JP2009155530A - 澱粉含有組成物の製造方法及び成形体の製造方法 - Google Patents

澱粉含有組成物の製造方法及び成形体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】澱粉種と熱可塑性樹脂種の選択を、それぞれ糊化温度と融点に制限されることを軽減し、また、澱粉に対する可塑剤の配合量を多くすることができ、成形体とした際、外観、力学物性等の優れた澱粉含有組成物の製造方法を提供すること。
【解決手段】飽和ポリエステル樹脂を含む熱可塑性樹脂及び澱粉系物質、を主要な原料とする澱粉含有組成物の製造方法であって、100重量部の澱粉系物質と10〜60重量部の可塑剤をスクリュー式押出機に供給して加熱混合する工程と、それに引き続き90〜240重量部の熱可塑性樹脂を未溶融の状態で供給して溶融混合する工程を逐次的に行うことを特徴とする澱粉含有組成物の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、澱粉含有組成物の製造方法及び成形体の製造方法に関し、更に詳しくは、各成分の重量比、混合方法、混合温度等が限定された澱粉含有組成物の製造方法、及び、その製造方法で製造された澱粉含有組成物を用いて得られる成形体の製造方法に関するものである。
澱粉含有組成物の製造方法としては、「押出−クッキング」法が常法として用いられてきた。この方法は、澱粉と熱可塑性樹脂を、水及び/又はその他の可塑剤と一括して押出機又はそれに類する装置に供給し加熱し混合するものである(特許文献1)。
しかしながら、澱粉の可塑剤による糊化と、熱可塑性樹脂の溶融は、必ずしも同じ温度で最適なバランスとならない。熱可塑性樹脂の融点が高く、澱粉の糊化温度が低い場合は、澱粉は脱水に引き続く焙焼過程を経て分解物が生成し、分散不良、着色、成形体の力学物性低下を引き起こす。また、熱可塑性樹脂の融点が低く、澱粉の糊化温度が高い場合には、澱粉が十分に糊化する前に溶融樹脂と混合されるため、分散不良、成形体の力学物性低下を引き起こす。
別の製造方法として、澱粉の糊化と熱可塑性樹脂との混合を独立した工程で行う「2パス」法がある。この製造方法を用いれば、糊化工程の温度と樹脂混合工程の温度を独立に制御することが可能となる。
しかしながら、糊化工程により可塑剤により糊化した澱粉系物質は、その可塑剤量が多い場合、自己融着性が高く、工業的に取り扱いやすいペレット形状を保てないため、樹脂混合工程への供給性が著しく悪化する。そのため、この製造方法は、可塑剤の含量が低い組成に限定される。
更に、別の製造方法として、2台のスクリュー式押出機を用い、一方の押出機を他方の押出機の途中に接続して、それぞれ独立に澱粉の糊化と熱可塑性樹脂の溶融を行い、それを合流させて混合する方法が提案されている(特許文献2、非特許文献1)。
しかしながら、この製造方法は、熱可塑性樹脂の溶融工程を澱粉系物質の存在しない状態で行うため、熱可塑性樹脂と澱粉系物質の混合は必ず熱可塑性樹脂の融点以上でのみ行われることになる。この場合、熱可塑性樹脂は溶融粘度が低下し、澱粉系物質に十分な剪断力を与えることができず、分散不良、成形体の力学物性低下等を引き起こす場合がある。
特許公報第3549203号公報 米国特許2003/0119949号公報 Polymer,38(3),647(1997)
本発明は上記背景技術に鑑みてなされたものであり、その課題は、澱粉種と熱可塑性樹脂種の選択を、それぞれ糊化温度と融点に制限されることを軽減し、また、澱粉に対する可塑剤の配合量を多くすることができ、成形体とした際、外観、力学物性等の優れた澱粉含有組成物の製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、1台のスクリュー式押出機の上流部で澱粉系物質の糊化を行い、それに引き続く部分に未溶融の熱可塑性樹脂原料を供給し、押出機の下流部にて熱可塑性樹脂の溶融と糊化した澱粉系物質との混合を同時に行うことで、高可塑剤含量の澱粉が良分散した澱粉含有組成物が得られることを見出して本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、飽和ポリエステル樹脂を含む熱可塑性樹脂及び澱粉系物質、を主要な原料とする澱粉含有組成物の製造方法であって、
100重量部の澱粉系物質と10〜60重量部の可塑剤をスクリュー式押出機に供給して加熱混合する工程と、
それに引き続き90〜240重量部の熱可塑性樹脂を未溶融の状態で供給して溶融混合する工程
を逐次的に行うことを特徴とする澱粉含有組成物の製造方法を提供するものである。
また本発明は、上記の澱粉含有組成物の製造方法によって製造された澱粉含有組成物をインフレーションフィルム成形機に供給し押出して成形体を得ることを特徴とする成形体の製造方法を提供するものである。
