JP5606132B2 - (メタ)アクリル酸エステルの製造方法 - Google Patents

(メタ)アクリル酸エステルの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、(メタ)アクリル酸エステルの製造方法に関する。さらに詳しくは、(メタ)アクリル酸エステルとアルコールとのエステル交換反応によって(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法に関する。(メタ)アクリル酸エステルは、例えば、塗料用原料、接着剤、紙力増強剤、繊維処理剤、樹脂原料、他の有機化合物の製造中間体などとして有用な化合物である。
なお、本明細書にいう「(メタ)アクリル酸」は、「アクリル酸」および/または「メタクリル酸」を意味する。また、「(メタ)アクリル酸エステル」は、「アクリル酸エステル」および/または「メタクリル酸エステル」を意味する。
(メタ)アクリル酸エステルとアルコールとのエステル交換反応の際には、チタンアルコキシドなどのチタン系触媒やジアルキルスズオキサイドなどのスズ系触媒などが用いられている。しかし、チタン系触媒には、一般にエステル交換反応が遅いという欠点があり、スズ系触媒には、スズ系触媒自身が反応混合物に溶解するので、反応終了後に蒸留などの反応生成物とスズ系触媒とを分離するための煩雑な分離操作が必要となる。
そこで、前記欠点を解消するために、触媒として、カルシウム含有化合物またはリチウム含有化合物を用いた(メタ)アクリル酸エステルの製造方法が提案されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。しかし、これらの方法には、目的とする(メタ)アクリル酸エステルを収率よく製造することができないという欠点がある。
また、前記方法以外にも、触媒として、水酸化カルシウムまたは酸化カルシウムを用いる(メタ)アクリレートの製造方法、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムを用いたブチルメタクリレートの製造方法などが提案されている(例えば、特許文献3および特許文献4参照)。しかし、前者の方法では、触媒活性が必ずしも十分ではないため、満足しうる触媒活性を発現させるためには、多量の触媒を用いるか、または長時間反応させなければならず、後者の方法では、反応の途中で触媒が失活し、反応の進行が停止するおそれがある。
特開昭61−50940号公報 特開昭61−56155号公報 特開昭50−142513号公報 特開昭56−77242号公報
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、(メタ)アクリル酸エステルをエステル交換反応によって効率よく製造することができる方法を提供することを課題とする。
本発明は、
(1)(メタ)アクリル酸エステルとアルコールとのエステル交換反応によって(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法であって、式(I):
Figure 0005606132
(式中、R1は炭素数1〜12のアルキル基、R2はアルカリ金属原子を示す)
で表されるアルコキシベンゼン化合物の存在下で、(メタ)アクリル酸エステルと炭素数2〜18のアルコールとをエステル交換反応させることを特徴とする(メタ)アクリル酸エステルの製造方法、および
(2)(メタ)アクリル酸エステルとアルコールとのエステル交換反応によって(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法であって、アルカリ金属アルコラートおよび式(II):
Figure 0005606132
(式中、R1は炭素数1〜12のアルキル基、R3は水素原子を示す)
で表されるアルコキシベンゼン化合物の存在下で、(メタ)アクリル酸エステルと炭素数2〜18のアルコールとをエステル交換反応させることを特徴とする(メタ)アクリル酸エステルの製造方法
に関する。
本発明の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法によれば、(メタ)アクリル酸エステルを効率よく製造することができる。
本発明によれば、目的とする(メタ)アクリル酸エステル〔以下、目的(メタ)アクリル酸エステルという〕は、
(1)式(I):
Figure 0005606132
(式中、R1は炭素数1〜12のアルキル基、R2はアルカリ金属原子を示す)
で表されるアルコキシベンゼン化合物の存在下で、(メタ)アクリル酸エステル〔以下、原料(メタ)アクリル酸エステルという〕と炭素数2〜18のアルコールとをエステル交換反応させる方法(以下、方法1という)、または
(2)アルカリ金属アルコラートおよび式(II):
Figure 0005606132
(式中、R1は炭素数1〜12のアルキル基、R3は水素原子を示す)
