JP5607907B2 - 荷電粒子ビーム描画装置 - Google Patents

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Description

本発明は、荷電粒子ビーム描画装置に関する。
近年、半導体集積回路の高集積化に伴って、LSI(Large Scale Integration)のパターンは、より微細化および複雑化する傾向にある。パターンの転写に使用されている深紫外線光の波長は193nmであるのに対して、転写しようとするパターンのサイズは波長よりも短い。この微細化の要求に伴い、リソグラフィ技術の複雑化も加速している。しかし、LSIを大量に生産するため、原画であるマスク上に描かれたパターンをウェハ上に転写していくことが可能なリソグラフィ技術において、製品毎に異なるマスクパターンのデザイン変更に対する自由度が必要である。そのため、マスクに対するパターン描画は、これまで通り電子ビーム描画装置が使用した電子ビームリソグラフィ技術が使用されている。
電子ビームリソグラフィ技術は、利用する電子ビームが荷電粒子ビームであるために、本質的に優れた解像度を有している。このため、ウェハにLSIパターンを転写する際の原版となるマスクまたはレチクルの製造現場においても、電子ビームリソグラフィ技術が広く一般に使われている。さらに、電子ビームリソグラフィ技術を用いて、ウェハ上にパターンを直接描画する電子ビーム描画装置がDRAMを代表とする最先端デバイスの開発に適用されている他、一部ASICの生産にも用いられている。
そして、こうした電子ビームリソグラフィ技術を実現するための電子ビーム描画装置は、通常、描画対象となる試料(マスク基板やウェハ)を載置するステージを内蔵する描画室と、前記ステージに載置した試料に対し具備する電子銃から電子ビームを照射する電子鏡筒とを備える。そして、描画室内のステージにおいては、ステージを移動させるステージ移動手段としてガイドとステージ駆動用のモータを備えている。
また、電子鏡筒内には、電子ビーム光学系が構成されており、電子銃から放出された電子ビームに対し成形または位置などの制御をして、試料に所望の描画を行うための偏向器など、複数種の構成機器が備えられている。そして特に、電子鏡筒の最下部は対物ブロックと称され、電子ビームを縮小し試料上に結像させる機能を有している。
この対物ブロックは、電子ビームを結像させるための磁気レンズを有して構成されている。そして、この磁気レンズは、磁極とコイルから構成され、コイルに電流を流すことで磁極間に磁界が発生し、電子ビームに対するレンズとして機能する。
このような電子ビームを用いる描画装置では、マスク基板など試料への描画精度を確保するために、試料およびその周辺部分の温度制御、特に高精度な恒温化が必要となる。
すなわち、電子ビーム描画装置では、マスクなど試料自体と同様に、電子ビームの位置に対して試料を保持するステージを制御するための位置計測装置が固定されている真空チャンバや、真空チャンバに載置された電子鏡筒の温度制御が求められる。
その中でも特に、マスク基板など試料については、試料全体において温度分布が発生すると、それを構成する部材の不均一な膨張・収縮が発生し、ひいては試料の変形が生じてしまう。その場合、上述の位置計測装置によりステージ上に載置された試料に対して計測されている電子ビームの位置が、その温度分布による上述の試料変形によって誤差を生じる恐れがあり、描画精度に影響する。すなわち、このような観点から装置温度上昇の抑制と精密な温度維持制御、特に試料およびその周辺部分の恒温化が必要となる。
特許文献1には、パターン描画時において、試料であるガラス基板の温度を均一化できるようにしたパターン形成装置が開示されている。開示されたパターン形成装置は、X−Yステージ上に温度計を内蔵したダミーマスクを保持させる。そして、X−Yステージを動作させて、ダミーマスクの温度の変化をその温度計により測定する。この後、ダミーマスクの温度の測定結果をもとに、描画容器とは別に、ガラス基板の近傍に配置された恒温化容器の設定温度を独立に制御するように構成されている。
