JP5606282B2 - 振動型アクチュエータの制御回路 - Google Patents

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Description

本発明は、振動型アクチュエータの制御回路に関するものである。
超音波モータ、もしくは圧電モータと称される振動型アクチュエータが既に実用化されているが、近年、更なる性能向上を目指し、開発が活発に行なわれている。この振動型アクチュエータは、圧電素子又は電歪素子等の電気−機械エネルギー変換素子に交番電圧を印加することによって、該素子に高周波振動を発生させ、その振動エネルギーを連続的な機械運動として取り出すように構成されている。発生する振動の種類によって、定在波型と進行波型とに分けられる。
図1は、従来の進行波型の振動型アクチュエータの制御系を示したものである。不図示のコントローラより指令速度が与えられ、速度偏差検出器101にエンコーダ等の速度検出器107で得られた相対速度を示す速度信号と指令速度値が入力され、速度偏差信号が出力される。速度偏差信号はPID補償器102に入力され、制御信号が出力される。ここで、PID補償器102とは比例(P)・積分(I)・微分(D)の各機能を有する補償器の出力を加算したものであり、制御対象の位相遅れやゲインを補償して、安定且つ高精度な制御系を構築する為に一般的に用いられる。PID補償器102から出力された制御信号は、制御対象である駆動周波数パルス発生器103に入力される。駆動周波数パルス発生器103は、入力された制御信号に応じた駆動周波数が変化するパルス信号を発生させるものであり、デジタル分周回路やVCO(電圧制御発振器)などが用いられる。また、PWM(パルス幅変調)制御により、制御信号に応じてパルス幅が変化するパルス信号を発生させても良い。駆動周波数パルス発生器103から出力された駆動周波数パルス信号は駆動回路104に入力され、位相が90°異なる2相の交番電圧が出力される。交番電圧は、位相が90°ずれた2相の交番信号である。駆動回路104には、例えばスイッチング機能を有するトランス型昇圧回路やLC昇圧回路等が用いられる。駆動回路104から出力された交番電圧は振動型アクチュエータ105の電気−機械エネルギー変換素子に入力され、振動型アクチュエータ105の移動体は一定速度で駆動される。振動型アクチュエータ105に連結された被駆動体106も同様に一定速度で駆動され、前記速度検出器107によって回転速度が検出され、回転速度が常に指令速度値に近づくようにフィードバック制御される。
図2は、振動型アクチュエータ105の例を示す斜視図である。振動型アクチュエータ105は、電気−機械エネルギー変換素子201と弾性体202との結合体から成る振動体203と、移動体204で構成され、各部材は図中θ方向に円環形状を為している。電気−機械エネルギー変換素子201に2相の交番電圧が印加されると、振動体203に進行性振動波が発生し、振動体203に接触する移動体204は摩擦駆動によって相対的に回転する。
図3は、前記弾性体202を示す図である。弾性体202の移動体204と接触する側には、図に示すように複数の突起301と溝302が交互に設けられている。図の例では1周あたりに各々32個設けられている。このような突起301を設けることにより、移動体204との接触部、つまり突起301の先端部で進行性振動波の振幅を拡大することができ、十分な回転駆動力を得ることができる。以下、本文中の突起とは、移動体204と接触する突起と溝を形成したことにより相対的に凸部となる部分を指す。
前述したPID補償器102を用いたフィードバック制御回路は、振動型アクチュエータ105に限らず、その他の制御対象にも広く使用されるものである。一方、繰返し制御と呼ばれる補償制御方法がある。特許文献1では、ある一定の周期毎に、同じパターンの目標値が繰返し与えられるフィードバック制御系に用いられる繰返し補償器が提案されている。特許文献2では、設定値変更や負荷変動などが周期的に発生するような制御系に用いられる繰返し補償器が提案されている。前記繰返し制御を用いれば、繰返し周期の回数を重ねるごとに出力が目標入力に追従していき、要求される絶対精度が極めて高い制御を得ることができる。しかしながら、振動型アクチュエータに前記繰返し制御を用いた提案及び具体的な構成例はこれまでに無かった。従来の振動型アクチュエータの制御では、一般的なPID補償器102を基本としたフィードバック制御を用いていた。
特公平06−077201号公報 特登録04152239号公報
しかし、従来のPID補償器102を用いた制御系では、振動型アクチュエータ105の駆動中に生じる、弾性体202の突起301の数に応じた周期的な速度変動を十分に抑制できないという課題があった。
