JPH08294289A - 超音波モータ - Google Patents

超音波モータ

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JPH08294289A
JPH08294289A JP7093283A JP9328395A JPH08294289A JP H08294289 A JPH08294289 A JP H08294289A JP 7093283 A JP7093283 A JP 7093283A JP 9328395 A JP9328395 A JP 9328395A JP H08294289 A JPH08294289 A JP H08294289A
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JP
Japan
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elastic body
ultrasonic motor
driving force
relative motion
pressure
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JP7093283A
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English (en)
Inventor
Michihiro Tobe
通宏 戸部
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 弾性体を相対運動部材に向けて加圧する加圧
力を増大しても、速度むらや耐久性の低下を生じること
がない超音波モータを提供する。 【構成】 加圧機構21を弾性体11の駆動力取出部1
1b,11cが設置された位置又はその周辺に設けて、
弾性体11を加圧する。加圧により弾性体11に生じる
撓みが抑制され、加圧力を増加しても、駆動力取出部1
1b,11cと相対運動部材20との接触面積の減少が
抑制され、弾性体11と相対運動部材20との摺動状態
の不安定や、弾性体11の駆動力取出部11b,11c
の底面における偏磨耗が抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気機械変換素子によ
り弾性体を振動し、複数の振動モードを調和的に発生さ
せて弾性体表面に楕円運動を発生させることにより、弾
性体に接触する相対運動部材との間で相対運動を発生さ
せる超音波モータに関する。
【0002】
【従来の技術】超音波モータは、高トルク,良好な制御
性,高保持力さらには静粛性などの特徴を有しており、
円環型とリニア型とに大別される。円環型のモータは、
カメラのAF用モータなどに用いられている。また、リ
ニア型のモータは、以下のような構造のものが知られて
いる。
【0003】図13は、リニア型超音波モータの従来例
を示す図である。従来のリニア型超音波モータは、棒状
弾性体101の一端側に加振用の変成器102が配置さ
れ、他端側に制振用の変成器103が配置されている。
各変成器102,103には、振動子102a,103
aが接合されている。加振用の振動子102aに発振器
102bから交流電圧を印加して棒状弾性体101を振
動させ、この振動が棒状弾性体101を伝播することに
より進行波となる。この進行波により、棒状弾性体10
1に加圧接触された移動体104が駆動される。
【0004】一方、棒状弾性体101の振動は、制振用
の変成器103を通じて振動子103aに伝えられ、こ
の振動子103aによって振動エネルギーが電気エネル
ギーに変換される。この振動子103aに接続された負
荷103bにより電気エネルギーを消費することにより
振動を吸収する。この制振用の変成器103により、棒
状弾性体101の端面における反射を抑制して、棒状弾
性体101の固有モードの定在波の発生を防いでいる。
【0005】図13のリニア型超音波モータは、移動体
104の移動範囲だけ、棒状弾性体101の長さが必要
であり、その棒状弾性体101の全体を加振しなければ
ならず、装置が大型化するとともに、固有モードの定在
波の発生を防止するために、制振用の変成器103など
が必要となる、という問題があった。
【0006】このような問題を解決するために、自走式
の超音波モータが種々提案されており、例えば、「第5
回電磁力関連のダイナミックシンポジウム講演論文集」
