JPH11346484A - 超音波モータおよびその製造方法 - Google Patents

超音波モータおよびその製造方法

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JPH11346484A
JPH11346484A JP10150272A JP15027298A JPH11346484A JP H11346484 A JPH11346484 A JP H11346484A JP 10150272 A JP10150272 A JP 10150272A JP 15027298 A JP15027298 A JP 15027298A JP H11346484 A JPH11346484 A JP H11346484A
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JP
Japan
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elastic member
core
fixed
contact surface
movable
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JP10150272A
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English (en)
Inventor
Motoaki Ito
元陽 伊藤
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Star Micronics Co Ltd
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Star Micronics Co Ltd
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Publication date
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 移動子側に安定した電力供給を実現できる。 【解決手段】 固定側の弾性部材30は、回転対称な圧
接面30aを有し、移動側の弾性部材40は、回転対称
軸回りに角変位自在に支持されて、圧接面30aに圧接
する回転対称な圧接面40aを有する。圧電素子41
は、圧接面40aに回転変位波を発生する。固定コア6
1は、回転対称な対向面61dを有し、移動コア62
は、対向面61dに所定のギャップで対向する回転対称
な対向面62dを有し、固定コア61及び移動コア62
は、圧電素子41に電力を供給するためのロータリトラ
ンス60を構成する。対向面61は、圧接面30aより
も、回転対称軸寄りで、かつ移動コア62寄りに配置さ
れる。これによって、固定コア61と移動コア62との
間のギャップは、側方から見たときに弾性部材30によ
って遮られることがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動子の圧接面に
回転変位波を発生させて回転運動を行なう超音波モータ
およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般の進行波型超音波モータは、リング
状の固定子と回転子を互いに圧接し、固定子の裏面にリ
ング状の圧電素子を接合して、固定子の圧接面に進行波
を発生させることによって、圧接点の楕円運動を回転子
の回転運動に変換するように構成される(文献「超音波
モータ入門」、見城尚史・指田年生共著、総合電子出版
社発行、1991年)。
【0003】こうした超音波モータは、電磁モータと比
べて、コイル巻線や鉄芯等の磁気回路が不要になるため
小型軽量化が図られ、しかも低速回転時にも高いトルク
が得られるという長所があり、カメラレンズ回転機構等
やロボットアクチュエータ等の分野で実用化されてい
る。
【0004】従来の超音波モータは、固定子表面の進行
波で回転子を摩擦駆動する方式であるため、大きな振幅
の進行波を得るために鋭い共振を有する圧電材料から成
る圧電素子を共振周波数で共振するように駆動してい
る。そのため、移動子の回転速度を可変制御したい場
合、進行波の駆動周波数または駆動電圧を変化させる必
要があるが、圧電素子の駆動周波数や駆動電圧を変化さ
せると圧電素子の振動出力が急激に減少したりトルクが
変化してしまうことになる。その結果、従来の超音波モ
ータでは回転速度の可変制御が極めて困難であり、現実
には典型的なDCモータのように一定回転数の出力をオ
ンオフ制御する用途に限られている。
【0005】そこで、固定子および回転子の両方に圧電
素子をそれぞれ設けて、固定子の進行波と回転子の進行
波との相互作用によって、回転子の回転速度を高速また
は低速で制御するようにしたダブル駆動型の超音波モー
タが提案されている(特許第2663164号)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】後者のダブル駆動型超
音波モータでは、回転子にも圧電素子を設けるため、回
転する圧電素子に何らかの手段で電力を供給する必要が
ある。該特許明細書にはケースカバーに導電ブラシ、回
転子に導電盤をそれぞれ取り付けた接触式の給電機構が
記載されている。
【0007】こうした接触式の給電機構では、従来のブ
ラシ付電磁モータと同様に、信頼性や寿命、スパーク、
電磁ノイズの点で実用化分野が限られてくる。
【0008】一方、前者の進行波型超音波モータに関し
て、固定子ではなく回転子に圧電素子を設けた超音波モ
ータにおいて、スリップリングとブラシとの組合せやロ
ータリトランスを用いた給電方式が提案されている(特
開平4−71371号)。しかしながら、スリップリン
グを用いた構成は具体的に記載されているものの、ロー
タリトランスを用いた具体的な構成は説明されていな
い。
【0009】本発明の目的は、移動子側に安定した電力
供給を実現できる超音波モータを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、回転対称な圧
接面を有する固定弾性部材と、回転対称軸回りに角変位
自在に支持され、固定弾性部材の圧接面に圧接する回転
対称な圧接面を有する移動弾性部材と、移動弾性部材の
圧接面に回転変位波を発生するための移動振動素子と、
回転対称な対向面を有する固定コアと、固定コアの対向
面に所定のギャップで対向する回転対称な対向面を有
し、固定コアと共に移動振動素子に電力を供給するため