また本発明は、上記の成形体の製造方法によって製造されたことを特徴とする成形体を提供するものである。
本発明によれば、先に澱粉系物質と可塑剤のみを供給し、混合して糊化を行うことで、従来の「2パス」法では不可能だった高可塑剤含量の糊化澱粉を中間生成物とすることができる。糊化澱粉は高可塑剤含量であるほど低粘度となるため、引き続く熱可塑性樹脂との混合工程において分散に有利となる。更に、糊化後の工程に引き続き、未溶融の熱可塑性樹脂を供給することで、熱可塑性樹脂は溶融過程を経ながら糊化澱粉と混合されるために、糊化澱粉に対して高粘度状態が実現し、澱粉系物質の分散が良好となる。
本発明によれば、比較的低融点で高温において低粘度となる飽和ポリエステル樹脂を用いる場合、先に高可塑剤含量で低粘度化した澱粉と低温で混合することにより、従来技術では実現できなかった粘度比が実現し、結果として良分散の組成物が得られる。この効果は、澱粉系物質として比較的糊化温度の高いコーンスターチを使用した場合に特に顕著である。
本発明によれば、更に高沸点可塑剤を用いることで、糊化工程と熱可塑性樹脂とを混合する工程の間で、糊化澱粉の老化及び/又は焙焼を防ぐことができる。
本発明の澱粉含有組成物の製造方法によれば、澱粉系物質が良分散されるため、外観が優れたフィルム成形体が得られ、生分解性のある脂肪族ポリエステル樹脂を主成分とできることから、コンポスト可能な成形体製品を製造できる。
すなわち、本発明の製造方法によれば、低融点の生分解性ポリエステル樹脂に天然由来物質である澱粉を良分散で含有させることができ、天然由来成分比率が高く生分解性があり、かつ外観や力学物性に優れたフィルム成形体を得ることができる。これにより、化石燃料から製造される熱可塑性樹脂の使用量低減ができ、また、埋立処分しても生分解されることから、地球環境の保全に大きく貢献できる。
以下、本発明について説明するが、本発明は以下の具体的実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲内で任意に変形できる。
[熱可塑性樹脂]
本発明は、熱可塑性樹脂及び澱粉系物質を主要な原料とする澱粉含有組成物の製造方法に関するものである。ここで、熱可塑性樹脂としては飽和ポリエステル樹脂を含むものであれば特に限定はされず、熱可塑性であれば、生分解性ポリエステル樹脂に限らずあらゆる公知の樹脂が用いられる。熱可塑性樹脂であれば、上記したように澱粉系物質を良好に分散でき、優れた澱粉含有組成物が製造できる。
[[飽和ポリエステル樹脂]]
熱可塑性樹脂は飽和ポリエステル樹脂を含むことが必須である。「飽和ポリエステル樹脂」とは、脂肪族の炭素間二重結合を実質的に有さないポリエステル樹脂をいい、ベンゼン環のような芳香族の炭素間二重結合は含まれていてもその範囲に含まれる。飽和ポリエステル樹脂は、比較的低融点であり高温において低粘度となるので、従来の澱粉含有組成物の製造方法では澱粉系物質に十分な剪断力を与えることができず、分散が不良となり、成形体の力学物性低下等を引き起こす場合があるが、本発明では未溶融の状態で供給するので、そのような問題点が発生しない点で適合性に優れている。
飽和ポリエステル樹脂としては特に限定はないが、脂肪族ポリエステル樹脂及び/又は芳香族脂肪族ポリエステル樹脂であることが、生分解性の点で好ましい。
[[[脂肪族ポリエステル樹脂]]]
本発明において、脂肪族ポリエステル樹脂とは、分子中に芳香族環を実質的に有さないポリエステル系樹脂をいう。本発明における脂肪族ポリエステル樹脂は、脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸を主成分とする。ここで、「主成分」とは、脂肪族ポリエステル樹脂を構成する単量体単位全体を基準(100モル%)として、脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸が50モル%以上、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上であることをいう。
本発明における脂肪族ポリエステル樹脂を具体的に示すと、例えば、下記式(1)で表される鎖状脂肪族及び/又は脂環式ジオ−ル単位、並びに、下記式(2)で表される鎖状脂肪族及び/又は脂環式ジカルボン酸単位を必須とし、それから主になるものである。ただし、後述する脂肪族オキシカルボン酸単位が含有されていてもよい。
−O−R−O− (1)
[式(1)中、Rは2価の鎖状脂肪族炭化水素基及び/又は2価の脂環式炭化水素基を示す。共重合されている場合には、樹脂中に2種以上のRが含まれていてもよい。]
−OC−R−CO− (2)
[式(2)中、Rは2価の鎖状脂肪族炭化水素基及び/又は2価の脂環式炭化水素基を示す。共重合されている場合には、樹脂中に2種以上のRが含まれていてもよい。]
