以下、本発明を実施するための好適な実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
本実施形態に係る印刷物作成装置1は、図1に示すように、連続紙Wをロール状に巻いたロール紙WRをセットする連続紙供給ユニット2と、連続紙供給ユニット2から供給される連続紙Wの両面にインクジェット印刷(デジタル印刷)を施すインクジェット印刷ユニット4と、連続紙Wの印刷紙面を監視する印刷紙面監視ユニット6と、インクジェット印刷後の連続紙Wを切断して個々の枚葉状シート(Flat Paper)を形成すると共に、1枚の枚葉状シート又は2以上の枚葉状シートからなる枚葉状シート群を折り畳んで折丁状のシート(以下、折丁という)を形成する折機8と、折機8により形成された折丁を1部以上集積させてシート積層体(セクション折丁積層体)を形成すると共に、形成されたシート積層体を折り畳んで折丁状の印刷物を形成する集積機構10と、各構成の各種制御を実行する一又は複数の制御部(図示せず)とを備えている。
本実施形態に係る印刷物作成装置1において、連続紙供給ユニット2及び印刷紙面監視ユニット6は、種々の公知のものを任意に用いることができるため、その説明を省略する。また、インクジェット印刷ユニット4は、予め設定された折丁及び印刷物の編成に基づいて、連続紙Wに対し同一又は異なる内容のページを任意の順で任意の数ずつ連続して印刷可能に構成されている。このようなインクジェット印刷ユニットとしては、種々の公知のものを用いることができるため、その説明を省略する。
折機8は、図2に示すように、インクジェット印刷後の連続紙Wを切断して個々の枚葉状シートを形成する切断機構12と、切断後の枚葉状シートを下流側に搬送する搬送機構14と、搬送機構14(すなわち上流側)から連続的に搬送される枚葉状シートを順次巻き取る折胴16と、折胴16から1枚の枚葉状シート又は2以上の枚葉状シートからなる枚葉状シート群を二つ折りした状態で受け取り、集積機構10側(すなわち下流側)に搬送する咥え胴18を備えている。
切断機構12は、所定の周長を有する円柱状のカッター胴12aと、カッター胴12aに設けられ、連続紙Wを幅方向に切断可能な刃先を有するカッター刃12bと、供給される連続紙Wを境としてカッター胴12aと対向して設けられたカッター刃受け12cとを備える回転式の切断機構であり、カッター胴12aが1回転する毎に連続紙Wを1回切断し、枚葉状シートを形成するよう構成されている。カッター胴12aの周速度は、作成する枚葉状シートの搬送方向長さ(カットオフ)に応じて、自動若しくは手動で適宜調整可能に構成されている。すなわち、切断機構12は、カッター胴12aの周速度を任意の速度に変更することにより、枚葉状シートの搬送方向長さ(カットオフ)を任意の切断長に変更する、所謂バリアブルカットオフにも対応することが可能に構成されている。
搬送機構14は、切断機構12の下流側近傍から折胴16の下部に至る領域に設けられた下部搬送ベルト14aと、切断機構12の下流側近傍から折胴16の上流側近傍に至る領域に設けられた上部搬送ベルト14bと、下部搬送ベルト14aにおける枚葉状シートの搬送経路下に複数配設された下部吸引装置14cとを備えており、切断機構12により切断された枚葉状シートを、下部搬送ベルト14a及び上部搬送ベルト14bが協働して折胴16に向けて搬送するよう構成されている。
下部搬送ベルト14aには、複数の吸引孔(図示せず)が形成されており、下部吸引装置14cからの吸引力を、下部搬送ベルト14aの吸引孔を介して、下部搬送ベルト14a上の枚葉状シートに伝達可能に構成されている。このような構成を備える搬送機構14によれば、下部搬送ベルト14a及び上部搬送ベルト14bによる狭持及び下部吸引装置14cによる吸引力により、枚葉状シートを拘束した状態で確実に搬送することが可能となる。
下部搬送ベルト14a及び上部搬送ベルト14bは、図示しない制御部によって同速で回転するよう同期制御されている。具体的には、下部搬送ベルト14a及び上部搬送ベルト14bは、切断機構12に供給されてくる連続紙Wの搬送速度よりも速い任意の速度で、本実施形態では連続紙Wの搬送速度よりも5%程度速い速度で枚葉状シートを搬送するよう、図示しない制御部により制御されている。このように、搬送機構14は、切断機構12によって切断された枚葉状シートを連続紙Wの搬送速度よりも速い速度で搬送させることにより、各枚葉状シートの間に所定の隙間を形成することができる。搬送機構14による枚葉状シートの搬送速度、すなわち下部搬送ベルト14a及び上部搬送ベルト14bの駆動速度は、枚葉状シートの搬送方向長さ(カットオフ)に応じて、自動若しくは手動で適宜調整可能に構成されている。すなわち、搬送機構14は、下部搬送ベルト14a及び上部搬送ベルト14bの搬送速度を任意の速度に変更することにより、枚葉状シートの搬送方向長さ(カットオフ)を任意の切断長に変更する、所謂バリアブルカットオフにも対応することが可能に構成されている。
折胴16は、枚葉状シートの搬送方向長さの2倍と略等しい周長を有する円柱状に形成された胴(2倍胴)であり、枚葉状シートの搬送方向と直交かつ枚葉状シートの平面と平行な方向に延びる回転軸(図示せず)を中心として、枚葉状シートの搬送方向に沿って回転可能に設けられている。また、折胴16は、周方向に180度の間隔をおいて設けられた2つの紙端保持機構16aと、同じく周方向に180度の間隔をおいて設けられた2つの差し刃機構16bとを備えている。
紙端保持機構16aは、枚葉状シートの搬送方向の前端縁部に突き刺さることが可能な複数の紙保持針と、紙保持針を保持するホルダーと、ホルダーが取り付けられる支軸と、支軸を任意のタイミングで往復角変位(すなわち、正方向に軸回転した後に逆方向に軸回転)させることが可能な角変位手段(図示せず)とを備え、角変位手段によって支軸を任意のタイミングで往復角変位させることにより、紙保持針を折胴16の周面から突出(進出)又は没入(後退)させ、搬送機構14から搬送される枚葉状シートの搬送方向の前端縁部を任意のタイミングで保持し、任意のタイミングで解放するよう構成されている。
角変位手段としては、例えば、紙保持針を折胴16の周面から没入させることが可能な没入領域を周面に有する駆動カムと、駆動カムの没入領域を無効化させることにより紙保持針を折胴16の周面から突出させることが可能なマスク部を周面に有するマスキングカムと、マスキング位置と非マスキング位置との間においてマスキングカムを任意のタイミングで軸心回りに角変位させるマスキングカム駆動手段と、支軸に接続され、駆動カムの周面に沿って移動する駆動カム用カムフォロワーと、支軸に接続され、マスキングカムの周面に沿って移動するマスキングカム用カムフォロワーとを備えるカム機構を用いることが可能である。このカム機構は、マスキングカムが非マスキング位置に位置している状態において、紙保持針を折胴16の周面から没入させ、マスキングカムがマスキング位置に位置している状態において、紙保持針を折胴16の周面から突出させて枚葉状シートを保持するように構成されている。なお、角変位手段は、当該カム機構に限定されるものではなく、種々の公知のものを任意に用いることができる。
差し刃機構16bは、2つの紙端保持機構16aの中間位置にそれぞれ設けられており、折胴16の差し刃機構16bと咥え胴18の咥え機構18aとの距離が最小となる位置に到達する毎に、又は、当該位置に到達する任意の回数毎に差し刃を突出させることにより、紙端保持機構16aにより保持されている1枚の枚葉状シート又は2以上の枚葉状シートからなる枚葉状シート群の搬送方向の略中央を咥え胴18の咥え機構18aに咥え込ませるように構成されている。具体的には、差し刃機構16bは、それぞれ、折胴16の軸心と平行に設けられた支軸に取り付けられた差し刃と、この支軸を任意のタイミングで往復角変位(すなわち、正方向に軸回転した後に逆方向に軸回転)させることが可能な角変位手段(図示せず)とを備えている。差し刃は、枚葉状シート又は枚葉状シート群の搬送方向の略中央を径方向外側に突き出し可能なブレード状に形成されており、支軸の往復角変位に応じて、支軸を中心として折胴16の周面と直交する方向に揺動し、先端を折胴16の周面から突出(進出)又は没入(後退)させるように構成されている。なお、角変位手段としては、紙端保持機構16aと同様に、例えばカム機構を用いることが可能であるが、これに限定されず、種々の公知のものを任意に用いることができる。
