JP5607703B2 - エレベータ及びダブルデッキ型エレベータ - Google Patents

エレベータ及びダブルデッキ型エレベータ Download PDF

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Description

本発明は、エレベータ及びダブルデッキ型エレベータに関し、とりわけ、乗りかごを昇降させる機構を改良させたエレベータ及びダブルデッキ型エレベータに関する。
従来のエレベータの構成の一例として、例えば特許文献1に記載されたエレベータについて、図10を参照して説明する。図10は、特許文献1に記載されたエレベータの構成を示す概略正面図である。図10に示すエレベータは、昇降路502内に昇降自在に配置された乗りかご503と、乗りかご503を昇降工程519の範囲内で昇降させるためのロープ510と、乗りかご503にロープ510を介して接続されると共に乗りかご503に連動して昇降路502内を昇降する吊り合いおもり505とを備えている。このうち、ロープ510は、吊り合いおもり505と乗りかご503との間で巻上機シーブ504に巻付けられている。更に、ロープ510は、一端において、乗りかご503を案内するガイドレール506の上部に固定されたかご側ロープヒッチ507に接続され、他端において、吊り合いおもり505を案内するおもり側ガイドレール508の上部に固定されたおもり側ロープヒッチ509に接続されている。
巻上機シーブ504が一方に回転駆動されてロープ510が巻上げられると、乗りかご503が上昇し、巻上機シーブ504が他方に回転駆動されてロープ510が巻下げられると、乗りかご503が下降する。
特開2009−12865号公報
従来のエレベータでは、乗りかご503の昇降工程519の範囲の大きさに依らず、乗りかご503を昇降させるための機構として、巻上機シーブ504と吊り合いおもり505とおもり側ガイドレール508とを用いる構成が採用されていた。この場合、とりわけ乗りかご503の昇降工程519の範囲が狭いエレベータにおいて、乗りかご503が最も下方にある位置から最も上方にある位置まで昇降しても、巻上機シーブ504が数回転しか駆動しない場合もある。それにも関わらず、乗りかご503を昇降させるために、大きな巻上機シーブ504、重たい吊り合いおもり505及び巨大なおもり側ガイドレール508を利用しなければならず、これら大きな構成部品の据付に多大な労力を要したり昇降路502内に広いスペースを確保しなければならない、という問題があった。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、乗りかごを昇降させるための機構を簡易にすることにより、据付を容易に行うことができ、且つ、昇降路内に広いスペースを必要としないエレベータ及びダブルデッキ型エレベータを提供することを目的とする。
本発明によるエレベータは、昇降路内に昇降自在に配置された乗りかごと、前記乗りかごの下方部に設けられた一対のかご固定シーブと、前記昇降路に固定された一対の上端を有し、前記一対のかご固定シーブに掛け渡されたロープと、前記乗りかごに支持され、前記ロープが各々の外周に巻付けられると共に少なくとも一方が移動可能な一対の可動シーブと、前記一対の可動シーブを離接方向に駆動させるシーブ駆動部とを備え、前記シーブ駆動部により前記一対の可動シーブが離接することにより、前記乗りかごが前記ロープにより昇降されることを特徴とする。
本発明によるエレベータにおいて、前記一対の可動シーブは、乗りかごの下方部に支持され、前記一対のかご固定シーブ間に配置されていてもよい。
あるいは、本発明によるエレベータは、昇降路内に昇降自在に配置された乗りかごと、前記昇降路に固定された一対の上端を有するロープと、前記乗りかごの上方部において支持され、前記ロープが各々の外周に巻付けられると共に少なくとも一方が移動可能な一対の可動シーブと、前記一対の可動シーブを離接方向に駆動させるシーブ駆動部とを備え、前記シーブ駆動部により前記一対の可動シーブが離接することにより、前記乗りかごが前記ロープにより昇降されることを特徴とする。
一例として、本発明によるエレベータにおいて、前記シーブ駆動部は、各可動シーブに連結され、前記一対の可動シーブを離接方向に駆動させるボールネジを含んでもよい。
あるいは、本発明によるエレベータにおいて、前記シーブ駆動部は、各可動シーブに連結され、前記一対の可動シーブを離接方向に駆動させるパンタグラフジャッキを含んでもよい。
あるいは、本発明によるエレベータにおいて、前記シーブ駆動部は、各可動シーブに連結され、前記一対の可動シーブを離接方向に駆動させる油圧ジャッキを含んでもよい。
一方、本発明によるダブルデッキ型エレベータは、昇降路内に昇降自在に配置されたかごフレームと、前記かごフレーム内に上下方向に昇降自在に配置された第1乗りかごと、前記かごフレーム内において前記第1乗りかごの上方または下方に配置された第2乗りかごと、前記第1乗りかごの下方部に設けられた一対の第1かご固定シーブと、前記かごフレームに固定された一対の上端を有し、前記一対の第1かご固定シーブに掛け渡された第1ロープと、前記第1乗りかごに支持され、前記第1ロープが巻付けられると共に少なくとも一方が移動可能な一対の第1可動シーブと、前記一対の第1可動シーブを離接方向に駆動させる第1シーブ駆動部とを備え、前記第1シーブ駆動部により前記一対の第1可動シーブが離接することにより前記第1乗りかごが前記第1ロープにより昇降されることを特徴とする。
あるいは、本発明によるダブルデッキ型エレベータは、昇降路内に昇降自在に配置されたかごフレームと、前記かごフレーム内に上下方向に昇降自在に配置された第1乗りかごと、前記かごフレーム内において前記第1乗りかごの上方または下方に配置された第2乗りかごと、前記かごフレームに固定された一対の上端を有する第1ロープと、前記第1乗りかごの上方部に支持され、前記第1ロープが巻付けられると共に少なくとも一方が移動可能な一対の第1可動シーブと、前記一対の第1可動シーブを離接方向に駆動させる第1シーブ駆動部とを備え、前記第1シーブ駆動部により前記一対の第1可動シーブが離接することにより前記第1乗りかごが前記第1ロープにより昇降されることを特徴とする。
