JP5609093B2 - セラミック電子部品 - Google Patents

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Description

本発明は、セラミック電子部品に関する。特には、本発明は、セラミック組成物からなる直方体状のセラミック焼結体と、セラミック焼結体の内部に、互いに対向するように設けられている第1及び第2の内部電極とを備えるセラミック電子部品に関する。
従来、携帯電話やノート型パソコンなどの電子機器において、積層セラミックコンデンサなどのセラミック電子部品が多用されている。このようなセラミック電子部品の製造方法としては、例えば、下記の特許文献1に記載の積層型セラミック電子部品の製造方法などが知られている。
具体的には、特許文献1には、内部に内部電極が形成されている内層積層体を形成するセラミックグリーンシートの厚みに対する、内部電極の厚みの比が0.3以上であり、内層積層体の焼成収縮率と、内層積層体の外層に設けられている外層体の焼成収縮率との差を1%以下とすることが記載されている。このようにすることによって、内層積層体及び外層体の焼成工程において生じる内部応力を緩和でき、焼成後にデラミネーションやクラックが発生することを効果的に抑制できる旨が特許文献1に記載されている。
特開2003−318060号公報
ところで、近年、小型化及び高性能化への要望が益々高まるなか、誘電体層の厚みがさらに薄くなり、内層積層体における内部電極の体積比率がさらに高くなってきている。このような内部電極の体積比率が非常に高いセラミック電子部品に対しては、特許文献1に記載の方法を適用したとしても、焼成工程において生じる内部応力を十分に緩和することは困難であった。従って、高い良品率でセラミック電子部品を製造することができない場合があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、高い良品率で製造可能なセラミック電子部品を提供することにある。
本発明に係るセラミック電子部品は、直方体状のセラミック焼結体と、第1及び第2の内部電極とを備えている。セラミック焼結体は、セラミック組成物からなる。第1及び第2の内部電極は、セラミック焼結体の内部に、互いに対向するように設けられている。セラミック焼結体は、第1の部分と、第2の部分とを含む。第1の部分は、第1及び第2の内部電極の少なくとも一方が設けられている部分である。第2の部分は、第1の部分の外側に位置しており、第1及び第2の内部電極のいずれもが設けられていない部分である。第2の部分は、第1及び第2の内部電極の対向方向において第1の部分よりも外側に設けられている、第1及び第2の外層部と、対向方向から視た際に第1及び第2の内部電極のいずれもが設けられておらず、かつ前記第1,第2の内部電極の延びる方向において第1の部分の両側に位置する第1及び第2のギャップ部とを含む。本発明に係るセラミック電子部品では、第1及び第2のギャップ部の組成と第1及び第2の外層部との組成とが異なり、前記第1の部分の組成と前記第2の部分の組成とが等しい場合と比べて、焼成によりセラミック焼結体を得る際における前記第1の部分の収縮率と、前記第2の部分の収縮率との差が小さくなるように、前記第1の部分に含有されている焼結助剤と、前記第1及び第2のギャップ部に含有されている焼結助剤とが異なっている
本発明に係るセラミック電子部品のある特定の局面では、第1の部分の組成と、第2の部分のうち第1及び第2の外層部の組成とが異なる。
本発明に係るセラミック電子部品のまた他の特定の局面では、焼結助剤は、Siとガラス成分とのうちの少なくとも一方を含む。
本発明に係るセラミック電子部品のまた別の特定の局面では、第1の部分と第2の部分とでは、セラミックの組成が互いに異なる。
本発明では、第1の部分の組成と第2の部分の組成とが異なるため、焼成工程において生じる内部応力を効果的に低減し得る。従って、本発明のセラミック電子部品は、高い良品率で製造可能である。
本発明の一実施形態に係るセラミック電子部品の略図的斜視図である。 図1の線II−IIにおける略図的断面図である。 図1の線III−IIIにおける略図的断面図である。 導体パターンが印刷されたセラミックグリーンシートの略図的斜視図である。 積層体を形成する工程を説明するための略図的正面図である。 セラミック部材の略図的斜視図である。 両端面上にセラミック層を形成する工程を表す略図的斜視図である。 セラミック焼結体の略図的斜視図である。 第1の変形例に係るセラミック電子部品の略図的斜視図である。 図9の線X−Xにおける略図的断面図である。 図9の線XI−XIにおける略図的断面図である。 第2の変形例に係るセラミック電子部品の略図的断面図である。 図12の線XIII−XIIIにおける略図的断面図である。
