JP2004010551A - ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(メタ)アクリル酸エステル類と、水酸基を有するビニルエーテル類とを用い、触媒存在下におけるエステル交換反応によって、ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類を含む反応液を得る工程(a)と、工程(a)のあとで、前記ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類を含む反応液から触媒を分離する工程(b)と、工程(b)のあとで、前記触媒が分離された反応液を精製して、ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類を得る工程(c)とを含む。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、(メタ)アクリロイル基とビニルエーテル基とを分子内に併せもつことに特徴があるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類を製造する方法を対象にしている。
【0002】
【従来の技術】
ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類は、異種の重合性基、すなわちラジカル重合性およびアニオン重合性を有する(メタ)アクリロイル基とカチオン重合性を有するビニルエーテル基とを分子内に併せもち、医農薬原料、合成中間体、架橋剤、粉体塗料用樹脂原料、更に重合性材料として有用な化合物である。
具体的には、接着剤、粘着剤、生体材料、歯科材料、光学部材、情報記録材料、光ファイバー用材料、レジスト材料、絶縁体、封止剤、印刷インキ、塗料、粉体塗料、注型材料、化粧板、WPC、被覆材、ライニング材、土木建築材料、パテ、補修材、床材、舗装材ゲルコート、オーバーコート、ハンドレイアップ・スプレーアップ・引抜成形・フィラメントワインディング・SMC・BMC等の成形材料、シート等の広範囲の工業用途に用いられる。
【0003】
このようなビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類の製造方法が、種々提案されている。
本件特許出願人は、当該化合物を経済的、安定的に製造することのできる技術を、特願2001−325301号などで特許出願している。この先行技術文献では、触媒存在下におけるエステル交換反応でビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類を得たあと、ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類を含む反応液を精製することによって、不純物が少なく純度の高いビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類を得る技術も提案している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本願発明者らの検討によれば、従来の製造技術では、ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類の不純物除去すなわち純度の向上には限界があった。
精製を充分に行って純度を高めようとすると、ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類が分解し、下記一般式(4)で表されるジ(メタ)アクリル酸エステル類および下記一般式(5)で表されるジビニルエーテル類が生成してしまう。
一般式(4):
CH2=CR1−COO−R4−OOC−R1C=CH2…(4)
(式中、R1は水素原子またはメチル基、R4は有機残基を表す。)
一般式(5):
R3−CH=CH−O−R4−O−CH=CH−R3…(5)
(式中、R3は水素原子または有機残基、R4は有機残基を表す。)
この結果、不純物であるジ(メタ)アクリル酸エステル類やジビニルエーテル類等の含有量が増加して製品純度を低下させるだけでなく、製品であるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類が分解するため、製品収率も大きく低下してしまう。
【0005】
エステル交換反応に供する原料におけるジ(メタ)アクリル酸エステル類やジビニルエーテル類等の不純物の含有量をいくら制限しておいても、反応後に製品の分解により新たに不純物が生成するのでは、製品収率や純度の向上は果たせない。
本願発明者らの検討の結果、上記ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類の分解は、エステル交換反応で得られた反応液に含まれる触媒の影響であることを見出した。すなわち、反応液に触媒が含まれる状態で、蒸留などの加熱処理を行うと、触媒の作用により、反応液中のビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類が分解し、ジ(メタ)アクリル酸エステル類およびジビニルエーテル類が生成されてしまう。
【0006】
上記触媒の作用によるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類の分解による不純物の生成を防ぐために、エステル交換反応の後に、触媒不活性化処理を行うことも考えられる。しかし、不活性化処理を施した触媒は再利用することができず、廃棄しなければならないため、生産コストが増加し、経済的ではない。また、精製工程で不純物が生成するのを確実に防止できるまで触媒を不活性化するには、処理操作に手間と時間がかかり、全体の生産性を低下させてしまう。
本発明の課題は、ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類の製造技術において、触媒を不活性化処理することなく、ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類の分解による製品収率の低下を抑制し、製品純度の向上を容易に達成できるようにすることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願発明者らは、上記課題を解決するべく検討を重ねた結果、ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類および触媒を含む反応液から、活性を有する状態で触媒を分離して、触媒が分離された反応液の精製を行うことにより、ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類の分解を抑制し、製品収率の低下を起こすことなく、製品純度を容易に向上させることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
さらに、本発明において分離された触媒は、活性を有する状態で分離されるため、そのまま活性の高い状態で再びエステル交換反応に使用することができる。
【0008】
本発明にかかるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類の製造方法は、下記一般式(1)で表される(メタ)アクリル酸エステル類と、下記一般式(2)で表される水酸基を有するビニルエーテル類とを用い、触媒存在下におけるエステル交換反応によって、下記一般式(3)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類を製造する方法であって、前記触媒存在下におけるエステル交換反応で前記ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類を含む反応液を得る工程(a)と、前記工程(a)のあとで、前記ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類を含む反応液から触媒を分離する工程(b)と、前記工程(b)のあとで、前記触媒が分離された反応液を精製して、ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類を得る工程(c)とを含む。
一般式(1):
CH2=CR1−COOR2…(1)
(式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は有機残基を表す。)
一般式(2):
R3−CH=CH−O−R4−OH …(2)
(式中、R3は水素原子または有機残基、R4は有機残基を表す。)
一般式(3):
CH2=CR1−COO−R4−O−CH=CH−R3…(3)
(式中、R1、R3、R4は、一般式(1)、(2)と同じ基を表す。)
【0009】
【発明の実施の形態】
−反応工程(a)−
触媒存在下におけるエステル交換反応でビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類を含む反応液を得る工程である。
〔使用材料〕
<(メタ)アクリル酸エステル類>
前記一般式(1)で表される。
一般式(1)中のR2で示される有機残基の具体例として、炭素数1〜8の直鎖状、分枝状又は環状のアルキル基、炭素数6〜10の置換されていてもよい芳香族基等が挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜4のアルキル基が好適に用いられる。
【0010】
(メタ)アクリル酸エステル類の具体例として、以下の化合物が挙げられる。(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル等の(メタ)アクリル酸低級アルキルエステルである。これらは、単独あるいは混合物として用いることができる。
<水酸基を有するビニルエーテル類>
前記一般式(2)で表される。
【0011】
一般式(2)中のR3は水素原子または有機残基であり、R4は有機残基である。
前記一般式(2)中のR3で表される有機残基とは、例えば、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基、炭素数6〜11の置換されてもよい芳香族基等が挙げられる。これらのうち、炭素数1〜2のアルキル基、炭素数6〜8の芳香族基が好適である。
前記一般式(2)中のR4で表される有機残基とは、例えば、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状または環状のアルキレン基、構造中にエーテル結合および/またはエステル結合により酸素原子を有する炭素数2〜20のアルキレン基、炭素数6〜11の置換されてもよい芳香族基等が挙げられる。これらのうち、炭素数2〜10のアルキレン基、構造中にエーテル結合により酸素原子を有する炭素数2〜10のアルキレン基が好適である。
【0012】
具体的には、以下の化合物が挙げられる。
2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシイソプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、3−ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−ヒドロキシブチルビニルエーテル、3−ヒドロキシイソブチルビニルエーテル、2−ヒドロキシイソブチルビニルエーテル、1−メチル−3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、1−メチル−2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、1−ヒドロキシメチルプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシシクロヘキシルビニルエーテル。
【0013】
1,6−ヘキサンジオールモノビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、1,3−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、1,2−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、p−キシレングリコールモノビニルエーテル、m−キシレングリコールモノビニルエーテル、o−キシレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、テトラエチレングリコールモノビニルエーテル、ペンタエチレングリコールモノビニルエーテル、オリゴエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、ジプロピレングリコールモノビニルエーテル、トリプロピレングリコールモノビニルエーテル、テトラプロピレングリコールモノビニルエーテル、ペンタプロピレングリコールモノビニルエーテル、オリゴプロピレングリコールモノビニルエーテル、ポリプロピレングリコールモノビニルエーテル、エチレングリコール−プロピレングリコール共重合体モノビニルエーテル。