の「222 光ピックアップ移動を目的とした圧電リニ
アモータ」に記載されている「異形縮退縦L1−屈曲B
4モード・平板モータ」が知られている。
【0007】図14は、異形縮退縦L1−屈曲B4モー
ド・平板モータの従来例を示す模式図であって、図14
(A)は正面図、図14(B)は側面図、図14(C)
は平面図である。弾性体1は、矩形平板状の基礎部1a
と,その基礎部1aの一方の面に突起状に形成された駆
動力取出部1b,1cとから構成されている。圧電体
2,3は、弾性体1の基礎部1aの他方の面に貼付さ
れ、縦振動L1モードと屈曲振動B4モードとを発生さ
せる素子である。
【0008】弾性体1における屈曲振動B4モードの腹
となる部分に駆動力取出部1b,1cが設けられ、レー
ルなどの相対運動部材(不図示)に押し付けられる。
【0009】この超音波モータは、弾性体1に生じる縦
振動L1モード及び屈曲振動B4モードそれぞれの固有
振動数が非常に近い値になるように設計されており、2
つの固有振動数に近い周波数の交流電圧を圧電体2,3
に印加することにより二つの振動モードが調和して楕円
運動を発生させる。発生した楕円運動は、駆動力取出部
1b,1cを介して推力として取り出される。図15
は、弾性体1を相対運動部材4に押しつける機構の従来
例を示す模式図である。弾性体1は、駆動力取出部1
b,1cの設置部の中央を、加圧板5及びコイルばね6
により構成される加圧機構7により加圧されて、相対運
動部材4に押しつけられている。
【0010】これは、弾性体1の駆動力取出部1b,1
cの設置部の中央が縦振動及び屈曲振動の共通の節にな
るため、加圧による振動の拘束が最も少ないと考えられ
るからである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】図15に示す加圧機構
7により弾性体1の駆動力取出部1b,1cの設置部の
中央を加圧すると、弾性体1には加圧による撓みが発生
する。図16は、加圧されることにより撓みが発生した
弾性体1を抽出して示す説明図である。
【0012】同図に示すように、弾性体1は中央部を頂
点として弓なりに撓み、このような撓みにより駆動力取
出部1b,1cと相対運動部材4との接触部に微小な隙
間が生じる。ところで、図14ないし図16を参照しな
がら説明してきた超音波モータの駆動力は、弾性体1へ
の加圧力Fと,駆動力取出部1b,1c及び相対運動部
材4間の動摩擦係数μとの積Fμに比例するため、超音
波モータの駆動力を大きくしたい場合には加圧力を大き
くする必要がある。
【0013】しかし、加圧力を大きくすると、図16に
示す弾性体1の撓みが大きくなり、駆動力取出部1b,
1cと相対運動部材4との間の隙間が大きくなって、駆
動力取出部1b,1cと相対運動部材4との接触面積が
減少する。このような接触面積の減少により、弾性体1
と相対運動部材4との摺動状態が不安定になり、速度む
ら等の問題が生じたり、弾性体1の駆動力取出部1b,
1cの底面に偏磨耗が発生して超音波モータの寿命が短
くなってしまう。
【0014】本発明の目的は、弾性体を相対運動部材に
向けて加圧する加圧力を増大することにより超音波モー
タの駆動力の増大を図っても、速度むらや耐久性の低下
を生じることがない超音波モータを提供することであ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、請求項1の発明は、弾性体と,前記弾性体の一方の
面に接続され前記弾性体に縦振動モードと屈曲振動モー
ドとを調和的に発生させ、前記弾性体の他方の面に設け
られる駆動力取出部に楕円運動を生じさせる電気機械変
換素子と,前記駆動力取出部に接触し、前記弾性体に対
して相対的な運動を行う相対運動部材と,前記弾性体を
前記相対運動部材に向けて加圧する加圧機構とを有し、
前記加圧機構は、前記弾性体の前記駆動力取出部が設置
された位置又はその周辺に設けられることを特徴として
いる。
【0016】請求項2の発明は、請求項1の超音波モー
タにおいて、前記加圧機構が、前記電気機械変換素子の
表面側に設けられる加圧板と,前記加圧板を前記相対運
動部材側に向けて加圧する付勢部材とを含むことを特徴
としている。
【0017】請求項3の発明は、請求項1の超音波モー
タにおいて、前記加圧機構が、前記弾性体の側面であっ
て前記駆動力取出部が設置された位置又はその周辺に設
けられる加圧用突起部と,前記加圧用突起部を前記相対
