JP5606792B2 - ガス分離装置及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ガス分離装置及びその製造方法、特に、原料ガスから所望のガスを選択して分離することにより純度の高い所望のガスを分離することができるガス分離装置及びその製造方法に関する。
従来より、例えば燃料電池に供給する水素を製造する装置として、下記特許文献1に記載の様に、例えば表面に水素透過膜を備えた水素分離筒を収納容器内に配置した水素分離装置が開発されている。
前記水素分離装置では、水素透過膜の支持体として、多孔質のセラミックからなる改質触媒兼支持体を用いた試験管形状の水素分離筒が用いられており、水素分離筒はその開口側の端部を取付金具等に固定されていた。
この水素分離装置では、水素分離筒と取付金具との間のガスシールを行うためにシール部材が配置されており、水素分離筒は、シール部材を介して固定金具等で締め付けられることにより取付金具に固定されていた。
また、この種の多孔質セラミック体とその固定部材との間のガスシールを行う技術としては、例えば下記特許文献2に記載の様に、セラミック製の多孔体チューブの端部にポリシザラン溶液を含浸して細孔内に充填し、これを窒化珪素セラミックに転化させることによって(強度の大きな)緻密部を形成し、この緻密部でシールする技術が知られている。
特開2009−184883号公報 特開2009−7225号公報
しかしながら、上述した様に、ガス分離筒の様な多孔質セラミック体の一端を締め付けて固定したり、ガラス含浸を行って形成した緻密部を締め付けて固定する技術の場合に、シール部材を介して締め付けてシール(封止)を行うときには、締付力を強くし過ぎて、多孔質セラミック体が破損するという問題があった。また、締め付け時に破損がなくても、加熱時に多孔質セラミック体などが膨張して破損することもあった。
また、その様な破損を防止するために、締付力を十分に上げることができない場合には、シール部分からのガスのリークを完全に防止できないという問題もあった。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、多孔質のセラミックを用いたガス分離装置において、ガスのシール部分における締付力を十分に上げてガスシール性を高めることができるガス分離装置及びその製造方法を提供することである。
(1)前記課題を解決するためになされた本発明は、請求項1に記載の様に、筒状の多孔質セラミックからなり原料ガスから分離対象となる所定ガスを分離する機能を有するガス分離部と、該ガス分離部の軸方向の端部に同軸に配置された筒状のセラミック製の緻密部とが、一体に形成されたガス分離装置であって、前記ガス分離部は、多孔質の筒状のセラミック基体(例えば多孔部)と、該セラミック基体に設けられ前記原料ガスから前記所定ガスを分離するガス分離膜(例えば水素透過膜)と、を備え、且つ、前記セラミック基体と前記緻密部との間に、前記セラミック基体の気孔率より小さい気孔率を有する中間部を備え、前記緻密部は、前記原料ガスの透過を防止するとともに前記ガス分離部より強度が高い緻密質セラミックからなることを特徴とする。
本発明では、ガス分離部には、原料ガスの透過を防止し且つ強度が高い緻密質セラミックからなる緻密部が一体に形成されているので、多孔質のセラミックを用いたガス分離装置において、緻密部にてガスのシールを行うようにし、そのガスのシール部分における締付力を十分に高めてガスシール性を高めることができる。
つまり、多孔質のセラミックを用いたガス分離装置の一端を締め付けて、ガスシールを行うとともに金具等に固定する場合には、シール性を高めるために締付力を強くすると、多孔質のセラミック部分が破損することがあるが、本発明では、強度の高い緻密部を設けているので、この緻密部にてシールすることにより、強く締め付けてシール性を高めても破損することが無いという顕著な効果を奏する。また、加熱時にセラミックや周囲の金具などが膨張しても、破損し難いという利点がある。よって、本発明によれば、締付力を高めて、確実にシールすることができる。
また、緻密部の形状は鍔付き形状等の形状を採ることができ、締め付けだけでなく種々の接合方法も採ることができる。
更に、セラミック製の緻密部でシールすることにより、従来はガス分離膜材料と反応しガス分離膜にピンホールを生ずることにより使用することができなかったシール材料(例えば水素透過性金属のガス分離膜の場合には、金属シール材やロウ材、ガラス等)を用いることもできる。
なお、前記ガス分離膜としては、水素透過膜や酸素透過膜が挙げられ、前記水素透過膜としては、Pd、Pd合金、V合金、Nb合金等が挙げられる。前記酸素分離膜としては、希土類とアルカリ土類と遷移金属とのペロブスカイト酸化物、ランタンガレート系ペロブスカイト酸化物、ドープトセリアとジルコニアの固溶体等、またはこれらの混合物等が挙げられる。
ここで、緻密部の緻密さとしては、原料ガスの透過を防止できればよく、例えば相対密度70%以上の緻密さが挙げられる。
なお、前記多孔質セラミックとしては、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)、安定化ジルコニア、アルミナ、マグネシア、セリア、ドープドセリアおよびこれらの混合物、前記セラミックに金属触媒を担持させたセラミック、触媒金属とセラミックとのサーメットなどが挙げられ、前記緻密質セラミックとしては、YSZ、安定化ジルコニア、アルミナ、マグネシア、セリア、ドープドセリアおよびこれらの混合物などが挙げられる。
(2)本発明では、請求項2に記載の様に、前記中間部は、前記セラミック基体の組成分と前記緻密部の組成分とを所定割合で含むことを特徴とする。