図4は、駆動中の振動体203と移動体204の模式的断面図である。振動体203には図中右方向に進行性振動波が発生しており、移動体204は逆方向に回転駆動される。進行性振動波と移動体204との接触部を拡大すると、図のように突起301先端部と移動体204表面が接触する。駆動中において、接触部での接触圧力は理想的には常に一定であるが、実際には突起301及び移動体204ともにその平面の凹凸によって回転位置に応じて異なっている。つまり、接触圧力は移動体204の1回転あたりで、突起301の数だけ変化する。これにより、移動体204の回転と同期して、突起301と移動体204との接触領域分布に応じた振動体203のメカ共振周波数の変動が生じる。このメカ共振周波数の変動は振動体203に生じる振動波の振幅変動となり、移動体204の回転と同期して、接触領域分布、すなわち突起301の数に応じた周期的な速度変動が生じてしまう。
図5は、測定した速度変動の空間周波数分布を示すものである。横軸は空間周波数であり、1回転あたりの速度変動の揺らぎ数(cycles/回転)、すなわち回転次数を示すものである。縦軸は速度変動の振幅(dB)である。この結果は、図1に示した従来の進行波型の振動型アクチュエータの制御回路を用いて制御を行い、速度偏差検出器101から速度偏差信号を外部の測定機器に取り込み、解析したものである。図5より、空間周波数46と92の位置にピークが生じている。ここで、測定に使用した弾性体202の突起301の数は46個である。また、空間周波数92のピークは、空間周波数46の2次高調波成分である。本発明者らは、弾性体202の突起301の数を変更した場合や、回転速度を変更した場合についても測定を行い、いずれの場合においても突起301の数に応じた周期的な速度変動が生じることを確認した。
ここで、例えば複写機の電子写真ドラムを駆動する振動型アクチュエータ105を考え、移動体204を最大で230rpmの回転速度で駆動するものとする。振動型アクチュエータ105は高精度な速度又は位置制御が行えるので、電子写真ドラム用の駆動モータとして使用すれば、色ずれの少ない画像を形成することができる。しかし、230rpmで駆動する場合、前記速度変動は時間周波数に換算すると、176Hzと353Hzで生じることになる。電子写真ドラムに速度変動が生じると、紙に転写された画像には色の濃淡が生じてしまう。これは一般的にバンディングと呼ばれるもので、人間の視感度特性により、空間周波数1cycle/mm付近で生じる濃淡が最も目立つものとなる。これは、電子写真ドラムの回転速度が230rpmの場合、360Hz付近の速度変動が最もバンディングとして目立つ周波数となる。従って、突起301による176Hzの速度変動はもとより、353Hzの速度変動を低減することが必要となる。
しかしながら、176Hzと353Hzの速度変動は制御帯域に対して高域にあるため、従来のPID補償器を用いた制御回路では、制御ゲインをあまり上げることが出来ず、速度変動を十分に低減する事はできなかった。前記制御帯域は、使用するアクチュエータや被駆動体を含めた制御対象にも依るが、一般的には100Hzを超えると位相遅れが大きくなり、高いゲインで制御を行うことは難しくなる。従って、振動型アクチュエータ105の制御回路において、バンディングの防止や、より高精度な速度制御を実現するには、振動体203の接触領域分布に基づく周期的な速度変動を抑制する別系統の制御回路を追加することが必要である。
そこで、本発明では、前記課題を解決する、振動型アクチュエータの制御回路を提供することを目的とする。
本発明の振動型アクチュエータの制御回路は、電気−機械エネルギー変換素子を備えた振動体の前記変換素子に交番電圧を与えて前記振動体に振動波を発生させ、前記振動体の複数の突起に接触する移動体を相対的に回転させる振動型アクチュエータの制御回路であって、
前記制御回路は、前記移動体と前記振動体との相対速度と指令速度との偏差、又は、前記移動体と前記振動体との相対位置と指令位置との偏差、に基づき、前記アクチュエータをフィードバック制御するように構成されていると共に、
繰返し補償器を備え、
前記繰り返し補償器の繰返し周期は、T/(fsの整数倍)
{T:前記回転の周期、fs:前記突起と前記移動体との接触領域分布に基づく速度偏差の空間周波数}に設定されていることを特徴とする。
本発明によれば、振動型アクチュエータの速度・位置制御において、振動体の突起と移動体の接触領域分布に基づく周期的な速度変動を大幅に抑制することが可能となる。従って、複写機の電子写真ドラム駆動に振動型アクチュエータを適用した場合には、バンディングを防止することができる。また、その他の振動型アクチュエータを用いた制御において、高精度な速度・位置制御が可能となる。
