JP2011241276A - 生分解性樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】生分解性を有する樹脂(A)、樹脂(A)と異なる熱可塑性樹脂(B)、澱粉(C)、および水酸基を含有する有機化合物(D)からなる澱粉含有樹脂組成物(Y)の製造方法であって、生分解性を有する樹脂(A)、樹脂(A)と異なる熱可塑性樹脂(B)、30重量%以上60重量%以下の澱粉(C)、並びに3重量%以上20重量%以下の水酸基を含有する有機化合物(D)を、溶融混練して澱粉含有樹脂組成物(X)を得る工程、および該澱粉含有樹脂組成物(X)を、生分解性を有する樹脂(A)並びに樹脂(A)と異なる熱可塑性樹脂(B)から選ばれる少なくとも1つの樹脂で希釈する工程を有する、澱粉含有樹脂組成物(Y)の製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、機械物性、特に引張弾性率や引裂き強度が改善された、生分解性樹脂組成物およびその製造方法を提供することを課題とする。
[1]
30重量%以上90重量%以下の生分解性を有する樹脂(A)、2重量%以上30重量%未満の樹脂(A)と異なる熱可塑性樹脂(B)、5重量%以上30重量%以下の澱粉(C)、および1重量%以上10重量%以下の水酸基を含有する有機化合物(D)からなる澱粉含有樹脂組成物(Y)の製造方法であって、
(i)樹脂(A)、樹脂(A)と異なる熱可塑性樹脂(B)、30重量%以上60重量%以下の澱粉(C)、並びに3重量%以上20重量%以下の水酸基を含有する有機化合物(D)を、溶融混練して澱粉含有樹脂組成物(X)を得る工程、
および
(ii)前記澱粉含有樹脂組成物(X)を、樹脂(A)並びに樹脂(A)と異なる熱可塑性樹脂(B)から選ばれる少なくとも1つの樹脂で希釈する工程、
を有する、澱粉含有樹脂組成物(Y)の製造方法。
[2]
[1]に記載の澱粉含有樹脂組成物(Y)の製造方法であって、
(i)主原料供給部および副原料供給部を有する二軸スクリュー式押出機を用い、該主原料供給部から、前記樹脂(A)と異なる熱可塑性樹脂(B)と、澱粉(C)と、水酸基を含有する有機化合物(D)とを供給し、樹脂(A)を該副原料供給部から供給して混練を行うことにより、澱粉(C)の含有量が30重量%以上60重量%以下である澱粉含有樹脂組成物(X)を得る工程、
および
(ii)樹脂組成物(X)と、前記樹脂(A)並びに樹脂(A)と異なる熱可塑性樹脂(B)とを混合する工程、
を有する、澱粉含有樹脂組成物(Y)の製造方法。
[3]
前記工程(i)における樹脂(A)と異なる熱可塑性樹脂(B)の、澱粉(C)に対する比率が20重量%以上70重量%以下である、[1]または[2]に記載の澱粉含有樹脂組成物(Y)の製造方法。
[4]
前記生分解性を有する樹脂(A)が、脂肪族ポリエステルである、[1]から[3]のいずれか1項に記載の澱粉含有樹脂組成物(Y)の製造方法。
[5]
前記生分解性を有する樹脂(A)が、ポリブチレンサクシネートおよびポリブチレンサクシネートアジペートから選ばれる少なくとも1つである、[1]から[4]のいずれか1項に記載の澱粉含有樹脂組成物(Y)の製造方法。
[6]
前記樹脂(A)と異なる熱可塑性樹脂(B)が、芳香族−脂肪族ポリエステル樹脂である、[1]から[5]のいずれか1項に記載の澱粉含有樹脂組成物(Y)の製造方法。
[7]
[1]から[6]のいずれか1項に記載の製造方法により製造された澱粉含有樹脂組成物(Y)であって、澱粉含有樹脂組成物(Y)中に含まれる澱粉(C)の分散径が1μm以下である、澱粉含有樹脂組成物(Y)。
[8]
40℃の土中に厚さ20μmのフィルム試験片を埋設した際の1週間後のフィルムの重量減少率が10%未満である、[7]に記載の澱粉含有樹脂組成物(Y)。
[9]
[7]または[8]に記載の澱粉含有樹脂組成物(Y)を成形してなる成形品。
[10]
[7]または[8]に記載の澱粉含有樹脂組成物(Y)を成形してなるフィルム。
[11]
JIS K7128に準拠したエルメンドルフ引裂強度が10N/mm以上である、[10]に記載のフィルム。
なお、本明細書では、特定の樹脂を成分として含有する樹脂組成物を、その主成分となる樹脂の名前を冠して呼ぶ場合がある。ここで「主成分」とは通常、組成物を構成する成分中最も多い成分のことをいい、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上、特に好ましくは90重量%以上を占める成分をいうものとする。例えば、「ポリブチレンサクシネート系樹脂」とは、ポリブチレンサクシネート系樹脂を主成分とする樹脂組成物をいう。