なお、上記式(1)、式(2)において、「2価の鎖状脂肪族炭化水素基及び/又は2価の脂環式炭化水素基」の「及び」とは、脂肪族ポリエステル樹脂の1分子中に2価の鎖状脂肪族炭化水素基と2価の脂環式炭化水素基の両方を含んでいてもよいという意味である。また、以下、「鎖状脂肪族及び/又は脂環式」を単に「脂肪族」と略記する場合がある。
式(1)のジオール単位を与える脂肪族ジオール成分は特に限定されないが、炭素数2〜10個の脂肪族ジオール成分が好ましく、炭素数4〜6個の脂肪族ジオール成分が特に好ましい。具体的には、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられ、中でも1,4−ブタンジオールが特に好ましい。脂肪族ジオール成分は2種類以上を用いることもできる。
式(2)のジカルボン酸単位を与える脂肪族ジカルボン酸成分は特に限定されないが、炭素数2〜10個の脂肪族ジカルボン酸成分が好ましく、炭素数4〜8個の脂肪族ジカルボン酸成分が特に好ましい。具体的には、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等が挙げられ、中でもコハク酸又はアジピン酸が特に好ましい。脂肪族ジカルボン酸成分は2種類以上を用いることもできる。
更に、脂肪族ポリエステル樹脂には、脂肪族オキシカルボン酸単位が含有されていてもよい。脂肪族オキシカルボン酸単位を与える脂肪族オキシカルボン酸の具体例としては、乳酸、グリコール酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシカプロン酸、6−ヒドロキシカプロン酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−ヒドロキシイソカプロン酸等、又はこれらの低級アルキルエステル若しくは分子内エステルが挙げられる。これらに光学異性体が存在する場合には、D体、L体又はラセミ体の何れでもよく、形態としては固体、液体又は水溶液の何れであってもよい。これらの中で特に好ましいものは、乳酸又はグリコール酸である。これら脂肪族オキシカルボン酸は単独でも、2種以上の混合物としても使用することもできる。
上記脂肪族オキシカルボン酸の量は、脂肪族ポリエステル樹脂を構成する単量体成分全体を基準(100モル%)として、下限が通常0モル%以上、好ましくは0.01モル%以上であり、上限が通常30モル%以下、好ましくは20モル%以下である。
また、脂肪族ポリエステル樹脂は、「3官能以上の脂肪族多価アルコール」、「3官能以上の脂肪族多価カルボン酸又はその酸無水物」又は「3官能以上の脂肪族多価オキシカルボン酸」を共重合させたものであると、得られる脂肪族ポリエステル樹脂の溶融粘度を高めることができるため好ましい。本発明は、低い溶融粘度を有する脂肪族ポリエステル樹脂であっても澱粉系物質の分散を良好にすることができるが、溶融粘度の高い脂肪族ポリエステル樹脂に対しても有効である。
3官能の脂肪族多価アルコールの具体例としては、トリメチロールプロパン、グリセリン等が挙げられる。また、4官能の脂肪族多価アルコールの具体例としては、ペンタエリスリトール等が挙げられる。これらは単独でも2種以上混合して使用することもできる。
3官能の脂肪族多価カルボン酸又はその酸無水物の具体例としては、プロパントリカルボン酸又はその酸無水物等が挙げられる。また、4官能の多価カルボン酸又はその酸無水物の具体例としては、シクロペンタンテトラカルボン酸又はその酸無水物等が挙げられる。これらは単独でも2種以上混合して使用することもできる。
また、3官能の脂肪族オキシカルボン酸は、(i)カルボキシル基が2個とヒドロキシル基が1個を同一分子中に有するタイプと、(ii)カルボキシル基が1個とヒドロキシル基が2個のタイプとに分かれ、何れのタイプも使用可能である。具体的には、リンゴ酸等が好ましく用いられる。また、4官能の脂肪族オキシカルボン酸は、(i)3個のカルボキシル基と1個のヒドロキシル基とを同一分子中に共有するタイプ、(ii)2個のカルボキシル基と2個のヒドロキシル基とを同一分子中に共有するタイプ、(iii)3個のヒドロキシル基と1個のカルボキシル基とを同一分子中に共有するタイプとに分かれ、何れのタイプも使用可能である。具体的には、クエン酸、酒石酸等が挙げられる。これらは単独でも2種以上混合して使用することもできる。
このような3官能以上の化合物の量は、脂肪族ポリエステル樹脂を構成する単量体全体を基準(100モル%)として、下限は通常0モル%以上、好ましくは0.01モル%以上であり、上限は通常5モル%以下、好ましくは2.5モル%以下である。
脂肪族ポリエステル樹脂としては、ポリブチレンサクシネート系樹脂及び/又はポリブチレンサクシネートアジペート系樹脂を用いることが特に好ましい。