従来の進行波型の振動型アクチュエータの制御系を示したものである。 振動型アクチュエータの例を示す部分斜視図である。 図2図示の弾性体の全体を示す図である。 駆動中の振動体と移動体の状態を示す模式的断面図である。 測定した速度変動の空間周波数分布を示すものである。 本発明の実施形態における、振動型アクチュエータの制御系を示す図である。 本発明の繰返し補償器の構成を示す図である。 繰返し補償器に用いるサンプラの機能を示す図である。 繰返し補償器に用いるフィルタの例を示す図である。 繰返し補償器に用いる遅延器の例を示す図である。 本発明の制御回路の動作を示す図である。 負帰還の繰返し補償器の構成を示す図である。 本発明の繰返し補償器において、CICフィルタを用いた構成を示すものである。 一般的なCICフィルタの構成を示す図である。 本発明で用いた2段型のCICフィルタの構成を示す図である。 本発明の実施形態で用いた、並列に2つの繰返し補償器設けた構成を示す図である。 本発明の第1の実施形態の制御回路を適用した場合における、速度変動の空間周波数分布を示す図である。 不等ピッチ型の弾性体の例を示す平面図である。 不等ピッチ型の振動型アクチュエータの速度変動の空間周波数分布を示す図である。 カメラレンズのオートフォーカス駆動などに用いられる、棒状の振動型アクチュエータの分解斜視図である。 弾性体に放射状の溝が設けられた振動体の斜視図である。 負帰還の繰返し補償器の開ループ特性を示すものである。 CICフィルタを用いた繰返し補償器における、繰返しゲインの調整を説明するための図である。 繰り返し補償器の前段にリミッタを設けた場合の構成例を示す模式図である。 外乱としてステップ信号を入力した場合における、速度変動のリミッタによる効果を示す計算結果である。
本発明における振動型アクチュエータの制御回路の実施形態について、図面を参照しながら説明する。本実施形態の振動型アクチュエータの制御回路は、次のような振動型アクチュエータに適用される。即ち、電気−機械エネルギー変換素子を備えた振動体の前記変換素子に交番電圧を与えて前記振動体に振動波を発生させ、前記振動体の複数の突起に接触する移動体を摩擦駆動によって相対的に回転させる、振動型アクチュエータである。
図6は、本発明の実施形態における、振動型アクチュエータの制御系を示すブロック図である。基本的な構成は、図1で示した従来の振動型アクチュエータの制御系と同様であり、同番号を付した構成については、説明が重複するので省略する。
制御回路では、まず不図示のコントローラから出力された指令速度値と、速度検出器107で検出された速度信号を入力として、速度偏差検出器101において速度偏差信号を出力する。なお、ここでいう速度信号は、移動体と一体或いは連結して構成された被駆動体と振動体、若しくは移動体と振動体との相対速度を示す。速度偏差信号はPID補償器102と繰返し補償器601に各々入力され、各補償器で演算処理された信号は出力部で加算される。ここで、本発明におけるPID補償器102はこれに限定されるものではなく、例えば積分器とPID補償器の直列系や、PI補償器や、或いはローパスフィルタ等を前段・後段に組合せた補償器であっても同様の効果を得ることができる。
図7は、図6中の繰返し補償器601の詳細を示す図である。繰返し補償器601に入力された速度偏差信号は、サンプラ701において特定の離散時間でサンプリングされる。サンプリングされた出力信号を図7(a)に示す。説明を分かり易くするため、周期的な速度変動をSin波形で表し、40サンプリング周期における振幅の時間変化を示している。Sin波形の1周期分にあたる10サンプリング周期を説明上、ここでは繰返し周期とする。もちろん、繰返し周期のサンプリング数はこれに限定されるものではなく、適宜調整される。図7(a)の信号は経路705を通り、フィルタ702と遅延器703を通過することで1繰返し周期分遅延され、加算器706にて図7(a)の信号に加算される。1繰返し周期分遅延した信号を図7(b)に示す。同様に、繰返し周期を2回遅延した信号を図7(c)、繰返し周期を3回遅延した信号を図7(d)として示す。加算器706の出力信号は、ゲイン704にて乗算処理され、出力される。図7(e)は、図7(a)、図7(b)、図7(c)、図7(d)を加算した信号であり、繰返し周期を重ねる毎に信号振幅が増大していく様子がわかる。つまり、繰返し補償器は周期的な速度変動を繰返し周期毎に学習していき、繰返し周期に相当する周波数成分を高いゲインで制御することができる。
次に、繰返し補償器601を構成する回路について、より詳細に説明する。
図8は、繰返し補償器に用いるサンプラ701の機能を示す図である。図8(a)は、サンプラ701に入力される信号をSin波形として、2周期分の振幅の時間変化を示している。サンプラ701にはクロック信号が入力され、入力信号はクロック信号がHigh、つまりイネーブルの時にサンプリングされる。図のCLKはクロック信号を示しており、Sin波形の1周期で10クロック動作している。図8(b)は、クロック信号のタイミングで図8(a)の信号をサンプリングして出力した信号を示している。つまり、サンプラ701は入力信号を任意のサンプリング周波数でレート変換して出力する機能を有する。また、前記クロック信号のサンプリング周波数に基づき、繰返し補償器601の加算器706とフィルタ702、遅延器703、ゲイン704の演算処理が行なわれる。従って、繰返し補償器601の繰返し周期は、繰返し補償器601が動作するサンプリング周波数に基づいて決定される。