のロータリトランスを構成する移動コアとを備え、固定
コアおよび移動コアの各対向面は、固定弾性部材および
移動弾性部材の各圧接面よりも回転対称軸寄りに配置さ
れ、固定コアの対向面は、固定弾性部材の圧接面よりも
移動コア寄りに配置されることを特徴とする超音波モー
タである。
【0011】本発明に従えば、ロータリトランスを用い
て移動振動素子に電力を供給することによって、電力損
失や機械損失が少ない非接触の給電が可能になる。ま
た、固定コアの対向面は固定弾性部材の圧接面よりも内
側で、かつ固定コアの対向面は固定弾性部材の圧接面よ
りも移動コア寄りに配置されるので、固定コアと移動コ
アとの間のギャップは、側方から見たときに固定弾性部
材によって遮られることがない。よって、固定側から固
定弾性部材、固定コア、移動コアの順に組立て、最後に
移動弾性部材を組込むことで超音波モータを製造した場
合に、固定コアと移動コアとの間のギャップの検査が可
能となり、ロータリトランスの伝達性能を向上すること
ができる。
【0012】また本発明は、回転対称な圧接面を有する
固定弾性部材と、回転対称軸回りに角変位自在に支持さ
れ、固定弾性部材の圧接面に圧接する回転対称な圧接面
を有する移動弾性部材と、移動弾性部材の圧接面に回転
変位波を発生するための移動振動素子と、回転対称な対
向面を有する固定コアと、固定コアの対向面に所定のギ
ャップで対向する回転対称な対向面を有し、固定コアと
共に移動振動素子に電力を供給するためのロータリトラ
ンスを構成する移動コアとを備え、固定コアおよび移動
コアの各対向面は、固定弾性部材および移動弾性部材の
各圧接面よりも回転対称軸寄りに配置され、移動コアの
対向面は、移動弾性部材の圧接面よりも固定コア寄りに
配置されることを特徴とする超音波モータである。
【0013】本発明に従えば、ロータリトランスを用い
て移動振動素子に電力を供給することによって、電力損
失や機械損失が少ない非接触の給電が可能になる。ま
た、移動コアの対向面は移動弾性部材の圧接面よりも内
側で、かつ移動コアの対向面は移動弾性部材の圧接面よ
りも固定コア寄りに配置されるので、固定コアと移動コ
アとの間のギャップは、側方から見たときに移動弾性部
材によって遮られることがない。よって、移動側から移
動弾性部材、移動コア、固定コアの順に組立て、最後に
固定弾性部材を組込むことで超音波モータを製造した場
合に、固定コアと移動コアとの間のギャップの検査が可
能となり、ロータリトランスの伝達性能を向上すること
ができる。
【0014】また本発明は、回転対称な圧接面を有する
固定弾性部材と、回転対称軸回りに角変位自在に支持さ
れ、固定弾性部材の圧接面に圧接する回転対称な圧接面
を有する移動弾性部材と、移動弾性部材の圧接面に回転
変位波を発生するための移動振動素子と、回転対称な対
向面を有する固定コアと、固定コアの対向面に所定のギ
ャップで対向する回転対称な対向面を有し、固定コアと
共に移動振動素子に電力を供給するためのロータリトラ
ンスを構成する移動コアとを備え、固定弾性部材および
移動弾性部材の各圧接面は、固定コアおよび移動コアの
各対向面よりも回転対称軸寄りに配置されることを特徴
とする超音波モータである。
【0015】本発明に従えば、ロータリトランスを用い
て移動振動素子に電力を供給することによって、電力損
失や機械損失が少ない非接触の給電が可能になる。ま
た、固定コアおよび移動コアの各対向面が、固定弾性部
材および移動弾性部材の各圧接面よりも外側に配置され
るので、固定コアと移動コアとの間のギャップは、側方
から見たときに固定弾性部材によって遮られることがな
く、さらに移動弾性部材によっても遮られることがな
い。よって、超音波モータを固定側から組立てた場合
も、移動側から組立てた場合も、固定コアと移動コアと
の間のギャップの検査が可能となり、ロータリトランス
の伝達性能を向上することができる。
【0016】特に、固定コアの対向面を固定弾性部材の
圧接面よりも移動コア寄りに配置することで、固定側か
ら組立てられた場合にギャップの検査が容易となる。同
様に、移動コアの対向面を移動弾性部材の圧接面よりも
固定コア寄りに配置することで、移動側から組立てられ
た場合にギャップの検査が容易となる。
【0017】また本発明は、前記固定弾性部材の圧接面
に回転変位波を発生するための固定振動素子をさらに備
えることを特徴とする。
【0018】本発明に従えば、移動振動素子に加えて固
定振動素子を設けることで、移動弾性部材と固定弾性部
材との両方を駆動するダブル駆動型の超音波モータを実
現できる。ダブル駆動型は、固定側の回転変位波の進行
速度と移動側の回転変位波の進行速度との差に応じた回
転速度で駆動されることで、低速回転時にも高いトルク
が得られる。上記のようなギャップの検査による品質の
向上は、ダブル駆動型の超音波モータにおいても実現さ
れる。
【0019】また本発明は、回転対称な圧接面を有する
固定弾性部材、回転対称軸回りに角変位自在に支持され
回転対称な圧接面を有する移動弾性部材、移動弾性部材
の圧接面に回転変位波を発生するための移動振動素子、
回転対称な対向面を有する固定コア、および回転対称な
対向面を有し固定コアと共に移動振動素子に電力を供給
するためのロータリトランスを構成する移動コアを備え
た超音波モータの製造方法であって、固定コアの対向面
が固定弾性部材の圧接面よりも回転対称軸寄りで、固定
コアの対向面が固定弾性部材の圧接面よりも高くなるよ
うに、固定コアを配置する工程と、固定コアに対して所
定のギャップで移動コアを配置する工程と、移動弾性部
材の圧接面を固定弾性部材の圧接面に圧接させて、移動
弾性部材を配置する工程とを含むことを特徴とする超音
波モータの製造方法である。
【0020】本発明に従えば、ロータリトランスを用い
て移動振動素子に電力を供給することによって、電力損
失や機械損失が少ない非接触の給電が可能になる。ま
た、固定コアの対向面は固定弾性部材の圧接面よりも高
く配置されるので、側方から見た固定コアと移動コアと
の間のギャップは、固定弾性部材によって遮られること
がない。よって、移動弾性部材の取付工程の前に、固定
コアと移動コアとの間のギャップの検査が可能となり、
ロータリトランスの伝達性能を向上することができる。
【0021】なお、対向面が圧接面よりも高く配置され
ることで、完成した超音波モータにおいて、対向面は圧
接面よりも移動弾性部材側寄りに配置されることにな
る。また、固定コアの取付工程と移動コアの取付工程と
はどちらを先行させてもよい。また、移動振動素子はど
の工程で設けられてもよく、たとえば上記全工程の前に