特開2003−195476号公報
上述のような、マスク基板など試料全体における温度分布については、まず電子ビームによる描画作業により試料において発熱があるため、描画パターンに依存して発生することがある。しかし、この現象については不可避ではあるものの、実際の試料上での温度分布発生の支配的な要因とはなっていない。主要因としては、試料周囲にある描画装置の構成部材からの輻射などによる試料への熱の流入がある。
特に、電子鏡筒の最下部にある上述の対物ブロックは、ステージ上にある試料に近く、試料に与える影響が大きい。すなわち、対物ブロックの有する磁気レンズは上述のように磁極とコイルから構成され、コイルに電流を流すことで磁界を発生させ、レンズとして機能するが、コイルは電流を流すことにより発熱をする。特に対物ブロックにおけるコイルは電子鏡筒の中でも最も発熱量が大きいコイルであり、このような発熱が周囲やステージ上の試料に与える影響は非常に大きなものとなる。
こうした従来の電子ビームを用いる荷電粒子ビーム描画装置においては、発熱する対物ブロックのコイルに対し、冷却板を介して冷却水で発生熱を吸収するようにして対応がなされてきた。しかしながら、単に冷却板を配置しても、冷却水での吸熱の過程で冷却板内部に温度勾配が生じてしまい、その温度勾配が影響して試料における温度分布を発生させることがあった。よって、従来の電子ビームを用いる荷電粒子ビーム描画装置においては、試料周囲の恒温化と、試料における均一な温度分布の実現は困難であった。
したがって、電子ビーム描画装置において、所望のパターン寸法とパターン精度を実現するには、従来の冷却板などによる冷却方式を用いた従来の電子ビームなど荷電粒子ビーム描画装置では不充分であり、新たな荷電粒子ビーム描画装置の開発が求められている。
本発明は、こうした点に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、マスク基板など試料における精密な温度調整と均一な温度分布を可能として所望のパターン寸法とパターン精度を実現することが可能な荷電粒子ビーム描画装置を提供することにある。
本発明の他の目的および利点は、以下の記載から明らかとなるであろう。
本発明の第1の態様は、試料が載置されるステージを底部に配置した真空チャンバを構成する描画室と、
上部にビーム放出手段を有し、下部に磁気レンズを有するビーム照射手段とを有し、
ステージを移動させつつ、ビーム放出手段からの荷電粒子ビームを磁気レンズにより制御して、試料に対し荷電粒子ビームを照射して所定のパターンを描画する荷電粒子ビーム描画装置であって、
磁気レンズは、コイルと、そのコイルを包囲するコイル冷却板と、そのコイル冷却板の周囲に配置されてそのコイル冷却板からの熱をシールドするOLC(Object Lens Coil)シールドと、そのOLCシールドの周囲に配置された磁極と、その磁極と試料との間に配置され、その磁極からの熱をシールドするOL(Object Lens)熱シールドとを有して構成されたことを特徴とするものである。
本発明の第1の態様において、コイル冷却板とOLCシールドとは端部で接しており、
磁極は、内極と外極とからなる二分割構造を有し、
コイル冷却板およびOLCシールドから熱を吸収するコイル冷却水経路と、外極からの熱を吸収する外極冷却水経路と、内極からの熱を吸収する内極冷却水経路とを有して構成されていることが好ましい。
また、本発明の第1の態様において、OL熱シールドの試料と対向する下面には、黒色のコーティングがなされており、OL熱シールド面の温度を輻射により対向する試料に転写するよう構成されていることが好ましい。
そして、本発明の第1の態様において、黒色のコーティングは、カーボンを用いてなされることが好ましい。
また、本発明の第1の態様において、ビーム放出手段の放出する荷電粒子ビームは、電子ビームであることが好ましい。
本発明の第1の態様によれば、荷電粒子ビーム描画装置の磁気レンズを構成するコイルにおいて発生する熱から、マスク基板など試料を、そのコイルを包囲するコイル冷却板のほか、さらに、OLCシールドと磁極とOL熱シールドとによって3重にシールドすることが可能となる。