また、以下の記載では、ある単量体に由来する重合体の部分構造単位を、その単量体の名称に「単位」という言葉を付して表わす。例えば、ジカルボン酸に由来する部分構造単位は、「ジカルボン酸単位」という名称で表わされる。
本発明における生分解性を有する樹脂(A)としては、生分解性を有する樹脂であれば制限はなく、本発明の効果を著しく損なわない限り、公知のいかなる生分解性樹脂をも用いることができる。より具体的に好ましいものとしては、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリエチレンサクシネート、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシバリレート、ポリ乳酸、ポリグリコール酸等の脂肪族ポリエステルおよびその誘導体、ポリシクロヘキシレンジメチルアジペートの如き脂環族ポリエステルおよびその誘導体、ヒドロキシブチレートーヒドロキシバリレート共重合体の如き脂肪酸エステル共重合体、ポリ(ブチレンアジペート/テレフタレート)、ポリ(エチレンテレフタレート/サクシネート)などの芳香族−脂肪族ポリエステル、等があげられる。樹脂(A)としては、複数の樹脂を混合して用いても構わない。ただし、熱可塑性樹脂(B)の項で記載するように、本発明に係る澱粉含有樹脂組成物(X)および澱粉含有樹脂組成物(Y)には、樹脂(A)と異なる樹脂であれば熱可塑性樹脂(B)として生分解性を有する樹脂を使用することを妨げない。すなわち、生分解性を有する樹脂を複数用いている場合、熱可塑性樹脂であって且つ熱可塑性樹脂(B)で規定する組成物中の重量比率を満たすものは、熱可塑性樹脂(B)として理解されることを妨げない。
[式(1)中、R1は2価の鎖状脂肪族炭化水素基および/又は2価の脂環式炭化水素基を示す。共重合されている場合には、樹脂中に2種以上のR1が含まれていてもよい。]
[式(2)中、R2は2価の鎖状脂肪族炭化水素基および/又は2価の脂環式炭化水素基を示す。共重合されている場合には、樹脂中に2種以上のR2が含まれていてもよい。]
式(2)のジカルボン酸単位を与える脂肪族ジカルボン酸成分は特に限定されないが、炭素数2〜10個の脂肪族ジカルボン酸成分が好ましく、炭素数4〜8個の脂肪族ジカルボン酸成分が特に好ましい。具体的には、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等があげられる。
また、脂肪族ポリエステル系樹脂は、3官能以上の化合物である、「脂肪族又は脂環式多価アルコール」、「脂肪族又は脂環式多価カルボン酸又はその無水物」、「脂肪族多価オキシカルボン酸」のうちの、少なくとも1種を共重合させたものであると、得られる脂肪族ポリエステル系樹脂の溶融粘度を高めることができるため好ましい。
3官能の脂肪族又は脂環式多価カルボン酸又はその無水物の具体例としては、プロパントリカルボン酸又はその無水物が挙げられ、4官能の脂肪族又は脂環式多価カルボン酸又はその無水物の具体例としては、シクロペンタンテトラカルボン酸又はその無水物があげられる。
脂肪族ポリエステル系樹脂の製造方法は、本発明の効果を著しく損なわない限り制限はなく、公知のいずれの方法でも製造することができる。例えば、ジカルボン酸成分とジオール成分とのエステル化反応を行った後、減圧下で重縮合反応を行なうといった溶融重合法や、有機溶媒を用いた溶液加熱脱水縮合法等によって製造することができる。中でも、経済性ならびに製造工程の簡略性の観点から、無溶媒下で行なう溶融重合法が好ましい。
カーボネート化合物の具体例としては、ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−クレジルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、エチレンカーボネート、ジアミルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネート等があげられる。その他に、フェノール類、アルコール類のようなヒドロキシ化合物から誘導される、同種、又は異種のヒドロキシ化合物からなるカーボネート化合物が使用可能である。
多官能イソシアネート化合物の具体例としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートとの混合体、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の公知のジイソシアネートや3官能以上のイソシアネート化合物等があげられる。
