかる接地圧の分布を説明する。従来例のブロック20に形成された3本のサイプ30,31,32の幅は全て等しいため、3本のサイプ30,31,32は、ブロック20が路面から受ける接地圧をほぼ均等に吸収する。上述したように、ブロック20は、蹴り出し側ほど路面から大きな接地圧を受ける。しかし、従来例では、サイプ30,31,32の幅はいずれも等しいため、せん断力により傾斜したサイプ30,31,32が接地圧を吸収する程度は等しい。そのため、従来例では、蹴り出し側の接地圧と踏み込み側の接地圧の差異を維持するため、ヒール・アンド・トゥ摩耗が発生しやすい。
図2を参照して説明した本実施形態と図3を参照して説明した従来例を比較することにより、ブロック20に形成された3本のサイプ30,31,32の幅を、蹴り出し側に形成されたサイプほど広くすることにより、ヒール・アンド・トゥ摩耗が抑制されることがわかる。
なお、本実施形態では、3本のサイプ30,31,32の幅を、W=0.5mm,W=0.7mm,W=1.0mmとしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、0.2≦W≦1.0、0.5≦W≦2.0(但し、W<W)の範囲において、本発明を好適に適用することができる。
また、本実施形態では、3本のサイプ30,31,32の深さを、H=H=H=50%としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、H,H,Hは10%以上の範囲において、本発明を好適に適用することができる。これは、3本のサイプ30,31,32の深さが浅くなりすぎると、ブロック20が路面から受ける接地圧をサイプ30,31,32が吸収する効果が小さくなるためである。
また、サイプ30,31,32は、ブロック20をタイヤ幅方向に貫通するが、非貫通のサイプであってもよい。
<第2の実施形態>
本実施形態の空気入りタイヤのトレッドパターンの展開図は、図1と同様である。図4を参照して、本実施形態のブロック20に形成された複数のサイプ30,31,32について詳細に説明する。図4は、図1に示すブロック20のA−A断面図である。図4に示されるように、本実施形態のサイプ30,31,32は、サイプの深さ方向の形状が第1の実施形態とは異なる。本実施形態のブロック20には、ブロック20の接地面の法線を基準として、ブロック20の蹴り出し側に傾斜して、3本のサイプ30,31,32が形成されている。ブロック20の接地面の法線を基準としたサイプ30,31,32の傾斜角をそれぞれθ,θ,θとすると、θ=θ=θである。また、3本のサイプ30,31,32の幅は、蹴り出し側に形成されたサイプほど広い。すなわち、サイプ30,31,32の幅をそれぞれW,W,Wとすると、W≦W≦W、かつ、W<W、である。
本実施形態では、サイプ30,31,32の傾斜角は、θ=θ=θ=10度である。3本のサイプ30,31,32の幅や深さは第1の実施形態と同じである。
本実施形態のブロック20に形成された3本のサイプ30,31,32の幅は、蹴り出し側に形成されたサイプほど広い。そのため、第1の実施形態と同様、ブロック20の踏み込み側と蹴り出し側にかかる接地圧の大きさの分布を従来よりも均一とすることができる。そのため、本実施形態によれば、ヒール・アンド・トゥ摩耗を抑制することができる。
さらに、本実施形態のブロック20に形成された3本のサイプ30,31,32は、ブロック20の接地面の法線を基準として、ブロック20の蹴り出し側に傾斜して形成される。そのため、蹴り出し側に形成されたサイプほど、ブロック20が路面から受ける接地圧をより吸収することができ、ヒール・アンド・トゥ摩耗をより抑制することができる。
なお、本実施形態では、サイプ30,31,32の傾斜角を、θ=θ=θ=10度としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、サイプの傾斜角が50度以下となる範囲において、本発明を好適に適用することができる。これは、サイプの傾斜角を50度よりも大きくすると、従来例と比較してブロック剛性の大きな低下が生じるためである。
(変形例1)
第2の実施形態の変形例1について、図4を参照して説明する。本変形例の3本のサイプ30,31,32は、ブロック20の接地面の法線を基準として、ブロック20の蹴り出し側に傾斜して形成され、かつ、3本のサイプ30,31,32の傾斜角は、ブロック20の蹴り出し側に形成されたサイプほど大きい。すなわち、0°≦θ≦θ≦θ、かつ、θ<θとする。