そして、OLCシールドと、内極と外極の二分割構造を有する磁極の内極と外極のそれぞれと、OL熱シールドとを各々独立に恒温制御することが可能となる。
さらに、恒温化されたOL熱シールド自身の均一な温度分布状態を試料に対し輻射によって転写し、試料での温度分布の発生を抑制することができる。
したがって、本発明の第1の態様の荷電粒子ビーム描画装置は、試料における精密な温度調整と均一な温度分布を可能として所望のパターン寸法とパターン精度を実現することが可能となる。
本実施の形態の電子ビーム描画装置の構成図である。 本実施の形態の電子ビーム描画装置の磁気レンズの構成を説明する模式的な横断面図である。 磁気レンズのコイルで発生した熱を吸収する方法を模式的に説明する図である。
図1は、本実施の形態の荷電粒子ビーム描画装置の一例である電子ビーム描画装置の構成図である。
図1に示す電子ビーム描画装置1は、クリーンルームにも設置可能な装置である。電子ビーム描画装置1は、描画対象の試料であるマスク基板2を載置するステージ3を内蔵して真空引きされる描画室5を備える。そして、ビーム照射手段として電子鏡筒7を備えるが、この電子鏡筒7では、ステージ3に載置したマスク基板2に対し、上部の備えたビーム放出手段であるの電子銃4から荷電粒子ビームの一例である電子ビーム6を照射する。
ステージ3は、ステージ移動手段8によって、X方向(紙面に平行な方向)およびY方向(紙面に垂直な方向)に移動可能である。ステージ3には、レーザ干渉計10用のミラー9が設けられている。レーザ干渉計10は、ミラー9にレーザ光を照射し、ミラー9の反射光を受光し、その受光信号を位置検出手段(図示されない)に出力する。そして、位置検出手段(図示されない)は、レーザ干渉計10からの信号に基づいて、ステージ3のX方向およびY方向の位置を検出する。
そして、電子鏡筒7の最下部は対物ブロック20と称される。この対物ブロック20は、真空雰囲気にある描画室5と連続するブロックであり、真空雰囲気下にある。そして、対物ブロック20は、電子ビーム6を結像させるための磁気レンズ21を有して構成されており、電子ビーム6を縮小し試料であるマスク基板2上に結像させる機能を有する。
磁気レンズ21は、後に説明するように、磁極31とコイル30とから構成され、コイル30に電流を流すことで磁極間に磁界が発生し、電子ビーム6に対するレンズとして機能する。
そして、描画制御装置(図示されない)により、描画条件などを記述した描画ジョブに基づいてマスク基板2を載置するステージ3や電子鏡筒7に内蔵された電子銃4からの電子ビーム6が制御され、描画室5におけるマスク基板2に対する描画作業が行われる。
図2は、本実施の形態の電子ビーム描画装置1の磁気レンズ21の構成を説明する模式的な横断面図である。
そして、図3は、磁気レンズ21のコイル30で発生した熱を吸収する方法を模式的に説明する図である。図3において、コイル冷却板32、OLC(Object Lens Coil)シールド35、内極40、外極41、およびOL(Object Lens)熱シールド44において示された矢印はそれら各部において生じる熱の流れを模式的に示すものである。
上述のように、磁極31間に磁界を発生させるため、コイル30に電流を流すが、その際コイル30では発熱する。そのため、本実施の形態の電子ビーム描画装置1においては、コイル30の周囲に新規な多重の熱シールド構造を設けて、これを制御し、マスク基板2にあう影響を与えないようにしている。
すなわち、本実施の形態の電子ビーム描画装置1の磁気レンズ21は、コイル30と、コイル30を包囲してこれを冷却するコイル冷却板32と、コイル冷却板32の周囲に配置されて一部でコイル冷却板32と接するとともにコイル冷却板32からの熱をシールドするOLCシールド35と、OLCシールド35の周囲に配置され、内極40と外極41とに二分割された磁極31と、外極41の周囲であって、外極41とマスク基板2との間に配置され、外極41からの熱をシールドするOL熱シールド44と、コイル冷却板32およびOLCシールドから熱を吸収するコイル冷却水経路33と、外極41からの熱を吸収する外極冷却水経路43と、外極冷却水経路43とは別に設けられた内極40からの熱を吸収する内極冷却水経路45とから構成されている。
