JP2009170793A - 温度調整装置、光学系、露光装置及びデバイスの製造方法 - Google Patents

温度調整装置、光学系、露光装置及びデバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】反射型の光学素子が収容される鏡筒の変形を抑制できる温度調整装置、光学系、露光装置及びデバイスの製造方法を提供する。
【解決手段】温度調整装置35は、第2鏡筒24の内壁24aに支持される第5ミラー29からの輻射熱を受ける輻射温調板46と、該輻射温調板46の温度を調整するための第1温度調整機構50と、第5ミラー29及び輻射温調板46を内部に収容する遮蔽カバー39と、該遮蔽カバー39を第2鏡筒24の内壁24aに支持するためのカバー用支持部材40とを備えている。また、遮蔽カバー39とカバー用支持部材40との間には、カバー用断熱材41が配置されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、反射型の光学素子の温度を調整するための温度調整装置、該温度調整装置を備える光学系、該光学系を備える露光装置、該露光装置を用いたデバイスの製造方法に関するものである。
一般に、EUV(Extreme Ultraviolet )光やEB(Electron Beam )などを露光光として用いて基板にパターン像を転写する露光装置は、照明光学系及び投影光学系を備えている。これら照明光学系及び投影光学系には、内部が真空雰囲気に設定された鏡筒と、該鏡筒内に収容される複数の反射型の光学素子とがそれぞれ設けられており、該各光学素子は、支持部材を介して鏡筒の内壁にそれぞれ支持されている。そして、露光光源から射出された露光光は、照明光学系を構成する各光学素子で順番に反射された後、所定のパターンが形成されたレチクルなどの反射型のマスクの表面を照射する。このマスクで反射された露光光は、投影光学系を構成する各光学素子で順番に反射された後、感光性材料の塗布されたウエハ及びガラスプレートなどの基板を照射する。その結果、基板上には、上記パターンに対応した形状のパターン像が投影される。
ところで、照明光学系及び投影光学系を構成する各光学素子は、それぞれの表面に露光光ELが照射された場合、該露光光ELの一部を吸収してそれぞれ発熱する。そして、光学素子の温度が上昇した場合には、光学素子で発熱した熱が支持部材を介して鏡筒に伝わり、該鏡筒が熱変形することがある。このように鏡筒が熱変形した場合には、鏡筒に支持されている各光学素子の間隔が変化してしまい、結果として、投影光学系の結像特性が変動するおそれがあった。そこで、近時では、光学素子の温度を調整するための温度調整装置を鏡筒内に配置することが提案されている。
この温度調整装置は、光学素子毎に設けられるものであって、光学素子の裏面から所定間隔だけ離間した位置に配置される輻射部と、該輻射部を冷却するためのペルチェ素子とを備えている。そのため、露光光が照射される光学素子は、その輻射熱を輻射部が吸熱するため、露光光の照射に起因した温度上昇が抑制される。したがって、上記温度調整装置は、光学素子から支持部材を介した鏡筒への熱伝導を抑制し、鏡筒内における各光学素子間の距離の変化を抑制可能とされていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−135203号公報
ところが、上記温度調整装置では、露光光が照射されて発熱する光学素子と、ペルチェ素子によって冷却される輻射部とが鏡筒の内壁に対して露出した状態でそれぞれ配置されることになる。そのため、鏡筒の内壁のうち光学素子に相対する部分は、光学素子からの輻射熱により温度が上昇する。一方、鏡筒の内壁のうち輻射部に対向する部分は、該輻射部による吸熱(即ち、輻射冷却)に基づき温度が低下する。したがって、上記温度調整装置では、鏡筒の内壁に発生する複雑な温度分布に起因して鏡筒が部分的に熱変形する可能性が依然としてあり、この点で未だ改善の余地があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、反射型の光学素子が収容される鏡筒の変形を抑制できる温度調整装置、光学系、露光装置及びデバイスの製造方法を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明は、実施形態に示す図1〜図7に対応付けした以下の構成を採用している。
本発明の温度調整装置は、鏡筒(19,24)内に収容された反射型の光学素子(20,21,25,26,27,28,29,30)の温度を調整するための温度調整装置(35,35A,35B)であって、前記光学素子(20,21,25,26,27,28,29,30)からの輻射熱を受ける輻射部(46)と、該輻射部(46)の温度を調整するための輻射部用温度調整機構(50)と、前記光学素子(20,21,25,26,27,28,29,30)及び前記輻射部(46)のうち少なくとも一方から前記鏡筒(19,24)の内壁(24a)への熱の輻射を遮る遮蔽部(39,60,61)と、該遮蔽部(39,60,61)を前記鏡筒(19,24)の内壁(24a)に支持するための支持部(40,41)とを備えたことを要旨とする。
上記構成によれば、光学素子及び輻射部のうち少なくとも一方は、鏡筒の内壁への熱の輻射が遮蔽部によって遮られる。そのため、光学素子及び輻射部が鏡筒の内壁に共に露出する従来の場合に比して、鏡筒の内壁に複雑な温度分布が発生することが抑制される。したがって、反射型の光学素子が収容される鏡筒の変形を抑制できる。
なお、本発明をわかりやすく説明するために実施形態を示す図面の符号に対応づけて説明したが、本発明が実施形態に限定されるものではないことは言うまでもない。
本発明によれば、反射型の光学素子が収容される鏡筒の変形を抑制できる。
(第1の実施形態)
以下に、本発明を具体化した第1の実施形態について図1〜図3に基づき説明する。
