JPH0677201A - 基板洗浄方法 - Google Patents

基板洗浄方法

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JPH0677201A
JPH0677201A JP15666893A JP15666893A JPH0677201A JP H0677201 A JPH0677201 A JP H0677201A JP 15666893 A JP15666893 A JP 15666893A JP 15666893 A JP15666893 A JP 15666893A JP H0677201 A JPH0677201 A JP H0677201A
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JP
Japan
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cleaning
substrate
cleaning liquid
substrates
particles
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JP15666893A
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English (en)
Inventor
Kiyoo Fujinaga
清雄 藤永
Naomi Arita
直美 有田
Yoshitaka Dansui
慶孝 暖水
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基板洗浄工程中に基板から離散したパーティ
クルが隣接した基板に再付着することを防止する。 【構成】 本発明の基板洗浄方法によれば、基板6、7
及び8を洗浄液2に浸漬する速度(V)、基板間隔
(l)、基板を浸漬する方向に沿って測った長さ
(L)、及び、洗浄液2の表面においてパーティクル9
が移動する速度(v)が、次の不等式 lV≧vL を満足する。このことにより、洗浄液2の表面に対して
垂直に入れた基板7から離散するパーティクルが、隣接
した基板6に到着する前に基板6を洗浄液中に完全に浸
漬することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基板の洗浄方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図8を参照しながら、従来の半導体基板
(以下、単に「基板」と称することがある)のバッチ式
ウェット洗浄方法を説明する。
【0003】この基板の洗浄方法は、実質的に平行に配
列された複数の基板14、15及び16を、洗浄液2の
表面から洗浄液2中に浸漬する工程を有している。洗浄
液2は、洗浄槽1に蓄えられている。洗浄槽1の底部に
は洗浄液供給口4が設けられており、洗浄液供給口4か
ら洗浄槽1へ洗浄液2が供給される。洗浄槽1内には、
整流板3が設けられている。この整流板3によって、洗
浄液2の流れ5は層流に保たれている。洗浄槽1の上部
は解放されており、洗浄液2はオーバーフローしてい
る。
【0004】複数の基板14、15及び16は、不図示
のウェハキャリアに配列され、ウェハキャリアごと洗浄
液2中に浸漬される。一般に使用されているウエハキャ
リアには、複数の半導体基板をそれぞれ支持するための
複数の溝(ピッチ:4.76mm)が設けられている。
基板の厚さ0.65mmを考慮すると、ウェハキャリア
に配列された基板の間隔(l)はl=4.11mmとな
る。基板の間隔(l)は、20年程前に設定されたSE
MIの規格により、20年間変化していない。このよう
に狭い間隔で多数の基板を配列して洗浄液2に浸漬すれ
ば、洗浄工程の効率は高められる。また、洗浄槽1の小
型化による液使用量の低減により、洗浄工程のコストダ
ウンがもたらされる。
【0005】なお、基板の直径は大きくなる傾向にあ