以下で、本実施の形態の電子ビーム描画装置1の磁気レンズ21の各構成要素について詳しく説明する。
まずコイル30については、熱伝導率の良い金属材料を用いて構成されたコイル冷却板32に、熱伝導率の高い充填剤とともに封入されている。このとき、コイル冷却板32は、高純度の銅を用いて構成されることが好ましい。そして、このコイル冷却板32の周囲には、冷却水を循環させるためのコイル冷却水経路33が設けられている。このコイル冷却水経路33を流れるコイル30のための冷却水は、所定の基準温度より6℃(±0.1℃)低くなるよう温度制御された冷却水である。こうして、コイル30の恒温制御がなされている。
また、コイル冷却板32は、樹脂製の樹脂ブッシュ34を介して、対物ブロック20中の所定位置に固定されている。この樹脂ブッシュ34は樹脂製であって熱伝導率が低いため、熱伝導による周囲への熱の流入を防ぐとことができる。
以上の構成を備えることにより、コイル30で発生する熱は、コイル冷却水経路33を流れる冷却水により吸収される。しかし、コイル冷却板32の下面側(マスク基板2側)では、温度勾配が発生する。そして、描画作業中において、この部位の温度勾配は10℃にも達することがあり、コイル冷却板32の外部側(電子鏡筒7の外部側)まで含めると、温度勾配は20℃にも達する場合がある。
このようなコイル30近傍で発生する温度勾配は、下方に配置されたマスク基板2の温度分布発生を助長してしまう。したがって、本実施の形態の電子ビーム描画装置1においては、以下に説明する多重の熱シールド構造が設けられている。なお、コイル30およびコイル30を包囲するコイル冷却板32の周囲は、対物ブロック20の真空雰囲気とは隔絶され、大気雰囲気にある。よって、上述の熱シールドに対しては、空気の対流および輻射で熱を伝えることになる。
次に、コイル30およびコイル30を包囲するコイル冷却板32の周囲には、その下面側と内面側(電子鏡筒7の中心側)と外面側(電子鏡筒7の外部側)をシールドする熱シールド構造として、OLCシールド35が設けられている。
OLCシールド35は、熱伝導性に優れた高純度の銅から構成された板金構成部品である。OLCシールド35は、コイル冷却水経路33付近で、コイル冷却板32とともに、樹脂ブッシュ34により対物ブロック20中の所定位置に固定され、さらに、樹脂ブッシュ36によりほぼ中央の部分がコイル冷却板32に固定され、そして、その端部が樹脂ブッシュ37により固定されており、コイル冷却水経路33を流れるコイル冷却水の作用により冷却され、恒温制御されている。
このとき、樹脂ブッシュ36、37は熱伝導率が低いため、コイル冷却板32からの熱の影響を受けにくい。よって、OLCシールド35の下面側(マスク基板2側)部分の温度勾配は約5℃に抑えられる。
また、OLCシールド35の周囲は、対物ブロック20の真空雰囲気とは隔絶され、大気雰囲気にあり、次に説明する外極41に対しては、空気の対流および輻射で熱を伝えることになる。
OLCシールド35の周囲には、磁気レンズ21としての機能を果たすための磁極31が配設されている。そして、本実施の形態の電子ビーム描画装置1においては、磁極31は二分割され、コイル30の上面側(電子銃4側)と内面側(電子鏡筒7の中心側)とを包囲する内極40と、コイル30の下面側(マスク基板2側)と外面側(電子鏡筒7の外部側)とを包囲する外極41とから構成される。これらは内極40と外極41は、上述のようにそれぞれ、磁気レンズ21の磁極31として機能するが、一方、コイル30に対する熱シールドとしても作用する。
尚、磁極31を構成する内極40と外極41は、磁極としての性能を高めるため、それぞれ高純度の鉄材から形成されている。