図1に示すように、本実施形態の露光装置11は、波長が100nm程度以下の軟X線領域である極端紫外光、即ちEUV(Extreme Ultraviolet )光を露光光ELとして用いるEUV露光装置であって、内部が真空雰囲気となるチャンバ12(図1では二点鎖線で示す。)内に設置されている。この露光装置11は、露光光源13と、照明光学系14と、所定のパターンが形成された反射型のレチクルRを保持するレチクルステージ15と、投影光学系16と、表面にレジストなどの感光性材料が塗布されたウエハWを保持するウエハステージ17と、露光装置11全体を制御するための制御装置18とを備えている。なお、本実施形態の露光光源13としては、レーザ励起プラズマ光源が用いられており、該露光光源13は、波長が5〜20nm(例えば13.5nm)となるEUV光を射出する。
照明光学系14は、熱膨張係数の低い材料(本実施形態では、ニッケルと鉄とを含む合金であるスーパーインバー)にて構成された第1鏡筒19(図1では一点鎖線で示す。)を備え、該第1鏡筒19内は、チャンバ12の内部と同様に、真空雰囲気に設定されている。また、第1鏡筒19内には、露光光源13側から順に配置された反射型のコリメート用ミラー20及びコンデンサミラー21が収容されている。これら各ミラー20,21の反射面には、露光光ELを反射する反射層がそれぞれ形成されている。そして、コンデンサミラー21で反射された露光光ELは、コンデンサミラー21よりもレチクルR側に配置された折り返し用の反射ミラー22により、レチクルステージ15に保持されるレチクルRに導かれる。なお、照明光学系14は、不図示の一対のフライアイ反射鏡を備えた構成であってもよい。
レチクルステージ15は、後述する投影光学系16の物体面側に配置されており、レチクルRを静電吸着する静電チャック23と、レチクルRをX方向、Y方向及びZ方向に移動させるための図示しない移動機構とを備えている。そして、レチクルRにおいて上記パターンが形成された被照射面(即ち、図1における下面)に反射された露光光ELは、投影光学系16に導かれる。
投影光学系16は、熱膨張係数の低い材料(本実施形態では、スーパーインバー)にて構成された第2鏡筒24(図1では一点鎖線で示す。)を備え、該第2鏡筒24内は、チャンバ12の内部及び第1鏡筒19の内部と同様に、真空雰囲気に設定されている。また、第2鏡筒24内には、複数枚(本実施形態では6枚)の反射型のミラー25,26,27,28,29,30が収容されている。これら各ミラー25〜30において露光光ELが照射されない部分で、かつ後述する輻射温調板46(図2参照)に相対しない部分は、低輻射率化されている。このように低輻射率化するためには、その部分に金属膜をコーティングすることが望ましい。そして、レチクルR側から導かれた露光光ELは、第1ミラー25、第2ミラー26、第3ミラー27、第4ミラー28、第5ミラー29、第6ミラー30の順に反射され、ウエハステージ17に保持されるウエハWに導かれる。なお、本実施形態において、低輻射率化とは、輻射率が0.3以下となる状態にすることである。
ウエハステージ17は、ウエハWを静電吸着する静電チャック31と、ウエハWをX方向、Y方向及びZ方向に移動させるための図示しない移動機構とを備えている。そして、投影光学系16から射出された露光光ELでウエハWの表面(図1における上面)が照射されることにより、ウエハWには、レチクルR上の上記パターンを所定倍率に縮小したパターン像が投影される。
また、本実施形態の露光装置11には、各ミラー20〜22,25〜30に対して循環用管路32を介して循環液(例えば、純水)を供給可能な循環液供給装置33が設けられている。循環用管路32は、ミラー20〜22,25〜30毎に設けられており、各ミラー20〜22,25〜30では、循環用管路32を介して供給される循環液を用いて各ミラー20〜22,25〜30の温度が調整される。すなわち、レチクルRよりも露光光源13側に配置された各ミラー20〜22に対しては、該各ミラー20〜22に当接して直接熱交換する公知の温度調整装置が用いられる。また、レチクルRよりもウエハW側に配置された各ミラー25〜30に対しては、該ミラー25〜30を輻射冷却する温度調整装置35(図2参照)が用いられる。そして、このような各温度調整装置35は、制御装置18からの制御指令に基づき各ミラー20〜22,25〜30の温度を個別に調整するようになっている。
次に、各ミラー25〜30用の温度調整装置35について図2及び図3に基づき説明する。なお、各温度調整装置35は、略同一構成である。そのため、ここでは、第5ミラー29の温度を調整するための温度調整装置35についてのみ説明し、他の温度調整装置35の具体的な説明は省略するものとする。
まず、温度調整装置35の構成を説明する前に、第5ミラー29の保持方法について説明する。
図2及び図3に示すように、第5ミラー29の周縁部には、径方向外側に延びる複数(本実施形態では3つ)のミラー用支持部材36が設けられており、これら各ミラー用支持部材36は、第5ミラー29の周方向に沿って等間隔にそれぞれ配置されている。そして、第5ミラー29は、各ミラー用支持部材36が第2鏡筒24の内壁24aに設けられた保持部37に、不図示のフレクシャ機構を介してそれぞれ保持されることにより、第2鏡筒24の内壁24aに支持されている。このように支持される第5ミラー29の被照射面(図2における上側の面)29aには、該第5ミラー29の中心から偏心した位置に露光光ELによる被照射領域IA(図3にて二点鎖線で囲まれた領域)が形成される。
また、第2鏡筒24の内壁24aにおける各保持部37近傍には、温度センサ38がそれぞれ設けられている。そして、制御装置18は、各温度センサ38からの検出信号に基づき第2鏡筒24の内壁24aの温度を検出する。
次に、第5ミラー29の温度を調整する温度調整装置35について説明する。