る。すなわち、浸漬方向に沿って計測した基板の長さ
(L)は、長くなる方向にある。一方、浸漬速度(V)
は、スループットの改善に向けて高速化の努力がなされ
ているが、駆動部の部品、制御系から来る限界で現状で
は、最速で200mm/秒程度である。高速化は、あく
までスループット向上を目的としている。
【0006】従来の洗浄方法によれば、図8に示される
ように、多数のパーティクル9が裏面に付着した第1の
基板14、第2の基板15、第三の基板16が、洗浄液
の表面に対して垂直に、かつ同時に、洗浄液2中に浸漬
される。このようにして浸漬された第1の基板14に付
着していたパーティクル9の大部分は、洗浄液2に入る
ことで第1の基板14から離散し、洗浄液の流れ5によ
って洗浄槽1から取り除かれる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来技術には、各基板の裏面に付着していたパーティク
ル9の一部が、洗浄工程中に、対面する基板の表面に再
付着(転写)するという問題がある。パーティクル9の
転写は、基板表面に形成される半導体装置の製造歩留り
を低下させる。特に、微細な半導体素子にとっては、サ
ブミクロンの大きさのパーティクルであっても、製造歩
留りを低下させる。従って、洗浄工程におけるパーティ
クルの転写は、半導体装置の製造歩留り改善にとって重
要な課題である。
【0008】しかしながら、転写もとの半導体基板の裏
面の汚染の程度は、半導体製造装置の自動化に伴い、深
刻化している。これは、半導体基板を搬送する時や、半
導体基板に対して各種の処理を行う時に、半導体基板の
裏面が支持台などの接触する機会が増加したためであ
る。また、半導体装置の構造の複雑化に伴って製造工程
数が増加し、それによって上記接触回数は更に増加しつ
つある。
【0009】基板裏面の汚染を低減するために、従来技
術では、基板裏面にパーティクルをできるだけ付着させ
ないようにする方法、又は、付着したパーティクルを出
来る限り取り除く方法が採用されてきた。前者の方法
は、基板搬送時及び処理時に、基板裏面が他の機械要素
に接触する回数及び接触面積を縮小する。この方法は、
接触面積の縮小がほぼ限界がきているという問題を有し
ている。後者の方法は、付着したパーティクルをスクラ
バを用いて取り除く。この方法は、工程数の増加による
設備投資の増大という問題を有している。
【0010】本発明の目的は、上記問題点を解決するも
ので、基板から離散したパーティクルの基板への再付着
を防止できる基板洗浄方法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の基板洗浄方法
は、実質的に平行に配置された複数の基板を洗浄液に浸
漬させ、それによって、該基板の各々に付着した粒子を
除去する基板洗浄方法であって、該洗浄方法は、該基板
を、該洗浄液の表面から該洗浄液中に速度(V)で浸漬
する工程を包含しており、該基板を該洗浄液に浸漬する
該速度(V)と、該基板の間隔のうち最小の間隔(l)
と、該基板を浸漬する方向に沿って測った該基板の長さ
(L)と、該洗浄液の該表面において、該基板の裏面に
垂直な方向に、該粒子が移動する速度(v)とが、次の
不等式 lV≧vL を満足し、そのことによって上記課題が解決される。
【0012】ある実施例では、前記複数の基板と前記洗
浄液の前記表面とが実質的に垂直となる方向に沿って、
該複数の基板を前記洗浄液に浸漬させる。
【0013】ある実施例では、前記粒子の主成分は、シ
リコンである。ある実施例では、前記洗浄液は、硫酸と
過酸化水素水とを含む混合液である。
【0014】ある実施例では、底部に開口部を有する洗
浄槽に前記洗浄液を蓄え、該開口部から該洗浄液を該洗
浄槽中に供給して、それによって該洗浄液を該洗浄槽か
らオーバフロウさせながら、前記基板を該洗浄液中に浸
漬する。
【0015】本発明による他の基板洗浄方法は、複数の
基板を洗浄液に浸漬させ、それによって、該基板の各々
