JP2000060153A - 超音波モータおよび圧電素子の駆動回路 - Google Patents

超音波モータおよび圧電素子の駆動回路

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JP2000060153A
JP2000060153A JP10227241A JP22724198A JP2000060153A JP 2000060153 A JP2000060153 A JP 2000060153A JP 10227241 A JP10227241 A JP 10227241A JP 22724198 A JP22724198 A JP 22724198A JP 2000060153 A JP2000060153 A JP 2000060153A
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JP
Japan
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piezoelectric element
frequency
impedance
circuit
elastic member
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JP10227241A
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English (en)
Inventor
Kosei Wada
好世 和田
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Star Micronics Co Ltd
Original Assignee
Star Micronics Co Ltd
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Publication date
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 固定子および回転子に搭載される圧電素子の
効率を向上させ、モータの出力やエネルギー利用効率の
向上を図る。 【解決手段】 超音波モータ1は、回転対称形状を有す
る固定側の弾性部材30と、回転対称形状を有する移動
側の弾性部材40と、弾性部材30に振動を付与する固
定側の圧電素子31と、弾性部材40に振動を付与する
移動側の圧電素子41とを備え、固定側の圧電素子31
の反共振周波数fnsと略一致する周波数Fsで圧電素
子31を駆動し、かつ移動側の圧電素子41の反共振周
波数fnrと略一致する周波数Frで圧電素子41を駆
動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固定子および移動
子の各圧接面に回転変位波をそれぞれ発生させ、2つの
回転変位波の周波数差に応じた回転運動を行なう超音波
モータに関する。また本発明は、圧電素子の駆動回路に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般の進行波型超音波モータは、リング
状の固定子と回転子を互いに圧接し、固定子の裏面にリ
ング状の圧電素子を接合して、固定子の圧接面に進行波
を発生させることによって、圧接点の楕円運動を回転子
の回転運動に変換するように構成される(文献「超音波
モータ入門」、見城尚史・指田年生共著、総合電子出版
社発行、1991年)。
【0003】こうした超音波モータは、電磁モータと比
べて、コイル巻線や鉄芯等の磁気回路が不要になるため
小型軽量化が図られ、しかも低速回転時にも高いトルク
が得られるという長所があり、カメラレンズ回転機構等
やロボットアクチュエータ等の分野で実用化されてい
る。
【0004】従来の超音波モータは、固定子表面の進行
波で回転子を摩擦駆動する方式であるため、大きな振幅
の進行波を得るために鋭い共振を有する圧電材料から成
る圧電素子を共振周波数で共振するように駆動してい
る。そのため、移動子の回転速度を可変制御したい場
合、進行波の駆動周波数または駆動電圧を変化させる必
要があるが、圧電素子の駆動周波数や駆動電圧を変化さ
せると圧電素子の振動出力が急激に減少したりトルクが
変化してしまうことがある。その結果、従来の超音波モ
ータでは回転速度の可変制御が極めて困難であり、現実
には典型的なDCモータのように一定回転数の出力をオ
ンオフ制御する用途に限られている。
【0005】そこで、固定子および回転子の両方に圧電
素子をそれぞれ設けて、固定子の進行波と回転子の進行
波との相互作用によって、回転子の回転速度を連続可変
で制御するようにしたダブル駆動型の超音波モータが提
案されている(特許第2663164号)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】後者のダブル駆動型超
音波モータでは、固定子および回転子の進行波発生用に
圧電素子を使用しているが、圧電素子のインピーダンス
特性が駆動周波数や駆動電圧によって複雑に変化するた
め、圧電素子の効率がどのような動作条件で最適になる
のかが不明であった。
【0007】一方、従来の超音波モータの駆動に関し
て、特開平3−239168号、特開平3−32374
号、特公平4−61593号、特公平5−28072
号、等が開示されている。しかし、いずれもシングル駆
動型の超音波モータに関するもので、ダブル駆動型には
全く言及がない。
【0008】本発明の目的は、固定子および回転子に搭
載される圧電素子の効率を向上させ、もってモータの出
力やエネルギー利用効率の向上を図ることができる超音
波モータを提供することである。
【0009】また本発明の目的は、圧電素子を効率的に
駆動できる圧電素子の駆動回路を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、回転対称の圧
接面を有する固定弾性部材と、固定弾性部材の圧接面に
対向した回転対称の圧接面を有し、回転対称軸回りに角
変位自在に支持された移動弾性部材と、固定弾性部材の
圧接面に周波数Fsの回転変位波を発生するための固定
圧電素子と、移動弾性部材の圧接面に周波数Frの回転
変位波を発生するための移動圧電素子とを備え、周波数
Fsと周波数Frとの周波数差ΔFに応じた回転速度で
移動弾性部材が角変位する超音波モータであって、固定
圧電素子の反共振周波数fnsと略一致する周波数Fs
で固定圧電素子を駆動するための固定側駆動回路と、移
動圧電素子の反共振周波数fnrと略一致する周波数F
rで移動圧電素子を駆動するための移動側駆動回路とを
備えることを特徴とする超音波モータである。
【0011】本発明に従えば、圧電素子の等価回路は、
インダクタンス成分L、キャパシタンス成分Caおよび
損失に相当する抵抗成分Rから成る直列共振回路と、電
極間容量成分Cbとの並列回路として表現でき、直列共
振回路の共振周波数Fmにおいて合成インピーダンスZ
が最小になり、上記直列共振回路および電極間容量成分
Cbから成る並列共振回路の反共振周波数Fnにおいて
合成インピーダンスZが最大になる。
【0012】従来は、圧電素子を電圧駆動していたた
め、合成インピーダンスZが最小になるときに圧電素子
への供給電力が最大になる。そのため、圧電素子の駆動
周波数を共振周波数Fm近傍に設定することになる。さ
らに供給電力が大なる場合には、共振周波数Fmより低
周波領域では圧電素子の非線形性の影響によって、印加
電圧の大小によってインピーダンスカーブが大きく変化
する現象が見られるため、共振周波数Fmを下回らない
ように余裕を見て、駆動周波数を共振周波数Fmより高
めに設定する必要があり、その分圧電素子の効率が犠牲
になっていた。
【0013】本発明では、圧電素子の駆動周波数を反共
振周波数Fn近傍に設定することによって、1)圧電素
子の非線形性の影響を回避できるため、安定なサーボル
