JP5599304B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、生分解性を有するポリエステルを含む樹脂組成物に関する。
近年廃棄プラスチックが引き起こす環境問題がクローズアップされ、地球規模での循環型社会の実現が切望される中で、使用後微生物の働きによって分解される生分解性樹脂が注目を集めている。これまでに、生分解性を有する熱可塑性樹脂として、乳酸や多価アルコール、多価カルボン酸あるいはヒドロキシカルボン酸などを繰り返し単位とする重合体あるいは共重合体等のポリエステル樹脂が開発されている。しかし、これらポリエステル樹脂には、結晶化速度が遅いという欠点があり、なかでも脂肪族ヒドロキシカルボン酸の重合体であるポリヒドロキシアルカノエート(以下、PHAと記す)は結晶化速度が特に遅いことが知られている(非特許文献1を参照)。PHAはガラス転移温度も低いため、結晶化速度が遅いと成形加工時に溶融状態からの固化が遅くて加工が困難になり、加工できても、ラインスピードなどが遅くなり、成形加工の生産性が悪いという、工業生産において非常に重大な問題を抱えている。
従来より、ポリエステルの結晶化速度を高める方法として種々の結晶核剤を添加することが検討されており、タルク、微粒化雲母、窒化ホウ素、炭酸カルシウム等の無機物のほか、以下のような有機物が知られている。
特許文献1では、ポリ乳酸等のポリエステル樹脂用の結晶核剤として、4級アンモニウム化合物が記載されている。特許文献2では、PHAの結晶核剤として、有機ホスホン酸類、有機ホスフィン酸類、周期律表の第I〜V族の金属の酸化物、水酸化物、カルボン酸塩等が記載されている。特許文献3では、PHAの結晶核剤として、ポリビニルアルコール、キチン、キトサンが記載されている。特許文献4では、熱可塑性ポリエステルの結晶核剤として、窒素含有ヘテロ芳香族核を含む化合物が記載されている。特許文献5では、熱可塑性樹脂の結晶核剤として、アミノ酸の金属塩が記載されている。特許文献6には、PHAの結晶核剤として、フェニルアラニン等の芳香族アミノ酸からなる化合物が記載されている。特許文献7では、PHAの結晶核剤として、各種のアミド結合を有する化合物が記載されている。
しかしながら、ポリエステルの結晶化速度はいまだ十分なレベルに到達しておらず、成形加工性をさらに改善する必要があった。
特開2006−117834号公報 特許第2888924号公報 特開2007−77232号公報 特表2007−517126号公報 米国特許第6,555,603号公報 米国特許第5,516,565号公報 米国特許7,301,000号公報 "Biopolymers" Volume 4, Polyesters III Applications and Commercial Products, WILEY-VCH, p67
本発明は、上述した現状に鑑み、結晶化速度が遅いポリエステル樹脂の結晶化速度を高め、射出成形、フィルム成形、ブロー成形、繊維の紡糸、押出発泡、ビーズ発泡などの成形加工における成形加工性を改善することを目的とする。
本発明者らは、結晶化速度が遅いポリエステル樹脂の結晶化速度を高めるため鋭意検討した結果、特定の有機物を組み合わせて配合することにより、結晶化速度が著しく向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、(A)生分解性を有するポリエステル、
(B)脂肪酸アミド、及び
(C)一般式(1)
NH−CHR−COOH (1)
(式中、Rは、水素原子又は1価の脂肪族炭化水素基を示す)
で表される化合物、糖アルコール、シアヌル酸、チミン及びウラシルからなる群より選択される少なくとも1種の化合物、を含有する樹脂組成物である。
また本発明は、前記樹脂組成物を成形加工して製造された成形体である。
さらに本発明は、前記樹脂組成物から成形体を製造する方法であって、生分解性を有するポリエステルの融点よりも10〜30℃高い温度で、前記樹脂組成物の成形加工を行う工程を含む製造方法である。
本発明によれば、結晶化速度が遅いポリエステル樹脂の結晶化速度が著しく向上し、射出成形、フィルム成形、ブロー成形、繊維の紡糸、押出発泡、ビーズ発泡などの成形加工における成形加工性、すなわち生産性が改善された樹脂組成物を得ることができる。例えば、Tダイ押出成形の場合には引取り速度が向上し、射出成形では冷却時間が短縮され、ブロー成形では吹き込み時間が短縮される効果が得られる。