珪酸エステルの具体例としては、テトラメトキシシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジメトキシジメチルシラン、ジフェニルジヒドロキシラン等が好ましい。珪酸エステルは、環境保全や安全性の観点からは、その含有量に制限はない。ただし、操作が煩雑になったり、重合速度に影響を与えたりする可能性があるため、その使用量は少ない方が好ましい。具体的には、脂肪族ポリエステル系樹脂を構成する全構成単位に対して、0.1モル%以下が好ましく、10−5モル%以下がさらに好ましい。
なお、脂肪族ポリエステル系樹脂は、バイオマス資源から誘導してもよい。バイオマス資源の種類やその製造方法は、本発明の効果を著しく損なわない限り制限はない。例えば、酸やアルカリ等の化学処理、微生物を用いた生物学的処理、および、物理的処理等の、公知のいずれの前処理・糖化の工程を経て炭素源へ誘導して得られたバイオマス資源を用いることもできる。
また、脂肪族ポリエステル系樹脂の好ましい融点は、通常60℃以上、好ましくは70℃以上、より好ましくは80℃以上、また、通常250℃以下、好ましくは240℃以下、より好ましくは220℃以下である。なお、融点は、例えば示差走査熱量測定(DSC)により測定することができる。具体的には、パーキン・エルマー社製のDSC7型示差走査熱量計を用いて、試料を室温から80℃/分の条件で230℃まで昇温し、同温度にて10分間保持後、−10℃/分にて40℃まで降温し、同温度にて3分間保持した後、10℃/分の昇温条件下で融解した時のピーク温度をもって融点とすることができる。
本発明の澱粉含有樹脂組成物(Y)における、生分解性樹脂(A)の含有量は、澱粉含有樹脂組成物(Y)全体を基準(100%)として、重量割合で、通常30%以上、好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上であり、含有量の上限は、90%以下、好ましくは80%以下、より好ましくは70%以下である。生分解性樹脂(A)の含有量が多すぎると、引裂き強度などの物性が低下したり、コストが上昇したりするなどして好ましくない。一方、生分解性樹脂(A)の含有量が少なすぎると、引張弾性率などの物性が低下したり、フィルム成形性が悪化したりするなどして好ましくない。
熱可塑性樹脂(B)としては、樹脂(A)として用いた樹脂と異なる熱可塑性を有する樹脂であれば制限はなく、本発明の効果を著しく損なわない限り、公知の熱可塑性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂(B)は、樹脂(A)と異なる樹脂であれば、生分解性を有する樹脂を用いることも妨げず、樹脂(A)として用いることのできる樹脂として具体的に例示した樹脂であっても構わない。より具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂;ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド;ポリスチレン;メタクリル樹脂;ポリカーボネート;ポリ塩化ビニル;エチレン・酢酸ビニル共重合体;オレフィン系、スチレン系などの各種熱可塑性エラストマーなどがあげられる。中でも好ましくは、芳香族−脂肪族ポリエステルが用いられる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で使用してもよいし、2種類以上を混合して使用しても良い。
芳香族単位としては、例えば、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を有する芳香族ジオール単位、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を有する芳香族ジカルボン酸単位、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を有する芳香族オキシカルボン酸単位等があげられる。芳香族炭化水素基は、単環でもよいし、複数の環が互いに結合、又は縮合したものでもよい。芳香族炭化水素基の具体例としては、1,2−フェニル基、1,3−フェニル基、1,4−フェニル基、ジナフチル基、ジフェニル基等があげられる。
芳香族ジカルボン酸成分としては、芳香族ジカルボン酸化合物の誘導体でもよい。例えば、上記に例示した芳香族ジカルボン酸成分の誘導体が好ましく、中でも、炭素数1以上4以下である低級アルキルエステルや、酸無水物等があげられる。芳香族ジカルボン酸化合物の誘導体の具体例としては、上記例示した芳香族ジカルボン酸成分のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル等の、低級アルキルエステル;無水コハク酸等の、上記例示した芳香族ジカルボン酸成分の環状酸無水物;等があげられる。中でも、ジメチルテレフタレートが好ましい。