ープを形成でき、最大効率での駆動が可能になる。2)
温度や負荷変動等の駆動条件が変化しても、圧電素子の
インピーダンスZのピーク位置で常に駆動できるため、
動作が安定する。3)圧電素子の振動効率は、共振周波
数Fmよりも反共振周波数Fnの方が高い。4)共振点
での位相変化率が共振周波数Fmよりも反共振周波数F
nの方が大きいため、位相比較を行なって周波数の安定
化を図るPLL(Phase Locked Loop)回路にとって有利
になる。などの利点を見出したものである。
【0014】また本発明は、固定側駆動回路および移動
側駆動回路の駆動周波数Fs、Frの基準となる基準周
波数を出力する発振回路と、固定圧電素子または移動圧
電素子の表面に設けられ、いずれか一方の振動波形を検
出するためのモニタ電極とを備え、発振回路の発振波形
とモニタ電極からの検出波形との位相差が所定値となる
ように発振回路の基準周波数を制御するフィードバック
ループが構成されていることを特徴とする。
【0015】本発明に従えば、移動弾性部材は駆動周波
数Fs、Frの周波数差Δに応じて回転するため、駆動
周波数Fs、Frを高精度で制御する必要がある。その
ため、単一の発振回路が出力する基準周波数に基づいて
分周回路等を用いて2つの駆動周波数Fs、Frを得る
ことが好ましい。また、固定圧電素子または移動圧電素
子の表面にはモニタ電極が形成され、圧電素子の振動波
形が電気信号として取り出される。そこで、発振回路の
発振波形とモニタ電極からの検出波形との位相差を監視
して、発振回路の基準周波数を制御するフィードバック
ループを構成することによって、基準周波数が安定化さ
れる。その結果、駆動周波数Fs、Frも安定化して、
モータの動作も安定になる。
【0016】また本発明は、固定側駆動回路および移動
側駆動回路は、電圧駆動回路と圧電素子に直列接続され
るインピーダンス素子とを含む電流駆動型回路で構成さ
れることを特徴とする。
【0017】本発明に従えば、圧電素子のインピーダン
スZは反共振周波数Fnで最大となるため、圧電素子を
電流駆動することによって、圧電素子への供給電力効率
がFn点で最大になり、圧電素子のエネルギー効率が格
段に向上する。
【0018】また本発明は、上記インピーダンス素子の
インピーダンスをZs、圧電素子の最大インピーダンス
をZmax、圧電素子の最小インピーダンスをZmin
として、Zs=K・√(Zmax・Zmin)という関
係式において、係数K≧2が成立するようにインピーダ
ンスZsが選ばれることを特徴とする。
【0019】本発明に従えば、電圧駆動回路とインピー
ダンス素子とで電流駆動型回路を構成した場合、電気理
論上、インピーダンス素子のインピーダンスZsがゼロ
になると定電圧駆動になり、インピーダンスZsが無限
大になると定電流駆動になる。しかしながら、現実には
インピーダンスZsを理想的なゼロや理想的な無限大に
設定することは不可能であるため、圧電素子にとって好
適なインピーダンスZsの現実的数値を得る必要があ
る。
【0020】本発明では、圧電素子の最大インピーダン
スZmaxと最小インピーダンスZminに着目して、
これらの積の平方根を評価パラメータとして、比例係数
Kが2以上となるようにインピーダンスZsを設定する
ことによって、ほぼ理想的な電流駆動を実現できること
を見出した(詳細は後述)。
【0021】また本発明は、電圧駆動回路と、圧電素子
に直列接続されるインピーダンス素子とを含む電流駆動
型回路で構成され、インピーダンス素子のインピーダン
スをZs、圧電素子の最大インピーダンスをZmax、
圧電素子の最小インピーダンスをZminとして、Zs
=K・√(Zmax・Zmin)という関係式におい
て、係数K≧2が成立するようにインピーダンスZsが
選ばれることを特徴とする圧電素子の駆動回路である。
【0022】本発明に従えば、圧電素子の最大インピー
ダンスZmaxと最小インピーダンスZminに着目し
て、これらの積の平方根を評価パラメータとして、比例
係数Kが2以上となるようにインピーダンスZsを設定
することによって、ほぼ理想的な電流駆動を実現できる
ことを見出し(詳細は後述)、こうした理論はダブル駆
動型の超音波モータだけでなく、従前のシングル駆動型
の超音波モータにも適用可能である。
【0023】
【発明の実施の形態】図1は一般的な圧電素子の等価回
路であり、図2はこのインピーダンス周波数特性を示す
グラフである。圧電素子の等価回路は、インダクタンス
成分L、キャパシタンス成分Caおよび損失に相当する
抵抗成分Rから成る直列共振回路と、電極間容量成分C
bとの並列回路として表現できる。
【0024】図2に示すように、直列共振回路の共振周
波数Fm(約48kHz)において合成インピーダンス
Zが最小(約60Ω)になり、インダクタンス成分Lお
よびキャパシタンス成分Caおよび電極間容量成分Cb
から成る直並列共振回路の反共振周波数Fn(約48.
23kHz)において合成インピーダンスZが最大(約
13kΩ)になる。圧電素子は、共振周波数Fmより低
周波領域では容量性素子、共振周波数Fmと反共振周波
数Fnの間では誘導性素子、反共振周波数Fnより高周
波領域では容量性素子として動作するため、圧電素子に
印加される電圧と電流との位相差θは共振周波数Fmお
よび反共振周波数Fnにおいて急激に変化している。
【0025】図3は、超音波モータに搭載された圧電素
子の評価回路の一例である。リング状の圧電素子の表面
には、回転変位波の波長λを単位として、λ/2毎に分
極方向が反転したλ/2分極領域に対応して駆動電極が
形成され、それぞれsin素子Ds、cos素子Dcを
構成する。さらに、sin素子Ds、cos素子Dcと
は別の領域にFB(フィードバック)素子Dfが形成さ
れており、圧電効果によって圧電素子の振動波形を示す
FB信号を発生する。周波数掃引が可能な発振器Osc
からの交流信号は、広帯域・低インピーダンス・高電圧
出力の電圧増幅器Ampによって増幅され、たとえばs
in素子Dsに印加されると、圧電素子が振動を開始す
る。ここで圧電素子の振動変位を光学測定等によって直
接検出することも可能であるが、ここではFB素子Df
からのFB信号を用いて電気的に検出している。
【0026】図4は、図3の評価回路を用いてFB信号
の周波数特性を測定した結果を示すグラフである。上の
グラフはFB素子Dfの検出電圧を示し、下のグラフは
sin素子Dsへの印加波形とFB素子Dfの検出波形
との位相差θを示す。sin素子Dsには一定電圧が印
加されるため、インピーダンスZが最小となる共振周波
数Fmにおいて、FB信号の振幅が最大ピークになり、
位相差θは急激に変化する。したがって、周波数特性は
共振周波数Fmを中心とした単峰特性を示す。グラフに
おいて、たとえば共振周波数Fmから200Hzシフト
するとFB信号振幅が約1/5に、500Hzシフトす
るとFB信号振幅が約1/10にそれぞれ低下する。こ
こで、FB信号の位相差θが0゜でなく90度でクロス
しているのは、FB素子Dfがsin素子Dsに対して
90度に相当するλ/4だけずれて配置されているため
である。一方、反共振周波数Fnでの挙動は2つのグラ
フに特徴的な変化を何ら与えていないことが判る。
【0027】こうした共振周波数Fmを中心とした単峰
特性を示す場合、駆動周波数をどこに設定するかが問題
となる。共振周波数Fmより外れたスロープ領域では、
FB信号の振幅はなだらかに変化し、位相も格別変化し
ないため、周波数安定化ループを構成する場合には、振
幅検出方式のフィードバック制御を採用することにな
る。しかしながら、FB信号の振幅変化率(接線の傾き
に相当)はあまり大きくないため、サーボゲインも小さ
く、フィードバック制御の安定性に難がある。
【0028】一方、共振周波数Fm近傍はFB信号の位
相が急激に変化するため、共振周波数Fmを目標とした
PLL制御を採用することが考えられる。しかしなが