【0014】
これらの中でも、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシイソプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシシクロヘキシルビニルエーテル、1,6−ヘキサンジオールモノビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、ジプロピレングリコールモノビニルエーテルが好適に用いられる。
<触媒>
通常のエステル交換反応に利用される各種の触媒が使用できる。
【0015】
具体的には以下の触媒が挙げられる。
酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化鉛、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等の酸化物;水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化タリウム、水酸化スズ、水酸化鉛、水酸化ニッケル等の水酸化物;塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化スズ、塩化鉛、塩化ジルコニウム、塩化ニッケル等のハロゲン化物;炭酸カリウム、炭酸ルビジウム、炭酸セシウム、炭酸鉛、炭酸亜鉛、炭酸ニッケル等の炭酸塩;炭酸水素カリウム、炭酸水素ルビジウム、炭酸水素セシウム等の炭酸水素塩;リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸ルビジウム、リン酸鉛、リン酸亜鉛、リン酸ニッケル等のリン酸塩;硝酸リチウム、硝酸カルシウム、硝酸鉛、硝酸亜鉛、硝酸ニッケル等の硝酸塩;酢酸リチウム、酢酸カルシウム、酢酸鉛、酢酸亜鉛、酢酸ニッケル等のカルボン酸塩;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド、カルシウムメトキシド、カルシウムエトキシド、バリウムメトキシド、バリウムエトキシド、テトラエトキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラ(2−エチルヘキサノキシ)チタン等のアルコキシ化合物;リチウムアセチルアセトナート、ジルコニアアセチルアセトナート、亜鉛アセチルアセトナート、ジブトキシスズアセチルアセトナート、ジブトキシチタンアセチルアセトナート等のアセチルアセトナート錯体;テトラメチルアンモニウムメトキシド、テトラメチルアンモニウムt−ブトキシド、トリメチルベンジルアンモニウムエトキシド等の4級アンモニウムアルコキシド;ジメチルスズオキサイド、メチルブチルスズオキサイド、ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド等のジアルキルスズ化合物;ビス(ジブチルスズアセテート)オキサイド、ビス(ジブチルスズラウレート)オキサイド等のジスタノキサン;ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート等のジアルキルスズジカルボン酸塩が挙げられる。これらは、単独でも2種類以上を併用してもよい。
【0016】
これらの触媒の中でも、炭酸カリウム、炭酸セシウム、テトラエトキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラ(2−エチルヘキサノキシ)チタン、ジルコニアアセチルアセトナート、ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ビス(ジブチルスズアセテート)オキサイド、ビス(ジブチルスズラウレート)オキサイド、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレートが好適に用いられる。
〔エステル交換反応〕
触媒存在下で、特定の(メタ)アクリル酸エステル類と、水酸基を有する特定のビニルエーテル類とを反応させて、特定のビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類を生成させる。
【0017】
本件特許出願人が先に特許出願している特願2001−325301号に開示の技術が適用できる。
<反応モル比>
前記原料となる(メタ)アクリル酸エステル類とビニルエーテル類との反応モル比を、(メタ)アクリル酸エステル類/ビニルエーテル類=6/1〜1/5(モル比)に設定できる。5/1〜1/3がより好ましく、4/1〜1/2がさらに好ましく、3/1〜1/1が特に好ましい。反応モル比を適切に設定することで、収率や経済性を向上できる。
【0018】
<触媒使用量>
前記触媒の使用量は、前記ビニルエーテル類1モルに対して、下限が0.0005モル以上、上限が20モル以下に設定できる。下限は、0.001モル以上がより好ましく、0.003モル以上がさらに好ましい。上限は、10モル以下がより好ましく、1モル以下がさらに好ましい。触媒が少な過ぎると十分な触媒作用が発揮できず、触媒が多過ぎると不経済であるとともに副反応を起こし易くなる。
<反応条件>
反応温度は、下限が40℃以上、上限が180℃以下に設定できる。下限は、60℃以上がより好ましく、70℃以上がさらに好ましく、80℃以上が特に好ましい。上限は、160℃以下がより好ましく、150℃以下がさらに好ましい。副生するアルコールの沸点あるいは共沸温度以上であれば、副生物の除去が行い易い。
【0019】
反応圧力は、常圧、加圧および減圧の何れでもよい。また、反応時間は、目的の反応が完結するように、適宜設定できる。
<水分量>
反応液の水分量を5質量%以下に設定しておくことが好ましい。より好ましくは3質量%以下であり、さらに好ましくは1質量%以下であり、特に好ましくは0.5質量%以下である。水分量を制限することで、選択率、収率、経済性などが向上できる。
<酸素濃度>
反応系気相部の分子状酸素濃度は、下限を0.01容量%以上、上限を10容量%以下に設定できる。下限は、0.02容量%以上がより好ましく、0.05容量%以上がさらに好ましい。上限は、9容量%以下がより好ましく、8容量%以下がさらに好ましい。上記分子状酸素濃度の範囲が、収率、重合抑制、爆発回避、経済性の点で有効である。分子状酸素濃度の設定は、分子状酸素または空気等の分子状酸素を含むガスと、窒素やアルゴン等の不活性ガスとを、反応器に別々に供給したり、予め混合して供給したりすることにより行われる。
【0020】
<アルコール除去>
反応により副生するアルコールを反応系外へ除去することができる。副生アルコールの除去方法として、減圧下で反応を行う方法、共沸溶媒を用いて反応を行う方法、吸着剤の存在下で反応を行う方法等が採用できる。減圧下で反応を行う方法、共沸溶媒を用いて反応を行う方法が好ましい。
共沸溶媒として、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素;クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;などが挙げられる。(メタ)アクリル酸エステル類を過剰に使用すると、共沸溶媒として機能する。
【0021】
共沸溶媒の使用量を、一般式(1)の(メタ)アクリル酸エステル類と一般式(2)のビニルエーテル類の合計重量に対して、下限を0質量%以上、上限を300質量%以下に設定できる。上限は、200質量%以下がより好ましく、150質量%以下がさらに好ましく、100質量%以下が特に好ましい。上記使用量範囲が、収率、経済性の点で有効である。
<重合禁止剤>
重合禁止剤の存在下で反応させることが、重合を抑制し、収率の点で好ましい。重合禁止剤としては、1種又は2種以上を用いることができる。重合禁止剤として、ラジカル重合禁止剤が使用できる。
【0022】
具体的には、ヒドロキノン、メトキシヒドロキノン、ベンゾキノン、p−tert−ブチルカテコール等のキノン系重合禁止剤;2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノール等のアルキルフェノール系重合禁止剤;アルキル化ジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,4−ジヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−ヒドロキシ−4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等のアミン系重合禁止剤;ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジブチルジチオカルバミン酸銅等のジチオカルバミン酸銅系重合禁止剤;2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルのエステル等のN−オキシル系重合禁止剤;等が挙げられる。
【0023】
これらの中でも、好ましいラジカル重合禁止剤として、キノン系重合禁止剤、アミン系重合禁止剤、ジチオカルバミン酸銅系重合禁止剤、N−オキシル系重合禁止剤を挙げることができる。
好ましい重合禁止剤は、ヒドロキノン、メトキシヒドロキノン、ベンゾキノン、p−tert−ブチルカテコール、フェノチアジン、アルキル化ジフェニルアミン、ジブチルジチオカルバミン酸銅、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルのエステル等である。
【0024】
重合禁止剤の添加量は、(メタ)アクリル酸エステル類に対して、0.0001質量%以上が好ましく、0.0002質量%以上がより好ましく、0.0005質量%以上が更に好ましく、0.001質量%以上が特に好ましい。また、5質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましく、0.1質量%以下が特に好ましい。上記重合禁止剤添加量の範囲が、収率の点、重合抑制の点および経済性の点で好ましい。
<塩基性化合物>
エステル交換反応を塩基性化合物の存在下で行うことができる。
【0025】
塩基性化合物として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ(土類)金属水酸化物、トリス(2−エチルヘキシル)アミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミンなどのアミン類が挙げられる。塩基性化合物の添加量は、前記一般式(2)のビニルエーテル類に対して、下限が0.0001質量%以上、上限が5質量%以下に設定できる。下限は、0.0002質量%以上がより好ましく、0.0005質量%以上がさらに好ましい。上限は、1質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましく、0.1質量%以下が特に好ましい。塩基性化合物の存在は、収率、重合抑制、経済性の点で有効である。塩基性化合物は、予め前記ビニルエーテル類に配合しておいてもよいし、別に添加することもできる。
【0026】
−触媒分離工程(b)−
エステル交換反応を終えた反応液から、触媒を分離する工程である。
触媒分離工程は、エステル交換反応工程の直後に行ってもよいし、精製工程の途中で、触媒によるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類の分解作用が問題になり難い処理工程のあとで行うこともできる。
触媒の分離には、濾過、蒸留等の通常の分離処理技術が適用できる。これらの中でも、蒸留によって、触媒を蒸留ボトムに残し、触媒を含まない粗成物を留出させる方法が好ましい。
【0027】
触媒分離工程における触媒分離系気相部の分子状酸素濃度の設定によって、触媒分離時の重合および分解による不純物の生成を効果的に防止できる。好ましい分子状酸素濃度の条件は、前記工程(a)について記載した条件と同様の条件が採用できる。
蒸留による分離操作は、常圧あるいは減圧の何れでもよいが、減圧下で行われることが好ましい。蒸留温度は、200℃以下が好ましく、180℃以下がより好ましく、160℃以下がさらに好ましい。
また、蒸留時間は、触媒分離が完結するように、適宜に設定できる。
【0028】