以下、本発明を実施した好ましい形態について、図1に示すセラミック電子部品1について説明する。但し、本発明のセラミック電子部品は、セラミック電子部品1に何ら限定されるものではない。
図1は、本実施形態のセラミック電子部品の略図的斜視図である。図2は、図1の線II−IIにおける略図的断面図である。図3は、図1の線III−IIIにおける略図的断面図である。
図1に示すように、本実施形態のセラミック電子部品1は、直方体状のセラミック焼結体10を備えている。セラミック焼結体10は、第1及び第2の主面10a、10bと、第1及び第2の側面10c、10dと、第1及び第2の端面10e、10fとを備えている。第1及び第2の主面10a、10bは、長さ方向L及び幅方向Wに沿って延びている。第1及び第2の側面10c、10dは、長さ方向L及び厚み方向Tに沿って延びている。第1及び第2の端面10e、10fは、幅方向W及び厚み方向Tに沿って延びている。
なお、本発明において、「直方体」には、角部や稜線部の少なくとも一部が面取りやR面取りされているものも含まれるものとする。
セラミック焼結体10は、セラミックを含むセラミック組成物からなる。本実施形態では、セラミック組成物には、セラミックの他に、Siやガラス成分などの焼成助剤などが含まれている。焼成助剤としてのガラス成分の具体例としては、アルカリ金属成分やアルカリ土類金属成分を含む珪酸塩ガラス、硼酸塩ガラス、ホウ珪酸ガラス、リン酸塩ガラス等が挙げられる。
セラミック組成物に主として含まれるセラミックの種類は、セラミック電子部品1に要求される機能等に応じて適宜選択することができる。
例えば、製造しようとするセラミック電子部品1がコンデンサである場合は、誘電体セラミックによりセラミック焼結体10を形成することができる。誘電体セラミックの具体例としては、例えば、BaTiO、CaTiO、SrTiO、CaZrOなどが挙げられる。誘電体セラミックには、例えば、Mn化合物、Fe化合物、Cr化合物、Co化合物、Ni化合物などの副成分を適宜添加してもよい。
例えば、製造しようとするセラミック電子部品1がセラミック圧電素子である場合は、圧電セラミックによりセラミック焼結体10を形成することができる。圧電セラミックの具体例としては、例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)系セラミックなどが挙げられる。
例えば、製造しようとするセラミック電子部品1がサーミスタ素子である場合は、半導体セラミックによりセラミック焼結体10を形成することができる。半導体セラミックの具体例としては、例えば、スピネル系セラミックなどが挙げられる。
例えば、製造しようとするセラミック電子部品1がインダクタ素子である場合は、磁性体セラミックによりセラミック焼結体10を形成することができる。磁性体セラミックの具体例としては、例えば、フェライトセラミックなどが挙げられる。
図2及び図3に示すように、セラミック焼結体10の内部には、複数の第1及び第2の内部電極11,12が設けられている。複数の第1及び第2の内部電極11,12は、幅方向Wにおいて互いに対向するように、交互に配置されている。第1及び第2の内部電極11,12のそれぞれは、第1及び第2の側面10c、10dに対して平行に設けられている。第1及び第2の内部電極11,12のそれぞれの平面形状は、矩形である。
第1の内部電極11は、第1の主面10aに露出している一方、第2の主面10b、第1及び第2の側面10c、10d並びに第1及び第2の端面10e、10fには露出していない。一方、第2の内部電極12は、第2の主面10bに露出している一方、第1の主面10a、第1及び第2の側面10c、10d並びに第1及び第2の端面10e、10fには露出していない。
第1の主面10a上には、第1の外部電極13が設けられている。第1の外部電極13は、第1の内部電極11に接続されている。一方、第2の主面10b上には、第2の外部電極14が設けられている。第2の外部電極14は、第2の内部電極12に接続されている。