この中間部は、セラミック基体と緻密部との性質を備えているので、セラミック基体と緻密部との接合性を高めることができ、よって、その境目部分に大きな力が加わっても破損し難いという利点がある。
(3)本発明では、請求項3に記載の様に、前記中間部は、前記セラミック基体側は前記緻密部に比べて該セラミック基体の組成割合が多く、前記緻密部側は前記セラミック基体に比べて該緻密部の組成割合が多いことを特徴とする。
これによって、接合部分である中間部の組成が徐々に変化する傾斜組成となるので、一層接合性が高くなるという効果がある。
(4)本発明では、請求項4に記載の様に、前記ガス分離膜は、前記セラミック基体の表面に設けられていることを特徴とする。
これにより、セラミック基体を支持体として、その表面に所望のガスのみを透過させて(原料ガスから)分離するガス分離膜を備えた構成とすることができる。
(5)本発明では、請求項5に記載の様に、前記中間部の表面にも前記ガス分離膜が形成されていることを特徴とする。
これにより、所定ガスを分離する性能が向上する。
(6)本発明では、請求項6に記載の様に、前記分離対象となる所定ガスは水素であることを特徴とする。
ここでは、分離対象となる所定ガスが水素であることを例示している。
(7)本発明では、請求項7に記載の様に、前記分離対象となる所定ガスは水素であり、前記ガス分離膜は、前記セラミック基体の少なくとも一部に水素透過性金属を含有させてなることを特徴とする。
これにより、セラミック基体を支持体として、その一部に水素のみを透過させて(原料ガスから)分離する水素透過性金属を備えた構成とすることができる。
なお、前記水素透過性金属としては、Pd、Pd合金、V合金、Nb合金等が挙げられる。
)本発明は、請求項記載の様に、前記請求項1〜7のいずれか1項に記載のガス分離装置の製造方法であって、成形型に、前記緻密部となる第1の材料を充填する工程と、前記成形型に、前記ガス分離部となる第2の材料を充填する工程と、前記充填された第1の材料及び第2の材料をプレスして成形体を形成する工程と、前記成形体に、前記ガス分離膜を形成する工程と、を備えるとともに、前記第1の材料を充填する工程と、前記第2の材料を充填する工程との間に、前記第1の材料の組成分と前記第2の材料の組成分とを有する前記中間部となる第3の材料を充填する工程をさらに備えたことを特徴とする。
本発明では、上述したプレス成形を利用して、ガス分離部及び緻密部を備えるとともに、セラミック基体と緻密部との間に中間部を備えたガス分離装置を製造することができる。
なお、焼成を行う場合には、プレス成形後に行いその後膜形成を行っても良く、また成形体に分離膜材料のスラリーを塗布し、分離膜と支持体を同時に焼成しても良い。
)本発明は、請求項に記載の様に、前記請求項1〜7のいずれか1項に記載のガス分離装置の製造方法であって、成形型に、流動性を有する前記緻密部となる第1の材料を充填し、その後、該第1の材料を固化する工程と、前記成形型に、流動性を有する前記セラミック基体となる第2の材料を充填し、その後、該第2の材料を固化して成形体を形成する工程と、前記成形体に、前記ガス分離膜を形成する工程と、を備えるとともに、前記第1の材料を充填して固化する工程と、前記第2の材料を充填して固化する工程との間に、前記第1の材料の組成分と前記第2の材料の組成分とを有し前記中間部となる第3の材料を充填して固化する工程をさらに備えたことを特徴とする。
本発明では、ガス分離部と緻密部とを備えるとともに、セラミック基体と緻密部との間に中間部を備えたガス分離装置を製造することができる。
なお、焼成を行う場合には、プレス成形後に行いその後膜形成を行っても良く、また成形体に分離膜材料のスラリーを塗布し、分離膜と支持体を同時に焼成しても良い。
第1実施形態の水素分離装置の水素分離筒を軸方向に沿って破断して示す断面図である。 第1実施形態の水素分離筒の一部を破断して拡大して示す説明図である。 第1実施形態の水素分離モジュールを軸方向に沿って破断して示す断面図である。 第1実施形態の水素分離筒の製造方法を示す説明図である。 水素分離装置のリーク試験を行うための試験装置を示す説明図である。 第2実施形態の水素分離筒を軸方向に沿って破断して示す断面図である。 第3実施形態の水素分離筒を軸方向に沿って破断して示す断面図である。 第3実施形態の水素分離モジュールを軸方向に沿って破断して示す断面図である。 第3実施形態の水素分離筒の製造方法を示す説明図である。 第4実施形態の水素分離筒の製造方法を示す説明図である。 第5実施形態の水素分離筒の製造方法を示す説明図である。 その多の実施形態における水素分離筒の製造方法を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
なお、下記の第1〜第6実施形態のうち、第3、第4、第5実施形態が本発明の実施形態であり、第1、第2、第6実施形態は参考例である。
[第1実施形態]
ここでは、ガス分離装置として、例えば燃料電池に燃料ガス(水素ガス)を供給する水素分離装置について説明する。
a)まず、本実施形態の水素分離装置の要部である水素分離筒について説明する。
本実施形態の水素分離装置は、図1に示す様に、原料ガスから水素を分離する部材として、一端が閉塞された試験管状の水素分離筒1を備えている。この水素分離筒1の閉塞された先端側(同図上側)には、主として多孔質セラミックからなり、水素を分離する機能を有する試験管状の水素分離部3が設けられ、その開放された基端側(同図下側)には、ガス透過性が無く且つ強度が高い緻密質セラミックからなる筒状の緻密部(封止部)5が設けられている。以下、各構成について説明する。
前記水素分離部3は、その軸中心の中心孔7に導入された原料ガス(例えばメタンなどの炭化水素ガスと水蒸気の混合ガス)から、水素を選択的に分離して、水素分離部3の外周側に供給する部材である。