で表されるアルコキシベンゼン化合物の存在下で、原料(メタ)アクリル酸エステルと炭素数2〜18のアルコールとをエステル交換反応させる方法(以下、方法2という)
によって製造される。
方法1および方法2で用いられる原料(メタ)アクリル酸エステルは、特に限定されないが、反応中に原料(メタ)アクリル酸エステルから副生するアルコールを系外に除去しやすくする観点から、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルなどのエステル部分の炭素数が1〜4である(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。
方法1および方法2で用いられる炭素数2〜18のアルコールは、1価アルコールであってもよく、あるいは2価以上の多価アルコールであってもよい。アルコールの炭素鎖は、直鎖状、分岐鎖状および環状のいずれであってもよい。なお、アルコールが有する水酸基の位置は、特に限定されない。
炭素数2〜18のアルコールの具体例としては、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノールなどの炭素数2〜18の1価の脂肪族アルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、その他のポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、その他のポリプロピレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ネオペンチルグリコールなどの炭素数2〜18の脂肪族多価アルコール;シクロプロパノール、シクロヘキサノール、テトラヒドロフルフリルアルコールなどの炭素数3〜18の1価の脂環式アルコール;フェノキシエタノール、フェノキシイソプロパノール、ベンジルアルコール、メチルベンジルアルコールなどの炭素数7〜18の1価の芳香族アルコール;フェニルジグリコールなどの炭素数7〜18の芳香族多価アルコールなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
原料(メタ)アクリル酸エステルとアルコールとの割合については、未反応アルコールや部分的にエステル交換されたエステルの生成量を抑制し、目的(メタ)アクリル酸エステルの収率を高める観点から、反応に供されるアルコールの水酸基の全モル数に対する原料(メタ)アクリル酸エステルのモル数は、好ましくは1倍以上、より好ましくは1.5倍以上であり、生産性を高める観点から、反応に供されるアルコールの水酸基の全モル数に対する原料(メタ)アクリル酸エステルのモル数は、好ましくは10倍以下、より好ましくは7倍以下、さらに好ましくは5倍以下である。
方法1においては、式(I)で表されるアルコキシベンゼン化合物の存在下で、原料(メタ)アクリル酸エステルと炭素数2〜18のアルコールとをエステル交換反応させる点に、1つの特徴がある。
方法1では、式(I)で表されるアルコキシベンゼン化合物が用いられているので、原料(メタ)アクリル酸エステルの二重結合と副生したアルコールとのマイケル付加反応が抑制され、さらに目的(メタ)アクリル酸エステルと原料のアルコールとのマイケル付加反応が抑制されることから、目的(メタ)アクリル酸エステルを効率よく製造することができる。
式(I)で表されるアルコキシベンゼン化合物において、Rは、炭素数1〜12のアルキル基を示す。Rの具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、4−メチル−2−ペンチル基、2−エチルブチル基、n−ヘプチル基、1−メチルヘキシル基、n−オクチル基、1−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、2−プロピルペンチル基、n−ノニル基、2,2−ジメチルヘプチル基、2,6−ジメチル−4−ヘプチル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、n−デシル基、1−エチルオクチル基、n−ウンデシル基、ドデシル基などが挙げられるが、かかる例示のみに限定されるものではない。炭素数1〜12のアルキル基のなかでは、目的(メタ)アクリル酸エステルを効率よく製造する観点から、炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。また、Rは、アルカリ金属原子を示す。好適なアルカリ金属としては、ナトリウムおよびカリウムが挙げられる。
