JP5606976B2 - シリコンインゴット製造装置、シリコンインゴットの製造方法 - Google Patents

シリコンインゴット製造装置、シリコンインゴットの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、坩堝内に貯留されたシリコン融液を一方向凝固させることにより、シリコンインゴットを製造するシリコンインゴット製造装置、シリコンインゴットの製造方法に関する。
前述のシリコンインゴットは、例えば特許文献1に記載されているように、所定の厚さにスライスされ、かつ、所定形状に切り出されることにより、シリコンウェハとされる。このシリコンウェハは、主に太陽電池用基板の素材として利用されている。ここで、太陽電池においては、変換効率等の性能が、太陽電池用基板の素材となるシリコンインゴットの特性に大きく影響されることになる。
特に、シリコンインゴットに含有される不純物量が多いと、太陽電池の変換効率が大幅に低下するため、シリコンインゴット中の不純物量を低減する必要がある。
ここで、シリコンは、凝固時に膨張する金属であるため、鋳造を行う場合、シリコン融液が鋳塊の内部に残存しないように一方向凝固させる必要がある。また、一方向凝固することにより、シリコン融液内の不純物が凝固の相変化に伴い液相側に平衡偏析係数に基づいて分配され、坩堝内の不純物が固相(鋳塊)から液相(シリコン融液)に排出されるため、不純物の少ないシリコンインゴットを得ることが可能となる。
また、特許文献2〜4には、坩堝の上部に板状の蓋を配設したシリコンインゴット製造装置が開示されている。このシリコンインゴット製造装置においては、坩堝内に向けてアルゴンガスを供給する構成とされている。このアルゴンガスによってシリコン融液から発生する酸化シリコンガス等を除去することにより、酸化シリコンガスと炉内のカーボンとの反応を防止している。これにより、COガスの発生が抑えられ、シリコンインゴット中へのカーボンの混入が抑制されることになる。また、酸化シリコンガスがシリコン融液中に混入して酸素量が増加することを抑制している。
特開平10−245216号公報 特開2000−158096号公報 特開2004−058075号公報 特開2005−088056号公報
ところで、最近では、太陽電池の変換効率の更なる向上が求められており、従来にもましてシリコンインゴット中の不純物量を低減する必要がある。また、太陽電池を構成するシリコンウェハにおいては、その表面における結晶の方位が揃っていると、太陽電池の変換効率を安定させることが可能となる。このため、坩堝内のシリコン融液を一方向凝固させる際に、結晶の成長方向を安定させる必要がある。
本発明は、上述した状況に鑑みてなされたものであって、不純物量が少なく、かつ、結晶の成長方向が安定したシリコンインゴットを製造することができるシリコンインゴット製造装置、シリコンインゴットの製造方法を提供することを目的とする。
このような課題を解決して、前記目的を達成するために、本発明に係るシリコンインゴット製造装置は、シリコン融液を保持する坩堝と、この坩堝を加熱するヒータと、前記坩堝内に向けて不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段と、を備えたシリコンインゴット製造装置であって、前記坩堝の上に載置される蓋を有し、前記蓋は、前記坩堝の側壁上面に載置される載置部と、前記坩堝の側壁外縁から外側に突出した庇部と、厚さ方向に貫通した開口部と、を有し、前記庇部は、前記坩堝の側壁上端の10%以上の領域の外周側に配設され、かつ、前記側壁上端外縁からの突出長さが50mm以上とされており、前記開口部は、前記坩堝の側壁上端面の50%以上の領域が前記ヒータに対して露出するように配設されていることを特徴としている。
この構成のシリコンインゴット製造装置においては、坩堝の上に載置された蓋に、厚さ方向に貫通した開口部が形成され、この開口部によって、前記坩堝の側壁上端面の50%以上の領域が前記ヒータに対して露出する構成とされているので、前記ヒータによって坩堝の側壁が直接加熱されることになり、坩堝側壁からの放熱が抑制される。