本発明によるダブルデッキ型エレベータにおいて、前記第2乗りかごは、前記第1乗りかごの下方に昇降自在に配置されており、前記第2乗りかごの下方部に設けられた一対の第2かご固定シーブと、前記かごフレームに固定された一対の上端を有し、前記一対の第2かご固定シーブに掛け渡された第2ロープと、前記第2乗りかごに支持され、前記第2ロープが巻付けられると共に少なくとも一方が移動可能な一対の第2可動シーブと、前記一対の第2可動シーブを離接方向に駆動させる第2シーブ駆動部とを更に備え、前記第2シーブ駆動部により前記一対の第2可動シーブが離接することにより前記第2乗りかごが前記第2ロープにより昇降されてもよい。
本発明によるエレベータによれば、ロープが巻付けられた一対の可動シーブがシーブ駆動部によって離接されることにより、ロープが巻上げ乃至巻下げられて乗りかごを昇降させることができる。このため、昇降路内に大きな巻上機シーブ、重たい吊り合いおもり及び巨大なおもり側ガイドレールを設ける必要がなく、乗りかごを昇降させるための機構を簡易にすることができる。この結果、乗りかごを昇降させるための機構を構成する構成部品の据付を容易に行うことができ、且つ、当該構成部品を昇降路内に省スペースで設置することができる。
また、本発明によるダブルデッキ型エレベータによれば、第1ロープが巻付けられた一対の第1可動シーブを、第1シーブ駆動部によって離接させることにより、第1ロープを巻上げ乃至巻下げて第1乗りかごをかごフレーム内で昇降させることができる。これにより、上下方向で乗り場間の高さが異なる場合であっても、第1乗りかごをかごフレーム内で昇降させることによって、第1乗りかご及び第2乗りかごを対応する乗り場に対してそれぞれ位置合せすることができる。このような形態によれば、乗りかごをかごフレーム内で昇降させるための機構を簡易にすることができ、当該機構を構成する構成部品の据付を容易に行うことができる。
本発明の第1の実施の形態によるエレベータの構成を示す概略正面図である。 図1Aのエレベータにおいて、乗りかごが下降した状態を示す概略正面図である。 図1Aのエレベータにおける可動シーブ及びシーブ駆動部を拡大して示す概略斜視図である。なお、ロープを省略して図示している。 本発明の第2の実施の形態によるエレベータの構成を示す概略正面図である。 図1のエレベータの可動シーブの他の例を示す概略正面図である。なお、ロープを省略して図示している。 図1のエレベータの可動シーブの更に他の例を示す概略正面図である。 図1Aに示すエレベータにおけるシーブ駆動部の他の例を示す概略平面図である。 図1Aに示すエレベータにおけるシーブ駆動部の更に他の例を示す概略正面図である。 図7Aに示すエレベータにおいて、乗りかごが下降した状態を示す概略正面図である。 本発明の第3の実施の形態によるダブルデッキ型エレベータの構成を示す概略正面図である。 本発明の第4の実施の形態によるダブルデッキ型エレベータの構成を示す概略正面図である。 特許文献1に記載されたエレベータの構成を示す概略正面図である。
≪第1の実施の形態≫
≪構成≫
以下、図面を参照して、本発明の一実施の形態について説明する。図1Aは、本発明の第1の実施の形態によるエレベータ1の構成を示す概略正面図である。図1Bは、図1Aのエレベータ1において、乗りかご3が下降した状態を示す概略正面図である。図2は、図1Aのエレベータ1における可動シーブ20及びシーブ駆動部30を拡大して示す概略斜視図である。
図1A及び図1Bに示すように、本実施の形態のエレベータ1は、昇降路2内に昇降自在に配置された乗りかご3と、昇降路2に固定された一対の上端11を有するロープ10と、乗りかご3の下方部に設けられ、ロープ10が掛け渡された一対のかご固定シーブ40と、乗りかご3の下方部に設けられた支持機構50と、当該支持機構50により乗りかご3に可動に支持され、ロープ10が巻付けられた一対の可動シーブ20とを備えている。また、一対の可動シーブ20間にシーブ駆動部30が設けられ、このシーブ駆動部30は各可動シーブ20に連結されている。そして、シーブ駆動部30によって、一対の可動シーブ20が離接方向に駆動されるようになっている。なお、一対の可動シーブ20は、一対のかご固定シーブ40の間に位置している。
また、図1A及び図1Bに示すように、一対のロープヒッチ7が昇降路2の上方に固定されており、各ロープヒッチ7に、対応するロープ10の上端11が接続されている。また、ロープ10は、各ロープヒッチ7から下方に延び乗りかご3の側方を通ってかご固定シーブ40まで案内され、更に、ロープ10は、一対のかご固定シーブ40間まで延びている。上述のように、一対のかご固定シーブ40間において、ロープ10は、各可動シーブ20の外周に巻付けられている。このようなロープ10は、一つまたは複数の鋼線からなり、これらの鋼線が互いに平行に延びて、一束のロープ10が構成される。
次に、離接方向に駆動される一対の可動シーブ20について説明する。一対の可動シーブ20は、支持機構50を介して乗りかご3の下方部に支持されると共に水平方向に並んで配置され、一対の可動シーブ20のうち少なくとも一方が移動可能になっている。本実施の形態では、一対の可動シーブ20は、双方とも水平方向に移動可能になっており、具体的には、互いに接近する方向または互いに離間する方向(離接方向)に移動可能になっている。また、各可動シーブ20は、上述のように乗りかご3の下方部において支持機構50により可動に支持されている。
図2に示すように、各可動シーブ20は、ロープ10が巻付けられたシーブ部22と、当該シーブ部22を回動自在に支持する軸21とを含んでいる。このうち、軸21は、シーブ駆動部30に連結され、当該シーブ駆動部30によって、一対の可動シーブ20の軸21が離接方向に駆動されるようになっている。