なお、第1及び第2の内部電極11,12並びに第1及び第2の外部電極13,14の形成材料は、導電材料である限りにおいて特に限定されない。第1及び第2の内部電極11,12並びに第1及び第2の外部電極13,14は、例えば、Ag,Au、Pt,Pd,Ni,Cr,Cuなどの金属や、それらの金属のうちの一種以上を含む合金により形成することができる。また、第1及び第2の内部電極11,12並びに第1及び第2の外部電極13,14は、複数の導電膜の積層体により構成されていてもよい。
図2及び図3に示すように、セラミック焼結体10には、第1及び第2の外層部10A,10Bと、第1及び第2のギャップ部10C,10Dと、内層部10Eとが設けられている。これらの部分のうち、内層部10Eが第1の部分を構成している。第1及び第2の外層部10A,10Bと、第1及び第2のギャップ部10C,10Dとが、第2の部分10F(図3を参照)を構成している。
第1及び第2の外層部10A,10Bは、第1及び第2の内部電極の対向方向(=幅方向W)において、第1及び第2の内部電極が設けられている部分よりも外側に位置する部分である。具体的には本実施形態では、第1及び第2の外層部10A,10Bは、セラミック焼結体10の幅方向Wにおける両端部に設けられている。
第1及び第2のギャップ部10C,10Dは、対向方向(=幅方向W)から視た際に第1及び第2の内部電極11,12のいずれもが設けられていない部分である。具体的には本実施形態では、第1及び第2のギャップ部10C,10Dは、セラミック焼結体10の長さ方向Lにおける両端部に設けられている。
内層部10Eは、セラミック焼結体10の第1及び第2の外層部10A,10B並びに第1及び第2のギャップ部10C,10Dを除いた部分である。具体的には本実施形態では、セラミック焼結体10の長さ方向Lの両端部と幅方向Wの両端部を除いた領域に設けられている。内層部10Eには、幅方向Wにおいて第1及び第2の内部電極11,12が互いに対向している部分と、幅方向Wから視たときに第1または第2の内部電極11,12のみが設けられている部分とを含んでいる。
本実施形態では、内層部10E(第1の部分)の組成と、第2の部分10Fの組成とが異なっている。詳細には、内層部10Eの組成と、第2の部分10Fの組成とは、後述する焼成によりセラミック焼結体10を得る際における内層部10Eの収縮率と、第2の部分10Fの収縮率との差が、内層部10Eの組成と、第2の部分10Fの組成とが等しい場合よりも小さくなるように異ならされている。より詳細には、本実施形態では、内層部10Eの組成と、第2の部分10Fの組成とを、焼成によりセラミック焼結体10を得る際における内層部10Eの収縮率と、第2の部分10Fの収縮率とが等しくなるように異ならせている。
なお、本実施形態において、第1及び第2のギャップ部10C,10Dの組成と、第1及び第2の外層部10A,10Bの組成とは、異なっていてもよいし、等しくてもよい。
例えば、後述する本実施形態の製造方法の場合、内層部10Eと第1及び第2の外層部10A,10Bとを形成するセラミックグリーンシート20は、焼成前にプレスされるものの、第1及び第2の外層部10A,10Bを形成するセラミック層24,25は、焼成時には収縮状態が異なる。また、第1及び第2のギャップ部10C,10Dが形成される際の収縮挙動と、第1及び第2の外層部10A,10Bが形成される際の収縮挙動とが異なっている場合もある。このため、例えば、第1及び第2のギャップ部10C,10Dの組成と、第1及び第2の外層部10A,10Bの組成とが同じである場合は、第1及び第2のギャップ部10C,10Dと第1及び第2の外層部10A,10Bとで緻密性が異なる場合がある。従って、このような場合には、第1及び第2のギャップ部10C,10Dの組成と、第1及び第2の外層部10A,10Bの組成とが異なっていることが好ましい。
本実施形態では、内層部10Eの組成と、第2の部分10Fの組成とは、焼成助剤として含まれるSiの添加量により異ならせられている。より具体的には、内層部10Eにおけるセラミックに対するSiの含有量は、例えば、0.5mol%〜5mol%程度とすることができる。第1及び第2のギャップ部10C,10Dにおけるセラミックに対するSiの含有量は、例えば、0.6mol%〜10mol%程度とすることができる。第1及び第2の外層部10A,10Bにおけるセラミックに対するSiの含有量は、例えば、0.6mol%〜10mol%程度とすることができる。
