JP2003055470A - 生分解性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
生分解性樹脂と均一化させることが可能であって、ま
た、系内の水の多少にかかわらず、良質な生分解性樹脂
組成物を提供すること。 【構成】 未加工澱粉と、熱可塑性を有する生分解性樹
脂とを必須成分とする混合物を加熱・溶融して得られる
生分解性樹脂組成物であって、混合物の加熱・溶融を、
ベント穴及び機械的剪断力を付与可能なフライト(ねじ
山)を有する剪断押出機を使用して行うことにより、混
合物の加熱・溶融混合物から発生する水蒸気を除去しつ
つ、混合物に機械的剪断力を加えて、前記未加工澱粉の
分子間水素結合を分断して、均一化させたことを特徴と
する生分解性樹脂組成物。
Description
物に関する。より詳しくは、未加工澱粉と、熱可塑性を
有する生分解性樹脂(生分解性ポリマー)とを必須成分
とする混合物を加熱・溶融して得られる生分解性樹脂組
成物に関する。
分子を利用した生分解性プラスチックの分野が注目され
てきている。天然高分子である澱粉とその他の合成樹脂
を複合化した生分解性組成物に関しても、いくつかの発
明がなされている。
ンド)する場合、通常、澱粉と合成樹脂とからなる混合
物を加熱・溶融し、必要により水を添加して押出成形機
等を使用してコンパウンドとされることが多い。しか
し、押出成形機を使用する方法では加熱時に発生する水
蒸気の影響により、良質なコンパウンドを得難いという
問題があった。
には、澱粉及び樹脂が充分に分散又は相溶するような温
度まで加熱する必要がある。なお、未加工澱粉の溶融温
度は約120℃以上と非常に高い。そのため樹脂の溶融
温度においては、水蒸気が発生し、押出成形機の押出圧
に抗する水蒸気圧により押出成形性が悪くなる。また、
発生した水蒸気により、成形品に気泡が混入してしま
う。
り少なくして上記問題を解決する方法が提案されてい
る。例えば、水を添加せず、かつ含水率の少ない変性
(denaturated)澱粉と特定の生分解性樹脂とを使用し
て、生分解樹脂組成物を得る方法(特開平11−228
736号公報参照)や、水の代わりに尿素等の変性剤(d
enaturant)及び可塑剤を加えて生分解性樹脂組成物を得
る方法(特開平11−335401号公報参照)等が提
案されている。
の方法では、ともに水分含有量が少ないため、得られる
生分解性樹脂組成物の透明性が低かった。さらに、溶融
物は水分含有量が低いため、高粘度であって均一に相溶
又は分散(均一化)し難かった。
不可能であるため、圧力上昇や、気泡混入の問題を完全
に解決することはできなかった。
い理由は下記の如くである。澱粉粒は、分子が無秩序に
集合したものではなく、部分的に微小な結晶状の構造が
発達した微結晶構造であるとされている。澱粉分子は相
互に水素結合したり、若しくは水分子と水素結合したり
して安定化しているものと考えられる。
強固な核で自らの含水率をコントロールしようとする性
質を有する。そのため、乾燥澱粉であっても通常は平衡
水分として一定量の水分子を含んでいるからである。
とも、汎用の生分解性樹脂と均一化させることが可能で
あって、また、系内の水の多少にかかわらず、良質な生
分解性樹脂組成物を提供すること、及び該生分解性樹脂
組成物を製造可能な生分解性樹脂製造プラントを提供す
ることを課題とする。
を解決するために、鋭意研究・開発に努力する過程で、
下記構成の生分解性樹脂組成物、及び生分解性樹脂製造
プラントに想到した。
粉と、熱可塑性を有する生分解性樹脂とを必須成分とす
る混合物を加熱・溶融して得られるものであって、混合
物の加熱・溶融を、ベント穴及び機械的剪断力を付与可
能なフライト(ねじ山)を有する剪断押出機を使用して
行うことにより、混合物から発生する水蒸気を除去しつ
つ、混合物に機械的剪断力を加えて、未加工澱粉の分子
間水素結合を分断して、均一化させたことを特徴とす
る。
は、未加工澱粉(乾燥澱粉基準):約30〜70%、生