次に、可動シーブ20を可動に支持する支持機構50について説明する。図1A、図1B及び図2に示すように、支持機構50は、乗りかご3の底面に固定され、この乗りかご3の底面から鉛直下方に延びる一対のガイド板51を含んでいる。この一対のガイド板51は、一対の可動シーブ20及びシーブ駆動部30がそれらの間に位置するように、互いに対向して配置されている。各ガイド板51には、水平方向にガイド溝52が形成されており、当該ガイド溝52を各可動シーブ20の軸21が貫通している。このような形態により、可動シーブ20の軸21を支持機構50によって安定して支持することができる。加えて、可動シーブ20を離接方向に安定して移動させることもできる。
また、シーブ駆動部30は、スクリュージャッキあるいはボールネジジャッキとも呼ばれる形態を有し、支持機構50の一対のガイド板51間に配置されている。シーブ駆動部30は、図2に示すように、対応する可動シーブ20の軸21に連結された一対の可動部32を含み、各可動部32には、対応する可動シーブ20の軸21に直交し且つ水平方向に延びる貫通孔36が形成されている。各可動部32の貫通孔36を貫通してボールネジ31が設けられ、ボールネジ31には電動モータ33が連結され、この電動モータ33によりボールネジ31が回転駆動される。また、シーブ駆動部30のボールネジ31には、電動モータ33が連結された一方側から中間部にかけて雄ネジからなる第1ねじ部34が形成され、ボールネジ31の軸方向の中間部から電動モータ33とは反対側の他方側にかけて、第1ねじ部34に対して逆ネジの関係となる雄ネジからなる第2ねじ部35が形成されている。そして、一方の可動部32は第1ねじ部34に螺合しており、他方の可動部32は第2ねじ部35に螺合している。このような形態によって、電動モータ33によりボールネジ31が回転駆動されると、ボールネジ31に螺合された一対の可動部32及びこれに接続された可動シーブ20が離接方向に移動されるようになっている。
次に、かご固定シーブ40について説明する。かご固定シーブ40は、乗りかご3とロープ10とが干渉しないように、ロープ10を乗りかご3の周りに案内するものである。
図1Aに示すように、一対のかご固定シーブ40は、一対の可動シーブ20がそれらの間に位置するように水平方向に並んで配置されている。具体的な構成として、各かご固定シーブ40は、ロープ10が掛け渡されたシーブ部42と、当該シーブ部42に連結された軸41と、を有し、当該軸41は、乗りかご3の底面に固定された一対の支持板43により回動自在に支持されている。
このような配置からなる可動シーブ20及びかご固定シーブ40に対してロープ10が掛け渡されている。具体的には、ボールネジ31の軸方向において、モータ33が接続された側を一方側とし、ボールネジ31の先端側を他方側とすると、ロープ10は、一方側のかご固定シーブ40から他方側の可動シーブ20及び一方側の可動シーブ20に順に巻付けられ、その後他方側のかご固定シーブ40に掛け渡されている。
なお、本実施の形態では、各可動シーブ20のシーブ部22に、周方向に延びる複数の溝(不図示)が軸21の延在方向に並べて形成されている。そして、各可動シーブ20においてこの複数の溝のうちからいくつかを選択して、この選択された溝にロープ10が巻付けられる。このとき、電動モータ33側の一方側の可動シーブ20の溝と電動モータ33と反対側の他方側の可動シーブ20の溝とは、軸21の方向にずれるように選択される。このことにより、ロープ10が軸21の方向にずらされながら各可動シーブ20に巻付けられることになり、一対の可動シーブ20間においてロープ10を干渉することなく一対の可動シーブ20に巻付けることができる。
ここで、一対の可動シーブ20及び一対のかご固定シーブ40の位置関係について、更に詳述していく。先ず、一対の可動シーブ20の軸21及び一対のかご固定シーブ40の軸41は、同一水平面上に並んで配置されることが好ましい。このような位置関係によれば、ロープ10をバランスよく掛け渡すことができるため、ロープ10に過大な負荷が掛かることを効果的に抑制することができる。この結果、乗りかご3を安定して昇降させることができる。
加えて、図1Aに示すように、かご固定シーブ40のシーブ部42の外径は、可動シーブ20のシーブ部22の外径よりも大きい方が好ましい。この場合、かご固定シーブ40の下端が、可動シーブ20の下端よりも下方に位置することになる。ここで、かご固定シーブ40は、可動シーブ20よりも乗りかご3の底面の周縁側に配置されている。このため、かご固定シーブ40は、可動シーブ20よりも外方から目視にて視認され易くなる。このことにより、乗りかご3を昇降路2内に設置する際に、外方から目視にて容易に視認可能なかご固定シーブ40のうち、その下端を基準として、乗りかご3の鉛直方向における昇降路2内の壁面、あるいは他の障害物等との干渉を点検することができる。このため、乗りかご3を昇降路2内に設置する作業が容易になる。
とりわけ、エレベータ1では、なんらかの不具合によって乗りかご3が昇降工程19の範囲を越えて昇降し、昇降路2の下部にある壁面等と接触することを防止するため、乗りかご3の下方の昇降路2内に緩衝器(不図示)が設置されている。この緩衝器と乗りかご3の最下端部との間には、規定のクリアランスを維持する必要がある。他方、ロープ10は、負荷が掛かると伸びが発生し、更に時間の経過と共にこの伸び量は増大していく。このため、エレベータ1では、緩衝器と乗りかご3の最下端部との間のクリアランスを定期的に点検する必要がある。本実施の形態では、緩衝器と乗りかご3の最下端部として、外方から目視可能なかご固定シーブ40の下端を基準として定めることができ、この場合は、緩衝器とかご固定シーブ40の下端とのクリアランスを点検すればよいため、この点検作業を容易に行うことができる。
また、一対の可動シーブ20は、乗りかご3の中心部を通り、乗りかご3の底面及び可動シーブ20の離接方向に垂直な面に関して対称に配置されており、一対のかご固定シーブ40も、乗りかご3の中心部を通り、乗りかご3の底面及び可動シーブ20の離接方向に垂直な面に関して対称に配置されている。このように可動シーブ20及びかご固定シーブ40を配置することにより、ロープ10から一対の可動シーブ20及び一対のかご固定シーブ40に加わる水平方向の力を互いに打ち消すことができ、このため、乗りかご3をバランスよく昇降させることができる。