蒸留装置は、多孔板トレイ、泡鐘トレイ、バルブトレイ、ディアルフロートレイを備えた有堰あるいは無堰棚段式蒸留塔を有する装置、規則充填物を充填した精留塔を有する装置、および、不規則充填物を充填した精留塔を有する装置等が採用できる。
蒸留による分離操作は、連続式でも回分式でも半回分式でもよい。
蒸留による分離操作では、蒸留塔やコンデンサーなどでの重合を防止するために、蒸留塔やコンデンサーなどに重合禁止剤や塩基性化合物を添加することが好ましい。好ましい重合禁止剤や塩基性化合物の種類は、前記工程(a)について記載したものと同じであり、好ましい重合禁止剤や塩基性化合物の添加量は、存在する(メタ)アクリル酸エステル類やビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類などの総量に対して、前記工程(a)について記載したのと同じ量範囲が採用できる。
【0029】
なお、重合禁止剤や塩基性化合物は、そのまま粉体状態や液体状態で添加してもよく、液体に溶解させた溶液として添加してもよい。溶液として添加する方法が好ましく、留出液組成物と同じ組成物、留出液組成物中の1成分、留出液組成物中の複数成分の溶液として添加する方法が好ましい。
〔触媒再利用〕
反応液から分離除去された触媒および/または触媒を含む組成物は、再びエステル交換反応に使用することができる。
触媒を高沸点成分とともに分離した場合は、触媒を高沸点成分と分離してもよいが、分離せずにそのままエステル交換反応に再利用することができる。
【0030】
−精製工程(c)−
触媒が分離除去された反応液を精製して、最終的に製品となるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類を得る工程である。
基本的には、通常のビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類製造における精製技術が適用できる。
精製工程には、抽出操作、水洗操作、蒸発操作、蒸留操作、カラムクロマトグラフ操作などが含まれる。これらの操作を複数組み合わせることもできる。これらの中でも、蒸留による精製が好ましい。
【0031】
なお、精製操作には、反応液から触媒を分離する前に行う、軽沸分などの除去工程〔後述の軽沸分除去工程(d)〕もある。
精製操作の際における精製系気相部の分子状酸素濃度の設定によって、精製時の重合および分解による不純物の生成を効果的に防止できる。好ましい分子状酸素濃度条件は、前記エステル交換反応と同様の条件が採用できる。
蒸留による精製は、常圧あるいは減圧の何れでもよいが、減圧下で行われることが好ましい。
蒸留装置は、多孔板トレイ、泡鐘トレイ、バルブトレイ、ディアルフロートレイを備えた有堰あるいは無堰棚段式蒸留塔を有する装置、規則充填物を充填した精留塔を有する装置、および、不規則充填物を充填した精留塔を有する装置等が採用できる。
【0032】
蒸留による精製は、連続式でも回分式でも半回分式でもよい。
触媒が分離除去された組成物の重合を防止するために重合禁止剤や塩基性化合物を添加することが好ましい。好ましい重合禁止剤や塩基性化合物の種類は、前記工程(a)について記載したものと同じであり、好ましい重合禁止剤や塩基性化合物の添加量は、存在する(メタ)アクリル酸エステル類やビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類などの総量に対して、前記工程(a)について記載したのと同じ量範囲が採用できる。
蒸留による分離操作では、蒸留塔やコンデンサーなどでの重合を防止するために、蒸留塔やコンデンサーなどに重合禁止剤や塩基性化合物を添加することが好ましい。好ましい重合禁止剤や塩基性化合物の種類は、前記工程(a)について記載したものと同じであり、好ましい重合禁止剤や塩基性化合物の添加量は、存在する(メタ)アクリル酸エステル類やビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類などの総量に対して、前記工程(a)について記載したのと同じ量範囲が採用できる。
【0033】
なお、重合禁止剤や塩基性化合物は、そのまま粉体状態や液体状態で添加してもよく、液体に溶解させた溶液として添加してもよい。溶液として添加する方法が好ましく、留出液組成物と同じ組成物、留出液組成物中の1成分、留出液組成物中の複数成分の溶液として添加する方法が好ましい。
〔(メタ)アクリル酸エステル類の分離〕
触媒を分離した反応液から、原料として用いた一般式(1)で表される(メタ)アクリル酸エステル類を分離する。分離方法としては蒸留による分離が好ましい。
【0034】
蒸留温度は、下限が20℃以上、上限が180℃以下に設定できる。下限は、40℃以上がより好ましく、60℃以上が更に好ましく、上限は、150℃以下がより好ましく、130℃以下が更に好ましい。
〔水酸基を有するビニルエーテル類の分離〕
触媒を分離した反応液から、原料として用いた一般式(2)で表される水酸基を有するビニルエーテル類を分離する。分離方法としては蒸留による分離が好ましい。
蒸留温度は、下限が20℃以上、上限が180℃以下に設定できる。下限は、40℃以上がより好ましく、60℃以上が更に好ましく、上限は、150℃以下がより好ましく、130℃以下が更に好ましい。
【0035】
〔ジビニルエーテル類の分離〕
触媒を分離した反応液から、ジビニルエーテル類を分離する。分離方法としては蒸留による分離が好ましい。
蒸留温度は、下限が20℃以上、上限が180℃以下に設定できる。下限は、40℃以上がより好ましく、60℃以上が更に好ましく、上限は、150℃以下がより好ましく、130℃以下が更に好ましい。
〔ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類の分離〕
触媒を分離した反応液から、ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類を分離する。分離方法としては蒸留による分離が好ましい。
【0036】
蒸留温度は、下限が20℃以上、上限が180℃以下に設定できる。下限は、40℃以上がより好ましく、60℃以上が更に好ましく、上限は、150℃以下がより好ましく、130℃以下が更に好ましい。
〔ジ(メタ)アクリル酸エステル類の分離〕
触媒を分離した反応液から、ジ(メタ)アクリル酸エステル類を分離する。分離方法としては蒸留による分離が好ましい。
蒸留温度は、下限が20℃以上、上限が180℃以下に設定できる。下限は、40℃以上がより好ましく、60℃以上が更に好ましく、上限は、150℃以下がより好ましく、130℃以下が更に好ましい。
【0037】
−軽沸除去工程(d)−
触媒を分離除去する前に、反応液から軽沸分を除去しておく工程である。
反応液に含まれる目的製品以外の物質の中で、比較的に沸点が低い成分は、比較的に低温度での蒸留などによって除去することができる。低温度の処理であれば、触媒の作用で前記したジ(メタ)アクリル酸エステル類やジビニルエーテル類が生成することが防げる。
軽沸分の除去工程における加熱温度は、前記した触媒の作用が起こらない範囲に設定できる。具体的には、150℃以下、好ましくは140℃以下、より好ましくは120℃以下である。軽沸除去工程は、常圧または減圧下で行う。好ましくは減圧下での蒸留である。
【0038】
軽沸分除去操作の際における軽沸分系気相部の分子状酸素濃度の設定によって、軽沸分除去時の重合および分解による不純物の生成を効果的に防止できる。好ましい分子状酸素濃度条件は、前記エステル交換反応と同様の条件が採用できる。
蒸留による軽沸分除去は、常圧あるいは減圧の何れでもよいが、減圧下で行われることが好ましい。
蒸留装置は、多孔板トレイ、泡鐘トレイ、バルブトレイ、ディアルフロートレイを備えた有堰あるいは無堰棚段式蒸留塔を有する装置、規則充填物を充填した精留塔を有する装置、および、不規則充填物を充填した精留塔を有する装置等が採用できる。
【0039】
蒸留による軽沸分除去は、連続式でも回分式でも半回分式でもよい。
蒸留による軽沸分除去では、蒸留塔やコンデンサーなどでの重合を防止するために、蒸留塔やコンデンサーなどに重合禁止剤や塩基性化合物を添加することが好ましい。好ましい重合禁止剤や塩基性化合物の種類は、前記工程(a)について記載したものと同じであり、好ましい重合禁止剤や塩基性化合物の添加量は、存在する(メタ)アクリル酸エステル類やビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類などの総量に対して、前記工程(a)について記載したのと同じ量範囲が採用できる。
【0040】
なお、重合禁止剤や塩基性化合物は、そのまま粉体状態や液体状態で添加してもよく、液体に溶解させた溶液として添加してもよい。溶液として添加する方法が好ましく、留出液組成物と同じ組成物、留出液組成物中の1成分、留出液組成物中の複数成分の溶液として添加する方法が好ましい。
このような処理によって除去できる軽沸分としては、過剰に使用されたり未反応のままであったりした原料の(メタ)アクリル酸エステル類や共沸溶媒、副生する低級アルキルアルコールなどがある。
軽沸除去工程で除去された軽沸分を回収すれば、再利用することができる。原料の(メタ)アクリル酸エステル類や共沸溶媒などのエステル交換反応に有用な軽沸分であれば、再びエステル交換反応に供給することができる。
【0041】
触媒を分離したあとで軽沸分の除去を行うこともできる。軽沸分の除去を、他の不純物を除去する精製工程と同時に行うこともできる。
−ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類−
触媒分離工程および精製工程を経て、高純度のビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類が得られる。
ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類の純度は95%以上が達成できる。好ましくは純度96%以上、より好ましくは純度97%以上、さらに好ましくは純度98%以上、特に好ましくは純度99%以上である。
【0042】
ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類の用途としては特に限定されず、例えば、医農薬原料、合成中間体、更に重合性材料として広範囲に用いることができる。前記した従来のビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類と同様の具体的用途にも、勿論、有用である。
【0043】
【実施例】
[実施例1]
<工程a:製造方法>
ハステロイC製の熱媒ジャケット、攪拌装置、温度計ホルダー、ガス吹込みライン、液体添加ライン、および、塔頂部に温度計ホルダーと液体添加ラインを有する精留塔(理論段10段)を備えた100L反応釜に、ジエチレングリコールモノビニルエーテル29.1kg(不純物としてジエチレングリコールジビニルエーテル0.4kgを含む)、アクリル酸エチル44.1kg、メトキシヒドロキノン9g、フェノチアジン44gおよびジブチルスズオキサイド274gを添加した。
【0044】
7容量%酸素ガス(窒素バランス)を液相部に2.4NL/分で吹込みながら攪拌混合し、ジャケット温度135℃で加熱した。塔頂部温度がアクリル酸エチル/エタノールの共沸温度になるまで全還流し、共沸温度に達した時点を反応開始とした。塔頂部温度が共沸温度を維持するように還流比を調節しながら6時間反応を続けた。なお、副生するエタノールはアクリル酸エチルとの共沸混合物として反応系外へ留去させ、共沸混合物中のアクリル酸エチルと同重量のアクリル酸エチルを反応開始から反応終了まで連続的に反応系へ添加した。また、反応中、5重量%メトキシヒドロキノンのアクリル酸エチル溶液を、塔頂部より5g/分の速度で連続的に添加した。
【0045】
得られた反応液76.3kgをGC−1700型ガスクロマトグラフィー((株)島津製作所製;以下「GC」と呼ぶ)により分析した結果、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルの反応収率は86.5モル%であった。
<工程d:軽沸分除去>
ハステロイC製の熱媒ジャケット、攪拌装置、温度計ホルダー、ガス吹込みライン、液体添加ライン、塔頂部に温度計ホルダーと液体添加ラインを有する精留塔(理論段10段)、および、減圧装置を備えた100L精製装置に、工程aと同様の操作により得られた反応液76.3kgを添加し、7容量%酸素ガス(窒素バランス)を液相部に4.0NL/分で吹込みながら攪拌混合し、減圧装置により塔頂部圧力700hPaとした。ジャケット温度145℃で加熱し、還流比0.3で原料アクリル酸エチルおよび副生エタノールを留去しながら、徐々に70hPaに減圧した。工程aと同様の操作により得られた反応液76.3kgを、さらに精製系へ連続的に添加した。原料アクリル酸エチルおよび副生エタノールを68.8kg留出させた。工程dの操作時間は2.5時間であった。この間、5重量%メトキシヒドロキノンのアクリル酸エチル溶液を、塔頂部より10g/分の速度で連続的に添加した。