に付着した粒子を除去する基板洗浄方法であって、該洗
浄方法は、該複数の基板のうち2枚以上の基板が、同時
に、該洗浄液の表面より上に露出しないように、該複数
の基板を一枚ずつ該洗浄液中に浸漬させ、そのことによ
って上記課題が解決される。
【0016】ある実施例では、底部に開口部を有する洗
浄槽に前記洗浄液を蓄え、該開口部から該洗浄液を該洗
浄槽中に供給して、それによって該洗浄液を該洗浄槽か
らオーバフロウさせながら、前記基板を該洗浄液中に浸
漬する。
【0017】
【作用】今回、我々の実験の結果、次のことが判明し
た。転写されるパーティクルの数は、基板を洗浄液に浸
漬する速度(V)を一定とすると、基板間隔(1)と基
板の浸漬方向長さ(L)に依存し、基板間隔と浸漬方向
長さの比(1/L)が大きいほど少なく、また、浸漬速
度(V)が速いほど少なくなる。従って、パーティクの
ル転写を防ぐには基板間隔(1)、浸漬速度(V)を大
きく、基板長さ(L)を小さくすればよい。本発明の方
法によれば、上記三つのパラメータの関係がパーティク
ル転写の発生しない条件を満たすようにして、基板を洗
浄する。
【0018】本発明の基板洗浄方法によれば、lV≧v
Lの関係を満足することにより、洗浄液にその液面に対
して垂直に入れた基板から離散するパーティクルが、隣
接した基板に到着する前に基板を洗浄液中に全て浸漬す
ることができる為、基板から離散したパーティクルが隣
接した基板に再付着することを防止できる。
【0019】また、本発明の他の基板洗浄方法によれ
ば、2枚以上の基板が同時に洗浄液表面に存在しないよ
うに一枚ずつ浸漬させることにより、n+1枚目の基板
を洗浄液中に入れる際には、n枚目の基板から離散した
パーティクルは洗浄槽外に除去されている為、n枚目の
基板から離散したパーティクルがn+1枚目の基板に再
付着することを防止できる。
【0020】
【実施例】本発明者は、ウエット洗浄工程におけるパー
ティクルの再付着(転写)現象のメカニズムを解明する
ために、以下の実験を行った。図1(a)及び(b)
は、その実験に用いた装置の概略構成を示している。図
1(a)に示されるように、実質的に平行に配列された
2枚の半導体基板6及び7を、硫酸と過酸化水素水の混
合液(洗浄液)2中にその表面から浸漬する。洗浄工程
前、第1の半導体基板6の表面は汚染されていないが、
第2の半導体基板7の裏面は、パーティクル9で汚染さ
れている。第1及び第2の半導体基板6及び7は、第1
の半導体基板6の表面と第2の半導体基板7の裏面が向
い合い、それぞれの半導体基板のオリフラ位置12が上
になるような配置(図2(b))で、洗浄液2中に浸漬
速度Vで浸漬される。
【0021】本実験で使用した第2の半導体基板7の裏
面にはSiが露出しており、第1の半導体基板6の表面
にはSiO2が露出している。すなわち、第1の半導体
基板6は、SiO2膜が表面に形成された通常のSi基
板である。洗浄工程の前に、多数のパーティクルが付着
した真空ピンセット及びベーキング用ステージによっ
て、第2の半導体基板7の裏面には、多数のパーティク
ルが付着された。
【0022】洗浄液2は、洗浄槽1に蓄えられている。
洗浄槽1の底部には洗浄液供給口4が設けられており、
洗浄工程中においても、洗浄液供給口4から洗浄槽1へ
洗浄液2が供給され続けている。洗浄槽1の上部は解放
されており、洗浄液2は洗浄槽1からオーバーフローし
ている。洗浄槽1内の底部には、整流板3が配置されて
いる。この整流板3によって、洗浄液2の流れ5は層流
に保たれている。
【0023】半導体基板6及び7を洗浄液2に浸漬する
前に、半導体基板を支持するための複数の溝が4.67
mmの間隔で設けられたウエハキャリア(不図示)に、
半導体基板6及び7を挿入する。その後、それらの半導
体基板6及び7をウエハキャリアとともに洗浄液2中に
所定の速度で浸漬する。半導体基板6及び7をウエハキ
ャリアに挿入する仕方として、半導体基板の間隔が4.