この水素分離部3は、図2に拡大して示す様に、一端が閉塞された試験管状の(改質触媒兼支持体である)多孔部(多孔質支持管)9と、多孔部9の外側表面を覆うバリア層11と、バリア層11の外側表面を覆う水素透過膜13とから構成されている。
このうち、多孔部9は、改質触媒としての役割と水素透過膜13等を支持する役割とを有する通気性を有する試験管状の支持体、具体的にはNiを含むYSZ(イットリア安定化ジルコニア)からなる多孔質セラミック製の支持体であり、この多孔部9では、原料ガスを水蒸気改質して改質ガスを生成する。
水素透過膜13は、例えばPd−Ag合金からなり、多孔部9内で改質された改質ガスから水素を選択的に透過して精製する薄膜である。
バリア層11は、例えばYSZからなり、多孔部9の金属成分(例えばNi)と水素透過膜13の成分(例えばPd)とが互いに交じり合う(拡散する)ことにより、水素透過膜13の水素透過性能が劣化することを防止するための多孔質層(相互拡散防止層)である。
特に、前記緻密部5は、YSZからなる円筒形状のセラミック体であり、しかも、ガスの透過ができない程度に十分には緻密化され、その強度は多孔部9よりも大きくされている。
b)次に、前記水素分離筒1を備えた水素分離モジュールについて説明する。
図3に示す様に、水素分離モジュール15は、前記(水素分離部3及び緻密部5からなる)水素分離筒1と、水素分離筒1の開放端側が挿入された筒状の取付金具17と、水素分離筒1の外周面と取付金具17の内周面との間に配置された円筒形のシール部材19と、水素分離筒1に外嵌されてシール部材19の先端側(同図左側)を押圧する円筒形の押圧金具21と、押圧金具21に外嵌されて取付金具17に螺合する筒状の固定金具23とを備えている。
前記取付金具17は、水素分離モジュール15の基部を構成する筒状金具であり、その先端側より、外周にねじ部25を有する先端側筒状部27と、外周側に環状に張り出す鍔部29と、(原料ガスを供給する配管等が接続される)基端側筒状部31とを備えている。
この取付金具17の軸中心には、原料ガスの流路となる貫通孔(中空部)33が形成され、中空部33には、水素分離筒1の基端側(同図右側)の端部が収容されている。詳しくは、中空部33の内径は、先端側筒状部27内側より鍔部29内側が小さく設定されており、鍔部29内側の先端側の角部には、先端側筒状部27と所定の間隔を空けて、段状に切り欠いた凹部35が形成され、この凹部35に水素分離筒1の端部が内嵌している。
前記固定金具23は、軸方向に沿った断面がL字状の筒状金具であり、径方向に伸びて押圧金具21を基端側に押圧する環状の押圧板37と、押圧板37の外周端から軸方向に沿って基端側に伸び、内周面にねじ部39を有する筒状部41とを備えている。従って、この固定金具23のねじ部39と取付金具17のねじ部25を螺合させて締め付けることにより、押圧金具21を介してシール部材19を、基端側に押圧することができる。
前記押圧金具21は、円筒形状の筒状金具であり、取付金具17の先端側筒状部27の内周面と水素分離筒1の外周面との間に形成された筒状の空間43内にて、シール部材19と隣接して配置されている。この押圧金具21の先端側は固定金具23の押圧板37に当接し、その後端側はシール部材19に当接している。
前記シール部材19は、膨張黒鉛からなる円筒状の気密部材(グラファイトフェルール)であり、取付金具17の先端側筒状部27の内周面と水素分離筒1の外周面(詳しくは緻密部5の内周面)との間の空間43内にて、押圧金具21と隣接して配置されている。
このシール部材19は、前記空間43内にて、押圧金具21の押圧によって圧縮された状態、従って周囲を押圧した状態に保持されているので、この空間43における原料ガスの漏出を防止している。
また、水素分離モジュール15の内部(詳しくは水素分離筒1の中心孔7)には、内挿管45が配置されている。この内挿管45は、原料ガスを、水素分離筒1の基端側から水素分離筒1の先端側に供給する部材である。
そして、この水素分離モジュール15は、取付金具17の鍔部29にて水素ガスを収容する容器47に固定されており、これにより水素分離装置50が構成される。つまり、水素分離装置50では、水素分離筒1の先端側が(同図上方の)容器47内に突出するように配置されるとともに、取付金具17の基端側筒状部31が(同図下方の)容器47外に突出するように配置される。
よって、容器47外から内挿管45を介して水素分離筒1内に供給された原料ガスは、水素分離部3にて改質されて水素が分離され、その水素は、水素分離部3の外周側(従って容器47内)に排出される。一方、反応後のオフガス(CO、CO2、H2、メタン、水蒸気)は、内挿管45の外周に沿って水素分離筒1の基端側から外部に排出される。
c)次に、本実施形態の水素分離筒1等の製造方法について説明する。
<水素分離筒1の製造方法>
本実施形態では、プレス成形によって水素分離筒1を製造する。
図4(a)に示す様に、本実施形態では、プレス成形に用いる型枠として、平板状の基台51の上に筒状のゴム型53を配置した型枠を用いる。このゴム型53の軸中心には、軸方向(同図の上下方向)に沿って、水素分離筒1の外形に対応した円柱形の内部孔55が形成されており、この内部孔55の軸中心には、水素分離筒1の中心孔7の形状に対応した円柱状(詳しくは先端が丸い試験管形状)の中心ピン57が立設されている。
これにより、内部孔55の内周面と中心ピン57の外周面とによって、先端側が一体となった略円筒形状の型枠孔59、詳しくは円柱状の内部孔55から試験管形状の中心ピン57を除いた形状の型枠孔59が形成されている。
従って、本実施形態では、まず、このゴム型53の型枠孔59内に、緻密部5を形成する材料として、YSZ造粒粉を20gを充填し、円筒状の緻密部形成部61を作製した(第1粉末充填工程)。