【0046】
<工程b:触媒分離>
工程dに連続して工程dのボトム残液83.0kgを蒸留した。蒸留条件を、7容量%酸素ガス(窒素バランス)量2.0NL/分、塔頂部圧力17hPa、ジャケット温度155℃として、未反応ジエチレングリコールモノビニルエーテル4.4kg、不純物および新たに生成したジエチレングリコールジビニルエーテル5.0kg、および、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル64.2kgを還流比0.4で留出させ、粗精製液を得た。工程bの操作時間は4時間であった。この間、5重量%メトキシヒドロキノンのアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル溶液を、塔頂部より5g/分の速度で連続的に添加した。
【0047】
得られた留出分およびボトム液をGCにより分析した結果、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルの8.0molが分解し、ジエチレングリコールジビニルエーテル4.0mol、ジエチレングリコールジアクリレート4.0molを新たに生成したことがわかった〔分解したアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルはエステル交換反応により生成したアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルの3.1mol%に相当する〕。
ボトムには、触媒0.6kg、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル8.4kg、および、新たに生成したジエチレングリコールジアクリレート0.7kgが残った。
【0048】
<工程c:精製>
工程bにより得られた粗精製液63.8kgを、工程dと同様の蒸留装置に添加し、7容量%酸素ガス(窒素バランス)を液相部に2.0NL/分で吹込みながら攪拌混合し、減圧装置により塔頂部圧力17hPaとした。ジャケット温度135℃で加熱し、還流比10.5でジエチレングリコールモノビニルエーテル1.1kgおよびジエチレングリコールジビニルエーテル2.4kgを留去した。
連続してボトム残液59.8kgを蒸留した。7容量%酸素ガス(窒素バランス)を液相部に2.0NL/分で吹込みながら攪拌混合し、減圧装置により塔頂部圧力17hPaとし、ジャケット温度145℃として、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル57.4kgを還流比0.5で留出させた。工程cの操作時間は10.0時間であった。この間、5重量%メトキシヒドロキノンのアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル溶液を、塔頂部より5g/分の速度で連続的に添加した。
[実施例2]
工程cの操作を次のように変更した以外は、実施例1と同様の操作を実施した。
【0049】
<工程c:精製>
実施例1の工程a、dおよびbと同様の操作により得られた粗精製液63.8kgを、実施例1工程dと同様の蒸留装置に添加し、7容量%酸素ガス(窒素バランス)を液相部に2.0NL/分で吹込みながら攪拌混合し、減圧装置により塔頂部圧力27hPaとした。ジャケット温度110℃で加熱し、還流比14でジエチレングリコールジビニルエーテルおよびジエチレングリコールモノビニルエーテルの混合物2.8kgを留去した。その後、減圧装置により塔頂部圧力17hPaとし、ジャケット温度130℃で加熱して、還流比10でジエチレングリコールモノビニルエーテル0.7kgを留去した。
【0050】
連続してボトム残液59.8kgを蒸留した。7容量%酸素ガス(窒素バランス)を液相部に2.0NL/分で吹込みながら攪拌混合し、減圧装置により塔頂部圧力17hPaとし、ジャケット温度145℃としてアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル57.4kgを還流比0.5で留出させた。工程cの操作時間は7.5時間であった。この間、5重量%メトキシヒドロキノンのアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル溶液を、塔頂部より5g/分の速度で連続的に添加した。
[実施例3]
工程dの操作を次のように変更した以外は、実施例1と同様の操作を実施した。
【0051】
<工程d:軽沸分除去>
SUS316製の熱媒ジャケット、攪拌装置、温度計ホルダー、ガス吹込みライン、液体添加ライン、塔頂部に温度計ホルダーと液体添加ラインを有する精留塔(理論段10段)、および、減圧装置を備えた200L精製装置に、工程aと同様の操作により得られた反応液2回分152.6kgを添加し、7容量%酸素ガス(窒素バランス)を液相部に4.0NL/分で吹込みながら攪拌混合し、減圧装置により塔頂部圧力700hPaとした。ジャケット温度135℃で加熱し、還流比16で原料アクリル酸エチルおよび副生エタノールの共沸分を留去させ、徐々に70hPaに減圧した。この間、共沸物は7.0kg留出した。その後、減圧装置により塔頂部圧力70hPaとして、ジャケット温度135℃で加熱し、還流比0.4で原料アクリル酸エチル62.0kgを留出させた。工程dの操作時間は7時間であった。この間、5重量%メトキシヒドロキノンのアクリル酸エチル溶液を、塔頂部より10g/分の速度で連続的に添加した。
【0052】
この後、実施例1の工程bと同様の操作を行った後、留出分およびボトム液をGCにより分析した結果、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルの13.0molが分解し、ジエチレングリコールジビニルエーテル6.5mol、ジエチレングリコールジアクリレート6.5molを新たに生成したことがわかった〔分解したアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルはエステル交換反応により生成したアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルの5.0mol%に相当する〕。
この後、実施例1工程bおよび工程cと同様の操作を行い、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル56.2kgを得た。
[実施例4]
工程dの操作を次のように変更した以外は、実施例2と同様の操作を実施した。
【0053】
<工程d:軽沸分除去>
実施例3工程dと同様の200L精製装置に、工程aと同様の操作により得られた反応液2回分152.6kgを添加し、7容量%酸素ガス(窒素バランス)を液相部に4.0NL/分で吹込みながら攪拌混合し、減圧装置により塔頂部圧力700hPaとした。ジャケット温度135℃で加熱し、還流比16で原料アクリル酸エチルおよび副生エタノールの共沸分を留去させ、徐々に70hPaに減圧した。この間、共沸物は7.0kg留出した。その後、減圧装置により塔頂部圧力70hPaとして、還流比0.4で原料アクリル酸エチル62.0kgを留出させた。工程dの操作時間は7時間であった。この間、5重量%メトキシヒドロキノンのアクリル酸エチル溶液を、塔頂部より10g/分の速度で連続的に添加した。
【0054】
この後、実施例2工程bと同様の操作を行った後、留出分およびボトム液をGCにより分析した結果、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルの13.0molが分解し、ジエチレングリコールジビニルエーテル6.5mol、ジエチレングリコールジアクリレート6.5molを新たに生成したことがわかった〔分解したアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルはエステル交換反応により生成したアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルの5.0mol%に相当する〕。
この後、実施例2工程cと同様の操作を行い、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル56.2kgを得た。
[実施例5]
実施例1で、工程a以降の操作を下記のように変更した以外は、実施例1と同様の操作を実施した。
【0055】
<工程b:触媒分離>
実施例1工程dと同様の蒸留装置を用い、工程aと同様の操作により得られた反応液76.3kgを添加し、7容量%酸素ガス(窒素バランス)を液相部に4.0NL/分で吹込みながら攪拌混合し、減圧装置により塔頂部圧力700hPaとした。ジャケット温度150℃で加熱し、徐々に17hPaに減圧した。工程aと同様の操作により得られた反応液76.3kgを、さらに精製系へ連続的に添加した。原料アクリル酸エチル66.7kg、副生エタノール2.2kg、未反応のジエチレングリコールモノビニルエーテル4.3kg、不純物および新たに生成したジエチレングリコールジビニルエーテル4.9kg、および、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル63.3kgを、還流比0.4で留出させ、粗精製液を得た。上記操作により、ボトムには、触媒0.6kg、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル8.3kg、および、新たに生成したジエチレングリコールジアクリレート0.7kgが残った。工程bの操作時間は4.0時間であった。この間、5重量%メトキシヒドロキノンのアクリル酸エチル溶液を、塔頂部より10g/分の速度で連続的に添加した。
【0056】
得られた留出分およびボトム液をGCにより分析した結果、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルの6.2molが分解し、ジエチレングリコールジビニルエーテル3.1mol、ジエチレングリコールジアクリレート3.1molを新たに生成したことがわかった〔分解したアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルはエステル交換反応により生成したアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルの2.4%に相当する〕。
<工程c:精製>
工程bにより得られた粗精製液の内70.0kgを、上記と同様の蒸留装置に添加し、7容量%酸素ガス(窒素バランス)を液相部に4.0NL/分で吹込みながら攪拌混合し、減圧装置により塔頂部圧力を700hPaとした。ジャケット温度150℃で加熱し、還流比0.3で原料アクリル酸エチルおよび副生エタノールを留去しながら、徐々に70hPaに減圧した。残りの粗精製液70.0kgをさらに精製系へ連続的に添加した。原料アクリル酸エチルおよび副生エタノールの共沸物を68.2kg留出させ、ボトム残液70.6kgを回収した。この間、5重量%メトキシヒドロキノンのアクリル酸エチル溶液を、塔頂部より10g/分の速度で連続的に添加した。
【0057】
この後、実施例1工程cと同様の操作を行い、工程cの操作時間は14.5時間であった。
以上の操作によりアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル57.8kgを得た。
[実施例6]
工程cの操作を次のように変更した以外は、実施例5と同様の操作を実施した。
<工程c:精製>
工程bにより得られた粗精製液の内70.0kgを、上記と同様の蒸留装置に添加し、7容量%酸素ガス(窒素バランス)を液相部に4.0NL/分で吹込みながら攪拌混合し、減圧装置により塔頂部圧力を700hPaとした。ジャケット温度150℃で加熱し、還流比0.3で原料アクリル酸エチルおよび副生エタノールを留去しながら、徐々に70hPaに減圧した。残りの粗精製液70.0kgをさらに精製系へ連続的に添加した。原料アクリル酸エチルおよび副生エタノールの共沸物を68.2kg留出させ、ボトム残液70.6kgを回収した。この間、5重量%メトキシヒドロキノンのアクリル酸エチル溶液を、塔頂部より10g/分の速度で連続的に添加した。
【0058】