ら、共振周波数Fmより低周波領域において、印加電圧
の大小によってインピーダンスカーブが大きく変化し
て、実際の駆動印加電圧大の場合には単峰特性でなくな
る非線形現象が現われるため、共振周波数Fmを下回ら
ないように余裕を見て駆動周波数を設定する必要があ
り、その分圧電素子の効率が犠牲になる。
【0029】このように低電圧測定時に共振周波数Fm
を中心とした単峰特性を示した場合においても、スロー
プ領域における振幅検出方式フィードバック制御も共振
周波数Fm近傍におけるPLL制御も、駆動法としては
制御の安定性や圧電素子の効率の観点からは満足できな
い。
【0030】次に、圧電素子への入力電力と振動変位と
の実測結果について説明する。
【0031】図5は、入力電力一定時の圧電素子の振動
変位およびインピーダンスの周波数特性を示すグラフで
ある。左の縦軸は圧電素子の振動変位を光学測定で検出
した数値(リニア表示)であり、右の縦軸は圧電素子の
インピーダンス(リニア表示)であり、横軸は駆動周波
数である。ここでは、圧電素子への入力電力を1mWに
保持して、周波数を変化させて各数値を測定している。
【0032】グラフを見ると、インピーダンスに関して
反共振周波数Fnで最大ピークとなる単峰特性を示し、
共振周波数Fmでは最小になる。振動変位に関して、共
振周波数Fmと反共振周波数Fnの両方でピークを示す
双峰特性を示し、共振周波数Fmと比べて反共振周波数
Fnでの変位の方がが最大になることが判る。すなわ
ち、入力電力が同じである場合、駆動周波数を反共振周
波数Fnに設定した方が圧電素子の振動効率が高いこと
を意味する。
【0033】したがって、圧電素子の電圧駆動では、図
4に示すように、共振周波数Fmのピークしか現われな
いため、駆動周波数を反共振周波数Fnに設定すること
が困難である。これに対して、圧電素子の電力駆動(電
流駆動)を採用することによって、反共振周波数Fnの
ピークが現われるため、振幅検出方式や位相検出方式等
の周波数制御が格段に容易になると考えられる。
【0034】図6は、本発明に係る圧電素子の駆動回路
の一例を示すブロック図である。リング状の圧電素子の
表面には、図3と同様に、回転変位波の波長λを単位と
して、λ/2毎に分極方向が反転したλ/2分極領域に
対応して駆動電極が形成されてそれぞれsin素子D
s、cos素子Dcを構成し、さらにFB信号を発生す
るFB素子Dfが別に形成される。
【0035】駆動回路は、周波数可変の発振器100
と、広帯域・低インピーダンス・高電圧出力の電圧増幅
器111、113と、電圧駆動を電流駆動に変換する定
電流化回路112、114と、90度移相器110など
で構成される。発振器1からの交流信号はsin系統お
よびcos系統の両方に供給され、sin系統ではその
まま電圧増幅器111によって増幅され、定電流化回路
112はsin素子Dsを電流駆動する。cos系統で
は、発振器100からの交流信号は、移相器110を通
って位相が90度シフトした後、電圧増幅器113によ
って増幅され、定電流化回路114はcos素子Dcを
電流駆動する。圧電素子の振動変位は、FB素子Dfか
らのFB信号によって検出される。
【0036】図7は、図6の駆動回路を用いて圧電素子
の各種の周波数特性を測定した結果を示すグラフであ
る。横軸は駆動周波数であり、上側の実線は振動変位を
示すFB検出電圧(対数表示)、破線は圧電素子のイン
ピーダンスZの絶対値(対数表示)、下側の実線はFB
検出位相θである。ここでは、定電流化回路112、1
14として、反共振周波数FnでのインピーダンスZが
約14kΩであることを考慮して、10kΩの固定抵抗
を直接的に挿入している。
【0037】グラフを見ると、圧電素子のインピーダン
スZは反共振周波数Fnで最大となり、共振周波数Fm
で最小となる共振特性を示している。振動変位は、反共
振周波数Fnで最大ピークが現われる単峰特性を示す。
FB検出位相θは、反共振周波数Fnでゼロクロスを示
している。
【0038】したがって、圧電素子を電流駆動した場
合、反共振周波数Fnでの位相変化を検出して周波数制
御を行なうことによって、駆動周波数を反共振周波数F
nに安定化させることが容易になる。
【0039】定電流化回路112、114として、固定
抵抗以外のインピーダンス素子、たとえばコイル等のイ
ンダクタンス素子やコンデンサ等のキャパシタンス素
子、または固定抵抗、インダクタンス素子およびキャパ
シタンス素子の組合せを使用することができる。インダ
クタンス素子を用いた場合、圧電素子の等価回路におけ
る電極間容量成分Cbとインダクタンス素子とが共振
し、素子の有する本来のFnを正しく検出できなくなる
ため、共振周波数は、Fm,Fnよりはるかに低い周波
数となるようインダクタンス成分Lを設定することが好
ましい。
【0040】図8は、本発明に係る圧電素子の駆動回路
の他の例を示すブロック図である。ここでは、位相比較
を用いたPLL回路で発振器100を構成した例を示
し、その他の構成は図6のものと同様である。
【0041】発振器100は、入力電圧に応じて発振周
波数が変化する電圧制御発振器(VCO)102と、電
圧制御発振器102の発振波形とFB素子Dfからの検
出波形との位相を比較する位相比較器103と、位相比
較器103からの出力信号を平滑化するローパスフィル
タ(LPF)104などで構成される。FB素子Dfと
位相比較器103との間には、FB検出信号をパルス状
に整形するためのリミッタ回路120が設けられる。位
相比較器103として排他的論理和(EX−OR)ゲー
トが使用でき、リミッタ回路120としてダイオードリ
ミッタが使用できる。
【0042】図9は、PLL発振器100の動作を示す
タイミングチャートである。信号saはリミッタ回路1
20の出力であり、圧電素子の振動波形の位相を示す。
信号sbは電圧制御発振器102の出力で、信号scは
位相比較器103の出力で、信号sdはローパスフィル
タ104の出力である。電圧制御発振器102によって
駆動周波数が決定され、sin素子Dsおよびcos素
子Dcが電流駆動されると、発振波形とFB検出信号と
の位相差が信号saと信号sbとの排他的論理和である
信号scのハイレベル期間の長短として表される。信号
scをローパスフィルタ104で平滑化することによっ
て、電圧制御発振器102の制御電圧に変換される。信
号saと信号sbとの位相差が所定の基準値(たとえば
90度)から外れようとすると、基準値に戻す方向に電
圧制御発振器102の発振周波数が制御される。その結
果、駆動周波数は、図7に示すFB検出位相θのゼロク
ロス点、すなわち反共振周波数Fnに高精度でホールド
される。
【0043】こうした位相検出方式のフィードバック制
御は、基準周波数付近での位相変化率が大きいことを利
用しているため、サーボゲインを大きく確保でき、極め
て安定した周波数制御を実現できる。そのため、超音波
モータの構成部品の加工精度や組立精度を緩和でき、製
造コスト低減に寄与する。
【0044】次に、圧電素子を含めた駆動回路全体のエ
ネルギー効率について説明する。圧電素子の動作状態が
入力パワーによって異なるため、図6の電圧増幅器11
1、113の入力パワーを一定値(0.5W)に保持し
て、実際の動作状態にほぼ近い駆動条件の下でFB信号
の周波数特性を調べた。
【0045】図10は、定電流化回路として約10mH
のコイルを用いた場合のFB信号の周波数特性および圧
電素子から駆動回路側をみたインピーダンスZaを示す
グラフである。定電流化回路112、114として約1
0mHのコイルを使用すると、このコイルと圧電素子の
電極間容量成分Cbとの共振周波数は約25kHzとな
り、圧電素子単体の共振周波数や反共振周波数が約48
kHzであるのに比べてかなり低くなる。
【0046】グラフを見ると、FB信号は、反共振周波
数(47.8kHz付近)にピークを持つ単峰特性を示
し、最大値は約91Vp-p である。共振周波数(47.