そして、マスク基板2側であるコイル30の下面側をシールドする外極41は、その周囲に外極冷却水経路43が設けられており、上述の基準温度から±0.01℃以内に制御された恒温水が循環している。この外極冷却水経路43を流れる恒温水の作用により、外極41は恒温制御される。その結果、外極41の下面側(マスク基板2側)の部位の温度勾配は、約0.2℃に抑えられる。
なお、外極41の上部側、すなわち、OLCシールド35との間は、対物ブロック20と隔絶された環境にあり、大気雰囲気であるが、その下部側は、相物ブロック20と連続して真空雰囲気である。よって、外極41よりさらに下部側にある、次に説明するOL熱シールド44には輻射で熱を伝える。
外極41とマスク基板2との間であって、コイル30の下面側(マスク基板2側)と外面側(電子鏡筒7の外部側)とを包囲し、外極41からの熱をシールドする位置には、OL熱シールド44が設けられている。OL熱シールド44は、主に外極41の温度勾配の影響をさらに低減し、マスク基板2への影響を抑制する熱シールドとして機能する。
OL熱シールド44は、熱伝導性に優れた高純度の銅から構成された部品である。そして、外極41の外極冷却水経路43近傍に固定されており、この外極冷却水経路43を流れるほぼ基準温度に設定された恒温水により、外極41とともに、恒温制御される。このとき、OL熱シールド44は、中央部分から端部に至るまでの温度が均一となるよう、できる限り肉厚に形成されている。このような構造とすることで、OL熱シールド44の下面側(マスク基板2側)の部位の温度勾配は、約0.1℃に抑えられる。
OL熱シールド44の下面側にはマスク基板2が配置されている。これは対物ブロック20と空間的に連続し、同様の真空雰囲気に置かれることになる。そして、OL熱シールド44のマスク基板2と対向する側である下面については、熱の輻射率を大きくするため、黒色のコーティングが施されている。
そして、この黒色コーティングは、カーボンを用いてなされたカーボンコーティングであることが好ましい。このような、輻射率を高めるコーティングの効果により、OL熱シールド44の下面における温度が下面側のマスク基板2に転写され、マスク基板2では、面内の温度分布が少なくなり、約0.05℃以下に抑えられることになる。
すなわち、OL熱シールド44では、コイル30などで発生する熱からマスク基板2をシールドして冷却や恒温化をするのみではなく、むしろOL熱シールド44自身の均一な温度分布による恒温状態をマスク基板2に対し輻射によって積極的に転写し、そこでの温度分布の発生を抑制している。
したがって、仮にマスク基板2上で、ステージ3からの放熱やビーム照射による発熱が局所的に生じた場合でも、OL熱シールド44の転写効果によりマスク基板2が恒温状態を保てるよう制御することが可能となる。
また、電子鏡筒7の電子銃4側であるコイル30の上面側と内面側(電子鏡筒7の中心側)を包囲する内極40は、コイル30側が、対物ブロック20と隔絶された環境下にあり、コイル冷却板32とも近接し、コイル冷却板32からの熱が流入する。コイル冷却板32は中央部分で高温となるため、内極40の温度は、他のOLCシールド35や外極41やOL熱シールド44に比べ高温となる。よって、外極41と分割された内極40の周囲には独立した恒温水経路を設けることが好ましい。
したがって、本実施の形態の電子ビーム描画装置1においては、磁極31を内極40と外極41とに二分割するとともに、内極40の周囲において、独立に、内極冷却水経路45が設けられている。そして、独立に内極40の恒温制御を可能としている。
内極40のOL熱シールド44側に位置する下端部分と内極冷却水経路45の配設された上部との間の温度勾配は、約0.6℃になることが分かっており、内極冷却水経路45で流される水の温度を、外極冷却水経路43で流される、ほぼ所定の基準温度に設定された水の温度より約0.6℃だけ低く設定することで、内極40のOL熱シールド44側に位置する下端部分の温度を、OL熱シールド44とほぼ同じ温度にすることが可能となる。
したがって、内極40と外極41がOL熱シールド44に与える影響をほぼ同じくすることが可能となり、OL熱シールド44内における温度勾配の抑制がより効果的になされるようになる。