さらに、本発明で使用する添加物は、ポリエステル樹脂が土壌中などで微生物により分解される際に樹脂とともに分解されるため、環境汚染等の問題を引き起こさない。
本発明の樹脂組成物は、生分解性を有するポリエステル樹脂を含有する。生分解性を有するポリエステル樹脂としては、自然界において微生物により分解されるものであれば特に限定されない。例えば、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリグリコール酸、及びポリ乳酸からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有するホモポリマー又はコポリマーなどが挙げられるが、このうち、ガラス転移点が低く、結晶化速度が特に遅いPHAにおいて、成形加工性又は成形加工速度を顕著に改善することができる。
PHAとしては、3−ヒドロキシブチレートと、3−ヒドロキシプロピオネート、3−ヒドロキシバレレート、3−ヒドロキシヘキサノエート、3−ヒドロキシヘプタノエート、3−ヒドロキシオクタノエート、3−ヒドロキシノナノエート、3−ヒドロキシデカノエート、3−ヒドロキシドデカノエート、3−ヒドロキシドデセノエート、3−ヒドロキシテトラデカノエート、3−ヒドロキシヘキサデカノエート、3−ヒドロキシオクタデカノエート、3−ヒドロキシ−4−ペンテノエート、4−ヒドロキシブチレート、4−ヒドロキシバレレート、5−ヒドロキシバレレート及び6−ヒドロキシヘキサノエートからなる群より選ばれる少なくとも1種のモノマーとのコポリマーが挙げられ、好ましくは、3−ヒドロキシブチレートと、3−ヒドロキシバレレート、3−ヒドロキシヘキサノエート及び3−ヒドロキシオクタノエートからなる群より選ばれる少なくとも1種のモノマーとのコポリマーが挙げられる。これらPHAコポリマーにおける3−ヒドロキシブチレートの組成比は、コポリマー中に70〜99モル%程度の範囲であることが好ましい。
これらPHAの分子量は特に限定されないが、成形加工性の観点から重量平均分子量で30万〜300万であることが好ましく、40万〜250万であることがより好ましく、50万〜200万であることがさらに好ましい。PHAの重量平均分子量が30万未満では、強度などの機械的特性が不十分である場合があり、300万を超えると、成形加工性が劣る場合がある。
なお、PHAの重量平均分子量の測定方法は特に限定されないが、一例としては、クロロホルムを移動相として、システムとして、ウオーターズ(Waters)社製GPCシステムを用い、カラムに、昭和電工(株)製Shodex K−804(ポリスチレンゲル)を用いることにより、ポリスチレン換算での分子量として求めることができる。
本発明の樹脂組成物には上記生分解性を有するポリエステル樹脂のほか、デンプン、セルロースなどの天然高分子などを配合することもできる。また、上記以外の熱可塑性樹脂を必要に応じて配合することもできる。
本発明の樹脂組成物は、脂肪酸アミドを含有する。本発明の樹脂組成物において、脂肪酸アミドは結晶核剤として作用するとともに、内滑剤及び外滑剤としても作用していると考えられる。すなわち内滑剤として作用するため、成形加工時にポリエステルが溶融する際、ポリエステルの一部が溶け残りやすくなり、その溶け残りが結晶核剤として機能し、造核効果が向上するものと考えられる。また、外滑剤として作用するため、シート成形等において巻き取り時の剥離性が高まることで巻き取りがしやすくなり、引取り速度が向上するので、成形加工性が向上する効果が得られると考えられる。
脂肪酸アミドとしては、式:R−C(=O)−NRで表される化合物が挙げられる。ここで、R、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、又は炭素数1〜30の炭化水素基を表す。本発明において、当該炭化水素基は、飽和であってもよいし、不飽和であってもよい。また、置換基を有していなくてもよいし、水酸基、アルコキシ基、ハロゲン基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基等の置換基を有してもよい。さらに、RとR又はRとが結合して環状構造を形成してもよい。