11mmとなるように半導体基板を挿入する場合と、
8.87mmとなるように挿入する場合とについて、実
験を行った。なお、半導体基板6及び7としては、直径
150mmΦの基板を使用した。
【0024】第1の半導体基板6の表面及び第2の半導
体基板7の裏面のパーティクル汚染の評価は、レーザ光
散乱型の表面異物検査装置を用いて行った。この表面異
物検査装置によれば、半導体基板の周辺領域(幅10m
mの領域)が非検出領域とされ、例えば、0.3μm以
上の粒径のパーティクルの数が9999までカウントさ
れる。カウントされたパーティクルの位置は、2次元的
に表示(マップ表示)される。パーティクルのカウント
は、半導体基板の中心から半導体基板の周辺に向かって
行われる。トータルカウント数が9999個を越えた場
合、それ以降は無表示となる。
【0025】図2(a)は、汚染源としてベーキング用
ステージを用いた場合のパーティクル転写を示してい
る。図2(b)は、汚染源として真空ピンセットを用い
た場合のパーティクル転写を示している。図示されてい
るのは、上述の表面異物検査装置によって得られたマッ
プ表示である。
【0026】図2(a)に示されているように、洗浄後
に第1の半導体基板6の表面に表れた転写パターンは、
洗浄前に第2の半導体基板7の裏面に表れていたパター
ンと同様に同心円形状を有している。転写パターンにお
ける同心円の中心の位置は、汚染パターンにおける同心
円の中心の位置よりも、浸漬方向に反対の方向にある距
離だけシフトしている。
【0027】図2(b)に示されているように、洗浄前
の第2の半導体基板7の裏面には、真空ピンセットで第
2の半導体基板7を保持したことによる第1の汚染パタ
ーン71及び第2の汚染パターン72が表れている。図
2(b)からわかるように、第1の転写パターン71’
及び第2の転写パターン72’は、第1の汚染パターン
71及び第2の汚染パターン72に、それぞれ、対応し
ている。各転写パターンの位置は、汚染パターンの位置
に対して、浸漬方向とは反対方向にシフトしているが、
浸漬方向に垂直な方向にはシフトしていない。転写パタ
ーンと汚染パターンとは、全体として、鏡像関係にあ
る。
【0028】以上の観察結果から、第2の半導体基板7
の裏面に付着したパーティクルは、パーティクル相互の
位置関係を実質的に維持したまま、第1の半導体基板6
の表面にまで移動したと推定される。
【0029】図3は、洗浄液浸漬時間と、転写されたパ
ーティクルの数との関係を示している。半導体基板を洗
浄液中に完全に浸漬したあと、ある時間、洗浄液中に半
導体基板を維持した。その維持した時間(浸漬時間)
を、5、55、75、及び105秒としたときの、各々
の転写パーティクル数を観測した。図3から、転写パー
ティクル数は、「浸漬時間」に依存していないことがわ
かる。パーティクルの転写は洗浄液の内部で生じるので
はなく、半導体基板を洗浄液中に挿入しているとき、洗
浄液の表面と半導体基板とが接触している領域において
生じるといえる。
【0030】このような実験結果から、本発明者は、第
2の半導体基板7の裏面の各パーティクルは、ある一定
の速度vにて、洗浄液2の表面を第2の半導体基板7の
裏面から第1の半導体基板6の表面にまで移動し、第1
の半導体基板6の表面に再付着すると考えた。この考え
に基づいて、本発明者は、パーティクル9の再付着を防
止する方法として、ある半導体基板から最初に離脱した
パーティクル9が、洗浄液表面に移動して隣の半導体基
板に到達する前に、その隣の半導体基板を完全に洗浄液
に浸漬してしまう方法、及び、ある半導体基板を最後に
離脱したパーティクルが、洗浄液表面に沿って洗浄槽か
らオーバフロウされるまでは、他の半導体基板を洗浄液
に浸漬しない方法を考え付いた。
【0031】次に、図4(a)から(c)に示めす実験
結果に基づいて、パーティクルの移動速度vを計算し