設けられてもよいし、その後に設けられてもよい。ま
た、固定コアの取付工程以前に、固定弾性部材の移動弾
性部材に圧接する表面にライナなどが形成された場合、
ライナの表面が固定弾性部材の圧接面となる。
【0022】また本発明は、回転対称な圧接面を有する
固定弾性部材、回転対称軸回りに角変位自在に支持され
回転対称な圧接面を有する移動弾性部材、移動弾性部材
の圧接面に回転変位波を発生するための移動振動素子、
回転対称な対向面を有する固定コア、および回転対称な
対向面を有し固定コアと共に移動振動素子に電力を供給
するためのロータリトランスを構成する移動コアを備え
た超音波モータの製造方法であって、移動コアの対向面
が移動弾性部材の圧接面よりも回転対称軸寄りで、移動
コアの対向面が移動弾性部材の圧接面よりも高くなるよ
うに、移動コアを配置する工程と、移動コアに対して所
定のギャップで固定コアを配置する工程と、固定弾性部
材の圧接面を移動弾性部材の圧接面に圧接させて、固定
弾性部材を配置する工程とを含むことを特徴とする超音
波モータの製造方法である。
【0023】本発明に従えば、ロータリトランスを用い
て移動振動素子に電力を供給することによって、電力損
失や機械損失が少ない非接触の給電が可能になる。ま
た、移動コアの対向面は移動弾性部材の圧接面よりも高
く配置されるので、側方から見た固定コアと移動コアと
の間のギャップは、移動弾性部材によって遮られること
がない。よって、固定弾性部材の取付工程の前に、固定
コアと移動コアとの間のギャップの検査が可能となり、
ロータリトランスの伝達性能を向上することができる。
【0024】なお、対向面が圧接面よりも高く配置され
ることで、完成した超音波モータにおいて、対向面は圧
接面よりも固定弾性部材側寄りに配置されることにな
る。また、上記と同様に、固定コアの取付工程と移動コ
アの取付工程とはどちらを先行させてもよい。また、移
動振動素子は移動弾性部材にどの工程で設けられてもよ
い。また、移動コアの取付工程以前に、移動弾性部材の
固定弾性部材に圧接する表面にライナなどが形成された
場合、ライナの表面が移動弾性部材の圧接面となる。
【0025】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)図1(a)は本
発明の第1実施形態の構成を示す断面図であり、図1
(b)は図1(a)中のロータリトランス60の拡大断
面図である。図2、図3は組立て手順を示す分解斜視図
であり、図4は組立途中の断面図である。
【0026】超音波モータ100は、回転対称形状を有
する固定側の弾性部材30と、回転対称形状を有する移
動側の弾性部材40と、弾性部材30に振動を付与する
固定側の圧電素子31と、弾性部材40に振動を付与す
る移動側の圧電素子41と、弾性部材40と一体的に回
転する出力軸10と、圧電素子41に非接触で給電する
ロータリトランス60と、これらを収納するハウジング
21、22などで構成される。
【0027】ハウジング21は、底面および側面から成
る円筒箱状であり、底面の中央に貫通孔が形成され、貫
通孔には断面凸状で中空のベアリングホルダ20が装着
される。ベアリングホルダ20の内面には上下方向から
段差部が形成され、これらの段差部には出力軸10を回
転自在に支持するためのベアリング15、16が所定間
隔で装着固定される。
【0028】出力軸10はベアリング15、16の内リ
ングと略嵌合するように挿入される。ベアリング16は
出力軸10中央の軸太部10bの段差面に装着されたス
ペーサ13に当接して挟持され、ベアリング15は出力
軸10の先端から挿入されるスペーサ12によって挟持
され、さらに出力軸10の円周溝10aにEリングなど
の抜止め11を装着することによって出力軸10とベア
リング15、16の内リングとが一体化される。
【0029】ベアリングホルダ20の上面には弾性部材
30が載置され、ベアリング16の外形と略嵌合するこ
とでセンター合わせを実現している。
【0030】弾性部材30は、上面にリング状の圧接面
30aを有する肉厚部と、肉厚部を内側から支える肉薄
部30bと、内側のスペーサ14と略嵌合する取付部と
を有し、肉厚部の厚さ方向の振動を許容する構造を成し
ている。肉厚部の下面には、圧接面30aと対向するよ
うにリング円板状の圧電素子31が接着される。図1で
は、弾性部材30の移動側に臨む表面は、圧電素子31
で発生した振動が効率的に集中するように断面凸状に形
成され、凸部が圧接面30aとなっている。一方図2、
図3に示すように、弾性部材30表面の凸部にフッ素樹
脂等の低摩擦材料から成るライナ32が固定または載置
されてもよい。ただし、この場合、ライナ32の表面が
圧接面30aとなる。
【0031】一方、移動側の弾性部材40は、弾性部材
30と同様に、下面にリング状の圧接面40aを有する
肉厚部と、肉厚部を内側から支える肉薄部40bと、出
力軸10にトルクを伝達する取付部とを有し、肉厚部の
厚さ方向の振動を許容する構造を成している。肉厚部の
上面には、圧接面40aと対向するようにリング円板状
の圧電素子41が接着固定される。圧接面40aは、圧
電素子41で発生した振動が効率的に集中するように断
面凸状に形成され、凸部にフッ素樹脂等の低摩擦材料か
ら成るライナ42が固定または載置される。
【0032】こうした弾性部材30、40は、振動減衰
が少ない材料、たとえば鉄や真鍮等の金属で形成するこ
とが好ましい。
【0033】弾性部材40の取付部には、リング円板状
のばね受け板45が取り付けられる。ばね受け板45の
内側が出力軸10の段差部10dと略嵌合することでセ
ンター合わせを実現している。ばね受け板45の上面内
側には、2つの突起43aを有する係止板43が取り付
けられる。出力軸10の基端部10eに形成された切欠
き10gと突起43aとが係合することによって、弾性
部材40の回転トルクが出力軸10に伝達される。
【0034】出力軸10の基端面には板ばね44が装着
され、出力軸10の基端中央に形成された突起10fと
板ばね44の中央に形成された貫通孔とが略嵌合するこ
とでセンター合わせを実現している。
【0035】板ばね44は、中央円板と放射状に延出す
る複数の揺動端とで形成され、揺動端がばね受け板45
を均等に押圧することによって、弾性部材30と弾性部
材40との間の圧接力を発生する。
【0036】ロータリトランス60は、リング状に形成
された弾性部材30、40の肉厚部から内側で、かつ弾
性部材30、40の肉薄部および取付部の間に確保した
リング状のスペースに配置される。