≪作用・効果≫
次に、以上のような構成からなる本実施の形態の作用について、図1A及び図1Bを参照しながら説明する。
乗りかご3を上昇させる際には、図1Aに示すように、電動モータ33によりボールネジ31が一方に回転駆動され、ボールネジ31に螺合された一対の可動部32が互いに離間する方向に移動される。これに応じて、対応する可動部32に接続された一対の可動シーブ20も、互いに離間する方向に移動され、ロープ10が巻上げられる。この結果、乗りかご3が上昇する。
乗りかご3を下降させる際には、図1Bに示すように、電動モータ33によりボールネジ31が他方に回転駆動され、ボールネジ31に螺合された一対の可動部32が互いに接近する方向に移動される。これに応じて、対応する可動部32に接続された一対の可動シーブ20も、互いに接近する方向に移動され、ロープ10が巻下げられる。この結果、乗りかご3が下降する。
以上のように、本実施の形態によれば、ロープ10が巻付けられた一対の可動シーブ20を、シーブ駆動部30によって離接させることにより、ロープ10を巻上げ乃至巻下げて乗りかご3を昇降させることができる。このため、昇降路2内に大きな巻上機シーブ、重たい吊り合いおもり及び巨大なおもり側ガイドレールを設ける必要がなく、乗りかご3を昇降させるための機構を簡易にすることができる。この結果、乗りかご3を昇降させるための機構を構成する構成部品の据付を容易に行うことができ、且つ、当該構成部品を昇降路2内に省スペースで設置することができる。
また、本実施の形態によれば、可動シーブ20が、乗りかご3の下方部において支持機構50により可動に支持されている。一般に、エレベータでは乗りかご3の底面は強度を確保するために厚く形成されている上に、乗りかご3内にいる利用者の耳は上方に位置するため、利用者に乗りかご3の下方からの音は伝わり難い。このため、可動シーブ20に連結されたシーブ駆動部30から生じる動作音を乗りかご3内にいる利用者に伝わり難くすることができる。
また、本実施の形態によれば、一対の可動シーブ20の軸21及び一対のかご固定シーブ40の軸41は、水平方向に並んで配置されており、かご固定シーブ40の外径は、可動シーブ20の外径よりも大きくなっている。この場合、ロープ10に加わる乗りかご3の自重をかご固定シーブ40によって受けることができるため、可動シーブ20に乗りかご3の自重による過大な負荷が掛からない。このため、可動シーブ20を比較的容易に離接させることができ、可動シーブ20及びシーブ駆動部30を比較的軽量に構成することができる。
また、本実施の形態によれば、シーブ駆動部30は、各可動シーブ20に可動部32を介して連結され一対の可動シーブ20を離接方向に駆動させるボールネジ31を含んでいる。このため、シーブ駆動部30をコンパクトに構成しながら一対の可動シーブ20を離接方向に長いストロークで駆動させることができる。
≪第2の実施の形態≫
次に、図3を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。図3は、本発明の第2の実施の形態によるエレベータの構成を示す概略正面図である。図1Aに示す第1の実施の形態では、可動シーブ20が乗りかご3の下方部において支持機構50により可動に支持された例を示したが、図3に示す例では、乗りかご3の上方部、具体的には乗りかご3の上面に、可動シーブ20が支持機構50により可動に支持されている。また、図3において、かご固定シーブ40が乗りかご3に設けられていない。その他の構成は、図1Aに示す第1の実施の形態と略同様である。図3において、図1に示す第1の実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図3に示すエレベータ1は、昇降路2内に昇降自在に配置された乗りかご3と、昇降路2に固定された一対の上端11を有するロープ10と、乗りかご3の上方部に設けられた支持機構50と、当該支持機構50により乗りかご3に可動に支持され、ロープ10が巻付けられた一対の可動シーブ20とを備えている。また、一対の可動シーブ20間にシーブ駆動部30が設けられ、このシーブ駆動部30は各可動シーブ20に連結されている。そして、当該シーブ駆動部30によって、一対の可動シーブ20が離接方向に駆動されるようになっている。
以上のように、本実施の形態によれば、ロープ10が巻付けられた一対の可動シーブ20を、シーブ駆動部30によって離接させることにより、ロープ10を巻上げ乃至巻下げて乗りかご3を昇降させることができる。このため、昇降路2内に大きな巻上機シーブ、重たい吊り合いおもり及び巨大なおもり側ガイドレールを設ける必要がなく、乗りかご3を昇降させるための機構を簡易にすることができる。この結果、乗りかご3を昇降させるための機構を構成する構成部品の据付を容易に行うことができ、且つ、当該構成部品を昇降路2内に省スペースで設置することができる。
また、本実施の形態によれば、可動シーブ20及びシーブ駆動部30を点検する際に、作業者が乗りかご3の上から下方を向いて作業を行うことができるため、当該作業を安全且つ効率よく行うことができる。
また、本実施の形態によれば、乗りかご3の上方部に可動シーブ20を設置したので、ロープヒッチ7と可動シーブ20との間をロープ10により直接接続することができる。このため、ロープ10が通る位置を規制するかご固定シーブ40を設けなくてもよい。これにより、乗りかご3を昇降させるための機構を更に簡易にすることができる。なお、図3において、ロープ10に加わる乗りかご3の自重は、可動シーブ20により受けることになる。
また、本実施の形態によれば、ロープ10は、乗りかご3の上方を通り、乗りかご3の側方を通らない。このため、乗りかご3とロープ10とが干渉するおそれはない。このように、乗りかご3の側面と昇降路2との間にロープ10が通る隙間を設ける必要がないため、昇降路2の幅方向のスペースを狭くすることができる。
≪変形例≫