方法1において、式(I)で表されるアルコキシベンゼン化合物の量は、目的(メタ)アクリル酸エステルの収率を高め、反応時間を短縮することによって生産性を高める観点から、アルコール1モルあたり、好ましくは0.0001モル以上であり、式(I)で表されるアルコキシベンゼン化合物を多量に用いても目的(メタ)アクリル酸エステルの収率がより一層高くなったり、反応時間が大幅には短縮されず、かえって経済性が低下する傾向があることから、アルコール1モルあたり、好ましくは0.5モル以下、より好ましくは0.25モル以下である。
方法1において、式(I)で表されるアルコキシベンゼン化合物は、原料(メタ)アクリル酸エステルとアルコールとを混合する際に一度に添加してもよく、原料(メタ)アクリル酸エステルとアルコールとを反応させながら間欠的にまたは連続的に添加してもよい。
一方、方法2においては、アルカリ金属アルコラートおよび式(II)で表されるアルコキシベンゼン化合物の存在下で、原料(メタ)アクリル酸エステルと炭素数2〜18のアルコールとをエステル交換反応させる点に、1つの特徴がある。
方法2では、アルカリ金属アルコラートと式(II)で表されるアルコキシベンゼン化合物とが併用されているので、原料(メタ)アクリル酸エステルの二重結合と副生したアルコールとのマイケル付加反応および目的(メタ)アクリル酸エステルと原料のアルコールとのマイケル付加反応によって高沸点を有する化合物が生成することが抑制され、目的(メタ)アクリル酸エステルを効率よく製造することができる。
方法2において、好適なアルカリ金属アルコラートとしては、炭素数が1〜4のアルカリ金属アルコラートが挙げられる。好適なアルカリ金属アルコラートとしては、ナトリウムメチラートおよびカリウムメチラートが挙げられ、これらは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。アルカリ金属アルコラートは、そのままの状態で用いることができるが、あらかじめ水または原料のアルコールに溶解させた溶液として用いてもよい。
アルカリ金属アルコラートの量は、目的(メタ)アクリル酸エステルの収率を高め、反応時間を短縮することによって生産性を高める観点から、アルコール1モルあたり、好ましくは0.0001モル以上であり、アルカリ金属アルコラートを多量に用いても目的(メタ)アクリル酸エステルの収率がより一層高くなったり、反応時間が大幅には短縮されず、かえって経済性が低下する傾向があることから、アルコール1モルあたり、好ましくは0.5モル以下、より好ましくは0.25モル以下である。
式(II)で表されるアルコキシベンゼン化合物において、R1は、式(I)と同様に、炭素数1〜12のアルキル基を示す。Rの具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、4−メチル−2−ペンチル基、2−エチルブチル基、n−ヘプチル基、1−メチルヘキシル基、n−オクチル基、1−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、2−プロピルペンチル基、n−ノニル基、2,2−ジメチルヘプチル基、2,6−ジメチル−4−ヘプチル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、n−デシル基、1−エチルオクチル基、n−ウンデシル基、ドデシル基などが挙げられるが、かかる例示のみに限定されるものではない。炭素数1〜12のアルキル基のなかでは、目的(メタ)アクリル酸エステルを効率よく製造する観点から、炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。また、R3は、水素原子を示す。
式(II)で表されるアルコキシベンゼン化合物の量は、目的(メタ)アクリル酸エステルの収率を高め、反応時間を短縮することによって生産性を高める観点から、アルコール1モルあたり、好ましくは0.0001モル以上であり、式(II)で表されるアルコキシベンゼン化合物を多量に用いても目的(メタ)アクリル酸エステルの収率がより一層高くなったり反応時間が大幅に短縮したりせず、かえって経済性が低下する傾向があることから、アルコール1モルあたり、好ましくは0.5モル以下、より好ましくは0.25モル以下である。
方法2において、アルカリ金属アルコラートおよび式(II)で表されるアルコキシベンゼン化合物は、それぞれ、原料(メタ)アクリル酸エステルとアルコールとを混合する際に一度に添加してもよく、原料(メタ)アクリル酸エステルとアルコールとを反応させながら間欠的にまたは連続的に添加してもよい。また、アルカリ金属アルコラートおよび式(II)で表されるアルコキシベンゼン化合物は、あらかじめ混合しておいてから添加してもよく、それぞれを任意の順番で順次添加してもよい。
方法1および方法2においては、エステル交換反応を行なう際には、原料(メタ)アクリル酸エステルの重合反応を抑制させながらエステル交換反応を効率よく行なう観点から、重合防止剤を用いることが好ましい。