分解性樹脂:約30〜70%、混合物の溶融温度以上の
沸点を有する可塑剤:約0〜20%、滑剤:約0〜1%
とすることができる。
用することができる。特に、グリセリン、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、トリメチレングリコー
ル、テトラメチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、エリトリット、アラビ
ット、ソルビットの中から単独又は2種以上選択される
と、良質なコンパウンドが得られる。
アマイド)を好適に使用することができ、特に、ステア
リン酸アミドを使用すると良質のコンパウンドを得るこ
とができる。
は、上記生分解性樹脂組成物を製造するために使用され
るものであって、未加工澱粉と、熱可塑性を有する生分
解性樹脂とを必須成分とする混合物を均一混合可能なヘ
ンシェルミキサと、混合物を混練・剪断するために使用
する、ベント穴及び機械的剪断力を付与可能なフライト
(ねじ山)を有する剪断押出機と、剪断押出機から押し
出された生分解性樹脂組成物をペレット化するペレット
成形機と、ペレット成形機により成形されたペレットの
大きさを選別するペレット選別機と、を備えてなること
を特徴とする。
て、詳細に説明を行う。なお、本明細書中において、配
合比率を表す「%」は、特に断らない限り、「質量%」
を示すものである。また、水分は湿量基準含水率:w
[kg/ kg(wet stock)] を意味する。
ンドであって、各種生分解性樹脂製品向けに使用が可能
である。
るいはゴムに、必要に応じて可塑剤、硬化剤、充填剤、
着色剤、安定剤、強化剤など各種配合剤を加えて混合
し、そのままの状態で成形加工することができるように
した材料」(「図解 プラスチック用語辞典 第2版」
日刊工業新聞社(1994) p.297 )のことであって、粉
末状、粒状、ペレット状、ペースト状、顆粒状、小球状
等、形状はいずれでもよい。
未加工澱粉と、熱可塑性を有する生分解性樹脂とを必須
成分とする混合物を加熱・溶融して得られる生分解性樹
脂組成物であることを基本的特徴とする。
粉そのものであって、変性処理が施されていない澱粉の
ことをいう。
加え共重合や共縮合したり、ある高分子化合物に他の高
分子化合物を結合(ブロック共重合、グラフト共重合)
したり混合する変性(modification) :いわゆる化学的
変性と、イオン結合、水素結合、疎水結合等の分子内
非共有性結合により保持している固有の立体構造を、加
熱などの物理的処理や、pHの変化などの化学的処理に
よって切断する、化学組成変化をほとんど伴わない変性
(denaturation) :いわゆる物理的変性とがある(「図
解 プラスチック用語辞典 第2版」 日刊工業新聞社
(1994) p.741参照)。
の、本質的にアミロース及び/又はアミロペクチンから
なる澱粉全てが好適に使用可能である。具体的には、ト
ウモロコシ澱粉、ジャガイモ澱粉、コメ澱粉、タピオカ
澱粉、穀類(ライムギ、カラスムギ、小麦等)由来の澱
粉等を例示することができ、これらの中から単独又は2
種以上を選択して使用することができる。特にトウモロ
コシ澱粉(コーンスターチ)が入手し易く望ましい。
用することができ、乾燥澱粉(平衡水分(RH:81%
のときの)として約13.5%以下の水分を含有するも
の)から、湿潤状態の澱粉まで使用可能である。乾燥状
態の未加工澱粉を使用すれば、後述の如く、加熱時にお
ける蒸気の発生を少なくすることができる。一方、含水
率が高い未加工澱粉を使用すれば、生分解性樹脂組成物
の透明性が良好となる。よって、含水率は、目的物に応
じて適宜設定可能である。なお、含水率の上限は特に規
定しないが、約60%前後で効果(透明性に関して)が
飽和する。
後の未加工乾燥澱粉の平衡水分は、RH:約81%の
際、約12〜13%である。
有するものであれば、現在市販されているあらゆる生分
解性樹脂を好適に使用することができる。澱粉との相溶