なお、上述した第1の実施の形態及び第2の実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、図4〜図7A及び図7Bを参照しながら、変形の一例について説明する。また、図4〜図7A及び図7Bに示す変形例では、これらの変形例を第1の実施の形態に適用した例を用いて説明するが、図4〜図7A及び図7Bに示す変形例を第2の実施の形態に適用することも可能である。
上述した実施の形態では、図1Aに示すように、ロープ10が可動シーブ20にいわゆるシングルループ構造で巻付けられる例を示したが、本発明はこのような例に限定されない。図4に、ロープ10を可動シーブ120に巻付ける他の例を示す。図4に示す例では、ロープ10が可動シーブ120にいわゆるダブルループ構造で巻付けられている。
具体的には、一対の可動シーブ120は、ボールネジ31の軸方向に並んで配置されている。各可動シーブ120は、互いに対向配置されロープ10が巻付けられた第1シーブ122a及び第2シーブ122bと、当該第1シーブ122a及び第2シーブ122bを回動自在に支持する軸121とを含んでいる。このうち、軸121は、シーブ駆動部30の可動部32に連結され、当該シーブ駆動部30によって、一対の可動シーブ120の軸121が離接方向に駆動されるようになっている。
このような配置からなる可動シーブ120及びかご固定シーブ40に対してロープ10が掛け渡されている。具体的には、ボールネジ31の軸方向において、モータ33が接続された側を一方側とし、ボールネジ31の先端側を他方側とすると、ロープ10は、一方側のかご固定シーブ40から他方側の第1シーブ122a、一方側の第2シーブ122b、他方側の第2シーブ122b及び一方側の第1シーブ122aに順に巻付けられ、他方側のかご固定シーブ40に向かう。
このような形態によって、電動モータ33によりボールネジ31が回転駆動されると、ボールネジ31に螺合された一対の可動部32及びこれに接続された可動シーブ20が離接方向に移動されるようになっている。このような形態によれば、一対の可動シーブ120が離接方向に移動される移動量に対して、各可動シーブ120に巻付けられたロープ10の巻上げ乃至巻下げ量は2倍になっている。このため、一対の可動シーブ120の離接方向のストロークを大きくしなくても、ロープ10の巻上げ乃至巻下げ量を増大させることができる。
更に、図5に、ロープ10を可動シーブ220に巻付ける更に他の例を示す。図5に示す例では、ロープ10が可動シーブ220にいわゆるトリプルループ構造で巻付けられている。
具体的には、一対の可動シーブ220は、ボールネジ31の軸方向に並んで配置されている。各可動シーブ220は、各々同一構造をもち、上下方向に並べて配置されロープ10が巻付けられた第1シーブ222a及び第2シーブ222bと、第1シーブ222aを回動自在に支持する第1軸221aと、第2シーブ222bを回動自在に支持する第2軸221bとを含んでいる。各第1軸221a及び第2軸221bは、シーブ駆動部30の対応する可動部32に連結され、当該シーブ駆動部30によって、一対の可動シーブ220の第1軸221a及び第2軸221bが離接方向に駆動されるようになっている。
図5に示すように、一対の可動シーブ220は、支持機構250によって可動に支持されている。この支持機構250は、乗りかご3の底面に固定され、この乗りかご3の底面から鉛直下方に延びる一対のガイド板251を含んでいる。この一対のガイド板251は、一対の可動シーブ220及びシーブ駆動部30が間に位置するように、互いに対向して配置されている。各ガイド板251には、ボールネジ31の軸方向に第1ガイド溝252及び第2ガイド溝253が形成されており、第1ガイド溝252を各可動シーブ20の第1軸221aが貫通し、第2ガイド溝253を各可動シーブ220の第2軸221bが貫通している。このような構造により、可動シーブ220の第1軸221a及び第2軸221bを支持機構50によって安定して支持することができる。加えて、可動シーブ220を離接方向に安定して移動させることもできる。
図5に示すように、可動シーブ220及びかご固定シーブ40に対してロープ10が掛け渡されている。具体的には、ボールネジ31の軸方向において、モータ33が接続された側を一方側とし、ボールネジ31の先端側を他方側とすると、ロープ10は、一方側のかご固定シーブ40から他方側の第1シーブ222a、一方側の第1シーブ222aに順に巻付けられ、次に他方側の第1シーブ222aに再度巻付けられる。次に、ロープ10は、一方側の第2シーブ222b、他方側の第2シーブ222bに順に巻付けられ、次に一方側の第2シーブ222bに再度巻付けられる。そして、ロープ10は、他方側のかご固定シーブ40に向かう。
なお、本形態では、各可動シーブ220の第1シーブ部222a及び第2シーブ部222bに、周方向に延びる複数の溝(不図示)が軸221a、221bの延在方向に並べて形成されている。そして、各可動シーブ220においてこの複数の溝のうちからいくつかを選択して、この選択された溝にロープ10が巻付けられる。このとき、ロープ10が二回巻付けられるシーブ222a、222bの溝は、軸21の延在方向にズレるように選択される。このことにより、ロープ10が軸21の延在方向にずらされながら各シーブ部222a、222bに巻付けられることになり、当該シーブ部222a、222bにおいてロープ10を干渉することなく一対の可動シーブに巻付けることができる。
このような形態によって、電動モータ33によりボールネジ31が回転駆動されると、ボールネジ31に螺合された一対の可動部32及びこれに接続された可動シーブ20が離接方向に移動されるようになっている。このような形態によれば、一対の可動シーブ220が離接方向に移動される移動量に対して、各可動シーブ220に巻付けられたロープ10の巻上げ乃至巻下げ量は3倍になっている。このため、一対の可動シーブ220の離接方向のストロークを大きくしなくても、ロープ10の巻上げ乃至巻下げ量を著しく増大させることができる。
以上の実施の形態では、図1Aに示すように、シーブ駆動部30が、各可動シーブ20に連結され、一対の可動シーブ20を離接方向に駆動させるボールネジ31を含む例を示したが、本発明はこのような例に限定されない。図6に、シーブ駆動部30の他の例を示す。図6に示す例では、シーブ駆動部130は、各可動シーブ20に連結され、一対の可動シーブ20を離接方向に駆動させるパンタグラフジャッキ131を含んでいる。