重合防止剤としては、例えば、ジエチルヒドロキシルアミン、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−アセチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−メタクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4,4’−(フタロイルジオキシ)ビス−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−エトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−フェノキシ−2,2,6,6−ピペリジン−N−オキシル、4−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−アセチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−メタクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−ベンゾイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−シンナモイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−クロトニルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−プロピオニルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−ブチリルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、3−ドデシル−8−オキシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、3−オクチル−8−オキシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、8−オキシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオンなどのN−オキシル化合物などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。前記重合防止剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
重合防止剤の量は、特に限定されないが、通常、原料(メタ)アクリル酸エステルとアルコールとの合計量100重量部あたり0.001〜0.3重量部程度であればよい。
なお、方法1および方法2において、エステル交換反応を行なう際には、有機溶媒を用いることができる。
有機溶媒は、エステル交換反応の反応系内で不活性な有機溶媒であることが好ましい。好適な有機溶媒としては、例えば、n−ヘキサンなどの脂肪族炭化水素化合物、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素化合物、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素化合物、テトラヒドロフランなどのエーテル化合物、ジクロロメタン、1,1−ジクロロエタンなどの有機塩素化合物、ニトロベンゼンなどの芳香族ニトロ化合物、トリエチルホスフェートなどの有機リン化合物、ジメチルスルホキシドなどの有機硫黄化合物などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの有機溶媒は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。有機溶媒のなかでは、脂肪族炭化水素化合物、芳香族炭化水素化合物およびエーテル化合物が好ましく、n−ヘキサン、ベンゼンおよびテトラヒドロフランがより好ましい。
有機溶媒の量は、特に限定されないが、通常、原料(メタ)アクリル酸エステルとアルコールとの合計量100重量部あたり30〜200重量部程度であればよい。
方法1および方法2において、原料(メタ)アクリル酸エステルとアルコールとのエステル交換反応を行なう際の反応温度は、通常、反応速度を高める観点から、好ましくは50℃以上であり、目的(メタ)アクリル酸エステルの重合を防止する観点から、好ましくは150℃以下である。
方法1および方法2において、原料(メタ)アクリル酸エステルとアルコールとのエステル交換反応を行なう際の雰囲気は、原料(メタ)アクリル酸エステルの重合を防止する観点から、好ましくは酸素を含有する雰囲気であり、より好ましくは大気または酸素ガスである。また、その雰囲気の圧力は、通常、大気圧であればよいが、加圧または減圧であってもよい。例えば、その雰囲気の圧力を減圧させた場合には、還流温度を低下させることができるので、副反応を抑制することができるという利点がある。