次に、ボトム残液63.8kgを工程dに連続して蒸留を行った。7容量%酸素ガス(窒素バランス)を液相部に2.0NL/分で吹込みながら攪拌混合し、減圧装置により塔頂部圧力27hPaとした。ジャケット温度110℃で加熱し、還流比14で、ジエチレングリコールジビニルエーテルおよびジエチレングリコールモノビニルエーテルの混合物2.8kgを留去した。その後、減圧装置により塔頂部圧力17hPaとし、ジャケット温度130℃で加熱して、還流比10でジエチレングリコールモノビニルエーテル0.7kgを留去した。
次に、連続してボトム残液59.8kgを蒸留した。7容量%酸素ガス(窒素バランス)を液相部に2.0NL/分で吹込みながら攪拌混合し、減圧装置により塔頂部圧力17hPaとし、ジャケット温度145℃としてアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル57.4kgを還流比0.5で留出させた。工程cの操作時間は17.5時間であった。この間、5重量%メトキシヒドロキノンのアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル溶液を、塔頂部より5g/分の速度で連続的に添加した。
[実施例7]
工程cの操作を次のように変更した以外は、実施例5と同様の操作を実施した。
【0059】
<工程c:精製>
実施例3工程dと同様の200L精製装置に、実施例5に記述した工程bと同様の操作を行うことにより得られた粗精製液140.0kgを添加し、7容量%酸素ガス(窒素バランス)を液相部に4.0NL/分で吹込みながら攪拌混合し、減圧装置により塔頂部圧力700hPaとした。ジャケット温度145℃で加熱し、還流比16で原料アクリル酸エチルおよび副生エタノールを留去し、アクリル酸エステルとエタノールの共沸物を3.5kg留出した。その後、減圧装置により塔頂部圧力70hPaとし、ジャケット温度145℃で加熱し、還流比0.4で原料アクリル酸エチル64.5kgを留出させた。この間、メトキシヒドロキノンのアクリル酸エチル溶液を、塔頂部より10g/分の速度で連続的に添加した。
【0060】
この後、実施例5工程cと同様の操作を行い、工程cの操作時間は17時間であった。
以上の操作によりアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル57.8kgを得た。
[実施例8]
工程cの操作を実施例7の工程cと同様に変更した以外は、実施例6と同様の操作を実施し、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル57.8kgを得た。
[実施例9]
<工程d:軽沸物除去>
減圧装置を有し、塔頂部に温度計ホルダー、液体添加ラインを有し、塔底部に温度計ホルダー、ガス吹込みラインを有する内径100mmのオルダーショウ型分留器(理論段6段)に、実施例1工程aと同様の操作により得られた反応液を7.5kg/時で4段目に連続的に供給し、塔頂圧力67hPa、塔底温度135℃、還流比1.5、塔内滞留時間30分間で蒸留を行い、塔頂から原料アクリル酸エチルおよび副生エタノールの混合液を2.7kg/時で留出させ、塔底から製品アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルおよび触媒を含む缶出液を5.0kg/時で回収した。この間、5重量%メトキシヒドロキノンのアクリル酸エチル溶液を、塔頂部から0.3kg/時で連続的に添加し、塔底からは7容量%酸素ガス(窒素バランス)を40.0NL/時で連続的に添加した。
【0061】
<工程b:触媒分離>
減圧装置を有し、塔頂部に温度計ホルダー、液体添加ラインを有し、塔底部に温度計ホルダー、ガス吹込みラインを有する伝熱面積が0.10m2である縦型薄層蒸留塔に、工程dの缶出液を5.0kg/時で連続的に供給し、圧力20hPa、塔内温度155℃、塔内滞留時間を30分で蒸留を行い、塔頂からアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル84重量%を含有する留出液を4.8kg/時で回収した。一方、塔底から、触媒であるジブチルスズオキサイド、副生成物のジエチレングリコールジアクリレートおよび安定剤であるフェノチアジン、メトキシヒドロキノンを含有する液(回収触媒)を0.4kg/時で回収した。この間、5重量%メトキシヒドロキノンのアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルを、塔頂部から0.2kg/時で連続的に添加し、塔底からは7容量%酸素ガス(窒素バランス)を40.0NL/時で連続的に添加した。
【0062】
<工程c▲1▼:精製▲1▼>
減圧装置を有し、塔頂部に温度計ホルダー、液体添加ラインを有し、塔底部に温度計ホルダー、ガス吹込みラインを有する内径100mmのオルダーショウ型分留器(理論段数12段)に、工程bで得られたアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル84重量%を含有する留出液を4.8kg/時で8段目に連続的に供給し、塔頂圧力53hPa、塔底温度140℃、還流比7.5、塔内滞留時間1時間で蒸留を行い、塔頂からジエチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテルを含む留出液を0.9kg/時で留出させ、塔底からアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル91重量%および高沸点不純物9重量%を含有する液を4.1kg/時で回収した。この間、5重量%メトキシヒドロキノンのアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルを、塔頂部から0.3kg/時で連続的に添加し、塔底からは7容量%酸素ガス(窒素バランス)を20.0NL/時で連続的に添加した。
【0063】
<工程c▲2▼:精製▲2▼>
続いて、減圧装置を有し、塔頂部に温度計ホルダー、液体添加ラインを有し、塔底部に温度計ホルダー、ガス吹込みラインを有する内径100mmのオルダーショウ型分留器(理論段数5段)に、工程c▲1▼で得られたアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルを91重量%含有する缶出液を、3.9kg/時で3段目に連続的に供給し、塔頂圧力20hPa、塔底温度155℃、還流比0.3、塔内滞留時間20分で精製を行い、塔頂からアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルを3.7kg/時で留出させ、塔底からアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル3重量%と高沸点不純物97重量%とを含有する液を0.2kg/時で回収した。この間、5重量%メトキシヒドロキノンのアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルを、塔頂部から0.2kg/時で連続的に添加し、塔底からは7容量%酸素ガス(窒素バランス)を20.0NL/時で連続的に添加した。
【0064】
上記の操作により得られた回収したアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルの純度は99.7%であり、得られた製品収率は83.1mol%であった。
[実施例10]
工程c▲1▼の操作を次のように変更した以外は、実施例9と同様の操作を実施した。
<工程c▲1▼:精製▲1▼>
実施例9工程c▲1▼と同様のオールダーショウ型分留器に、実施例9工程a、dおよびbで得られたアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル84重量%を含有する留出液を、4.8kg/時で8段目に連続的に供給し、塔頂圧力55hPa、塔底温度136℃、還流比18、塔内滞留時間1.5時間で精製を行い、塔頂からジエチレングリコールジビニルエーテルを含む留出液を0.3kg/時で回収し、塔底からアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル85重量%、ジエチレングリコールモノビニルエーテル4重量%、高沸点不純物11重量%を含有する缶出液を4.5kg/時で回収した。この間、5重量%メトキシヒドロキノンのアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルを、塔頂部から0.3kg/時で連続的に添加し、塔底からは7容量%酸素ガス(窒素バランス)を20.0NL/時で連続的に添加した。
【0065】
次に、実施例9工程c▲1▼と同様のオールダーショウ型分留器に、得られたアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル85重量%を含む留出液を、4.5kg/時で8段目に連続的に供給し、塔頂圧力50hPa、塔底温度136℃、還流比9、塔内滞留時間1時間で精製を行い、塔頂からジエチレングリコールモノビニルエーテルを0.5kg/時で留出させ、塔底からアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル94重量%を含む缶出液を4.0kg/時で回収した。この間、5重量%メトキシヒドロキノンのアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルを、塔頂部から0.3kg/時で連続的に添加し、塔底からは7容量%酸素ガス(窒素バランス)を20.0NL/時で連続的に添加した。
【0066】
この後、実施例9工程c▲2▼と同様の操作を行い、回収したアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルの純度は99.7%であり、得られた製品収率は83.1mol%であった。
[実施例11]
工程dの操作を次のように変更した以外は、実施例9と同様の操作を実施した。
<工程d:軽沸分除去>
実施例9工程dと同様のオールダーショウ型分留器に、実施例1工程aと同様の操作から得られた反応液を、8段目に7.5kg/時で連続的に供給し、塔頂圧力133hPa、塔底温度125℃、還流比25、塔内滞留時間30分間で蒸留を行い、塔頂から副生エタノール48重量%を含む留出液を0.5kg/時で留出させ、塔底からアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルおよび触媒を含む缶出液を7.4kg/時で回収した。
【0067】
次に、実施例9工程dと同様のオールダーショウ型分留器に、塔底から回収した缶出液を4段目に7.4kg/時で連続的に供給し、塔頂圧力67hPa、塔底温度135℃、還流比1.5、塔内滞留時間40分間で蒸留を行い、塔頂から原料アクリル酸エチルおよび副生エタノールの混合液2.6kg/時を留出させ、塔底からアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルおよび触媒を含む缶出液を4.8kg/時で回収した。
この間、5重量%メトキシヒドロキノンのアクリル酸エチルを、塔頂部から0.3kg/時で連続的に添加し、塔底からは7容量%酸素ガス(窒素バランス)を40.0NL/時で連続的に添加した。
【0068】
この後、実施例9工程bおよびcと同様の操作を行い、回収したアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルの純度は99.4%であり、得られた製品収率は81.8mol%であった。
[実施例12]
工程dの操作を実施例11工程dと同様の操作に変更した以外は、実施例10と同様の操作を実施し、回収したアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルの純度は99.3%であり、得られた製品収率は81.7%であった。
[実施例13]
工程bおよびcを次のように変更した以外は、実施例9と同様の操作を実施した。
【0069】
<工程b:触媒分離>
実施例9工程bと同様の縦型薄層蒸留塔に、実施例1工程aと同様の操作により得られた反応液を塔頂部に7.5kg/時で連続的に供給し、圧力20hPa、塔内温度155℃、塔内滞留時間を30秒で蒸留を行い、塔頂からアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル68重量%を含有する留出液を7.3kg/時で留出させ、塔底から、触媒であるジブチルスズオキサイド、副生成物のジエチレングリコールジアクリレートおよび安定剤であるフェノチアジン、メトキシヒドロキノンを含有する液(回収触媒)を0.4kg/時で回収した。この間、5重量%メトキシヒドロキノンのアクリル酸エチルを、塔頂部から0.2kg/時で連続的に添加し、塔底からは7容量%酸素ガス(窒素バランス)を40.0NL/時で連続的に添加した。