運動部材側に向けて加圧する付勢部材とを含むことを特
徴としている。
【0018】請求項4の発明は、請求項1の超音波モー
タにおいて、前記加圧機構が、前記弾性体の側面であっ
て前記駆動力取出部が設置された位置又はその周辺に設
けられた付勢部材取付部と,前記付勢部材取付部に対し
て前記相対運動部材側に向けて設置されるとともに前記
付勢部材取付部を前記相対運動部材側に向けて引っ張る
付勢部材とを含むことを特徴としている。
【0019】請求項5の発明は、請求項4の超音波モー
タにおいて、前記付勢部材取付部が、前記弾性体に対し
て脱着自在であることを特徴としている。
【0020】請求項6の発明は、請求項1ないし請求項
5のいずれかの超音波モータにおいて、縦振動モードが
1次モードであるとともに屈曲振動モードが4次モード
であり、かつ前記駆動力取出部が前記弾性体の他方の表
面における屈曲振動モードの腹となる部分に配置される
ことを特徴としている。
【0021】請求項7の発明は、請求項1ないし請求項
6のいずれかに記載の超音波モータにおいて、前記電気
機械変換素子は、1つの圧電体の表面部分に複数の電極
が形成され、それらの電極は少なくとも駆動用として用
いられることを特徴としている。
【0022】
【作用】請求項1の発明によれば、加圧機構が弾性体の
駆動力取出部が設置された位置又はその周辺に設けられ
ており、駆動力取出部が設置された位置又はその周辺で
弾性体を加圧するため、加圧により弾性体に生じる撓み
が抑制されるようになる。そのため、加圧力を増加して
も、駆動力取出部と相対運動部材との接触面積の減少が
抑制され、弾性体と相対運動部材との摺動状態の不安定
や、弾性体の駆動力取出部の底面における偏磨耗が可及
的抑制されるようになる。
【0023】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
において、加圧機構を、電気機械変換素子の表面側に設
けられる加圧板と,加圧板を相対運動部材側に向けて加
圧する付勢部材とにより構成するため、極めて簡易な構
造で加圧機構を実現できるようになる。
【0024】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、加圧機構を、弾性体の側面であって駆動力取出部が
設置された位置又はその周辺に設けられる加圧用突起部
と,加圧用突起部を相対運動部材側に向けて加圧する付
勢部材とにより構成するため、弾性体に生じる振動を阻
害することなく、弾性体の加圧を行うことができるよう
になる。
【0025】請求項4の発明は、請求項1の発明におい
て、加圧機構を、弾性体の側面であって駆動力取出部が
設置された位置又はその周辺に設けられる付勢部材取付
部と,付勢部材取付部に対して相対運動部材側に向けて
設置されるとともに付勢部材取付部を前記相対運動部材
側に向けて引っ張る付勢部材とにより構成するため、弾
性体に生じる振動を阻害することなく、弾性体の加圧を
行うことができるようになる。
【0026】請求項5の発明は、請求項4の発明におい
て、付勢部材取付部を、弾性体に対して脱着自在に構成
するため、弾性体の製造が容易になるとともに、弾性体
及び付勢部材取付部それぞれの材質を異ならせることが
できるようになる。
【0027】請求項6の発明は、請求項1ないし請求項
5のいずれかの発明において、駆動源として公知のL1
B4型超音波モータを用いるため、確実かつ簡単に駆動
力を取り出すことができるようになる。
【0028】請求項7の発明は、請求項1ないし請求項
6のいずれかの発明において、電気機械変換素子は、1
つの圧電体の表面部分に複数の電極が形成され、それら
の電極は少なくとも駆動用として用いられ、駆動用に加
えて例えば振動モニタ用や接地用としても用いられるた
め、圧電体自体は1枚であり、弾性体への圧電体の装着
作業が簡素化されるようになる。
【0029】
【実施例】
(第1実施例)以下、図面等を参照して、実施例につ
き、さらに詳細に説明する。図1は、本発明による超音
波モータ単体の第1実施例を全体的に示した斜視図であ
り、図2は、加圧機構を含んだ本発明の超音波アクチュ
エータ全体の正面図である。
【0030】本発明による超音波モータ10は、弾性体
11と,弾性体11の一方の面に接続される電気機械変
換素子である圧電体12と,弾性体11の他方の面に設
けられる駆動力取出部11b,11cに接触する相対運
動部材20と,弾性体11を相対運動部材20に向けて