図9は、繰返し補償器に用いるフィルタ702の一例を示す。フィルタ702には基本的にはローパスフィルタが用いられ、図では4次のFIR(有限インパルス応答)フィルタが示されている。FIRフィルタは、そのインパルス応答が有限時間長で表されるものであり、それがフィルタの係数となっている。入力信号はレジスタ901に順次格納され、1つのレジスタ901で1サンプリング周期遅延する。1サンプリング周期ずつ遅延した信号に各々hからhのフィルタ係数902が乗算され、全て加算された信号が出力される。hからhはフィルタ係数902であり、フィルタのインパルス応答、すなわち周波数特性を決めるものである。前記フィルタ係数902を調整することにより、所望のカットオフ周波数以下の信号を通過させるローパスフィルタを構成することができる。前記カットオフ周波数は、少なくとも繰返し周期の周波数以上に設定することが望ましい。また、FIRフィルタを用いる利点として、直線位相特性を有することが挙げられる。すべての帯域において位相遅れが線形に変化するので、位相補償の設計が容易であり、入力波形に対して出力波形の歪みが生じない。尚、IIR(無限インパルス応答)フィルタは非線形位相特性を有するものであるが、同様に繰返し補償器に用いることは可能である。
図10は、繰返し補償器に用いる遅延器703の一例を示す。図は、8つのレジスタ901から成る遅延器の例であり。各レジスタ901は不図示のサンプリング周波数に基づくクロックで動作し、1サンプリング周期だけ遅延する機能を有する。入力信号はレジスタ901に左から順次格納され、1サンプリング周期ずつ遅延しながら移動し、8サンプリング周期遅延した信号が出力される。
このように、繰返し補償器601の繰返し周期は、サンプラ701のサンプリング周波数に基づき、フィルタ702と遅延器703の構成によって調整することができる。例えば、前記4次のFIRフィルタと8つのレジスタから成る遅延器を用いた場合、繰返し周期は10サンプリング周期となる。ここで、4次のFIRフィルタの遅延数は、レジスタ901数の半分の2サンプリング周期となる。例えば、8次のFIRフィルタならば4サンプリング周期、16次なら8サンプリング周期の遅延数に相当する。つまり、繰返し周期は、(1/サンプリング周波数)×(フィルタと遅延器の遅延数の和)、となる。
本発明では、前記繰返し周期を次の値になるように設定する。即ち、前記移動体204の回転周期をTとし、複数の突起301と移動体204との接触領域分布に基づく速度変動(速度偏差)の空間周波数をfsとした場合に、前記繰返し周期を、T/(fsの整数倍)、或いは、T/(Nの整数倍)に設定する。
ここでNは突起301の数である。なお、設定される繰返し周期は、本発明の効果を大きく損なわない範囲で、具体的には、上記値に対して±10%の範囲内での変動を許容する。そして、上記「T/(fsの整数倍)、或いは、T/(Nの整数倍)に設定する」という表現には、その許容された変動が含まれるものとする。
図11は、本発明の制御回路の動作を示す図である。速度偏差検出器101から出力された速度偏差信号は、PID補償器102と繰返し補償器601に入力され、各々演算処理された出力信号は出力部で加算される。図11(a)及び図11(b)は、繰返し補償器601の入力信号と出力信号を簡易的に示したものである。図11(b)で示される出力信号が時間的に増幅されていくにつれ、図11(a)で示される入力信号が時間的に減衰していく様子が見て取れる。PID補償器102と繰返し補償器601の出力信号は加算された後、駆動周波数パルス発生器103に入力される。駆動周波数パルス発生器103では、入力信号に応じたパルス信号が生成される。前記パルス信号は駆動回路104に入力され、振動型アクチュエータ105を駆動するのに十分な交番電圧に昇圧された後、出力される。前記交番電圧は電気−機械エネルギー変換素子201に印加され、電気−機械エネルギー変換されて振動体203に振動波が発生する。前述したように、振動波による移動体接触部での突起との摩擦によって移動体は回転駆動される。
以上のように、本発明の振動型アクチュエータの制御回路を用いると、振動体203の突起に応じた周期的な速度変動を低減することが可能となる。
尚、本発明の制御回路は、移動体と一体的或いは連結して形成された被駆動体と振動体、或いは移動体と振動体との相対位置と指令位置の位置偏差によるフィードバック制御においても、同様に適用することができる。
(第1の実施形態)
本発明の制御回路を振動型アクチュエータに実際に適用した第1の実施形態を説明する。測定に用いた振動型アクチュエータ105は、弾性体202に突起301が46個設けられた進行波型のものである。
具体的に用いた繰返し補償器601の構成について説明する。ここで、指令速度は230rpm(回転周期T=261ms)、繰返し補償器のサンプリング周波数を10kHzと設定した。この場合、繰返し補償器601の繰返し周期は、先述のT/(fsの整数倍)より、5.7ms(261ms/(46×1))となる。整数倍は等倍とした。
従って、繰返し補償器601のフィルタ702と遅延器703を57サンプリング周期(=5.7ms×10kHz)分遅延するように構成すれば良い。そこで、56次のFIRフィルタを用いて28サンプリング周期遅延させ、遅延器703のレジスタ901を29個設けて、繰返し補償器601を構成した。56次のFIRフィルタのカットオフ周波数は、500Hz程度とした。また、繰返し補償器601の出力を乗算処理するゲイン704によって、PID補償器102のゲインとのバランスを調整した。PID補償器102は、振動体の突起に起因した周期的な速度変動以外の速度変動を、全般的に低減することができる。本発明では、PID補償器102のゲインに対して1:1になるようにゲイン704を設定した。