なお、セラミック焼結体10の組成の分析は、例えば、下記の(1)〜(3)の方法により行うことができる。なお、(3)の方法は、内層部10Eと、他の部分とで大きく組成が異なる場合に有効である。
(1)セラミック焼結体10を粉砕して得られる粉末をX線回折法(好ましくはXRF)により分析する。
(2)セラミック焼結体10を塩酸等の酸に溶解させて得られる液体を質量分析法(好ましくは、ICP−MS)を用いて分析する。
(3)セラミック焼結体10の断面をEDXやWDXで分析する。
次に、本実施形態のセラミック電子部品1の製造方法の一例について、図4〜図8を参照しながら詳細に説明する。
まず、図4に示すセラミックグリーンシート20を成形する。セラミックグリーンシート20の成形方法は特に限定されない。セラミックグリーンシート20の成形は、例えば、ダイコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター等により行うことができる。
次に、セラミックグリーンシート20の上に、第1の方向xに沿って互いに平行に延びる複数の線状の導体パターン21を形成する。この導体パターン21は、第1及び第2の内部電極11,12を形成するためのものである。導体パターン21の形成方法は、特に限定されない。導体パターン21は、例えば、スクリーン印刷法、インクジェット法、グラビア印刷法などにより形成することができる。
次に、図5に示すように、積層体22を形成する。具体的には、具体的には、まず、導体パターン21を形成していないセラミックグリーンシート20を複数枚積層した後に、導体パターン21が形成されているセラミックグリーンシート20を、第1の方向xと直交する第2の方向yの一方側y1と他方側y2とに交互にずらして複数枚積層する。さらに、その上に、導体パターン21を形成していないセラミックグリーンシート20を複数枚積層し積層体22を完成させる。
ここで、最初と最後に積層する、導体パターン21を形成していないセラミックグリーンシート20は、第1及び第2の外層部10A,10Bを形成するためのものである。このため、最初と最後に積層する、導体パターン21を形成していないセラミックグリーンシート20は、他のセラミックグリーンシート20の組成とは異なる組成を有するものである。
次に、得られた積層体22を静水圧プレス法などにより積層方向zにプレスする。
次に、プレス後の積層体22を第1の方向x及び第2の方向yに沿って切断することにより、図6に示す直方体状のセラミック部材23を複数形成する。なお、積層体22の切断は、ダイシングや押切りにより行うことができる。また、レーザーを用いて積層体22を切断してもよい。
次に、図7に示すように、セラミック部材23の端面23e、23fの上に、端面23e、23fを覆うように、セラミック層24,25を形成する。このセラミック層24,25は、第1及び第2のギャップ部10C,10Dを形成するためのものである。このため、セラミック層24,25は、上記の導体パターン21が形成されているセラミックグリーンシート20の組成とは異なる組成を有するものである。
なお、セラミック層24,25の形成方法は特に限定されず、スクリーン印刷法等の印刷法、インクジェット法、グラビアコート法等のコート法、噴霧法等により行うことができる。
次に、セラミック層24,25を形成したセラミック部材23を焼結する。これにより、図8に示すセラミック焼結体10を完成させる。
そして、最後に、第1及び第2の外部電極13,14を形成することにより、図1〜3に示すセラミック電子部品1を完成させる。なお、第1及び第2の外部電極13,14の形成方法は、特に限定されない。第1及び第2の外部電極13,14は、例えば、導電性ペーストを塗布した後に焼き付けることにより形成してもよい。その場合、上記セラミック部材23の焼成前に導電性ペーストを塗布し、焼成と同時に第1及び第2の外部電極13,14を形成してもよい。また、第1及び第2の外部電極13,14は、例えば、めっき等により形成してもよい。