加圧する加圧機構21とにより構成される。弾性体11
は、平板状の基礎部11aと、この基礎部11aの下面
に突起状に設けられた駆動力取り出しのための駆動力取
出部11b,11cとから構成されている。これらの駆
動力取出部11b,11cは、駆動時に発生する屈曲振
動の腹(振幅最大の部分)の位置に設けられている。
【0031】圧電体12は、電気信号を機械的な変位に
変換する電気機械変換素子であり、本実施例では、駆動
用圧電体12a,12bと振動モニタ用圧電体12p,
12p’とを備える。各圧電体12a,12b,12
p,12p’は弾性体11に例えば接着されて装着され
る。なお、図示していないが、駆動力取出部11b,1
1cと相対運動部材20との間の摺動抵抗を抑制するた
めに、駆動力取出部11b,11cそれぞれの底面に摺
動材を貼付しておいてもよい。
【0032】駆動用圧電体12a,12bは、電気的に
位相が90度異なる交流電圧が印加されることにより、
弾性体11に縦振動モード(本実施例ではL1モード)
と屈曲振動モード(本実施例ではB4モード)の振動を
発生させて、駆動力取出部11b,11cに楕円運動に
よる駆動力を発生させる。振動モニタ用圧電体12p、
12p’は、機械的変位を電気信号に変換する機械電気
変換素子であり、弾性体11に発生する振動の状態をモ
ニタして、後述する制御回路35に出力する。
【0033】なお、図示していないが、弾性体11はG
ND電位に接続されるのが一般的であり、その場合の電
極(共通電極)は、例えば、弾性体11にリード線を半
田付けするか、又はリード線の付いた金属箔を弾性体1
1に接着することにより行えばよい。加圧機構21は、
本実施例では、弾性体11の幅よりも大きな幅の加圧板
21aと,加圧板21aを付勢するコイルばね21b
と,加圧板21aに挿通するガイド棒21cとからな
り、この加圧機構21が弾性体11を相対運動部材20
へ向けて4箇所で加圧するべく4基設置される。本実施
例では付勢部材としてコイルばねを用いているが、これ
に限定されるものではなく、例えば板ばねや皿ばね等の
弾性体を用いてもよい。
【0034】これらの加圧機構21を、本発明では、弾
性体11の駆動力取出部11b,11cが設置された位
置又はその周辺に設ける。本実施例では、駆動力取出部
11b,11cが設置された位置の真上に設けている
が、真上である必要はなく、加圧により弾性体11に著
しい撓みを生じさせない範囲であればよい。これらの加
圧機構21により圧電体21を介して弾性体11を加圧
すると、加圧方向の延長上に駆動力取出部11b,11
cが設置されており、弾性体11のうちの駆動力取出部
11b,11cが設置されていない部分には加圧力は直
接には作用しない。そのため、弾性体11の撓み変形が
抑制されるようになる。したがって、図1及び図2に示
す超音波モータにおいて加圧力を上昇させても、駆動力
取出部11b,11cと相対運動部材20との間の隙間
は殆ど増加せず、駆動力取出部11b,11cと相対運
動部材20との接触面積も殆ど減少しないため、駆動力
取出部11b,11cと相対運動部材20との接触状態
が加圧力の増加に影響されずに安定に維持される。
【0035】このようにして、本実施例により、従来の
技術で懸念されていた加圧力上昇に起因する速度むらや
寿命低下の問題が解消される。なお、本発明では、従来
のように縦振動及び屈曲振動の共通の節ではない位置を
加圧することになるが、この節をずれた位置で押さえる
ことによる振動阻害効果よりも加圧力を上昇させて駆動
力を上昇させる効果のほうが大きく、駆動力上昇は十分
に達成される。
【0036】図3は、図1及び図2の超音波モータ10
の駆動回路の構成例を示すブロック図である。発振器3
1は、弾性体11と圧電体12とから構成される振動体
の1次の縦振動モード及び4次の屈曲振動モードそれぞ
れに相当する周波数の信号を発振するためのものであ
る。発振器31の出力は分岐して、一方の出力は、増幅
器33によって増幅された後に、A相電圧として、駆動
用圧電体12aの電極に入力される。また、分岐した他
方の出力は、移相器32に接続されており、移相器32
によって、A相電圧とはπ/2だけ位相をずらしてB相
電圧とした後に、増幅器34を介して、駆動用圧電体1
2bの電極に入力される。
【0037】制御回路35は、振動モニタ用圧電体12
p,12p’の出力電圧が入力されており、予め設定さ
れていた基準電圧と比較して、p,p’端子の出力の方