【0070】
<工程c▲1▼:精製▲1▼>
実施例9工程dと同様のオールダーショウ型分留器に、工程bで得られた留出液を7.3kg/時で4段目に連続的に供給し、塔頂圧力67hPa、塔底温度135℃、塔内滞留時間30分間で蒸留を行い、塔頂から原料アクリル酸エチルおよび副生エタノールを2.8kg/時で留出させ、塔底からアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル83重量%を含有する液を4.8kg/時で回収した。この間、還流比を1.5で操作し、5重量%メトキシヒドロキノンのアクリル酸エチル溶液を塔頂部から0.3kg/時で連続的に添加し、塔底からは7容量%酸素ガス(窒素バランス)を40.0NL/時で連続的に添加した。
【0071】
この後、実施例9工程c▲1▼および▲2▼と同様の操作を行い、回収したアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルの純度は99.8%であり、得られた製品収率は83.8mol%であった。
[実施例14]
工程c▲1▼を次のように変更した以外は、実施例13と同様の操作を実施した。
<工程c▲1▼:精製▲1▼>
実施例9工程c▲1▼と同様のオールダーショウ型分留器に、実施例13工程bと同様の操作により得られたアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル84重量%を含有する留出液を、4.6kg/時で8段目に連続的に供給し、塔頂圧力55hPa、塔底温度136℃、還流比24、塔内滞留時間2時間で蒸留を行い、塔頂からジエチレングリコールジビニルエーテルを0.3kg/時で留出させ、塔底からアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル85重量%を含有する缶出液を4.5kg/時で回収した。
【0072】
続いて、実施例9工程c▲1▼と同様のオールダーショウ型分留器に、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル85重量%を含む留出液を4.5kg/時で8段目に連続的に供給し、塔頂圧力50hPa、塔底温度136℃、還流比8、塔内滞留時間1時間で蒸留を行い、塔頂からジエチレングリコールモノビニルエーテルを含む留出液を0.5kg/時で留出させ、塔底からアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル93重量%を含む缶出液を4.1kg/時で回収した。
この間、5重量%メトキシヒドロキノンのアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルを、塔頂部から0.2kg/時で連続的に添加し、塔底からは窒素ガスを40.0NL/時で連続的に添加した。
【0073】
この後、実施例9工程c▲2▼と同様の操作を行い、回収したアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルの純度は99.8%であり、得られた製品収率は83.8mol%であった。
[実施例15]
工程dの操作を、実施例11工程dと同様の操作に変更した以外は、実施例5と同様の操作を実施した。
上記の操作により得られた留出分およびボトム液をGCにより分析した結果、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルの5.8molが分解し、ジエチレングリコールジビニルエーテル2.9mol、ジエチレングリコールジアクリレート2.9molを新たに生成したことがわかった〔分解したアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルはエステル交換反応により生成したアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルの2.2%に相当する〕。
【0074】
得られた反応液をGCにより分析した結果、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルの純度は99.8%であり、得られた製品収率は79.5mol%であった。
[実施例16]
実施例1工程dの留出液であるアクリル酸エチルおよびエタノール混合液を、エステル交換反応の原料として再利用した。
実施例1工程aと同様の装置に、ジエチレングリコールモノビニルエーテル29.1kg(不純物としてジエチレングリコールジビニルエーテル0.4kgを含む)、実施例1工程dの留出液(アクリル酸エチル33.1kgおよびエタノール0.9kg)、アクリル酸エチル11.0kg、メトキシヒドロキノン9g、フェノチアジン44gおよびジブチルスズオキサイド274gを添加した。7容量%酸素ガス(窒素バランス)を液相部に2.4NL/分で吹込みながら攪拌混合し、ジャケット温度135℃で加熱した。塔頂部温度がアクリル酸エチル/エタノールの共沸温度になるまで全還流し、共沸温度に達した時点を反応開始とした。塔頂部温度が共沸温度を維持するように還流比を調節しながら6時間反応を続けた。なお、副生するエタノールはアクリル酸エチルとの共沸混合物として反応系外へ留去させ、共沸混合物中のアクリル酸エチルと同重量のアクリル酸エチルを反応開始から反応終了まで連続的に反応系へ添加した。また、反応中、5重量%メトキシヒドロキノンのアクリル酸エチル溶液を、塔頂部から5g/分の速度で連続的に添加した。
【0075】
得られた反応液をGCにより分析した結果、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルの純度は99.8%であり、得られた製品収率は71.0mol%であった。
[実施例17]
実施例9工程c▲1▼の留出液であるジエチレングリコールモノビニルエーテルとジエチレングリコールジビニルエーテル混合液を、エステル交換反応の原料として再利用した。
実施例1工程aと同様の装置に、実施例9工程c▲1▼の留出液0.8kg(ジエチレングリコールモノビニルエーテル0.6kgおよびジエチレングリコールジビニルエーテル0.2kg)、ジエチレングリコールモノビニルエーテル28.5kg(不純物としてジエチレングリコールジビニルエーテル0.4kgを含む)、アクリル酸エチル44.1kg、メトキシヒドロキノン9g、フェノチアジン44gおよびジブチルスズオキサイド274gを添加した。7容量%酸素ガス(窒素バランス)を液相部に2.4NL/分で吹込みながら攪拌混合し、ジャケット温度135℃で加熱した。塔頂部温度がアクリル酸エチル/エタノールの共沸温度になるまで全還流し、共沸温度に達した時点を反応開始とした。塔頂部温度が共沸温度を維持するように還流比を調節しながら6時間反応を続けた。なお、副生するエタノールはアクリル酸エチルとの共沸混合物として反応系外へ留去させ、共沸混合物中のアクリル酸エチルと同重量のアクリル酸エチルを反応開始から反応終了まで連続的に反応系へ添加した。また、反応中、5重量%メトキシヒドロキノンのアクリル酸エチル溶液を塔頂部から5g/分の速度で連続的に添加した。
【0076】
交換反応の原料として再利用した以外は実施例9と同様の操作を繰り返すことにより得られた反応液を、GCにより分析した結果、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルの純度は99.8%であり、得られた製品収率は84.0mol%であった。
[実施例18]
<工程a:製造方法>
実施例1の工程aと同様の100L反応釜に、ジエチレングリコールモノビニルエーテル29.1kg(不純物としてジエチレングリコールジビニルエーテル0.4kgを含む)、メタクリル酸メチル44.1kg、メトキシヒドロキノン9g、フェノチアジン44gおよびジブチルスズオキサイド274gを添加した。
【0077】
7容量%酸素ガス(窒素バランス)を液相部に2.4NL/分で吹込みながら攪拌混合し、ジャケット温度135℃で加熱した。塔頂部温度がメタクリル酸メチル/メタノールの共沸温度になるまで全還流し、共沸温度に達した時点を反応開始とした。塔頂部温度が共沸温度を維持するように還流比を調節しながら7時間反応を続けた。なお、副生するメタノールはメタクリル酸メチルとの共沸混合物として反応系外へ留去させ、共沸混合物中のメタクリル酸メチルと同重量のメタクリル酸メチルを反応開始から反応終了まで連続的に反応系へ添加した。また、反応中、2重量%メトキシヒドロキノンのメタクリル酸メチル溶液を、塔頂部より5g/分の速度で連続的に添加した。
【0078】
得られた反応液77.8kgをGCにより分析した結果、メタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルの反応収率は82.3mol%であった。
<工程d:軽沸分除去>
実施例1の工程dと同様の蒸留装置に、工程aと同様の操作により得られた反応液77.0kgを添加し、7容量%酸素ガス(窒素バランス)を液相部に4.0NL/分で吹込みながら攪拌混合し、減圧装置により塔頂部圧力700hPaとした。ジャケット温度150℃で加熱し、還流比0.3で原料メタクリル酸メチルおよび副生メタノールを留去しながら、徐々に70hPaに減圧した。工程aと同様の操作により得られた反応液77.0kgを、さらに精製系へ連続的に添加した。原料メタクリル酸メチルおよび副生メタノールを68.6kg留出させた。工程dの操作時間は2.5時間であった。この間、2重量%メトキシヒドロキノンのメタクリル酸メチル溶液を、塔頂部より10g/分の速度で連続的に添加した。
【0079】
<工程b:触媒分離>
工程dに連続して工程dのボトム残液80.7kgを蒸留した。条件を7容量%酸素ガス(窒素バランス)量2.0NL/分、塔頂部圧力17hPa、ジャケット温度160℃として、未反応ジエチレングリコールモノビニルエーテル4.8kg、不純物および新たに生成したジエチレングリコールジビニルエーテル5.5kg、および、メタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル64.5kgを還流比0.4で留出させ、粗精製液を得た。工程bの操作時間は4時間であった。この間、2重量%メトキシヒドロキノンのメタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル溶液を、塔頂部より5g/分の速度で連続的に添加した。
【0080】
得られた留出分およびボトム液をGCにより分析した結果、メタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルの8.4molが分解し、ジエチレングリコールジビニルエーテル4.2mol、ジエチレングリコールジメタクリレート4.2molを新たに生成したことがわかった。〔分解したメタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルはエステル交換反応により生成したメタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルの3.9mol%に相当する。〕)
ボトムには、触媒0.6kg、メタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル8.0kg、および新たに生成したジエチレングリコールジメタクリレート0.9kgが残った。
【0081】
<工程c:精製>
工程bにより得られた粗精製液63.4kgを、工程dと同様の蒸留装置に添加し、7容量%酸素ガス(窒素バランス)を液相部に2.0NL/分で吹込みながら攪拌混合し、減圧装置により塔頂部圧力17hPaとした。ジャケット温度135℃で加熱し、還流比10.5でジエチレングリコールモノビニルエーテル1.2kgおよびジエチレングリコールジビニルエーテル2.8kgを留去した。
連続してボトム残液58.7kgを蒸留した。7容量%酸素ガス(窒素バランス)を液相部に2.0NL/分で吹込みながら攪拌混合し、減圧装置により塔頂部圧力17hPaとし、ジャケット温度145℃としてメタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル56.3kgを還流比0.5で留出させた。工程cの操作時間は10.0時間であった。この間、2重量%メトキシヒドロキノンのメタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル溶液を、塔頂部より5g/分の速度で連続的に添加した。
[実施例19]
実施例18で、工程a以降の操作を下記のように変更した以外は、実施例18と同様の操作を実施した。
【0082】