脂肪酸アミドの具体例としては、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘニン酸アミド、リシノール酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド、N−オレイルパルミチン酸アミド、N−ステアリルエルカ酸アミド、メチレンビスラウリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスカプリル酸アミド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルセバシン酸アミド、ヘキサンメチレンビスステアリン酸アミド等が挙げられる。脂肪酸アミドは1種類のみを使用してもよいし、複数を併用してもよい。
脂肪酸アミドとしては、100〜150℃(特に100〜120℃)程度の融点を持つ化合物が好ましい。このような融点を示す脂肪酸アミドを、融点が90℃以上の生分解性ポリエステルに対して配合すると、特に、当該ポリエステルの融点よりも10〜30℃高い温度での成形加工において結晶化速度が向上し、成形加工性を改善することができる。
脂肪酸アミドのうち、前記式においてRが炭素数1〜30(特に炭素数10〜20)の脂肪族炭化水素基を表し、R及びRが水素原子を表す1級アミドが好ましい。なかでも、ベヘン酸アミド(融点114℃)、ステアリン酸アミド(融点102℃)、エチレンビスステアリン酸アミド(融点147℃)、ヒドロキシステアリン酸アミド(107℃)、メチロールベヘン酸アミド(融点110℃)が好ましく、ベヘン酸アミド、ステアリン酸アミドが特に好ましい。
本発明の樹脂組成物における脂肪酸アミドの配合量としては特に限定されないが、結晶化速度の向上効果、及び得られる樹脂組成物の物理的性質のバランスの観点から、通常、生分解性ポリエステル100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲である。好ましくは1〜5重量部の範囲である。
本発明の樹脂組成物は、結晶核剤として、アミノ酸、糖アルコール、シアヌル酸、チミン及びウラシルから選ばれる1種類以上を含有する。上述した脂肪酸アミドのみを配合すると、成形加工温度を上げた際にポリエステルの溶け残りがなくなり、造核効果が低下する傾向があるが、アミノ酸、糖アルコール、シアヌル酸、チミン又はウラシルを追加配合することにより高い成形加工温度での造核効果の低下を抑止できる。一般に成形加工温度を高くすると結晶化に時間がかかり、生産性が低下するが、本発明の樹脂組成物によると、成形加工温度が高くとも良好な成形加工性を維持することが可能になる。
本発明で使用するアミノ酸は下記一般式(1)で表される化合物である。
NH−CHR−COOH (1)
式(1)中、Rは、水素原子又は1価の脂肪族炭化水素基である。脂肪族炭化水素基としては特に限定されないが、炭素数1〜6のものが好ましく、炭素数1〜3のものがより好ましい。具体的には、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。Rが脂肪族炭化水素基であるものには光学異性体が存在し、例えば、Rがメチル基であるα−アラニンには、L−α−アラニンのほか、D−α−アラニンが存在するが、いずれも使用できる。アミノ酸としては1種類のみを使用してもよいし、複数を併用してもよい。
一般式(1)で表される化合物のうち好ましい化合物は、Rが水素原子を表すグリシン、又は、Rがメチル基を表すアラニンであり、特に好ましい化合物はグリシンである。なお、グリシンにはα、β、γの3種類の構造が異なる結晶、すなわち結晶多形が知られているが、なかでも、室温における安定型結晶であるγ型結晶のグリシンは、結晶化速度の向上効果が高く好ましい。このγ型結晶は、Cu−Kα線を用いた粉末エックス線回折分析において、2θ=25.2°に特徴的なピークを示すことから判別される。
本発明で使用する糖アルコールとは、アルドースやケトースのカルボニル基が還元されて生成する糖の一種である。具体例として、炭素数4のエリトリトール、炭素数5のD−アラビトール、リビトール、キシリトール、炭素数6のガラクチトール、D−マンニトール、L−マンニトール、D−ソルビトール、myo−イノシトール、scyllo-イノシトール等が挙げられる。また、二糖由来の糖アルコールとしてマルチトール、ラクチトール等も挙げられる。糖アルコールとしては1種類のみを使用してもよいし、複数を併用してもよい。