次に、図4(b)に示す様に、同様に、ゴム型53の型枠孔59内において、緻密部形成部61の上に、多孔部9を形成する材料として、NiOとYSZとを重量比で2:8の割合で用いるとともに、造孔材として有機ビーズを50体積%添加した混合材料の造粒粉を80g充填した(第2粉末充填工程)。
次に、図4(c)に示す様に、ゴム型53の上部に、上部金型63を固定した。なお、この上部金型63の中央の下部は、多孔部9の先端に対応する形状の凸部65が形成されており、この凸部65が型枠孔59内に嵌め込まれることにより、多孔部9と同様な形状の多孔部形成部67が作製される。
そして、この状態で、ゴム型53の外周側より成形圧80MPaGにてプレス成形することによって、図4(d)に示す様な、水素分離筒1の形状に対応した有底円筒形状成形体69を作製した(加圧工程)。
次に、この有底円筒形状成形体69を、350℃で10時間脱脂し、1450℃にて焼成することにより、(YSZからなる)緻密部5と(NiO−YSZからなる)多孔部9とが一体となったφ10mm×長さ350mmの支持体(図示せず)を得た。
次に、この支持体における多孔部9の表面に、YSZスラリーを1300℃で焼き付け、バリア層11を形成した。
次に、無電解メッキ法(又は真空蒸着法、スパッタリング法等)により、バリア層11上にPdとAgとを順次成膜した。
その後、750℃、不活性雰囲気下にて、Pd−Ag合金化を行い、その後、雰囲気を水素に切り換え還元処理を施した。これにより、バリア層上にPd−Ag合金からなる水素透過膜13を形成するとともに、多孔部9内のNiOの還元を行った。
これらの工程によって、水素分離筒1が完成した。
<水素分離モジュール15の組付方法>
取付金具17の中空部33に、シール材19、押圧金具21の順で内嵌する。
次に、水素分離筒1の開放端側を、押圧金具21の貫通孔、シール材19の貫通孔を通す様に挿入し、水素分離筒1の端部を取付金具17の凹部35に嵌める。
次に、水素分離筒1の先端側より固定金具23を外嵌し、固定金具23のねじ部39と取付金具17のねじ部25を螺合し、固定金具23により押圧金具21を基端側に例えばトルク10N・mで締め付けて、水素分離モジュール15を完成する。
この締め付けによって、シール部材19は押圧金具21により圧縮されるので、シール部材19は軸方向の両側の部材に密着して原料ガスの透過が防止される。それとともに、シール部材19は径方向に広がるので、水素分離筒1は固定され(特に水素分離筒1の緻密部5にて固定され)、且つ、シール部材19は径方向の両側に密着して原料ガスの透過が防止される。
d)次に、本実施形態の水素分離モジュール15を用いて行った実験例について説明する。
この実験では、図5に模式的に示す様に、水素分離モジュール15の取付金具17を基台71に固定し、基台71より先端側を密閉容器73に収容するとともに、密閉容器73に開口部75を設け、この開口部75と石鹸膜流量計77を接続した実験装置79を作製した。
そして、この実験装置79を用い、水素分離筒1の中心孔7側(1次側)に、0.8MPaGのHeガスを供給し、その際に、密閉容器73の開口部75から外側(2次側)に漏出するHe量を測定した。その結果、Heの漏出量は、0.2cc/min以下と非常に少なく好適であった。
e)この様に、本実施形態では、水素分離筒1は、多孔質セラミックを主成分とする水素分離部3の開口側の端部に、ガス透過性の無い緻密で高い強度を有する緻密部5を備えているので、水素分離筒1を取付金具17に固定する際には、この緻密部5と取付金具17の一部との間にシール部材19を配置し、このシール部材19を押圧することによって、十分な気密性を確保して、強固に固定することができる。
つまり、主として多孔質セラミックからなる水素分離筒1を取付金具17に固定する際に、締付力が加わる緻密部5の強度が高いので、締付力を大きくしても緻密部5が破損することがない。よって、締付力を高くして、ガスのリークを十分に防止できるという顕著な効果を奏する。また、緻密部5の強度が高いので、加熱時に各部材が膨張しても、破損し難いという利点がある。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明するが、前記第1実施形態と同様な内容の説明は省略する。
本実施形態の水素分離装置は、前記第1実施形態とは、水素分離筒を構成する水素分離部の構造が異なる。つまり、第1実施形態では、多孔部にて原料ガスの改質を行ったが、本実施形態では、水素透過膜で(原料ガスから)水素の分離のみを行うものである。
a)まず、本実施形態の水素分離筒について説明する。
図6に示す様に、本実施形態の水素分離装置に用いられる水素分離筒91は、前記第1実施形態と同様に、一端が閉塞された試験管状の部材である。
この水素分離筒91の閉塞された先端側には、主として多孔質セラミック(YSZ)からなり、水素を分離する機能を有する試験管状の水素分離部93が設けられ、開放された基端側には、ガス透過性が無く且つ水素分離部93より強度の高い緻密質セラミック(YSZ)からなる筒状の緻密部95が設けられている。
特に、本実施形態では、緻密部95の構成は、第1実施形態と同様であるが、水素分離部93は、前記第1実施形態と同様なYSZからなる多孔部97の外側表面に、直接にPd−Ag合金からなる水素透過膜99が形成されたものである。
なお、この水素分離筒91も、第1実施形態と同様な水素分離モジュールや水素分離装置(図示せず)に用いられる。
b)次に、本実施形態の水素分離筒91の製造方法について説明する。
図示しないが、本実施形態においても、前記第1実施形態と同様に、型枠等を用いてプレス成形を行った。