芳香族−脂肪族ポリエステル系樹脂の好ましいメルトフローインデックス(MFI)は、190℃、2.16kgで測定した場合、通常0.1g/10分以上、また、通常100g/10分以下、好ましくは50g/10分以下、さらに好ましくは30g/10分以下である。ここで、MFIとは、JIS K7210に規定される、熱可塑性プラスチックの流れ試験方法に準じて測定された、190℃、荷重2.16kgにおける値である。
また、芳香族−脂肪族ポリエステル系樹脂の好ましい融点は、通常60℃以上、好ましくは70℃以上、より好ましくは80℃以上、また、通常150℃以下、好ましくは140℃以下、より好ましくは120℃以下である。融点は、例えば示差走査熱量測定(DSC)により測定することができる。具体的には、パーキン・エルマー社製のDSC7型示差走査熱量計を用いて、試料を室温から80℃/分の条件で230℃まで昇温し、同温度にて10分間保持後、−10℃/分にて40℃まで降温し、同温度にて3分間保持した後、10℃/分の昇温条件下で融解した時のピーク温度をもって融点とすることができる。
本発明の澱粉含有樹脂組成物(Y)における、樹脂(A)と異なる熱可塑性樹脂(B)の含有量は、澱粉含有樹脂組成物全体を基準(100%)とした重量割合で、通常2%以上、好ましくは5%以上であり、通常30%未満、好ましくは25%以下である。樹脂(A)と異なる熱可塑性樹脂(B)の含有量が多すぎると、生分解性樹脂組成物から得られるフィルムのコシが不足し、また生分解速度が低下して好ましくない。一方、樹脂(A)と異なる熱可塑性樹脂(B)の含有量が少なすぎると、澱粉の分散性が悪化したり、引張弾性率や引裂き強度が不足したりして好ましくない。
本発明に係る澱粉含有樹脂組成物に使用される澱粉(C)は、分子式(C6H10O5)nの炭水化物(多糖類)であり、多数のα−グルコース分子がグリコシド結合によって重合した天然高分子とその変性物をいう。「変性」には、化学的、物理的、生物学的等のあらゆる変性方法を含む。化学的変性としては、炭水化物(多糖類)の構成単位の一部又は全部をエステル化、エーテル化、酸化、還元、カップリング、脱水、加水分解、脱水素、ハロゲン化等の化学反応により変性することを示し、特には、水酸基をエーテル化、エステル化することを示す。また、物理的変性は、結晶化度を変化させること等、物理的性質を変化させることを示す。また、生物学的変性は、生物を用いて化学構造等を変化させることを示す。
本発明で使用される澱粉は、後述する水酸基を有する有機化合物などの可塑剤を添加し、必要に応じて外力を加えながら加熱することにより、澱粉の粒子が破壊されて高温での流動性を有するようになる。
本発明の澱粉含有樹脂組成物(X)および(Y)においては、澱粉(C)は、引裂き強度や引張弾性率などの物性を向上させる観点から、樹脂組成物中における平均分散径が1μm以下で存在することが好ましく、より好ましくは0.7μm以下、さらに好ましくは0.5μm以下で存在することが好ましい。なお、ここでいう澱粉の平均分散径は、円相当径(澱粉相の面積を測定し、その面積をもつ真円を描いたときの直径)の平均値である。
本発明に係る澱粉含有樹脂組成物に使用される水酸基を含有する有機化合物(D)は、水酸基を有していれば特に限定はないが、具体的には、例えば、1価アルコール、多価アルコール、多価アルコールの部分エステル若しくは部分エーテル等があげられる。これらの中で好ましくは、ソルビトール、ペンタエリストール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ヘプタンジオール、1,6−へキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ナノンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、グリセリンモノアルキルエステル、グリセリンジアルキルエステル、グリセリンモノアルキルエーテル、グリセリンジアルキルエーテル、ジグリセリン、ジグリセリンアルキルエステル等であり、より好ましくはエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、グリセリンモノエステル、ソルビトール又はペンタエリスリトールであり、特に好ましくはグリセリン、ソルビトール、ペンタエリスリトール、プロピレングリコール又はエチレングリコールである。水酸基を含有する有機化合物は、1種又は2種類以上が用いられる。