以上説明したように、本実施形態では、内層部10E(第1の部分)の組成と、第2の部分10Fの組成とが異ならされている。具体的には、内層部10Eの組成と、第2の部分10Fの組成とは、後述する焼成によりセラミック焼結体10を得る際における内層部10Eの収縮率と、第2の部分10Fの収縮率との差が、内層部10Eの組成と、第2の部分10Fの組成とが等しい場合よりも小さくなるように異ならされている。より具体的には、焼成によりセラミック焼結体10を得る際の内層部10Eの収縮率(セラミックグリーンシート20から内層部10Eが形成される際の収縮率)と、第2の部分10Fの収縮率(セラミック層24,25から第2の部分10Fが形成される際の収縮率)とが等しくなるように、内層部10Eの組成と、第2の部分10Fの組成とが異ならされている。このため、焼成工程において、内層部10Eと第2の部分10Fとの境界近傍において生じる内部応力を効果的に低減することができる。従って、セラミック電子部品1を高い良品率で製造することができる。また、第2の部分10Fの焼結性を高めることができるため、緻密なセラミック焼結体10を得ることができる。
また、上述のように、本実施形態においては、緻密なセラミック焼結体10を得ることができるため、第1及び第2の内部電極11,12のシール性をより高くすることができる。
また、本実施形態では、第1及び第2のギャップ部10C,10Dは、セラミックグリーンシート20とは異なるセラミック層24,25から形成されるため、例えば、第1及び第2のギャップ部10C,10Dの色と、セラミックグリーンシート20から形成される部分の色とを異ならせることができる。また、第1及び第2のギャップ部10C,10Dの色を相互に異ならせることができる。従って、セラミック電子部品1の方向の識別性を高めることができる。
以下、上記実施形態の変形例について説明する。なお、以下の変形例の説明において、上記実施形態と実質的に共通の機能を有する部材を挙通の符号で参照し、説明を省略する。
上記実施形態では、内層部10Eと第2の部分10Fとで焼成助剤の一種であるSiの添加量を異ならせることによって、内層部10Eの組成と第2の部分10Fの組成とを異ならせる例について説明した。但し、内層部10Eの組成と第2の部分10Fの組成とを異ならせる方法は、これに限定されない。
例えば、Si以外の種類の焼成助剤の添加量や種類を異ならせることによって、内層部10Eの組成と第2の部分10Fの組成とを異ならせてもよい。具体的には、例えば、内層部10Eと第2の部分10Fとで焼成助剤として添加されているガラス成分の種類を異ならせることによって、内層部10Eの組成と第2の部分10Fの組成とを異ならせてもよい。また、例えば、内層部10Eと第2の部分10Fとで焼成助剤として添加されているガラス成分の添加量を異ならせることによって、内層部10Eの組成と第2の部分10Fの組成とを異ならせてもよい。
詳細には、例えば、内層部10Eと第2の部分10Fとでガラス成分におけるアルカリ金属成分(Li,Na,Kなど)やアルカリ土類金属成分(Ca,Ba,Srなど)の含有量を異ならせることによって、内層部10Eの軟化温度と第2の部分10Fの軟化温度とを異ならせることができる。その結果、焼成工程における内層部10Eの収縮率と第2の部分10Fの収縮率とを等しくすることができる。なお、内層部10Eと第2の部分10Fとにおける、セラミックに対するアルカリ金属成分またはアルカリ土類金属成分のモル比の差は、例えば、0.1mol%〜10mol%とすることができる。なお、セラミックに対するアルカリ金属成分またはアルカリ土類金属成分のモル比とは、モル百分率で、セラミックに対するアルカリ金属成分またはアルカリ土類金属成分の存在割合をいう。
なお、例えば、外層部10A,10Bにおけるガラス成分の軟化温度を低くした場合は、第1及び第2の外部電極13,14とセラミック焼結体10との固着力を高めることができる。
また、例えば、セラミックの組成を異ならせることによって、内層部10Eの組成と第2の部分10Fの組成とを異ならせてもよい。例えば、セラミックに含まれる成分比を内層部10Eと第2の部分10Fとで異ならせてもよい。具体的には、例えばセラミックがBaTiOである場合、Tiに対するBaのモル比(Ba/Ti)を内層部10Eと第2の部分10Fとで異ならせてもよい。また、例えば、セラミックの平均粒子径を内層部10Eと第2の部分10Fとで異ならせてもよい。なお、内層部10Eにおける平均粒子径に対する第2の部分10Fにおける平均粒子径の比は、1.1〜100程度とすることができる。
なお、セラミックの平均粒子径の測定は、サンプルの断面を熱エッチングまたはケミカルエッチングした後に、セラミック粒界をSEMなどの高倍率顕微鏡で観察することにより行うことができる。