尚、電子ビーム描画装置1において設けられた冷却水経路33、43、45に対し使用可能な媒体として水を例示したが、水の他に、装置部品の劣化防止および沸点上昇の目的で何らかの物質を水に加え生成された水溶液の使用が可能である。また、HFE(ハイドロフルオロエーテル)などフッ素系の冷却媒体の使用が可能である。他の媒体としては、FC(フロリナート)やHFPE(H−ガルデン)の使用が可能である。
以上の構成を備えることで、本実施の形態の電子ビーム描画装置1は、マスク基板上での精密な温度調整とともに、温度勾配の発生を抑制することが可能であり、描画対象基板における所望のパターン寸法とパターン精度を実現することが可能となる。
尚、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、種々変形して実施することができる。例えば、上記実施の形態では、マスク基板に描画する例について述べたが、ウェハに描画する場合にも本発明を適用できる。また、上記実施の形態では電子ビームを用いたが、本発明はこれに限られるものではなく、イオンビームなどの他の荷電粒子ビームを用いた場合にも適用可能である。
1 電子ビーム描画装置
2 マスク基板
3 ステージ
4 電子銃
5 描画室
6 電子ビーム
7 電子鏡筒
8 ステージ移動手段
9 ミラー
10 レーザ干渉計
20 対物ブロック
21 磁気レンズ
30 コイル
31 磁極
32 コイル冷却板
33 コイル冷却水経路
34、36、37 樹脂ブッシュ
35 OLCシールド
40 内極
41 外極
43 外極冷却水経路
44 OL熱シールド
45 内極冷却水経路


Claims (5)

  1. 試料が載置されるステージを底部に配置した真空チャンバを構成する描画室と、
    上部にビーム放出手段を有し、下部に磁気レンズを有するビーム照射手段とを有し、
    前記ステージを移動させつつ、前記ビーム放出手段からの荷電粒子ビームを前記磁気レンズにより制御して、前記試料に対し荷電粒子ビームを照射して所定のパターンを描画する荷電粒子ビーム描画装置であって、
    前記磁気レンズは、コイルと、前記コイルを包囲するコイル冷却板と、前記コイル冷却板の周囲に配置されて前記コイル冷却板からの熱をシールドするOLCシールドと、前記OLCシールドの周囲に配置された磁極と、前記磁極と前記試料との間に配置され、前記磁極からの熱をシールドするOL熱シールドとを有し
    前記OL熱シールドの前記試料と対向する下面の温度勾配は、予め定められ温度以下となるように構成され、前記下面の温度勾配に応じた温度が前記試料に転写されることを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置。
  2. 前記コイル冷却板と前記OLCシールドとは端部で接しており、
    前記磁極は、内極と外極とからなる二分割構造を有し、
    前記コイル冷却板およびOLCシールドから熱を吸収するコイル冷却水経路と、前記外極からの熱を吸収する外極冷却水経路と、前記内極からの熱を吸収する内極冷却水経路とを有して構成されたことを特徴とする請求項1に記載の荷電粒子ビーム描画装置。
  3. 前記OL熱シールドの前記試料と対向する下面には、黒色のコーティングがなされており、前記OL熱シールド面の温度を輻射により前記対向する試料に転写するよう構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の荷電粒子ビーム描画装置。
  4. 前記黒色のコーティングは、カーボンを用いてなされることを特徴とする請求項3に記載の荷電粒子ビーム描画装置。
  5. 前記ビーム放出手段の放出する荷電粒子ビームは、電子ビームであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の荷電粒子ビーム描画装置。
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