澱粉含有樹脂組成物(X)における水酸基を含有する有機化合物(D)の含有量は、澱粉含有樹脂組成物(X)全体を基準(100重量%)として、通常3重量%以上20重量%以下である。水酸基を含有する有機化合物(D)の含有量は、好ましくは15重量%以下であり、特に好ましくは10重量%以下である。一方、好ましくは5重量%以上、より好ましくは7重量%以上、特に好ましくは10重量%以上である。水酸基を含有する有機化合物(D)の含有量が少なすぎると、添加した澱粉の可塑化が十分に進行せずに澱粉の生分解性を有する樹脂(A)及び樹脂(A)と異なる熱可塑性樹脂(B)への分散が良好でなくなるために機械物性が低下したりする場合がある。一方、水酸基を含有する有機化合物の含有量が多すぎる場合は、澱粉含有樹脂組成物(X)の溶融粘度が低くなりすぎるため、後述する工程(ii)において生分解性を有する樹脂(A)と、樹脂(A)と異なる熱可塑性樹脂(B)との混合状態が悪くなる場合がある。
澱粉含有樹脂組成物(Y)における水酸基を含有する有機化合物の含有量は、澱粉含有樹脂組成物(Y)全体を基準(100重量%)として、通常1重量%以上10重量%以下である。水酸基を含有する有機化合物(D)の含有量は、好ましくは9重量%であり、特に好ましくは8重量%である。一方、好ましくは2重量%以上、特に好ましくは3重量%以上である。水酸基を含有する有機化合物(D)の含有量が少なすぎると、生分解性を有する樹脂(A)とりわけ脂肪族ポリエステル樹脂に由来するオリゴマーが表面へ析出したり、成形品の機械物性が低下したりする場合がある。一方、水酸基を含有する有機化合物の含有量が多すぎる場合は、成形体表面に水酸基を含有する有機化合物が偏析し、表面外観等の性状を損なう、成形品の弾性率が低くなりすぎる場合がある。
本発明の生分解性樹脂組成物には、さらに、従来公知の各種添加剤を配合することができる。そのような添加剤としては、例えば、無機充填剤、熱安定剤、耐光剤、紫外線吸収剤、相溶化剤、帯電防止剤があげられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して使用してもよい。また、これらの物質は、生分解性を有する樹脂(A)、熱可塑性樹脂(B)、澱粉(C)、および水酸基を含有する有機化合物(D)からなる群より選ばれる少なくとも1つに予め添加されていてもよいし、溶融混練して澱粉含有樹脂組成物(X)を得る工程中に添加されてもよいし、樹脂(A)並びに樹脂(A)と異なる熱可塑性樹脂(B)から選ばれる少なくとも1つの樹脂で希釈する工程中に添加されてもよい。さらに、その他添加剤は、任意の形態で混合することができる。例えば、樹脂の溶融時に固体で混合してもよいし、溶剤に溶解した溶液として、あるいは、溶剤に分散させたスラリーとして混合してもよい。
また、相溶化剤としては、例えば、脂肪族ポリエステルと、ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、液晶ポリマー等の芳香族系ポリエステル樹脂;ポリ塩化ビニル樹脂;SEBS(ポリスチレン−block−ポリ(エチレン−co−ブチレン)−block−ポリスチレン)、SEPS(ポリスチレン−block−ポリ(エチレン−co−プロピレン)−block−ポリスチレン)、ポリスチレン等のスチレン系樹脂;ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン9、ナイロン11、ナイロン13ナイロン4、ナイロン4−6、ナイロン5−6、ナイロン12、ナイロン10−12、アラミド等のポリアミド系樹脂;リアセタール樹脂;ポリメチルメタクリレート、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル等のアクリル樹脂;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ1,3−プロパンジオール、ポリテトラメレングリコール、変性ポリフェニレンエーテル等のポリエーテル樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂;ポリエーテルケトン樹脂;ポリエーテルエーテルケトン樹脂;等があげられる。また、上述の樹脂とのグラフト共重合体、ブロック共重合体、マルチブロック共重合体、ランダム共重合体等もあげられる。
ノニオン系の帯電防止剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、アルキルジエタノールアミン、ヒドロキシアルキルモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン脂肪酸エステルアルキルジエタノールアマイド類等があげられる。中でもアルキルジエタノールアミン類等が好ましい。
アニオン系の帯電防止剤としては、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルホスフェート等があげられる。中でも、アルキルベンゼンスルホン酸塩が好ましい。樹脂との混練性がよく、帯電防止効果も高いためである。