本変形例では、ブロック20に形成されるサイプ30,31,32の傾斜角は、θ=0度、θ=15度、θ=30度である。3本のサイプ30,31,32の幅や深さは第2の実施形態と同じである。
本変形例のブロック20に形成された3本のサイプ30,31,32の幅は、蹴り出し側に形成されたサイプほど広い。そのため、第1の実施形態と同様、ブロック20の踏み込み側と蹴り出し側にかかる接地圧の大きさの分布を従来よりも均一とすることができる。そのため、本変形例によれば、ヒール・アンド・トゥ摩耗を抑制することができる。
さらに、本変形例のブロック20に形成された3本のサイプ30,31,32は、ブロック20の接地面の法線を基準として、ブロック20の蹴り出し側に傾斜して形成され、その傾斜角は、ブロック20の蹴り出し側に形成されたサイプほど大きい。そのため、蹴り出し側に形成されたサイプほど、ブロック20が路面から受ける接地圧をより吸収することができ、ヒール・アンド・トゥ摩耗をより抑制することができる。
<第3の実施形態>
本実施形態の空気入りタイヤのトレッドパターンの展開図は、図1と同様である。図5(a)を参照して、本実施形態のブロック20に形成された複数のサイプ30,31,32について詳細に説明する。図5(a)は、図1に示すブロック20のA−A断面図である。図5(a)に示されるように、本実施形態のサイプ30,31,32は、サイプの深さ方向の形状が第1の実施形態とは異なる。本実施形態のサイプ30,31,32の深さは、蹴り出し側に形成されたサイプほど深い。
本実施形態では、3本のサイプ30,31,32の深さは、H=10%,H=30%,H=50%である。3本のサイプ30,31,32の幅は、第1の実施形態と同じである。
本実施形態のブロック20に形成された3本のサイプ30,31,32の幅は、蹴り出し側に形成されたサイプほど広い。そのため、第1の実施形態と同様、ブロック20の踏み込み側と蹴り出し側にかかる接地圧の大きさの分布を従来よりも均一とすることができる。そのため、本実施形態によれば、ヒール・アンド・トゥ摩耗を抑制することができる。
さらに、本実施形態のブロック20に形成された3本のサイプ30,31,32の深さは、蹴り出し側に形成されたサイプほど深い。そのため、蹴り出し側に形成されたサイプほど、ブロック20が路面から受ける接地圧をより吸収することができ、ヒール・アンド・トゥ摩耗をより抑制することができる。
なお、本実施形態では、3本のサイプ30,31,32の深さを、H=10%,H=30%,H=50%としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、10%≦H≦50%、30%≦H≦70%(但し、H<H)の範囲において、本発明を好適に適用することができる。
(変形例2)
第3の実施形態の変形例について、図5(b)を参照して説明する。本変形例の3本のサイプ30,31,32は、第3の実施形態において、更に、3本のサイプ30,31,32の傾斜角が、ブロック20の蹴り出し側に形成されたサイプほど大きい。すなわち、0°≦θ≦θ≦θ、かつ、θ<θとする。
本変形例では、ブロック20に形成されるサイプ30,31,32の傾斜角は、θ=0度、θ=15度、θ=30度である。3本のサイプ30,31,32の幅、深さは第3の実施形態と同じである。
本変形例のブロック20に形成された3本のサイプ30,31,32の傾斜角は、ブロック20の蹴り出し側に形成されたサイプほど大きい。そのため、蹴り出し側に形成されたサイプほど、ブロック20が路面から受ける接地圧をより吸収することができ、ヒール・アンド・トゥ摩耗をより抑制することができる。
<第4の実施形態>
本実施形態の空気入りタイヤのトレッドパターンの展開図は、図1と同様である。図6を参照して、本実施形態のブロック20に形成された複数のサイプ30,31,32について詳細に説明する。図6は、図1に示すブロック20のA−A断面図である。図6に示されるように、本実施形態のサイプ30,31,32は、サイプの深さ方向の形状が第1の実施形態とは異なる。本実施形態のブロック20には、ブロック20の接地面の法線を基準として、ブロック20の蹴り出し側に傾斜して、3本のサイプ30,31,32が形成されている。3本のサイプ30,31,32は屈曲部を備え、3本のサイプ30,31,32は屈曲部において、ブロック20の踏み込み側壁面22の方向に屈曲している。