性が高い樹脂を使用すれば、均一に相溶した生分解性樹
脂組成物が得られ、また、澱粉との相溶性が低い樹脂で
あっても、均一に分散した生分解性樹脂組成物を得るこ
とが可能である。
ルロース/澱粉)重合系、(澱粉/化学合成グリーンプ
ラ(R))重合系、(脂肪族ポリエステル/芳香族ポリ
エステル)重合系(copolymer of aliphatic and aroma
tic polyester)等の天然高分子由来のものや、ポリ乳
酸、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、
ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)、ポリ(ブ
チレンサクシネート/カーボネート)、ポリエチレンサ
クシネート、ポリ(ブチレンサクシネート/テレフタレ
ート)、ポリビニルアルコール、ポリ(グリコール/ジ
カルボン酸)(Glycols and dicarboxylic acid) 等の合
成高分子、ポリ(ヒドロキシブチレート/ヒドロキシバ
リデート)等の微生物産生系高分子等の中から単独又は
2種以上選択して使用することができる。
(R)として市販されている、「ビオノーレ(R)」
(昭和高分子(株)・昭和電工(株)製)、「セルグリ
ーン(R)PH」(ダイセル化学工業(株)製)、「ラ
クティ(R)」((株)島津製作所製)、「テラマック
(R)」(ユニチカ(株)製)、「ユーペック(R)」
(三菱ガス化学(株)製)、「レイシア(R)」(三井
化学(株)製)、「エコフレックス(R)」(BASF
ジャパン(株)製)、「エンポル(TM)」(IReCHEMI
CAL社製)等が使用可能である。
金属等を基本的に含まず、生分解性と安全性が一定基準
値以上にあることが確認された材料だけから構成される
生分解性プラスチックの総称である(登録商標第336
4196号)。グリーンプラ(R)と澱粉とを使用した
生分解性樹脂組成物は、生分解性が非常に良好である。
が、その他の添加剤を添加することができる。例えば、
混合物の溶融温度以上の沸点を有する可塑剤を添加して
可塑性を改善することができる。なお、澱粉の溶融温度
は、トウモロコシ澱粉で、約120℃以上である。
用することができる。具体的には、グリセリン(bp. 290
℃) 、エチレングリコール(bp. 197.7℃) 、プロピレン
グリコール(bp. 188.2℃) 、トリメチレングリコール(b
p. 214.2℃) 、テトラメチレングリコール(bp. 235℃)
、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、エリトリット(bp. 329〜 331℃)、アラビット、ソ
ルビットから単独又は二種以上選択して使用することが
できる(「化学便覧 基礎編I」日本化学会編(S.41・
9・25)丸善 参照)。
溶融速度、溶融粘度、安定性等を改善することができ
る。
系、アルコール系、脂肪酸エステル系、炭化水素系、金
属石けん系等があるが、使用する樹脂との兼ね合いで脂
肪酸アミド系を好適に使用することができる。
酸アミド、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ベ
ニン酸アミド、メチレン−ビス−ステアラアミド、エチ
レン−ビス−ステアラアミド、エチレン−ビス−ヒドロ
キシ−ステアラアミド、ヒドロキシステアラアミド、メ
チロールアミド、エルカ酸アミド、レシチン−モノ−リ
ン酸アルキル、レシチン−ジ−リン酸アルキル等がある
が、特にステアリン酸アミドが好適に使用できる。
として、カーボンブラック等の紫外線安定剤、難燃剤、
ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド等の架橋剤、
抗菌剤、除草剤、酸化防止剤、肥料、乳白剤、安定剤等
を含有することもできる。
ば、未加工澱粉(乾燥澱粉基準):約30〜70%、望
ましくは約40〜60%、さらに望ましくは約50%前
後、生分解性樹脂:約30〜70%、望ましくは約40