図6に示すように、シーブ駆動部130は、具体的な構成として、可動シーブ20の軸21を支持する一対の取付台138と、当該一対の取付台138間に介在され、当該一対の取付台138を離接方向に駆動させるパンタグラフジャッキ131と、当該パンタグラフジャッキ131を回転駆動させる電動モータ139とを含んでいる。
このうち、パンタグラフジャッキ131は、具体的には、各取付台138に枢着された一対のアーム132を含んでいる。各アーム132は、枢着ピン133a、133bを介してパンタグラフ状に連結された第1リンク部材132a及び第2リンク部材132bを有している。モータ139側にある枢着ピン133aには、第1可動ブロック135が固定されており、モータ139より離れている側にある枢着ピン133bには、第2可動ブロック136が固定されている。そして、この第1可動ブロック135及び第2可動ブロック136にボールネジ134が貫通している。具体的には、ボールネジ134には、電動モータ139が連結された一方側から中間部にかけて雄ネジからなる第1ねじ部134aが形成され、ボールネジ31の軸方向の中間部から電動モータ33とは反対側の他方側にかけて、第1ねじ部134aに対して逆ネジの関係となる雄ネジからなる第2ねじ部134bが形成されている。そして、第2可動ブロック136は第1ねじ部134aに螺合しており、第1可動ブロック135は第2ねじ部134bに螺合している。
このような形態によって、電動モータ139によりボールネジ134が回転駆動されると、ボールネジ134に螺合された第1可動ブロック135及び第2可動ブロック136がボールネジ134の軸方向に互いに離接移動されると共に一対のアーム132が拡縮されて、一対の取付台138が離接されるようになっている。結果として、一対の可動シーブ20が離接方向に駆動される。
このようなシーブ駆動部130によれば、ロープ10から一対の可動シーブ20を互いに接近させる負荷が掛かっても、パンタグラフジャッキ131の一対のアーム132を介してボールネジ134が回転駆動されるようには作用しない。このため、一対の可動シーブ20を離接方向に任意の距離だけ移動させた状態で保持することができる。
更に、図7A及び図7Bに、シーブ駆動部の更に他の例を示す。このうち、図7Aは、図1Aに示すエレベータにおけるシーブ駆動部の更に他の例を示す概略平面図であり、図7Bは、図7Aに示すエレベータ1において、乗りかご3が下降した状態を示す概略正面図である。図7A及び図7Bにおいて、シーブ駆動部230は、各可動シーブ20に連結され、一対の可動シーブ20を離接方向に駆動させる油圧ジャッキ231を含んでいる。
図7A及び図7Bに示す例では、可動シーブ20は、油圧ジャッキ231を介して乗りかご3に可動に支持されている。
図7Aに示すように、油圧ジャッキ231は、具体的な構成として、乗りかご3の下面に固定された本体部233と、当該本体部233に支持されると共に可動シーブ20の軸21に接続された伸縮可能な一対のプランジャー232とを含んでいる。そして、一対のプランジャー232は、ポンプ234からの油圧により離接方向に駆動することができるようになっている。
このような形態によって、ポンプ234により本体部233からプランジャー232に油圧が加えられると、一対のプランジャー232が伸張して、一対の可動シーブ20が互いに離間する方向に駆動される。一方、本体部233内の油圧を下げていくと、ロープ10からの負荷により一対の可動シーブ20が互いに接近する方向に移動されると共に一対のプランジャー232が収縮していく。
≪第3の実施の形態≫
≪構成≫
次に、図8を参照して、本発明の第3の実施の形態について説明する。図8は、本発明の第3の実施の形態によるダブルデッキ型エレベータの構成を示す概略正面図である。
図8に示すように、本実施の形態のダブルデッキ型エレベータ300は、昇降路302内に昇降自在に配置されたかごフレーム301と、かごフレーム301内に上下方向に昇降自在に配置された第1乗りかご303及び第2乗りかご304と、かごフレーム301を昇降させるための主ロープ306と、かごフレーム301に主ロープ306を介して接続されると共にかごフレーム301に連動して昇降路302内を昇降する吊り合いおもり305と、を備えている。このうち、主ロープ306は、吊り合いおもり305とかごフレーム301との間で巻上機シーブ307に巻付けられている。巻上機シーブ307が一方に回転駆動されて主ロープ306が巻上げられると、かごフレーム301が上昇し、巻上機シーブ307が他方に回転駆動されて主ロープ306が巻下げられると、かごフレーム301が下降する。
次に、かごフレーム301内に設けられた第1乗りかご303を昇降させるための機構について詳述する。ダブルデッキ型エレベータ300は、かごフレーム301に固定された一対の上端311を有する第1ロープ310と、第1乗りかご303の下方部に設けられ、第1ロープ310が掛け渡された一対の第1かご固定シーブ340と、第1乗りかご303の下方部に設けられた第1支持機構350と、当該第1支持機構350により第1乗りかご303に可動に支持された一対の第1可動シーブ320とを更に備えている。このうち、一対の第1可動シーブ320は、第1ロープ310が外周に巻付けられると共に少なくとも一方が移動可能になっている。また、一対の第1可動シーブ320間に第1シーブ駆動部330が設けられ、この第1シーブ駆動部330は各第1可動シーブ320に連結されている。そして、第1シーブ駆動部330によって、一対の第1可動シーブ320が離接方向に駆動されるようになっている。なお、一対の第1可動シーブ320は、一対の第1かご固定シーブ340の間に位置している。
また、一対の第1ロープヒッチ308がかごフレーム301の上方に固定されており、各第1ロープヒッチ308に、対応する第1ロープ310の上端311が接続されている。