本実施形態のブロック20に形成されるサイプ30,31,32の傾斜角は、θ=0度、θ=15度、θ=30度である。3本のサイプ30,31,32の深さは、H=10%,H=30%,H=50%である。3本のサイプ30,31,32の幅は、W=0.5mm,W=0.7mm,W=1.0mmである。
本実施形態のように、3本のサイプ30,31,32は屈曲部を備え、3本のサイプ30,31,32は屈曲部において、ブロック20の踏み込み側壁面22の方向に屈曲する場合においても、ブロック20の踏み込み側と蹴り出し側にかかる接地圧の大きさの分布を従来よりも均一とすることができる。そのため、本実施形態によれば、ヒール・アンド・トゥ摩耗を抑制することができる。
以下、本発明の効果をより明確にするために従来例、実施例に係る空気入りタイヤを用いて試験を行った。タイヤサイズは、295/80R22.5であり、JATMAに規定された空気圧、荷重で2−D4のテスト車両の総輪に空気入りタイヤを装着した。このテスト車両を30000km走行させ、走行後にヒール・アンド・トゥ摩耗の大きさを測定した。また、有限要素法(FEM:Finite Element Method)により、ブロックにせん断力を与えたときのブロックの変位量を指数化し、ブロック剛性を評価した。
(従来例、実施例1,2)
まず、従来例、実施例1,2を用いて、ブロック20の蹴り出し側に形成されたサイプほどサイプの幅を広くすることの効果を調べた。
従来例のブロック20は、図3(a)に示す形態のサイプを有する。上述したように、従来例のブロック20には、ブロック20の接地面に垂直に3本のサイプ30,31,32が形成されている。また、3本のサイプ30,31,32の幅は全て等しい。
以下の実施例や比較例におけるブロック剛性の指数、耐ヒール・アンド・トゥ摩耗性(耐H&T摩耗性)を示す指数は、従来例のブロック20を用いた場合の指数を基準とする。従来例のブロック20を用いた場合のブロック剛性の指数、耐ヒール・アンド・トゥ摩耗性の指数をそれぞれ100とする。ブロック剛性の指数が高いほど、ブロック剛性が高いことを意味し、ブロック剛性の指数が95以上であれば、従来例と比較してブロック剛性の大きな低下が生じることはないと判断する。また、耐ヒール・アンド・トゥ摩耗性の指数が高いほどヒール・アンド・トゥ摩耗が生じにくいことを意味する。
実施例1のブロック20は、図2(a)に示す形態のサイプを有する。図2(a)を参照して説明したように、実施例1のブロック20には、ブロックの接地面に垂直に3本のサイプ30,31,32が形成されている。3本のサイプ30,31,32の幅は、W=0.5mm,W=0.7mm,W=1.0mmである。3本のサイプ30,31,32の深さは、H=H=H=50%である。3本のサイプ30,31,32は、タイヤ周方向に等間隔に形成される。
実施例2のブロック20は、図7に示す形態のサイプを有する。図7に示されるように、実施例2のブロック20には、ブロックの接地面に2本のサイプ30,31が形成されている。2本のサイプ30,31の幅は、W=0.5mm,W=1.0mmである。2本のサイプの深さは、H=H=50%である。2本のサイプ30,31は、タイヤ周方向に等間隔に形成される。
従来例、実施例1,2におけるブロック剛性、耐ヒール・アンド・トゥ摩耗性の試験結果を表1に示す。
表1の結果から、ブロック20に形成された複数のサイプの幅を蹴り出し側に形成されたサイプほど広くすることにより、ヒール・アンド・トゥ摩耗を抑制できることが分かった。なお、実施例1,2は従来例と比較してブロック20に形成されるサイプの幅が広くなるが、これによるブロック剛性の大きな低下は生じなかった。
(実施例3〜7)
次に、実施例3〜7を用いて、ブロック20の接地面の法線を基準として、ブロック20の蹴り出し側に傾斜してサイプを形成することの効果を調べた。
実施例3〜7のブロック20は、図4に示す形態のサイプを有する。
実施例3のブロック20には、ブロック20の接地面の法線を基準として、ブロック20の蹴り出し側に傾斜して、3本のサイプ30,31,32が形成されている。ブロック20の接地面の法線を基準とした蹴り出し側へのサイプ30,31,32の傾斜角は、θ=θ=θ=10度である。その他は、実施例1と同じである。
実施例4のブロック20に形成されるサイプ30,31,32の傾斜角は、θ=θ=θ=30度である。その他は、実施例1と同じである。