さらに、前記蓋が、前記坩堝の側壁から外側に突出した庇部を有し、前記庇部が前記坩堝の側壁上端外縁の10%以上の領域の外周側に配設され、かつ、前記側壁上端外縁からの突出長さが50mm以上とされているので、この庇部が前記ヒータによって加熱されることで、坩堝の側壁からの放熱がさらに抑制されることになる。
よって、坩堝の底部から上方に向けて結晶が安定して成長することになり、一方向凝固が促進される。また、凝固の過程において、坩堝内の不純物が坩堝上部の液相側へと濃縮されることになり、シリコンインゴット中の不純物量を低減することができる。
本発明のシリコンインゴット製造装置において、前記蓋の平面中心近傍に前記不活性ガス手段が接続されており、前記開口部は、前記坩堝の側壁上端内縁から100mm以内の領域に形成されており、前記開口部の開口面積の合計が、前記坩堝の上端内側面積の1.5%以上10%以下とされていることが好ましい。
この場合、前記不活性ガス手段から供給された不活性ガスが、坩堝内のシリコン融液上を通過して坩堝の側壁上端内縁に位置する開口部から排出されることになる。このように、不活性ガスの通過経路が設けられているので、坩堝内で不活性ガスが滞留することがなく、蓋と坩堝との間に存在する不純物を、坩堝の外部へと排出することができ、シリコンインゴットにおける不純物量を低減することができる。
本発明のシリコンインゴット製造装置において、前記蓋は、少なくとも前記坩堝を向く面が炭化ケイ素で構成されていることが好ましい。
この場合、シリコン融液から生成する酸化シリコンガスと蓋とが反応することが抑制され、蓋の早期劣化を防止することができる。
本発明のシリコンインゴットの製造方法は、坩堝内のシリコン融液を、坩堝の底部から上方に向けて一方向凝固させるシリコンインゴットの製造方法であって、上述のシリコンインゴット製造装置を用いて製造することを特徴としている。
この構成のシリコンインゴットの製造方法によれば、不純物量が少なく、結晶の成長方向が安定した高品質なシリコンインゴットを製造することができる。
このように、本発明によれば、不純物量が少なく、かつ、結晶の成長方向が安定したシリコンインゴットを製造することができるシリコンインゴット製造装置、シリコンインゴットの製造方法を提供することができる。
本発明の実施形態であるシリコンインゴット製造装置の概略断面説明図である。 図1に示すシリコンインゴット製造装置に備えられた坩堝及び蓋部の上面説明図である。 図2におけるX−X断面図である。 図1に示すシリコンインゴット製造装置により製造されたシリコンインゴットの斜視図である。 図4に示すシリコンインゴットの水平断面における酸素濃度及び炭素濃度の測定点を示す説明図である。 本発明の他の実施形態であるシリコンインゴット製造装置に備えられた坩堝及び蓋部の上面説明図である。 本発明の他の実施形態であるシリコンインゴット製造装置に備えられた坩堝及び蓋部の上面説明図である。
以下に、本発明の実施形態であるシリコンインゴット製造装置、シリコンインゴットの製造方法及びシリコンインゴットについて、添付した図面を参照にして説明する。
本実施形態であるシリコンインゴット製造装置10は、内部を気密状態に保持するチャンバ11と、シリコン融液3が貯留される坩堝20と、この坩堝20が載置されるチルプレート31と、このチルプレート31の下方に位置する下部ヒータ33と、坩堝20の上方に位置する上部ヒータ43と、坩堝20の上端に載置された蓋部50と、坩堝20と蓋部50との間の空間に不活性ガス(Arガス)を導入するガス供給管42と、を備えている。
また、坩堝20の外周側には、断熱壁12が配設されており、上部ヒータ43の上方に断熱天井13が配設され、下部ヒータ33の下方に断熱床14が配設されている。すなわち、坩堝20、上部ヒータ43、下部ヒータ33等を囲繞するように、断熱材(断熱壁12、断熱天井13、断熱床14)が配設されているのである。また、断熱床14には、排気孔15が設けられている。
上部ヒータ43及び下部ヒータ33は、それぞれ電極棒44,34に接続されている。上部ヒータ43に接続される電極棒44は、断熱天井13を貫通して挿入されている。下部ヒータ33に接続される電極棒34は、断熱床14を貫通して挿入されている。