た。図4(a)から(c)に示す実験結果は、図1
(a)及び(b)に示す装置を用いて得られた。実質的
に平行に配列された2枚の半導体基板6及び7を、硫酸
と過酸化水素水との混合液(洗浄液)2中にその表面か
ら浸漬した。
【0032】また、洗浄工程前に、第2の半導体基板7
の裏面をパーティクル9で汚染し、第1の半導体基板6
の表面は汚染しなかった。第1及び第2の半導体基板6
及び7は、第1の半導体基板6の表面と第2の半導体基
板7の裏面とが向い合い、それぞれの半導体基板のオリ
フラ位置12が上になるような配置で、洗浄液2中に浸
漬速度V(=200mm/秒)で浸漬された。
【0033】図4(c)に示される第2の半導体基板7
の裏面には、半導体製造装置に設けられている搬送部と
接触により多数のパーティクルが付着していた。図中、
黒い部分がパーティクル9の汚染パターン61を示して
いる。図4(b)に示されるように、基板間隔が4.1
1mmの場合の転写パターンは、汚染パターンに比較し
て、浸漬方向とは反対の方向に16mmシフトした。し
かし、横方向には、転写パターンは広がっていない。図
4(a)に示されるように、ウエハ間隔が8.87mm
の場合の転写パターンは、汚染パターンに比較して、浸
漬方向とは反対の方向に、さらに大きくシフトしたが、
シフト量は測定できなかった。図9は、測定された転写
パーティクル数と基板間隔との関係を示している。
【0034】汚染パターン61上のパーティクル9が、
洗浄液2の表面にて第2の半導体基板7の裏面から離脱
した後、基板間距離lだけ、洗浄液2の表面を横方向に
移動するのに要した時間をtとする。その時間tの間
に、両方の半導体基板6及び7は、(浸漬速度V)×
(時間t)だけ浸漬方向に移動する。従って、上記パー
ティクル9が、対向する第1の半導体基板6の表面にお
いて再付着する位置は、上記パーティクル9が第2の半
導体基板7から離脱したした位置よりも、(浸漬速度
V)×(時間t)だけ、上方(浸漬方向と反対方向)に
シフトする。
【0035】このシフト量を△Lとすると、△L=V×
t、及び v×t=lが得られる。
【0036】更に、上式から、t=△L/V=l/vが
得られる。これより、v=lV/△Lが得られる。
【0037】この式に、l=4.11mm、V=200
mm/秒、△L=16mmを代入すると、v=51mm
/秒が得られる。
【0038】なお、ここでは、パーティクル9は第2の
半導体基板7から第1の半導体基板6に向かって直線的
に移動するという単純なモデルを用いている。転写パタ
ーンが汚染パターン61に比較して、浸漬方向とは反対
の方向にのみシフトしている観察結果から、上記モデル
は、パーティクル9の再付着現象を十分に正確に説明す
ることのできるモデルと考えられる。
【0039】ある半導体基板から最初に離脱したパーテ
ィクルが、洗浄液表面に移動して隣の半導体基板に到達
する前に、その隣の半導体基板を完全に洗浄液に浸漬し
てしまうには、次の式が満足される必要がある。
【0040】l/v≧ L/V (lV≧vL)ここで、前述したように、Vは半導体基
板を洗浄液に浸漬する速度、lは半導体基板間隔、Lは
半導体基板を浸漬方向に沿って測った長さ、洗浄液の表
面において、パーティクルが移動する速度である。
【0041】図5は、上記不等式の一例を示すグラフで
ある。図5の曲線を得る計算の基礎として、半導体基板
の浸漬方向長さL及びパーティクル移動速度vを、それ
ぞれ150mm、51mm/secとした。グラフは、
図5の曲線aよって、領域(A)と領域(B)とに分割
されている。領域(B)は、上記不等式を満たす領域で
ある。上記不等式を満足するためには、例えば、v=5
1mm/秒、l=4.11mm、L=25.4mmとす
ると、浸漬速度Vは315mm/秒以上に設定する必要
がある。
【0042】図9は、図5の領域の条件(A)(L=1