図17は、第1の実施形態の制御回路を適用した場合における、速度変動の空間周波数分布を示す図である。横軸は1回転あたりの空間周波数であり、縦軸は速度偏差検出器101の速度変動(速度偏差)を示している。比較の為、繰返し補償器が無い場合と、繰返し補償器が有りの場合の結果を示した。繰返し補償器が無い場合に比べ、突起の301の空間的な接触領域分布に基づくと考えられる空間周波数46の速度変動は約20dB低減し、それの2次高調波成分である空間周波数92も10dB以上低減した。2次高調波成分も低減されているのは、繰返し補償器601は正帰還であるので繰返し周波数の2次、3次、4次といった高調波成分が存在し、フィルタ702で設定されたカットオフ周波数以下まで繰返し制御されるためである。このように、本発明の制御回路を適用することにより、振動体の突起に起因した周期的な速度変動を効果的に低減することが可能となる。
(第2の実施形態)
図12は、第2の実施形態に用いた負帰還型の繰返し補償器の構成を示す。第1の実施形態に用いた繰返し補償器601と異なる点は、繰返し補償器の出力を正帰還ではなく、負帰還で入力に戻していることである。図12(a)は、サンプラ701の出力信号を示し、繰返し補償器の演算に用いるサンプリング周波数でサンプリングされている。負帰還の場合、繰返し周期は正帰還の半分となり、図の説明では、5サンプリング周期で表している。図12(a)の信号は経路705を通り、フィルタ702と遅延器703によって5サンプリング周期遅延される。遅延された信号は減算器1301に反転されて入力される。図12(b)は、繰返し周期1回分遅延した信号の反転信号を示している。負帰還では、繰返し周期を半分にすることで、同じ位相の信号波形を繰返すことができる。同様に、繰返し周期を2回遅延した反転信号を図12(c)、繰返し周期を3回遅延した反転信号を図12(d)として示した。減算器1301の出力信号は、ゲイン704にて乗算処理される。図12(e)は、図12(a)の信号に図12(b)、図12(c)、図12(d)を加算した信号であり、正帰還と同様に、繰返し周期を重ねる毎に信号振幅が増大していく様子がわかる。正帰還と負帰還のどちらを用いても良いが、負帰還の場合は半周期の繰返し特性に基づいているため、繰返し周期が小さいのでレジスタ数を抑えることができる。さらには繰返し周期近傍以外の位相変化が少ないので他の制御系と併用する場合に扱いやすい特性を有している。
図22は、本実施形態における繰返し補償器の開ループ特性を示すものである。図22(a)は、正帰還の繰返し補償器の開ループ特性であり、比較する為に示す。図22(b)は、負帰還の繰返し補償器の開ループ特性である。上図はゲインの周波数特性、下図は位相の周波数特性を表している。図より、負帰還にすることで低域の位相が0度になっていることがわかる。さらに、低域のゲインも小さいので、他の制御系に並列に接続しても、繰返し周波数以外での影響は小さい。但し、繰返し周期の周波数を1次とした場合の偶数次のピークは消失するので、高次のピークの速度変動も低減する場合は、後述する第4の実施形態により、偶数次の周波数に応じた繰返し補償器を別途並列に接続する必要がある。
本発明の負帰還型の繰返し補償器を、例えば第1の実施形態で用いた振動型アクチュエータに適用することにより、低コストで、振動体の突起に起因した周期的な速度変動を低減することが可能となる。
(第3の実施形態)
図13は、本発明の繰返し補償器において、CIC(Cascaded Integrator Comb)フィルタ1401を用いた構成を示す。実施形態では、前述の負帰還型の繰返し補償器とした。CICフィルタは、いわゆるノッチ特性を有するComb(櫛型)フィルタと積分器を接続したフィルタであり、FIRフィルタより乗算器を減らすことができ、より簡単な構成でローパスフィルタを構成できる。但し、低次のCICフィルタは減衰特性が緩やかなため、繰返し周期の高次成分を減衰させるように構成すると、繰返し周期の周波数におけるゲインが十分に得られないので、繰返しゲイン1402を設けてゲインを調整する。繰返しゲイン1402は、減算器1301での入出力信号の開ループ特性が繰返し周期の周波数で、ゲインが0dBより小さい範囲で出来るだけ大きなゲインになるよう調整すると、十分なゲインを得ることができる。