が小さいときには周波数を低く、また、p,p’端子の
出力の方が大きいときには周波数を高くするように、発
振器31を制御する。これにより、超音波モータの振動
振幅が所定の大きさに保持される。
【0038】図4は、図3の超音波モータの動作を説明
するための図である。この超音波モータ10は、駆動用
圧電体12a,12bに電気的に位相が90度異なる交
流電圧を印加することにより、屈曲振動と縦振動との複
合振動を起こし、弾性体11の駆動力取出部11b,1
1cの先端に楕円運動を発生させる。そして、弾性体1
1は、駆動用圧電体12a,12bが貼ってある面から
加圧板21aによって加圧され、駆動力取出部11b,
11cを相対運動部材20に接触させ、駆動力を得る。
【0039】なお、本実施例では、駆動用圧電体12
a,12bは互いに極性が同一方向になるように分極さ
れ、印加される高周波電圧A,Bはπ/2の時間的位相
差を有しているが、これに限定する必要があるものでは
なく、駆動用圧電体12a,12bの分極は互いに逆方
向であってもよい。図4(A)は、超音波モータに入力
される2相の高周波電圧A,Bの時間的変化をt1 〜t
9 で示す。図4(A)の横軸は、高周波電圧の実効値を
示す。図4(B)は、超音波モータの断面の変形の様子
を示し、超音波モータに発生する屈曲振動の時間的変化
(t1 〜t9 )を示す。図4(C)は、超音波モータの
断面の変形の様子を示し、超音波モータに発生する縦振
動の時間的変化(t1 〜t9)を示す。図4(D)は、
超音波モータの駆動力取出部11b,11cに発生する
楕円運動の時間的変化(t1 〜t9 )を示す。
【0040】次に、この実施例の超音波モータの動作
を、時間的変化(t1 〜t9 )ごとに説明する。時間t
1 において、図4(A)に示すように、高周波電圧Aは
正の電圧を発生し、同様に高周波電圧Bは同一の正の電
圧を発生する。図4(B)に示すように、高周波電圧
A,Bによる屈曲運動は互いに打ち消し合い、質点Y1
とZ1とが振幅零となる。また、図4(C)に示すよう
に、高周波電圧A,Bによる縦振動は伸張する方向に発
生する。質点Y2とZ2とは矢印で示されるように、節
Xを中心にして最大の伸長を示す。その結果、図4
(D)に示すように、上記両振動が複合され、質点Y1
とY2との運動の合成が質点Yの運動となり、また、質
点Z1とZ2との運動の合成が質点Zの運動となる。
【0041】時間t2 において、図4(A)に示すよう
に、高周波電圧Bは零となり、高周波電圧Aは正の電圧
を発生する。図4(B)に示すように、高周波電圧Aに
よる屈曲運動が発生し、質点Y1が正方向に振幅し、質
点Z1が負方向に振幅する。また、図4(C)に示すよ
うに、高周波電圧Aによる縦振動が発生し、質点Y2と
質点Z2とが時間t1 のときよりも縮む。その結果、図
4(D)に示すように、上記両振動が複合され、質点Y
とZとが時間t1 のときよりも右回りに移動する。
【0042】時間t3 において、図4(A)に示すよう
に、高周波電圧Aは正の電圧を発生し、同様に高周波電
圧Bは同一の負の電圧を発生する。図4(B)に示すよ
うに、高周波電圧A及びBによる屈曲運動が合成されて
増幅され、質点Y1が時間t2 のときよりも正方向に増
幅され、最大の正の振幅値を示す。質点Z1が時間t2
のときよりも負方向に増幅され、最大の負の振幅値を示
す。また、図4(C)に示すように、高周波電圧A及び
Bによる縦振動が互いに打ち消しあい、質点Y2とZ2
とが元の位置に戻る。その結果、図4(D)に示すよう
に、上記両振動が複合され、質点YとZとが時間t2
ときよりも右回りに移動する。
【0043】時間t4 において、図4(A)に示すよう
に、高周波電圧Aは零となり、高周波電圧Bは負の電圧
を発生する。図4(B)に示すように、高周波電圧Bに
よる屈曲運動が発生し、質点Y1は時間t3 のときより
も振幅が低下し、質点Z1は時間t3 のときよりも振幅
が低下する。また、図4(C)に示すように、高周波電
圧Bによる縦振動が発生し、質点Y2とZ2が収縮す
る。その結果、図4(D)に示すように、上記両振動が
複合され、質点YとZとが時間t3 のときよりも右回り
に移動する。
【0044】時間t5 において、図4(A)に示すよう
に、高周波電圧Aは負の電圧を発生し、同様に高周波電
圧Bは同一の負の電圧を発生する。図4(B)に示すよ
うに、高周波電圧A,Bによる屈曲運動は互いに打ち消