本発明で使用する脂肪族ポリエステル樹脂は、公知の方法で製造することができる。例えば、上記の脂肪族ジカルボン酸成分と脂肪族ジオール成分とのエステル化反応及び/又はエステル交換反応を行った後、減圧下での重縮合反応を行うといった溶融重合の一般的な方法や、有機溶媒を用いた公知の溶液加熱脱水縮合方法によっても製造することができる。中でも、経済性や製造工程の簡略性の観点から、無溶媒下で行う溶融重合で製造する方法が好ましい。
また、重縮合反応は、重合触媒の存在下で行うことが好ましい。重合触媒の添加時期は、重縮合反応以前であれば特に限定されず、原料仕込み時に添加しておいてもよく、減圧開始時に添加してもよい。重合触媒としては、一般には、周期表で、水素、炭素を除く1族〜15族金属元素を含む化合物である。具体的には、チタン、ジルコニウム、錫、アンチモン、セリウム、ゲルマニウム、亜鉛、コバルト、マンガン、鉄、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、ナトリウム及びカリウムからなる群から選ばれた、少なくとも1種以上の金属を含むカルボン酸塩、アルコキシ塩、有機スルホン酸塩又はβ−ジケトナート錯体等の有機基を含む化合物、更には前記した金属の酸化物、ハロゲン化物等の無機化合物、又はそれらの混合物が挙げられる。
これらの中では、チタン、ジルコニウム、ゲルマニウム、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム又はカルシウムを含む金属化合物、並びにそれらの混合物が好ましく、その中でも、特に、チタン化合物又はゲルマニウム化合物が好ましい。また、触媒が重合時に溶融又は溶解した状態であると重合速度が高くなる理由から、触媒は、重合時に液状であるか、エステル低重合体やポリエステルに溶解する化合物であること好ましい。
これらの重合触媒として金属化合物を用いる場合の触媒添加量は、生成するポリエステルに対する金属量として、下限値が通常5ppm以上、好ましくは10ppm以上であり、上限値が通常30000ppm以下、好ましくは1000ppm以下、より好ましくは250ppm以下、特に好ましくは130ppm以下である。使用する触媒量が多すぎると、経済的に不利であるばかりでなくポリマーの熱安定性が低くなるのに対し、逆に少なすぎると重合活性が低くなり、それに伴いポリマー製造中にポリマーの分解が誘発されやすくなる。
ジカルボン酸成分とジオール成分とのエステル化反応及び/又はエステル交換反応の反応温度は、下限が通常150℃以上、好ましくは180℃以上、上限が通常260℃以下、好ましくは250℃以下である。反応雰囲気は、通常、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下である。反応圧力は、通常、常圧〜10kPaであり、常圧が好ましい。反応時間は、通常1時間以上であり、上限は通常10時間以下、好ましくは、4時間以下である。
その後の重縮合反応は、圧力を、下限が通常0.001×10Pa以上、好ましくは0.01×10Pa以上であり、上限が通常1.4×10Pa以下、好ましくは0.4×10Pa以下の真空度として行う。この時の反応温度は、下限が通常150℃以上、好ましくは180℃以上であり、上限が通常260℃以下、好ましくは250℃以下の範囲である。反応時間は、下限が通常2時間以上であり、上限が通常15時間以下、好ましくは10時間以下である。
脂肪族ポリエステル樹脂を製造する反応装置としては、公知の縦型あるいは横型撹拌槽型反応器を用いることができる。例えば、溶融重合を同一又は異なる反応装置を用いて、エステル化及び/又はエステル交換の工程と減圧重縮合の工程の2段階で行い、減圧重縮合の反応器としては、真空ポンプと反応器を結ぶ減圧用排気管を具備した撹拌槽型反応器を使用する方法が挙げられる。また、真空ポンプと反応器とを結ぶ減圧用排気管の間には、凝縮器が結合されており、該凝縮器にて縮重合反応中に生成する揮発成分や未反応モノマーが回収される方法が好んで用いられる。
本発明において、目的とする重合度の脂肪族ポリエステル樹脂を得るためのジオール成分とジカルボン酸成分とのモル比は、その目的や原料の種類により好ましい範囲は異なるが、酸成分1モルに対するジオール成分の量が、下限が通常0.8モル以上、好ましくは、0.9モル以上であり、上限が通常1.5モル以下、好ましくは1.3モル以下、特に好ましくは1.2モル以下である。また、脂肪族ポリエステル樹脂には、生分解性に影響を与えない範囲で、ウレタン結合、アミド結合、カーボネート結合、エーテル結合等を導入することができる。
本発明に用いられる脂肪族ポリエステル樹脂のメルトフローレート(MFR)は、190℃、2.16kgで測定した場合、下限が通常0.1g/10分であり、好ましくは、0.5g/10分、更に好ましくは1.0g/10分、最も好ましくは、2.0g/10分である。また、MFRの上限は、通常100g/10分、好ましくは50g/10分、更に好ましくは30g/10分、最も好ましくは10g/10分である。