図2及び図3に示すように、温度調整装置35は、内部に第5ミラー29が収容される中空状の遮蔽カバー39を備えている。この遮蔽カバー39は、第5ミラー29と第2鏡筒24の内壁24aとの間に配置される円筒部材39Aと、該円筒部材39Aの−Z方向側端部(図2における下側)に固定される底壁44と、円筒部材39AのZ方向側端部(図2における上側)に固定される上壁39Bとを有する。また、遮蔽カバー39は、複数(本実施形態では3つ)のカバー用支持部材40を介して第2鏡筒24の内壁24aに支持されている。これらカバー用支持部材40は、周方向において互いに隣り合うミラー用支持部材36同士の略中央にそれぞれ配置されている。また、遮蔽カバー39と各カバー用支持部材40との間には、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などの熱伝導性の低い合成樹脂から構成されるカバー用断熱材41がそれぞれ設けられている。
遮蔽カバー39は、アルミニウム合金などの熱伝導性の高い材料にて構成されている。また、遮蔽カバー39の内面(第5ミラー29や後述する輻射温調板46に対向する面)及び外面(第2鏡筒24の内壁24aに対向する面)は、光沢処理を施すことにより、それぞれ低輻射率化されている。このように遮蔽カバー39の内面及び外面を低輻射率化するためには、特別な処理を施すことなく、金属面のままにしてもよい。
また、遮蔽カバー39の円筒部材39Aは、各ミラー用支持部材36に対応する部分に形成された貫通孔43を有する。これら各貫通孔43は、ミラー用支持部材36の外形形状より大きい開口を有しているため、遮蔽カバー39と各ミラー用支持部材36との接触が回避される。また、遮蔽カバー39の上壁39Bには、第5ミラー29の被照射面29a(図2における上面)に入射する露光光EL及び被照射面29aで反射した露光光ELが通過する第1開口部42が形成されている。さらに、遮蔽カバー39の底壁44において、第5ミラー29の被照射領域IAに対応する位置(図2では被照射領域IAの直下位置)には、第1開口部42よりも小さい第2開口部45が形成されている。
遮蔽カバー39内における第5ミラー29の−Z方向側(図1における下側)には、第5ミラー29の輻射熱を受ける輻射温調板46が設けられており、該輻射温調板46は、第5ミラー29から所定間隔(例えば略2mm)だけ離間した位置に配置されている。また、輻射温調板46は、複数(本実施形態では3つ)の温調板用断熱材47を介して遮蔽カバー39の底壁44に支持されている。これら各温調板用断熱材47は、周方向において互いに隣り合うカバー用支持部材40同士の略中央にそれぞれ配置されている。なお、各温調板用断熱材47は、PTFEなど熱伝導性の低い合成樹脂からそれぞれ構成されている。また、本実施形態では、輻射温調板46と遮蔽カバー39との間で温調板用断熱材47を介して僅かな熱の移動があってもよい。
輻射温調板46は、アルミニウム合金などの熱伝導性の高い材料から構成される略円盤状の温調板本体48を備え、該温調板本体48において第5ミラー29に相対する面上には、膜厚が略100μmとなる高輻射率膜49が形成されている。この高輻射率膜49は、その輻射率が0.6以上になるように、アルミナなどのセラミック材料にて構成されている。一方、温調板本体48のうち遮蔽カバー39の内面に相対する部分は、遮蔽カバー39への熱の輻射を抑制すべく、低輻射率化されている。
また、輻射温調板46には、輻射温調板46の温度を調整するための第1温度調整機構50が設けられている。この第1温度調整機構50は、底壁44の第2開口部45に対応する位置に配置されている。第1温度調整機構50は、輻射温調板46と熱交換するための第1ペルチェ素子51を備え、該第1ペルチェ素子51は、図示しない温度センサに基づき検出される輻射温調板46の温度が装置基準温度(例えば23℃)よりも10℃だけ低くなるように制御装置18によって制御される。
また、第1温度調整機構50には、第1ペルチェ素子51と熱交換するための第1熱交換部52が設けられており、該第1熱交換部52内には、循環用管路32を介して供給された循環液が流動する第1流路53が形成されている。そして、第1流路53内を流動した循環液は、接続管路54を介して後述する第2温度調整機構55の第2熱交換部57に供給される。なお、第1熱交換部52に供給される循環液の温度は、装置基準温度以下であることが望ましい。
また、遮蔽カバー39の底壁44の−Z方向側には、該遮蔽カバー39の温度を調整するための第2温度調整機構55が設けられている。この第2温度調整機構55は、遮蔽カバー39と熱交換するための第2ペルチェ素子56を備えている。この第2ペルチェ素子56は、各温度センサ38からの検出信号に基づき制御装置18によって検出された第2鏡筒24の内壁24aの温度が所定温度となるように駆動が制御される。なお、本実施形態における所定温度とは、装置基準温度±0.01℃となる温度範囲のことを示している。
また、第2温度調整機構55には、第2ペルチェ素子56と熱交換するための第2熱交換部57が設けられており、第2熱交換部57内には、接続管路54を介して供給された循環液が流動する第2流路58が形成されている。そして、第2流路58内を流動した循環液は、循環液供給装置33に回収される。
次に、各温度調整装置35が個別に対応する各ミラー25〜30及び第2鏡筒24の内壁24aの温度を調整する際の作用について、第5ミラー29用の温度調整装置35が第5ミラー29の温度を調整する際の作用を例に説明する。
さて、露光装置11によるウエハWへのパターン像の投影が実行される際、第5ミラー29には、第4ミラー28で反射された露光光ELが入射する。すると、第5ミラー29に入射した露光光ELの大部分は、第5ミラー29の被照射領域IAで反射されて第6ミラー30に向けて射出する一方、残りの露光光は、第5ミラー29に吸収される。その結果、第5ミラー29は、露光光ELの吸収に基づき発熱する。この際、輻射温調板46は、発熱する第5ミラー29よりも温度が低いため、第5ミラー29の輻射熱を受ける。しかも、第5ミラー29に露光光ELが入射する間、輻射温調板46は、第1ペルチェ素子51によって冷却され続けることになる。そのため、第5ミラー29の温度上昇は、輻射温調板46による輻射冷却により抑制される。