咥え胴18は、折胴16の周長と等しい周長を有する円柱状に形成された胴(2倍胴)であり、折胴16と平行な回転軸(図示せず)を中心として折胴16の回転方向と逆の方向に回転するよう構成されている。また、咥え胴18は、周方向に180度の間隔をおいて設けられた2つの咥え機構18aを備えている。
咥え機構18aは、折胴16の差し刃機構16bと対応する位置にそれぞれ設けられており、折胴16の差し刃機構16bと咥え胴18の咥え機構18aとの距離が最小となり、かつ、差し刃機構16bが作動したときに、差し刃を受けるよう構成されている。具体的には、咥え機構18aは、それぞれ、咥え胴18の軸心と平行に設けられた支軸に取り付けられた咥え刃と、この支軸を任意のタイミングで往復角変位(すなわち、正方向に軸回転した後に逆方向に軸回転)させることが可能な角変位手段(図示せず)とを備えている。咥え刃は、支軸の往復角変位に応じて、支軸を中心として咥え胴18の周方向に沿って回動し、折胴16の差し刃機構16bの差し刃によって突き出された枚葉状シート又は枚葉状シート群の搬送方向の略中央を咥え、該枚葉状シート又は枚葉状シート群を二つ折りして折丁を形成するよう構成されている。なお、角変位手段としては、紙端保持機構16aと同様に、例えばカム機構を用いることが可能であるが、これに限定されず、種々の公知のものを任意に用いることができる。
折胴16及び咥え胴18の周速度は、搬送機構14における搬送速度と同速となるよう予め設定されるか、又は、図示しない制御部により同期制御されている。このように折胴16及び咥え胴18の周速度と搬送機構14の搬送速度とを同速とした場合には、搬送機構14により搬送される枚葉状シートをスムーズに折胴16に巻き付けることが可能となるため、ヨレやつまり等の発生を抑制することができる。
以上のような構成を備える折胴16及び咥え胴18(すなわち、回転式折り畳み機構)によれば、折胴16の紙端保持機構16aにより巻き取った枚葉状シートを折胴16の半周毎に咥え胴18の咥え機構18aに受け渡す第1の折丁作成態様(所謂ストレートラン)と、紙端保持機構16aにより巻き取った枚葉状シートを保持させた状態で折胴16を1周回転させる毎に、該枚葉状シート上に後続の枚葉状シートを1枚積層させ、折胴16をN周(Nは1以上の整数)回転させ、枚葉状シートをN枚積層させた後に咥え胴18の咥え機構18aに受け渡す第2の折丁作成態様(所謂コレクトラン)とを、予め設定された折丁の編成に基づいて切り替えて実行することが可能である。
なお、紙端保持機構16aは、例えば駆動カムを角変位させる駆動カム用駆動手段等を更に備えることにより、枚葉状シートの搬送方向長さ(カットオフ)に応じて、枚葉状シート又は枚葉状シート群の解放タイミングを任意に調整可能に構成されても良い。また、差し刃機構16bは、枚葉状シートの搬送方向長さ(カットオフ)に応じて、折胴16における周方向の位置を変更可能に構成されても良い。さらに、咥え機構18aは、差し刃機構16bの位相変更に応じて、咥え胴18における周方向の位置を変更可能に構成されても良い。これら紙端保持機構16a、差し刃機構16b及び咥え機構18aによれば、枚葉状シートの搬送方向長さを任意の長さに変更する、所謂バリアブルカットオフにも対応することが可能である。
集積機構10は、図3に示すように、咥え胴18から受け取った折丁を下流側に搬送する上流側搬送部20と、折丁の搬送方向と同じ方向に適宜の間隔をおいて並べて設けられ、1以上の折丁を積層させると共に二つ折りして折丁状の印刷物を形成する2つの集積ユニット(第1集積ユニット22及び第2集積ユニット24)と、上流側搬送部10と第1集積ユニット22及び第2集積ユニット24との間に設けられ、上流側搬送部20により搬送される折丁を第1集積ユニット22及び第2集積ユニット24のそれぞれに振り分けて搬送する振り分け搬送部(第1搬送部26、第2搬送部28及び第1切り替え部30)と、上流側搬送部20により搬送される折丁を検知する上流側センサー32とを備えている。また、集積機構10は、第2搬送部28の中途部から分岐して設けられ、上流側搬送部20から第2搬送部28に受け渡された折丁(若しくは枚葉状シート)を第2集積ユニット24に搬送することなく装置下流側に搬送する第3搬送部34と、第2搬送部28により搬送される折丁(若しくは枚葉状シート)が第2集積ユニット24に向けて搬送される経路と第3搬送部34に向けて搬送される経路とを切り替える第2切り替え部36とを備えている。
上流側搬送部20は、咥え胴18の下流側近傍に設けられており、咥え胴18が解放した折丁を上部ベルト及び下部ベルトにより挟み込んで搬送し、第1搬送部26又は第2搬送部28に受け渡すよう構成されている。この上流側搬送部20は、図示しない制御部により、咥え胴18の周速度と同速で駆動するよう制御されている。
上流側センサー32は、第1切り替え部30よりも上流側に配置されており、第1切り替え部30と有線又は無線により接続されている。この上流側センサー32は、上流側搬送部20により搬送される折丁を検知する毎に(すなわち、上流側搬送部20により搬送される折丁が上流側センサー32を通過する毎に)、第1切り替え部30に対して検知信号を出力するよう構成されている。
振り分け搬送部は、上流側搬送部20から搬送される折丁を第1集積ユニット22に向けて搬送する第1搬送部26と、上流側搬送部20から搬送される折丁を第2集積ユニット24に向けて搬送する第2搬送部28と、上流側搬送部20から第1搬送部26に向けて折丁が搬送される経路と上流側搬送部20から第2搬送部28に向けて折丁が搬送される経路とを切り替える第1切り替え部30とを備えている。
第1切り替え部30は、上流側搬送部20と第1搬送部26及び第2搬送部28との間に配置され、図示しない制御部により、上流側センサー32から検知信号を受信する毎に、上流側搬送部20から第1搬送部26に向けて折丁が搬送される経路と、上流側搬送部20から第2搬送部28に向けて折丁が搬送される経路とを切り替えるよう構成されている。すなわち、第1切り替え部30は、第1搬送部26及び第2搬送部28に対して1部ずつ順番に折丁が搬送されるように折丁の搬送経路を切り替えるよう構成されている。この第1切り替え部30を動作させる駆動源は、種々の駆動源を用いることが可能であるが、高速動作を実現するためにはサーボモーター等の高速切り替え可能な駆動源であることが好ましい。
第1搬送部26は、第1切り替え部30の下流側近傍に設けられており、第1切り替え部30により振り分けられた折丁を上流側搬送部20から受け取り、上部ベルト及び下部ベルトにより挟み込んで搬送し、第1集積ユニット22の後述するシート集積部40へ搬入(排出)するよう構成されている。この第1搬送部26は、図示しない制御部により、上流側搬送部20の搬送速度と同速で駆動するよう制御されている。
第2搬送部28は、第1切り替え部30の下流側近傍に設けられた上流側第2搬送部28aと、上流側第2搬送部28aと第2集積ユニット24との間に設けられた下流側第2搬送部28bとを備えている。上流側第2搬送部28aは、第1切り替え部30により振り分けられた折丁を上流側搬送部20から受け取り、上部ベルト及び下部ベルトにより挟み込んで搬送し、下流側第2搬送部28b若しくは第3搬送部34へ受け渡すよう構成されている。下流側第2搬送部28bは、第2切り替え部36により振り分けられた折丁を上流側第2搬送部28aから受け取り、上部ベルト及び下部ベルトにより挟み込んで搬送し、第2集積ユニット24の後述するシート集積部40へ搬入(排出)するよう構成されている。これら上流側第2搬送部28a及び下流側第2搬送部28bは、図示しない制御部により、上流側搬送部20の搬送速度と同速で駆動するよう制御されている。