図23を用いて、CICフィルタを用いた繰返し補償器における、繰返しゲインの調整方法を説明する。図23(a)は、繰返しゲイン1402を1とした場合の伝達特性である。上図はCICフィルタのゲインの周波数特性であり、下図は繰返し補償器のゲインの開ループ特性を表している。ここでは、繰返し周期の周波数を176Hzとした。繰返し周期の周波数において、CICフィルタのゲインは−3.6dBであり、この結果、繰返し補償器のゲインは小さいピークとなってしまう。これでは、周期的な速度変動を十分に低減することはできない。これに対して、図23(b)は、繰返しゲイン1402を乗算した場合の伝達特性を示すものである。図23(a)と比較して繰返しゲイン1402は1.5倍に調整され、CICフィルタのゲインは繰返し周期の周波数で−0.1dBとなる。この結果、繰返し補償器の開ループ特性におけるゲインを十分大きくすることが可能となる。ここで、繰返しゲイン1402の調整は、ゲインが0dB未満となる範囲で十分に大きくすることが必要である。これは、ゲインが0dB以上となると、繰返し補償器の閉ループ特性が不安定となり、制御系が発振してしまうためである。
図14は、CICフィルタの構成を示す図である。CICフィルタは、微分器1501と積分器1502とゲイン1503で構成される。微分器1501は遅延器1504によって遅延された信号を出力から減算するものであり、ノッチ特性を有するComb(櫛型)フィルタに相当するものである。積分器1502は遅延器1505によって遅延された信号を入力に加算するものであり、これを接続することでローパスフィルタの特性が得られる。例えば、遅延器1504のレジスタ901数を20個、遅延器1505のレジスタ901数を1個とする。ゲイン1503は遅延器1504の遅延数を分母とし、遅延器1505の遅延数を分子とした係数が設定される。この場合、1/20となる。尚、CICフィルタを多段に接続することにより、カットオフ周波数付近でより急峻なローパスフィルタの特性を得ることができる。
図15は、2段型のCICフィルタの構成を示す図である。微分器1501aと微分器1501bは同一であり、遅延器1504aと遅延器1504bも同一である。また、積分器1502aと微分器1502bも同一であり、遅延器1505aと遅延器1505bも同一である。
第1の実施形態で用いた振動型アクチュエータに適用する場合を考える。指令速度は232.5rpm(回転周期T=258ms)、繰返し補償器のサンプリング周波数を10.695kHzと設定した。この場合、繰返し補償器601の繰返し周期は、先述のT/(fs×整数倍)より2.8ms(258ms/(46×2))となる。整数倍は、負帰還であるので2倍とした。
従って、CICフィルタ1401と遅延器703を30サンプリング周期(=2.8ms×10.695kHz)分遅延するように構成すれば良い。そこで、遅延器1504a及び1504bのレジスタ901数を20個、遅延器1505a及び1505bのレジスタ901数を1個として19サンプリング周期遅延させ、遅延器703のレジスタ901数を11個設けて構成した。この場合のゲイン1503は、1/400となる。ここで、CICフィルタの遅延数は、微分器の半分の遅延量から、積分器の半分の遅延量を減算した値となる。この場合は、(20−1)サンプリングで19サンプリング周期分の遅延量となる。
本発明のCICフィルタを用いた繰返し補償器を、例えば第1の実施形態で用いた振動型アクチュエータに適用することにより、低コストで、振動体の突起に起因した周期的な速度変動を低減することが可能となる。
(第4の実施形態)
図16は、本発明の繰返し補償器において、並列に2つの繰返し補償器を設けた構成を示す。実施形態では、前述の負帰還型でCICフィルタを用いた繰返し補償器を用いて、第1の実施形態で用いた振動型アクチュエータに適用した。負帰還型は、開ループ特性のゲインのピークが繰返し周波数の奇数次のみに生じるので、1つの繰返し補償器では速度変動の2次高調波成分は低減できない。従って、空間周波数46の2次高調波成分である、空間周波数92の成分も低減するために、異なる繰返し周期を有する2つの繰返し補償器601を用いている。サンプラ701の出力信号は、空間周波数46の速度変動を抑制する繰返し補償器1701と、空間周波数92の速度変動を抑制する繰返し補償器1702とに入力される。ここで、指令速度は232.5rpm(回転周期T=258ms)、繰返し補償器のサンプリング周波数を10.695kHzと設定した。この場合、繰返し補償器1701の繰返し周期は、先述のT/(fs×整数倍)より2.8ms(258ms/(46×2))となる。整数倍は、負帰還であるので2倍とした。従って、繰返し補償器1701のCICフィルタ1401aと遅延器703aを30サンプリング周期(=2.8ms×10.695kHz)分遅延するように構成すれば良い。そこで、2段型のCICフィルタ1401aを用いて、微分器のレジスタ901数を20個、積分器のレジスタ901数を1個として19サンプリング周期遅延させ、遅延器703aのレジスタ901数を11個設けて、繰返し補償器1701を構成した。また、繰返し補償器1702の繰返し周期は、1.4ms(258ms/(92×2))となるので、半分の15サンプリング周期分遅延するように構成すれば良い。そこで、2段型のCICフィルタ1401bを用いて、微分器のレジスタ901数を10個、積分器のレジスタ901数を1個として9サンプリング周期遅延させ、遅延器703aのレジスタ901数を6個設けて、繰返し補償器1702を構成した。繰返しゲイン1402aと1402bは、負帰還ループでの入出力信号の開ループ特性が、繰返し周期の周波数でゲイン0dBになるよう調整した。また、繰返し補償器1701と繰返し補償器1702の出力を加算し、乗算処理するゲイン704は、PID補償器102のゲインとのバランスを調整することができる。PID補償器102は、振動体の突起に起因した周期的な速度変動以外の速度変動を、全般的に低減することができる。本発明では、PID補償器102のゲインに対して1:1になるよう、ゲイン704を設定した。