[[[芳香族脂肪族ポリエステル樹脂]]]
本発明における「芳香族脂肪族ポリエステル樹脂」とは、芳香族ジカルボン酸及び脂肪族ジカルボン酸、並びに、脂肪族ジオールを主成分とするものである。この場合の芳香族ジカルボン酸単位の含量は、脂肪族ジカルボン酸単位と芳香族ジカルボン酸単位の全量を基準(100モル%)として、5モル%以上60モル%以下であることが好ましい。具体的には、例えば、下記式(3)で表される脂肪族ジオ−ル単位、下記式(4)で表される脂肪族ジカルボン酸単位、及び、下記式(5)で表される芳香族ジカルボン酸単位を必須成分とするものである。ただし、後述するオキシカルボン酸単位を有していてもよい。
−O−R−O− (3)
[式(3)中、Rは2価の鎖状脂肪族炭化水素基及び/又は2価の脂環式炭化水素基を示し、共重合されている場合には1種に限定されない。]
−OC−R−CO− (4)
[式(4)中、Rは直接結合を示すか、2価の鎖状脂肪族炭化水素基及び/又は2価の脂環式炭化水素基を示し、共重合されている場合には1種に限定されない。]
−OC−R−CO− (5)
[式(5)中、Rは2価の芳香族炭化水素基を示し、共重合されている場合には1種に限定されない。]
式(3)のジオール単位を与えるジオール成分は、炭素数が通常2以上10以下のものであり、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。中でも、炭素数2以上4以下のジオールが好ましく、エチレングリコール、1,4−ブタンジオールがより好ましく、1,4−ブタンジオールが特に好ましい。
式(4)のジカルボン酸単位を与えるジカルボン酸成分は、炭素数が通常2以上10以下のものであり、例えば、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等が挙げられる。中でも、コハク酸又はアジピン酸が好ましい。
式(5)の芳香族ジカルボン酸単位を与える芳香族ジカルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等が挙げられ、中でも、テレフタル酸、イソフタル酸が好ましく、テレフタル酸が特に好ましい。また、芳香環の一部がスルホン酸塩で置換されている芳香族ジカルボン酸が挙げられる。なお、脂肪族ジカルボン酸成分、脂肪族ジオール成分及び芳香族ジカルボン酸成分は、それぞれ2種類以上を用いることもできる。
本発明における芳香族脂肪族ポリエステル樹脂には、脂肪族オキシカルボン酸単位が含有されていてもよい。脂肪族オキシカルボン酸単位を与える脂肪族オキシカルボン酸の具体例としては、乳酸、グリコール酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシカプロン酸、6−ヒドロキシカプロン酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−ヒドロキシイソカプロン酸、又はこれらの混合物等が挙げられる。更に、これらの低級アルキルエステル又は分子内エステルであってもよい。これらに光学異性体が存在する場合には、D体、L体又はラセミ体の何れでもよく、形態としては固体、液体又は水溶液の何れであってもよい。これらの中で好ましいものは、乳酸又はグリコール酸である。これら脂肪族オキシカルボン酸は単独でも、2種以上の混合物としても使用することもできる。
この脂肪族オキシカルボン酸の量は、芳香族脂肪族ポリエステル樹脂を構成する全構成成分中、下限が通常0モル%以上、好ましくは0.01モル%以上であり、上限が通常30モル%以下、好ましくは20モル%以下である。
芳香族脂肪族ポリエステル樹脂は、前記脂肪族ポリエステル樹脂と同様の製法により製造することができる。
本発明に用いられる芳香族脂肪族ポリエステル樹脂のメルトフローレート(MFR)は、190℃、2.16kgで測定した場合、下限が通常0.1g/10分以上であり、上限が通常100g/10分以下、好ましくは50g/10分以下、特に好ましくは30g/10分以下である。
上記した芳香族脂肪族ポリエステル樹脂の含有量は、飽和ポリエステル樹脂全体を基準(100質量%)として、好ましくは1質量%以上70質量%以下である。含有量の下限は、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上である。最も好ましくは20質量%以上である。含有量の上限は、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは40質量%である。芳香族脂肪族ポリエステル樹脂の含有量が多すぎると、フィルムのコシが不足し、各種包装材料として使用するためにはフィルムの厚さを厚くする必要がある場合がある。一方、芳香族脂肪族ポリエステル樹脂の含有量が少なすぎると、引張り伸び率、引裂き強度等が不足する場合がある。