第2切り替え部36は、上流側第2搬送部28aと下流側第2搬送部28b及び第3搬送部34との間に配置され、予め設定された印刷物の編成に基づいて、上流側第2搬送部28aから下流側第2搬送部28bに向けて折丁が搬送される経路と、上流側第2搬送部28aから第3搬送部34に向けて折丁が搬送される経路とのいずれか一方に折丁が搬送されるよう経路を特定するよう構成されている。すなわち、第2切り替え部36は、第2集積ユニット24において折丁を集積させて印刷物を作成する態様であると予め定められた場合には、上流側第2搬送部28aから搬送される折丁の全てが下流側第2搬送部28bに向けて搬送されるよう常に経路を特定し、折機8により作成された折丁を集積させずに印刷物(例えばタブロイド判の印刷物)とする態様であると予め定められた場合には、上流側第2搬送部28aから搬送される折丁の全てが第3搬送部34に向けて搬送されるよう常に経路を特定するよう構成されている。この第2切り替え部36を動作させる駆動源は、例えばエアーシリンダーやサーボモーター等の種々の駆動源を用いることが可能である。なお、折機8により作成された折丁を集積させずに印刷物(例えばタブロイド判の印刷物)とする態様であると予め定められた場合には、第1切り替え部30も第2切り替え部36と同様に、上流側搬送部20から搬送される折丁の全てが第2搬送部28に向けて搬送されるよう常に経路を特定する。
第3搬送部34は、第2切り替え部36の下流側近傍に設けられており、第2切り替え部36により経路が特定されることにより搬送されてくる折丁を上流側第2搬送部28aから受け取り、上部ベルト及び下部ベルトにより挟み込んで搬送し、例えばタブロイドファン等の本装置の下流工程に搬送するよう構成されている。この第3搬送部34は、図示しない制御部により、上流側第2搬送部28aの搬送速度と同速以上で駆動するよう制御されている。
第1集積ユニット22は、図3に示すように、第1搬送部26から搬入(排出)された折丁を集積させ、1又は複数の折丁からなるシート積層体を形成するシート集積部40と、シート集積部40の上流側に設けられ、シート集積部40に向けて搬送される折丁を検知する下流側センサー58と、シート集積部40のシート積層体が集積される領域(後述する集積空間50)の上方に設けられ、シート集積部40に集積されたシート積層体を二つ折りするチョッパー折り機構60と、シート集積部40の下部近傍に設けられ、チョッパー折り機構60により二つ折りされたシート積層体を挟み込んで下部に搬送することにより折り目をつけ、折り丁状の印刷物とする一対のフォルディングローラー70と、一対のフォルディングローラー70の下部に設けられ、一対のフォルディングローラー70から放出された折り丁状の印刷物を受領して下流側に搬送するデリバリーファン72と、デリバリーファン72の下部に設けられ、デリバリーファン72から受領した折り丁状の印刷物を集積機構10の外部(例えば回収箱等)に搬送する搬送コンベヤー74とを備えている。なお、本実施形態に係る集積ユニット22,24において、一対のフォルディングローラー70、デリバリーファン72及び搬送コンベヤー74は、種々の公知のものを任意に用いることができるため、その説明を省略する。また、第2集積ユニット24は、第1集積ユニット22と同様の構成を備えるため、同一符号を用いることでその説明を省略する。
シート集積部40の後述するテーブル42及び前部位置決め機構44と、チョッパー折り機構60と、一対のフォルディングローラー70と、デリバリーファン72と、搬送コンベヤー74とは、図3及び図5に示すように、一対の装置外側フレームOF間に設けられた装置内側フレームIFに支持されている。装置内側フレームIFは、テーブル42を載置可能な台座部と、台座部を支持する脚部とを備える枠体であり、その脚部が、一対の装置外側フレームOF間に架け渡された一対の直動ガイド(図示せず)に支持されている。また、装置内側フレームIFは、一方の装置外側フレームOFと折線幅調整機構(図示せず)を介して接続されている。折線幅調整機構(図示せず)は、装置内側フレームIFの一部と一方の装置外側フレームOFとを貫通するネジ切り部を有しており、自動又は手動によりネジ切り部を正方向又は逆方向に回転させることにより、装置内側フレームIFを直動ガイド(図示せず)に沿って折丁Sの幅方向に移動させるよう構成されている。
下流側センサー58は、図3及び図10に示すように、第1搬送部26(第2集積ユニット24の場合には下流側第2搬送部28b)の搬送経路上に配置されており、シート集積部40の後述する前部ストッパー駆動制御部44c、側部位置決めプレート駆動制御部48c及びチョッパー折りブレード駆動制御部66と有線又は無線により接続されている。この下流側センサー58は、第1搬送部26(下流側第2搬送部28b)により搬送される折丁を検知する毎に、すなわち、第1搬送部26(下流側第2搬送部28b)により搬送される折丁が下流側センサー58を通過する毎に、シート集積部40の後述する前部ストッパー駆動制御部44c、側部位置決めプレート駆動制御部48c及びチョッパー折りブレード駆動制御部66に対して、検知信号を出力するよう構成されている。なお、本実施形態に係る集積ユニット22,24では、確実な検知を実現するために下流側センサー58を一対設けているが、これに限定されず、下流側センサー58は1つのみであっても良い。
シート集積部40は、図4及び図5に示すように、第1搬送部26(下流側第2搬送部28b)からシート集積部40内に搬入(排出)された折丁Sが集積されるテーブル42と、搬入された折丁Sの搬入方向前方側に設けられた前部位置決め機構44(前部位置決め部)と、搬入された折丁Sの搬入方向後方側に設けられた後部位置決め機構46(後部位置決め部)と、搬入された折丁Sの両側方側にそれぞれ設けられた左右一対の側部位置決め機構48(側部位置決め部)とを備え、これらテーブル42、前部位置決め機構44、後部位置決め機構46及び左右一対の側部位置決め機構48により、四方及び底面が囲われた集積空間50が形成されるよう構成されている。また、シート集積部40は、前部位置決め機構44と後部位置決め機構46との間の集積位置の上方(集積空間50の上方)に設けられ、シート集積部40内に進入した折丁Sをその下面によって集積位置に誘導するペーパーガイド52と、ペーパーガイド52よりも上流側に設けられた補助ガイド54とをさらに備えている。
なお、本実施形態の説明において、搬入方向とは、テーブル42の上面と平行な方向のうち、第1搬送部26(下流側第2搬送部28b)から集積空間50内に搬入された折丁Sが進行する方向及びこの逆方向に沿う方向、すなわち、後述する前部ストッパー44a及び後部位置決めプレート46aの一方から他方に向かう方向(図5中の左右方向)をいう。また、幅方向とは、テーブル42の上面と平行な方向のうち、集積空間50内に集積された折丁Sの紙幅方向(搬入方向と直交かつ折丁Sの紙面と平行な方向)に沿う方向、すなわち、後述する一対の側部位置決めプレート48aの一方から他方に向かう方向(図5中の上下方向)をいう。図4は、シート集積部40を幅方向から見た状態を示す概略構成図であり、図5は、シート集積部40を平面方向(上方)から見た状態を示す概略構成図である。
テーブル42は、図5に示すように、折丁Sを積層させる台として機能する板状部材であり、装置内側フレームIFの台座部上に載置されている。このテーブル42は、集積空間50内の折丁Sの幅方向の略中央に後述するチョッパー折りブレード62が通過可能な溝部42aが形成されるように、幅方向の略中央で二分割されている。テーブル42の上面(折丁Sを積層させる面)は、クロムメッキ処理されている。