坩堝20が載置されるチルプレート31は、下部ヒータ33に挿通された支持部32の上端に設置されている。このチルプレート31は、中空構造とされており、支持部32の内部に設けられた供給路(図示なし)を介して内部にArガスが供給される構成とされている。
坩堝20は、図2に示すように、水平断面形状が角形(矩形状)とされており、本実施形態では、水平断面形状が正方形をなしている。この坩堝20は、石英で構成されており、図3に示すように、チルプレート31に接触する底面21と、この底面21から上方に向けて立設された側壁部22と、を備えている。この側壁部22は、水平断面が矩形環状をなしている。
蓋部50は、坩堝20の側壁部22の上端面に載置される載置部51と、坩堝20の側壁部22の外縁から外側に突出した庇部52と、厚さ方向に貫通した開口部53と、前述のガス供給管42が挿入される挿入孔54と、を備えている。
この蓋部50は、図2に示すように、平面視で正方形状をなしており、内部に複数の開口部53が形成されている。
また、蓋部50は、炭素系材料で構成されており、本実施形態では炭化ケイ素で構成されている。
ここで、坩堝20に蓋部50を載置した状態において、庇部52の坩堝20の側壁部22の上端外縁からの突出長さaが50mm以上とされている。また、この庇部52は、坩堝20の側壁部22の上端外周縁の10%以上の領域を占めるように構成されており、本実施形態では、80%の領域を占めるように構成されている。
開口部53は、図2に示すように平面視でL字状をなしており、坩堝20の4つの角部にそれぞれ配置されている。この開口部53によって、坩堝20の上端内側の領域の一部が露出されており、開口部53による坩堝20の上端内側領域の露出面積の合計が、坩堝20の上端内側全体の面積の1.5%以上10%以下とされている。
そして、この開口部53により、坩堝の側壁部の上端面のうちの50%以上の領域が上部ヒータ43に対して露出している。本実施形態では、坩堝20の4つの角部を含む部分が上部ヒータ43に対して露出されている。
また、ガス供給管42が挿入される挿入孔54は、蓋部50の平面中心に形成されている。
次に、上述のシリコンインゴット製造装置10を用いたシリコンインゴットの製造方法について説明する。
まず、坩堝20内に、シリコン原料を装入する(シリコン原料装入工程S01)。ここで、シリコン原料としては、11N(純度99.999999999)の高純度シリコンを砕いて得られた「チャンク」と呼ばれる塊状のものが使用される。この塊状のシリコン原料の粒径は、例えば、30mmから100mmとされている。
次に、坩堝20内に装入されたシリコン原料を、上部ヒータ43及び下部ヒータ33に通電することによって加熱し、シリコン融液3を生成する(溶解工程S02)。このとき、坩堝20内のシリコン融液3の湯面は、坩堝20の側壁部22の上端より低い位置に設定されることになる。
次に、坩堝20内のシリコン融液3を凝固させる(凝固工程S03)。まず、下部ヒータ33への通電を停止し、チルプレート31の内部に供給路を介してArガスを供給する。これにより、坩堝20の底部を冷却する。このとき、上部ヒータ43の通電を継続したままとすることにより、坩堝20内には底面21から上方に向けて温度勾配が発生し、この温度勾配により、シリコン融液3が上方に向けて一方向凝固することになる。さらに、上部ヒータ43への通電を徐々に減少させることにより、坩堝20内のシリコン融液3が上方に向けて凝固し、シリコンインゴット1が生成されることになる。
そして、この凝固工程S03においては、ガス供給管42及び挿入孔54を介して、坩堝20と蓋部50との間の空間に不活性ガスとしてArガスが導入される。蓋部50の平面中心の挿入孔54から導入されたArガスは、放射状に拡がりながら坩堝20内のシリコン融液3上を通過して、開口部53から坩堝20の外部へと排出され、断熱床14に設けられた排気孔15を通じてチャンバ11の外側へと排気される。ここで、ガス供給管42及び挿入孔54を介して導入されるArガス量は、1l/min以上100l/min以下の範囲内に設定されている。
