JP2005169885A - 脂肪族ポリエステル樹脂組成物の成形方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明は、上記の従来技術における、成形品表面にヒケやバリなどのいずれかが発生し易く、成形品外観に優れる成形品が得られ難いことと、成形直後の剛性がなく変形を起こし易い問題点の解決を課題として検討した結果、達成されたものであり、その目的とするところは、成形品外観に優れ、成形直後の剛性に優れる脂肪族ポリエステル樹脂組成物の成形方法を提供することにある。
【解決手段】(A)脂肪族ポリエステルに(B)可塑剤を配合してなる脂肪族ポリエステル樹脂組成物を金型を用いて溶融成形する際、金型の最低設定温度と最高設定温度の差が10℃以上である少なくとも2条件の金型設定温度で成形することを特徴とする脂肪族ポリエステル樹脂組成物の成形方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、表面外観に優れる脂肪族ポリエステル樹脂組成物の成形方法に関するものである。
地球環境保全の見地から、土中、水中に存在する微生物の作用により自然環境下で分解される生分解性ポリマーが注目され、様々な生分解性ポリマーが開発されている。これら生分解性ポリマーのうちで、溶融成形が可能な生分解性ポリマーとしては、例えば、ポリヒドロキシブチレート、ポリカプロラクトン、コハク酸やアジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸成分とエチレングリコールやブタンジオールなどのグリコール成分とからなるポリエチレンサクシネートやポリブチレンアジペート、およびポリ乳酸などの脂肪族ポリエステルが知られている。
上記脂肪族ポリエステルの中でも、特にポリ乳酸は、比較的コストが安く、融点もおよそ170℃と耐熱性を有していることから、溶融成形可能な生分解性ポリマーとして期待されている。また、最近では、モノマーである乳酸が微生物を利用した発酵法により安価に製造されるようになり、より一層低コストでポリ乳酸を生産できるようになってきたため、生分解性ポリマーとしてだけではなく、汎用ポリマーとしての利用についても検討されるようになってきた。しかし、その一方で、ポリ乳酸は、結晶化速度が遅いため、成形品外観に優れる成形品が容易に得られないことと、成形直後の剛性がなく、変形を起こし易いという課題を有していることから、それらの改良が望まれていた。
一般に、ポリ乳酸の結晶性を改良するために、実用的ではないが金型内での冷却時間を長時間にする方法や成形品をポリ乳酸のガラス転移温度以上の温度でアニーリングする方法があるが、成形品表面にヒケやバリなどのいずれかが発生し易く、また、成形直後の剛性がないため、金型から離型する際に突き出しピンで成形品が変形し易いため、外観に優れる成形品が得られ難いのが実情であった。
また、特許文献1には、ラクチド熱可塑性プラスチックにシリカ、カオリナイトの添加により温度抵抗性を改良でき、実施例では乳酸カルシウム添加により結晶化度が増すとの開示がなされている。
また、特許文献2には、ポリ乳酸系ポリマーにワックスの可塑剤を結晶核剤および結晶化促進剤として用いることが提案され、80℃以上の金型温度領域で急速に弾性率が高くなり、耐熱性を改良し得ることが示されている。
また、特許文献3には、ポリ乳酸とポリ−ε−カプロラクトンにSiO250%以上を含有する結晶性無機粉末0.1〜15重量部(実施例ではタルク)および/または脂肪族多価アルコール類などの可塑剤1〜20重量部を混合溶融し、85〜125℃に設定された成形機の金型に充填し、結晶化させながら成形することが提案されている。
また、特許文献4には、ポリ乳酸系ポリマーにリン酸エステル金属塩さらには含水珪酸マグネシウム(タルク)を結晶核剤として用い、ポリ乳酸系ポリマーの融点以下ガラス転移温度以上の範囲に金型温度を設定することが提案されている。
また、特許文献5には、ポリ乳酸系ポリマーにリン酸エステル金属塩と塩基性無機アルミニウム化合物を結晶核剤として用い、ポリ乳酸系ポリマーの融点以下ガラス転移温度以上の範囲に金型温度を設定することが提案されている。
いずれも、ポリ乳酸の結晶化速度を速くする方法としては有用な手段ではあるが、成形品表面にヒケやソリなどのいずれかが発生し易く、成形品外観に優れる成形品が得られ難いことと、成形直後の剛性がなく変形を起こし易い課題があった。
また、特許文献6には、ポリ乳酸など結晶化の遅い樹脂でも実用上差し支えない程度まで、十分に結晶化した成形物を得る成形方法として、金型温度を上下して成形する成形方法が提案されている。
また、非特許文献1には、金型内で溶融状態の樹脂の流れが合流する部分のウェルドが出にくい射出成形用金型が提案され、金型温度を高温に上げた後に、急速に冷却する方法が示されている。
いずれも、ポリ乳酸を成形する方法としては有用な手段ではあるが、成形品表面にヒケ、やバリなどのいずれかが発生し易く、成形品外観に優れる成形品が得られ難いことと、成形直後の剛性がなく変形を起こし易い課題があった。
また、特許文献7には、ポリ乳酸などを含む熱可塑性樹脂に板状顔料、繊維状フィラー、針状フィラーの一種と、さらに発泡剤を配合する特定組成物を、金型温度を上下するヒートサイクル成形を用いて熱可塑性樹脂組成物を製造することによってヒケなどのない成形品が得られることが提案されている。