〜60%、さらに望ましくは約50%前後、可塑剤:約
0〜20%、滑剤:約0〜1%とすると、澱粉及び生分
解性樹脂の双方の特徴を生かした生分解性樹脂組成物を
得ることができる。
更が可能である。すなわち、未加工澱粉と生分解性樹脂
との混合比は任意であって、未加工澱粉ベースであって
も、生分解性樹脂ベースであってもよい。当然、未加工
澱粉の相対量が多くなれば、未加工澱粉の特性が強ま
り、逆に生分解性樹脂の相対量が多くなれば、生分解性
樹脂の特性が強く現れる。
分解性樹脂や未加工澱粉の量が減るため、望ましくな
い。また、滑剤の混合比が多すぎても、それ以上の効果
が期待できず効果が飽和してしまう。可塑剤及び滑剤
は、上述の如く必須成分ではない。
が望ましい。後工程での加熱・溶融の際、より均一な生
分解性樹脂組成物を得るためである。なお、混合は手作
業等で行ってもよいが、後述の如く、通常の混合に使用
されるヘンシェルミキサ、フラッシュミキサ等を使用す
ることができる。
穴及び機械的剪断力を付与可能なフライト(ねじ山)を
有する剪断押出機を使用して行うことにより、混合物か
ら発生する水蒸気を除去しつつ、混合物に機械的剪断力
を加えて、前記未加工澱粉の分子間水素結合を分断し
て、均一化させることが本発明の最大の特徴である。
して上記混合物を加熱・攪拌する場合、剪断押出機の押
出圧力に抗する水蒸気圧が加わるのを防止するため、及
び水蒸気により、生分解性樹脂組成物内に気泡が混入す
るのを防止するためである。
平衡水分のみを含んだ乾燥状態の澱粉であっても、澱粉
中に含有されている水分の蒸発が起こる。そのため、乾
燥澱粉を使用する場合であっても水蒸気の除去は必要で
ある。
ベント穴を設けて大気開放とするか、若しくは、発生す
る水蒸気の量が多い場合は必要により吸引(真空吸引
等)により排除すればよい。
する構成としたため、最初から含水率の少ない澱粉を使
用する必然性がない。そのため、生分解性樹脂組成物に
透明性を付与するために、別途水分を添加しても押出成
形性を低下させることはない。よって、澱粉の前処理
や、変性剤の添加を省略することができ、工程が簡略化
する。
剪断力を与えるのは、上記未加工澱粉分子間の水素結合
を少なくとも部分的に分断するためである。機械的剪断
力により水素結合を破壊すれば、澱粉粒を微粉化すると
同時に、生分解性樹脂と澱粉とを均一に相溶又は分散さ
せることができる。
にもかかわらず、澱粉分子の水素結合が強いため、未破
壊の澱粉粒が原料に残留することとなり、均一に分散又
は相溶させることができない。
るが、機械的剪断力の働きで効率的に分散・相溶が行わ
れる。すなわち、低粘性や低融点の変性澱粉を使用した
り、変性剤を添加しなくても均一に分散・相溶した生分
解性樹脂組成物を得ることができる。
て、ダルメージタイプ、その他ずれ変形を付与可能なフ
ライト(ねじ山)を有する剪断押出機を使用して付与す
ることができる。なお、フライトとは、スクリュー溝を
加工した後に残された螺旋型の山の外面部分のことをい
う。
可能な剪断押出機のモデル図を図1に示す。図1の剪断
押出機12は、図示しない加熱手段を備えてなる単軸型
の剪断押出機である。シリンダー14内部にスクリュー
16を備えてなり、シリンダー14には、第1ベント穴
18a、第2ベント穴18bが設けられている。第1ベ
ント穴18a、第2ベント穴18bは、それぞれ真空ポ
ンプ等に接続可能とされており、原料から発生する水蒸
気を効率的に剪断押出機外へ除去可能とされている。
示すようなものとなる。
内径130mm)の場合、例えば40mm×90mmの角型ベ
ント穴とすることができる。また、ベント穴の個数は最
大3個設ければよい。
22が形成されている。剪断押出機の投入口側の原料投
入口24から投入された原料は、スクリュー16の溝部
22を黒矢印方向に移動して剪断押出機12から排出さ
れ、排出口側に備えられた造粒機26等により造粒され
る。
ベント穴18bの区間では半溶融状態で存在しており、
この区間が剪断・混練に効果的である。