また、輻射温調板46を冷却することによって発生する第1ペルチェ素子51の熱は、循環液供給装置33から循環液が供給される第1熱交換部52に吸熱される。そのため、輻射温調板46は、第1ペルチェ素子51の駆動に基づき、その温度が略一定になるように調整される。このように温度が調整される輻射温調板46は、該輻射温調板46より高温の第5ミラー29と共に遮蔽カバー39内に収容されるため、第5ミラー29及び輻射温調板46による第2鏡筒24の内壁24aへの熱の輻射は抑制される。その結果、第2鏡筒24の内壁24aにおいて、第5ミラー29及び輻射温調板46に相対する部分では、複雑な温度分布の発生が抑制される。
また、第2鏡筒24の内壁24aの温度は、各温度センサ38を用いた検出結果に基づいて、遮蔽カバー39の温度を調整することにより略一定に保たれている。すなわち、もし仮に第2鏡筒24の内壁24aの温度が下降し始めた場合には、第2温度調整機構55の駆動に基づき遮蔽カバー39の温度を上昇させる。一方、第2鏡筒24の内壁24aの温度が上昇し始めた場合には、遮蔽カバー39の温度を下降させる。このように遮蔽カバー39の温度を変化(上昇あるいは下降)させることによって、遮蔽カバー39からの熱輻射により、遮蔽カバー39と第2鏡筒24の内壁24aとの間で熱が移動し、第2鏡筒24の内壁24aの温度が上記所定温度に保たれる。
なお、遮蔽カバー39とカバー用支持部材40との間に設けられるカバー用断熱材41として、熱が僅かに移動する材質のものを使用することがある。この場合、遮蔽カバー39からは、熱輻射だけではなく、カバー用支持部材40を介して熱が第2鏡筒24の内壁24aに移動することになる。
このような各ミラー25〜30及び第2鏡筒24の内壁24aの温度調整は、ミラー25〜30毎に実行される。そのため、第2鏡筒24の内壁24a全体でも、複雑な温度分布の発生が抑制されると共に、その温度自体も所定温度に保たれる。その結果、第2鏡筒24の内壁24aの熱変形が抑制され、該内壁24aに支持される各ミラー25〜30間の距離の変化が抑制される。
したがって、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)第2鏡筒24内のミラー25〜30及び該ミラー25〜30に個別に対応する輻射温調板46は、第2鏡筒24の内壁24aへの熱の輻射が遮蔽カバー39によって遮られる。そのため、ミラー25〜30及び該ミラー25〜30に個別に対応する輻射温調板46が第2鏡筒24の内壁24aに共に露出する従来の場合に比して、第2鏡筒24の内壁24aに複雑な温度分布が発生することが抑制される。したがって、反射型のミラー25〜30が収容される第2鏡筒24の熱変形を抑制できる。
(2)また、第2鏡筒24の内壁24aの熱変形に起因する各ミラー25〜30の間隔の変化が抑制されるため、投影光学系16の結像特性の変動が抑制される。したがって、ウエハWに対してパターン像を好適に投影転写できる。
(3)遮蔽カバー39と該遮蔽カバー39を第2鏡筒24に対して支持する各カバー用支持部材40との間には、カバー用断熱材41がそれぞれ介在している。そのため、カバー用断熱材41を設けない構成の場合に比して、遮蔽カバー39と第2鏡筒24の内壁24aとの間での熱の移動が抑制される。したがって、遮蔽カバー39から第2鏡筒24の内壁24aへの熱の移動に起因した該内壁24aの熱変形を抑制できる。
(4)輻射温調板46は、温調板用断熱材47を介して遮蔽カバー39に支持されている。そのため、遮蔽カバー39と輻射温調板46との間での熱の移動が抑制される結果、遮蔽カバー39を冷却する第2温度調整機構55の負荷の増大を抑制できる。
(5)輻射温調板46と遮蔽カバー39の底壁44との間に介在する各温調板用断熱材47は、第5ミラー29の周方向において互いに隣り合う各カバー用断熱材41から最も離間した位置にそれぞれ配置されている。換言すると、各温調板用断熱材47は、輻射温調板46から第2鏡筒24の内壁24aへの熱伝導の経路が最も長くなるようにそれぞれ配置されている。そのため、輻射温調板46と第2鏡筒24の内壁24aとの間での熱伝導効率を効果的に低減でき、輻射温調板46の温度に起因した第2鏡筒24の内壁24aでの温度分布の発生を抑制できる。
(6)各熱交換部52,57には、循環液供給装置33から循環液が常に供給されるため、輻射温調板46及び遮蔽カバー39の温度を効率的に調整できる。
(7)本実施形態では、遮蔽カバー39は、その内部に輻射温調板46が収容されているため、その温度が下降する傾向にある。そのため、遮蔽カバー39の温度を調整する第2温度調整機構55は、基本的には遮蔽カバー39の温度を上昇させるべく駆動する。このような第2温度調整機構55の第2流路58内には、第1温度調整機構50の第1流路53内を流動する際に温度上昇した循環液が流入することになる。そのため、第2温度調整機構55は、第1温度調整機構50の第1ペルチェ素子51によって温度上昇された循環液を利用して遮蔽カバー39の温度下降を抑制すべく駆動する。したがって、温度調整機構50,55毎に互いに温度の異なる循環液を個別に供給する場合に比して、装置全体の複雑化を抑制できる。
(8)仮に、ペルチェ素子を第2鏡筒24の内壁24aに当接させて該内壁24aの温度を調整しようとすると、内壁24aとペルチェ素子との熱交換量が多すぎて、内壁24aの温度を±0.01℃の範囲内に調整することが非常に困難になるおそれがある。この点、本実施形態では、遮蔽カバー39の熱輻射によって、第2鏡筒24の内壁24aの温度を調整している。その結果、微少な熱量でもって第2鏡筒24の内壁24aの温度を調整することになるため、該内壁24aの温度を±0.01℃の範囲内で調整することが非常に容易になる。したがって、第2鏡筒24の内壁24aの温度変化に起因した第2鏡筒24の熱変形を良好に抑制できる。