し合い、質点Y1とZ1とが振幅零となる。また、図4
(C)に示すように、高周波電圧A,Bによる縦振動は
収縮する方向に発生する。質点Y2とZ2とは矢印で示
されるように、節Xを中心にして最大の収縮を示す。そ
の結果、図4(D)に示すように、上記両振動が複合さ
れ、質点YとZとが時間t4 のときよりも右回りに移動
する。
【0045】時間t6 〜t9 に変化するにしたがって、
上述の原理と同様に屈曲振動及び縦振動が発生し、その
結果、図4(D)に示すように、質点Y及び質点Zが右
回りに移動し、楕円運動をする。以上の原理により、こ
の超音波モータは、駆動力取出部11b,11cとの先
端に楕円運動を発生させ、駆動力を発生させる構成とな
っている。したがって、駆動力取出部11b,11cの
先端を相対運動部材20に加圧すると、相対運動部材2
0は駆動される。
【0046】図5は、図1ないし図4により説明した本
発明にかかる超音波モータを用いた駆動装置の全体構成
例を示す図であり、図5(A)は正面図,図5(B)は
図5(A)におけるA−A断面図である。圧電体12を
貼付された弾性体11と,この弾性体11に設けられた
駆動力取出部11b,11cに接触する相対運動部材2
0と,弾性体11を相対運動部材20へ向けて加圧する
加圧機構21とを備える本発明の超音波モータは、図5
(B)に示す溝型の段面形状を有する連結部材25の一
つの内面25aと,これと対向する内面25bに固定さ
れる溝型の断面形状のリニアガイド24に支持されるリ
ニアガイドレール23の外面23aとの間に、設置され
る。
【0047】すなわち、加圧機構21のうちのコイルば
ね21b及びガイド棒21cの一端は連結部材25の内
面25aに固定されており、一方、相対運動部材20と
リニアガイドレール23とは、本実施例ではねじ止めに
より、固定されている。このように構成された駆動装置
において圧電体12に高周波電圧を印加して弾性体11
に楕円振動を発生させると、 連結部材25が固定されている場合、すなわち超音波
モータが移動しない場合には、相対運動部材20とリニ
アガイドレール23とが一体となって相対移動する。 相対運動部材20が固定されている場合、すなわち超
音波モータが移動する場合には、超音波モータ本体、連
結部材25及びリニアガイド24が一体となって相対移
動する。
【0048】(第2実施例)図6は、第2実施例による
超音波モータを用いた駆動装置を示す図であり、図6
(A)は正面図,図6(B)は図6(A)におけるA−
A断面図である。なお、以下に示す各実施例では、第1
実施例と同様な機能を果たす部分には、同一の符号を付
して、重複する説明を適宜省略する。第2実施例の超音
波モータは、図2に示す第1実施例の超音波モータにお
いて矩形平板型の加圧板21aの形状を、対向する二つ
の縁部にフランジ26a,26bを有する加圧板26を
用い、この加圧板の中央部を挿通する2本のガイド棒2
1cとコイルばね21bとにより加圧するものである。
【0049】弾性体11は、フランジ26a,26bに
より加圧されるため、第1実施例と加圧状態は同じであ
り、加圧板26を用いたことでガイド棒21cとコイル
ばね21bとを2組使用するだけで済むため、第1実施
例に比べて構造を簡素化できるという効果が得られる。
【0050】(第3実施例)図7及び図8は、ともに本
発明による超音波モータを示す図であり、図7は超音波
モータ単体を抽出して示す斜視図であり,図8は全体構
成を示す正面図である。第3実施例の超音波モータ10
−2は、第1実施例の超音波モータ10と基本的に同様
に構成されるが、相違点は、電気機械変換素子が一つの
圧電体12の表面に接地用電極(図示しない),駆動用
電極14a,14b及び振動モニタ用電極14p,14
p’に分極されている点である。
【0051】すなわち、弾性体11の表面に例えば接着
等により装着される圧電体12が本実施例では1枚であ
るため、超音波モータ10−2の製造が簡略化されると
いう効果がある。
【0052】(第4実施例)図9及び図10は、ともに
本発明による超音波モータを示す図であり、図9は超音
波モータ単体を抽出して示す斜視図であり,図10
(A)は全体構成を示す正面図,図10(B)は図10
(A)のA−A断面図である。第4実施例の超音波モー
タ10−3は、第1実施例の超音波モータ10と基本的
に同様に構成されるが、相違点は、加圧機構21とし
て、弾性体11の側面であって駆動力取出部11b,1