方法1および方法2において、原料(メタ)アクリル酸エステルとアルコールとのエステル交換反応を行なう際の反応時間は、原料(メタ)アクリル酸エステル、アルコールなどの種類や量、反応温度などによって異なるので一概には決定することができないことから、通常、エステル交換反応が完了するまでの時間が選択される。エステル交換反応の終点は、例えば、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィーなどによって確認することができる。
エステル交換反応は、例えば、精留塔、流動床、固定床、反応蒸留塔などを用いて行なうことかできるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。また、エステル交換反応は、流通式および回分式のいずれの方式によって行なってもよい。
反応の進行とともに副生するアルコールは、通常、反応を進行させるために反応系外に除去される。副生するアルコールは、例えば、原料(メタ)アクリル酸エステルまたは適当な溶媒との共沸混合物として反応系外に除去することができる。
反応終了後、生成した反応混合物から、反応に使用した有機溶媒、未反応の原料(メタ)アクリル酸エステルおよびアルコールを留去することにより、目的(メタ)アクリル酸エステルを回収することができる。
回収された目的(メタ)アクリル酸エステルは、必要により、吸着剤を用いた精製、蒸留精製、洗浄などにより、高純度化させてもよい。
回収された目的(メタ)アクリル酸エステルを吸着剤で精製した場合、目的(メタ)アクリル酸エステルに含まれている重合防止剤などを容易に除去することができる。吸着剤としては、例えば、活性白土、活性炭、シリカゲル、強酸性イオン交換樹脂などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
以上説明したように、本発明の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法によれば、目的(メタ)アクリル酸エステルをエステル交換反応によって効率よく製造することができる。
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
20段オールダーショウ型精留塔を備えた還流装置を用い、分留塔および還流器を備えた2L容の側管付き三つ口フラスコ内に、メタクリル酸メチル690g、1,3−ブタンジオール220g、ヒドロキノンモノメチルエーテル2g、ナトリウムメチラート1gおよびn−ヘキサン670gを添加し、加熱を開始した。
常圧下でコンプレッサーを用いて空気を原料中に吹き込みながら反応温度を85〜100℃に調整し、精留塔の塔頂から14段目の温度が48〜52℃となるように還流比を制御し、反応で生成したメタノールをn−ヘキサンとの共沸により、系外に除去することにより、エステル交換反応を行ない、目的(メタ)アクリル酸エステルとして1,3−ブタンジオールジメタクリレートを調製した。反応時間は6時間であった。
反応終了後、反応混合物の組成をガスクロマトグラフィーにて分析した。その結果、反応混合物の組成は、1,3−ブタンジオールジメタクリレート91.1重量%、モノエステル2.2重量%および不純物6.7重量%であった。
実施例2
20段オールダーショウ型精留塔を備えた還流装置を用い、分留塔および還流器を備えた2L容の側管付き三つ口フラスコ内に、メタクリル酸メチル450g、1,3−ブタンジオール135g、ヒドロキノンモノメチルエーテル1.8g、ナトリウムメチラート1gおよびn−ヘキサン300gを添加し、加熱を開始した。
常圧下でコンプレッサーを用いて空気を原料中に吹き込みながら反応温度を85〜100℃に調整し、精留塔の塔頂から14段目の温度が48〜52℃となるように還流比を制御し、反応で生成したメタノールをn−ヘキサンとの共沸により、系外に除去することにより、エステル交換反応を行ない、目的(メタ)アクリル酸エステルとして1,3−ブタンジオールジメタクリレートを調製した。反応時間は、6時間であった。
反応終了後、反応混合物の組成をガスクロマトグラフィーにて分析した。その結果、反応混合物の組成は、1,3−ブタンジオールジメタクリレート89.1重量%、モノエステル3.8重量%および不純物7.1重量%であった。
実施例3〜5および比較例1〜2
実施例2において、ヒドロキノンモノメチルエーテルおよびナトリウムメチラートの量を表1に示すように変更したこと以外は、実施例2と同様の操作を行なった。1,3−ブタンジオールジメタクリレートの収率(表1において「収率」と表記)、モノエステルの量および不純物量を表1に示す。
なお、表1中、MEHQはヒドロキノンモノメチルエーテル、NaOCHはナトリウムメチラートを示す。
Figure 0005606132