このようにして、一方向凝固法によりシリコンインゴット1が製造される。このシリコンインゴット1は、例えば太陽電池用基板として使用されるシリコンウエハやその他のシリコンパーツの素材となる。
ここで、シリコンインゴット1は、図4に示すように四角形柱状をなしている。このシリコンインゴット1は、同一の水平断面において、少なくとも5箇所以上の点で測定した酸素濃度の平均値が5×1017atm/cc以下とされ、標準偏差が1.5以下とされている。
また、同一の水平断面において、少なくとも5箇所以上の点で測定した炭素濃度の平均値が1×1017atm/cc以下とされ、標準偏差が3以下とされている。
なお、本実施形態では、この水平断面から50mm×50mm×2mm角の測定サンプルを採取し、フーリエ変換赤外線分光法(FI−IR)によって酸素濃度及び炭素濃度を測定している。
なお、シリコンインゴット1においては、図4に示すように、凝固開始部である底部側領域Z1においては酸素濃度が高く、凝固終了部である頂部側領域Z3においては、不純物濃度が高いことから、これら底部側部分Z1及び頂部側部分Z2は切断除去され、製品部Z2のみがシリコンウェハ等に加工されることになる。そこで、上述の酸素濃度及び炭素濃度の測定は、製品部Z2の任意の水平断面で実施することになる。
なお、本実施形態では、底部側領域Z1は、底部から20mmの部分とされ、頂部側領域Z3は、頂部から10mmの部分とされている。
また、水平断面における測定箇所としては、図5に示すように、水平断面の平面中心点S1、この平面中心点S1と外周縁のうち平面中心S1から最短距離となる点とを結ぶ直線L1上の外周縁から20mmの点S2、S1とS2との2等分点S3、この平面中心点S1と外周縁のうち平面中心S1から最長距離となる点とを結ぶ直線L2上の外周縁から20mmの点S4、S1とS4との2等分点S5、の5点を含む複数の点を測定することが好ましい。
以上のような構成とされた本実施形態であるシリコンインゴット製造装置10によれば、蓋部50に形成された開口部53によって、坩堝20の側壁部22の上端面の50%以上の領域が上部ヒータ43に対して露出する構成とされているので、上部ヒータ43によって坩堝20の側壁部22が直接加熱されることになり、坩堝20の側壁部22からの放熱が抑制されることになる。さらに、蓋部50には、坩堝20の側壁部22から外側に突出した庇部52が設けられており、庇部52が坩堝20の側壁部22の上端外縁の10%以上の領域の外周側に配設され、かつ、側壁22の上端外縁からの突出長さが50mm以上とされているので、この庇部52が上部ヒータ43によって加熱されることで、坩堝20の側壁部22からの放熱がさらに抑制されることになる。
これにより、坩堝20の底面21から上方に向けて結晶が安定して成長することになり、一方向凝固が促進される。よって、凝固の過程において、坩堝20内の不純物が坩堝20の上部の液相側へと濃縮されることになり、シリコンインゴット1中の不純物量を低減することができる。
また、蓋部50の平面中心S1近傍にガス供給管42が挿入される挿入孔54が設けられており、蓋部50に設けられた開口部53により、坩堝20の側壁部22の上端内縁から100mm以内の領域が露出されているので、ガス供給管42から供給されるArガスが、坩堝20内のシリコン融液3上を通過して坩堝20の側壁部22の上端内縁に位置する開口部53から排出される。したがって、坩堝20内でArガスが滞留することがなく、シリコン融液3から生成する酸化シリコンガス等を坩堝20の外部へと確実に除去できる。これにより、シリコン融液3中の炭素濃度及び酸素濃度の上昇を抑制することが可能となる。
また、開口部53による坩堝20の上端内側領域の露出面積の合計が、坩堝20の上端内側全体の面積の1.5%以上とされているので、Arガスの流量が多い場合であってもArガスを坩堝20の外部へと排出することができる。また、前記露出面積の合計が、坩堝20の上端内側全体の面積の10%以下とされているので、坩堝20内のシリコン融液3が外部に向けて大きく露出せず、シリコン融液3への不純物の混入を防止できる。