具体的には、まず、ゴム型の型枠孔内に、緻密部95を形成する材料として、YSZ造粒粉を20gを充填し、円筒状の緻密部形成部を作製した(第1粉末充填工程)。
次に、ゴム型の型枠孔内において、緻密部形成部の上に、多孔部97を形成する材料として、造孔材として有機ビーズを50体積%添加した造粒粉を80g充填した(第2粉末充填工程)。
次に、ゴム型の上部に、上部金型を固定した。
そして、この状態で、ゴム型の外周側より成形圧80MPaGにてプレス成形することによって、水素分離筒91の形状に対応した有底円筒形状成形体を作製した(加圧工程)。
次に、この有底円筒形状成形体を、350℃で10時間脱脂し、1450℃にて焼成することにより、(YSZからなる緻密な)緻密部95と(YSZからなる)多孔部93とが一体となったφ10mm×長さ350mmの支持体を得た。
次に、この支持体における多孔部93の表面に、無電解メッキ法により、PdとAgとを順次成膜した。
その後、750℃、不活性雰囲気下にて、Pd−Ag合金化を行い、その後、雰囲気を水素に切り換え還元処理を施し、Pd−Ag合金からなる水素透過膜93を形成した。
これらの工程によって、水素分離筒91が完成した。
その後、前記第1実施形態と同様にして、水素分離モジュール(図示せず)の組付けを行った。
そして、この様にして製造した水素分離筒91を備えた水素分離モジュールを用いて、前記第1実施形態と同様にして、Heガスのリークの実験を行った。
その結果、Heの漏出量は、0.2cc/min以下と非常に少なく好適であった。
従って、本実施形態においても、前記第1実施形態と同様な効果を奏する。
[第3実施形態]
次に、第3施形態について説明するが、前記第1実施形態と同様な内容の説明は省略する。
本実施形態の水素分離装置では、前記第1実施形態とは水素分離筒の構造が異なるので、異なる点を中心にして説明する。
a)まず、本実施形態の水素分離筒について説明する。
図7に示す様に、本実施形態の水素分離装置に用いられる水素分離筒101は、前記第1実施形態と同様に、一端が閉塞された試験管状の部材である。
本実施形態では、前記第1実施形態と同様に、閉塞された先端側には、主として多孔質セラミックからなり、水素を分離する機能を有する試験管状の水素分離部103が設けられるとともに、開放された基端側には、ガス透過性が無く且つ水素分離部103より強度高い緻密質セラミックからなる筒状の緻密部105が形成され、更に、水素分離部103と緻密部105との間には、水素分離部103と緻密部105との両方の性質を有する中間部107が形成されている。
ここで、水素分離部103と緻密部105の構成は、前記第1実施形態と同様である。つまり、水素分離部103は、Niを含むYSZからなる多孔部109と、YSZからなるバリア層111と Pd−Ag合金からなる水素透過膜113とから構成され、緻密部105は、YSZから構成されている。
特に、前記中間部107は、Niを含むYSZから構成されているが、Niの含有量は多孔部109の含有量の1/2倍であり、その気孔率は、多孔部109の気孔率(例えば45%)より小さく(例えば35%)設定されている。
b)次に、前記水素分離筒101を備えた水素分離モジュールについて説明する。
図8に示す様に、水素分離モジュール115は、前記第1実施形態と同様に、水素分離筒101と、取付金具117と、シール部材119と、押圧金具121と、固定金具123とを備えている。
この水素分離モジュール115では、緻密部105の径方向に外側にシール部材119が配置され、シール部材119は緻密部105と取付金具117の先端側筒状部125との間に挟まれている。また、中間部107の径方向外側には、押圧部材121が配置されている。
c)次に、本実施形態の水素分離筒101の製造方法について説明する。
図9(a)に示す様に、本実施形態では、第1実施形態と同様に、まず、ゴム型127と中心ピン129との間の型枠孔131内に、緻密部105を形成する材料として、YSZ造粒粉を20gを充填し、緻密部形成部133を作製した(第1粉末充填工程)。
次に、図9(b)に示す様に、同様に、ゴム型127の型枠孔131内において、緻密部形成部133の上に、中間部107を形成する材料として、NiOとYSZとを重量比で1:9の割合で用いるとともに、造孔材として有機ビーズを35体積%添加した混合材料の造粒粉を5g充填し、中間部形成部135を作製した(第2粉末充填工程)。
次に、図9(c)に示す様に、同様に、ゴム型127の型枠孔131内において、中間部形成部135の上に、多孔部101を形成する材料として、NiOとYSZとを重量比で2:8の割合で用いるとともに、造孔材として有機ビーズを50体積%添加した混合材料の造粒粉を75g充填した(第3粉末充填工程)。
次に、図9(d)に示す様に、ゴム型127の上部に、上部金型137を固定し、多孔部形成部139を作製した。
そして、この状態で、ゴム型127の外周側より成形圧80MPaGにてプレス成形することによって、図9(e)に示す様な、水素分離筒101の形状に対応した有底円筒形状成形体141を作製した(加圧工程)。
次に、この有底円筒形状成形体141を、350℃で10時間脱脂し、1450℃にて焼成することにより、(YSZからなる)緻密部105と(NiO−YSZからなる)中間部107と(NiO−YSZからなる)多孔部103とが一体となったφ10mm×長さ350mmの支持体(図示せず)を得た。
次に、この支持体における多孔部103の表面に、YSZスラリーを1300℃で焼き付け、バリア層111を形成した。
次に、メッキ法により、バリア層111上にPdとAgとを順次成膜した。
その後、750℃、不活性雰囲気下にて、Pd−Ag合金化を行い、その後、雰囲気を水素に切り換え還元処理を施した。これにより、バリア層111上にPd−Ag合金からなる水素透過膜113を形成するとともに、多孔部103内のNiOの還元を行った。