料が後退し、脈動するように透き間が設けられた構成と
する。原料が後退しつつ、何度も剪断・混練を繰り返し
ながら原料を押し出すことができるため、混練性が向上
し、より均一な混合が可能となるからである。
段126を備えた剪断押出機112を示す。ここで、図
1における対応部位については、2桁の図符号に頭に
「1」を付して3桁図符号として、それらの説明の全部
又は一部を省略する。
吸入穴)118aの手前において第一剪断/圧縮混練区
間が形成されている。この第一剪断/圧縮混練区間は、
複数個(図例では3個)の谷部(溝部)122に渡り、
ねじ山の両側部から所定角度(60〜180°戻し変位
させて始まる複数個の混練隆起部(スクリューネジ山よ
り低い。)123a、123bが形成されている。この
混練隆起部123a、123bの存在により谷部間の断
面積が小さくなり圧縮作用を受けると共に、混練隆起部
123a、123b間の変位により、溶融原料には、谷
部122の戻し作用が発生して溶融原料の部分的に前後
移動(流動)が繰り返されて圧縮・剪断の流動現象が発
生する。こうして原料は、半溶融であっても、この圧縮
・剪断作用を受けながら、全体として本体スクリューに
より前進移動をする。なお、この第一剪断/圧縮混練区
間は、原料が半溶融状態にあり圧縮・剪断混練が最も効
果的な区間である。また、混練隆起部123は谷部12
2の底面から逓増して形成されている。
bの手前において第二混練促進区間Bが形成されてい
る。図例ではネジの始点移送を所定角度(60〜120
°:図例では90°)ずつ戻し変位させることにより多
条ネジ部(図例では4条)として形成されている。
イト)120b、120b・・・群の間で溶融原料には、
部分的な前後移動(流動)を繰り返しながら圧縮・剪断
の流動現象が発生する。溶融原料は、こうして圧縮・剪
断の混練を受けながら、全体として本体スクリューによ
り前進移動をする。
して、所定時間ごとにモータ127で回転駆動されるカ
ッタ129が配されて造粒可能とされている。こうして
造粒されたペレットは、ペレット出口131から回収コ
ンテナ(図示せず。)に落下するようになっている。図
例中133は、スクリーンメッシュである。
2に示す工程図に沿って製造される。すなわち、原料を
ヘンシェルミキサ等で混合し、その後上記記載の剪断押
出機12を使用して混練・剪断し、ペレット成形等の造
粒を行う。
3に示す製造プラントを使用することができる。
と、熱可塑性を有する生分解性樹脂とを必須成分とする
混合物を均一混合可能なヘンシェルミキサ28と、混合
物を混練・剪断するために使用する、上記記載のベント
穴18及び機械的剪断力を付与可能なフライト(ねじ
山)20を有する剪断押出機12と、剪断押出機から押
し出された生分解性樹脂組成物をペレット化する造粒機
(ペレット成形機)26と、ペレット成形機により成形
されたペレットの大きさを選別するペレット選別機30
と、を備えてなることを特徴とする。
の流れに沿って製造プラントの説明を行う。なお、本発
明の生分解性樹脂の製造は、下記製造プラントのみに限
定されるものではない。
を、ブレンダー32により混合する。ブレンダー32
は、上部に粉体投入口34、34を備えてなるものであ
って、架台38上の回転槽36をモーター等により高速
回転させて粉体混合を行う。粉体混合に通常使用される
ブレンダーを使用することができ、例えば、ドラムブレ
ンダー、バケットブレンダー等を例示できる。混合され
た粉体は、粉体定量供給機40を経て、一定量ずつヘン
シェルミキサ28の混合槽48内に供給される。
水等の液体原料は、液体タンク42、42から、液体ポ
ンプ43、43により汲み上げられ液体流量計44、4
4を経て一定量ずつヘンシェルミキサ28の混合槽48
内に供給される。
ア46を利用して同じくヘンシェルミキサ28の混合槽
48内に供給される。
合を行う。ヘンシェルミキサとは、プロペラミキサー式
の高速混合機の一種であって、主として粉粒体、プラス
チック原材料、着色剤及び添加剤などの均一混合、カラ