本実施形態では、坩堝20内へのArガスの供給量を、1l/min以上100l/min以下の範囲としているので、シリコン融液3から生成する酸化シリコンガス等を坩堝の外部へと確実に除去でき、不純物量が少なく、かつ、不純物量のばらつきが小さいシリコンインゴット1を製造することができる。
また、本実施形態においては、蓋部50が炭化ケイ素で構成されているので、シリコン融液3から生成する酸化シリコンガスと蓋部50とが反応することを抑制でき、蓋部50の早期劣化を防止することができる。また、不純物がシリコン融液3中に混入することを防止できる。
また、本実施形態であるシリコンインゴット製造装置10によって製造されたし利己人ゴット1においては、坩堝20の側壁部22からの放熱が抑制されることから、結晶の成長方向が安定することになる。さらに、本実施形態であるシリコンインゴット1では、同一の水平断面において、少なくとも5箇所以上の点で測定した酸素濃度の標準偏差が1.5以下とされ、少なくとも5箇所以上の点で測定した炭素濃度の標準偏差が3以下とされているので、水平断面内における特性のばらつきが抑えられることになる。
また、本実施形態であるシリコンインゴット1では、同一の水平断面において、少なくとも5箇所以上の点で測定した酸素濃度の平均値が5×1017atm/cc以下とされ、少なくとも5箇所以上の点で測定した炭素濃度の平均値が1×1017atm/cc以下とされているので、シリコンインゴット1の特性を向上させることができる。
このように、本実施形態によれば、不純物量が少なく、結晶の成長方向が安定した高品質なシリコンインゴット1を製造することができる。
以上、本発明の実施形態であるシリコンインゴット製造装置、シリコンインゴットの製造方法及びシリコンインゴットについて説明したが、これに限定されることはなく、適宜設計変更することができる。
例えば、蓋部を、平面視正方形状をなし、L字状の開口部を有するものとして説明したが、これに限定されることはなく、例えば図6に示すように、平面視十字状をなす蓋部150とし、4つの開口部153によって坩堝20の側壁部22の上端面が露出するものであってもよい。また、図7に示すように、開口253が長孔状とされた蓋部250であってもよい。
また、坩堝を水平断面形状が正方形をなすものとして説明したが、これに限定されることはなく、例えば水平断面形状が円形をなすものであってもよい。
さらに、蓋部を炭化ケイ素で構成したもので説明したが、これに限定されることはなく、カーボン等で構成されていてもよい。また、シリコン融液側を向く面のみが炭化ケイ素で構成されたものであってもよい。
本発明の効果を確認すべく行った確認実験の結果を示す。本実施形態で説明したシリコンインゴット製造装置において、蓋部の形状を変更して、680mm角×高さ250mmの四角形柱状のシリコンインゴットを製造した。なお、凝固速度を5mm/hとした。また、ガス供給管によるArガスの供給量を50l/minとした。
まず、図6に示すように、平面視で十字状をなす蓋部を用いて、庇部の突出長さa,庇部の幅bを変更した。これにより、庇部が形成された領域の割合(坩堝の側壁上端外周縁に対する割合)を調整し、本発明例1、2、比較例1−3を製造した。なお、比較例1は、庇部を形成せず、かつ、開口部も形成しないものとした。
また、図7に示すように、平面視で正方形状をなす蓋部を用いて、開口部の大きさ(c)を変更して坩堝の側壁部の上端面の露出面積を調整し、本発明例3、4、比較例4を製造した。
得られたシリコンインゴットについて、底部から50mmの位置の水平断面において、図5に示す各箇所から50mm×50mm×2mmの測定サンプルを採取し、フーリエ変換赤外線分光法(FI−IR)により、シリコン中の酸素濃度及び炭素濃度を測定した。なお、本実施例においては、日本分光株式会社製FT/IR−4000を用いて、JEIDA−61−2000に規定される条件で測定を行った。
また、得られたシリコンインゴットを水平方向にスライスすることにより、シリコンウェハを製造し、次の手順で太陽電池を構成した。
