JP5560651B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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また、ブロックの最も蹴り出し側に形成されたサイプの幅は、0.2mm以上1.0mm以下であることが好ましい。また、ブロックの最も踏み込み側に形成されたサイプの幅は、0.5mm以上2.0mm以下であることが好ましい。
また、ブロックの高さに対するサイプの深さは、10%以上であることが好ましい。
特に、タイヤ周方向の断面において、前記ブロックの接地面の法線を基準とする前記複数のサイプの傾斜角は、50度以下であることが好ましい。
また、ブロックの最も蹴り出し側に形成されたサイプの深さは、ブロックの高さの10%以上50%以下であることが好ましい。また、ブロックの最も踏み込み側に形成されたサイプの深さは、ブロックの高さの30%以上70%以下であることが好ましい。
以下、本実施形態の空気入りタイヤについて、詳細に説明する。
本実施形態の空気入りタイヤは、JATMA YEAR BOOK 2008(日本自動車タイヤ協会規格)のC章に規定されているトラック及びバス用の重荷重用タイヤに適用することができる。重荷重用タイヤの他、A章に規定されている乗用車用タイヤ、B章に規定されている小形トラック用タイヤに適用することもできる。
図1の下方向がタイヤ回転方向であるため、図1においてブロック20の下側の壁面が踏み込み側壁面22であり、ブロック20の上側の壁面が蹴り出し側壁面24である。
また、幅方向溝12は、図1に示されるように、タイヤ赤道線CLに直交する方向(タイヤ幅方向)と平行な溝に限定されない。幅方向溝12は、例えば、タイヤ幅方向に対して35度以内の角度で傾斜する溝も含む。また、幅方向溝12の幅は、2mm以上である。
そのため、ブロック20の形状は、直方体に限定されず、例えば、平行六面体であってもよい。
本実施形態では、3本のサイプ30,31,32は、タイヤ周方向に等間隔に形成される。また、3本のサイプ30,31,32の幅は、W1=0.5mm,W2=0.7mm,W3=1.0mmである。また、ブロック20の高さに対する3本のサイプ30,31,32の深さの比率をそれぞれH1,H2,H3とすると、本実施形態では、H1=H2=H3=50%である。
なお、以下の説明では、ブロック20の蹴り出し側壁面24に近い側を「蹴り出し側」、ブロック20の踏み込み側側面22に近い側を「踏み込み側」と呼ぶ。また、ブロック20の高さに対する3本のサイプ30,31,32の深さの比率H1,H2,H3を、単に「サイプの深さ」と呼ぶこともある。
従来例では、3本のサイプ30,31,32の幅は全て0.5mmである。
また、本実施形態では、3本のサイプ30,31,32の深さを、H1=H2=H3=50%としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、H1,H2,H3は10%以上の範囲において、本発明を好適に適用することができる。これは、3本のサイプ30,31,32の深さが浅くなりすぎると、ブロック20が路面から受ける接地圧をサイプ30,31,32が吸収する効果が小さくなるためである。
また、サイプ30,31,32は、ブロック20をタイヤ幅方向に貫通するが、非貫通のサイプであってもよい。
本実施形態の空気入りタイヤのトレッドパターンの展開図は、図1と同様である。図4を参照して、本実施形態のブロック20に形成された複数のサイプ30,31,32について詳細に説明する。図4は、図1に示すブロック20のA−A断面図である。図4に示されるように、本実施形態のサイプ30,31,32は、サイプの深さ方向の形状が第1の実施形態とは異なる。本実施形態のブロック20には、ブロック20の接地面の法線を基準として、ブロック20の蹴り出し側に傾斜して、3本のサイプ30,31,32が形成されている。ブロック20の接地面の法線を基準としたサイプ30,31,32の傾斜角をそれぞれθ1,θ2,θ3とすると、θ1=θ2=θ3である。また、3本のサイプ30,31,32の幅は、蹴り出し側に形成されたサイプほど広い。すなわち、サイプ30,31,32の幅をそれぞれW1,W2,W3とすると、W1≦W2≦W3、かつ、W1<W3、である。