なかでも、炭素数が4〜6の糖アルコール類が好ましく、炭素数が5又は6の糖アルコール類がより好ましく、マンニトールが特に好ましい。
前記結晶核剤のなかでも、コストを含めた入手のしやすさと効果のバランスを考慮すると、γ型結晶のグリシンが最も好ましい。
本発明の樹脂組成物における前記結晶核剤の配合量は、結晶化速度の向上効果、及び得られる樹脂組成物の物理的性質のバランスの観点から、通常、生分解性ポリエステル樹脂100重量部に対して0.01〜20重量部の範囲である。好ましくは0.5〜5重量部の範囲である。
脂肪酸アミドと前記結晶核剤の割合は特に限定されないが、良好な成形加工性を達成するために、通常、重量比で100:1〜1:10程度であり、好ましくは10:1〜1:1程度である。
本発明の樹脂組成物は脂肪酸アミドと前記結晶核剤を含有しており、これによって結晶化速度が向上するものであるが、必要に応じて、その他の添加剤、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、染料・顔料等の着色剤、可塑剤、滑剤、無機充填剤、帯電防止剤、防カビ剤、抗菌剤、発泡剤、難燃剤等を含有することができる。また、他の結晶核剤を含有してもよい。
本発明の樹脂組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で、公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂を添加することができる。代表的な熱可塑性樹脂としては、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ABS系樹脂等の汎用熱可塑性樹脂が、また、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂等の汎用エンプラ等があげられる。また、代表的な熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂等があげられる。
本発明の樹脂組成物は、公知の方法により作製することが出来る。例えば、加熱溶融して混合する方法としては、単軸押出機、2軸押出機、ニーダー、ギアポンプ、混練ロール、撹拌機を持つタンクなどの機械的撹拌による混合や、流れの案内装置により分流と合流を繰り返す静止混合器の応用が挙げられる。加熱溶融の場合、熱分解による分子量低下に注意して混合する必要がある。また、可溶溶媒中に溶解した後、溶媒を除去し、本発明の樹脂組成物を得る方法もある。
本発明で使用される各成分は、予め、その一部の組成の組み合わせでマスターバッチを作成した後、さらに残りの成分を添加し、最終組成物を作製することもできる。これにより、各成分の分散性が向上し、成形加工性が向上する。
本発明の樹脂組成物を成形加工処理に付することにより成形体を製造することができる。成形加工処理の方法としては特に限定されず、例えば、射出成形、フィルム成形、ブロー成形、繊維の紡糸、押出発泡、ビーズ発泡等が挙げられる。成形加工時の成形温度としては特に限定されないが、成形温度として、生分解性を有するポリエステルの融点よりも好ましくは10〜30℃、より好ましくは15〜30℃高い温度を採用した場合に、成形加工性の向上効果が特に顕著である。なお、該ポリエステルの融点の測定は、以下のようにして行う。DSC(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製、「DSC220」)を用いて、25℃から10℃/分の速度で昇温した時に現れた融解ピークを融点とした。ただし、複数の融解ピークが現れた場合は、最高ピーク温度を融点とした。
本発明の樹脂組成物は、紙、フィルム、シート、チューブ、板、棒、容器、袋、部品等の成形品となり、単独で使用される。また、本発明の樹脂組成物は、本組成物以外の単体物からなる各種繊維、糸、ロープ、織物、編物、不織布、紙、フィルム、シート、チューブ、板、棒、容器、袋、部品、発泡体等と複合化することにより、当該単体物の物性を改善して使用される。このようにして得られた成形品は、農業、漁業、林業、園芸、医学、衛生品、食品産業、衣料、非衣料、包装、自動車、建材、その他の分野に好適に用いることができる。
以下に実施例を掲げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下の実施例では以下の化合物を使用した。