【0037】ロータリトランス60は、リング状の固定
コア61とリング状の移動コア62とが所定ギャップ長
で対向して構成される。固定コア61は、リング状のス
ペーサ14の上に装着される。移動コア62は、出力軸
10の軸太部10bより僅かに太く形成された軸太部1
0cに略嵌合し、段差部10dの段差面に装着され、出
力軸10と一体的に回転する。
【0038】以下、図2、図3に沿って、超音波モータ
100の組立手順の概略を説明する。まず図2(a)に
おいて、固定側の弾性部材30をベアリングホルダ20
に取付け、固定コア61を弾性部材30に取付ける。固
定コア61の取付は、固定コア61の対向面61dが固
定側の弾性部材30の圧接面30aよりも高くなるよう
に行われる。一方、移動コア62を出力軸10に取付け
る。
【0039】次に、移動コア62と共に出力軸10をベ
アリングホルダ20に嵌合し、内リングに取付ける。こ
れによって、固定コア61と移動コア62とが互いに所
定のギャップ長で対向したロータリトランス60が構成
される。このとき、固定コア61と移動コア62との間
のギャップの検査が可能である。ギャップの検査は、側
方からの目視、またはすきまゲージを使用することなど
によって行われる。ここで、検査の結果ギャップが所定
の範囲を超えていた場合、スペーサ13の厚みを変える
ことで調整が可能となる。
【0040】次に図2(b)において、ばね受け板45
を取付けた移動側の弾性部材40を、出力軸10を介し
て移動コア62に設ける。次に図3(a)、図3(b)
において、ベアリングホルダ20をハウジング21に嵌
合し、ばね受け板45に板ばね44を乗載した状態で、
移動側からハウジング22を被せる。以上で、超音波モ
ータが完成する。
【0041】次に電気系について説明する。図1〜図4
は3相駆動用のロータリトランス60を使用した例を示
し、ロータリトランス60はラインSA、SB、SC、
SDに対応して4つのトランス回路を有する。図1
(b)に示すように、固定コア61および移動コア62
には6つのリング状突起が同心円状に形成され、そのう
ち外周側の4つの突起がラインSA、SB、SCのトラ
ンス回路を構成する駆動側コア61a、62aとして機
能し、内側2つの突起がラインSDのトランス回路を構
成する検出側コア61c、62cとして機能する。各リ
ング状突起は所定角度ごとに溝加工されて、複数の部分
突起を形成し、各部分突起を巻回するようにコイルが装
着されており、対向するリング状突起同士の磁気結合に
よって、電力供給や信号伝達が非接触で行なわれる。
【0042】また、駆動側コア61a、62aと検出側
コア61c、62cとの間には、プラスチック等の非磁
性材料を挿入して、両者コア間の磁気結合を抑制するた
めのセパレータ61b、62bを形成してもよい。さら
に、図1〜図4では3相駆動用のロータリトランス60
が示されたが、2相駆動用でもよい。図5以降は簡単の
ため2相駆動の場合について説明する。ただし、駆動側
コア61a、62aには2本のラインQA、QBが接続
され、検出側コア61c、62cにはラインQCが接続
されるものとする。
【0043】図5(a)は圧電素子31の分極状態およ
び電極形状を示す平面図で、図5(b)は圧電素子31
の図5(a)とは反対面の電極形状を示す平面図であ
る。なお、圧電素子41も圧電素子31と同様な分極状
態および電極形状を有する。
【0044】リング状の圧電素子31は、駆動電界を厚
さ方向に印加することによって厚さ方向および周方向に
伸縮し、この伸縮運動が高速に変化することによって振
動を発生するものであり、振動の位相を周方向に沿って
変化させることによって、進行波や定在波等の回転変位
波を形成する。ここでは、一周に5周期の変位波を発生
させる場合を例示しており、図5(a)に示すように、
変位波の波長λを単位として、λ/2毎に分極方向が反
転した4つのλ/2分極領域から成る2つのグループ
A、Bと、グループA、Bの間に介在するλ/4分極領
域および3λ/4分極領域とを形成している。こうした
分極領域および電極に対応して、駆動電極31aがグル
ープAに、駆動電極31bがグループBに、モニタ電極
31cがλ/4分極領域に対応するように形成される。
なお、圧電素子31が搭載される弾性部材30が各電極
A、B、λ/4、3λ/4に対向するリング状の共通電
極として機能し、弾性部材30はハウジング21を介し
て接地される。弾性部材40も圧電素子41の共通電極
として機能し、ハウジング21を介して接地される。
【0045】圧電素子31に電界を厚さ方向(たとえば
紙面の表から裏)に印加すると、電歪効果によって厚さ
方向および周方向に伸縮し、「+」で示した正分極領域
では厚さが増加し、「−」で示した負分極領域では厚さ
が減少する。たとえばグループAに対応した駆動電極3
1aに正の電圧を印加すると、λ/2毎に変形方向が変
化して、2波長分の波を形成し、分極領域の境界は波の
節となる。駆動電極31aの印加電圧を超音波領域の周
波数で変化させると、グループAから発生する波が圧電
素子31全体に伝搬するようになる。グループBも同様
に、駆動電極31bに超音波領域の交流電圧を印加する
と、2波長分の波が圧電素子31全体に伝搬するように
なり、グループAの波とグループBの波とが合成され
る。そこで、駆動電極31aにcos波、駆動電極31
bにsin波を印加して、互いに時間的位相を90度ず
らすことによって、一方向の進行波を発生させることが
できる。
【0046】また、駆動電極31aにsin波、駆動電
極31bにcos波を印加して、時間的位相を反対方向
に90度ずらした場合は、上述とは反対方向の進行波を
発生させることができる。このようにグループAおよび
グループBの空間的位相差と駆動波形の時間的位相差を
関連付けて駆動することによって、所望の方向に進行す
る進行波を発生できる。こうして圧電素子31の伸縮変
化は、圧電素子31が弾性部材30に貼付され一体化し
ていることにより、所定の振幅を持つ波となる。そし
て、位相の異なる2つの波が合成されて進行波となり、
その進行波が弾性部材30を伝わって、圧接面30aで
の進行波となる。同様に、圧電素子41の伸縮変化によ
って発生した進行波は弾性部材40を伝わって、圧接面
40aでの進行波となる。
【0047】モニタ電極31cは、圧電効果によって、
圧電素子31に発生した進行波の振動波形を電気信号と
して検出するものである。駆動電極31a、31bおよ
びモニタ電極31cにはラインPA、PB、PCがそれ
ぞれ接続され、ハウジング21に形成された引出し孔か
ら外部に引き出される。圧電素子41についても同様