本実施形態の繰返し補償器を設けた制御回路を、第1の実施形態で用いた振動型アクチュエータに適用することにより、振動体の突起に起因した周期的な速度変動の基本波だけでなく、2次高調波成分も同様に低減することが可能である。また、振動体の突起301に起因した速度変動が、複数の異なる空間周波数で存在する場合、夫々の空間周波数に応じた複数の繰返し補償器を並列に接続すれば、異なる周期の速度変動を同時に低減することができる。
(第5の実施形態)
本発明の振動型アクチュエータの制御回路は、弾性体に設けられた突起と溝のピッチが周内の領域で異なる振動型アクチュエータ105にも適用することが可能である。以下、これを不等ピッチ型と呼ぶ。
図18は、不等ピッチ型の弾性体の例を示す平面図である。弾性体202には突起と溝が形成されているが、図では省略されている。円環形状の弾性体202は、原点を中心としてθ60°毎に6つの領域に分けられている。例えば、線分1と線分2とで囲まれた領域は突起の数Nは10個であり、隣接する線分2と線分3とで囲まれた領域は突起の数Nは11個である。これが領域毎に、10、11、10、11個と交互に突起の数が設けられている。弾性体202の突起の総数は1周あたり63個であるが、突起と移動体との接触領域分布に基づく速度変動の空間周波数は63cycles/回転の前後にもピークが現れると考えられる。
図19は、不等ピッチ型の振動型アクチュエータにおける速度変動の空間周波数をシミュレーションしたものである。横軸は空間周波数であり、1回転あたりの周波数(cycles/回転)、すなわち回転次数を示すものである。縦軸は速度変動の振幅である。入力信号は、振幅1のSin波形を仮定して計算した。図のように、最も振幅が大きいピークfsは63cycles/回転であるが、その前後に、fs=60とfs=66のピークが現れている。これは、突起10個×6と突起11個×6の成分が空間周波数的には発生する為である。
従って、不等ピッチ型の振動型アクチュエータに本発明の制御回路を適用する場合は、空間周波数fs=60、63、66cycles/回転に対して、繰返し周期の異なる繰返し補償器を並列に接続するように構成すれば良い。
(第6の実施形態)
本発明の振動型アクチュエータの制御回路は、その他の振動型アクチュエータにも適用することが可能である。図20は、カメラレンズのオートフォーカス駆動などに用いられる、棒状の振動型アクチュエータの分解斜視図である。振動型アクチュエータは、振動体2101と、移動体2102とにより構成されている。振動体2101には、摩擦材料を兼ねた第1の弾性体2103、電気−機械エネルギー変換素子である圧電素子2104、圧電素子2104への給電用のフレキシブルプリント基板2105、第2の弾性体2106が設けられている。これら部材は、シャフト2107の突き当てフランジ部2107aとシャフト2107下部のネジ部2107bに嵌る下ナット2108で挟み、加圧締結されている。第1の弾性体2103は、例えばアルミナを主成分とする焼結セラミックであり、上下両面を両刀研削した後に上面の摩擦面側を仕上げポリッシュしている。移動体2102は、接触ばね2109をロータ2110に接着固定されている。これにより、移動体2102は、フランジ2111の軸受部によって回転自在に支持された出力ギア2112と加圧ばね2113によって振動体2101の摩擦面2114に加圧接触されている。
移動体2102の接触ばね2109はステンレスの絞り加工で小さなクランク断面を持つ円筒形状に形成されており、下端面が移動体の摩擦面として振動体の第1の弾性体の摩擦面2114と当接している。フレキシブルプリント基板2105を介して、不図示の電源から圧電素子2104に交番信号を印加する。それにより第1の弾性体2103の摩擦面には直交する2方向の1次の曲げ振動が励起され、時間位相π/2を持って重ね合せることによって、摩擦面2114に回転楕円運動を生じさせる。これにより、摩擦面に加圧接触する接触ばね2109を振動体2101に対して相対移動させる。
図21は、弾性体に放射状の溝が設けられた振動体の斜視図である。図21(a)に示す振動体2101は、第1の弾性体2103の上下面の締結面近傍に、放射状の溝(本例では2個)2201と2202がそれぞれ設けてある。また、図21(b)に示す振動体2101は、第1の弾性体2103の上面に放射状の溝2201が8個設けられている。このような放射状の溝2201を設けることで、大気中の湿度の影響による移動体2102の不起動を防止することができる。