図8に示す第1ロープ310、第1可動シーブ320、第1シーブ駆動部330、第1かご固定シーブ340及び第1支持機構350は、それぞれ、図1Aに示したロープ10、可動シーブ20、シーブ駆動部30、かご固定シーブ40及び支持機構50に対応しており、ここではこれ以上詳細な説明を省略する。
次に、第1乗りかご303の下方に設けられた第2乗りかご304を昇降させるための機構について詳述する。ダブルデッキ型エレベータ300は、かごフレーム301に固定された一対の上端361を有する第2ロープ360と、第1乗りかご303の下方部に設けられ、第2ロープ360が掛け渡された一対の第2かご固定シーブ390と、第2乗りかご304の下方部に設けられた第2支持機構400と、当該第2支持機構400により第2乗りかご304に可動に支持された一対の第2可動シーブ370とを更に備えている。このうち、一対の第2可動シーブ370は、第2ロープ360が巻付けられると共に少なくとも一方が移動可能になっている。また、一対の第2可動シーブ370間に第2シーブ駆動部380が設けられ、この第2シーブ駆動部380は第2可動シーブ370に連結されている。そして、第2シーブ駆動部380によって、一対の第2可動シーブ370が離接方向に駆動されるようになっている。なお、一対の第2可動シーブ370は、一対の第2可動シーブ370の間に位置している。
また、一対の第2ロープヒッチ309がかごフレーム301の鉛直方向における中央付近に固定されており、各第2ロープヒッチ309に、対応する第2ロープ360の上端361が接続されている。
図8に示す第2ロープ360、第2可動シーブ370、第2シーブ駆動部380、第2かご固定シーブ390及び第2支持機構400は、それぞれ、上述した第1ロープ310、第1可動シーブ320、第1シーブ駆動部330、第1かご固定シーブ340及び第1支持機構350に対応しており、ここではこれ以上詳細な説明を省略する。
≪作用・効果≫
次に、以上のような構成からなる本実施の形態の作用について、図8を参照しながら説明する。
第1乗りかご303を昇降させる際には、第1電動モータ333により第1ボールネジ331が回転駆動され、第1ボールネジ331に螺合された一対の第1可動部(不図示)が離接方向に移動される。これに応じて、対応する第1可動部に接続された一対の第1可動シーブ320も、離接方向に移動され、第1ロープ310が巻上げ乃至巻下げられる。この結果、第1乗りかご303が昇降する。
第2乗りかご304を昇降させる際には、第2電動モータ383により第2ボールネジ381が回転駆動され、第2ボールネジ381に螺合された一対の第2可動部(不図示)が離接方向に移動される。これに応じて、対応する第2可動部に接続された一対の第2可動シーブ370も、離接方向に移動され、第2ロープ360が巻上げ乃至巻下げられる。この結果、第2乗りかご304が昇降する。
本実施の形態によれば、第1ロープ310が巻付けられた一対の第1可動シーブ320を、第1シーブ駆動部330によって離接させることにより、第1ロープ310を巻上げ乃至巻下げて第1乗りかご303をかごフレーム301内で昇降させることができる。これにより、上下方向で乗り場間の高さが異なる場合であっても、第1乗りかご303をかごフレーム301内で昇降させることによって、第1乗りかご303及び第2乗りかご304を対応する乗り場に対してそれぞれ位置合せすることができる。このような形態によれば、乗りかごをかごフレーム301内で昇降させるための機構を簡易にすることができ、当該機構を構成する構成部品の据付を容易に行うことができる。
また、本実施の形態によれば、第2ロープ360が巻付けられた一対の第2可動シーブ370を、第2シーブ駆動部380によって離接させることにより、第2ロープ360を巻上げ乃至巻下げて第2乗りかご304をもかごフレーム301内で昇降させることができる。このため、隣り合う乗り場の間の高さが大きく異なる場合であっても、第1乗りかご303及び第2乗りかご304を双方ともかごフレーム301内で昇降させることによって、第1乗りかご303及び第2乗りかご304を対応する乗り場に対してそれぞれ確実に位置合せすることができる。
以上の実施の形態では、図8に示すように、第1乗りかご303及び第2乗りかご304の双方ともが、かごフレーム301内に上下方向に昇降自在に配置された例を示したが、本発明はこのような例に限定されない。第1乗りかご303及び第2乗りかご304のうちの一方が、かごフレーム301内に上下方向に昇降自在に配置され、他方が、かごフレーム301内に固定されてもよい。
≪第4の実施の形態≫
次に、図9を参照して、本発明の第4の実施の形態について説明する。図9は、本発明の第4の実施の形態によるダブルデッキ型エレベータの構成を示す概略正面図である。図8に示す例では、第1可動シーブ320が第1乗りかご303の下方部において第1支持機構350により可動に支持された例を示したが、図9に示す例では、第1可動シーブ320が第1乗りかご303の上方部、具体的には第1乗りかご303の上面において第1支持機構350により可動に支持されている。また、第1かご固定シーブ340は第1乗りかご303に設けられていない。その他の構成は、図8に示す第3の実施の形態と略同様である。図9において、図8に示す第3の実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図9に示すように、ダブルデッキ型エレベータ300は、かごフレーム301に固定された一対の上端311を有する第1ロープ310と、第1乗りかご303の上方部に設けられた第1支持機構350と、当該第1支持機構350により第1乗りかご303に可動に支持された一対の第1可動シーブ320とを備えている。このうち、一対の第1可動シーブ320は、第1ロープ310が外周に巻付けられると共に少なくとも一方が移動可能になっている。また、一対の第1可動シーブ320間に第1シーブ駆動部330が設けられ、この第1シーブ駆動部330は各第1可動シーブ320に連結されている。そして、第1シーブ駆動部330によって、一対の第1可動シーブ320が離接方向に駆動されるようになっている。