50mm、V=200mm/秒、l=4.11mm及び
8.87mm、v=51mm/秒)で、洗浄実験を行っ
たときの転写パーティクル数を示している。図9からわ
かるように、基板間距離lが広くなるほど、転写パーテ
ィクル数は増加している。
【0043】なお、Si、SiO2、HTO、SiN4
材料が、各々、表面に露出する4種類の半導体基板を用
いて、洗浄実験を行った。表1は、パーティクルの転写
と半導体基板の表面状態との関係を示している。いずれ
の基板を使用しても、パーティクルの転写が観察され
た。また、EDXにより、パーティクルの主成分は、シ
リコンであることがわかっている。
【0044】
【表1】
【0045】なお、純水洗浄、発煙硝酸洗浄、フッ酸ウ
ェットエッチング等の工程では、パーティクルの転写は
確認されなかった。
【0046】(実施例1)以下に、図6を参照しなが
ら、本発明の実施例を説明する。
【0047】図6に示されるように、実質的に平行に配
列された3枚の半導体基板6、7及び8を、硫酸と過酸
化水素水の混合液(洗浄液)2中にその表面から浸漬す
る。半導体基板6、7及び8は、半導体基板のオリフラ
位置が上になるような配置で、洗浄液2中に浸漬速度V
で浸漬される。半導体基板6、7及び8は、同時に、洗
浄槽1の洗浄液2に浸漬される。図6において、10は
第1の半導体基板6に付着していたパーティクル9の動
きを示し、11は第2の半導体基板7に付着していたパ
ーティクル9の動きを示し、12は第3の半導体基板8
に付着していたパーティクル9の動きを示している。
【0048】洗浄液2は、洗浄槽1に蓄えられている。
本実施例で使用した洗浄槽1のサイズは、幅230mm
×奥行き240mm×深さ185mmである。洗浄槽1
の底部には洗浄液供給口(直径60mm)4が設けられ
ており、洗浄液供給口4から洗浄槽1へ洗浄液2が、毎
分17リッターの流量で供給される。洗浄槽1の上部は
解放されており、洗浄液2はオーバーフローしている。
洗浄槽1内の底部には、スリット間隔が30mmの整流
板3が配置されている。整流板3によって、洗浄液2の
流れ5は層流に保たれている。
【0049】本実施例では、基板6、7及び8の浸漬方
向長さLが150mm、パーティクル移動速度vが51
mm/秒という条件の基で、基板間隔lを23.15m
m、浸漬速度Vを350mm/秒として、洗浄工程を実
施した。本実施例で採用した浸漬速度Vと基板間隔1と
は、図5のグラフの無付着領域(B)の条件を満たして
いる。
【0050】第2の半導体基板7の裏面から離散したパ
ーティクル9は、図6に示されるように、隣接する第1
の半導体基板6に向かって移動する。しかし、浸漬速度
Vと基板間隔1とが、図5の無付着領域(B)の条件を
満たしているので、パーティクル9は、第1の半導体基
板6の表面に到着する前に、第1の半導体基板6は洗浄
液2中に完全に浸漬される。このため、パーティクル9
は、第1の半導体基板の表面に再付着しない。また、第
1の半導体基板6及び第3の半導体基板8から離散した
パーティクル9は洗浄液2のオーバーフローにより取り
除かれる。
【0051】本実施例の洗浄方法を行った後、第1の半
導体基板6の表面を表面異物検査装置によって観察し
た。その結果、パーティクル9は数10個(粒径0.3
μm以上)しか観測されず、パーティクルの転写は起こ
らなかったといえる。
【0052】なお、配列された複数の基板について、そ
れらの基板間隔が複数存在する場合は、最小の基板間隔
を上記基板間隔lとして、不等式lV≧vLが満足され
ればよい。
【0053】また、本実施例では、半導体基板6、7及
び8と洗浄液2の表面とが実質的に垂直となるようにし
て、半導体基板6、7及び8を洗浄液2の中に浸漬した
が、半導体基板6、7及び8と洗浄液2の表面とがなす
角度は、90度以外の角度であってもよい。