前部位置決め機構44は、図4及び図5に示すように、集積空間50内に搬入される折丁Sの搬入方向前方側(すなわち、第1搬送部26若しくは下流側第2搬送部28bの排出口と対向する側)に設けられ、折丁Sの搬入方向前端縁を位置決めする可動式の前部ストッパー44aと、前部ストッパー44aを後部位置決め機構46に対して接近又は離間する方向に往復移動させる前部ストッパー駆動部44bと、前部ストッパー駆動部44bを動作させる前部ストッパー駆動制御部44cとを備えている。
前部ストッパー44aは、第1搬送部26(下流側第2搬送部28b)の排出口と対向して立設された鉄製の板状部材であり、テーブル42の溝部42aを境として、折丁Sの幅方向に溝部42aの幅以上の間隔をおいて一対設けられている。これら一対の前部ストッパー44aは、第1搬送部26(下流側第2搬送部28b)の排出口と対向する側の面が、折丁Sの搬入方向前端縁に沿った平滑面となっており、この平滑面により、折丁Sの搬入方向前端縁の位置決め(紙揃え)を行うことが可能に構成されている。
前部ストッパー駆動部44bは、一対の前部ストッパー44aを支持する支持バー45aと、支持バー45aの両端部に設けられた直動ガイド45bと、駆動源45cの動力を支持バー45aに伝達させ、支持バー45aを後部位置決め機構46に対して接近又は離間する方向に往復移動させるアーム45dと、一端部がアーム45dに連結され、他端部が駆動源45cの出力軸に連結されたクランク45eとを備えている。
支持バー45aは、集積空間50を折丁Sの幅方向に横切るように架け渡された長尺部材であり、直動ガイド45bを介して装置内側フレームIFの台座部に摺動可能に支持されている。支持バー45aの第1搬送部26(下流側第2搬送部28b)の排出口と対向する側の面には、一対の前部ストッパー44aが取り付けられている。支持バー45aの長手方向の略中央には、アーム45dが連結されている。
直動ガイド45bは、装置内側フレームIFの台座部上に、折丁Sの搬入方向に沿って取り付けられた一対の直線状のレールと、支持バー45aの両端部にそれぞれ取り付けられ、各レール上を摺動するスライド部材とから構成されている。なお、支持バー45aの往復移動をガイドする機構は、直動ガイド45b以外にも、種々の公知のものを任意に用いることができる。
アーム45dは、一端部が支持バー45aに連結され、他端部がクランク45eに連結されている。アーム45d及びクランク45eは、駆動源45cからの回転運動を直線運動に変換して支持バー45aに伝達するよう構成されている。なお、支持バー45aを往復動させる機構は、本実施形態のようなクランク機構以外にも、種々の公知のものを任意に用いることができる。また、駆動源45cは、種々の駆動源を用いることが可能であるが、高速動作を実現するためにはサーボモーター等の高速切り替え可能な駆動源であることが好ましい。
前部ストッパー駆動制御部44cは、図10に示すように、下流側センサー58と接続されており、下流側センサー58から検知信号を受信する毎に、適宜のタイミングで前部ストッパー駆動部44bを動作させ、前部ストッパー44aを折丁Sの搬入方向に沿って往復動作させるよう構成されている。具体的には、前部ストッパー駆動制御部44cは、下流側センサー58から検知信号を受信する毎に、集積空間50内に搬入された折丁Sが前部ストッパー44aに接触する直前の適宜のタイミングで、後部位置決め機構46の後部位置決めプレート46aとの距離が折丁Sの搬送方向長さより大きくなるように後部位置決めプレート46aに対して前部ストッパー44aを離間させるよう、前部ストッパー駆動部44bを動作させる。また、前部ストッパー駆動制御部44cは、後部位置決めプレート46aに対して離間させた前部ストッパー44aに折丁Sの搬入方向前端縁が接触した直後の適宜のタイミングで、後部位置決めプレート46aとの距離が折丁Sの搬送方向長さと略等しくなるように後部位置決めプレート46aに対して前部ストッパー44aを接近させるよう、前部ストッパー駆動部44bを動作させる。なお、下流側センサー58から検知信号を受信してから前部ストッパー駆動部44bを作動させるまでの時間(タイムラグ)は、第1搬送部26(下流側第2搬送部28b)による折丁Sの搬送速度や、下流側センサー58からシート集積部40までの距離等に基づいて特定することが可能である。
後部位置決め機構46は、図5及び図6に示すように、集積空間50内に搬入される折丁Sの搬入方向後方側(すなわち、第1搬送部26若しくは下流側第2搬送部28bの排出口近傍)において前部ストッパー44aと対向して設けられ、前部位置決め機構44により折丁Sの搬入方向の紙揃えを行う際の基準となる後部位置決めプレート46aと、後部位置決めプレート46aを支持する支持バー46bと、支持バー46bをテーブル42に向けて付勢することにより後部位置決めプレート46aをテーブル42に押し付ける付勢機構46cとを備えている。
後部位置決めプレート46aは、第1搬送部26(下流側第2搬送部28b)の排出口近傍において前部ストッパー44aと対向して立設された板状部材であり、テーブル42の溝部42aを境として、折丁Sの幅方向に溝部42aの幅以上の間隔をおいて一対設けられている。これら一対の後部位置決めプレート46aは、前部ストッパー44aと対向する側の面が、折丁Sの搬入方向後端縁に沿った平滑面となっており、この平滑面により、折丁Sの搬入方向後端縁の位置決め(紙揃え)が可能に構成されている。後部位置決めプレート46aは、任意の材料から形成することが可能であるが、テーブル42の損傷を防止するために、軟質な樹脂材料から形成されることが好ましい。
支持バー46bは、移動フレームMFに付勢機構46cを介して取り付けられた長尺部材であり、テーブル42の溝部42aを除く領域において折丁Sの幅方向に横切るように一対設けられている。各支持バー46bの前部ストッパー44aと対向する側の面には、それぞれ後部位置決めプレート46aが取り付けられている。移動フレームMFは、一対の装置外側フレームOF間において、折丁Sの搬入方向に沿って立設された板状のフレーム部材であり、図示しない移動機構により、折丁Sの搬入方向に沿って移動可能に構成されている。この移動フレームMFには、第1搬送部26(下流側第2搬送部28b)を構成するベルト及びプーリー等の各構成要素や、後部位置決め機構46が取り付けられている。
付勢機構46cは、図6に示すように、移動フレームMFに固定されており、内部に収容したコイルバネ47により、支持バー46b及びこの支持バー46bに固定された後部位置決めプレート46aをテーブル42に向けて付勢するよう構成されている。この移動フレームMF及び付勢機構46cは、図5に示すように、各支持バー46bに対してそれぞれ2つずつ設置されている。
本実施形態に係る後部位置決め機構46は、折丁Sの搬送方向長さに応じて移動フレームMFを折丁Sの搬入方向に沿って移動させることにより、前部ストッパー44aと後部位置決めプレート46aとの距離、すなわち、紙揃えを行う際の基準となる後部位置決めプレート46aの位置を適宜調整可能に構成されている。このような後部位置決め機構46によれば、枚葉状シートの搬送方向長さを任意の長さに変更する、所謂バリアブルカットオフにも対応することが可能である。
左右一対の側部位置決め機構48は、図5に示すように、集積空間50内に搬入される折丁Sの幅方向の一方の側端縁を位置決めする可動式の側部位置決めプレート48aと、側部位置決めプレート48aを折丁Sの幅方向に沿って往復移動させる側部位置決めプレート駆動部48bと、側部位置決めプレート駆動部48bを動作させる側部位置決めプレート駆動制御部48cと、側部位置決めプレート48a及び側部位置決めプレート駆動部48bを一体として折丁Sの幅方向に沿って移動させ、側部位置決めプレート48aの基準位置を調整する基準位置調整機構48dとをそれぞれ備えている。