6kHz付近)では、FB信号は約20Vp-p となる。
【0047】図11は、電圧増幅器および出力トランス
から成る駆動回路を用いた場合のFB信号の周波数特性
および圧電素子から駆動回路側をみたインピーダンスZ
aを示すグラフである。ここでは、出力トランスと圧電
素子の電極間容量成分Cbとの共振周波数foを圧電素
子の共振周波数fmにほぼ一致させているため、圧電素
子を電圧駆動していることに相当する。
【0048】グラフを見ると、FB信号は、周波数48
kHz付近に緩やかなピークと47.8kHz付近にサ
ブピークと小さなディップを有する複雑なカーブを示
し、最大値は約90Vp-p である。共振周波数(47.
6kHz付近)では、FB信号は約50Vp-p となる。
しかしながら、インピーダンスZaを見ると、反共振周
波数(47.8kHz付近)でのピークが存在せず、反
共振周波数での位相変化もほとんど検出できないため、
位相検出方式のフィードバック制御を適用できないこと
が判る。したがって、振幅検出方式のフィードバック制
御を採用せざるを得ないが、この場合、図11に示すF
B信号のスロープ領域で基準値を設定することになるた
め、FB信号はピーク値からかなり下回り、サーボゲイ
ンの低下を招くことになる。
【0049】従来は、フィードバックを用いない電圧駆
動の場合、出力トランスと圧電素子の電極間容量成分C
bとの共振周波数foを圧電素子の共振周波数fmにほ
ぼ一致させることが電力効率が最も良いと考えられてい
た。しかしながら、フィードバックによる周波数制御を
考慮すると、定電流化回路112、114を用いた電流
駆動方式を採用して、反共振周波数での位相変化を検出
するフィードバック制御を用いた方がエネルギー効率や
フィードバック安定性等の点で格段に好ましいことにな
る。
【0050】次に定電流化回路112、114の具体例
について説明する。定電流化回路112、114に要求
される条件として、1)反共振周波数fnでFB信号の
位相変化が明瞭に現われること、2)フィードバックル
ープが安定に動作すること、3)FB素子DfからFB
信号が得られること、4)共振周波数fm、反共振周波
数fnでの圧電素子のインピーダンス値が加工誤差や組
立誤差によってばらついても対処できること、等が挙げ
られる。
【0051】図12および図13は、定電流化回路とし
てインピーダンス素子Zs=2kΩ、10kΩをそれぞ
れ使用したときのFB信号の周波数特性を示すグラフで
ある。横軸は駆動周波数で、左の縦軸はFB信号の検出
電圧FB2、FB1および圧電素子のインピーダンスZ
の絶対値を相対値で対数表示しており、右の縦軸はFB
信号の検出位相θ2、θ1および圧電素子のインピーダ
ンスZの位相θをリニアで示している。
【0052】まず図13において、定電流化回路として
インピーダンス素子Zs=10kΩを使用した場合、F
B信号の検出電圧FB1は反共振周波数fn付近を中心
とした山型カーブを示し、FB信号の検出位相θ1も+
90度から−90度へ変化するS字カーブを示し、反共
振周波数fn付近では圧電素子の位相特性にほぼ近似し
ている。
【0053】一方、図12において、定電流化回路とし
てインピーダンス素子Zs=2kΩを使用した場合、F
B信号の検出電圧FB2は反共振周波数fn付近を中心
として図13よりブロードな山型カーブを示し、カーブ
中心点は図13より低周波側に約30Hzシフトしてい
る(図13の点a’から図12の点b’へ)。FB信号
の検出位相θ2も、傾斜部の中心点が図13より低周波
側にシフトしている(図13の点aから図12の点b
へ)。
【0054】こうしたカーブ中心点の周波数シフトの大
きさはインピーダンス素子Zsの値によって変化し、イ
ンピーダンス素子Zsが小さくなると周波数シフト量は
大きく、インピーダンス素子Zsが大きくなると周波数
シフト量は小さくなる。したがって、インピーダンス素
子Zsが無限大になるほど、すなわち理想的な定電流駆
動回路に近くなるほど、周波数シフトの影響を無視でき
るようになる。
【0055】図14は、FB信号の周波数シフト量の変
化を実測した結果を示すグラフである。縦軸は周波数シ
フト量(Hz、対数表示)であり、横軸はインピーダン
ス素子Zsの絶対値(kΩ、対数表示)である。2つの
グラフは、超音波モータの組立条件や圧電素子の仕様が
異なる場合を示す。
【0056】いずれのグラフにおいても、周波数シフト
量は、インピーダンス素子Zsの変化率の1.5乗に逆
比例することが判明した。
【0057】一方、圧電素子のインピーダンスの最小値
と最大値、すなわち共振周波数fmでの最小インピーダ
ンスZminと反共振周波数Fnでの最大インピーダン
スZmaxは、圧電素子の取付状態、たとえば圧電素子
単体、弾性部材への実装・加圧状態などによって大きく
変化する。たとえば、圧電素子単体(グラフ2)でZm
in=約70Ω、Zmax=14kΩ、弾性部材への実
装状態(グラフ1)でZmin=約500Ω、Zmax
=2kΩ、弾性部材への実装状態(グラフなし)でZm
in=約250Ω、Zmax=4.6kΩ、という実測
例が挙げられる。
【0058】このようにインピーダンスが大幅に変化す
る圧電素子に対してインピーダンス素子Zsが直列接続
された場合の挙動について説明する。図14において、
最大インピーダンスZmaxと最小インピーダンスZm
inとの比Zmax/Zminが、グラフ1では約4、
グラフ2では約200と計算できる。また、残りの実装
状態ではZmax/Zmin=18.4と計算でき、グ
ラフ1とグラフ2の中間に同様な傾斜で位置する(不図
示)。
【0059】多数の実測結果から、Zmax/Zmin
=4は最小値であり、Zmax/Zmin=200は最
大値であることが判明し、いずれの実測結果も図14の
グラフ1とグラフ2の間に同様な傾斜で位置することが
判明した。
【0060】なお、以上の実測結果は、圧電素子の駆動
周波数が48kHz近傍である場合であり、駆動周波数
や圧電素子の形状等が変われば、インピーダンス素子Z
sの絶対値や周波数シフト量の絶対値も変化することに
なる。
【0061】また、周波数シフト量を評価する理由は、
駆動周波数シフトに相関してFB信号の検出位相の感度
(周波数変化に対する位相変化の勾配)も変化するから
であり、しかも勾配の変化よりもピーク位置のシフトの
方が評価し易いためである。周波数シフト量が小さい場
合はFB信号の検出位相の感度が高くなり、素子本来の
Fnを検出するが、周波数シフト量が大きい場合はFB
信号の検出位相の感度が低くなり、素子本来のFnでな
いF′n点を検出し、最高効率のFn点駆動とならなく
なる。
【0062】FB信号の位相変化を検出するフィードバ
ック制御を行なう場合、サーボ動作点を位相検出範囲の
中心に設定する場合、図12に示すインピーダンス素子
Zs=2kΩの場合は点bがサーボ動作点になり、図1
3に示すインピーダンス素子Zs=10kΩの場合は点
aがサーボ動作点になる。点aと点bの間のシフト量は
約30Hzであり、たとえば共振周波数fmと反共振周
波数fnとの差が200Hzである場合、約15%のシ
フト量に相当する。インピーダンス素子Zsが小さくな
って、シフト量が15%より大きくなり、FB信号の位
相変化カーブが緩やかになると、別の問題として共振周
波数fmが位相検出可能な領域に入り込むため好ましく
ない。したがって、各種実験から、共振周波数fmと反
共振周波数fnとの差の約15%のシフト量に相当する
インピーダンス素子Zsの値を定電流化回路の最小イン
ピーダンスとすることが好ましい。