これらの工程によって、水素分離筒101が完成した。
その後、前記第1実施形態と同様にして、水素分離モジュール115の組付けを行った。
そして、この様にして製造した水素分離筒101を備えた水素分離モジュール115を用いて、前記第1実施形態と同様にして、Heガスのリークの実験を行った。
その結果、Heの漏出量は、0.2cc/min以下と非常に少なく好適であった。
d)本実施形態においても、前記第1実施形態と同様な効果を奏するとともに、緻密部105と多孔部103との間に中間部107を備えているので、即ち、中間部107の緻密性及び強度は、緻密部105と多孔部103との間の大きさであり、しかも、中間部107の組成と緻密部105及び多孔部103の組成には共通するものがあるので、水素分離筒101が各部103〜107のつなぎ目部分で破損しにくいという効果がある。
[第4実施形態]
次に、第4施形態について説明するが、前記第3実施形態と同様な内容の説明は省略する。
本実施形態は、前記第1〜3実施形態とは水素分離筒の製造方法が異なり、射出成形によって水素分離筒を製造するので、異なる点を中心にして説明する。
図10(a)に示す様に、本実施形態の水素分離筒の製造方法では、水素分離筒の形状に対応した型枠孔151を有する金型153を用い、その型枠孔151内に蓋部材155を配置し、蓋部材155に開けた射出孔157を介して、多孔部を形成する材料(造粒粉)を90g射出し、多孔部形成部159を作製した(多孔部射出工程)。
この材料とは、NiOとYSZとを重量比で2:8の割合で用いるとともに、造孔材として有機ビーズを50体積%添加した混合材料に、バインダを添加し、混練ニーダ中で10時間混合し、その混合物をペレタイザで約3mmの大きさに造粒した造粒粉である。
次に、図10(b)に示す様に、同様に、金型153の型枠孔151内において、多孔部形成部155の上の空間に、蓋部材161の射出孔163を介して、中間部を形成する材料(造粒粉)を5g射出し、中間部形成部165を作製した(中間部射出工程)。
この材料とは、NiOとYSZとを重量比で1:9の割合で用いるとともに、造孔材として有機ビーズを35体積%添加した混合材料に、バインダを添加し、混練ニーダ中で10時間混合し、その混合物をペレタイザで約3mmの大きさに造粒した造粒粉である。
次に、図10(c)に示す様に、同様に、金型153の型枠孔151内において、中間部形成部165の上の空間に、蓋部材167の射出孔169を介して、緻密部を形成する材料(造粒粉)を20g射出し、緻密部形成部171を作製した(緻密部射出工程)。
この材料とは、YSZにバインダを添加し、混練ニーダ中で10時間混合し、その混合物をペレタイザで約3mmの大きさに造粒した造粒粉である。
これにより、図10(d)に示す様な有底円筒形状成形体173を完成した。
その後、有底円筒形状成形体173を、600℃で20時間脱脂し、1450℃にて焼成することにより、(YSZからなる)緻密部と(NiO−YSZからなる)中間部と(NiO−YSZからなる)多孔部とが一体となったφ10mm×長さ350mmの支持体(図示せず)を得た。
次に、この支持体における多孔部の表面に、YSZスラリーを1300℃で焼き付け、バリア層を形成した。
次に、無電解メッキ法により、バリア層上にPdとAgとを順次成膜した。
その後、750℃、不活性雰囲気下にて、Pd−Ag合金化を行い、その後、雰囲気を水素に切り換え還元処理を施した。これにより、バリア層上にPd−Ag合金からなる水素透過膜を形成するとともに、多孔部内のNiOの還元を行った。
これらの工程によって、水素分離筒が完成した。
その後、前記第1実施形態と同様にして、水素分離モジュールの組付けを行った。
そして、この様にして製造した水素分離筒を備えた水素分離モジュールを用いて、前記第1実施形態と同様にして、Heガスのリークの実験を行った。
その結果、Heの漏出量は、0.2cc/min以下と非常に少なく好適であった。
本実施形態においても、前記第3実施形態と同様な効果を奏する。
[第5実施形態]
次に、第5施形態について説明するが、前記第3実施形態と同様な内容の説明は省略する。
本実施形態は、前記第1〜4実施形態とは水素分離筒の製造方法が異なり、鋳込み成形(スリップキャスティング)によって水素分離筒を製造するので、異なる点を中心にして説明する。
図11(a)に示す様に、本実施形態の水素分離筒の製造方法では、水素分離筒の形状に対応した型枠孔181を有する石膏型183を用い、その型枠孔181内に、多孔部を形成する材料を135g流し込み、乾燥させて、多孔部形成部185を作製した(多孔部用スラリー投入工程)。
この材料とは、NiOとYSZとを重量比で2:8の割合で用いるとともに、造孔材として有機ビーズを50体積%添加した混合材料に、バインダと水とを混合してスラリーとしたものである。
次に、図11(b)に示す様に、同様に、石膏型183の型枠孔181内において、多孔部形成部185の上に、中間部を形成する材料を7g流し込み、乾燥させて、中間部形成部187を作製した(中間部用スラリー投入工程)。
この材料とは、NiOとYSZとを重量比で1:9の割合で用いるとともに、造孔材として有機ビーズを35体積%添加した混合材料に、バインダと水とを混合してスラリーとしたものである。
次に、図11(c)に示す様に、同様に、石膏型183の型枠孔181内において、中間部形成部187の上に、緻密部を形成する材料を30g流し込み、乾燥させて、緻密部形成部189を作製した(緻密部用スラリー投入工程)。
次に、乾燥品を石膏型183から取り出し、図11(d)に示す様な有底円筒形状成形体191を得た。