しかしながら上記方法においても、成形品表面に未だヒケやバリなどのいずれかが発生し易く、成形品外観に優れる成形品が得られ難いことと、成形直後の剛性がなく変形を起こし易い課題があった。
特表平4−504731号公報 特開平11−106628号公報 特開平8−193165号公報 特開2003−192884号公報 特開2003−192883号公報 特開2001−191378号公報 D&M,2003.10no.589,20〜21p 特開2001−269978号公報
本発明は、上記の従来技術における、成形品表面にヒケやバリなどのいずれかが発生し易く、成形品外観に優れる成形品が得られ難いという問題点と、成形直後の剛性がなく変形を起こし易いという問題点の解決を課題として検討した結果、達成されたものであり、その課題とするところは、成形品外観に優れ、成形直後の剛性に優れる脂肪族ポリエステル樹脂組成物の成形方法を提供することにある。
すなわち本発明は、(A)脂肪族ポリエステルに(B)可塑剤を配合してなる脂肪族ポリエステル樹脂組成物を金型を用いて溶融成形する際、少なくとも2条件の金型温度で成形することを特徴とする脂肪族ポリエステル樹脂組成物の成形方法である。
本発明の特定の脂肪族ポリエステル樹脂組成物の成形方法は、成形品表面にヒケやバリなどの少ない、成形品外観に優れる成形品が得られ、かつ成形直後に剛性があり変形を起こし難くいことから、成形品外観と成形直後の剛性に優れ、商品価値の高い成形品が容易に得られる成形方法と言える。
したがって、本発明の成形方法で得られた成形品は、生分解性ポリマーを用いた成形外観に優れる成形品として、自動車用部品(例えば、自動車内装・外装部品、アンダーフード部品など)、電機・電子機器用部品(例えば、家電用部品、OA機器の部品、携帯などの通信機器の部品など)、農業用資材、園芸用資材、漁業用資材、土木・建築用資材、文具、医療用品、それらの筐体など多用途に展開可能であり、とくに電機・電子機器用部品の筐体に極めて有用である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の(A)脂肪族ポリエステルとしては、特に限定されるものではなく、脂肪族ヒドロキシカルボン酸を主たる構成成分とする重合体、脂肪族多価カルボン酸と脂肪族多価アルコールを主たる構成成分とする重合体などが挙げられる。具体的には、脂肪族ヒドロキシカルボン酸を主たる構成成分とする重合体としては、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリ3−ヒドロキシ酪酸、ポリ4−ヒドロキシ酪酸、ポリ4−ヒドロキシ吉草酸、ポリ3−ヒドロキシヘキサン酸およびポリカプロラクトンなどが挙げられ、脂肪族多価カルボン酸と脂肪族多価アルコールを主たる構成成分とする重合体としては、ポリエチレンアジペート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンアジペートおよびポリブチレンサクシネートなどが挙げられる。これらの脂肪族ポリエステルは、単独ないし2種以上を用いることができる。これらの脂肪族ポリエステルの中でも、ヒドロキシカルボン酸を主たる構成成分とする重合体が好ましく、特にポリ乳酸が好ましく使用される。
ポリ乳酸とは、L−乳酸および/またはD−乳酸を主たる構成成分とする重合体であるが、本発明の目的を損なわない範囲で、乳酸以外の他の共重合成分を含んでいてもよい。
かかる他の共重合成分単位としては、例えば、多価カルボン酸、多価アルコール、ヒドロキシカルボン酸、ラクトンなどが挙げられ、具体的には、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、フマル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチルホスホニウムスルホイソフタル酸などの多価カルボン酸類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘプタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオ−ル、デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ビスフェノ−ルA、ビスフェノールにエチレンオキシドを付加反応させた芳香族多価アルコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどの多価アルコール類、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸類、およびグリコリド、ε−カプロラクトングリコリド、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、δ−ブチロラクトン、β−またはγ−ブチロラクトン、ピバロラクトン、δ−バレロラクトンなどのラクトン類などを使用することができる。これらの共重合成分は、単独ないし2種以上を用いることができる。このような共重合成分は、特に限定されないが、全単量体成分中、通常0〜30モル%の含有量とすることが好ましく、0〜10モル%であることが好ましい。
ポリ乳酸の使用により高い耐熱性を得るためには、乳酸成分の光学純度が高い方が好ましく、総乳酸成分の内、L体あるいはD体が80モル%以上含まれることが好ましく、さらには90モル%以上含まれることが好ましく、95モル%以上含まれることが特に好ましい。