表1に示された結果から、ヒドロキノンモノメチルエーテルを使用した場合(実施例3〜5)には、ヒドロキノンモノメチルエーテルを使用しなかった場合(比較例1)と対比して、1,3−ブタンジオールジメタクリレートの収率が20重量%程度も高くなることがわかる。また、実施例3〜5の結果から、ナトリウムメチラートの使用量が同一である場合、1,3−ブタンジオールジメタクリレートの収率を向上させ、不純物量を低減させるためには、ヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)の使用量が少ないことが好ましいことがわかる。
また、実施例3〜5によれば、目的(メタ)アクリル酸エステルの収率が約90重量%以上であることから、目的(メタ)アクリル酸エステルを短時間で効率よく製造することができることがわかる。
実施例6
温度計、空気導入管および攪拌器を取り付けた1リットル容のフラスコに20段オールダーショー型精留塔、冷却管およびデカンターを取り付けた反応装置を用いた。
前記フラスコ内に、1,3−ブタンジオール108.14g(1.2モル)、メタクリル酸メチル383.26g(3.83モル)、n−へキサン225.37g、ジエチルヒドロキシルアミン0.081g、ナトリウムメチラート0.586gおよびヒドロキノンモノメチルエーテル0.453gを仕込んだ。
空気を2.3mL/minの流量で空気導入管からフラスコ内に吹き込み、加熱し、反応を開始した。共沸するメタノールとn−ヘキサンとの混合物を抜き出すことにより、連続的に反応を進めた。このエステル交換反応を6時間行なった。その間の塔頂温度は53〜65.5℃であり、塔底温度は74〜82℃であった。
エステル交換反応の終了時における反応混合物の組成をガスクロマトグラフィーにて分析した。その結果、反応混合物の組成は、1,3−ブタンジオールジメタクリレート93.3重量%、モノエステル0.9重量%および不純物5.8重量%であった。
この結果から、実施例6によれば、短時間で迅速にエステル交換反応を行なうことにより、目的(メタ)アクリル酸エステルが得られることがわかる。
実施例7
温度計、空気導入管および攪拌器を取り付けた1リットル容のフラスコに20段オールダーショウ型精留塔、冷却管およびデカンターを取り付けた反応装置を用いた。
前記フラスコ内に、1,3−ブタンジオール108.19g(1.202モル)、メタクリル酸メチル383.25g(3.829モル)、n−へキサン225.38g、ジエチルヒドロキシルアミン0.081gおよびヒドロキノンモノメチルエーテル0.905gを仕込んだ。
空気を2.3mL/minの流量で空気導入管からフラスコ内に吹き込み、28%ナトリウムメチラートメタノール溶液を初期に0.5mL、反応開始から3.1時間経過時に0.5mL、5時間経過時に0.5mL、6時間経過時に1.0mL、7時間経過時に1.0mL、そして10時間経過時に1.0mLの量で添加し、加熱しながら反応を行なった。共沸するメタノールとn−ヘキサンとの混合物を抜き出すことにより、連続的に反応を進めた。このエステル交換反応を15時間行なった。その間の塔頂温度は60〜66℃であり、塔底温度は79〜82℃であった。
エステル交換反応の終了時における反応混合物の組成をガスクロマトグラフィーにて分析した。その結果、反応混合物の組成は、1,3−ブタンジオールジメタクリレート95.1重量%、モノエステル0.9重量%および不純物4.0重量%であった。
この結果から、実施例7によれば、アルカリ金属アルコラートを分割添加することにより、目的(メタ)アクリル酸エステルを95重量%以上の高収率で効率よく製造することができることがわかる。
実施例8
ヒドロキノンモノメチルエーテル0.4529gとナトリウムメチラート0.586gとを反応させることにより、4−メトキシナトリウムフェノキシド1.0389gを調製した。
温度計、空気導入管および攪拌器を取り付けた1リットル容のフラスコに20段オールダーショー型精留塔、冷却管およびデカンターを取り付けた反応装置を用いた。
前記フラスコ内に、1,3−ブタンジオール108.14g(1.2モル)、メタクリル酸メチル383.26g(3.83モル、1,3−ブタンジオール1モルあたりの量:3.19モル)、n−へキサン225.37g、ジエチルヒドロキシルアミン0.081gおよび前記で得られた4−メトキシナトリウムフェノキシド1.0389gを仕込んだ。
空気を2.3mL/minの流量で空気導入管からフラスコ内に吹き込み、加熱し、反応を開始した。共沸するメタノールとn−ヘキサンとの混合物を抜き出すことにより、連続的に反応を進めた。このエステル交換反応を8時間行なった。その間の塔頂温度は52〜65℃であり、塔底温度は73〜81℃であった。
エステル交換反応の終了時における反応混合物の組成をガスクロマトグラフィーにて分析した。その結果、反応混合物の組成は、1,3−ブタンジオールジメタクリレート92.2重量%、モノエステル1.1重量%および不純物6.7重量%であった。