ベヘン酸アミド(CRODA JAPAN社製、Incroslip B)
ステアリン酸アミド(日本精化社製、NEUTRON−2)
マンニトール(和光純薬工業社製、D−マンニトール)
γ型 グリシン(和光純薬工業社製、グリシン)
(実施例1)
3−ヒドロキシブチレートの繰り返し単位と3−ヒドロキシヘキサノエートの繰り返し単位を含有する共重合体(以下、この共重合体をPHBHと記す)を用いて、結晶化の評価をおこなった。PHBHは、微生物として、Alcaligenes eutrophusにAeromonas caviae由来のPHA合成酵素遺伝子を導入したAlcaligenes eutrophus AC32(J.Bacteriol.,179,4821(1997))を用いて、原料、培養条件を適宜調整して生産されたPHBHで、共重合体中の3−ヒドロキシヘキサノエート繰り返し単位の含有率が12モル%であり、Mw(重量平均分子量)が約66万、融点が126℃のものを使用した。
PHBH100重量部、ベヘン酸アミド3重量部、及び、マンニトール1重量部を粉体ブレンドした後、2軸押出成形機(日本製鋼所製、TEX30α)を用いて、シリンダ設定温度130℃にて溶融混練して、組成物をペレット化した。
次いで、150mm幅、リップ0.25mmのT型ダイスを装着した1軸押出機ラボプラストミル((株)東洋精機製作所製、20C200型)を用いて、表1に記載の成形温度、スクリュー回転数80rpmの条件で押出し、60℃に温調した冷却ロールで引取り、冷却ロールから離型できる限界引き取り速度を評価した。
なお、結晶固化が遅く離型が悪い場合は、冷却ロールに押出しシートが巻きつき、引取り不可となった。
(実施例2)
マンニトールの配合量を2重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にしてTダイ押出成形を行い、引取り速度を測定した。
(実施例3)
ベヘン酸アミドの配合量を5重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にしてTダイ押出成形を行い、引取り速度を測定した。
(実施例4)
マンニトールの配合量を2重量部に変更し、ベヘン酸アミドの配合量を5重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にしてTダイ押出成形を行い、引取り速度を測定した。
(実施例5)
ベヘン酸アミドの代わりにステアリン酸アミドを5重量部使用したこと以外は実施例1と同様にしてTダイ押出成形を行い、引取り速度を測定した。
(実施例6)
ベヘン酸アミドの代わりにステアリン酸アミドを5重量部使用し、マンニトールの配合量を2重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にしてTダイ押出成形を行い、引取り速度を測定した。
(実施例7)
ベヘン酸アミドの配合量を1重量部に変更し、マンニトールの代わりにγ型 グリシンを2重量部使用したこと以外は実施例1と同様にしてTダイ押出成形を行い、引取り速度を測定した。
(実施例8)
ベヘン酸アミドの配合量を1重量部に変更し、マンニトールの代わりにγ型 グリシンを5重量部を使用したこと以外は実施例1と同様にしてTダイ押出成形を行い、引取り速度を測定した。
(実施例9)
ベヘン酸アミドの配合量を5重量部に変更し、マンニトールの代わりにγ型 グリシンを2重量部使用したこと以外は実施例1と同様にしてTダイ押出成形を行い、引取り速度を測定した。
(実施例10)
ベヘン酸アミドの配合量を5重量部に変更し、マンニトールの代わりにγ型 グリシンを5重量部使用したこと以外は実施例1と同様にしてTダイ押出成形を行い、引取り速度を測定した。
(比較例1)
ベヘン酸アミドとマンニトールを配合しない点以外は実施例1と同様にしてTダイ押出成形を行ったが、成形不可能であった。
(比較例2)
ベヘン酸アミドの配合量を1重量部に変更し、マンニトールを配合しないこと以外は実施例1と同様にしてTダイ押出成形を行い、引取り速度を測定した。
(比較例3)
マンニトールを配合しないこと以外は実施例1と同様にしてTダイ押出成形を行い、引取り速度を測定した。
(比較例4)
ベヘン酸アミドの配合量を5重量部に変更し、マンニトールを配合しないこと以外は実施例1と同様にしてTダイ押出成形を行い、引取り速度を測定した。
(比較例5)