(A)脂肪族ポリエステルの製造方法としては、公知の重合方法を用いることができ、特にポリ乳酸については、乳酸からの直接重合法やラクチドを介する開環重合法などを採用することができる。
(A)脂肪族ポリエステルの分子量や分子量分布については、実質的に成形加工が可能であれば、特に限定されるものではなく、重量平均分子量としては、好ましくは1万以上、より好ましくは4万以上、特に好ましくは8万以上であるのがよい。上限としては、流動性の観点から50万以下であることが好ましい。
ここでいう重量平均分子量とは、溶媒としてヘキサフルオロイソプロパノールを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリメタクリル酸メチル(PMMA)換算の重量平均分子量である。
(A)脂肪族ポリエステルの融点については、特に限定されるものではなく、90℃以上であることが好ましく、さらに150℃以上であることが好ましい。
本発明で使用する(B)可塑剤としては、一般にポリマーの可塑剤として用いられるものを特に制限なく用いることができ、例えばポリエステル系可塑剤、グリセリン系可塑剤、多価カルボン酸エステル系可塑剤、ポリアルキレングリコール系可塑剤、エポキシ系可塑剤、及びその他の可塑剤などを挙げることができ、一種以上で用いることができる。
前記(B)可塑剤のポリエステル系可塑剤の具体例としては、アジピン酸、セバチン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸などの酸成分と、プロピレングリコール、1,3 −ブタンジオール、1,4 −ブタンジオール、1,6 −ヘキサンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコールなどのジオール成分からなるポリエステルや、ポリカプロラクトンなどのヒドロキシカルボン酸からなるポリエステルなどを挙げることができる。また、重量平均分子量としては、1万未満から100が好ましく、8000〜150がより好ましい。また、なかでもジブチルジグリコールアジペートなどを好ましく挙げることができる。これらのポリエステルは単官能カルボン酸もしくは単官能アルコールで末端封鎖されていてもよく、またエポキシ化合物などで末端封鎖されていてもよい。
前記(B)可塑剤のグリセリン系可塑剤の具体例としては、グリセリンモノアセトモノラウレート、グリセリンジアセトモノラウレート、グリセリンモノアセトモノステアレート、グリセリンジアセトモノオレート及びグリセリンモノアセトモノモンタネートなどを挙げることができる。
前記(B)可塑剤の多価カルボン酸エステル系可塑剤の具体例としては、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジベンジル、フタル酸ブチルベンジルなどのフタル酸エステル、トリメリット酸トリブチル、トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリヘキシルなどのトリメリット酸エステル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸n−オクチル−n−デシルアジピン酸エステルなどのセバシン酸エステル、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリブチルなどのクエン酸エステル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシルなどのアゼライン酸エステル、セバシン酸ジブチル、及びセバシン酸ジ−2−エチルヘキシルなどのセバシン酸エステルなどを挙げることができる。
前記(B)可塑剤のポリアルキレングリコール系可塑剤の具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ(エチレンオキサイド・プロピレンオキサイド)ブロック及び/またはランダム共重合体、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノール類のエチレンオキシド付加重合体、ビスフェノール類のプロピレンオキシド付加重合体、ビスフェノール類のテトラヒドロフラン付加重合体などのポリアルキレングリコールあるいはその末端エポキシ変性化合物、末端エステル変性化合物、及び末端エーテル変性化合物などの末端封鎖化合物などを挙げることができる。
前記(B)可塑剤のエポキシ系可塑剤とは、一般にはエポキシステアリン酸アルキルと大豆油とからなるエポキシトリグリセリドなどを指すが、その他にも、主にビスフェノールAとエピクロロヒドリンを原料とするような、いわゆるエポキシ樹脂も使用することができる。
前記(B)可塑剤のその他の可塑剤の具体例としては、ネオペンチルグリコールジベンゾエート、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレートなどの脂肪族ポリオールの安息香酸エステル、ステアリン酸アミドなどの脂肪酸アミド、オレイン酸ブチルなどの脂肪族カルボン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチルなどのオキシ酸エステル、ペンタエリスリトール、各種ソルビトール、ポリアクリル酸エステル、シリコーンオイル、及びパラフィン類などを挙げることができる。