実施例5のブロック20に形成されるサイプ30,31,32の傾斜角は、θ=θ=θ=50度である。その他は、実施例1と同じである。
実施例6のブロック20に形成されるサイプ30,31,32の傾斜角は、θ=θ=θ=60度である。その他は、実施例1と同じである。
実施例7のブロック20に形成されるサイプ30,31,32の傾斜角は、θ=0度、θ=15度、θ=30度である。その他は、実施例1と同じである。
実施例3〜7におけるブロック剛性、耐ヒール・アンド・トゥ摩耗性の試験結果を表2に示す。
表2の結果から、3本のサイプ30,31,32の幅を、蹴り出し側に形成されたサイプほど広くし、かつ、3本のサイプ30,31,32を、ブロック20の接地面の法線を基準として、ブロック20の蹴り出し側壁面24の方向に傾斜して形成することにより、ヒール・アンド・トゥ摩耗をより抑制できることが分かった。
さらに、実施例7のように、3本のサイプ30,31,32の傾斜角を、ブロック20の蹴り出し側に形成されたサイプほど大きくする(0°≦θ≦θ≦θ、かつ、θ<θ)ことにより、ヒール・アンド・トゥ摩耗をさらに抑制できることが分かった。
なお、実施例3〜5、実施例7は従来例と比較してブロック20に形成されるサイプの幅が広くなるが、これによるブロック剛性の大きな低下は生じなかった。これより、サイプ30,31,32の傾斜角は50度以下とすることが好ましい。
(実施例8,9)
次に、実施例8,9を用いて、ブロック20の蹴り出し側に形成されたサイプほどサイプの深さを深くすることの効果を調べた。
実施例8のブロック20は、図5(a)に示す形態のサイプを有する。図5(a)を参照して説明したように、実施例8のブロック20には、ブロック20の接地面に垂直に3本のサイプ30,31,32が形成されている。3本のサイプ30,31,32の深さは、H=10%,H=30%,H=50%である。その他は、実施例1と同じである。
実施例9のブロック20は、図5(b)に示す形態のサイプを有する。図5(b)を参照して説明したように、実施例9のブロック20には、ブロック20の接地面の法線を基準として、ブロック20の蹴り出し側に傾斜して、3本のサイプ30,31,32が形成されている。実施例9のブロック20に形成されるサイプ30,31,32の傾斜角は、θ=0度、θ=15度、θ=30度である。3本のサイプ30,31,32の深さは、H=10%,H=30%,H=50%である。その他は、実施例1と同じである。
実施例8,9におけるブロック剛性、耐ヒール・アンド・トゥ摩耗性の試験結果を表3に示す。
表3の結果から、実施例8のように、3本のサイプ30,31,32の幅を、蹴り出し側に形成されたサイプほど広くし、かつ、3本のサイプ30,31,32の深さを、蹴り出し側に形成されたサイプほど深くすることにより、ヒール・アンド・トゥ摩耗をより抑制できることが分かった。
さらに、実施例9のように、実施例8において、更に、3本のサイプ30,31,32の傾斜角を、ブロック20の蹴り出し側に形成されたサイプほど大きくする(0°≦θ≦θ≦θ、かつ、θ<θ)ことにより、ヒール・アンド・トゥ摩耗をさらに抑制できることが分かった。
なお、実施例8,9は従来例と比較してブロック20に形成されるサイプの幅が広くなるが、これによるブロック剛性の大きな低下は生じなかった。
10 周方向溝
12 幅方向溝
20 ブロック
22 踏み込み側壁面
24 蹴り出し側壁面
30,31,32 サイプ

Claims (2)

  1. トレッド部にトレッドパターンとしてブロックを備え、回転方向が定められた空気入りタイヤであって、
    前記ブロックには、タイヤ幅方向に沿ったサイプが複数形成されており、
    前記複数のサイプの幅は、前記ブロックの蹴り出し側に形成されたサイプほど広く、
    前記複数のサイプは、タイヤ周方向の断面において、前記ブロックの接地面の法線を基準として、前記ブロックの蹴り出し側に傾斜して形成され、
    前記タイヤ周方向の断面において、前記ブロックの接地面の法線を基準とする前記複数のサイプそれぞれの傾斜角は、前記ブロックの蹴り出し側に形成されたサイプほど大きいことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記複数のサイプそれぞれの深さは、前記ブロックの蹴り出し側に形成されたサイプほど深い、請求項に記載の空気入りタイヤ。
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