その後、有底円筒形状成形体191を、350℃で10時間脱脂し、1450℃にて焼成することにより、(YSZからなる)緻密部と(NiO−YSZからなる)中間部と(NiO−YSZからなる)多孔部とが一体となったφ10mm×長さ350mmの支持体(図示せず)を得た。
次に、この支持体における多孔部の表面に、YSZスラリーを1300℃で焼き付け、バリア層を形成した。
次に、無電解メッキ法により、バリア層上にPdとAgとを順次成膜した。
その後、750℃、不活性雰囲気下にて、Pd−Ag合金化を行い、その後、雰囲気を水素に切り換え還元処理を施した。これにより、バリア層上にPd−Ag合金からなる水素透過膜を形成するとともに、多孔部内のNiOの還元を行った。
これらの工程によって、水素分離筒が完成した。
その後、前記第1実施形態と同様にして、水素分離モジュールの組付けを行った。
そして、この様にして製造した水素分離筒を備えた水素分離モジュールを用いて、前記第1実施形態と同様にして、Heガスのリークの実験を行った。
その結果、Heの漏出量は、0.2cc/min以下と非常に少なく好適であった。
本実施形態においても、前記第4実施形態と同様な効果を奏する。
[第6実施形態]
次に、第6実施形態について説明するが、前記第2実施形態と同様な内容の説明は省略する。
本実施形態の酸素分離装置は、原料ガスから酸素を分離する装置であり、前記第2実施形態とは、ガス分離膜材料が異なる。
a)まず、本実施形態の酸素分離装置の要部である酸素分離筒について説明する。
本実施形態の酸素分離装置に用いられる酸素分離筒は、前記第2実施形態と同様であるので図示しないが、一端が閉塞された試験管状の部材である。
この酸素分離筒の閉塞された先端側には、主として多孔質セラミック(YSZ)からなり、酸素を分離する機能を有する試験管状の酸素分離部が設けられ、開放された基端側には、ガス透過性が無く且つ酸素分離部より強度の高い緻密質セラミック(YSZ)からなる筒状の緻密部が設けられている。
特に、本実施形態では、緻密部の構成は、第2実施形態と同様であるが、酸素分離部は、前記第1実施形態と同様なYSZからなる多孔部97の外側表面に、直接にLa0.1Sr0.9Co0.9Fe0.13からなる酸素透過膜99が形成されたものである。
b)次に、本実施形態の酸素分離筒の製造方法について説明する。
図示しないが、本実施形態においても、前記第2実施形態と同様に、型枠等を用いてプレス成形を行った。
具体的には、まず、ゴム型の型枠孔内に、緻密部を形成する材料として、YSZ造粒粉を20gを充填し、円筒状の緻密部形成部を作製した(第1粉末充填工程)。
次に、ゴム型の型枠孔内において、緻密部形成部の上に、多孔部を形成する材料として、造孔材として有機ビーズを50体積%添加した造粒粉を80g充填した(第2粉末充填工程)。
次に、ゴム型の上部に、上部金型を固定した。
そして、この状態で、ゴム型の外周側より成形圧80MPaGにてプレス成形することによって、酸素分離筒の形状に対応した有底円筒形状成形体を作製した(加圧工程)。
次に、この有底円筒形状成形体を、350℃で10時間脱脂し、1450℃にて焼成することにより、(YSZからなる緻密な)緻密部と(YSZからなる)多孔部とが一体となったφ10mm×長さ350mmの支持体を得た。
次に、この支持体における多孔部の表面に、La0.1Sr0.9Co0.9Fe0.13スラリーをディップコーティングにより塗布後、大気雰囲気にて1200℃で焼き付けることにより酸素透過膜を形成した。
これらの工程によって、酸素分離筒が完成した。
その後、前記第2実施形態と同様にして、酸素分離モジュール(図示せず)の組付けを行った。
そして、この様にして製造した酸素分離筒を備えた酸素分離モジュールを用いて、前記第2実施形態と同様にして、Heガスのリークの実験を行った。
その結果、Heの漏出量は、0.2cc/min以下と非常に少なく好適であった。
従って、本実施形態においても、前記第2実施形態と同様な効果を奏する。
[比較例1]
次に、本発明の範囲外の比較例1について説明する。
この比較例における水素分離筒は、多孔質セラミックからなる多孔部のみで構成されており、前記第1実施形態の様な緻密部は形成されていない。
本比較例では、まず、YSZに造孔材として有機ビーズを50体積%添加した混合粉末に、バインダと水とを加えて混練して、押出形成用の材料を製造し、その材料を用いて押出成形することにより、水素分離筒となる成形体を作製した。
次に、この成形体を、350℃で10時間脱脂し、1450℃にて焼成することにより、(YSZからなる)多孔質のφ10mm×長さ350mmの支持体を得た。
次に、この支持体の表面に、前記第1実施形態と同様に、YSZスラリーを焼き付けてバリア層を形成し、その後、無電解メッキ法により、バリア層上にPdとAgとを順次成膜した。
その後、同様に、加熱して還元処理を行い、バリア層上にPd−Ag合金からなる水素透過膜を形成し、水素分離筒を得た。
その後、前記第1実施形態と同様にして、水素分離モジュールの組付けを行ったが、その際に、(水素透過膜形成部分にて)同様にトルク10N・mで締め付けたところ、締め付け時に水素分離筒が破損した。
[比較例2]
次に、本発明の範囲外の比較例2について説明する。
この比較例2における水素分離筒は、比較例1と構造が同じであるが、水素分離モジュールにおける締付力が比較例1より小さいものである。
具体的には、本比較例2では、前記比較例1と同様な製造方法にて、水素分離筒を作製し、その後、前記第1実施形態と同様にして、(水素透過膜形成部分にて)トルク5N・mで締め付けて、水素分離モジュールの組付けを行った。
そして、この様にして製造した水素分離筒を備えた水素分離モジュールを用いて、前記第1実施形態と同様にして、Heガスのリークの実験を行った。
その結果、Heの漏出量は、10cc/minであった。