【0063】以上のことから、圧電素子に直列に挿入す
るインピーダンス素子Zsは、圧電素子の最大インピー
ダンスZmax、圧電素子の最小インピーダンスZmi
n、係数Kとして、実用上の点で次式(1)で表現する
ことができる。
【0064】
【数1】
【0065】たとえば、図14のグラフ1に示すZma
x/Zmin=4の場合、Zmin=約500Ωであ
り、1)インピーダンス素子Zs=2kΩとすると、K=
2となり、2)Zs=10kΩとすると、K=10とな
る。
【0066】また、図14のグラフ2に示す圧電素子単
体のZmax/Zmin=200の場合、Zmin=約
70Ωであり、1)K=2とすると、インピーダンス素子
Zs=1.98kΩとなり、2)K=10とすると、イン
ピーダンス素子Zs=約10kΩとなる。
【0067】このように圧電素子の最大インピーダンス
Zmaxと最小インピーダンスZminの積の平方根を
評価パラメータとして、比例係数Kが2以上となるよう
にインピーダンスZsを設定することによって、周波数
シフト量が小さく、ほぼ理想的な電流駆動を実現できる
ことが判る。
【0068】図15(a)は本発明に係る超音波モータ
の一例を示す断面図であり、図15(b)は図15
(a)中のロータリトランス60の拡大断面図である。
【0069】超音波モータ1は、回転対称形状を有する
固定側の弾性部材30と、回転対称形状を有する移動側
の弾性部材40と、弾性部材30に振動を付与する固定
側の圧電素子31と、弾性部材40に振動を付与する移
動側の圧電素子41と、弾性部材40と一体的に回転す
る出力軸10と、圧電素子41に非接触で給電するロー
タリトランス60と、これらを収納するハウジング2
1、22などで構成される。
【0070】ハウジング21は、底面および側面から成
る円筒箱状であり、底面の中央に貫通孔が形成され、貫
通孔には断面凸状で中空のベアリングホルダ20が装着
される。ベアリングホルダ20の内面には上下方向から
段差部が形成され、これらの段差部には出力軸10を回
転自在に支持するためのベアリング15、16が所定間
隔で装着固定される。
【0071】出力軸10はベアリング15、16の内リ
ングと略嵌合するように挿入される。ベアリング16は
出力軸10中央の軸太部10bの段差面に装着されたス
ペーサ13に当接して挟持され、ベアリング15は出力
軸10の先端から挿入されるスペーサ12によって挟持
され、さらに出力軸10の円周溝10aにEリングなど
の抜止め11を装着することによって出力軸10とベア
リング15、16の内リングとが一体化される。
【0072】ベアリングホルダ20の上面には弾性部材
30が載置され、ベアリング16の外形と略嵌合するこ
とでセンター合わせを実現している。
【0073】弾性部材30は、上面にリング状の圧接面
30aを有する肉厚部と、肉厚部を内側から支える肉薄
部30bと、内側のスペーサ14と略嵌合する取付部と
を有し、肉厚部の厚さ方向の振動を許容する構造を成し
ている。肉厚部の下面には、圧接面30aと対向するよ
うにリング円板状の圧電素子31が接着される。圧接面
30aは、圧電素子31で発生した振動が効率的に集中
するように断面凸状に形成され、その上面にフッ素樹脂
等の低摩擦材料から成るライナ32が固定される。
【0074】一方、移動側の弾性部材40は、弾性部材
30と同様に、下面にリング状の圧接面40aを有する
肉厚部と、肉厚部を内側から支える肉薄部40bと、出
力軸10にトルクを伝達する取付部とを有し、肉厚部の
厚さ方向の振動を許容する構造を成している。肉厚部の
上面には、圧接面40aと対向するようにリング円板状
の圧電素子41が接着固定される。圧接面40aは、圧
電素子41で発生した振動が効率的に集中するように断
面凸状に形成され、その下面にフッ素樹脂等の低摩擦材
料から成るライナ42が固定される。
【0075】こうした弾性部材30、40は、振動減衰
が少ない材料、たとえば鉄や真鍮等の金属で形成するこ
とが好ましい。
【0076】弾性部材40の取付部には、リング円板状
のばね受け板45が取り付けられる。ばね受け板45の
内側が出力軸10の段差部10dと略嵌合することでセ
ンター合わせを実現している。ばね受け板45の上面内
側には、2つの突起43aを有する係止板43が取り付
けられる。出力軸10の基端部10eに形成された切欠
き10gと突起43aとが係合することによって、弾性
部材40の回転トルクが出力軸10に伝達される。
【0077】出力軸10の基端面には板ばね44が装着
され、出力軸10の基端中央に形成された突起10fと
板ばね44の中央に形成された貫通孔と略嵌合すること
でセンター合わせを実現している。
【0078】板ばね44は、中央円板と放射状に延出す
る複数の揺動端とで形成され、揺動端がばね受け板45
を均等に押圧することによって、弾性部材30と弾性部
材40との間の圧接力を発生する。
【0079】ロータリトランス60は、リング状に形成
された弾性部材30、40の肉厚部から内側で、かつ弾
性部材30、40の肉薄部および取付部の間に確保した
リング状のスペースに配置される。
【0080】ロータリトランス60は、リング状の固定
側コア61とリング状の移動側コア62とが所定ギャッ
プ長で対向して構成される。固定側コア61は、リング
状のスペーサ14の上に装着される。移動側コア62
は、出力軸10の軸太部10bより僅かに太く形成され
た軸太部10cに略嵌合し、段差部10dの段差面に装
着され、出力軸10と一体的に回転する。
【0081】次に電気系について説明する。図16
(a)は圧電素子31の分極状態および電極形状を示す
平面図で、図16(b)は圧電素子31の図16(a)
とは反対面の電極形状を示す平面図である。なお、圧電
素子41も圧電素子31と同様な分極状態および電極形
状を有する。
【0082】リング状の圧電素子31は、駆動電界を厚
さ方向に印加することによって厚さ方向および周方向に
伸縮し、この伸縮運動が高速に変化することによって振
動を発生するものであり、振動の位相を周方向に沿って
変化させることによって、進行波や定在波等の回転変位
波を形成する。ここでは、一周に5周期の変位波を発生
させる場合を例示しており、図16(a)に示すよう
に、変位波の波長λを単位として、λ/2毎に分極方向
が反転した4つのλ/2分極領域から成る2つのグルー
プA、Bと、グループA、Bの間に介在するλ/4分極
領域および3λ/4分極領域とを形成している。こうし
た分極領域および電極に対応して、駆動電極31aがグ
ループAに、駆動電極31bがグループBに、モニタ電
極31cがλ/4分極領域に対応するように形成され
る。なお、圧電素子31が搭載される弾性部材30が各
電極A、B、λ/4、3λ/4に対向するリング状の共
通電極として機能し、弾性部材30はハウジング21を
介して接地される。弾性部材40も圧電素子41の共通
電極として機能し、ハウジング21を介して接地され
る。
【0083】圧電素子31に電界を厚さ方向(たとえば
紙面の表から裏)に印加すると、電歪効果によって厚さ
方向および周方向に伸縮し、「+」で示した正分極領域
では厚さが増加し、「−」で示した負分極領域では厚さ
が減少する。たとえばグループAに対応した駆動電極3
1aに正の電圧を印加すると、λ/2毎に変形方向が変
化して、2波長分の波を形成し、分極領域の境界は波の
節となる。駆動電極31aの印加電圧を超音波領域の周
波数で変化させると、グループAから発生する波が圧電
素子31全体に伝搬するようになる。グループBも同様
に、駆動電極31bに超音波領域の交流電圧を印加する