本実施形態では、サイプ30,31,32の傾斜角は、θ1=θ2=θ3=10度である。3本のサイプ30,31,32の幅や深さは第1の実施形態と同じである。
さらに、本実施形態のブロック20に形成された3本のサイプ30,31,32は、ブロック20の接地面の法線を基準として、ブロック20の蹴り出し側に傾斜して形成される。そのため、蹴り出し側に形成されたサイプほど、ブロック20が路面から受ける接地圧をより吸収することができ、ヒール・アンド・トゥ摩耗をより抑制することができる。
第2の実施形態の変形例1について、図4を参照して説明する。本変形例の3本のサイプ30,31,32は、ブロック20の接地面の法線を基準として、ブロック20の蹴り出し側に傾斜して形成され、かつ、3本のサイプ30,31,32の傾斜角は、ブロック20の蹴り出し側に形成されたサイプほど大きい。すなわち、0°≦θ1≦θ2≦θ3、かつ、θ1<θ3とする。
本変形例では、ブロック20に形成されるサイプ30,31,32の傾斜角は、θ1=0度、θ2=15度、θ3=30度である。3本のサイプ30,31,32の幅や深さは第2の実施形態と同じである。
さらに、本変形例のブロック20に形成された3本のサイプ30,31,32は、ブロック20の接地面の法線を基準として、ブロック20の蹴り出し側に傾斜して形成され、その傾斜角は、ブロック20の蹴り出し側に形成されたサイプほど大きい。そのため、蹴り出し側に形成されたサイプほど、ブロック20が路面から受ける接地圧をより吸収することができ、ヒール・アンド・トゥ摩耗をより抑制することができる。
本実施形態の空気入りタイヤのトレッドパターンの展開図は、図1と同様である。図5(a)を参照して、本実施形態のブロック20に形成された複数のサイプ30,31,32について詳細に説明する。図5(a)は、図1に示すブロック20のA−A断面図である。図5(a)に示されるように、本実施形態のサイプ30,31,32は、サイプの深さ方向の形状が第1の実施形態とは異なる。本実施形態のサイプ30,31,32の深さは、蹴り出し側に形成されたサイプほど深い。
本実施形態では、3本のサイプ30,31,32の深さは、H1=10%,H2=30%,H3=50%である。3本のサイプ30,31,32の幅は、第1の実施形態と同じである。
さらに、本実施形態のブロック20に形成された3本のサイプ30,31,32の深さは、蹴り出し側に形成されたサイプほど深い。そのため、蹴り出し側に形成されたサイプほど、ブロック20が路面から受ける接地圧をより吸収することができ、ヒール・アンド・トゥ摩耗をより抑制することができる。
第3の実施形態の変形例について、図5(b)を参照して説明する。本変形例の3本のサイプ30,31,32は、第3の実施形態において、更に、3本のサイプ30,31,32の傾斜角が、ブロック20の蹴り出し側に形成されたサイプほど大きい。すなわち、0°≦θ1≦θ2≦θ3、かつ、θ1<θ3とする。
本変形例では、ブロック20に形成されるサイプ30,31,32の傾斜角は、θ1=0度、θ2=15度、θ3=30度である。3本のサイプ30,31,32の幅、深さは第3の実施形態と同じである。
本実施形態の空気入りタイヤのトレッドパターンの展開図は、図1と同様である。図6を参照して、本実施形態のブロック20に形成された複数のサイプ30,31,32について詳細に説明する。図6は、図1に示すブロック20のA−A断面図である。図6に示されるように、本実施形態のサイプ30,31,32は、サイプの深さ方向の形状が第1の実施形態とは異なる。本実施形態のブロック20には、ブロック20の接地面の法線を基準として、ブロック20の蹴り出し側に傾斜して、3本のサイプ30,31,32が形成されている。3本のサイプ30,31,32は屈曲部を備え、3本のサイプ30,31,32は屈曲部において、ブロック20の踏み込み側壁面22の方向に屈曲している。
まず、従来例、実施例1,2を用いて、ブロック20の蹴り出し側に形成されたサイプほどサイプの幅を広くすることの効果を調べた。
従来例のブロック20は、図3(a)に示す形態のサイプを有する。上述したように、従来例のブロック20には、ブロック20の接地面に垂直に3本のサイプ30,31,32が形成されている。また、3本のサイプ30,31,32の幅は全て等しい。