に、駆動電極41a、41bおよびモニタ電極41cに
はラインQA、QB、QCがそれぞれ接続され、途中に
ロータリトランス60が介在する。
【0048】図6は、超音波モータの駆動制御回路の一
例を示すブロック図である。ここでは、ステータを主駆
動、ロータを従駆動とした回路例を示す。超音波モータ
100の弾性部材30、40は互いに圧接された状態
で、出力軸10やハウジング21等を介して電気的に接
地される。固定側の弾性部材30に取り付けられた圧電
素子31の駆動電極31a、31bおよびモニタ電極3
1cにはラインPA、PB、PCがそれぞれ接続され
る。ラインPA、PBの途中には、圧電駆動に必要な高
電圧を発生するための昇圧トランス70、71が介在す
る。なお、昇圧トランス70、71は回路基板等に固定
される。
【0049】移動側の弾性部材40に取り付けられた圧
電素子41の駆動電極41a、41bおよびモニタ電極
41cにはラインQA、QB、QCがそれぞれ接続さ
れ、途中にロータリトランス60が介在する。ここで、
ロータリトランス60の昇圧比Nrを1以下に設定した
場合は、圧電駆動用の高電圧を発生する昇圧トランスが
別に必要になるが、ロータリトランス60の昇圧比Nr
を1より大きく設定することによって、昇圧トランス7
0、71と同様な機能を付与できるため、移動側の昇圧
トランスを省略できる。
【0050】また、弾性部材30、40での進行波の振
幅を同等にするために、固定側と移動側の電気的特性お
よび機械的特性をほぼ一致させることが好ましく、ロー
タリトランス60の昇圧比Nrと昇圧トランス70、7
1の昇圧比Nsとの比Nr/Nsが0.5≦Nr/Ns
≦2の範囲にあればアンバランスを解消でき、特にNs
≒Nrがより好ましい。
【0051】ステータ側の周波数制御発振器82は、周
波数Fsの超音波駆動信号(たとえば正弦波やパルス
波)を出力し、増幅器86で増幅された後ラインPAに
出力され、昇圧トランス70によって高電圧に変換さ
れ、圧電素子31の駆動電極31bに印加される。さら
に、周波数制御発振器82の超音波駆動信号は、位相を
90度シフトさせるための移相器84を経由して増幅器
88にも入力され、増幅器88で増幅された後ラインP
Bに出力され、昇圧トランス71によって高電圧に変換
され、圧電素子31の駆動電極31aに印加される。
【0052】また、圧電素子31のモニタ電極31cに
発生した検出信号は、ラインPCを経由して波形整形用
のリミッタ回路90に入力され、さらに周波数制御発振
器82にフィードバック信号として入力される。周波数
制御発振器82は、VCO(電圧制御発振器)、位相比
較器およびLPF(ローパスフィルタ)から成るPLL
(Phase Locked Loop)回路等で構成され、自己駆動状
態で動作する。
【0053】ロータ側は、周波数制御発振器82が出力
する周波数Fsの超音波駆動信号に基づいて周波数制御
回路83が周波数Frの超音波駆動信号(たとえば正弦
波やパルス波)を出力し、増幅器87で増幅された後ラ
インQAに出力され、ロータリトランス60によって高
電圧に変換され、圧電素子41の駆動電極41aに印加
される。さらに、周波数制御回路83からの超音波駆動
信号は、位相を90度シフトさせるための移相器85を
経由して増幅器89にも入力され、増幅器89で増幅さ
れた後ラインQBに出力され、ロータリトランス60に
よって高電圧に変換され、圧電素子41の駆動電極41
bに印加される。
【0054】なお、圧電素子41のモニタ電極41cに
発生した検出信号は、ロータ側を従駆動とした場合には
使用しない。なお、ロータとステータの角度ずれを検知
する場合は、ロータ側およびステータ側の各フィードバ
ック信号を用いて、各信号の位相差を検出することにな
る。
【0055】周波数制御回路83は、コンピュータ等か
ら成る外部ホスト装置80からのコマンドが入力される
と、該コマンドを解析して、周波数制御発振器82から
の周波数Fsを受けて、周波数Frを制御する。
【0056】たとえば、外部ホスト装置80からのコマ
ンドが回転速度コマンドである場合は、この回転速度に
応じた周波数差ΔFを保つように発振器82からの信号
に周波数差ΔFを加えて、周波数Frを制御する。する
と、前述のように圧電素子31、41は周波数Fs、F
rの振動を発生し、これらの振動が弾性部材30、40
を伝搬して圧接面30a、40aで円周方向に沿った変
位成分を持つ回転変位波WA、WBをそれぞれ発生す
る。圧接面30a、40aの回転変位波WA、WBは周
波数差ΔFだけシフトしているため、移動側の弾性部材
40は固定側の弾性部材30に対して相対的に回転する
ようになり、この回転トルクは図1に示す出力軸10か
ら取り出される。弾性部材40の回転速度は、周波数差
ΔFに比例的に変化するため、周波数制御回路83が周
波数差ΔFを精度良く制御することによって、超音波モ
ータ100の回転速度を高精度で制御することができ
る。
【0057】また、周波数Fs、Frを一致させて周波
数差ΔFをゼロに制御することによって、超音波モータ
100は静止するとともに、弾性部材30、40の間の
圧接力がモータ保持トルクとして機能するため、ブレー
キ機構を省くことができる。
【0058】外部ホスト装置80からのコマンドが回転
角コマンドである場合は、回転角コマンドに対応した時
間だけ周波数差ΔFに対応した所定の回転速度を保持
し、その後周波数Fs、Frを一致させることによって
停止する。したがって、ステッピングモータのような回
転角制御も可能になる。
【0059】このように周波数制御回路83は、発振器
82の信号を受け、周波数Frを任意に制御することに
よって、超音波モータ100の回転速度、回転角、回転
方向等を自由自在に制御できる。
【0060】(第2実施形態)図7は、本発明の第2実
施形態を示す断面図である。第2実施形態の超音波モー
タ200は、回転対称形状を有する固定側の弾性部材1
30と、回転対称形状を有する移動側の弾性部材140
と、弾性部材130に振動を付与する固定側の圧電素子
131と、弾性部材140に振動を付与する移動側の圧
電素子141と、弾性部材140と一体的に回転する出
力軸110と、圧電素子141に非接触で給電するロー
タリトランス160と、これらを収納するハウジング1
21、122などで構成される。
【0061】ハウジング121は、底面および側面から
成る円筒箱状であり、底面の中央に貫通孔が形成され、
貫通孔には断面凸状で中空のベアリングホルダ120が
装着される。ベアリングホルダ120の内面には上下方