【0054】(実施例2)以下に、図7を参照しなが
ら、本発明の他の実施例を説明する。
【0055】図7に示されるように、3枚の半導体基板
6、7及び8を、1枚ずつ、硫酸と過酸化水素水の混合
液(洗浄液)2中にその表面から浸漬する。半導体基板
6、7及び8は、半導体基板のオリフラ位置が上になる
ような配置で、洗浄液2中に浸漬される。図7におい
て、13は第1の半導体基板7に付着していたパーティ
クル9の動きを示している。
【0056】洗浄液2は、洗浄槽1に蓄えられている。
洗浄槽1の底部には洗浄液供給口4が設けられており、
洗浄液供給口4から洗浄槽1へ洗浄液2が供給される。
洗浄槽1の上部は解放されており、洗浄液2はオーバー
フローしている。洗浄槽1内の底部には、整流板3が設
けられている。この整流板3によって、洗浄液2の流れ
5は層流に保たれている。これらの洗浄装置の具体構成
は、第1の実施例で用いたものと同様である。
【0057】本基板洗浄方法においては、パーティクル
9の付着した第1の半導体基板6、第2の半導体基板
7、第3の半導体基板8は、同時に洗浄槽1に浸漬され
ない。すなわち、本基板洗浄方法によれば、まず、第1
の半導体基板6を洗浄液2に浸漬する。すると、洗浄液
2の流れ5によって第1の半導体基板6の裏面に付着し
ていたパーティクル9が取り除かれる。そして、第1の
半導体基板6が洗浄液2中に完全に入った状態になるの
を待って、第2の半導体基板7を洗浄液2に入れる。第
2の半導体基板7の裏面に付着しているパーティクル9
は、洗浄液2の表面にて第2の半導体基板7から離散
し、洗浄液の流れ5によって洗浄槽1から取り除かれ
る。第2の半導体基板7が、第1の半導体基板6の様に
洗浄液2中に完全に入った状態になるのを待って、第3
の半導体基板8を洗浄液2に入れる。このように、2枚
以上の半導体基板が同時に洗浄液2表面に存在しないよ
うに、半導体基板6、7、8を一枚ずつ洗浄液2中に浸
漬させることにより、先に浸漬させた半導体基板から離
散したパーティクル9が、後に浸漬させる半導体基板を
入れる際には、洗浄槽1の外に除去される。このため、
後に浸漬させる半導体基板にパーティクルが再付着する
ことを防止できる。
【0058】なお、この実施例では、第1の半導体基板
6、第2の半導体基板7および第3の半導体基板8を、
洗浄液2の液面に対して垂直に、洗浄液2中に浸漬した
が、半導体基板6、7及び8と洗浄液2の液面との間の
角度は任意である。また、基板間隔は任意であり4.1
1mm以下であってもかまわない。
【0059】
【発明の効果】本発明による基板洗浄方法によれば、l
V≧vLの関係を満足することにより、洗浄液の液面に
対して垂直な方向に基板から離散するパーティクルが、
隣接した基板に到着する前に基板を洗浄液中に全て浸漬
することができるため、基板から離散したパーティクル
が隣接した基板に再付着することを防止できる。
【0060】また、本発明の他の基板洗浄方法によれ
ば、2枚以上の基板が同時に洗浄液表面上に露出しない
ように、一枚ずつ基板が浸漬されることにより、(n+
1)枚目の基板を洗浄液中に浸漬する際には、n枚目の
基板から離散したパーティクルは洗浄槽外に除去されて
いる。このため、n枚目の基板から離散したパーティク
ルがn+1枚目以降の基板に再付着することが防止され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は基板の洗浄工程におけるパーティクル
の動きを解明するための実験装置を示す図 (b)は基板の洗浄工程におけるパーティクルの動きを
解明するための実験装置を示す図
【図2】(a)は汚染源としてベーキング用ステージを
用いた場合のパーティクル転写を示す図 (b)は汚染源として真空ピンセットを用いた場合のパ
ーティクル転写を示す図
【図3】洗浄液浸漬時間と、転写されたパーティクルの
数との関係を示す特性図