1cが設置された位置又はその周辺(本実施例では駆動
力取出部11b,11cの設置位置)に加圧用突起27
を4個配設し、各加圧用突起27を4組のコイルばね2
1b及びガイド棒21cにより加圧するように構成した
点である。
【0053】加圧機構21が圧電体12を介して弾性体
11を加圧するものではないため、加圧に起因して圧電
体12に生じる導電不良を解消できる。
【0054】(第5実施例)図11及び図12は、とも
に本発明による超音波モータを示す図であり、図11
(A)及び図11(B)はともに超音波モータ単体を抽
出して示す斜視図であり,図12は(A)は全体構成を
示す正面図,図12(B)は図12(A)のA−A断面
図である。
【0055】本実施例の超音波モータ10−4では、加
圧機構21として、弾性体11の側面であって駆動力取
出部11b,11cが設置された位置又はその周辺(本
実施例では駆動力取出部11b,11cの設置位置)
に、中心部に引張ばね取付穴28aを有する引張ばね取
付部28を4個配設する。この引張ばね取付部28は、
図11(B)に示すように、弾性体11の側面に取付穴
11dを設けてこれに嵌合させることにより、弾性体1
1に対して脱着自在に取り付けておいてもよい。
【0056】そして、この引張ばね取付穴28aに引張
ばね21dの一端を引っかけ、もう一端を図12(A)
及び図12(B)に示すように、リニアガイド24を支
持する支持板29に引っかける。このようにして弾性体
11を相対運動部材20に向けて加圧することとしても
よい。溝型の連結部材25が不要となり、構造が簡素化
される。
【0057】(変形例)以上説明した実施例に限定され
ず、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明
に含まれる。例えば、超音波モータは、縦−屈曲複合振
動を利用した超音波モータを用いた例を示したが、例え
ばいわゆるL1−B2型等の他の原理によって駆動され
る超音波モータを用いる場合でも本発明と同様の効果を
得ることができる。また、実施例1ないし実施例5にお
いては、電気機械変換素子として圧電体を利用したが、
これに限定されるものではなく圧電体の代わりに電歪体
等を用いることも可能である。
【0058】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、加圧により弾
性体に生じる撓みが最小限に抑制されるため、加圧力を
増加しても、駆動力取出部と相対運動部材との接触面積
の減少が抑制され、弾性体と相対運動部材との摺動状態
の不安定や、弾性体の駆動力取出部の底面における偏磨
耗が可及的抑制される。
【0059】請求項2の発明によれば、極めて簡易な構
造で加圧機構を実現できる。請求項3の発明によれば、
弾性体に生じる振動を抑制して、弾性体の加圧を行うこ
とができる。請求項4の発明によれば、弾性体に生じる
振動を抑制して、弾性体の加圧を行うことができる。
【0060】請求項5の発明によれば、弾性体の製造が
容易になるとともに、弾性体及び付勢部材取付部それぞ
れの材質を違うものにすることができるようになる。請
求項6の発明によれば、確実かつ簡単に駆動力を取り出
すことができるようになる。請求項7の発明によれば、
圧電体自体は1枚で済むため、弾性体への圧電体の装着
作業が簡略化されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超音波モータ単体の第1実施例を全体
的に示した斜視図である。
【図2】加圧機構を含んだ本発明の超音波アクチュエー
タ全体の正面図である。
【図3】本発明の超音波モータの駆動回路を示すブロッ
ク図である。
【図4】超音波モータの動作を説明するための図であ
る。
【図5】本発明の超音波モータを用いた駆動装置の全体
構成例を示す図である。
【図6】第2実施例による超音波モータを用いた駆動装
置の全体構成例を示す図である。
【図7】第3実施例による超音波モータ単体を抽出して
示す斜視図である。
【図8】第3実施例による超音波モータの全体構成を示
す正面図である。
【図9】第4実施例による超音波モータ単体を抽出して
示す斜視図である。
【図10】第4実施例による超音波モータを示す図であ
る。
【図11】第5実施例による超音波モータ単体を抽出し
て示す斜視図である。
【図12】第5実施例による超音波モータを示す図であ
る。
【図13】リニア型超音波モータの従来例を示す図であ
る。