リング等に汎用されている(「図解 プラスチック用語
辞典 第2版」 日刊工業新聞社(1994) p.741 参
照)。本プラントにおいては、汎用のヘンシェルミキサ
を好適に使用可能である。
ペラ(攪拌翼)が、駆動モーター50に接続されたVベ
ルト52により回転し、均一混合を行う構造とされてい
る。
4から自重落下により排出され、フィーダー56を経
て、予備加熱用押出機58に搬入される。フィーダー5
6としては、定量供給が可能なプロペラ式フィーダーを
使用することが望ましい。
的の溶融温度まで加熱され、次工程の上記で述べた剪断
押出機12へと搬送される。予備加熱用押出機58とし
ては、例えば、3軸型のスクリューを使用することがで
きる。なお、図3においては、予備加熱用押出機58か
ら剪断押出機12への供給を、供給装置60内の縦軸ス
クリューを使用して強制押込みにより行う。
イト20を有するスクリュー16が備えられており、効
率的に剪断・混練が行われる。剪断押出機12の構造
は、すでに述べたため、ここでは詳しい説明を省略す
る。
脂は、造粒機(ペレット成形機)26によりペレット化
される。ペレット成形機26においても、通常樹脂成形
に使用される汎用のペレット成形機を使用できる。図3
においては、剪断押出機12の出口で樹脂を切断するホ
ットカット方式のペレット成形機を使用しているが、そ
の他、コールドカット方式、アンダーウオーターカット
方式、シートカット方式、等のペレット成形機(ペレタ
イザ)を使用することもできる。
2で冷却される。冷却は、水冷、空気冷等により容易に
行うことができる。図3においては、水冷でペレットを
冷却しているため、その後、ペレット乾燥機64でペレ
ットを乾燥させた後、ペレット選別機30に搬送され
る。
段等を備えたもので、ペレット及び熱風を供給して気流
乾燥し、上部に設けられた捕集機66まで空気搬送され
て回収される。回収されたペレットは、ペレット選別機
30で大きさ毎に選別される。
ことができる。具体的には、パンチングプレートやメッ
シュ等で形成された振動状態のスクリーン上をペレット
が通過することにより大きさの選別を行う振動型選別機
等を好適に使用することができる。
用して空気搬送によりペレット貯蔵用上部タンク70に
搬送される。その後、ペレット排出口72から自動計量
器76上に配された完成品ストックタンク74内にペレ
ットが供給され、真空自動シーラ78等で包装され製品
となり、完成品搬送コンベア79等で搬送される。
ラントを使用することにより、生分解性樹脂製造におい
て、完全自動化が実現可能となる。
件としては、押出圧力:約60kg/cm2以上、押出温度約
130〜160℃とする。押出温度が低過ぎると、澱粉
や生分解性樹脂の溶融温度に到達せず、樹脂が溶融せず
に残り、可塑化できない。また、押出温度が高すぎる
と、澱粉や生分解性樹脂の解重合がおこり、特性が失わ
れる。
変性(denaturation) されて、α化澱粉となる。なお、
未加工澱粉は、冷水に対して水不溶性である。溶融状態
で機械的剪断力を加えて微粉化した澱粉は水難溶性と、
若干溶解性が良好となる。
使用することを前提として説明を行ったが、該記載は、
変性澱粉の使用を積極的に排除するものではない。本発
明は、あくまでも低融点・低粘度の変性澱粉や、低含水
率の変性澱粉を使用しなくても、植物由来の未加工澱粉
を直接使用できることを示すにすぎず、当然変性澱粉を
使用することも可能である。
の分解物である、デキストリン、酸処理澱粉、酸化澱
粉、未加工澱粉の誘導体である架橋澱粉、澱粉エステ
ル、澱粉エーテル、グラフト共重合体等が挙げられる。
ル化澱粉があるが、アセチル化処理された澱粉を使用す
ることにより、澱粉の耐老化性・透明性を改善すること
ができる。アセチル化は上記に記載した本発明の混合物
に無水酢酸、酢酸、無水イタコン酸、酢酸ビニル、塩化
アセチル、ケテン等のアセチル化剤を添加するだけでよ
い。アセチル化剤の添加量は、例えば混合物全体の約
0.05〜1%とすればよい。