と、2波長分の波が圧電素子31全体に伝搬するように
なり、グループAの波とグループBの波とが合成され
る。そこで、駆動電極31aにcos波、駆動電極31
bにsin波を印加して、互いに位相を90度ずらすこ
とによって、一方向の回転変位波を発生させることがで
きる。
【0084】図17は、回転変位波が発生する様子を示
すグラフである。図17(a)は圧電素子31の直線展
開図であり、図17(g)は駆動電極31a、31bの
電圧波形である。また、図17(b)〜図17(f)
は、図17(g)中の時刻t0〜t4での回転変位波の
波形を示している。時刻t0では、グループAだけが振
幅1の表面波を発生しリング全体に伝搬している。時刻
t1では、グループA、Bが振幅1/√2の表面波を9
0度位相差で発生し、その合成波は時刻t0と比べてλ
/8だけ左方に移動している。時刻t2では、グループ
Bだけが振幅1の表面波を発生し、時刻t1と比べてλ
/8だけ左方に移動している。以下、時刻t3、t4で
も同様にλ/8ずつ左方に移動しており、時間とともに
左方に移動する回転変位波が発生することが判る。
【0085】また、駆動電極31aにsin波、駆動電
極31bにcos波を印加して、位相を反対方向に90
度ずらした場合は、上述とは反対方向の回転変位波を発
生させることができる。このようにグループAおよびグ
ループBの空間的位相差と駆動波形の時間的位相差を関
連付けて駆動することによって、所望の方向に進行する
回転変位波を発生できる。こうして圧電素子31の伸縮
変化は、圧電素子31が弾性部材30に貼付され一体化
していることにより、所定の振幅を持つ波となる。そし
て、90゜位相の異なる2つの波が合成されて回転変位
波となり、その回転変位波が弾性部材30を伝わって、
圧接面30aでの回転変位波となる。同様に、圧電素子
41の伸縮変化によって発生した回転変位波は弾性部材
40を伝わって、圧接面40aでの回転変位波となる。
【0086】モニタ電極31cは、圧電効果によって、
圧電素子31に発生した変位波の振動波形を電気信号と
して検出するものである。駆動電極31a、31bおよ
びモニタ電極31cにはラインPA、PB、PCがそれ
ぞれ接続され、図15に示すように、ハウジング21に
形成された引出し孔から外部に引き出される。
【0087】圧電素子41についても同様に、駆動電極
41a、41bおよびモニタ電極41cにはラインQ
A、QB、QCがそれぞれ接続され、途中にロータリト
ランス60が介在する。
【0088】図15では2相駆動用のロータリトランス
60を使用した例を示し、ロータリトランス60はライ
ンQA、QB、QCに対応して3つのトランス回路を有
する。図1(b)に示すように、固定側コア61および
移動側コア62には5つのリング状突起が同心円状に形
成され、そのうち外周側の3つの突起がラインQA、Q
Bのトランス回路を構成する駆動側コア61a、62a
として機能し、内側2つの突起がラインQCのトランス
回路を構成する検出側コア61c、62cとして機能す
る。各リング状突起は所定角度ごとに溝加工されて、複
数の部分突起を形成し、各部分突起を巻回するようにコ
イルが装着されており、対向するリング状突起同士の磁
気結合によって、電力供給や信号伝達が非接触で行なわ
れる。
【0089】また、駆動側コア61a、62aと検出側
コア61c、62cとの間には、プラスチック等の非磁
性材料を挿入して、両者コア間の磁気結合を抑制するた
めのセパレータ61b、62bを形成してもよい。ま
た、こうしたセパレータ61b、62bを駆動側コア6
1a、62aと検出側コア61c、62cとの間だけで
なく、ラインQA、QB、QC間全てに挿入してもよ
い。こうした非磁性材料のセパレータ61b、62bを
設けることによって、各トランス回路間の磁気的結合を
抑制できる。セパレータ61b、62bは、接着剤充填
により形成してもよい。
【0090】図18は、超音波モータの駆動制御回路の
一例を示すブロック図である。ここでは、ステータを主
駆動、ロータを従駆動とした回路例を示す。超音波モー
タ1の弾性部材30、40は互いに圧接された状態で、
出力軸10やハウジング21等を介して電気的に接地さ
れる。固定側の弾性部材30に取り付けられた圧電素子
31の駆動電極31a、31bおよびモニタ電極31c
にはラインPA、PB、PCがそれぞれ接続される。ラ
インPA、PBの途中には、圧電駆動に必要な高電圧を
発生するための昇圧トランス70、71が介在する。な
お、昇圧トランス70、71は回路基板等に固定され
る。
【0091】移動側の弾性部材40に取り付けられた圧
電素子41の駆動電極41a、41bおよびモニタ電極
41cにはラインQA、QB、QCがそれぞれ接続さ
れ、途中にロータリトランス60が介在する。ここで、
ロータリトランス60の昇圧比Nrを1以下に設定した
場合は、圧電駆動用の高電圧を発生する昇圧トランスが
別に必要になるが、ロータリトランス60の昇圧比Nr
を1より大きく設定することによって、昇圧トランス7
0、71と同様な機能を付与できるため、移動側の昇圧
トランスを省略できる。
【0092】また、弾性部材30、40での回転変位波
の駆動電圧をほぼ同等にするために、固定側と移動側の
電気的特性および機械的特性をほぼ一致させることが好
ましい。
【0093】ステータ側の周波数制御発振器82は、周
波数Fsの超音波駆動信号(たとえば正弦波やパルス
波)を出力し、出力インピーダンスを持つ増幅器86で
増幅された後ラインPAに出力され、昇圧トランス70
の組合せによって電流駆動型高電圧に変換され、圧電素
子31の駆動電極31bに印加される。図8に示す11
2,114定電流化インピーダンス系は、図18におい
ては出力インピーダンスを持つ増幅器86と出力トラン
ス70の組合せによって形成される。定電流化インピー
ダンスは増幅器86の出力インピーダンスの昇圧比の2
乗を掛け合わせた値となる。出力インピーダンスは回路
抵抗を入れてもよく、またドライブ波形のデューティを
50%より小さくしても形成でき、昇圧比との相対的な
バランスで定める。さらに、周波数制御発振器82の超
音波駆動信号は、位相を90度シフトさせるための移相
器84を経由して出力インピーダンスを持つ増幅器88
にも入力され、増幅器88で増幅された後、ラインPA
同様、電流駆動型高電圧に変換されるようラインPBに
出力され、昇圧トランス71との組合せによって電流駆
動型高電圧に変換され、圧電素子31の駆動電極31a
に印加される。
【0094】また、圧電素子31のモニタ電極31cに
発生した検出信号は、ラインPCを経由して波形整形用
のリミッタ回路90に入力され、さらに周波数制御発振
器82にフィードバック信号として入力される。周波数
制御発振器82は、VCO(電圧制御発振器)、位相比
較器およびLPF(ローパスフィルタ)から成るPLL
(Phase Locked Loop)回路等で構成され、自己駆動状態
で動作する。
【0095】ロータ側は、周波数制御発振器82が出力
する周波数Fsの超音波駆動信号に基づいて周波数制御
回路83が周波数Frの超音波駆動信号(たとえば正弦
波やパルス波)を出力し、出力インピーダンスを持つ増
幅器87で増幅された後ラインQAに出力され、ロータ
リトランス60との組合せによって電流駆動型高電圧に
変換され、圧電素子41の駆動電極41aに印加され
る。さらに、周波数制御回路83からの超音波駆動信号
は、位相を90度シフトさせるための移相器85を経由
して出力インピーダンスを持つ増幅器89にも入力さ