向から段差部が形成され、これらの段差部には出力軸1
10を回転自在に支持するためのベアリング115、1
16が所定間隔で装着固定される。
【0062】出力軸110はベアリング115、116
の内リングと略嵌合するように挿入される。ベアリング
116は出力軸110中央の軸太部110bの段差面に
装着されたスペーサ113に当接して挟持され、ベアリ
ング115は出力軸110の先端から挿入されるスペー
サ112によって挟持され、さらに出力軸110の円周
溝110aにEリングなどの抜止め111を装着するこ
とによって出力軸110とベアリング115、116の
内リングとが一体化される。
【0063】ベアリングホルダ120の上面には弾性部
材130が載置され、ベアリング116の外形と略嵌合
することでセンター合わせを実現している。
【0064】弾性部材130は、上面にリング状の圧接
面130aを有する肉厚部と、肉厚部を内側から支える
肉薄部130bと、ベアリング116の外形と略嵌合す
る取付部とを有し、肉厚部の厚さ方向の振動を許容する
構造を成している。肉厚部の下面には、圧接面130a
と対向するようにリング円板状の圧電素子131が接着
される。図7では、弾性部材130の移動側に臨む表面
は、圧電素子131で発生した振動が効率的に集中する
ように断面凸状に形成され、凸部が圧接面130aとな
っている。弾性部材130表面の凸部には、フッ素樹脂
等の低摩擦材料から成るライナが固定または載置されて
もよい。ただし、この場合、ライナの表面が圧接面13
0aとなる。
【0065】一方、移動側の弾性部材140は、弾性部
材130と同様に、下面にリング状の圧接面140aを
有する肉厚部と、肉厚部を内側から支える肉薄部140
bと、出力軸110にトルクを伝達する取付部とを有
し、肉厚部の厚さ方向の振動を許容する構造を成してい
る。肉厚部の上面には、圧接面140aと対向するよう
にリング円板状の圧電素子141が接着固定される。圧
接面140aは、圧電素子141で発生した振動が効率
的に集中するように断面凸状に形成され、凸部にフッ素
樹脂等の低摩擦材料から成るライナ142が固定または
載置される。
【0066】こうした弾性部材130、140は、振動
減衰が少ない材料、たとえば鉄や真鍮等の金属で形成す
ることが好ましい。
【0067】出力軸110の基端部110cには、ばね
受け171、板ばね144および弾性部材140の取付
部が略嵌合されることで、それぞれのセンター合わせを
実現している。基端部110cには、さらに抜止部11
0dが形成されており、ばね受け171を係止する。板
ばね144は、中央円板と放射状に延出する複数の揺動
端とで形成され、揺動端がばね受け板171を均等に押
圧することで、その反力によって弾性部材140が弾性
部材130に均等に圧接される。
【0068】ロータリトランス160は、リング状の固
定コア161とリング状の移動コア162とが所定ギャ
ップ長で対向して構成される。固定コア161は、ベア
リングホルダ120のリング状の取付部の上に装着され
る。移動コア162は、ばね受け171の取付部に装着
され、出力軸110と一体的に回転する。ベアリングホ
ルダ120およびばね受け板171の内側には、リング
状の弾性部材130、140が配置されるリング状のス
ペースが確保されている。
【0069】図8は、図7の超音波モータの組立途中の
断面図である。以下、超音波モータ200の組立手順の
概略を説明する。まず、固定コア161をベアリングホ
ルダ120に取付け、弾性部材130をベアリングホル
ダ120に取付ける。固定コア161の取付は、固定コ
ア161の対向面161dが固定側の弾性部材130の
圧接面130aよりも高くなるように行われる。一方、
移動コア162は、出力軸10に取付けられる。
【0070】次に、図8に示すように、移動コア162
と共に出力軸110をベアリングホルダ120に嵌合す
る。これによって、固定コア161と移動コア162と
が互いに所定のギャップ長で対向したロータリトランス
160が構成される。このとき、固定コア161と移動
コア162との間のギャップの検査が可能である。ギャ
ップの検査は、側方からの目視、またはすきまゲージを
使用することなどによって行われる。
【0071】次に、一旦構成されたロータリトランス1
60から出力軸110を取外し、板ばね144および弾
性部材140を出力軸110に装着した後、再び出力軸
110をベアリングホルダ120に嵌合して、内リング
に取付ける。固定コア161と移動コア162との間の
ギャップは検査済であるので、再び出力軸110の取付
を行ったときにも、所望のギャップで固定コア161と
移動コア162とを対向させることができる。最後に、
これらをハウジング121、122で覆うことで、超音
波モータ200が完成する。
【0072】なお電気系については、第1実施形態と同
様であるので説明を省略する。
【0073】(第3実施形態)図9は、本発明の第3実
施形態を示す断面図である。第3実施形態の超音波モー
タ300は、回転対称形状を有する固定側の弾性部材2
30と、回転対称形状を有する移動側の弾性部材240
と、弾性部材230に振動を付与する固定側の圧電素子
231と、弾性部材240に振動を付与する移動側の圧
電素子241と、弾性部材240と一体的に回転する出
力軸210と、圧電素子241に非接触で給電するロー
タリトランス260と、これらを収納するハウジング2
21、222などで構成される。
【0074】ハウジング221は、底面および側面から
成る円筒箱状であり、底面の中央に貫通孔が形成され、
貫通孔には断面凸状で中空のベアリングホルダ220が
装着される。ベアリングホルダ220の内面には上下方
向から段差部が形成され、これらの段差部には出力軸2
10を回転自在に支持するためのベアリング215、2
16が所定間隔で装着固定される。
【0075】出力軸210はベアリング215、216
の内リングと略嵌合するように挿入される。ベアリング
216は出力軸210中央の軸太部210bの段差面に
装着されたスペーサ213に当接して挟持され、ベアリ
ング215は出力軸210の先端から挿入されるスペー
サ212によって挟持され、さらに出力軸210の円周
溝210aにEリングなどの抜止め211を装着するこ
とによって出力軸210とベアリング215、216の
内リングとが一体化される。
【0076】移動側の弾性部材240は、下面にリング
状の圧接面240aを有する肉厚部と、肉厚部を内側か
ら支える肉薄部240bと、出力軸210にトルクを伝
達する取付部とを有し、肉厚部の厚さ方向の振動を許容