また、前記水素分離モジュールを水中に入れてリーク発生箇所を調べたところ、水素分離筒と取付金具との間からリークが発生していた。
尚、本発明は前記実施形態になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
(1)例えば図12(a)に示す様に、多孔部201と緻密部203との接触部分を斜めに形成することにより、傾斜組成及び傾斜構造(同図の下方ほど緻密部213と同様な構成(例えば気孔率)となる構造)を有する中間部205を形成してもよい。
(2)また、例えば図12(b)に示す様に、多孔部211と緻密部213との間に、組成の異なる複数の層(同図の下方ほど緻密部213に近い組成及び構造となる各層)によって中間部215を形成してもよい。
(3)更に、例えば図12(c)に示す様に、水素分離筒221の開放端側(緻密部223側)の厚みを大きくするようにしてもよい。
(4)また、例えば図12(d)に示す様に、水素分離筒231の緻密部233の外周側にフランジ235を設けてよい。
(5)なお、バリア層や水素透過膜は、多孔部の外周面だけでなく、中間部の外側にまで形成してもよい。
(6)また、前記各実施形態では、多孔部の表面側に水素透過膜を形成したが、それ以外に、例えば多孔部の少なくとも一部に水素透過性金属(例えばPd−Ag合金)を含有させたセラミック膜(例えばYSZ)を設けてもよい。
(7)更に、前記各実施形態では、多孔部の表面側に水素透過膜を形成したが、それ以外に、例えば多孔部の表面等に水素を分離するセラミック分子篩膜(例えばアモルファスシリカ)を設けてもよい。
1、91、101、221、231…水素分離筒
3、93、103…水素分離部
5、95、105、203、213、223、233…緻密部
9、97、109、201、211…多孔部(多孔質支持管)
11、111…バリア層
13、99、113…水素透過膜
15、115…水素分離モジュール
17、117…取付金具
19、143…シール部材
21、121…押圧金具
23、123…固定金具
50…水素分離装置
107、205、215…中間部

Claims (9)

  1. 筒状の多孔質セラミックからなり原料ガスから分離対象となる所定ガスを分離する機能を有するガス分離部と、該ガス分離部の軸方向の端部に同軸に配置された筒状のセラミック製の緻密部とが、一体に形成されたガス分離装置であって、
    前記ガス分離部は、多孔質の筒状のセラミック基体と、該セラミック基体に設けられ前記原料ガスから前記所定ガスを分離するガス分離膜と、を備え、
    且つ、前記セラミック基体と前記緻密部との間に、前記セラミック基体の気孔率より小さい気孔率を有する中間部を備え、
    前記緻密部は、前記原料ガスの透過を防止するとともに前記ガス分離部より強度が高い緻密質セラミックからなることを特徴とするガス分離装置。
  2. 前記中間部は、前記セラミック基体の組成分と前記緻密部の組成分とを所定割合で含むことを特徴とする請求項1に記載のガス分離装置。
  3. 前記中間部は、前記セラミック基体側は前記緻密部に比べて該セラミック基体の組成割合が多く、前記緻密部側は前記セラミック基体に比べて該緻密部の組成割合が多いことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガス分離装置。
  4. 前記ガス分離膜は、前記セラミック基体の表面に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のガス分離装置。
  5. 前記中間部の表面にも前記ガス分離膜が形成されていることを特徴とする請求項4に記載のガス分離装置。
  6. 前記分離対象となる所定ガスは水素であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1
    項に記載のガス分離装置。
  7. 前記分離対象となる所定ガスは水素であり、前記ガス分離膜は、前記セラミック基体の少なくとも一部に水素透過性金属を含有させてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のガス分離装置。
  8. 前記請求項1〜7のいずれか1項に記載のガス分離装置の製造方法であって、
    成形型に、前記緻密部となる第1の材料を充填する工程と、
    前記成形型に、前記セラミック基体となる第2の材料を充填する工程と、
    前記充填された第1の材料及び第2の材料をプレスして成形体を形成する工程と、
    前記成形体に、前記ガス分離膜を形成する工程と、
    を備えるとともに、
    前記第1の材料を充填する工程と、前記第2の材料を充填する工程との間に、前記第1の材料の組成分と前記第2の材料の組成分とを有する前記中間部となる第3の材料を充填する工程をさらに備えたことを特徴とするガス分離装置の製造方法。
  9. 前記請求項1〜7のいずれか1項に記載のガス分離装置の製造方法であって、
    成形型に、流動性を有する前記緻密部となる第1の材料を充填し、その後、該第1の材料を固化する工程と、
    前記成形型に、流動性を有する前記セラミック基体となる第2の材料を充填し、その後、該第2の材料を固化して成形体を形成する工程と、
    前記成形体に、前記ガス分離膜を形成する工程と、
    を備えるとともに、
    前記第1の材料を充填して固化する工程と、前記第2の材料を充填して固化する工程との間に、前記第1の材料の組成分と前記第2の材料の組成分とを有し前記中間部となる第3の材料を充填して固化する工程をさらに備えたことを特徴とするガス分離装置の製造方法。
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