以下の実施例や比較例におけるブロック剛性の指数、耐ヒール・アンド・トゥ摩耗性(耐H&T摩耗性)を示す指数は、従来例のブロック20を用いた場合の指数を基準とする。従来例のブロック20を用いた場合のブロック剛性の指数、耐ヒール・アンド・トゥ摩耗性の指数をそれぞれ100とする。ブロック剛性の指数が高いほど、ブロック剛性が高いことを意味し、ブロック剛性の指数が95以上であれば、従来例と比較してブロック剛性の大きな低下が生じることはないと判断する。また、耐ヒール・アンド・トゥ摩耗性の指数が高いほどヒール・アンド・トゥ摩耗が生じにくいことを意味する。
次に、実施例3〜7を用いて、ブロック20の接地面の法線を基準として、ブロック20の蹴り出し側に傾斜してサイプを形成することの効果を調べた。
実施例3〜7のブロック20は、図4に示す形態のサイプを有する。
実施例3のブロック20には、ブロック20の接地面の法線を基準として、ブロック20の蹴り出し側に傾斜して、3本のサイプ30,31,32が形成されている。ブロック20の接地面の法線を基準とした蹴り出し側へのサイプ30,31,32の傾斜角は、θ1=θ2=θ3=10度である。その他は、実施例1と同じである。
実施例4のブロック20に形成されるサイプ30,31,32の傾斜角は、θ1=θ2=θ3=30度である。その他は、実施例1と同じである。
実施例5のブロック20に形成されるサイプ30,31,32の傾斜角は、θ1=θ2=θ3=50度である。その他は、実施例1と同じである。
実施例6のブロック20に形成されるサイプ30,31,32の傾斜角は、θ1=θ2=θ3=60度である。その他は、実施例1と同じである。
実施例7のブロック20に形成されるサイプ30,31,32の傾斜角は、θ1=0度、θ2=15度、θ3=30度である。その他は、実施例1と同じである。
さらに、実施例7のように、3本のサイプ30,31,32の傾斜角を、ブロック20の蹴り出し側に形成されたサイプほど大きくする(0°≦θ1≦θ2≦θ3、かつ、θ1<θ3)ことにより、ヒール・アンド・トゥ摩耗をさらに抑制できることが分かった。
なお、実施例3〜5、実施例7は従来例と比較してブロック20に形成されるサイプの幅が広くなるが、これによるブロック剛性の大きな低下は生じなかった。これより、サイプ30,31,32の傾斜角は50度以下とすることが好ましい。
次に、実施例8,9を用いて、ブロック20の蹴り出し側に形成されたサイプほどサイプの深さを深くすることの効果を調べた。
実施例8のブロック20は、図5(a)に示す形態のサイプを有する。図5(a)を参照して説明したように、実施例8のブロック20には、ブロック20の接地面に垂直に3本のサイプ30,31,32が形成されている。3本のサイプ30,31,32の深さは、H1=10%,H2=30%,H3=50%である。その他は、実施例1と同じである。
さらに、実施例9のように、実施例8において、更に、3本のサイプ30,31,32の傾斜角を、ブロック20の蹴り出し側に形成されたサイプほど大きくする(0°≦θ1≦θ2≦θ3、かつ、θ1<θ3)ことにより、ヒール・アンド・トゥ摩耗をさらに抑制できることが分かった。
なお、実施例8,9は従来例と比較してブロック20に形成されるサイプの幅が広くなるが、これによるブロック剛性の大きな低下は生じなかった。
12 幅方向溝
20 ブロック
22 踏み込み側壁面
24 蹴り出し側壁面
30,31,32 サイプ
Claims (2)
- トレッド部にトレッドパターンとしてブロックを備え、回転方向が定められた空気入りタイヤであって、
前記ブロックには、タイヤ幅方向に沿ったサイプが複数形成されており、
前記複数のサイプの幅は、前記ブロックの蹴り出し側に形成されたサイプほど広く、
前記複数のサイプは、タイヤ周方向の断面において、前記ブロックの接地面の法線を基準として、前記ブロックの蹴り出し側に傾斜して形成され、
前記タイヤ周方向の断面において、前記ブロックの接地面の法線を基準とする前記複数のサイプそれぞれの傾斜角は、前記ブロックの蹴り出し側に形成されたサイプほど大きいことを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記複数のサイプそれぞれの深さは、前記ブロックの蹴り出し側に形成されたサイプほど深い、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
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