本発明で使用する(B)可塑剤としては、上記に例示したものの中でも、特にポリアルキレングリコール系可塑剤を用いることが好ましい。
また、(B)可塑剤の配合量は、成形品の機械強度の点から(A)脂肪族ポリエステル100重量部に対して、0.01〜20重量部の範囲が好ましく、0.1〜15重量部の範囲がより好ましく、0.2〜10重量部の範囲がさらに好ましい。
本発明においてはさらに(C)結晶核剤を配合することが好ましい。本発明で使用する(C)結晶核剤としては、一般にポリマーの結晶核剤として用いられるものを特に制限なく用いることができ、無機系結晶核剤及び有機系結晶核剤などを挙げることができ、一種以上で用いることができる。
前記の(C)結晶核剤の無機系結晶核剤の具体例としては、タルク、カオリナイト、モンモリロナイト、合成マイカ、クレー、ゼオライト、シリカ、グラファイト、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン、硫化カルシウム、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、炭酸アルミニウム、ハイドロタルサイト化合物、酸化ネオジウム及びフェニルホスホネートの金属塩などを挙げることができる。これらの無機系結晶核剤の粒径は、20μm以下であることが組成物中での分散性を高めるために好ましく、脂肪酸やカップリング剤などの表面処理を施して用いてもよい。
前記の(C)結晶核剤の有機系結晶核剤の具体例としては、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、安息香酸カルシウム、安息香酸マグネシウム、安息香酸バリウム、テレフタル酸リチウム、テレフタル酸ナトリウム、テレフタル酸カリウム、シュウ酸カルシウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸ナトリウム、ミリスチン酸カリウム、ミリスチン酸カルシウム、オクタコサン酸ナトリウム、オクタコサン酸カルシウム、乳酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、モンタン酸ナトリウム、モンタン酸カルシウム、トルイル酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸カリウム、サリチル酸亜鉛、アルミニウムジベンゾエート、カリウムジベンゾエート、リチウムジベンゾエート、ナトリウムβ−ナフタレート、ナトリウムシクロヘキサンカルボキシレートなどの有機カルボン酸金属塩、p−トルエンスルホン酸ナトリウム、スルホイソフタル酸ナトリウムなどの有機スルホン酸塩、ステアリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、パルチミン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、トリメシン酸トリス(t−ブチルアミド)などのカルボン酸アミド、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプロピレン、ポリブテン、ポリ−4−メチルペンテン、ポリ−3−メチルブテン−1、ポリビニルシクロアルカン、ポリビニルトリアルキルシラン、高融点ポリ乳酸などのポリマー、エチレン−アクリル酸またはメタクリル酸コポリマーのナトリウム塩、スチレン−無水マレイン酸コポリマーのナトリウム塩などのカルボキシル基を有する重合体のナトリウム塩またはカリウム塩(いわゆるアイオノマー)、ベンジリデンソルビトール及びその誘導体、ナトリウム−2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェートなどのリンエステル金属塩、及び2,2−メチルビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ナトリウムなどを挙げることができる。
本発明で使用する(C)結晶核剤としては、上記に例示したものの中でも、特にタルク、有機カルボン酸金属塩、カルボン酸アミドが好ましく用いられる。
本発明で使用する(C)結晶核剤の配合量は、(A)脂肪酸ポリエステル100重量部に対して、0.01〜30重量部が好ましく、0.05〜20重量部がより好ましく、0.1〜10重量部がさらに好ましく、30重量部を越えると成形品の機械強度の低下を招きため好ましくない。
本発明で用いる脂肪族ポリエステル樹脂組成物にはさらに(D)滑剤を配合することが可能であり、かかる(D)滑剤としては、内部滑性あるいは外部滑性を持つ一般のポリマーに配合可能な滑剤を特に制限なく用いることができ、種々の滑剤を一種以上で用いることができる。