本発明においては、前記生分解性を有する樹脂(A)、樹脂(A)と異なる熱可塑性樹脂(B)、澱粉(C)、および水酸基を有する有機化合物(D)を、溶融混練することで本発明に係る澱粉含有樹脂組成物(X)を製造する(以下、工程(i)と略記することがある。)。
混合機としては、水平円筒型、V字型、二重円錐型混合機やリボンブレンダー、スーパーミキサーのようなブレンダー、また各種連続式混合機等を使用できる。また、混練機としては、ロールやインターナルミキサーのようなバッチ式混練機、一段型、二段型連続式混練機、二軸スクリュー押出機、単軸スクリュー押出機等を使用できる。本発明においては、混練効率の点から二軸スクリュー押出機を使用することが好ましく、さらにスクリューの回転方向が同方向であるものが好ましい。
本発明の生分解性樹脂組成物の製造に好ましく用いられる二軸スクリュー押出機の概略図を図1に示す。二軸スクリュー押出機100は、シリンダー1内に水平に平行に配置された相互に噛み合う2本のスクリュー軸2を備えている。シリンダー1は、送り方向上流側に位置する主原料供給部3と、送り方向下流側に位置する副原料供給部5とを備えており、副原料供給部5の上流側と下流側には、それぞれベント部4、6が設けられている。
ベント部6を通過した溶融状態の澱粉含有樹脂組成物(X)は、ダイスヘッド7から溶融したストランドの形態で水中へ押し出されて冷却固化し、ペレタイザー(図示せず)でカッティングされた後、乾燥されることにより生分解性樹脂組成物ペレットとされる。図示の形態では二軸押出機100で脱揮された澱粉含有樹脂組成物は、ダイスヘッド7、ペレタイザーを通って一旦ペレット化されるが、溶融状態のまま引き続き成形機に供給され、フィルムなどに成形されてもよい。
澱粉含有樹脂組成物(Y)を製造する工程(ii)では、上述した澱粉含有樹脂組成物(X)を、樹脂(A)および樹脂(A)と異なる熱可塑性樹脂(B)から選ばれる少なくとも1つの樹脂で希釈する。
混合機としては、水平円筒型、V字型、二重円錐型混合機やリボンブレンダー、スーパーミキサーのようなブレンダー、また各種連続式混合機等を使用できる。また、混練機としては、ロールやインターナルミキサーのようなバッチ式混練機、一段型、二段型連続式混練機、二軸スクリュー押出機、単軸スクリュー押出機等を使用できる。本発明においては、混練効率の点から二軸スクリュー押出機を使用することが好ましく、さらにスクリューの回転方向が同方向であるものが好ましい。
本発明の澱粉含有樹脂組成物から得られるフィルムにおいては、特にこれに限定されるわけではないが、JIS K7128に準拠したフィルムのMD方向のエルメンドルフ引裂強度が10N/mm以上、好ましくは20N/mm、より好ましくは、30N/mmである。また、JIS K7128に準拠したフィルムのTD方向のエルメンドルフ引裂き強度は、10N/mm以上、好ましくは20N/mm、より好ましくは30N/mmである。引裂き強度が低すぎると、実際の使用時に破れが生じる、フィルム成形時にトラブルが生じる可能性がある。
1.物性評価
[1−1.フィルム成形性の評価]
インフレーション成形を実施した際の成形のしやすさを、以下の判断基準に従って評価した。
不良(×):所定温度(150℃)において、所定厚み(20μm)に成形することが不可能である。
フィルム中の澱粉の分散形態を、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察した。
[1−3.フィルムの機械強度]
<引裂き強度の測定方法>
JIS K7128に準拠してエルメンドルフ引裂き強度を測定した。
JIS Z1702に準拠して、株式会社島津製作所製精密万能試験機オートグラフAG−2000にて、フィルムの引張試験を実施した。
[1−4.フィルムの生分解性]
三菱化学(株) 四日市事業所内の土壌を採取し、土壌の水分量が全体の20重量%になるように調整した。土壌を40℃の恒温槽に仕込み、得られたフィルム(厚み20μm)を埋設した。試験中土壌から失われた水分は、土壌およびフィルム全体の重量減少量から計測し、適宜追加し、一定の水分量を保つようにした。埋設後、1週間後にフィルムを取り出し、23℃、50%RHにて状態調整した後、フィルムの重量を計測し、重量減少量を以下のように評価した。
△:重量減少量10%以上20%未満
×:重量減少量20%以上
[2−1.脂肪族ポリエステル樹脂(A)]
脂肪族ポリエステル樹脂として、GS Pla(AD92WN;ポリブチレンサクシネートアジペート)を使用した。
[2−2.芳香族脂肪族ポリエステル(B)]
芳香族脂肪族ポリエステル樹脂として、BASF社製 Ecoflex(ポリブチレンアジペートテレフタレート)を使用した。