これら左右一対の側部位置決め機構48は、図5に示すように、側部位置決めプレート48aが互いに対向するように、折丁Sの幅方向に離間した一対の装置外側フレームOFに支持されている。具体的には、一方の側部位置決め機構48の基準位置調整機構48dが、一方の装置外側フレームOFに支持されており、他方の側部位置決め機構48の基準位置調整機構48dが、他方の装置外側フレームOFに支持されている。これら左右一対の側部位置決め機構48は、各側部位置決めプレート駆動部48bによって各側部位置決めプレート48aが折丁Sの幅方向の内側に最も前進した位置(紙揃え位置)において、一方の側部位置決めプレート48aと他方の側部位置決めプレート48aとの距離が折丁Sの幅方向長さと略等しくなるように、基準位置調整機構48dにより位置調整されている。
側部位置決めプレート48aは、後部位置決めプレート46aから前部ストッパー44aに至る距離よりも短い長手方向の長さを有する樹脂製の板状部材であり、その長手方向が折丁Sの搬入方向と平行となり、かつ、その面が他方の側部位置決め機構48の側部位置決めプレート48aの面と対向するように立設されている。この側部位置決めプレート48aは、他方の側部位置決め機構48の側部位置決めプレート48aと対向する側の面が、折丁Sの一方の側縁に沿った平滑面となっており、この平滑面により、他方の側部位置決め機構48の側部位置決めプレート48aと協働して、折丁Sの側縁の位置決め(紙揃え)を行うことが可能に構成されている。側部位置決めプレート48aは、任意の材料から形成することが可能であるが、集積空間50内を視認可能にするために、透明なポリカーボネート等の透明性を有する樹脂材料から形成されることが好ましい。
側部位置決めプレート駆動部48bは、側部位置決めプレート48aの下端とテーブル42の上面との間に折丁Sが入り込まない程度の隙間が形成されるように、側部位置決めプレート48aを僅かに浮かせた状態で支持すると共に、エアーシリンダー等の適宜の駆動手段により、側部位置決めプレート48aを折丁Sの幅方向に沿って往復移動させるよう構成されている。このような側部位置決めプレート48aを往復動させる機構及び駆動源は、種々の公知のものを任意に用いることができるため、その説明を省略する。
側部位置決めプレート駆動制御部48cは、図10に示すように、下流側センサー58と接続されており、下流側センサー58から検知信号を受信する毎に、適宜のタイミングで側部位置決めプレート駆動部48bを動作させ、側部位置決めプレート48aを折丁Sの幅方向に沿って往復動作させるよう構成されている。具体的には、側部位置決めプレート駆動制御部48cは、下流側センサー58から検知信号を受信する毎に、集積空間50内に搬入された折丁Sがテーブル42上に集積される際(好適には、折丁Sがテーブル42上に集積された後)の適宜のタイミングで、他方の側部位置決め機構48の側部位置決めプレート48aとの距離が折丁Sの幅方向長さと略等しくなるように側部位置決めプレート48aを他方の側部位置決め機構48の側部位置決めプレート48aに対して接近させるよう(幅方向内側に前進させるよう)、側部位置決めプレート駆動部48bを動作させる。そして、次の折丁Sの集積に備え、他方の側部位置決め機構48の側部位置決めプレート48aとの距離が折丁Sの幅方向長さより大きくなるように側部位置決めプレート48aを他方の側部位置決め機構48の側部位置決めプレート48aに対して離間させるよう(幅方向外側に後退させるよう)、側部位置決めプレート駆動部48bを動作させる。なお、下流側センサー58から検知信号を受信してから側部位置決めプレート駆動部48bを作動させるまでの時間(タイムラグ)は、第1搬送部26(下流側第2搬送部28b)による折丁Sの搬送速度や、下流側センサー58からシート集積部40までの距離等に基づいて特定することが可能である。
基準位置調整機構48dは、内部にボールねじ機構等の適宜の移動手段が内蔵されており、調整ハンドル49を正逆回転させることにより、側部位置決めプレート48a及び側部位置決めプレート駆動部48bを一体として折丁Sの幅方向に沿って往復移動させるよう構成されている。この基準位置調整機構48dによれば、連続紙Wの紙幅の変更に応じて側部位置決めプレート48aの基準位置(紙揃え位置)を調整するために、側部位置決め機構48全体を折丁Sの幅方向に移動させることができる。なお、このような側部位置決めプレート48aの基準位置を調整するための機構は、種々の公知のものを任意に用いることができるため、その説明を省略する。また、基準位置調整機構48dは、手動操作ではなく、連続紙Wの紙幅の変更に応じて自動制御される構成としても良い。
ペーパーガイド52は、図4及び図7に示すように、テーブル42の溝部42aを境とした場合における集積空間50の半分側の領域を覆うことが可能な大きさ、すなわち、第1搬送部26(下流側第2搬送部28b)の排出口の上方近傍から前部ストッパー44aの平滑面の下端部近傍に至る搬入方向の長さと、二分割されたテーブル42の一方の幅方向長さと略等しい幅方向の長さを有する板状部材である。
ペーパーガイド52は、図7に示すように、チョッパー折りブレード62が通過可能な適宜の間隔をおいて2つ設けられており、一対の装置外側フレームOF間において移動不能に設けられたペーパーガイド支持機構51により支持されている。ペーパーガイド支持機構51は、一対の装置外側フレームOF間に架け渡された支持軸51aと、支持軸51aの軸方向(すなわち、折丁Sの幅方向)に沿って所定の間隔をおいて設けられた二対の(4つの)ブラケット51bとを備えている。各ブラケット51bは、板状のフレーム部材であり、折丁Sの搬入方向に沿って立設されている。各ペーパーガイド52は、図4に示すように、搬入方向後方側の端部が第1搬送部26(下流側第2搬送部28b)の排出口の上方近傍に位置し、搬入方向前方側の端部が前部ストッパー44aの平滑面の下端部近傍に位置するように、一対のブラケット51b間に取り付けられている。
各ペーパーガイド52は、図4及び図8に示すように、搬入方向後方側から搬入方向前方側に向けて湾曲した断面略円弧状の形状、すなわち、第1搬送部26(下流側第2搬送部7728b)の排出口の上方近傍から前部ストッパー44aの平滑面の下端部近傍に向けて下方に傾斜しつつ緩やかに湾曲した形状を有しており、第1搬送部26(下流側第2搬送部28b)から搬入された折丁Sが確実に前部ストッパー44aに至るように折丁Sの進行をガイドするよう構成されている。より具体的には、ペーパーガイド52は、図4に示すように、第1搬送部26(下流側第2搬送部28b)の排出口の上方近傍から前部ストッパー44aに向けて上方に凸となるように湾曲しながら下方に傾斜した湾曲傾斜部52a(傾斜部)と、湾曲傾斜部52aの前部ストッパー44a側の先端部が水平かつ前部ストッパー44aの平滑面の下端部近傍に向かう方向に屈曲することにより形成された先端側水平部52bとを有しており、これら湾曲傾斜部52a及び先端側水平部52bの下面により、第1搬送部26(下流側第2搬送部28b)の排出口から前部ストッパー44aの平滑面の下端部近傍に至る折丁Sの進行をガイドするよう構成されている。先端部側水平部52bの高さ方向位置は、先端部側水平部52bの下面と集積空間50において形成されるシート積層体の上面との間に僅かに隙間が生じる程度、すなわち、集積空間50における折丁Sの積層に支障が生じない範囲で、適宜設定若しくは調整されている。
各ペーパーガイド52の下面、すなわち、折丁Sとの接触面には、図7及び図8に示すように、折丁がペーパーガイド52の下面と直接接触する場合よりも摩擦抵抗を増加させ、第1搬送部26(下流側第2搬送部28b)から放出(排出)された折丁Sの勢い(速度)を減少させることが可能な摩擦抵抗増加部材53が設けられている。この摩擦抵抗増加部材53は、帯状(テープ状)に形成されており、各ペーパーガイド52の下面における搬入方向後端部から搬入方向前端部に至る領域において、幅方向に所定の間隔をおいて3つ設けられると共に、ペーパーガイド52の搬入方向前端部の幅方向の略全域に亘って設けられている。また、摩擦抵抗増加部材53は、第1搬送部26(下流側第2搬送部28b)から放出(排出)された折丁Sがペーパーガイド52の下面と直接接触する場合よりも衝撃を緩和させることが可能な緩衝性をさらに備えることが好ましい。摩擦抵抗増加部材53としては、種々のものを用いることが可能であるが、例えば、面ファスナーのループ側ファスナーのような、柔軟性を有する起毛が一の面上に密集して設けられたテープ部材等を用いることが可能である。