前記の(D)滑剤の具体例としては、ステアリルアルコールなどの脂肪酸アルコール類、ジカルボン酸エステル、脂肪酸エステル、脂肪酸、ステアリン酸カルシウムなどの金属石鹸、エチレンビスステアリルアミド、分子量500〜12000の低分子量ポリエチレン、前記低分子量ポリエチレンに酸無水物をグラフトあるいは共重合した滑剤、エチレンジアミン・ステアリン酸・セバシン酸の重縮合物、フェニレンジアミン・ステアリン酸・セバシン酸の重縮合物、および低分子量フッ素樹脂などが挙げられる。ここで、前記の脂肪酸エステルとは、一価または多価アルコールと飽和もしくは不飽和脂肪酸とから得られるエステルであり、具体的には、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、デカメチレングリコール、ペンタエリスリトール、グリセリンなどのアルコールと、カプリン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、モンタン酸、メリシン酸、リノール酸、リノレン酸などの飽和もしくは不飽和脂肪酸から得られる脂肪酸エステルであり、重量平均分子量としては、1万未満が好ましく、5000未満であることがより好ましい。
また、前記の滑剤の中でも、脂肪酸をグリコールやグリセリン類でエステル化し、水酸化カルシウムや水酸化ナトリウムなどでケン化した脂肪酸エステルのケン化物、一部ケン化物、エチレンジアミン・ステアリン酸・セバシン酸の重縮合物、およびフェニレンジアミン・ステアリン酸・セバシン酸の重縮合物が好ましく用いられる。また、前記の低分子量フッ素樹脂としては、分子量50000〜500000の低分子量のフッ素樹脂が好ましく、住友スリーエムから“ホスタフロン”の商品名で市販されている。
また、(D)滑剤の配合量は、(A)脂肪族ポリエステル100重量部に対して、0.01〜5重量部の範囲が好ましく、0.05〜3重量部の範囲がより好ましく、0.05〜2重量部の範囲がさらに好ましく、5重量部を越えると成形品の表面に滑剤がしみ出るブリードアウト現象を起こし、成形品の商品価値を損なうため好ましくない。
本発明においては(E)熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂および強化材は、本発明の目的を損なわない範囲であれば、特に制限なく配合することができ、これらは一種以上で用いることもできる。
前記の(E)成分のひとつの熱可塑性樹脂の例としては、限定されるものではないが、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、(A)成分以外のポリエステル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ハイインパクトポリスチレン樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、熱可塑性フェノール樹脂、AAS樹脂、AES樹脂およびポリカーボネート樹脂などが挙げられる。また、前記の熱硬化性樹脂の例としは、限定されるものではないが、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。また、熱可塑性樹脂としては軟質熱可塑性樹脂であってもよく、このような軟質熱可塑性樹脂の例としては、限定されるものではないが、ポリブチレンアジペート/テレフタレートなどの脂肪族ポリエステル/芳香族ポリエステル、エチレン系共重合体、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー、スチレン系エラストマー、アクリルゴム、コアシェルゴム、ブタジエン系ゴム、エチレン/プロピレン/ジエンターポリマー、および前記の軟質熱可塑性樹脂にグリシジルメタクリレートあるいは酸無水物を共重合あるいはグラフトさせた共重合体などが挙げられる。上記軟質熱可塑性樹脂は、その他の熱可塑性樹脂と併用することにより、耐熱性と耐衝撃性を改良することができる。
また、(E)成分の熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂を併せた配合量は、(A)脂肪族ポリエステル100重量部に対して、0.1〜50重量部が好ましく、1〜40重量部がさらに好ましい。
ここで、前記の文中の組成物に用いた「/」は共重合を意味し、以下、組成物に用いた「/」は同じ意味である。
前記の(E)成分のひとつの強化材としては、通常熱可塑性樹脂の強化に用いられる繊維状、板状、粒状、粉末状のものを用いることができる。具体的には、ガラス繊維、アスベスト繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、金属繊維、チタン酸カリウムウイスカー、ホウ酸アルミニウムウイスカー、マグネシウム系ウイスカー、珪素系ウイスカー、ワラステナイト、セピオライト、アスベスト、スラグ繊維、ゾノライト、エレスタダイト、石膏繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化ホウ素繊維、窒化硅素繊維及びホウ素繊維などの無機繊維状強化材、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、再生セルロース繊維、アセテート繊維、ケナフ、ラミー、木綿、ジュート、麻、サイザル、亜麻、リネン、絹、マニラ麻、さとうきび、木材パルプ、紙屑、古紙及びウールなどの有機繊維状強化材、ガラスフレーク、非膨潤性雲母、金属箔、セラミックビーズ、クレー、セリサイト、ベントナイト、ドロマイト、微粉珪酸、長石粉、チタン酸カリウム、シラスバルーン、炭酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化チタン、珪酸アルミニウム、酸化珪素、石膏、ノバキュライト、ドーソナイト及び白土などなどの板状や粒状の強化材が挙げられる。