する構造を成している。肉厚部の上面には、圧接面24
0aと対向するようにリング円板状の圧電素子241が
接着固定される。圧接面240aは、圧電素子241で
発生した振動が効率的に集中するように断面凸状に形成
され、凸部にフッ素樹脂等の低摩擦材料から成るライナ
242が固定または載置される。
【0077】一方、固定側の弾性部材230は、弾性部
材240と同様に、上面にリング状の圧接面230aを
有する肉厚部と、肉厚部を内側から支える肉薄部230
bと、ベアリングホルダ220と略嵌合する取付部とを
有し、肉厚部の厚さ方向の振動を許容する構造を成して
いる。肉厚部の下面には、圧接面230aと対向するよ
うにリング円板状の圧電素子231が接着される。図9
では、弾性部材230の移動側に臨む表面は、圧電素子
231で発生した振動が効率的に集中するように断面凸
状に形成され、凸部が圧接面230aとなっている。弾
性部材230表面の凸部には、フッ素樹脂等の低摩擦材
料から成るライナが固定または載置されてもよい。ただ
し、この場合、ライナの表面が圧接面230aとなる。
【0078】こうした弾性部材230、240は、振動
減衰が少ない材料、たとえば鉄や真鍮等の金属で形成す
ることが好ましい。
【0079】ベアリングホルダ220には、弾性部材2
30の取付部が略嵌合されて、センター合わせを実現し
ている。弾性部材230の取付部には、リング円板状の
ばね受け板245の内側が嵌合されて取付けられ、セン
ター合わせを実現している。ばね受け板245の下面内
側には、2つの突起243aを有する係止板243が取
り付けられる。ベアリングホルダ220の軸太部に形成
された切欠きと突起243aとが係合される。
【0080】ハウジング221の内壁には、ベアリング
ホルダ220が嵌合される貫通孔の周囲には、リング状
の凸部が形成されており、この凸部に板ばね244の内
側が略嵌合されて装着されることで、センター合わせが
実現されている。板ばね244は、中央円板と放射状に
延出する複数の揺動端とで形成され、揺動端がばね受け
板245を均等に押圧することによって、弾性部材23
0と弾性部材240との間の圧接力が発生する。
【0081】ロータリトランス260は、リング状に形
成された弾性部材230、240の肉厚部から内側で、
かつ弾性部材230、240の肉薄部および取付部の間
に確保したリング状のスペースに配置される。ロータリ
トランス260は、リング状の固定コア261とリング
状の移動コア262とが所定ギャップ長で対向して構成
される。固定コア261は、ベアリングホルダ220の
上面に装着される。移動コア262は、出力軸210の
軸太部210bより僅かに太く形成された軸太部210
cに略嵌合し、段差部210dの段差面に装着され、出
力軸210と一体的に回転する。
【0082】図10は、超音波モータ300の組立途中
の断面図である。以下、超音波モータ300の組立手順
の概略を説明する。まず、移動側の弾性部材240を出
力軸210に取付け、移動コア262を出力軸210を
介して弾性部材240に取付ける。移動コア262の取
付は、移動コア262の対向面262dが移動側の弾性
部材240の圧接面240aよりも高くなるように行わ
れる。一方、固定コア261は、ベアリングホルダ22
0の上面に取付られる。
【0083】次に、移動コア262および弾性部材24
0と共に出力軸210をベアリングホルダ220に嵌合
し、内リングに取付ける。これによって、固定コア26
1と移動コア262とが互いに所定のギャップ長で対向
して、ロータリトランス260が構成される。このと
き、固定コア261と移動コア262との間のギャップ
の検査が可能である。ギャップの検査は、側方からの目
視、またはすきまゲージを使用することなどによって行
われる。
【0084】次に、弾性部材240にベアリングホルダ
220を介して固定コア261を取付ける。次に、ばね
受け板245をベアリングホルダ220に取付けた状態
で、板ばね244が取付けられたハウジング221にベ
アリングホルダ220を嵌合する。最後に、移動側から
ハウジング222を被せることで、超音波モータ300
が完成する。
【0085】なお電気系については、第1実施形態と同
様であるので説明を省略する。
【0086】上述の第2実施形態では、固定側から組立
ててロータリトランス260を2つの弾性部材261、
262の外側に配置したが、移動側から組立てて第3実
施形態と同様にロータリトランスを2つの弾性部材の外
側に配置する構成も可能である。また、第1〜第3実施
形態の構成では、いずれも固定側の弾性部材および移動
側の弾性部材の両方に圧電素子を配置したダブル駆動型
の超音波モータについて説明したが、固定側の圧電素子
を省いて移動側の弾性部材にのみ圧電素子を配置したシ
ングル駆動型の超音波モータにも適用可能である。
【0087】
【発明の効果】以上詳説したように本発明によれば、ロ
ータリトランスを用いて移動振動素子に電力を供給する
ことによって、電力損失や機械損失が少ない非接触の給
電が可能になる。
【0088】また、固定コアの対向面を固定弾性部材の
圧接面よりも内側でかつ移動コア寄りに配置すること
で、固定側から組立てた場合に、固定コアと移動コアと
の間のギャップの検査が可能となり、ロータリトランス
の伝達性能を向上することができる。
【0089】また、移動コアの対向面を移動弾性部材の
圧接面よりも内側でかつ固定コア寄りに配置すること
で、移動側から組立てた場合に、固定コアと移動コアと
の間のギャップの検査が可能となり、ロータリトランス
の伝達性能を向上することができる。
【0090】また、固定コアおよび移動コアの各対向面
を固定弾性部材および移動弾性部材の各圧接面よりも外
側に配置することで、固定側から組立てた場合も、移動
側から組立てた場合も、固定コアと移動コアとの間のギ
ャップの検査が可能となり、ロータリトランスの伝達性
能を向上することができる。
【0091】また、上記のようなギャップの検査による
品質の向上は、ダブル駆動型の超音波モータにおいても
実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は本発明の第1実施形態の構成を示
す断面図であり、図1(b)は図1(a)の要部断面図
である。
【図2】図1の超音波モータの組立て手順を示す分解斜
視図である。
【図3】図1の超音波モータの組立て手順を示す分解斜
視図である。
【図4】図1の超音波モータの組立途中の断面図であ
る。
【図5】図5(a)は圧電素子31の分極状態および電