[2−3.澱粉(C)]
澱粉として、なんら化学的な変性を施していないコーンスターチ(日本コーンスターチ社製 Y−3P;含水率12%)を使用した。
[2−4.水酸基を含有する有機化合物(D)]
水酸基を含有する有機化合物として、グリセリン(新日本理化株式会社製 濃グリセリンS)を使用した。
澱粉(C)35.5重量部、芳香族脂肪族ポリエステル樹脂(B)17.7重量部、グリセリン(D)7.4重量部を、スクリュー式2軸押出機(日本製鋼所社製TEX30;22シリンダー、L/D=77)の主原料供給部に供給して最高温度が170℃以下になるように混合する工程を経た後、ベント部にて水蒸気を除去し、それに引き続き、副原料供給部から脂肪族ポリエステル樹脂(A−1)42.4重量部を供給して、コーンスターチ、グリセリン、芳香族脂肪族ポリエステル樹脂、および脂肪族ポリエステル樹脂を最高温度が170℃以下になるように混合する工程を同一押出機内にて逐次的に行い、真空ベントによる吸引を行い、樹脂組成物をダイスからストランド状に押し出し、水槽にて冷却後カッティングし、白色の澱粉含有樹脂組成物(X−1)を得た。混練時の設定温度は80〜150℃、スクリュー回転数は150〜300rpmとした。その後、樹脂組成物のペレットを、60℃、窒素雰囲気下で8時間乾燥を行なった。
澱粉(C)41.7重量部、芳香族脂肪族ポリエステル樹脂(B)20.8重量部、グリセリン(D)7.9重量部を、スクリュー式2軸押出機(日本製鋼所社製TEX30;22シリンダー、L/D=77)の主原料供給部に供給して最高温度が170℃以下になるように混合する工程を経た後、ベント部にて水蒸気を除去し、それに引き続き、副原料供給部から脂肪族ポリエステル樹脂(A)29.6重量部を供給して、コーンスターチ、グリセリン、芳香族脂肪族ポリエステル樹脂、および脂肪族ポリエステル樹脂を最高温度が170℃以下になるように混合する工程を同一押出機内にて逐次的に行い、真空ベントによる吸引を行い、樹脂組成物をダイスからストランド状に押し出し、水槽にて冷却後カッティングし、白色の澱粉含有樹脂組成物(X−2)を得た。混練時の設定温度は80〜150℃、スクリュー回転数は150〜300rpmとした。その後、樹脂組成物のペレットを、60℃、窒素雰囲気下で8時間乾燥を行なった。
以下表1に、製造例1および製造例2で製造した澱粉含有樹脂組成物の組成比率を纏める。
製造例1で得られた澱粉含有樹脂組成物(X−1)70重量部、脂肪族ポリエステル(A)30重量部をブレンドし、スクリュー式二軸押出機(テクノベル社製二軸押出機(KZW15))に主原料供給部から投入し、最高温度が170℃以下になるように混練を実施し、樹脂組成物(Y−1)を得た。樹脂組成物のペレットを、60℃、窒素雰囲気下で8時間乾燥を行なった。
得られた樹脂組成物(Y−1)を用いて、インフレーション成形機(エンプラ産業株式会社;E30SP)でインフレーション成形を実施し、厚み20μmのフィルムを得た。成形条件は、ブロー比2.5、成形温度150℃である。
得られたフィルムの生分解性、フィルムの引裂き強度、引張強度などの物性測定結果と評価結果を、下記表3に示す。
澱粉含有樹脂組成物(X−1)、(X−2)、脂肪族ポリエステル樹脂(A)、および芳香族脂肪族ポリエステル樹脂(B)のブレンド組成を、表2に記載通りにしたほかは、実施例1と同様にして樹脂組成物(Y−2)〜(Y−7)を製造し、得られた樹脂組成物を用いて実施例1と同様の成形方法で厚さ20μmのフィルムを得た。得られたフィルムの生分解性、フィルムの引裂き強度、引張強度などの物性測定結果と評価結果を、下記表3に示す。
脂肪族ポリエステル樹脂(A)57.6重量部、澱粉(C)24.9重量部、芳香族脂肪族ポリエステル樹脂(B)12.4重量部、グリセリン(D)5.2重量部を、スクリュー式2軸押出機(日本製鋼所社製TEX30;22シリンダー、L/D=77)の主原料供給部に供給して最高温度が170℃以下になるように混合し、真空ベントによる吸引を行い、樹脂組成物をダイスからストランド状に押し出し、水槽にて冷却後カッティングし、白色の澱粉含有樹脂組成物(Z−1)を得た。混練時の設定温度は80〜150℃、スクリュー回転数は150〜300rpmとした。その後、樹脂組成物のペレットを、60℃、窒素雰囲気下で8時間乾燥を行なった。
得られた澱粉含有樹脂組成物(Z−1)を用いて、実施例1と同様の成形方法で厚さ20μmのフィルムを得た。得られたフィルムの生分解性、フィルムの引裂き強度、引張強度などの物性測定結果と評価結果を、下記表3に示す。