れ、増幅器89で増幅された後ラインQBに出力され、
ロータリトランス60との組合せによって電流駆動型高
電圧に変換され、圧電素子41の駆動電極41bに印加
される。
【0096】なお、圧電素子41のモニタ電極41cに
発生した検出信号は、ロータ側を従駆動とした場合には
使用しない。なお、ロータとステータの角度ずれを検知
する場合は、ロータ側およびステータ側の各フィードバ
ック信号を用いて、各信号の位相差を検出することにな
る。
【0097】周波数制御回路83は、コンピュータ等か
ら成る外部ホスト装置80からのコマンドが入力される
と、該コマンドを解析して、周波数制御発振器82から
の周波数Fsを受けて、周波数Frを制御する。
【0098】たとえば、外部ホスト装置80からのコマ
ンドが回転速度コマンドである場合は、この回転速度に
応じた周波数差ΔFを保つように発振器82からの信号
に周波数差ΔFを加えて、周波数Frを制御する。する
と、前述のように圧電素子31、41は周波数Fs、F
rの振動を発生し、これらの振動が弾性部材30、40
を伝搬して圧接面30a、40aで円周方向に沿った変
位成分を持つ回転変位波WA、WBをそれぞれ発生す
る。圧接面30a、40aの回転変位波WA、WBは周
波数差ΔFだけシフトしているため、移動側の弾性部材
40は固定側の弾性部材30に対して相対的に回転する
ようになり、+Δf時は回転変位波の回転方向に、−Δ
f時はこの逆方向に回転する。この回転トルクは図1に
示す出力軸10から取り出される。弾性部材40の回転
速度は、周波数差ΔFに比例的に変化するため、周波数
制御回路83が周波数差ΔFを精度良く制御することに
よって、超音波モータ1の回転速度を高精度で制御する
ことができる。
【0099】また、周波数Fs、Frを一致させて周波
数差ΔFをゼロに制御することによって、超音波モータ
1は静止するとともに、弾性部材30、40の間の圧接
力がモータ保持トルクとして機能するとともに、回転変
位波WA,WBが互いにロック状態に噛み合うための保
持機能が充実し、ブレーキ機構を省くことができる。
【0100】外部ホスト装置80からのコマンドが回転
角コマンドである場合は、回転角コマンドに対応した時
間だけ周波数差ΔFに対応した所定の回転速度を保持
し、その後周波数Fs、Frを一致させることによって
停止する。したがって、ステッピングモータのような回
転角制御も可能になる。
【0101】このように周波数制御回路83は、発振器
82の信号を受け、周波数Frを任意に制御することに
よって、超音波モータ1の回転速度、回転角、回転方向
等を自由自在に制御できる。
【0102】図19は、超音波モータの駆動制御回路の
他の例を示すブロック図である。ここでは、ロータを主
駆動、ステータを従駆動とした回路例を示す。
【0103】周波数制御発振器82は、周波数Frの超
音波駆動信号(たとえば正弦波やパルス波)を出力し、
出力インピーダンスを持つ増幅器87で増幅された後ラ
インQAに出力され、昇圧型ロータリトランス60との
組合せによって電流駆動型高電圧に変換され、圧電素子
41の駆動電極41aに印加される。さらに、周波数制
御発振器82の超音波駆動信号は、位相を90度シフト
させるための移相器85を経由して増幅器89にも入力
され、出力インピーダンスを持つ増幅器89で増幅され
た後ラインQBに出力され、昇圧型ロータリトランス6
0との組合せによって電流駆動型高電圧に変換され、圧
電素子41の駆動電極41bに印加される。
【0104】圧電素子41のモニタ電極41cに発生し
た検出信号は、ラインQCを経由して波形整形用のリミ
ッタ回路90に入力され、さらに周波数制御発振器82
にフィードバック信号として入力される。周波数制御発
振器82は、VCO(電圧制御発振器)、位相比較器お
よびLPF(ローパスフィルタ)から成るPLL(Phas
e Locked Loop)回路等で構成され、自己駆動状態で動
作する。
【0105】ステータ側は、周波数制御発振器82が出
力する周波数Frの超音波駆動信号に基づいて周波数制
御回路83が周波数Fsの超音波駆動信号(たとえば正
弦波やパルス波)を出力し、出力インピーダンスを持つ
増幅器86で増幅された後ラインPAに出力され、昇圧
トランス70との組合せによって電流駆動型高電圧に変
換され、圧電素子31の駆動電極31bに印加される。
さらに、周波数制御回路83からの超音波駆動信号は、
位相を90度シフトさせるための移相器84を経由して
出力インピーダンスを持つ増幅器88にも入力され、増
幅器88で増幅された後ラインPBに出力され、昇圧ト
ランス71との組合せによって電流駆動型高電圧に変換
され、圧電素子31の駆動電極31aに印加される。
【0106】また、圧電素子31のモニタ電極31cに
発生した検出信号は、ステータを従駆動とした場合には
使用しない。なお、ロータとステータの角度ずれを検知
する場合は、ロータ側およびステータ側の各フィードバ
ック信号を用いて、各信号の位相差を検出することにな
る。
【0107】周波数制御回路83は、コンピュータ等か
ら成る外部ホスト装置80からのコマンドが入力される
と、該コマンドを解析して、周波数制御発振器82から
の周波数Frを受けて、周波数Fsを制御する。こうし
て外部ホスト装置80からのコマンドに応じて超音波モ
ータ1の回転速度、回転角、回転方向等を自由自在に制
御できる。
【0108】上述の図18、図19の回路構成におい
て、固定側の圧電素子31の反共振周波数fnsと略一
致する周波数Fsで圧電素子31を駆動し、かつ移動側
の圧電素子41の反共振周波数fnrと略一致する周波
数Frで圧電素子41を駆動することによって、エネル
ギー効率の向上、周波数制御の安定化などを図ることが
できる。
【0109】また、増幅器86〜89をわずかな出力イ
ンピーダンスを持つ電圧駆動回路で構成し、ロータリト
ランス60の昇圧比の2乗を出力インピーダンスとし、
積算組合せを各ラインQA、QBに関するインピーダン
ス成分として機能させ、昇圧トランス70、71を出力
インピーダンスを有する増幅器と組合せてラインPA、
PBに関するインピーダンス成分として機能させること
によって、圧電素子31、41の電流駆動が可能にな
る。この場合の昇圧出力トランスの2次側インダクタン
ス成分と圧電素子Cbとの共振周波数はFm,Fnより
はるかに低い周波数としている。したがって、圧電素子
のインピーダンスZが最大となる反共振周波数Fn近傍
で圧電素子を電流駆動することによって、圧電素子への
供給電力が最大になり、圧電素子のエネルギー効率が格
段に向上する。
【0110】また以上の説明では、固定側の弾性部材3
0および移動側の弾性部材40の両方に圧電素子31、
41を設けたダブル駆動型の超音波モータの例を示した
が、移動側の弾性部材40だけに圧電素子41を設け、
固定側の弾性部材30には圧電素子31を設けないシン
グル駆動型の超音波モータについても本発明は適用可能
である。
【0111】また以上の説明では、圧電素子31、41
をcos波およびsin波から成る2相の駆動信号で駆
動して回転変位波を発生させる例を示したが、駆動電極
の配置と対応付けした3相以上の駆動信号で駆動して回
転変位波を発生させることも可能である。
【0112】
【発明の効果】以上詳説したように本発明によれば、駆
動電子回路の構成を通して本来圧電駆動素子の有する固
定圧電素子の反共振周波数fnsと略一致する周波数F
sで固定圧電素子を駆動し、移動圧電素子の反共振周波
数fnrと略一致する周波数Frで移動圧電素子を駆動
することによって、エネルギー効率の向上、周波数制御