これらの強化材の中では、無機繊維状強化材が好ましく、特にガラス繊維、ワラステナイト、マイカ、カオリンが好ましい。また、有機繊維状強化材の使用も好ましく、脂肪族ポリエステルの生分解性を活かすという観点からは天然繊維や再生繊維がさらに好ましい。また、配合に供する繊維状強化材のアスペクト比(平均繊維長/平均繊維径)は5以上であることが好ましく、10以上であることがさらに好ましく、20以上であることがさらに好ましい。また、前記の強化材には、エチレン/酢酸ビニル共重合体やポリウレタン、およびエポキシ樹脂などの樹脂で被覆または集束処理されていてもよく、アミノシランやエポキシシランなどのカップリング剤などで処理されていても良い。また、前記の(E)成分のひとつの強化材の配合量は、(A)脂肪族ポリエステル100重量部に対して、0.1〜150重量部が好ましく、1〜100重量部がさらに好ましい。
本発明の(F)難燃剤としては、樹脂に難燃性を付与する目的で添加される物質であれば特に限定されるものではなく、具体的には、臭素系難燃剤、塩素系難燃剤、リン系難燃剤、窒素化合物系難燃剤、シリコーン系難燃剤、その他の無機系難燃剤などが挙げられ、一種で用いても併用して用いることができる。
前記の(F)成分のひとつの臭素系難燃剤の具体例としては、デカブロモジフェニルオキサイド、オクタブロモジフェニルオキサイド、テトラブロモジフェニルオキサイド、テトラブロモ無水フタル酸、ヘキサブロモシクロドデカン、ビス(2,4,6−トリブロモフェノキシ)エタン、エチレンビステトラブロモフタルイミド、ヘキサブロモベンゼン、1,1−スルホニル[3,5−ジブロモ−4−(2,3−ジブロモプロポキシ)]ベンゼン、ポリジブロモフェニレンオキサイド、テトラブロムビスフェノール−S、トリス(2,3−ジブロモプロピル−1)イソシアヌレート、トリブロモフェノール、トリブロモフェニルアリルエーテル、トリブロモネオペンチルアルコール、ブロム化ポリスチレン、ブロム化ポリエチレン、テトラブロムビスフェノール−A、テトラブロムビスフェノール−A誘導体、テトラブロムビスフェノール−A−エポキシオリゴマーまたはポリマー、テトラブロムビスフェノール−A−カーボネートオリゴマーまたはポリマー、ブロム化フェノールノボラックエポキシなどのブロム化エポキシ樹脂、テトラブロムビスフェノール−A−ビス(2−ヒドロキシジエチルエーテル)、テトラブロムビスフェノール−A−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロムビスフェノール−A−ビス(アリルエーテル)、テトラブロモシクロオクタン、エチレンビスペンタブロモジフェニル、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、ポリ(ペンタブロモベンジルポリアクリレート)、オクタブロモトリメチルフェニルインダン、ジブロモネオペンチルグリコール、ペンタブロモベンジルポリアクリレート、ジブロモクレジルグリシジルエーテル、N,N′−エチレン−ビス−テトラブロモフタルイミドなどが挙げられる。なかでも、テトラブロムビスフェノール−A−エポキシオリゴマー、テトラブロムビスフェノール−A−カーボネートオリゴマー、ブロム化エポキシ樹脂が好ましい。
前記の(F)成分のひとつの塩素系難燃剤の具体例としては、塩素化パラフィン、塩素化ポリエチレン、パークロロシクロペンタデカン、テトラクロロ無水フタル酸などが挙げられる。
前記の(F)成分のひとつのリン系難燃剤は特に限定されることはなく、通常一般に用いられるリン系難燃剤を用いることができ、代表的にはリン酸エステル、縮合リン酸エステル、ポリリン酸塩などの有機リン系化合物、赤リンおよびホスファゼン化合物などが挙げられる。
前記の(F)成分のひとつのリン系難燃剤の有機リン系化合物におけるリン酸エステルと縮合リン酸エステルの具体例としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、トリス(フェニルフェニル)ホスフェート、トリナフチルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、ジフェニル(2−エチルヘキシル)ホスフェート、ジ(イソプロピルフェニル)フェニルホスフェート、モノイソデシルホスフェート、2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、メラミンホスフェート、ジメラミンホスフェート、メラミンピロホスフェート、トリフェニルホスフィンオキサイド、トリクレジルホスフィンオキサイド、メタンホスホン酸ジフェニル、フェニルホスホン酸ジエチルなどを挙げることができる。
また、レゾルシノールポリフェニルホスフェート、レゾルシノールポリ(ジ−2,6−キシリル)ホスフェート、ビスフェノールAポリクレジルホスフェート、ハイドロキノンポリ(2,6−キシリル)ホスフェートならびにこれらの縮合物などの縮合リン酸エステルを挙げることができ、市販の縮合リン酸エステルとしては、例えば大八化学社製PX−200、PX−201、PX−202、CR−733S、CR−741、CR747を挙げることができる。