(9)遮蔽カバー39に貫通孔43を形成することにより、該遮蔽カバー39と各ミラー用支持部材36との接触が回避される。そのため、第1流路53内及び第2流路58内を流動する循環液の脈動が遮蔽カバー39を介してミラー25〜30に伝達されることを抑制できる。したがって、ミラー25〜30の振動に起因した投影光学系16の結像特性の変動を抑制できる。
(10)ミラー25〜30の被照射領域IAに対応した位置に第1温度調整機構50が配置されるため、輻射温調板46のうち最も温度が低くなる部分が、ミラー25〜30のうち最も温度が上昇する部分に対応する位置に配置される。そのため、ミラー25〜30の温度上昇を効率的に抑制できる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図4に従って説明する。なお、第2の実施形態は、温度調整装置の構成が第1の実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第1の実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第1の実施形態と同一又は相当する部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。なお、本実施形態においても、第5ミラー29用の温度調整装置についてのみ説明し、他の温度調整装置の具体的な説明は省略するものとする。
図4に示すように、本実施形態の温度調整装置35Aは、複数(図4では2のみ図示)のカバー用支持部材40及びカバー用断熱材41を介して第2鏡筒24の内壁24aに支持される遮蔽部60と、第5ミラー29の−Z方向側(図4における下側)に配置される輻射温調板46とを備えている。遮蔽部60には、略円筒形状の第1遮蔽部材61と、該第1遮蔽部材61の−Z方向側に配置される円盤状の第2遮蔽部材62とが設けられており、これら各遮蔽部材61,62は、アルミニウム合金などの熱伝導性の高い材料にてそれぞれ形成されている。
第1遮蔽部材61には、各ミラー用支持部材36に対応する部分に、第1遮蔽部材61のZ方向側端部から−Z方向側に向かって延びる溝63がそれぞれ形成されている。この溝63の幅は、ミラー用支持部材36の断面形状より大きいため、第1遮蔽部材61と各ミラー用支持部材36との接触が回避される。また、第1遮蔽部材61の−Z方向側たん部には、複数(図4では2つのみ図示)の遮蔽用断熱材64を介して第2遮蔽部材62が連結されている。なお、遮蔽用断熱材64は、PTFEなどの熱伝導性の低い合成樹脂から構成されている。また、遮蔽用断熱材64は、リング状をなすものであってもよい。
そして、各遮蔽部材61,62によって形成された内部空間65内には、第5ミラー29及び輻射温調板46が収容されており、該輻射温調板46は、複数(図4では2つのみ図示)の温調板用断熱材47を介して第2遮蔽部材62に支持されている。また、内部空間65内において輻射温調板46と第2遮蔽部材62との間には、第1温度調整機構50が設けられている。さらに、第2遮蔽部材62の−Z方向側には、該第2遮蔽部材62の温度を調整するための第2温度調整機構55が設けられている。なお、本実施形態では、各温度調整機構50,55には、循環液供給装置33から個別に循環液が供給される。
したがって、本実施形態では、上記第1の実施形態の効果(1)〜(6)(9)(10)に加えて以下に示す効果を得ることができる。
(11)各温度調整機構50,55に対して互いに温度の異なる循環液を供給することにより、より効率的に輻射温調板46及び第2遮蔽部材62の温度を調整できる。
(12)第2鏡筒24の内壁24aの温度変化を温度センサ38からの信号に基づきが検出した場合には、第2遮蔽部材62の温度を調整して第2鏡筒24の内壁24aの温度の一定化を図ることが可能となる。そのため、第2鏡筒24の内壁24aの温度変化に起因した第2鏡筒24の熱変形を良好に抑制できる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態を図5に従って説明する。なお、第3の実施形態は、温度調整装置の構成が第1及び第2の各実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第1及び第2の各実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第1及び第2の各実施形態と同一又は相当する部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。なお、本実施形態においても、第5ミラー29用の温度調整装置についてのみ説明し、他の温度調整装置の具体的な説明は省略するものとする。
図5に示すように、本実施形態の温度調整装置35Bは、複数(図5では2のみ図示)のカバー用支持部材40及びカバー用断熱材41を介して第2鏡筒24の内壁24aに支持される第1遮蔽部材61を備え、該第1遮蔽部材61内には、第5ミラー29が収容されている。第1遮蔽部材61は、その−Z方向側端部にカバー用断熱材41が取付けられている。また、第1遮蔽部材61は、各ミラー用支持部材36に対応する部分に形成され貫通孔43を有する。
第1遮蔽部材61の−Z方向側端部側には、第5ミラー29からの輻射熱を受ける輻射温調板46が設けられている。この輻射温調板46は、複数(図5では2のみ図示)の温調板用支持部材70を介して第2鏡筒24の内壁24aに支持されている。なお、輻射温調板46と各温調板用支持部材70との間には、温調板用断熱材47がそれぞれ設けられている。
したがって、本実施形態では、上記第1の実施形態の効果(2)(3)(9)(10)に加えて以下に示す効果を得ることができる。
(13)第2鏡筒24内のミラー25〜30は、第2鏡筒24の内壁24aへの熱の輻射が第1遮蔽部材61によって遮られる。そのため、ミラー25〜30及び該ミラー25〜30に個別に対応する輻射温調板46が、第2鏡筒24の内壁24aに共に露出する従来の場合に比して各ミラー25〜30から第2鏡筒24の内壁24aへの熱の輻射が遮られる分だけ、該内壁24aに複雑な温度分布が発生することが抑制される。したがって、反射型のミラー25〜30が収容される第2鏡筒24の変形を抑制できる。