極形状を示す平面図で、図5(b)は圧電素子31の電
極形状を示す平面図である。
【図6】超音波モータの駆動制御回路の一例を示すブロ
ック図である。
【図7】本発明の第2実施形態の構成を示す断面図であ
る。
【図8】図7の超音波モータの組立途中の断面図であ
る。
【図9】本発明の第3実施形態の構成を示す断面図であ
る。
【図10】図9の超音波モータの組立途中の断面図であ
る。
【符号の説明】
10、110、210 出力軸 15、16、115、116、215、216 ベアリ
ング 21、22、121、122、221、222 ハウジ
ング 30、40、130、140、230、240 弾性部
材 30a、40a、130a、140a、230a、24
0a 圧接面 31、41、131、141、231、241 圧電素
子 31a、31b、41a、41b 駆動電極 31c、41c モニタ電極 32、42、142、242 ライナ 44、144、244 板ばね 60、160、260 ロータリトランス 61、161、261 固定コア 62、162、262 移動コア 70、71 昇圧トランス 82 周波数制御発振器 83 周波数制御回路 84、85 移相器 86〜89 増幅器 100、200、300 超音波モータ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転対称な圧接面を有する固定弾性部材
    と、 回転対称軸回りに角変位自在に支持され、固定弾性部材
    の圧接面に圧接する回転対称な圧接面を有する移動弾性
    部材と、 移動弾性部材の圧接面に回転変位波を発生するための移
    動振動素子と、 回転対称な対向面を有する固定コアと、 固定コアの対向面に所定のギャップで対向する回転対称
    な対向面を有し、固定コアと共に移動振動素子に電力を
    供給するためのロータリトランスを構成する移動コアと
    を備え、 固定コアおよび移動コアの各対向面は、固定弾性部材お
    よび移動弾性部材の各圧接面よりも回転対称軸寄りに配
    置され、 固定コアの対向面は、固定弾性部材の圧接面よりも移動
    コア寄りに配置されることを特徴とする超音波モータ。
  2. 【請求項2】 回転対称な圧接面を有する固定弾性部材
    と、 回転対称軸回りに角変位自在に支持され、固定弾性部材
    の圧接面に圧接する回転対称な圧接面を有する移動弾性
    部材と、 移動弾性部材の圧接面に回転変位波を発生するための移
    動振動素子と、 回転対称な対向面を有する固定コアと、 固定コアの対向面に所定のギャップで対向する回転対称
    な対向面を有し、固定コアと共に移動振動素子に電力を
    供給するためのロータリトランスを構成する移動コアと
    を備え、 固定コアおよび移動コアの各対向面は、固定弾性部材お
    よび移動弾性部材の各圧接面よりも回転対称軸寄りに配
    置され、 移動コアの対向面は、移動弾性部材の圧接面よりも固定
    コア寄りに配置されることを特徴とする超音波モータ。
  3. 【請求項3】 回転対称な圧接面を有する固定弾性部材
    と、 回転対称軸回りに角変位自在に支持され、固定弾性部材
    の圧接面に圧接する回転対称な圧接面を有する移動弾性
    部材と、 移動弾性部材の圧接面に回転変位波を発生するための移
    動振動素子と、 回転対称な対向面を有する固定コアと、 固定コアの対向面に所定のギャップで対向する回転対称
    な対向面を有し、固定コアと共に移動振動素子に電力を
    供給するためのロータリトランスを構成する移動コアと
    を備え、 固定弾性部材および移動弾性部材の各圧接面は、固定コ
    アおよび移動コアの各対向面よりも回転対称軸寄りに配
    置されることを特徴とする超音波モータ。
  4. 【請求項4】 前記固定弾性部材の圧接面に回転変位波
    を発生するための固定振動素子をさらに備えることを特
    徴とする請求項1〜3のうちのいずれか1つに記載の超
    音波モータ。
  5. 【請求項5】 回転対称な圧接面を有する固定弾性部
    材、回転対称軸回りに角変位自在に支持され回転対称な
    圧接面を有する移動弾性部材、移動弾性部材の圧接面に
    回転変位波を発生するための移動振動素子、回転対称な
    対向面を有する固定コア、および回転対称な対向面を有
    し固定コアと共に移動振動素子に電力を供給するための
    ロータリトランスを構成する移動コアを備えた超音波モ
    ータの製造方法であって、 固定コアの対向面が固定弾性部材の圧接面よりも回転対
    称軸寄りで、固定コアの対向面が固定弾性部材の圧接面
    よりも高くなるように、固定コアを配置する工程と、 固定コアに対して所定のギャップで移動コアを配置する
    工程と、 移動弾性部材の圧接面を固定弾性部材の圧接面に圧接さ
    せて、移動弾性部材を配置する工程とを含むことを特徴
    とする超音波モータの製造方法。
  6. 【請求項6】 回転対称な圧接面を有する固定弾性部
    材、回転対称軸回りに角変位自在に支持され回転対称な
    圧接面を有する移動弾性部材、移動弾性部材の圧接面に
    回転変位波を発生するための移動振動素子、回転対称な
    対向面を有する固定コア、および回転対称な対向面を有
    し固定コアと共に移動振動素子に電力を供給するための
    ロータリトランスを構成する移動コアを備えた超音波モ
    ータの製造方法であって、 移動コアの対向面が移動弾性部材の圧接面よりも回転対
    称軸寄りで、移動コアの対向面が移動弾性部材の圧接面
    よりも高くなるように、移動コアを配置する工程と、 移動コアに対して所定のギャップで固定コアを配置する
    工程と、 固定弾性部材の圧接面を移動弾性部材の圧接面に圧接さ
    せて、固定弾性部材を配置する工程とを含むことを特徴
    とする超音波モータの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005018081A1 (ja) * 2003-08-13 2005-02-24 Seiko Epson Corporation 圧電アクチュエータモジュール、モータモジュールおよび装置
JP2008278562A (ja) * 2007-04-25 2008-11-13 Toyota Industries Corp 振動アクチュエータ

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