補助ガイド54は、図4及び図7に示すように、第1搬送部26(下流側第2搬送部28b)の搬送経路の上方近傍に水平に設けられた板部材であり、ペーパーガイド52と同様に、チョッパー折りブレード62が通過可能な適宜の間隔をおいて2つ設けられている。各補助ガイド54は、各ペーパーガイド52の上流側に位置するように、一対のブラケット51b間に取り付けられている。また、各補助ガイド54は、図7に示すように、第1搬送部26(下流側第2搬送部28b)の上部ベルト及び下部ベルトと、これら上部ベルト及び下部ベルトのプーリーとの干渉を防ぐために、くし形形状を有している。
この補助ガイド54は、移動フレームMFが折丁Sの搬入方向とは逆の方向(図4中の左方向)に移動され、第1搬送部26(下流側第2搬送部28b)の排出口と、ペーパーガイド52の搬入方向後方側の端部との間に隙間が生じた際に、当該隙間を埋め、第1搬送部26(下流側第2搬送部28b)の排出口から排出(放出)された折丁Sをペーパーガイド52の下面に導くよう構成されている。すなわち、枚葉状シートの搬送方向長さ(カットオフ)を長くする場合には、それに伴い折丁Sの搬送方向長さも長くなり、その分、移動フレームMF及び後部位置決め機構46が折丁Sの搬入方向とは逆の方向(図4中の左方向)に移動される。また、移動フレームMFの移動に伴い、移動フレームMFに支持されている第1搬送部26(下流側第2搬送部28b)の上部ベルト及び下部ベルトも折丁Sの搬入方向とは逆の方向(図4中の左方向)に移動され、これにより、第1搬送部26(下流側第2搬送部28b)の排出口と、ペーパーガイド52の搬入方向後方側の端部との間に隙間が生じる。補助ガイド54は、このようにして生じた隙間を埋め、第1搬送部26(下流側第2搬送部28b)の排出口から排出(放出)された折丁Sがペーパーガイド52の下面に到達するよう、ガイドする機能を有している。このような補助ガイド54によれば、枚葉状シートの搬送方向長さを任意の長さに変更する、所謂バリアブルカットオフにも対応することが可能である。
チョッパー折り機構60は、図3に示すように、シート集積部40に集積されたシート積層体の幅方向のほぼ中央位置を上方から叩き、シート積層体を二つ折り(縦折り)させた状態でテーブル42の溝部42aに押し込むチョッパー折りブレード62と、チョッパー折りブレード62をシート集積部40に集積されたシート積層体に対して接近又は離間する方向(すなわち、上下方向)に往復移動させるチョッパー折りブレード駆動部64と、チョッパー折りブレード駆動部64を動作させるチョッパー折りブレード駆動制御部66とを備えている。なお、本実施形態に係るチョッパー折り機構60において、チョッパー折りブレード62及びチョッパー折りブレード駆動部64は、種々の公知のものを任意に用いることができるため、その説明を省略する。
チョッパー折りブレード駆動制御部66は、図10に示すように、下流側センサー58と接続されており、下流側センサー58から受信した検知信号の回数、すなわち、下流側センサー58を通過した折丁Sの部数(通過回数)をカウントし、予め定めた部数(1部以上の任意の数)の折丁Sが通過し終えた適宜のタイミングで、チョッパー折りブレード駆動部64を作動させ、チョッパー折りブレード62を上下方向に往復動作させるよう構成されている。なお、予め定めた部数の折丁Sが下流側センサー58を通過し終えてからチョッパー折りブレード駆動部64が作動するまでの時間(タイムラグ)は、第1搬送部26(下流側第2搬送部28b)による折丁Sの搬送速度や、下流側センサー58からシート集積部40までの距離等に基づいて特定することが可能である。
次に、本実施形態に係る集積ユニット(第1集積ユニット22及び第2集積ユニット24)の動作について、図9(a)〜図9(h)を用いて説明する。なお、図9(a)は、集積空間50内に折丁Sが進入し始めた状態におけるシート集積部40を正面方向(集積されるシートの幅方向)から見た概略図であり、図9(b)は、図9(a)の状態を平面方向(上方)から見た概略図である。図9(c)は、集積空間50内に搬入された折丁Sが前部ストッパー44aに接触する直前の状態におけるシート集積部40を正面方向から見た概略図であり、図9(d)は、図9(c)の状態を平面方向から見た概略図である。図9(e)は、集積空間50内に搬入された折丁Sが前部ストッパー44aに接触した状態におけるシート集積部40を正面方向から見た概略図であり、図9(f)は、図9(e)の状態を平面方向から見た概略図である。図9(g)は、集積空間50内に搬入された折丁Sの紙揃えが行われた状態におけるシート集積部40を正面方向から見た概略図であり、図9(h)は、図9(g)の状態を平面方向から見た概略図である。図9(a)〜図9(h)において、集積ユニット(第1集積ユニット22及び第2集積ユニット24)の動作の説明に不要な構成については図示を省略している。
第1集積ユニット22(第2集積ユニット24)は、図9(a)〜図9(h)に示すように、下流側センサー58から検知信号を受信する毎に、すなわち、第1搬送部26(下流側第2搬送部28b)により搬送される折丁Sが下流側センサー58を通過する毎に、前部ストッパー44a及び左右一対の側部位置決めプレート48aがそれぞれ適宜のタイミングで動作し、前部ストッパー44a、左右一対の側部位置決めプレート48a及び後部位置決めプレート46aにより、集積空間50内に集積される折丁Sの搬入方向及び幅方向の紙揃えを行う。また、第1集積ユニット22(第2集積ユニット24)は、前部ストッパー44aの動作及びペーパーガイド52の摩擦抵抗増加部材53により、集積空間50内に勢いよく放出(排出)された折丁Sの勢いを低減させ、安定した折丁Sの集積を実現させる。
具体的には、まず、図示しない先行の折丁S(以下の説明において紙揃えされる折丁Sの一つ前に搬入された折丁S)の紙揃えが行われた後、すなわち、第1搬送部26(下流側第2搬送部28b)により搬送されてきた折丁Sが集積空間50内に進入する前又は進入し始めた直後のタイミングで、左右一対の側部位置決めプレート48aが、互いに離間する方向に後退移動する。なお、折丁Sが集積空間50内に進入し始めた状態においては、図9(a)及び図9(b)に示すように、前部ストッパー44aは、後部位置決めプレート46aに対して折丁Sの搬送方向長さと略等しい距離だけ離れた位置(すなわち、紙揃え位置)に位置している。
このような状態のシート集積部40内に搬送速度(約120〜150m/分)と略同速で勢いよく搬入(放出)された折丁Sは、ペーパーガイド52により進行方向をガイドされながら前部ストッパー44aに向けて進行する。この際、折丁Sは、進入時の勢い及び円弧状に形成されたペーパーガイド52の下面に沿って移動する際の浮遊力や遠心力等により、その上面がペーパーガイド52の下面に設けられた摩擦抵抗増加部材53と面接触し、摩擦抵抗増加部材53との摩擦抵抗により進入時の勢いが徐々に低減される。
その後、ペーパーガイド52に概ね沿って進行する折丁Sが前部ストッパー44aに接触する直前において、前部ストッパー44aは、図9(c)及び図9(d)に示すように、後部位置決めプレート46aに対して離間する方向に後退移動する。このように前部ストッパー44aを後退させることにより、折丁Sが前部ストッパー44aに接触する際の衝撃が緩和され、折丁Sの跳ね返りに起因する集積不良の発生が抑制される。なお、この際の前部ストッパー44aの移動速度は、任意の速度とすることができるが、後退中(すなわち、後退動作が完了する前)の前部ストッパー44aに折丁Sが接触するような、前部ストッパー44aに向けて進行する折丁Sの進行速度より僅かに遅い速度であることが好ましい。このような後退中の前部ストッパー44aに折丁Sが接触するような速度で前部ストッパー44aを後退させることにより、折丁Sが前部ストッパー44aに接触する際の衝撃をより一層緩和させることが可能である。