前記の(F)成分のひとつのリン系難燃剤のポリリン酸塩の具体例としては、リン酸、ポリリン酸と周期律表IA族〜IVB族の金属、アンモニア、脂肪族アミン、芳香族アミンとの塩からなるポリリン酸塩を挙げることもできる。ポリリン酸塩の代表的な塩として、金属塩としてリチウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、バリウム塩、鉄(II)塩、鉄(III)塩、アルミニウム塩など、脂肪族アミン塩としてメチルアミン塩、エチルアミン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、エチレンジアミン塩、ピペラジン塩などがあり、芳香族アミン塩としてはピリジン塩、トリアジン塩、メラミン塩、アンモニウム塩などが挙げられる。
また、(F)成分のひとつのリン系難燃剤には、上記の他、トリスクロロエチルホスフェート、トリスジクロロプロピルホスフェート、トリス(β−クロロプロピル)ホスフェート)などの含ハロゲンリン酸エステル、また、リン原子と窒素原子が二重結合で結ばれた構造を有するホスファゼン化合物、リン酸エステルアミドを挙げることができる。
前記の(F)成分のひとつのリン系難燃剤の赤リンとしては、未処理の赤リンのみでなく、熱硬化性樹脂被膜、金属水酸化物被膜、金属メッキ被膜から成る群より選ばれる1種以上の化合物被膜により処理された赤リンを好ましく使用することができる。熱硬化性樹脂被膜の熱硬化性樹脂としては、赤リンを被膜できる樹脂であれば特に制限はなく、例えば、フェノール−ホルマリン系樹脂、尿素−ホルマリン系樹脂、メラミン−ホルマリン系樹脂、アルキッド系樹脂などが挙げられる。金属水酸化物被膜の金属水酸化物としては、赤リンを被膜できる樹脂であれば特に制限はなく、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸化チタンなどを挙げることができる。金属メッキ被膜の金属としては、赤リンを被膜できる樹脂であれば特に制限はなく、Fe、Ni、Co、Cu、Zn、Mn、Ti、Zr、Alまたはこれらの合金などが挙げられる。さらに、これらの被膜は2種以上組み合わせて、あるいは2種以上に積層されていてもよい。
前記のリン系難燃剤の中でも、縮合リン酸エステル、ポリリン酸塩、赤リンが好ましく、縮合リン酸エステル、ポリリン酸塩が特に好ましい。
本発明(F)難燃剤成分のひとつの窒素化合物系難燃剤としては、脂肪族アミン化合物、芳香族アミン化合物、含窒素複素環化合物、シアン化合物、脂肪族アミド、芳香族アミド、尿素、チオ尿素などを挙げることができる。なお、上記リン系難燃剤で例示したようなポリリン酸アンモニウムなど含窒素リン系難燃剤はここでいう窒素化合物系難燃剤には含まない。脂肪族アミンとしては、エチルアミン、ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、ブチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,2−ジアミノシクロオクタンなどを挙げることができる。芳香族アミンとしては、アニリン、フェニレンジアミンなどを挙げることができる。含窒素複素環化合物としては、尿酸、アデニン、グアニン、2,6−ジアミノプリン、2,4,6−トリアミノピリジン、トリアジン化合物などを挙げることができる。シアン化合物としては、ジシアンジアミドなどを挙げることができる。脂肪族アミドとしては、N,N−ジメチルアセトアミドなどを挙げることができる。芳香族アミドとしては、N,N−ジフェニルアセトアミドなどを挙げることができる。また、前記において例示したトリアジン化合物は、トリアジン骨格を有する含窒素複素環化合物であり、トリアジン、メラミン、ベンゾグアナミン、メチルグアナミン、シアヌル酸、メラミンシアヌレート、トリメチルトリアジン、トリフェニルトリアジン、アメリン、アメリド、チオシアヌル酸、ジアミノメルカプトトリアジン、ジアミノメチルトリアジン、ジアミノフェニルトリアジン、ジアミノイソプロポキシトリアジンなどを挙げることができる。また、前記の窒素化合物系難燃剤の中では、含窒素複素環化合物が好ましく、中でもトリアジン化合物が好ましく、さらにメラミンシアヌレートが好ましく、シラン系カップリング剤あるいはその他の物質などで表面処理されていてもされていなくても良い。
前記の(F)難燃剤成分のひとつのシリコーン系難燃剤としては、シリコーン樹脂、シリコーンオイルを挙げることができる。前記シリコーン樹脂は、SiO2、R1SiO3/2、R2SiO、R3SiO1/2の構造単位を組み合わせてできる三次元網状構造を有する樹脂などを挙げることができる。ここで、R1〜R3はそれぞれ同一または相異なるメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、または、フェニル基、ベンジル基等の芳香族基、または上記置換基にビニル基を含有した置換基を示す。前記シリコーンオイルは、ポリジメチルシロキサン、およびポリジメチルシロキサンの側鎖あるいは末端の少なくとも1つのメチル基が、水素元素、アルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、アミノ基、エポキシ基、ポリエーテル基、カルボキシル基、メルカプト基、クロロアルキル基、アルキル高級アルコールエステル基、アルコール基、アラルキル基、ビニル基、またはトリフロロメチル基の選ばれる少なくとも1つの基により変性された変性ポリシロキサン、またはこれらの混合物を挙げることができる。