この結果から、実施例8によれば、短時間で迅速にエステル交換反応を行なうことができるので、目的(メタ)アクリル酸エステルを効率よく製造することができることがわかる。
比較例3
温度計、空気導入管および攪拌器を取り付けた1リットル容のフラスコに20段オールダーショー型精留塔、冷却管およびデカンターを取り付けた反応装置を用いた。
前記フラスコ内に、1,3−ブタンジオール108.32g(1.202モル)、メタクリル酸メチル383.33g(3.829モル、1,3−ブタンジオール1モルあたりの量:3.19モル)、n−へキサン226.24g、ジエチルヒドロキシルアミン0.081gおよびジフェニル化合物として4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール〔精工化学(株)製、商品名:ノンフレックスBB〕0.232gを仕込んだ後、2.8%ナトリウムメチラートメタノール溶液2.0mL(ナトリウムメチラート:8.4×10-4モル)を仕込んだ。
空気を2.3mL/minの流量で空気導入管からフラスコ内に吹き込み、加熱し、反応を開始した。共沸するメタノールとn−ヘキサンとの混合物を抜き出すことにより、連続的に反応を進めた。このエステル交換反応を5時間行なった。その間の塔頂温度は53〜65℃であり、塔底温度は76〜82℃であった。
エステル交換反応の終了時における反応混合物の組成をガスクロマトグラフィーにて分析した。その結果、反応混合物の組成は、1,3−ブタンジオールジメタクリレート86.3重量%、モノエステル1.4重量%、残存している1,3−ブタンジオール0.5重量%および不純物11.8重量%であった。この結果から、比較例3は、副生する不純物量が多いため、工業的生産性に劣ることがわかる。
比較例4
温度計、空気導入管および攪拌器を取り付けた1リットル容のフラスコに20段オールダーショー型精留塔、冷却管およびデカンターを取り付けた反応装置を用いた。
前記フラスコ内に、1,3−ブタンジオール108.14g(1.202モル)、メタクリル酸メチル383.26g(3.83モル)、n−へキサン225.37g、ジエチルヒドロキシルアミン0.081g、ジフェニル化合物としてビスフェノールS(ヒドロキシジフェニルスルホン)0.450gおよび28%ナトリウムメチラートメタノール溶液0.733ml(ナトリウムメチラート:3.0×10-3モル)を仕込んだ。
空気を2.3mL/minの流量で空気導入管からフラスコ内に吹き込み、加熱し、反応を開始した。共沸するメタノールとn−ヘキサンとの混合物を抜き出すことにより、連続的に反応を進めた。このエステル交換反応を6時間行なった。その間の塔頂温度は61〜67℃であり、塔底温度は78〜79℃であった。
その結果、反応開始から1.5時間経過時に白色の不溶物が析出していることが確認された。生成した不溶物をアセトン、n−ヘキサンまたはトルエンで溶解させようとしたが、これらの溶媒に溶解させることができなかった。したがって、ビスフェノールSは、ナトリウムメチラートと併用するエステル交換触媒として適切ではないことがわかる。
比較例5
温度計、空気導入管および攪拌器を取り付けた1リットル容のフラスコに20段オールダーショー型精留塔、冷却管およびデカンターを取り付けた反応装置を用いた。
前記フラスコ内に、1,3−ブタンジオール108.14g(1.202モル)、メタクリル酸メチル383.26g(3.83モル)、n−へキサン225.37g、ジエチルヒドロキシルアミン0.081g、ジフェニル化合物としてビスフェノールA(4,4’−ジヒドロキシ−2,2’−ジフェニルプロパン)0.513gおよび2.8%ナトリウムメチラートメタノール溶液4.5mL(ナトリウムメチラート:1.9×10-3モル)を仕込んだ。
空気を2.3mL/minの流量で空気導入管からフラスコ内に吹き込み、加熱し、反応を開始した。共沸するメタノールとn−ヘキサンとの混合物を抜き出すことにより、連続的に反応を進めた。このエステル交換反応を行なった。その間の塔頂温度は68℃であり、塔底温度は79℃であった。
その結果、反応開始から11時間経過後、エステル交換反応がほとんど進行しないため、反応を終了したところ、得られた反応混合物における1,3−ブタンジオールジメタクリレートの収率は82.6重量%と低く、モノエステル14.7重量%および不純物2.7重量%が含まれていることが確認された。したがって、ビスフェノールAは、ナトリウムメチラートと併用するエステル交換触媒として適切ではないことがわかる。
比較例6
温度計、空気導入管および攪拌器を取り付けた1リットル容のフラスコに20段オールダーショー型精留塔、冷却管およびデカンターを取り付けた反応装置を用いた。
前記フラスコ内に、1,3−ブタンジオール108.14g(1.202モル)、メタクリル酸メチル383.26g(3.83モル)、n−へキサン225.37g、ジエチルヒドロキシルアミン0.081g、エステル交換触媒としてBHA〔ターシャリーブチルヒドロキシアニソール〕0.657gおよび28%ナトリウムメチラートメタノール溶液0.733mL(ナトリウムメチラート:3.0×10-3モル)を仕込んだ。