ベヘン酸アミドの代わりにステアリン酸アミドを1重量部使用し、マンニトールを配合しないこと以外は実施例1と同様にしてTダイ押出成形を行い、引取り速度を測定した。
(比較例6)
ベヘン酸アミドの代わりにステアリン酸アミドを2.5重量部使用し、マンニトールを配合しないこと以外は実施例1と同様にしてTダイ押出成形を行い、引取り速度を測定した。
(比較例7)
ベヘン酸アミドの代わりにステアリン酸アミドを5重量部使用し、マンニトールを配合しないこと以外は実施例1と同様にしてTダイ押出成形を行い、引取り速度を測定した。
(比較例8)
ベヘン酸アミドの代わりにエルカ酸アミドを5重量部使用し、マンニトールを配合しないこと以外は実施例1と同様にしてTダイ押出成形を行ったが、成形不可能であった。
(比較例9)
ベヘン酸アミドの代わりにオレイン酸アミドを5重量部使用し、マンニトールを配合しないこと以外は実施例1と同様にしてTダイ押出成形を行ったが、成形不可能であった。
(比較例10)
ベヘン酸アミドの代わりにベヘン酸を5重量部使用し、マンニトールを配合しないこと以外は実施例1と同様にしてTダイ押出成形を行ったが、成形不可能であった。
(比較例11)
ベヘン酸アミドの代わりにステアリン酸を5重量部使用し、マンニトールを配合しないこと以外は実施例1と同様にしてTダイ押出成形を行ったが、成形不可能であった。
以上の結果を表1に示す。

表1の記載より、実施例1〜10は、比較例1〜11と比較してTダイ押出成形で引取り速度が大きく、成形加工性に優れていることが分かる。この効果は、特に成形温度が生分解性ポリエステルの融点より高くなるほど顕著である。

Claims (9)

  1. (A)3−ヒドロキシブチレートと、3−ヒドロキシプロピオネート、3−ヒドロキシバレレート、3−ヒドロキシヘキサノエート、3−ヒドロキシヘプタノエート、3−ヒドロキシオクタノエート、3−ヒドロキシナノエート、3−ヒドロキシデカノエート、3−ヒドロキシドデカノエート、3−ヒドロキシドデセノエート、3−ヒドロキシテトラデカノエート、3−ヒドロキシヘキサデカノエート、3−ヒドロキシオクタデカノエート、3−ヒドロキシ−4−ペンテノエート、4−ヒドロキシブチレート、4−ヒドロキシバレレート、5−ヒドロキシバレレート及び6−ヒドロキシヘキサノエートからなる群より選ばれる少なくとも1種のモノマーとのコポリマーである、生分解性を有するポリエステル、
    (B)脂肪酸アミド、及び
    (C)マンニトール、およびグリシンからなる群より選択される少なくとも1種の化合物、を含有する樹脂組成物。
  2. 生分解性を有するポリエステルが、3−ヒドロキシブチレートと、3−ヒドロキシバレレート、3−ヒドロキシヘキサノエート及び3−ヒドロキシオクタノエートからなる群より選ばれる少なくとも1種のモノマーとのコポリマーである、請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 生分解性を有するポリエステルが、重量平均分子量30万以上300万以下である、請求項1または2記載の樹脂組成物。
  4. 3−ヒドロキシブチレートが、コポリマー中に70〜99モル%の範囲で存在する、請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
  5. 脂肪酸アミドが、生分解性を有するポリエステル100重量部に対して0.1重量部以上10重量部以下の量で配合されている、請求項1〜のいずれかに記載の樹脂組成物。
  6. 脂肪酸アミドが、ベヘン酸アミド、又はステアリン酸アミドである、請求項1〜のいずれかに記載の樹脂組成物。
  7. マンニトール、およびグリシンから選択された化合物が、生分解性を有するポリエステル100重量部に対して0.01重量部以上20重量部以下の量で配合されている、請求項1〜のいずれかに記載の樹脂組成物。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の樹脂組成物を成形加工して製造された成形体。
  9. 請求項1〜のいずれかに記載の樹脂組成物から成形体を製造する方法であって、
    生分解性を有するポリエステルの融点よりも10〜30℃高い温度で、前記樹脂組成物の成形加工を行う工程を含む製造方法。
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