(14)輻射温調板46と各温調板用支持部材70との間には、温調板用断熱材47が設けられているため、輻射温調板46と第2鏡筒24の内壁24aとの間の熱の移動を抑制できる。
なお、上記各実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・各実施形態において、貫通孔43及び溝63などの回避部は、遮蔽カバー39や第1遮蔽部材61にカバー用支持部材40が接触するような形状であってもよい。このように構成しても、カバー用支持部材40は第2鏡筒24の内壁24aに支持されているため、熱交換部52,57内を流動する循環液の脈動が伝達されることによる振動は、各ミラー25〜30が遮蔽カバー39や第1遮蔽部材61に直接支持される場合に比して抑制される。
・各実施形態において、各ミラー25〜30は、カバー用支持部材40を介して遮蔽カバー39や第1遮蔽部材61に支持される構成であってもよい。
・第2の実施形態において、遮蔽部60は、第2遮蔽部材62を第1遮蔽部材61に直接連結した構成であってもよい。この場合、第2温度調整機構55は、第2遮蔽部材62だけではなく、遮蔽部60全体の温度を調整することになる。
・第1及び第2の実施形態において、第2温度調整機構55を設けなくてもよい。この場合、第2鏡筒24の内壁24aの温度を直接調整するための温度調整機構を設けることが望ましい。
・各実施形態において、第2鏡筒24の内壁24aに温度センサ38を設けなくてもよい。このように構成しても、各ミラー25〜30から第2鏡筒24の内壁24aへの熱の輻射が遮られているため、該内壁24aの熱変形を抑制できる。
・第1の実施形態において、第1温度調整機構50と第2温度調整機構55との間に、第2温度調整機構55に流入する循環液の温度を調整する調整器を設けてもよい。
・第1の実施形態において、各温度調整機構50,55には、循環液を個別に供給するようにしてもよい。
また、第2の実施形態において、第2温度調整機構55には、第1温度調整機構50の第1流路53内を流動した循環液が流入するようにしてもよい。
・各実施形態において、温度調整機構50,55には、熱交換可能な流体であれば、純水以外の任意の液体や不活性ガスなどの任意の気体を供給するようにしてもよい。
・第1及び第2の実施形態において、温調板用断熱材47を、輻射温調板46を遮蔽カバー39や第2遮蔽部材62に支持させることができるのであれば、任意の位置に配置してもよい。例えば、温調板用断熱材47を、カバー用断熱材と周方向において同一位置に配置してもよい。
・第1及び第2の実施形態において、輻射温調板46を遮蔽カバー39や第2遮蔽部材62に支持させるための支持部材は、金属などの熱伝導性の高い材料にて構成されたものであってもよい。ただし、支持部材は、熱膨張率の低い材料(例えば、スーパーインバー)にて構成されるものであることが望ましい。また、輻射温調板46を遮蔽カバー39の底壁44上や第2遮蔽部材62上に直接設置してもよい。
また、第3の実施形態において、温調板用断熱材47を省略してもよい。
・各実施形態において、遮蔽カバー39、遮蔽部材61,62の外面に高輻射率膜を設けて、遮蔽カバー39、遮蔽部材61,62に第2鏡筒24の内壁24aからの輻射熱を積極的に受けるようにしてもよい。このように構成することにより、遮蔽カバー39、遮蔽部材61,62と第2鏡筒24の内壁24aとの温度を略同一にすることができ、該内壁24aの温度変化を抑制できる。
・第3の実施液体において、第1遮蔽部材61は、輻射温調板46のみを収容した構成であってもよい。このように構成しても、輻射温調板46から第2鏡筒24の内壁24aへの熱の輻射が遮られる分だけ、第2鏡筒24の内壁24aに複雑な温度分布が発生することを抑制できる。
・各実施形態において、カバー用断熱材41を省略してもよい。
・各実施形態において、断熱材41,47,64は、熱伝導性の低い材料であれば、PAI(ポリアミドイミド)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)などの任意の材料で構成されたものであってもよい。
・各実施形態において、遮蔽カバー39、遮蔽部材61,62は、熱伝導性の高い材料であれば、アルミニウム、銀、銅、金、ベリリウム、タングステン、マグネシウム、ロジウム、シリコン、イリジウム、モリブデン、ナトリウム、亜鉛、ルテニウム、上記各材料を含む合金から構成されたものであってもよい。ただし、低コスト化、毒性の有無などの安全性の向上を図るためには、アルミニウム、タングステン、モリブデン、亜鉛、これら材料を含む合金にて遮蔽カバー39、遮蔽部材61,62を構成することが望ましい。
・各実施形態において、鏡筒19,24は、熱膨張係数の低い材料であれば、タングステン、チタンなどの任意の材料で構成されたものであってもよい。
・各実施形態において、高輻射率膜49は、輻射率が「0.6」以上に設定されるのであれば、窒化アルミニウム、酸化チタン、シリカ、炭化タングステンなどの任意の材料で構成されたものであってもよい。
・各実施形態において、輻射部は、ミラー25〜30及び輻射温調板46からの熱の輻射によって第2鏡筒24の内壁24aの温度が変化しない構成であれば、任意の構成であってもよい。例えば、輻射部は、ミラー25〜30及び輻射温調板46を四方から包囲する複数枚の板材であってもよい。
・各実施形態では、第2鏡筒24内の全てのミラー25〜30に対して温度調整装置35,35A,35Bを設けているが、少なくとも一つのミラーに対してのみ温度調整装置35,35A,35Bを設けてもよい。ただし、最もウエハW側となる第6ミラー30の温度を調整するための温度調整装置35,35A,35Bを設けておくことが望ましい。