[澱粉系物質]
本発明は、熱可塑性樹脂及び澱粉系物質を主要な原料とする澱粉含有組成物の製造方法に関するものである。澱粉系物質は、分子式(C10の炭水化物(多糖類)で、多数のα−グルコース分子がグリコシド結合によって重合した天然高分子(以下、「澱粉」と略記する)とその変性物をいう。ここで「変性」は、化学的、物理的、生物学的等のあらゆる変性を含むものである。化学的変性としては、澱粉の構成単位の一部又は全部をエステル化、エーテル化、酸化、還元、カップリング、脱水、加水分解、脱水素、ハロゲン化等の化学反応により変性することを示し、特には、水酸基をエーテル化又はエステル化することを示す。また物理変性は、結晶化度を変化させること等、物理的性質を変化させることを示す。また生物学的変性は、生物を用いて化学構造等を変化させることを示す。
本発明で使用される澱粉系物質は、具体的には、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、ハイアミロースコーンスターチ、小麦澱粉、米澱粉、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、タピオカ澱粉、エンドウ澱粉等が挙げられ、コーンスターチ又は馬鈴薯澱粉が、比較的糊化温度の高い点で好ましく、コーンスターチが同様の点から最も好ましい。
[澱粉系物質と可塑剤の混合]
本発明の澱粉含有組成物の製造方法においては、上記澱粉系物質と可塑剤をスクリュー式押出機に供給して混合して糊化澱粉を得る工程と、次いで熱可塑性樹脂を未溶融の状態で供給して溶融混合する工程を逐次的に行うことを特徴とする。
[[可塑剤]]
可塑剤は、澱粉系物質と混合されて、その粘度を下げるものであれば特に限定はないが、アルコール類が好ましく、2価以上のアルコール類が特に好ましい。可塑剤の沸点は特に限定はないが、100℃以上が好ましく、160℃以上が特に好ましい。高沸点の可塑剤を用いることで、糊化工程と熱可塑性樹脂とを混合する工程の間で、糊化澱粉の老化及び/又は焙焼を防ぐことができる。具体的には、グリセリン、ソルビトール、ペンタエリスリトール、プロピレングリコール及びエチレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも1種類が、澱粉系物質との親和性が高く、熱可塑性樹脂との混合時に熱可塑性樹脂への移行が少ないこと、成形体とした時のブリードアウトが少ないこと等の点で好ましい。
本発明の澱粉含有組成物の製造方法においては、澱粉系物質と可塑剤をスクリュー式押出機に供給して混合する。その配合比は、澱粉系物質100重量部に対して、可塑剤10〜60部が必須であるが、可塑剤20〜60部が好ましく、可塑剤30〜50部が特に好ましい。可塑剤が少な過ぎると澱粉系物質の粘度を十分に下げることができずに澱粉系物質の分散が不十分になる場合がある。本発明は、澱粉系物質の粘度を低くしても澱粉系物質の分散を良好に維持できるので、可塑剤を多く含有させられることに特徴がある。一方、可塑剤が多過ぎると、成形体とした時に可塑剤がブリードアウトしてベタツキの原因となったり、ヒートシール性低下の原因となったりする場合がある。
本発明においては、上記澱粉系物質と上記可塑剤を、スクリュー式押出機に供給して混合するが、スクリュー式押出機としては、二軸スクリュー押し出し機、単軸スクリュー押し出し機等が何れも好適に使用できる。中でも、同方向回転かみ合い型二軸スクリュー押し出し機が特に好適である。スクリュー式押出機を用いることによって、1台のスクリュー式押出機の上流部で澱粉系物質の糊化を行い、下流部に未溶融の熱可塑性樹脂原料を供給して、熱可塑性樹脂の溶融と糊化した澱粉系物質との混合を同時に行うことができ、結果として良分散した澱粉含有組成物が得られる。
先に澱粉系物質と可塑剤のみをスクリュー式押出機に供給して混合することが好ましいが、本発明の効果を損なわない限り、少量の熱可塑性樹脂であれば混合しておくこともできる。
本発明においては、上記澱粉系物質と上記可塑剤をスクリュー式押出機に供給して加熱混合して糊化を行う。これによって、従来の「2パス」法では不可能だった高可塑剤含量の糊化澱粉を中間生成物とすることができる。澱粉系物質と可塑剤をスクリュー式押出機で混合するときの設定温度は、押出機運転の常法に従い供給位置から徐々に温度を上げて行く。最高設定温度は、好ましくは80〜190℃であり、より好ましくは100〜160℃である。最高設定温度が高過ぎる場合は、可塑剤が蒸発して失われ澱粉が焙焼する場合があり、一方、低過ぎる場合は、澱粉の糊化が不十分となり低粘度化が不足となる場合がある。
[熱可塑性樹脂との溶融混練]