前記複数の放射状の溝2201によって形成される、摩擦面2114(突起に相当)と移動体2102の接触領域分布に基づく速度変動の空間周波数は、図21(a)の例ではfs=2cycles/回転としてピークが現れる。また、図21(b)の例ではfs=8cycles/回転としてピークが現れる。従って、このような振動型アクチュエータに本発明の制御回路を適用する場合、空間周波数fs=2又は8cycles/回転に対して繰返し周期を設定した複数の繰返し補償器を並列に接続し、加算するように構成すれば良い。
(第7の実施形態)
図24は、繰返し補償器の前段にリミッタを設けた場合の構成例を示す図である。繰返し補償器601の前段にリミッタ2401を設けることで、負荷変動による外部からの突発的な外乱などによる制御性への悪影響を除去することができる。これは、前記外乱に含まれる繰返し周期成分の信号まで増幅してしまい、外乱信号が無くなっても不要な制御信号として残ってしまう為である。この対策として、前記リミッタを振動体の突起に起因した周期的な速度変動の最大と最小値を含む範囲に設定すれば、リミッタを超える外乱信号の影響を除去することができる。図24(a)は、外乱としてステップ信号を入力した場合における、リミッタ2401の前段の信号波形を示したものである。横軸は時間、縦軸は速度変動である。外乱は振幅1のステップ信号を1s後に与えた。振動型アクチュエータの伝達特性によって、ステップ信号の応答信号は図のような大きな変動を伴った信号波形となって生じる。図24(b)は、リミッタ2401の後段の信号波形を示したものである。リミッタを通過することで、リミッタの上限と下限を超える範囲の大きな変動は除去される。ここで、リミッタの上限と下限は、±0.1に設定した。つまり、外乱による負荷変動と比較すれば、振動体の突起に起因した速度変動は小さく、リミッタの設定値もPID制御系の入力範囲に対してかなり小さく設定することができる。
図25は外乱としてステップ信号を入力した場合における、速度変動のリミッタによる効果を示す計算結果である。図25(a)は、リミッタを設けない場合の振動型アクチュエータの速度変動を示す信号波形である。図のように、外乱信号の影響が小さくなった後、すなわち1.05s後も、振幅の小さい速度変動が続いている様子がわかる。これは、繰返し周期に相当する周波数信号であり、不要な制御信号であるので、制御性能を悪化させてしまう。これに対して、図25(b)は、リミッタを設けた場合の振動型アクチュエータの速度変動を示す信号波形である。リミッタの効果によって、外乱信号の影響はほとんど生じていない。従って、外乱の影響で制御性能を悪化することなく、振動体の突起に起因した速度変動のみを低減する繰返し補償器を実現できる。
101 速度偏差検出器
102 PID補償器
103 駆動周波数パルス発生器
104 駆動回路
105 振動型アクチュエータ
106 被駆動体
107 速度検出器
601 繰返し補償器
2401 リミッタ

Claims (9)

  1. 電気−機械エネルギー変換素子を備えた振動体の前記変換素子に交番電圧を与えて前記振動体に振動波を発生させ、前記振動体の複数の突起に接触する移動体を相対的に回転させる振動型アクチュエータの制御回路であって、
    前記制御回路は、前記移動体と前記振動体との相対速度と指令速度との偏差、又は、前記移動体と前記振動体との相対位置と指令位置との偏差、に基づき、前記アクチュエータをフィードバック制御するように構成されていると共に、
    繰返し補償器を備え、
    前記繰り返し補償器の繰返し周期は、T/(fsの整数倍)
    {T:前記回転の周期、fs:前記突起と前記移動体との接触領域分布に基づく速度偏差の空間周波数}
    に設定されていることを特徴とする振動型アクチュエータの制御回路。
  2. 前記fsは、前記複数の突起の数に等しいことを特徴とする請求項1記載の振動型アクチュエータの制御回路。
  3. 前記繰返し補償器は、フィルタと遅延器を備えることを特徴とする請求項1記載の振動型アクチュエータの制御回路。
  4. 前記繰返し補償器は、前記繰返し補償器の出力を負帰還で前記繰返し補償器の入力にフィードバックする構成であることを特徴とする請求項1記載の振動型アクチュエータの制御回路。
  5. 前記フィルタは、微分器と積分器とからなるCICフィルタであることを特徴とする請求項3記載の振動型アクチュエータの制御回路。
  6. 前記繰返し補償器の入力にフィードバックされる経路において、ゲインを乗算する乗算器が設けられ、前記乗算器のゲインは、前記繰返し補償器の開ループ特性が前記繰返し周期の周波数で0dB未満になるように設定されていることを特徴とする請求項4記載の振動型アクチュエータの制御回路。
  7. 前記繰返し補償器は、繰返し周期が異なる複数の繰返し補償器から構成されていることを特徴とする請求項1記載の振動型アクチュエータの制御回路。
  8. 前記複数の繰返し補償器は、並列に接続されていることを特徴とする請求項7記載の振動型アクチュエータの制御回路。
  9. 前記繰り返し補償器の前段に、リミッタを備えることを特徴とする請求項1に記載の振動型アクチュエータの制御回路。
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