まず、シリコンインゴットを製造する際に、アクセプタとしてB(ホウ素)を添加して、抵抗値1〜2Ω・cm程度のP型シリコンウェハを製造した。このP型シリコンウェハにP(リン)のドーパントを用いて、850℃×30分の熱処理を実施し、P型シリコン層の上にN型シリコン層を形成した。
次に、反射率を低下させるために、シリコンウェハの表面にエッチングした。エッチングには、KOH水溶液を用いた。
エッチング後のシリコンウェハの両面に、Agペースト(dupont社製ソーラメット)をスクリーン印刷によって塗布し、焼成した。塗布厚さを30μmとし、750℃×1分の条件で焼成した。このとき、シリコンウェハの裏面にAlペースト(dupont社製ソーラメット)を塗布・拡散させて電極付近にP+層(Al−BSF)を形成した。ここで、Alペーストの塗布厚さは20μmとした。
また、シリコンウェハの表面に反射防止膜としてSiNxを、プラズマ化学気相法(CVD)を用いて形成した。株式会社島津製作所製の太陽電池反射防止膜製造用装置(SLPC)を用い、厚さを100nmとした。
この試験用の太陽電池を用いて、ソーラーシミュレータによって変換効率を評価した。本実施例では、株式会社三永電機製作所製のXES−155S1を用いて、1000W/m、AM1.5、25℃、の条件で実施した。
評価結果を表1に示す。
Figure 0005606976
庇部の形成領域が坩堝の側壁上端の10%未満とされた比較例1、2及び庇部の突出長さが50mm未満とされた比較例3においては、坩堝の側壁部から熱が放散されることから、液相側への不純物の排出が不十分となり、変換効率が低下した。
また、開口部による坩堝の側壁上端面の露出面積が50%未満とされた比較例4においては、坩堝の側壁部から熱が放散されることから、液相側への不純物の排出が不十分となり、変換効率が低下した。
これに対して、本発明例1−4においては、酸素濃度及び炭素濃度が低く、ばらつきも小さい。また、変更効率も良好である。
以上のことから、本発明例によれば、不純物量が少なく、かつ、結晶の成長方向が安定したシリコンインゴットを製造することができることが確認された。
1 シリコンインゴット
3 シリコン融液
10 シリコンインゴット製造装置
20 坩堝
22 側壁部
33 下部ヒータ
43 上部ヒータ
50 蓋部
52 庇部
53 開口部

Claims (4)

  1. シリコン融液を保持する坩堝と、この坩堝を加熱するヒータと、前記坩堝内に向けて不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段と、を備えたシリコンインゴット製造装置であって、
    前記坩堝の上に載置される蓋を有し、
    前記蓋は、前記坩堝の側壁上面に載置される載置部と、前記坩堝の側壁外縁から外周側に突出した庇部と、厚さ方向に貫通した開口部と、を有し、
    前記庇部は、前記坩堝の側壁上端の10%以上の領域の外周側に配設され、かつ、前記側壁上端外縁からの突出長さが50mm以上とされており、
    前記開口部は、前記坩堝の側壁上端面の50%以上の領域が前記ヒータに対して露出するように配設されていることを特徴とするシリコンインゴット製造装置。
  2. 前記蓋の平面中心近傍に前記不活性ガス手段が接続されており、
    前記開口部は、前記坩堝の側壁上端内縁から100mm以内の領域に形成されており、前記開口部の開口面積の合計が、前記坩堝の上端内側面積の1.5%以上10%以下とされていることを特徴とする請求項1に記載のシリコンインゴット製造装置。
  3. 前記蓋は、少なくとも前記坩堝を向く面が炭化ケイ素で構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシリコンインゴット製造装置。
  4. 坩堝内に保持されたシリコン融液を、坩堝の底部から上方に向けて一方向凝固させるシリコンインゴットの製造方法であって、
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のシリコンインゴット製造装置を用いて製造することを特徴とするシリコンインゴットの製造方法。
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