そして、前部ストッパー44aは、図9(e)及び図9(f)に示すように、折丁Sが接触した直後に後退移動を停止する。
折丁Sが前部ストッパー44aに接触した後、前部ストッパー44aは、図9(g)及び図9(h)に示すように、紙揃え位置に至るまで後部位置決めプレート46aに対して接近する方向に前進移動する。また、左右一対の側部位置決めプレート48aは、前部ストッパー44aと同様に、これら左右一対の側部位置決めプレート48a間の距離が折丁Sの幅方向長さと略等しくなり、かつ、テーブル42の溝部42aから各側部位置決めプレート48aまでの距離が等しくなるような位置(すなわち、紙揃え位置)に至るまで、互いに接近する方向に前進移動する。このように前部ストッパー44a及び左右一対の側部位置決めプレート48aを前進させることにより、前部ストッパー44a、左右一対の側部位置決めプレート48a及び後部位置決めプレート46aの各平滑面によって折丁Sの搬入方向及び幅方向の紙揃えを行うことができる。このとき、後部位置決めプレート46aは、付勢機構46cによってテーブル42に押し付けられ、後部位置決めプレート46aの下端とテーブル42の上面との間に隙間がほぼ無い状態となっているため、テーブル42上に集積された折丁Sが後部位置決めプレート46aの下端とテーブル42の上面との間に入り込むことが防止されている。
その後、所望のシート積層体が形成されるまで、上記動作が連続して実行される。具体的には、シート積層体が1つの折丁Sからなる場合には、上記一連の動作が実行された直後にチョッパー折り機構60が動作し、1つの折丁Sからなるシート積層体の幅方向の略中央部分がチョッパー折りブレード62により一対のフォルディングローラー70間に押し込まれ、二つ折りされた折り丁状の印刷物となってデリバリーファン72及び搬送コンベヤー74により集積機構10の外部(例えば回収箱等)に搬出される。また、シート積層体が二以上の任意の数の折丁Sからなる場合には、上記一連の動作が当該二以上の任意の数と同数回実行された直後にチョッパー折り機構60が動作し、上記と同様に、チョッパー折りブレード62及び一対のフォルディングローラー70により二つ折りされた折り丁状の印刷物の形態とされた上で、デリバリーファン72及び搬送コンベヤー74により集積機構10の外部(例えば回収箱等)に搬出される。
以上のように、本実施形態に係る集積ユニット22,24は、シート集積部40が、シート集積部40内に搬入されるシート(折丁S)の搬入方向前方側に設けられ、シートの搬入方向前端縁を位置決めする前部位置決め機構44(前部位置決め部)と、シートの搬入方向後方側に前部位置決め機構44と対向して設けられ、シートの搬入方向後端縁を位置決めする後部位置決め機構46(後部位置決め部)とを備え、前部位置決め機構44が、シートがシート集積部40に進入した際に、後部位置決め機構46との距離がシートの搬送方向長さより大きくなるように後部位置決め機構46に対して離間し、シートの搬入方向前端縁が前部位置決め機構44に接触した後に、後部位置決め機構46との距離がシートの搬送方向長さと略等しくなるように後部位置決め機構46に対して接近するよう構成されている。このような集積ユニット22,24によれば、シート集積部40内に勢いよく搬入(排出)された枚葉状又は折丁状のシートが前部位置決め機構44に衝突する際の衝撃を前部位置決め機構44の移動動作により吸収し、緩和させることができ、これにより、シートの跳ね返りに起因する集積不良の発生を防止することができるため、例えば搬送速度が約120〜150m/分という高速運転時においても、シート積層体を良好な姿で積み重ねることができる。
また、本実施形態に係る集積ユニット22,24は、シート集積部40内に進入したシートの落下をガイドするペーパーガイド52を備えていることにより、シート集積部40内に搬入されたシートを確実に前部ストッパー44aまで導くことが可能であるため、紙詰まりや集積不良の発生をより確実に防止することができる。
特に、本実施形態に係る集積ユニット22,24は、ペーパーガイド52のシートとの接触面(下面)に、シート集積部40内に進入したシートがペーパーガイド52と直接接触する場合よりも摩擦抵抗を増加させることが可能な摩擦抵抗増加部材53が設けられていることにより、シート集積部40内に搬入(放出)されたシートが前部ストッパー44aに至るまでの間にシートの勢いを低減させることができるため、シートが前部ストッパー44aに衝突する際の衝撃をより一層低減させることができる。
さらに、本実施形態に係る集積ユニット22,24は、ペーパーガイド52の先端側水平部52b(前部位置決め機構44側の先端部)が、シート集積部40に集積されるシートの表面と平行となる平坦状に形成されていることにより、後退した前部ストッパー44aに対して進行するシートの搬入方向前端縁を水平な状態とすることが可能となるため、二以上のシートからシート積層体を形成する場合であっても、紙詰まりや集積不良の発生を確実に防止することができる。すなわち、例えば厚みの厚い折丁の上に厚さの薄い折丁を積層させてシート積層体を形成する場合には、厚みの厚い折丁の搬入方向前端縁と後退した前部ストッパー44aとの間に後続の厚さの薄い折丁が巻込まれ、紙詰まりや集積不良が発生するおそれがある。これに対し、本実施形態に係る集積ユニット22,24は、ペーパーガイド52の先端側水平部52bによって後続のシートの搬入方向前端縁が水平な方向へと方向付けされるため、既に集積されたシートの搬入方向前端縁と後退した前部ストッパー44aとの間に巻込まれることなく、後続の厚さの薄い折丁を前部ストッパー44aに向けて進行させることができるため、紙詰まりや集積不良の発生を確実に防止することができる。
また、本実施形態に係る集積ユニット22,24は、後部位置決め機構46(後部位置決め部)が、前部位置決め機構44(前部位置決め部)に対して接近又は離間する方向に移動可能に構成されている。このような集積ユニット22,24によれば、紙揃えを行う際の基準となる後部位置決めプレート46aの位置を適宜調整することができるため、枚葉状シートの搬送方向長さ(カットオフ)を任意の長さに変更する、所謂バリアブルカットオフにも対応することが可能である。
さらに、本実施形態に係る集積ユニット22,24は、シート集積部40が、シート集積部40に集積されるシート(折丁S)の幅方向の位置を位置決めする一対の側部位置決め機構48(一対の側部位置決め部)を備えることにより、シートの搬入方向の紙揃えに加え、シートの幅方向の紙揃えも行うことができる。
特に、本実施形態に係る集積ユニット22,24は、一対の側部位置決め機構48(一対の側部位置決め部)の少なくとも一方が、シートがシート集積部40に集積される際に、一対の側部位置決め機構48間の距離がシートの幅方向長さより大きくなるように他方の側部位置決め機構48に対して離間した後、一対の側部位置決め機構48間の距離がシートの幅方向長さと略等しくなるように他方の側部位置決め機構48に対して接近するよう構成されている。このような集積ユニット22,24によれば、シートが前部ストッパー44aに衝突して跳ね返った場合であっても、シートが一対の側部位置決め機構48に乗り上げてしまうことを防止することができ、また、一対の側部位置決め機構48によりシートの幅方向の紙揃えを確実に行うことができるため、シートを良好な姿で集積させることができる。