【図4】(a)は基板間隔を8.87mmとして洗浄工
程を行った場合のパーティクル転写を示す図 (b)は基板間隔を4.11mmとして洗浄工程を行っ
た場合のパーティクル転写を示す図 (c)は洗浄工程前の汚染パターンを示す図
【図5】基板ピッチと浸漬速度によるパーティクルの再
付着・無付着の関係を表した特性図
【図6】本発明による基板洗浄方法を示す図
【図7】本発明による他の基板の洗浄方法を示す図
【図8】従来の基板の洗浄方法を示す図
【図9】転写パーティクル数と基板間距離との関係を示
す特性図
【符号の説明】 1 洗浄槽 2 洗浄液 6 第1の半導体基板 7 第2の半導体基板 8 第3の半導体基板 9 パーティクル

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】実質的に平行に配置された複数の基板を洗
    浄液に浸漬させ、それによって、該基板の各々に付着し
    た粒子を除去する基板洗浄方法であって、 該洗浄方法は、該基板を、該洗浄液の表面から該洗浄液
    中に速度(V)で浸漬する工程を包含しており、 該基板を該洗浄液に浸漬する該速度(V)と、 該基板の間隔のうち最小の間隔(l)と、 該基板を浸漬する方向に沿って測った該基板の長さ
    (L)と、 該洗浄液の該表面において、該基板の裏面に垂直な方向
    に、該粒子が移動する速度(v)とが、次の不等式 lV≧vL を満足する基板洗浄方法。
  2. 【請求項2】前記複数の基板と前記洗浄液の前記表面と
    が実質的に垂直となる方向に沿って、該複数の基板を前
    記洗浄液に浸漬させる請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】前記粒子の主成分は、シリコンである請求
    項1に記載の基板洗浄方法。
  4. 【請求項4】前記洗浄液は、硫酸と過酸化水素水とを含
    む混合液である請求項3に記載の基板洗浄方法。
  5. 【請求項5】底部に開口部を有する洗浄槽に前記洗浄液
    を蓄え、該開口部から該洗浄液を該洗浄槽中に供給し
    て、それによって該洗浄液を該洗浄槽からオーバフロウ
    させながら、前記基板を該洗浄液中に浸漬する請求項1
    に記載の基板洗浄方法。
  6. 【請求項6】複数の基板を洗浄液に浸漬させ、それによ
    って、該基板の各々に付着した粒子を除去する基板洗浄
    方法であって、 該洗浄方法は、該複数の基板のうち2枚以上の基板が、
    同時に、該洗浄液の表面より上に露出しないように、該
    複数の基板を一枚ずつ該洗浄液中に浸漬させる基板洗浄
    方法。
  7. 【請求項7】底部に開口部を有する洗浄槽に前記洗浄液
    を蓄え、該開口部から該洗浄液を該洗浄槽中に供給し
    て、それによって該洗浄液を該洗浄槽からオーバフロウ
    させながら、前記基板を該洗浄液中に浸漬する請求項6
    に記載の基板洗浄方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8901859B2 (en) 2010-04-09 2014-12-02 Canon Kabushiki Kaisha Control circuit for vibration-type actuator
WO2018180224A1 (ja) * 2017-03-29 2018-10-04 信越半導体株式会社 半導体ウェーハの洗浄方法
JP2020107677A (ja) * 2018-12-26 2020-07-09 株式会社Sumco シリコンウェーハのバッチ式洗浄方法並びにその洗浄方法を用いたシリコンウェーハの製造方法及びシリコンウェーハの洗浄条件決定方法

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