また、例えば、内層部10Eと第2の部分10Fとのうちの一方に、Ni,Mo,Co及びWなどの他の元素を添加することによって、内層部10Eの組成と第2の部分10Fの組成とを異ならせてもよい。この場合の他の元素の添加量は、例えば、0.05mol%〜1mol%程度とすることができる。
上記実施形態では、第1及び第2の内部電極11,12が第1及び第2の側面10c、10dに平行であり、かつ、第1の内部電極11が第1の主面10aに引き出されている一方、第2の内部電極12が第2の主面10bに引き出されている例について説明した。但し、本発明では、セラミック焼結体にギャップ層が形成される限りにおいて、第1及び第2の内部電極の配置は特に限定されない。
例えば、第1及び第2の内部電極は、第1及び第2の主面もしくは第1及び第2の端面に平行に形成されていてもよい。
また、図10,図11に示すように、第1及び第2の内部電極11,12の両方が第2の主面10bに引き出されていてもよい。図10〜図12に示すこの変形例では、第1の内部電極11は、第2の主面10bの長さ方向LにおけるL1側の部分に引き出されている。一方、第2の内部電極12は、第2の主面10bの長さ方向LにおけるL2側の部分に引き出されている。この変形例によれば、残留インダクタンス(ESL)をより減少することができる。
図12は、第2の変形例に係るセラミック電子部品の略図的断面図である。図13は、第2の変形例に係るセラミック電子部品の図12の線XIII−XIIIにおける略図的断面図である。
図12に示すように、本変形例では、第1及び第2の内部電極11,12に、第1及び第2の主面10a,10bに平行に形成されている。第1の内部電極11は、第1の端面10eに引き出されており、第1の端面10e上に形成されている第1の外部電極13に接続されている。第2の内部電極12は、第2の端面10fに引き出されており、第2の端面10f上に形成されている第2の外部電極14に接続されている。本変形例においては、ギャップ部10C,10Dは、セラミック焼結体10の第1,第2の側面10c,10d側の端部に位置している。
1…セラミック電子部品
10…セラミック焼結体
10A,10B…外層部
10C,10D…ギャップ部
10E…内層部
10F…第2の部分
10a…第1の主面
10b…第2の主面
10c…第1の側面
10d…第2の側面
10e…第1の端面
10f…第2の端面
11…第1の内部電極
12…第2の内部電極
13…第1の外部電極
14…第2の外部電極
20…セラミックグリーンシート
21…導体パターン
22…積層体
23…セラミック部材
23e、23f…セラミック部材の端面
24,25…セラミック層

Claims (4)

  1. セラミック組成物からなる直方体状のセラミック焼結体と、
    前記セラミック焼結体の内部に、互いに対向するように設けられている第1及び第2の内部電極とを備え、
    前記セラミック焼結体は、前記第1及び第2の内部電極の少なくとも一方が設けられている第1の部分と、前記第1の部分の外側に位置しており、前記第1及び第2の内部電極のいずれもが設けられていない第2の部分とを含み、
    前記第2の部分は、前記第1及び第2の内部電極の対向方向において前記第1の部分よりも外側に設けられている、第1及び第2の外層部と、前記対向方向から視た際に前記第1及び第2の内部電極のいずれもが設けられておらず、かつ前記第1及び第2の内部電極の延びる方向において前記第1の部分の両側に位置する第1及び第2のギャップ部とを含み、
    前記第1及び第2のギャップ部の組成と前記第1及び第2の外層部との組成とが異なり、
    前記第1の部分の組成と前記第2の部分の組成とが等しい場合と比べて、焼成によりセラミック焼結体を得る際における前記第1の部分の収縮率と、前記第2の部分の収縮率との差が小さくなるように、前記第1の部分に含有されている焼結助剤と、前記第1及び第2のギャップ部に含有されている焼結助剤とが異なっている、セラミック電子部品。
  2. 前記第1の部分の組成と、前記第2の部分のうちの前記第1及び第2の外層部の組成とが異なる、請求項1に記載のセラミック電子部品。
  3. 前記焼結助剤は、Siとガラス成分とのうちの少なくとも一方を含む、請求項1または2に記載のセラミック電子部品。
  4. 前記第1の部分と前記第2の部分とでは、セラミックの組成が互いに異なる、請求項1〜のいずれか一項に記載のセラミック電子部品。
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