・各実施形態では、第2鏡筒24の内壁24aにて支持するミラー25〜30の温度を調整するための温度調整装置35,35A,35Bに具体化しているが、第1鏡筒19の内壁にて支持するミラー21,22の温度を調整するための温度調整装置に具体化してもよい。この場合、第1鏡筒19内のミラー21,22の発熱量は、露光光ELの入射量が多い分だけ第2鏡筒24内の各ミラー25〜30の発熱量よりも多くなるため、輻射温調板の温度を、上記各実施形態の輻射温調板46の温度よりも十分に低くすることが望ましい。
・各実施形態では、レチクルRとウエハWとの間に配置されるミラー25〜30に対して温度調整装置を設けているが、露光光源13とレチクルRとの間に配置されるミラー20〜22の少なくとも一つに設けてもよい。
・各実施形態において、露光装置11は、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクルまたはマスクを製造するために、マザーレチクルからガラス基板やシリコンウエハなどへ回路パターンを転写する露光装置であってもよい。また、露光装置11は、液晶表示素子(LCD)などを含むディスプレイの製造に用いられてデバイスパターンをガラスプレート上へ転写する露光装置、薄膜磁気ヘッド等の製造に用いられて、デバイスパターンをセラミックウエハ等へ転写する露光装置、及びCCD等の撮像素子の製造に用いられる露光装置などであってもよい。
・各実施形態の露光装置11は、マスクと基板とが相対移動した状態でマスクのパターンを基板へ転写し、基板を順次ステップ移動させるスキャニング・ステッパ、及び、マスクと基板とが静止した状態でマスクのパターンを基板へ転写し、基板を順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式のステッパを問わず適用することができる。
・各実施形態において、EUV光を出力可能な露光光源13として、放電型プラズマ光源を用いてもよい。
・各実施形態において、露光装置11は、EB(Electron Beam )を露光光ELとして用いる露光装置であってもよい。
・各実施形態において、露光光源13は、例えばg線(436nm)、i線(365nm)、KrFエキシマレーザ(248nm)、Fレーザ(157nm)、Krレーザ(146nm)、Arレーザ(126nm)等を射出可能な光源であってもよい。また、露光光源13は、DFB半導体レーザまたはファイバレーザから発振される赤外域、または可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(またはエルビウムとイッテルビウムの双方)がドープされたファイバアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を射出可能な光源であってもよい。この場合、各鏡筒19,24内が真空雰囲気に設定されていればよく、露光装置11全体を、真空雰囲気に設定されたチャンバ12内に設置しなくてもよい。
次に、本発明の実施形態の露光装置11によるデバイスの製造方法をリソグラフィ工程で使用したマイクロデバイスの製造方法の実施形態について説明する。図6は、マイクロデバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造例のフローチャートを示す図である。
まず、ステップS101(設計ステップ)において、マイクロデバイスの機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップS102(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスク(レチクルRなど)を製作する。一方、ステップS103(基板製造ステップ)において、シリコン、ガラス、セラミックス等の材料を用いて基板(シリコン材料を用いた場合にはウエハWとなる。)を製造する。
次に、ステップS104(基板処理ステップ)において、ステップS101〜ステップS104で用意したマスクと基板を使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によって基板上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップS105(デバイス組立ステップ)において、ステップS104で処理された基板を用いてデバイス組立を行う。このステップS105には、ダイシング工程、ボンティング工程、及びパッケージング工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。最後に、ステップS106(検査ステップ)において、ステップS105で作製されたマイクロデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にマイクロデバイスが完成し、これが出荷される。
図7は、半導体デバイスの場合におけるステップS104の詳細工程の一例を示す図である。
ステップS111(酸化ステップ)おいては、基板の表面を酸化させる。ステップS112(CVDステップ)においては、基板表面に絶縁膜を形成する。ステップS113(電極形成ステップ)においては、基板上に電極を蒸着によって形成する。ステップS114(イオン打込みステップ)においては、基板にイオンを打ち込む。以上のステップS111〜ステップS114のそれぞれは、基板処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