本実施の形態によっても、第1ロープ310が巻付けられた一対の第1可動シーブ320を、第1シーブ駆動部330によって離接させることにより、第1ロープ310を巻上げ乃至巻下げて第1乗りかご303をかごフレーム301内で昇降させることができる。このことにより、上下方向で乗り場間の高さが異なる場合であっても、第1乗りかご303をかごフレーム301内で昇降させることによって、第1乗りかご303及び第2乗りかご304を対応する乗り場に対してそれぞれ位置合せすることができる。このような形態によれば、乗りかごをかごフレーム301内で昇降させるための機構を簡易にすることができ、当該機構を構成する構成部品の据付を容易に行うことができる。
なお、本発明の複数の実施の形態およびそれらの変形例を説明してきたが、当然に、複数の実施の形態およびそれらの変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。例えば、図4〜図7A及び図7Bに示す変形例は、図1Aに示す第1の実施の形態、図3に示す第2の実施の形態、図8に示す第3の実施の形態及び図9に示す第4の実施の形態に適用してもよい。
1 エレベータ
2 昇降路
3 乗りかご
7 ロープヒッチ
10 ロープ
11 上端
20 可動シーブ
30 シーブ駆動部
31 ボールネジ
40 かご固定シーブ
50 支持機構
120 可動シーブ
130 シーブ駆動部
131 パンタグラフジャッキ
300 ダブルデッキ型エレベータ
301 かごフレーム
302 昇降路
303 第1乗りかご
304 第2乗りかご
310 第1ロープ
311 上端
320 第1可動シーブ
330 第1シーブ駆動部
340 第1かご固定シーブ
350 第1支持機構
360 第2ロープ
361 上端
370 第2可動シーブ
380 第2シーブ駆動部
390 第2かご固定シーブ
400 第2支持機構
502 昇降路
503 乗りかご
504 巻上機シーブ
505 吊り合いおもり
510 ロープ
511 上端

Claims (7)

  1. 昇降路内に昇降自在に配置された乗りかごと、
    前記乗りかごの下方部に設けられた一対のかご固定シーブと、
    前記昇降路に固定された一対の上端を有し、前記一対のかご固定シーブに掛け渡されたロープと、
    前記乗りかごに支持され、前記ロープが各々の外周に巻付けられると共に少なくとも一方が移動可能な一対の可動シーブと、
    前記一対の可動シーブを離接方向に駆動させるシーブ駆動部とを備え、
    前記シーブ駆動部により前記一対の可動シーブが離接することにより、前記乗りかごが前記ロープにより昇降され
    前記ロープは、一方の前記上端から下方に延び、前記乗りかごの一側で当該乗りかごの側方を通って一方の前記かご固定シーブまで案内されると共に、他方の前記上端から下方に延び、前記乗りかごの一側とは反対側となる他側で前記乗りかごの側方を通って他方の前記かご固定シーブまで案内され、
    前記一対の可動シーブは、前記乗りかごの下方部に支持され、且つ、前記一対のかご固定シーブ間に配置されている、
    ことを特徴とするエレベータ。
  2. 前記一対の可動シーブの軸及び前記一対のかご固定シーブの軸が、水平方向に並んで配置されていることを特徴とする請求項1に記載のエレベータ。
  3. 各かご固定シーブの外径が、各可動シーブの外径よりも大きいことを特徴とする請求項1または2に記載のエレベータ。
  4. 前記シーブ駆動部は、各可動シーブに連結され、前記一対の可動シーブを離接方向に駆動させるボールネジを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のエレベータ。
  5. ダブルデッキ型エレベータにおいて、
    昇降路内に昇降自在に配置されたかごフレームと、
    前記かごフレーム内に上下方向に昇降自在に配置された第1乗りかごと、
    前記かごフレーム内において前記第1乗りかごの上方または下方に配置された第2乗りかごと、
    前記第1乗りかごの下方部に設けられた一対の第1かご固定シーブと、
    前記かごフレームに固定された一対の上端を有し、前記一対の第1かご固定シーブに掛け渡された第1ロープと、
    前記第1乗りかごに支持され、前記第1ロープが巻付けられると共に少なくとも一方が移動可能な一対の第1可動シーブと、
    前記一対の第1可動シーブを離接方向に駆動させる第1シーブ駆動部とを備え、
    前記第1シーブ駆動部により前記一対の第1可動シーブが離接することにより前記第1乗りかごが前記第1ロープにより昇降され
    前記第1ロープは、一方の前記上端から下方に延び、前記第1乗りかごの一側で当該第1乗りかごの側方を通って一方の前記第1かご固定シーブまで案内されると共に、他方の前記上端から下方に延び、前記第1乗りかごの一側とは反対側となる他側で前記第1乗りかごの側方を通って他方の前記第1かご固定シーブまで案内され、
    前記一対の第1可動シーブは、前記第1乗りかごの下方部に支持され、且つ、前記一対の第1かご固定シーブ間に配置されている
    ことを特徴とするダブルデッキ型エレベータ。
  6. 前記一対の第1可動シーブの軸及び前記一対の第1かご固定シーブの軸が、水平方向に並んで配置されていることを特徴とする請求項5に記載のダブルデッキ型エレベータ。
  7. 前記第2乗りかごは、前記第1乗りかごの下方に昇降自在に配置されており、
    前記第2乗りかごの下方部に設けられた一対の第2かご固定シーブと、
    前記かごフレームに固定された一対の上端を有し、前記一対の第2かご固定シーブに掛け渡された第2ロープと、
    前記第2乗りかごに支持され、前記第2ロープが巻付けられると共に少なくとも一方が移動可能な一対の第2可動シーブと、
    前記一対の第2可動シーブを離接方向に駆動させる第2シーブ駆動部とを更に備え、
    前記第2シーブ駆動部により前記一対の第2可動シーブが離接することにより前記第2乗りかごが前記第2ロープにより昇降される
    ことを特徴とする請求項5または6に記載のダブルデッキ型エレベータ。
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