脂肪族ポリエステル樹脂(A)78.9重量部、澱粉(C)12.5重量部、芳香族脂肪族ポリエステル樹脂(B)6.2重量部、グリセリン(D)2.4重量部を、スクリュー式2軸押出機(日本製鋼所社製TEX30;22シリンダー、L/D=77)の主原料供給部に供給して最高温度が170℃以下になるように混合し、真空ベントによる吸引を行い、樹脂組成物をダイスからストランド状に押し出し、水槽にて冷却後カッティングし、白色の澱粉含有樹脂組成物(Z−2)を得た。混練時の設定温度は80〜150℃、スクリュー回転数は150〜300rpmとした。その後、樹脂組成物のペレットを、60℃、窒素雰囲気下で8時間乾燥を行なった。
得られた澱粉含有樹脂組成物(Z−2)を用いて、実施例1と同様の成形方法で厚さ20μmのフィルムを得た。得られたフィルムの生分解性、フィルムの引裂き強度、引張強度などの物性測定結果と評価結果を、下記表3に示す。
実施例1と同様にして、脂肪族ポリエステル樹脂(A)を、インフレーション成形し、フィルムの生分解性評価、フィルムの引裂き強度、引張強度などの機械物性を評価した。
実施例1〜7で製造したフィルムは、良好な機械物性を有しており、生分解性速度も良好であった。比較例1,2では、澱粉の分散不良のため、比較例3では澱粉を含有しないため、フィルムの機械物性、とりわけ引裂き強度が劣っている。
2:スクリュー軸
3:主原料供給部
4:ベント部
5:副原料供給部
6:ベント部
7:ダイスヘッド
100:二軸スクリュー押出機
Claims (11)
- 30重量%以上90重量%以下の生分解性を有する樹脂(A)、2重量%以上30重量%未満の樹脂(A)と異なる熱可塑性樹脂(B)、5重量%以上30重量%以下の澱粉(C)、および1重量%以上10重量%以下の水酸基を含有する有機化合物(D)からなる澱粉含有樹脂組成物(Y)の製造方法であって、
(i)樹脂(A)、樹脂(A)と異なる熱可塑性樹脂(B)、30重量%以上60重量%以下の澱粉(C)、並びに3重量%以上20重量%以下の水酸基を含有する有機化合物(D)を、溶融混練して澱粉含有樹脂組成物(X)を得る工程、
および
(ii)前記澱粉含有樹脂組成物(X)を、樹脂(A)並びに樹脂(A)と異なる熱可塑性樹脂(B)から選ばれる少なくとも1つの樹脂で希釈する工程、
を有する、澱粉含有樹脂組成物(Y)の製造方法。 - 請求項1に記載の澱粉含有樹脂組成物(Y)の製造方法であって、
(i)主原料供給部および副原料供給部を有する二軸スクリュー式押出機を用い、該主原料供給部から、前記樹脂(A)と異なる熱可塑性樹脂(B)と、澱粉(C)と、水酸基を含有する有機化合物(D)とを供給し、樹脂(A)を該副原料供給部から供給して混練を行うことにより、澱粉(C)の含有量が30重量%以上60重量%以下である澱粉含有樹脂組成物(X)を得る工程、
および
(ii)樹脂組成物(X)と、前記樹脂(A)並びに樹脂(A)と異なる熱可塑性樹脂(B)とを混合する工程、
を有する、澱粉含有樹脂組成物(Y)の製造方法。 - 前記工程(i)における樹脂(A)と異なる熱可塑性樹脂(B)の、澱粉(C)に対する比率が20重量%以上70重量%以下である、請求項1または請求項2に記載の澱粉含有樹脂組成物(Y)の製造方法。
- 前記生分解性を有する樹脂(A)が、脂肪族ポリエステルである、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の澱粉含有樹脂組成物(Y)の製造方法。
- 前記生分解性を有する樹脂(A)が、ポリブチレンサクシネートおよびポリブチレンサクシネートアジペートから選ばれる少なくとも1つである、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の澱粉含有樹脂組成物(Y)の製造方法。
- 前記樹脂(A)と異なる熱可塑性樹脂(B)が、芳香族−脂肪族ポリエステル樹脂である、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の澱粉含有樹脂組成物(Y)の製造方法。
- 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の製造方法により製造された澱粉含有樹脂組成物(Y)であって、澱粉含有樹脂組成物(Y)中に含まれる澱粉(C)の分散径が1μm以下である、澱粉含有樹脂組成物(Y)。
- 40℃の土中に厚さ20μmのフィルム試験片を埋設した際の1週間後のフィルムの重量減少率が10%未満である、請求項7に記載の澱粉含有樹脂組成物(Y)。
- 請求項7または請求項8に記載の澱粉含有樹脂組成物(Y)を成形してなる成形品。
- 請求項7または請求項8に記載の澱粉含有樹脂組成物(Y)を成形してなるフィルム。
- JIS K7128に準拠したエルメンドルフ引裂強度が10N/mm以上である、請求項10に記載のフィルム。
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