基板プロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。この後処理工程では、まず、ステップS115(レジスト形成ステップ)において、基板に感光性材料を塗布する。引き続き、ステップS116(露光ステップ)において、上で説明したリソグラフィシステム(露光装置11)によってマスクの回路パターンを基板に転写する。次に、ステップS117(現像ステップ)において、ステップS116にて露光された基板を現像して、基板の表面に回路パターンからなるマスク層を形成する。さらに続いて、ステップS118(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップS119(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となった感光性材料を取り除く。すなわち、ステップS118及びステップS119において、マスク層を介して基板の表面を加工する。これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、基板上に多重に回路パターンが形成される。
第1の実施形態における露光装置を示す概略構成図。 第1の実施形態における温度調整装置を模式的に示す側断面図。 第1の実施形態における温度調整装置を模式的に示す平断面図。 第2の実施形態における温度調整装置を模式的に示す側断面図。 第3の実施形態における温度調整装置を模式的に示す側断面図。 デバイスの製造例のフローチャート。 半導体デバイスの場合の基板処理に関する詳細なフローチャート。
符号の説明
11…露光装置、13…露光光源、14…照明光学系、16…投影光学系、18…制御装置、19,24…鏡筒、24a…内壁、20〜22,25〜30…光学素子としてのミラー、35,35A,35B…温度調整装置、36…光学素子用支持部材としてのミラー用支持部材、38…温度検出部としての温度センサ、39…遮蔽部としての遮蔽カバー、40…支持部としてのカバー用支持部材、41…支持部、遮蔽部用断熱部材としてのカバー用断熱材、42…第1開口部、43…回避部としての貫通孔、46…輻射部としての輻射温調板、47…輻射部用断熱部材としての温調板用断熱材、50…輻射部用温度調整機構としての第1温度調整機構、51…輻射部用ペルチェ素子としての第1ペルチェ素子、52…輻射部用熱交換部としての第1熱交換部、53…輻射部用流路としての第1流路、55…遮蔽部用温度調整機構としての第2温度調整機構、56…遮蔽部用ペルチェ素子としての第2ペルチェ素子、57…遮蔽部用熱交換部としての第2熱交換部、58…遮蔽部用流路としての第2流路、60…遮蔽部、61…遮蔽部としての第1遮蔽部材、62…遮蔽部としての第2遮蔽部材、63…回避部としての溝、EL…露光光、R…マスクとしてのレチクル、W…基板としてのウエハ。

Claims (13)

  1. 鏡筒内に収容された反射型の光学素子の温度を調整するための温度調整装置であって、
    前記光学素子からの輻射熱を受ける輻射部と、
    該輻射部の温度を調整するための輻射部用温度調整機構と、
    前記光学素子及び前記輻射部のうち少なくとも一方から前記鏡筒の内壁への熱の輻射を遮る遮蔽部と、
    該遮蔽部を前記鏡筒の内壁に支持するための支持部と
    を備えた温度調整装置。
  2. 前記支持部は、前記遮蔽部と前記鏡筒との間での熱伝導を抑制するための遮蔽部用断熱部材を有する請求項1に記載の温度調整装置。
  3. 前記遮蔽部の温度を調整するための遮蔽部用温度調整機構をさらに備えた請求項1又は請求項2に記載の温度調整装置。
  4. 前記輻射部を前記遮蔽部に支持すると共に、前記輻射部と前記遮蔽部との間での熱伝導を抑制するための輻射部用断熱部材をさらに備えた請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の温度調整装置。
  5. 前記輻射部用断熱部材は、前記支持部による前記遮蔽部の支持部位から離間した位置に配置されている請求項4に記載の温度調整装置。
  6. 前記輻射部用温度調整機構は、前記輻射部と熱交換する輻射部用ペルチェ素子と、該輻射部用ペルチェ素子と熱交換を行う輻射部用熱交換部と、該輻射部用熱交換部に設けられ、流体が流動可能な輻射部用流路とを有し、
    前記遮蔽部用温度調整機構は、前記遮蔽部と熱交換する遮蔽部用ペルチェ素子と、該遮蔽部用ペルチェ素子と熱交換を行う遮蔽部用熱交換部と、該遮蔽部用熱交換部に設けられ、流体が流動可能な遮蔽部用流路とを有する請求項3に記載の温度調整装置。
  7. 前記遮蔽部用流路内には、前記輻射部用流路内を流動した流体が流入する請求項6に記載の温度調整装置。
  8. 前記鏡筒の温度に対応した検出信号を出力する温度検出部と、
    該温度検出部から出力された検出信号に応じて遮蔽部用温度調整機構の駆動を制御する制御装置と
    をさらに備えた請求項3、請求項6及び請求項7のうち何れか一項に記載の温度調整装置。
  9. 前記遮蔽部は、前記光学素子及び前記輻射部を覆う遮蔽カバーを有し、該遮蔽カバーは、前記光学素子に入射する光及び該光学素子に反射された光が通過する開口部を有する請求項1〜請求項8のうち何れか一項に記載の温度調整装置。
  10. 前記光学素子を前記鏡筒の内壁に支持するための光学素子用支持部材をさらに備え、
    前記遮蔽部には、該遮蔽部と前記光学素子用支持部材との接触を回避するための回避部が形成されている請求項1〜請求項9のうち何れか一項に記載の温度調整装置。
  11. 光源から射出された光を感光性材料が塗布された基板に導く光学系であって、
    反射型の光学素子と、
    該光学素子を内部に収容する鏡筒と、
    請求項1〜請求項10のうち何れか一項に記載の温度調整装置と
    を備えた光学系。
  12. 光源から射出された光を所定のパターンが形成されたマスクへ導く照明光学系と、
    前記マスクを介した光を感光性材料が塗布された基板に照射する投影光学系とを備え、
    前記照明光学系及び前記投影光学系のうち少なくとも一方は、請求項11に記載の光学系で構成されている露光装置。
  13. リソグラフィ工程を含むデバイスの製造方法において、
    前記リソグラフィ工程は、請求項12に記載の露光装置を用いることを特徴とするデバイスの製造方法。
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