本発明の澱粉含有組成物の製造方法においては、澱粉系物質と可塑剤を混合する工程に引き続き、熱可塑性樹脂を未溶融の状態で供給して溶融混合する工程を逐次的に行うことを特徴とする。本発明でいう「未溶融状態」とは、先に澱粉系物質と可塑剤の混合を行ったスクリュー式押出機に、熱可塑性樹脂を、加熱設備を持たない供給装置にて供給することにより実現する状態のことである。熱可塑性樹脂は全く溶融していないことが好ましいが、スクリュー式押出機本体からの伝熱によって部分的に溶融しても多くの部分が溶融していなければ本発明の効果は損なわれない。未溶融の熱可塑性樹脂を供給することで、熱可塑性樹脂は溶融しながら糊化澱粉と混合されるために、糊化澱粉に対して高粘度状態が実現し、澱粉系物質の分散が良好となる。なお、本発明でいう「引き続いて行なう」とは、本発明の効果を損なわない範囲であれば、相溶化剤、無機充填剤等の「その他の成分」の混合工程、揮発成分の脱揮工程等を本発明の工程中に行ってもよく、連続して行う工程がより好ましい。
熱可塑性樹脂の配合割合は、澱粉系物質100重量部に対して、熱可塑性樹脂90〜240重量部が必須であるが、100〜230重量部が好ましく、130〜200重量部が特に好ましい。澱粉系物質に対して、熱可塑性樹脂が多過ぎると、澱粉系物質による物性改良効果が十分に発現しない場合があり、一方、熱可塑性樹脂が少な過ぎると、耐水性、耐加水分解性、柔軟性等が損なわれる場合がある。
スクリュー式押出機の下流部に未溶融の熱可塑性樹脂原料を供給して、熱可塑性樹脂の溶融と糊化した澱粉系物質との混合を同時に行うが、その時の最高設定温度は、熱可塑性樹脂の融点付近であることが好ましく、熱可塑性樹脂の融点±10℃であることがより好ましい。先に高可塑剤含量で低粘度化した澱粉と、比較的低温で混合することにより、従来技術では実現できなかった粘度比で混合することができ、良分散の組成物が得られる。最高設定温度が高過ぎる場合は、熱可塑性樹脂の粘度低下が起こり、大きな粘度比が得られない場合があり、一方、最高設定温度が低過ぎる場合は、熱可塑性樹脂が溶融不良を起こす場合がある。
[その他の成分]
本発明においては、相溶化剤、無機充填剤、有機充填剤、結晶核剤、酸化防止剤、アンチブロッキング剤、紫外線吸収剤、耐光剤、酸化防止剤、熱安定剤、着色剤、難燃剤、離型剤、帯電防止剤、防曇剤、表面ぬれ改善剤、焼却補助剤、顔料、滑剤、分散助剤、界面活性剤、スリップ剤、加水分解防止剤、末端封止剤等の「その他の成分」を使用してもよい。これらは、本発明の前記効果を損なわない範囲で任意に使用できる。
[成形体の製造方法]
上記製造方法によって製造された澱粉含有組成物は、種々の公知の成形機に供給して成形体を得ることができる。本発明の製造方法によって製造された澱粉含有組成物は、分散不良が少なく、インフレーションフィルム成形の際に吹き破れが起こりにくいため、ゴミ袋、買い物袋等の袋として二次加工するときに特に好ましい。
[成形体の用途]
本発明の製造方法によって製造された澱粉含有組成物からなる成形体は、上記物性を有するようにできるので、あらゆる用途に用いられるが、特に、農業用フィルム、ゴミ袋、買い物袋、コンポスト袋、レジ袋、食品包装材料、食料品容器等の用途に使用可能な、生分解性フィルム等の生分解性成形体に好適に使用できる。特に、ゴミ袋又は買い物袋により好適に使用できる。
以下に本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
日本製鋼所社製の二軸スクリュー式押出機TEX30(22シリンダー:L/D=77)を用い、第9シリンダー〜第14シリンダーにかけて澱粉糊化工程のための混練エレメントを配置し、設定温度を80〜130℃とした。更に第18シリンダー〜第20シリンダーにかけて、樹脂との溶融混合工程のための混練エレメントを配置し、設定温度を120℃として、スクリュー回転数を200rpmとした。
第1シリンダーにコーンスターチ(日本コーンスターチ社製、コーンスターチY−3P)を3.6kg/hrで供給し、第6シリンダーにグリセリンを1.8kg/hrで供給し、第16シリンダーに脂肪族ポリエステル樹脂として、PBSA系樹脂具体的には三菱化学社製GSPla(グレード名:AD92WN)を3.6kg/hrで供給した。
得られた澱粉含有組成物ペレットを70℃、窒素雰囲気下で8時間乾燥後、インフレーション成形機にて成形し、厚み30μmのフィルムを得た。得られたフィルムは良好な外観を有していた。
<実施例2>
実施例1において、第16シリンダーに供給したPBSA系樹脂GSPla(グレード名:AD92WN)の供給量を8.1kg/hrにした以外は実施例1と同様に、厚み30μmのフィルムを得た。得られたフィルムは良好な外観を有していた。
<実施例3>
実施例1において、第6シリンダーに供給したグリセリンの供給量を1.08kg/hrとし、第16シリンダーに供給したPBSA系樹脂GSPla(グレード名:AD92WN)の供給量を7.02kg/hrにした以外は実施例1と同様に、厚み30μmのフィルムを得た。得られたフィルムは良好な外観を有していた。