空気を2.3mL/minの流量で空気導入管からフラスコ内に吹き込み、加熱し、反応を開始した。共沸するメタノールとn−ヘキサンとの混合物を抜き出すことにより、連続的に反応を進めた。このエステル交換反応を7時間行なった。その間の塔頂温度は49〜64℃であり、塔底温度は69〜81℃であった。
エステル交換反応の終了時における反応混合物の組成をガスクロマトグラフィーにて分析した。その結果、反応混合物の組成は、1,3−ブタンジオールジメタクリレート78.2重量%、モノエステル2.2重量%および不純物19.6重量%であった。
この結果から、比較例6は、副生する不純物量が多いため、工業的生産性に劣ることがわかる。
比較例7
温度計、空気導入管および攪拌器を取り付けた1リットル容のフラスコに20段オールダーショー型精留塔、冷却管およびデカンターを取り付けた反応装置を用いた。
前記フラスコ内に、1,3−ブタンジオール108.14g(1.202モル)、メタクリル酸メチル383.26g(3.83モル)、n−へキサン225.37g、ジエチルヒドロキシルアミン0.081g、エステル交換触媒としてp−ヒドロキシ安息香酸ブチル0.705gおよび28%ナトリウムメチラートメタノール溶液0.733mL(ナトリウムメチラート:3.0×10-3モル)を仕込んだ。
空気を2.3mL/minの流量で空気導入管からフラスコ内に吹き込み、加熱し、反応を開始した。共沸するメタノールとn−ヘキサンとの混合物を抜き出すことにより、連続的に反応を進めた。このエステル交換反応を22時間行なった。その間の塔頂温度は63〜66℃であり、塔底温度は79〜90℃であった。
エステル交換反応の終了時における反応混合物の組成をガスクロマトグラフィーにて分析した。その結果、反応混合物の組成は、1,3−ブタンジオールジメタクリレート48.9重量%、モノエステル50.6重量%および不純物0.5重量%であった。
この結果から、比較例7は、副生する不純物量が少ないが、1,3−ブタンジオールジメタクリレートの収率が著しく低いため、工業的生産性に劣ることがわかる。
比較例8
温度計、空気導入管および攪拌器を取り付けた1リットル容のフラスコに20段オールダーショー型精留塔、冷却管およびデカンターを取り付けた反応装置を用いた。
前記フラスコ内に、1,3−ブタンジオール108.14g(1.202モル)、メタクリル酸メチル383.26g(3.83モル)、n−へキサン225.37g、ジエチルヒドロキシルアミン0.081gおよびエステル交換触媒としてノニルフェノール0.803gおよび28%ナトリウムメチラートメタノール溶液0.733mL(ナトリウムメチラート:3.0×10-3モル)を仕込んだ。
空気を2.3mL/minの流量で空気導入管からフラスコ内に吹き込み、加熱し、反応を開始した。共沸するメタノールとn−ヘキサンとの混合物を抜き出すことにより、連続的に反応を進めた。このエステル交換反応を8時間行なった。その間の塔頂温度は50〜66℃であり、塔底温度は72.5〜87.5℃であった。
エステル交換反応の終了時における反応混合物の組成をガスクロマトグラフィーにて分析した。その結果、反応混合物の組成は、1,3−ブタンジオールジメタクリレート93.1重量%、モノエステル0.7重量%および不純物6.2重量%であった。この反応混合物は、黄褐色に着色するという欠点を有するものであった。
以上の結果から、各実施例の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法によれば、(メタ)アクリル酸エステルを効率よく製造することができることがわかる。

Claims (1)

  1. (メタ)アクリル酸エステルとアルコールとを有機溶媒存在下でエステル交換反応させることによって(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法であって、前記(メタ)アクリル酸エステルとアルコールとの合計量100重量部あたりの有機溶媒の量を30〜200重量部に調整し、前記有機溶媒としてn−ヘキサン、ベンゼンおよびテトラヒドロフランからなる群より選ばれた少なくとも1種の有機溶媒を用いて炭素数1〜4のアルカリ金属アルコラートおよび式(II):
    Figure 0005606132

    (式中、R1は炭素数1〜12のアルキル基、R3は水素原子を示す)
    で表されるアルコキシベンゼン化合物の存在下で(メタ)アクリル酸エステルと炭素数2〜18のアルコールとをエステル交換反応させることを特徴とする(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
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