なる混合物の加熱・溶融時において、発生する水蒸気を
除去しつつ、混合物に機械的剪断力を加えて、未加工澱
粉の分子間水素結合を分断して、均一化させたことによ
り、従来の如く、変性剤や変性澱粉を使用しなくとも、
汎用の生分解性樹脂と澱粉とを均一化させることが可能
となった。また、系内の水の多少にかかわらず、良質な
生分解性樹脂組成物を提供することが可能となった。
実施例について説明を行う。実施例において混合物に使
用した原料および混合量を記載する。
カ産黄色デント種(馬歯種)):約45% ・生分解性樹脂(MFR:1.4g/10min (190
℃、2.16kg荷重):約40% ・グリセリン(可塑剤:純度98.5%以上):約15
% ・ステアリン酸アミド(滑剤:純度98%以上):約
0.5% 上記各原料を使用して、発明の詳細な説明で詳述した生
分解性樹脂製造プラントにより、加熱温度:ダイス部分
138℃、その他140℃、押出圧力:60kg/cm2、剪
断用スクリュー直径:129.8mm、シリンダー内径:
130mmの条件で押出成形し、ペレットを作成した。剪
断押出機の剪断開始部分と、終了部分には、ベント穴を
設けて水蒸気の除去が可能な構成とした。なお、水蒸気
の除去は真空ポンプを使用して行った。
脂が均一に分散した生分解性樹脂が得られることが確認
でき、また押出し成形性も良好であった。
な剪断押出機のモデル図である。
る。
脂製造プラント図である。
断押出機の一例を示す概略断面図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 未加工澱粉と、熱可塑性を有する生分解
性樹脂とを必須成分とする混合物を加熱・溶融して得ら
れる生分解性樹脂組成物であって、 前記混合物の加熱・溶融を、ベント穴及び機械的剪断力
を付与可能なフライト(ねじ山)を有する剪断押出機を
使用して行うことにより、混合物から発生する水蒸気を
除去しつつ、混合物に機械的剪断力を加えて、前記未加
工澱粉の分子間水素結合を分断して、均一化させたこと
を特徴とする生分解性樹脂組成物。 - 【請求項2】 前記混合物の質量組成比が、未加工澱粉
(乾燥澱粉基準):約30〜70%、生分解性樹脂:約
30〜70%、混合物の溶融温度以上の沸点を有する可
塑剤:約0〜20%、滑剤:約0〜1%であることを特
徴とする請求項1記載の生分解性樹脂組成物。 - 【請求項3】 前記可塑剤として、多価アルコールを使
用することを特徴とする請求項2記載の生分解性樹脂組
成物。 - 【請求項4】 前記多価アルコールとして、グリセリ
ン、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリ
メチレングリコール、テトラメチレングリコール、ポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エリ
トリット、アラビット、ソルビットの中から単独又は2
種以上選択されることを特徴とする請求項3記載の生分
解性樹脂組成物。 - 【請求項5】 前記滑剤が、脂肪酸アミドであることを
特徴とする請求項2記載の生分解性樹脂組成物。 - 【請求項6】 前記脂肪酸アミドが、ステアリン酸アミ
ドであることを特徴とする請求項5記載の生分解性樹脂
組成物。 - 【請求項7】 請求項1〜6記載の生分解性樹脂組成物
を製造するための生分解性樹脂製造プラントであって、 未加工澱粉と、熱可塑性を有する生分解性樹脂とを必須
成分とする混合物を均一混合可能なヘンシェルミキサ
と、 前記混合物を混練・剪断するために使用する、ベント穴
及び機械的剪断力を付与可能なフライト(ねじ山)を有
する剪断押出機と、 前記剪断押出機から押し出された生分解性樹脂組成物を
ペレット化するペレット成形機と、 前記ペレット成形機により成形されたペレットの大きさ
を選別するペレット選別機と、 を備えてなることを特徴とする生分解性樹脂製造プラン
ト。
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