<実施例4>
実施例1において、第16シリンダーに供給した樹脂を、PBS系樹脂具体的には三菱化学社製GSPla(グレード名:AZ91TN)2.7kg/hrと芳香族脂肪族ポリエステル樹脂PBAT系樹脂、具体的にはBASF社製エコフレックス0.9kg/hrに変更した以外は実施例1と同様に、厚み30μmのフィルムを得た。得られたフィルムは良好な外観を有していた。
<実施例5>
実施例2において、第16シリンダーに供給した樹脂と供給量を、PBS系樹脂GSPla(グレード名:AZ91TN)6.075kg/hr、PBAT系樹脂(BASF社製エコフレックス)2.025kg/hrとした以外は実施例2と同様に、厚み30μmのフィルムを得た。得られたフィルムは良好な外観を有していた。
<比較例1>
日本製鋼所社製の二軸スクリュー式押出機TEX30(22シリンダー:L/D=77)を用い、第9シリンダー〜第14シリンダー及び第18シリンダー〜第20シリンダーにかけて、澱粉の糊化と樹脂の溶融混合のための混練エレメントを配置し、設定温度を80〜120℃とした。スクリュー回転数は200rpmとした。
第1シリンダーに、コーンスターチ(日本コーンスターチ社製、コーンスターチY−3P)を3.6kg/hr、PBS系樹脂GSPla(グレード名:AZ91TN)を2.7kg/hr、PBAT系樹脂エコフレックスを0.9kg/hrとで供給し、第6シリンダーにグリセリンを1.8kg/hrで供給した。
得られた澱粉含有組成物ペレットを、70℃窒素雰囲気下で8時間乾燥後、インフレーション成形機にて成形をこころみたが、穴あきが多発し安定した成形が不可能であった。得られたフィルムはザラザラな外観であった。
<比較例2>
日本製鋼所社製の2軸スクリュー式押出機TEX30(12シリンダー:L/D=42)を用い、第4シリンダー〜第5シリンダー及び第8シリンダー〜第10シリンダーにかけて、澱粉の糊化のための混練エレメントを配置し、設定温度を80〜120℃とした。スクリュー回転数は200rpmとした。
第1シリンダーにコーンスターチ(日本コーンスターチ社製、コーンスターチY−3P)を3.6kg/hrで供給し、第3シリンダーにグリセリンを1.62kg/hrで供給した。
押し出された糊化澱粉のストランドをストランドカッターでペレット化したところ、室温で静置しただけで融着してしまい、熱可塑性樹脂との混合工程に使用できなくなった。
Figure 2009155530
*:1パス目の中間生成物(糊化澱粉)が融着し、2パス目は実施不可であった。
表1中の数字は、質量部を示す。
表1中の「フィルム外観」の評価は、以下の通りである。
○:目視で表面が滑らかで問題なし
×:目視でザラザラしていることが明らかに分かる
本発明の澱粉含有組成物の製造方法は、生分解性ポリエステル樹脂に澱粉系物質を分散性良く含有させることができ、外観や力学物性に優れたフィルム成形体を得ることができ、また地球環境の保全にも大きく貢献できるので、樹脂成形体を使用する分野に広く利用されるものである。

Claims (8)

  1. 飽和ポリエステル樹脂を含む熱可塑性樹脂及び澱粉系物質、を主要な原料とする澱粉含有組成物の製造方法であって、100重量部の澱粉系物質と10〜60重量部の可塑剤をスクリュー式押出機に供給して加熱混合する工程と、それに引き続き90〜240重量部の熱可塑性樹脂を未溶融の状態で供給して溶融混合する工程を逐次的に行うことを特徴とする澱粉含有組成物の製造方法。
  2. 上記飽和ポリエステル樹脂が、脂肪族ポリエステル樹脂及び/又は芳香族脂肪族ポリエステル樹脂である請求項1に記載の澱粉含有組成物の製造方法。
  3. 上記脂肪族ポリエステル樹脂が、ポリブチレンサクシネート系樹脂及び/又はポリブチレンサクシネートアジペート系樹脂である請求項2に記載の澱粉含有組成物の製造方法。
  4. 上記可塑剤が、グリセリン、ソルビトール、ペンタエリスリトール、プロピレングリコール及びエチレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも1種類である請求項1ないし請求項3の何れかの請求項に記載の澱粉含有組成物の製造方法。
  5. 上記澱粉系物質がコーンスターチである請求項1ないし請求項4の何れかの請求項に記載の澱粉含有組成物の製造方法。
  6. 請求項1ないし請求項5の何れかの請求項に記載の澱粉含有組成物の製造方法によって製造された澱粉含有組成物をインフレーションフィルム成形機に供給し押出して成形体を得ることを特徴とする成形体の製造方法。
  7. 上記成形体がゴミ袋又は買い物袋である請求項6に記載の成形体の製造方法。
  8. 請求項6又は請求項7記載の成形体の製造方法によって製造されたことを特徴とする成形体。
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