<工程b:触媒分離>
実施例1工程bと同様の蒸留装置を用い、工程aと同様の操作により得られた反応液77.0kgを添加し、7容量%酸素ガス(窒素バランス)を液相部に4.0NL/分で吹込みながら攪拌混合し、減圧装置により塔頂部圧力700hPaとした。ジャケット温度150℃で加熱し、徐々に17hPaに減圧した。工程aと同様の操作により得られた反応液77.0kgを、さらに精製系へ連続的に添加した。原料メタクリル酸メチル70.1kg、副生メタノール1.3kg、未反応のジエチレングリコールモノビニルエーテル4.5kg、不純物および新たに生成したジエチレングリコールジビニルエーテル5.1kg、および、メタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル64.4kgを、還流比0.4で留出させ、粗精製液を得た。上記操作により、ボトムには、触媒0.6kg、メタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル8.1kg、および、新たに生成したジエチレングリコールジメタクリレート0.9kgが残った。工程bの操作時間は4.0時間であった。この間、2重量%メトキシヒドロキノンのメタクリル酸メチル溶液を、塔頂部より10g/分の速度で連続的に添加した。
【0083】
得られた留出分およびボトム液をGCにより分析した結果、メタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルの6.2molが分解し、ジエチレングリコールジビニルエーテル3.1mol、ジエチレングリコールジメタクリレート3.1molを新たに生成したことがわかった。〔分解したメタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルはエステル交換反応により生成したメタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルの2.4%に相当する。〕
<工程c:精製>
工程bにより得られた粗精製液の内70.0kgを、上記と同様の蒸留装置に添加し、7容量%酸素ガス(窒素バランス)を液相部に4.0NL/分で吹込みながら攪拌混合し、減圧装置により塔頂部圧力を700hPaとした。ジャケット温度150℃で加熱し、還流比0.3で原料メタクリル酸メチルおよび副生メタノールを留去しながら、徐々に70hPaに減圧した。残りの粗精製液70.0kgをさらに精製系へ連続的に添加した。原料メタクリル酸メチルおよび副生メタノールの共沸物を68.2kg留出させ、ボトム残液70.6kgを回収した。工程cの操作時間は4.5時間であった。この間、2重量%メトキシヒドロキノンのメタクリル酸メチル溶液を、塔頂部より10g/分の速度で連続的に添加した。
【0084】
この後、実施例1工程cと同様の操作を行い、メタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル56.5kgを得た。
[実施例20]
実施例18で、工程a以降の操作を下記のように変更した以外は、実施例18と同様の操作を実施した。
<工程d:軽沸物除去>
実施例9工程dと同様のオールダーショウ型分留器に、実施例1工程aと同様の操作により得られた反応液を7.5kg/時で4段目に連続的に供給し、塔頂圧力67hPa、塔底温度135℃、還流比1.6、塔内滞留時間30分間で蒸留を行い、塔頂から原料メタクリル酸メチルおよび副生メタノールの混合液を2.9kg/時で留出させ、塔底から製品メタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルおよび触媒を含む缶出液を4.8kg/時で回収した。この間、還流比を1〜2で操作し、2重量%メトキシヒドロキノンのメタクリル酸メチル溶液を塔頂部から0.3kg/時で連続的に添加し、塔底からは7容量%酸素ガス(窒素バランス)を40.0NL/時で連続的に添加した。
【0085】
<工程b:触媒分離>
実施例9工程bと同様の縦型薄層蒸留塔に、工程dの缶出液を4.8kg/時で連続的に供給し、圧力20hPa、塔内温度158℃、塔内滞留時間を30分で蒸留を行い、塔頂からメタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル82重量%を含有する留出液を4.6kg/時で回収した。一方、塔底から、触媒であるジブチルスズオキサイド、副生成物のジエチレングリコールジメタクリレート、および、安定剤であるフェノチアジン、メトキシヒドロキノンを含有する液(回収触媒)を0.4kg/時で回収した。この間、2重量%メトキシヒドロキノンのメタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルを、塔頂部から0.2kg/時で連続的に添加し、塔底からは7容量%酸素ガス(窒素バランス)を40.0NL/時で連続的に添加した。
【0086】
<工程c▲1▼:精製▲1▼>
実施例9工程c▲1▼と同様のオルダーショウ型分留器に、工程bで得られたメタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル82重量%を含有する留出液を4.6kg/時で8段目に連続的に供給し、塔頂圧力53hPa、塔底温度143℃、還流比6.5、塔内滞留時間1時間で蒸留を行い、塔頂からジエチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテルを含む留出液を1.0kg/時で留出させ、塔底からメタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル91重量%および高沸点不純物9重量%を含有する液を4.0kg/時で回収した。この間、2重量%メトキシヒドロキノンのメタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルを塔頂部から0.3kg/時で連続的に添加し、塔底からは7容量%酸素ガス(窒素バランス)を20.0NL/時で連続的に添加した。
【0087】
<工程c▲2▼:精製▲2▼>
続いて、実施例9工程c▲2▼と同様のオルダーショウ型分留器(理論段数5段)に、工程c▲1▼で得られたメタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルを91重量%含有する缶出液を3.9kg/時で3段目に連続的に供給し、塔頂圧力20hPa、塔底温度158℃、還流比0.3、塔内滞留時間20分で精製を行い、塔頂からメタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルを3.9kg/時で留出させ、塔底からメタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル3重量%と高沸点不純物97重量%とを含有する液を0.2kg/時で回収した。この間、2重量%メトキシヒドロキノンのメタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルを、塔頂部から0.2kg/時で連続的に添加し、塔底からは7容量%酸素ガス(窒素バランス)を20.0NL/時で連続的に添加した。
【0088】
上記の操作により得られた回収したメタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルの純度は99.8%であり、得られた製品収率は79.1mol%であった。
[実施例21]
実施例18で、工程a以降の操作を下記のように変更した以外は、実施例18と同様の操作を実施した。
<工程b:触媒分離>
実施例9工程bと同様の縦型薄層蒸留塔に、実施例18工程aと同様の操作により得られた反応液を塔頂部に7.5kg/時で連続的に供給し、圧力20hPa、塔内温度155℃、塔内滞留時間を30秒で蒸留を行い、塔頂からメタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル68重量%を含有する留出液を7.3kg/時で留出させ、塔底から触媒であるジブチルスズオキサイド、副生成物のジエチレングリコールジメタクリルレートおよび安定剤であるフェノチアジン、メトキシヒドロキノンを含有する液(回収触媒)を0.4kg/時で回収した。この間、2重量%メトキシヒドロキノンのメタクリル酸メチルを塔頂部から0.2kg/時で連続的に添加し、塔底からは7容量%酸素ガス(窒素バランス)を40.0NL/時で連続的に添加した。
【0089】
<工程c▲1▼:精製▲1▼>
実施例9工程dと同様のオールダーショウ型分留器に、工程bで得られた留出液を7.3kg/時で4段目に連続的に供給し、塔頂圧力67hPa、塔底温度135℃、塔内滞留時間30分間で蒸留を行い、塔頂から原料メタクリル酸メチルおよび副生メタノールを3.0kg/時で留出させ、塔底からメタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル86重量%を含有する液を4.6kg/時で回収した。この間、還流比を1.5で操作し、2重量%メトキシヒドロキノンのメタクリル酸メチル溶液を塔頂部から0.3kg/時で連続的に添加し、塔底からは7容量%酸素ガス(窒素バランス)を40.0NL/時で連続的に添加した。
【0090】
この後、実施例9工程c▲1▼および▲2▼と同様の操作を行い、回収したメタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルの純度は99.8%であり、得られた製品収率は79.5mol%であった。
[実施例22]
実施例18工程dの留出液であるメタクリル酸メチルおよびメタノール混合液を、エステル交換反応の原料として再利用した。
実施例1工程aと同様の装置に、ジエチレングリコールモノビニルエーテル29.1kg(不純物としてジエチレングリコールジビニルエーテル0.4kgを含む)、実施例18工程dの留出液(メタクリル酸メチル33.4kgおよびメタノール0.5kg)、メタクリル酸メチル11.0kg、メトキシヒドロキノン9g、フェノチアジン44gおよびジブチルスズオキサイド274gを添加した。7容量%酸素ガス(窒素バランス)を液相部に2.4NL/分で吹込みながら攪拌混合し、ジャケット温度135℃で加熱した。塔頂部温度がメタクリル酸メチル/メタノールの共沸温度になるまで全還流し、共沸温度に達した時点を反応開始とした。塔頂部温度が共沸温度を維持するように還流比を調節しながら6時間反応を続けた。なお、副生するメタノールはメタクリル酸メチルとの共沸混合物として反応系外へ留去させ、共沸混合物中のメタクリル酸メチルと同重量のメタクリル酸メチルを反応開始から反応終了まで連続的に反応系へ添加した。また、反応中、2重量%メトキシヒドロキノンのメタクリル酸メチル溶液を塔頂部から5g/分の速度で連続的に添加した。
【0091】
この後、実施例18の工程d、bおよびcと同様の操作を行うことで得られた反応液をGCにより分析した結果、メタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルの純度は99.8%であり、製品収率は64.7mol%であった。
[実施例23]
実施例20工程c▲1▼の留出液であるジエチレングリコールモノビニルエーテルとジエチレングリコールジビニルエーテルの混合液を、実施例17と同様の操作によってジエチレングリコールモノビニルエーテルとジエチレングリコールジビニルエーテルを分離することにより、ジエチレングリコールモノビニルエーテルをエステル交換反応の原料として再利用した。
【0092】
実施例1工程aと同様の装置に、実施例20工程cの留出液(ジエチレングリコールモノビニルエーテル0.6kgおよびジエチレングリコールジビニルエーテル0.2kg)、ジエチレングリコールモノビニルエーテル28.5kg(不純物としてジエチレングリコールジビニルエーテル0.4kgを含む)、メタクリル酸メチル44.1kg、メトキシヒドロキノン9g、フェノチアジン44gおよびジブチルスズオキサイド274gを添加した。7容量%酸素ガス(窒素バランス)を液相部に2.4NL/分で吹込みながら攪拌混合し、ジャケット温度135℃で加熱した。塔頂部温度がメタクリル酸メチル/メタノールの共沸温度になるまで全還流し、共沸温度に達した時点を反応開始とした。塔頂部温度が共沸温度を維持するように還流比を調節しながら6時間反応を続けた。なお、副生するメタノールはメタクリル酸メチルとの共沸混合物として反応系外へ留去させ、共沸混合物中のメタクリル酸メチルと同重量のメタクリル酸メチルを反応開始から反応終了まで連続的に反応系へ添加した。また、反応中、2重量%メトキシヒドロキノンのメタクリル酸メチル溶液を塔頂部から5g/分の速度で連続的に添加した。
【0093】