また、本実施形態に係る集積ユニット22,24は、シート集積部40のシート積層体が集積される領域(集積空間50)の上方に設けられ、シート集積部40に集積されたシート積層体を二つ折りするチョッパー折り機構60を備えていることにより、所定の部数の枚葉状又は折丁状のシートを積み重ね終えたタイミングで、そのままチョッパー折りを行うことが可能となり、特に1シート1セクションのような薄ページの折り丁状の印刷物を連続して作成する場合でも、装置の運転速度を高速化させることが可能となる。すなわち、上記特許文献1に開示される装置は、例えば、新聞折丁の最小単位である4ページ1セクションの折丁を作成する場合は、両面合わせて4ページが印刷された1枚のシートを横折りしたセクション折丁を、セクション折丁集積装置の集積部に導き、後続のセクション折丁を積み重ねることなく、この1シートのセクション折丁1部のみからなる1シート1セクションの折丁積層体を集積部から送出し機構に放出し、チョッパー折り機構にて縦折りして作成している。この場合では、セクション形成ユニットの折胴にてシートが重ね合わされることなく、セクション折丁が次々に作成されてしまい、これを受領したセクション折丁集積装置は、集積部でのセクション折丁の積み重ねを行わないため、次々にセクション折丁積層体を下流側の送出し機構に送り出すこととなる。しかしながら、送出し機構は間欠作動する搬送コンベヤーであり、停止した状態で搬送面上にセクション折丁積層体をセクション折丁集積装置から受領し、受領後の適宜のタイミングで作動して、受領したセクション折丁積層体を下流側のチョッパー折り機構に搬送するように作動しているため、特に装置が高速で運転する際には、次々に来るセクション折丁積層体に対して送出し機構の作動そのものが追いつかず、運転速度を上げられないという問題がある。これに対し、本実施形態に係る集積ユニット22,24は、シートの集積とチョッパー折りとの双方を同じ場所(シート集積部40)において連続して実行するよう構成されていることにより、薄ページの折り丁状の印刷物を連続して作成する場合であっても運転速度を高速化させることができ、また、任意の様々なセクション構成(印刷物の構成)を実現することができる。
さらに、本実施形態に係る集積機構10では、チョッパー折り機構60が装置内側フレームIFに取り付けられているため、第1搬送部26(第2搬送部28)の搬送経路上で折丁Sの位置調整を行うことなく、装置内側フレームIFを折丁Sの幅方向に移動させるのみで、チョッパー折り機構60による折線がシート集積体の幅方向の中央となるようにチョッパー折り機構60の位置調整を行うことができる。また、本実施形態に係る集積機構10では、チョッパー折り機構60と共に、シート集積部40のテーブル42及び前部位置決め機構44と、一対のフォルディングローラー70と、デリバリーファン72と、搬送コンベヤー74も装置内側フレームIFに取り付けられていることにより、チョッパー折り機構60と共にこれら各構成要素を一体として移動させることができるため、これら各構成要素の相対位置の調整をその都度行う必要がないという利点を有する。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態に記載の範囲には限定されない。上記各実施形態には、多様な変更又は改良を加えることが可能である。
例えば、上述した実施形態では、印刷物作成装置1が、連続紙供給ユニット2、インクジェット印刷ユニット4及び印刷紙面監視ユニット6を備えるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、種々の構成を採用することが可能である。例えば、給紙機構は、連続紙Wを供給する連続紙供給ユニット2ではなく、既に枚葉状に切断されたシートを供給する枚葉紙供給ユニット等の種々の公知の給紙機構を採用することが可能である。また、印刷機構は、インクジェット印刷(デジタル印刷)を施すインクジェット印刷ユニット4ではなく、オフセット印刷を施す輪転印刷ユニット等の種々の公知の印刷機構を採用することが可能である。さらに、印刷紙面監視ユニット6は、設置されなくても良い。
また、上述した実施形態では、折丁を作成するための折り畳み機構として、切断機構12、搬送機構14、折胴16及び咥え胴18を備える折機8を例に挙げて説明したが、これに限定されず、種々の公知の折り畳み機構を採用することが可能である。また、集積ユニット22,24により形成するシート積層体を、折丁状のシート(折丁S)ではなく枚葉状のシートを積層させることにより形成する場合には、折機8等の折り畳み機構は、設置されなくても良い。
さらに、上述した実施形態では、折機8の折胴16が同一構成の折丁を2つずつ作成する2倍胴であることに起因して、集積機構10の集積ユニット22,24が2つ設置されるものとして説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、折機8の折胴16が同一構成の折丁をN個(Nは1以上の任意の整数)ずつ作成するN倍胴である場合や、集積機構10の上流側に設けられる折り畳み機構が、折機8のような回転式折り畳み機構ではなく、同一構成からなる枚葉状又は折丁状のシートをN個ずつ作成し、集積機構10に搬送可能な折り畳み機構である場合には、集積ユニットは、N個設置される構成としても良い。なお、集積ユニットを1つのみ設置する場合には、集積機構10は、少なくとも、第1集積ユニット22及び第1搬送部26を備えていれば良い。また、集積ユニットを3つ以上設置する場合には、上述した実施形態に係る集積機構10の構成に加え、3つ目以降の集積ユニットと、3つ目以降の集積ユニットのそれぞれに振り分けられたシートを搬送する1又は複数の搬送部と、各搬送部にシートを振り分ける1又は複数の切り替え部を適宜増設すれば良い。
また、上述した実施形態では、チョッパー折り機構60によりチョッパー折りされた印刷物を搬出する搬出機構として、一対のフォルディングローラー70、デリバリーファン72及び搬送コンベヤー74を備える搬出機構を例に挙げて説明したが、これに限定されず、種々の公知の搬出機構を採用することが可能である。
さらに、上述した実施形態では、シート集積部40のシート積層体が集積される領域(集積空間50)の上方にチョッパー折り機構60が設けられるものとして説明したが、これに限定されず、シート集積部40により形成されたシート積層体を適宜の搬送機構により搬送し、搬送先に設けられたチョッパー折り機構によりチョッパー折りを行う構成とすることも可能である。
またさらに、上述した実施形態では、シート集積部40が、ペーパーガイド52及び補助ガイド54を備えるものとして説明したが、これに限定されず、ペーパーガイド52及び補助ガイド54を備えない構成としても良い。また、上述した実施形態では、ペーパーガイド52が湾曲傾斜部52a及び先端側水平部52bを有するものとして説明したが、これに限定されず、ペーパーガイド52は、前部位置決め機構44に向けてシートを誘導可能なものであれば、種々の形状を採用することができる。さらに、上述した実施形態では、ペーパーガイド52の下面に摩擦抵抗増加部材53が設けられるものとして説明したが、これに限定されず、摩擦抵抗増加部材53が設けられない構成としても良い。
また、上述した実施形態では、後部位置決め機構46の後部位置決めプレート46aが前部ストッパー44aに対して接近又は離間する方向に移動可能に構成されるものとして説明したが、これに限定されず、後部位置決めプレートは、移動不能に固定されるものであっても良い。
さらに、上述した実施形態では、シート集積部40が、シート集積部40に集積されるシートの幅方向の位置を位置決めする一対の側部位置決め機構48を備えるものとして説明したが、これに限定されず、一対の側部位置決め機構48を備えない構成としても良い。
またさらに、上述した実施形態では、一対の側部位置決め機構48の双方が、互いに接近又は離間する方向に移動する可動式の側部位置決め機構であるものとして説明したが、これに限定されず、一方のみが可動式の側部位置決め機構であるとしても良いし、双方が移動不能に固定されるものであっても良い。
上記のような変形例が本発明の範囲に含まれることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。