【図14】異形縮退縦L1−屈曲B4モード・平板モー
タの従来例を示す模式図である。
【図15】弾性体を相対運動部材に押し付ける機構の従
来例を示す模式図である。
【図16】弾性体に生じる撓み状態を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
10−1,10−2,10−3,10−4 超音波モー
タ 11 弾性体 11a 基礎部 11b,11c 駆動力取出部 11d 取付穴 12 圧電体 12a,12b 駆動用圧電体 12p,12p’ 振動モニタ用圧電体 14a,14b 駆動用電極 14p,14p’ 振動モニタ用電極 20 相対運動部材 20a 接触面 20b 対向面 21 加圧機構 21a 加圧板 21b コイルばね 21c ガイド棒 21d 引張ばね 23 リニアガイドレール 23a 外面 24 リニアガイド 25 連結部材 25a.25b 内面 26 加圧板 26a,26b フランジ 27 加圧用突起 28 引張ばね取付部 28a 引張ばね取付穴 29 支持板 31 発振器 32 移相器 33,34 増幅器 35 制御回路

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弾性体と,前記弾性体の一方の面に接続
    され前記弾性体に縦振動モードと屈曲振動モードとを調
    和的に発生させ、前記弾性体の他方の面に設けられる駆
    動力取出部に楕円運動を生じさせる電気機械変換素子
    と,前記駆動力取出部に接触し、前記弾性体に対して相
    対的な運動を行う相対運動部材と,前記弾性体を前記相
    対運動部材に向けて加圧する加圧機構とを有し、 前記加圧機構は、前記弾性体の前記駆動力取出部が設置
    された位置又はその周辺に設けられることを特徴とする
    超音波モータ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された超音波モータにお
    いて、 前記加圧機構は、前記電気機械変換素子の表面側に設け
    られる加圧板と,前記加圧板を前記相対運動部材側に向
    けて加圧する付勢部材とを含むことを特徴とする超音波
    モータ。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載された超音波モータにお
    いて、 前記加圧機構は、前記弾性体の側面であって前記駆動力
    取出部が設置された位置又はその周辺に設けられる加圧
    用突起部と,前記加圧用突起部を前記相対運動部材側に
    向けて加圧する付勢部材とを含むことを特徴とする超音
    波モータ。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載された超音波モータにお
    いて、 前記加圧機構は、前記弾性体の側面であって前記駆動力
    取出部が設置された位置又はその周辺に設けられた付勢
    部材取付部と,前記付勢部材取付部に対して前記相対運
    動部材側に向けて設置されるとともに前記付勢部材取付
    部を前記相対運動部材側に向けて引っ張る付勢部材とを
    含むことを特徴とする超音波モータ。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載された超音波モータにお
    いて、 前記付勢部材取付部は、前記弾性体に対して脱着自在で
    あることを特徴とする超音波モータ。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のいずれか1項
    に記載された超音波モータにおいて、 前記縦振動モードは1次モードであるとともに屈曲振動
    モードは4次モードであり、かつ前記駆動力取出部は前
    記弾性体の他方の表面における屈曲振動モードの腹とな
    る部分に配置されることを特徴とする超音波モータ。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項6のいずれか1項
    に記載された超音波モータにおいて、 前記電気機械変換素子は、1つの圧電体の表面部分に複
    数の電極が形成され、それらの電極は少なくとも駆動用
    に用いられることを特徴とする超音波モータ。
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