の安定化などを図ることができる。
【0113】また、電圧駆動回路と圧電素子に直列接続
されるインピーダンス成分とを含む電流駆動型回路を用
いることで、圧電素子のインピーダンスZが最大となる
反共振周波数Fnを正しくつかむことができ、Fn近傍
で圧電素子を電流駆動することによって、圧電素子への
供給電力が最大になり、圧電素子のエネルギー効率が格
段に向上するとともに、Fn周波数制御のゲインを増大
し、サーボ系が一段と安定し、さらにサーボ調整箇所が
ないためにドライブ系の無調整化が図れ、生産性が高く
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な圧電素子の等価回路である。
【図2】圧電素子のインピーダンス周波数特性を示すグ
ラフである。
【図3】超音波モータに搭載された圧電素子の評価回路
の一例である。
【図4】図3の評価回路を用いてFB信号の周波数特性
を測定した結果を示すグラフである。
【図5】入力電力一定時の圧電素子の振動変位およびイ
ンピーダンスの周波数特性を示すグラフである。
【図6】本発明に係る圧電素子の駆動回路の一例を示す
ブロック図である。
【図7】図6の駆動回路を用いて圧電素子の各種の周波
数特性を測定した結果を示すグラフである。
【図8】本発明に係る圧電素子の駆動回路の他の例を示
すブロック図である。
【図9】PLL発振器100の動作を示すタイミングチ
ャートである。
【図10】定電流化回路として約10mHのコイルを用
いた場合のFB信号の周波数特性および圧電素子から駆
動回路側をみたインピーダンスZaを示す実測グラフで
ある。
【図11】電圧増幅器および出力トランスから成る駆動
回路を用いた場合のFB信号の周波数特性および圧電素
子から駆動回路側をみたインピーダンスZaを示す実測
グラフである。
【図12】定電流化回路としてインピーダンス素子Zs
=2kΩを使用したときのFB信号の周波数特性を示す
実測グラフである。
【図13】定電流化回路としてインピーダンス素子Zs
=10kΩを使用したときのFB信号の周波数特性を示
す実測グラフである。
【図14】FB信号の周波数シフト量の変化を実測した
結果を示すグラフである。
【図15】図15(a)は本発明に係る超音波モータの
一例を示す断面図であり、図15(b)は図15(a)
中のロータリトランス60の拡大断面図である。
【図16】図16(a)は圧電素子31の分極状態およ
び電極形状を示す平面図で、図16(b)は圧電素子3
1の図16(a)とは反対面の電極形状を示す平面図で
ある。
【図17】回転変位波が発生する様子を示すグラフであ
る。
【図18】超音波モータの駆動制御回路の一例を示すブ
ロック図である。
【図19】超音波モータの駆動制御回路の他の例を示す
ブロック図である。
【符号の説明】
1 超音波モータ 10 出力軸 15、16 ベアリング 21、22 ハウジング 30、40 弾性部材 30a、40a 圧接面 31、41 圧電素子 31a、31b、41a、41b 駆動電極 31c、41c モニタ電極 32、42 ライナ 44 板ばね 60 ロータリトランス 61 固定側コア 62 移動側コア 70、71 昇圧トランス 82 周波数制御発振器 83 周波数制御回路 84、85 移相器 86〜89 増幅器
フロントページの続き Fターム(参考) 5H680 AA00 AA06 AA08 BB03 BB16 BB20 BC01 BC08 CC02 CC07 DD01 DD02 DD15 DD23 DD35 DD53 DD55 DD66 DD75 DD85 DD87 DD92 EE03 EE07 EE21 EE24 FF03 FF08 FF21 FF23 FF24 FF25 FF30 FF31 FF33 FF36 FF38 FF40 GG24

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転対称の圧接面を有する固定弾性部材
    と、 固定弾性部材の圧接面に対向した回転対称の圧接面を有
    し、回転対称軸回りに角変位自在に支持された移動弾性
    部材と、 固定弾性部材の圧接面に周波数Fsの回転変位波を発生
    するための固定圧電素子と、 移動弾性部材の圧接面に周波数Frの回転変位波を発生
    するための移動圧電素子とを備え、 周波数Fsと周波数Frとの周波数差ΔFに応じた回転
    速度で移動弾性部材が角変位する超音波モータであっ
    て、 固定圧電素子の反共振周波数fnsと略一致する周波数
    Fsで固定圧電素子を駆動するための固定側駆動回路
    と、 移動圧電素子の反共振周波数fnrと略一致する周波数
    Frで移動圧電素子を駆動するための移動側駆動回路と
    を備えることを特徴とする超音波モータ。
  2. 【請求項2】 固定側駆動回路および移動側駆動回路の
    駆動周波数Fs、Frの基準となる基準周波数を出力す
    る発振回路と、 固定圧電素子または移動圧電素子の表面に設けられ、い
    ずれか一方の振動波形を検出するためのモニタ電極とを
    備え、 発振回路の発振波形とモニタ電極からの検出波形との位
    相差が所定値となるように発振回路の基準周波数を制御
    するフィードバックループが構成されていることを特徴
    とする請求項1記載の超音波モータ。
  3. 【請求項3】 固定側駆動回路および移動側駆動回路
    は、電圧駆動回路と圧電素子に直列接続されるインピー
    ダンス素子とを含む電流駆動型回路で構成されることを
    特徴とする請求項1記載の超音波モータ。
  4. 【請求項4】 インピーダンス素子のインピーダンスを
    Zs、圧電素子の最大インピーダンスをZmax、圧電
    素子の最小インピーダンスをZminとして、Zs=K
    ・√(Zmax・Zmin)という関係式において、係
    数K≧2が成立するようにインピーダンスZsが選ばれ
    ることを特徴とする請求項3記載の超音波モータ。
  5. 【請求項5】 電圧駆動回路と、圧電素子に直列接続さ
    れるインピーダンス素子とを含む電流駆動型回路で構成
    され、 インピーダンス素子のインピーダンスをZs、圧電素子
    の最大インピーダンスをZmax、圧電素子の最小イン
    ピーダンスをZminとして、Zs=K・√(Zmax
    ・Zmin)という関係式において、係数K≧2が成立
    するようにインピーダンスZsが選ばれることを特徴と
    する圧電素子の駆動回路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100954529B1 (ko) 2007-11-27 2010-04-23 한국과학기술연구원 원환형 압전 초음파 공진기 및 그를 이용한 압전 초음파회전모터
CN103973159A (zh) * 2014-04-26 2014-08-06 合肥工业大学 微型尺蠖式压电驱动旋转关节机构
CN104201934A (zh) * 2014-09-17 2014-12-10 合肥工业大学 一种微型冲击式压电驱动旋转关节及其控制方法

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CN103973159A (zh) * 2014-04-26 2014-08-06 合肥工业大学 微型尺蠖式压电驱动旋转关节机构
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