交換反応の原料として再利用した以外は、実施例20と同様の操作を繰り返すことで得られた反応液をGCにより分析した結果、メタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルの純度は99.8%であり、製品収率は80.5mol%であった。
[比較例1]
<工程e:初留除去>
実施例1工程aおよびdと同様の操作により得られた粗精製液83.0kgを、実施例1工程dと同様の蒸留装置に添加し、7容量%酸素ガス(窒素バランス)を、液相部に2.0NL/分で吹き込みながら攪拌混合し、減圧装置によって、塔頂部圧力20hPaとした。ジャケット温度145℃で加熱し、7容量%酸素ガス(窒素バランス)量2.0NL/分、塔頂部圧力20hPa、還流比1.3として留出液12.2kgを得た〔内訳:未反応ジエチレングリコールモノビニルエーテル2.5kg、不純物および新たに生成したジエチレングリコールジビニルエーテル4.3kg、および、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル5.4kg〕。また、ボトムにアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルの粗精製液69.1kgを得た。工程eの操作時間は2時間であった。この間、5重量%メトキシヒドロキノンのアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル溶液を、塔頂部より5g/分の速度で連続的に添加した。
【0094】
<工程f:製品回収>
工程eにより得られた粗精製液の68.1kgを、上記と同様の蒸留装置に添加し、7容量%酸素ガス(窒素バランス)を、液相部に2.0NL/分で吹き込みながら攪拌混合し、減圧装置により塔頂部圧力を17hPaとした。ジャケット温度155℃で加熱し、還流比1.0でジエチレングリコールジビニルエーテルを含む留出液51.0kgを得た。得られた留出分およびボトム液をGCにより分析した結果、留出液中のアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルの純度は92.5wt%であり、7.2wt%のジエチレングリコールジビニルエーテルが含まれていた。一方、ボトムには、触媒0.6kg、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル5.1kg、および、新たに生成したジエチレングリコールジビニルエーテル0.1kgおよびジエチレングリコールジアクリレート10.9kgが残った。工程fの操作時間は4.5時間であった。この間、5重量%メトキシヒドロキノンのアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル溶液を、塔頂部より5g/分の速度で連続的に添加した。
【0095】
得られた留出分およびボトム液をGCにより分析した結果、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルの102molが分解し、ジエチレングリコールジビニルエーテル51mol、ジエチレングリコールジアクリレート51molを新たに生成したことがわかった〔分解したアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルはエステル交換反応により生成したアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルの39mol%に相当する。〕。アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルの純度は92.5%であり、得られた製品収率は58.3mol%であった。
【0096】
上記結果から、触媒であるジブチルスズオキサイドの存在下でアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルの精製を行うことにより、多量のアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルが分解しジエチレングリコールジビニルエーテルおよびジエチレングリコールジアクリレートが副生し、製品純度および製品収率が低下していることがわかる。
[比較例2]
<工程e:初留除去>
実施例18の工程aおよびdと同様の操作により得られた粗精製液80.7kgを、実施例1工程dと同様の蒸留装置に添加し、7容量%酸素ガス(窒素バランス)を液相部に2.0NL/分で吹込みながら攪拌混合し、減圧装置により塔頂部圧力20hPaとした。ジャケット温度150℃で加熱し、7容量%酸素ガス(窒素バランス)量2.0NL/分、塔頂部圧力20hPa、還流比1.1として留出液13.2kgを得た〔内訳:未反応ジエチレングリコールモノビニルエーテル2.8kg、不純物および新たに生成したジエチレングリコールジビニルエーテル4.6kg、および、メタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル5.8kg〕。また、ボトムにメタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルの粗精製液67.2kgを得た。工程eの操作時間は2時間であった。工程eの操作時間は2時間であった。この間、2重量%メトキシヒドロキノンのメタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル溶液を、塔頂部より5g/分の速度で連続的に添加した。
【0097】
<工程f:製品回収>
工程eにより得られた粗精製液の65.8kgを、上記と同様の蒸留装置に添加し、7容量%酸素ガス(窒素バランス)を液相部に2.0NL/分で吹込みながら攪拌混合し、減圧装置により塔頂部圧力を17hPaとした。ジャケット温度160℃で加熱し、還流比1.0でジエチレングリコールジビニルエーテルを含む留出液45.9kgを得た。得られた留出分およびボトム液をGCにより分析した結果、留出液中のメタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルの純度は90.5wt%であり、9.1wt%のジエチレングリコールジビニルエーテルが含まれていた。一方、ボトムには、触媒0.6kg、メタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル5.1kg、および、新たに生成したジエチレングリコールジビニルエーテル0.1kgおよびジエチレングリコールジメタクリルレート13.5kgが残った。工程fの操作時間は4.5時間であった。この間、2重量%メトキシヒドロキノンのアクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル溶液を塔頂部より5g/分の速度で連続的に添加した。
【0098】
得られた留出分およびボトム液をGCにより分析した結果、メタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルの112molが分解し、ジエチレングリコールジビニルエーテル56mol、ジエチレングリコールジメタクリルレート56molを新たに生成したことがわかった〔分解したメタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルはエステル交換反応により生成したメタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルの52mol%に相当する〕。メタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルの純度は92.5%であり、得られた製品収率は50.5mol%であった。
【0099】
上記結果から、触媒であるジブチルスズオキサイドの存在下で、メタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルの精製を行うことにより、多量のメタクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルが分解しジエチレングリコールジビニルエーテルおよびジエチレングリコールジメタクリルレートが副生し、製品純度および製品収率が低下していることがわかる。
〔性能評価〕
各実施例および比較例の試験結果を下表にまとめて示す。
【0100】
【表1】
【0101】
【表2】
【0102】
以上の結果、触媒存在下におけるエステル交換反応で(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルを含む反応液を得る工程(a)のあとで、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルを含む反応液から触媒を分離する工程(b)を行い、そのあとで、触媒が分離された反応液を精製して、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルを得る工程(c)を行った各実施例では、触媒の存在下で反応液を精製して(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルを得る工程(c)を行った各比較例に比べて、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルの純度および製品収率の何れもが、格段に優れていることが実証された。
【0103】
【発明の効果】
本発明にかかるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類の製造方法は、エステル交換反応のあと、反応液から触媒を分離して、触媒が除去された反応液の精製を行うことで、精製工程で反応液を加熱しても、ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類の分解や新たな不純物の生成が生じない。
その結果、製品に含まれるジ(メタ)アクリル酸エステル類などの不純物の量は大幅に低減され、ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類製品の純度あるいは製品収率が格段に向上する。
Claims (3)
- 下記一般式(1)で表される(メタ)アクリル酸エステル類と、下記一般式(2)で表される水酸基を有するビニルエーテル類とを用い、触媒存在下におけるエステル交換反応によって、下記一般式(3)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類を製造する方法であって、
前記触媒存在下におけるエステル交換反応で前記ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類を含む反応液を得る工程(a)と、
前記工程(a)のあとで、前記ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類を含む反応液から触媒を分離する工程(b)と、
前記工程(b)のあとで、前記触媒が分離された反応液を精製して、ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類を得る工程(c)と
を含むビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類の製造方法。
一般式(1):
CH2=CR1−COOR2…(1)
(式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は有機残基を表す。)
一般式(2):
R3−CH=CH−O−R4−OH …(2)
(式中、R3は水素原子または有機残基、R4は有機残基を表す。)
一般式(3):
CH2=CR1−COO−R4−O−CH=CH−R3…(3)
(式中、R1、R3、R4は、一般式(1)(2)と同じ基を表す。) - 前記工程(a)の後で前記工程(b)の前に、処理温度150℃以下で前記反応液から軽沸分を除去する工程(d)をさらに含む
請求項1に記載の製造方法。 - 前記工程(b)で反応液から分離された触媒を、前記工程(a)で再使用する
請求項1または2の何れかに記載の製造方法。
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KR101795813B1 (ko) | 2010-06-02 | 2017-11-08 | 히타치가세이가부시끼가이샤 | 히드록시알킬(메타)아크릴산에스테르의 제조방법 |
-
2002
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