前記の(F)難燃剤成分のひとつのその他の無機系難燃剤としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ソーダ、ヒドロキシスズ酸亜鉛、スズ酸亜鉛、メタスズ酸、酸化スズ、酸化スズ塩、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化第一鉄、酸化第二鉄、酸化第一錫、酸化第二スズ、ホウ酸亜鉛、ホウ酸アンモニウム、オクタモリブデン酸アンモニウム、タングステン酸の金属塩、タングステンとメタロイドとの複合酸化物酸、スルファミン酸アンモニウム、臭化アンモニウム、ジルコニウム系化合物、グアニジン系化合物、フッ素系化合物、黒鉛、膨潤性黒鉛などを挙げることができる。中でも、水酸化アルミニウム、ホウ酸亜鉛、フッ素系化合物、膨潤性黒鉛が好ましく、シラン系カップリング剤あるいはその他の物質などで表面処理されていてもされていなくても良い。また、前記のフッ素系化合物は(F)難燃剤に併用してドリップ防止剤として活用することも可能であり、商品例としては、三井・デュポンフロロケミカルから“テフロン(登録商標)”6−J、三菱レイヨンからA−3800などが知られている。
また、前記の(F)難燃剤の量は、(A)脂肪族ポリエステル100重量部に対して、0.1〜50重量部であり、さらに0.2〜30重量部がさらに好ましい。
また、前記の(F)難燃剤の中では、リン系難燃剤、窒素化合物系難燃剤、シリコーン系難燃剤およびその他の無機系難燃剤の水酸化アルミニウムやホウ酸亜鉛から選択される少なくとも一種または二種以上を併用して用いることが脱ハロゲン系難燃剤としてさらに好ましく用いられる。
また、前記の(F)難燃剤にはさらに難燃助剤を配合することが可能であり、そのような難燃助剤として、チャーを形成する樹脂を使用することができる。前記のチャーを形成する樹脂としては、公知のチャーを形成する樹脂を配合することができ、具体例としては、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、熱可塑性フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノキシ樹脂、および未硬化のエポキシ樹脂などが挙げられる。
本発明においては、さらに本発明の目的を損なわない範囲で、酸化防止剤、紫外線吸収剤、加水分解性改良剤(エポキシ化合物、カルボジイミド化合物、カーボネート化合物、オキサゾリン化合物、アジリジン化合物、環状アセタール、グリシジルイミド、およびグリシジルアミドなど)、離型剤、染料ならびに顔料を含む着色剤、帯電防止剤、香料、抗菌および抗カビ剤などを添加することができる。
本発明で用いる脂肪族ポリエステル樹脂組成物の製造方法については、特に限定されるものではなく、例えば、(A)脂肪族ポリエステルに(B)可塑剤、必要に応じて(C)結晶核剤、さらに必要に応じて(D)、(E)、(F)を、さらにその他の酸化防止剤などの添加剤を予めブレンドした後、(A)脂肪族ポリエステルの融点以上において、ミキサー、一軸押出機、および二軸押出機などの多軸押出機などにより均一に溶融混練する方法や、溶液中で混合した後に溶媒を除く方法などが好ましく用いられる。
本発明の成形方法は、上記したような特定の脂肪族ポリエステル樹脂組成物を、金型を用いて溶融成形するが、その際金型の最低設定温度と最高設定温度の差が10℃以上である少なくとも2条件の金型設定温度で成形することが必要である。ここでいう金型設定温度としては、金型の表面温度、金型の内部温度、金型を温調する媒体の設定温度のいずれかを使用することができる。金型設定温度としては、金型の表面温度で設定するのが好ましいが、実用的には表面温度を設定温度とすることができない場合も多いので、その場合には金型の内部温度で設定することができる。また、それもできない場合には、金型を温調する媒体の温度で設定することができる。なお金型の表面温度は、金型表面に接した温度センサーで測定することができる。また、金型の内部温度は、金型内部に設置した温度センサーで測定することができる。さらに金型を温調する媒体の温度は、媒体の流路に設置した温度センサーにより測定することができる。したがって、本発明における金型設定温度は、成形装置において、温度センサーが金型表面に接した位置に設置されている場合はこの温度に基づき設定される温度を金型設定温度とし、これが設置されておらず、かつ金型内部に温度センサーが設置されている場合には、金型内部に設置された温度センサーに基づき設定される温度を金型設定温度とする。ただしこの場合において温度センサーは可能な限り金型表面近傍に設置するものとする。さらに、金型表面にも金型内部にも温度センサーが設置されていない場合には、金型温調する媒体の流路に設置した温度センサーに基づき設定される温度を金型設定温度とする。なお、これらの方法のうち、いずれの方法においても設定できない場合には、その装置において自動的にもしくは手動によりなされ、かつ、最も金型の表面温度に近いと考えられる設定温度を金型設定温度とする。また、成形装置において、複数の方法で温度設定できる場合においては、便宜上上記好ましい方法以外の方法で設定される場合もあるが、その場合は本発明の目的を損なわない限り、使用した設定温度を金型設定温度として取り扱う。
さらに、2条件の金型設定温度としては、脂肪族ポリエステルのガラス転移温度を超える金型設定温度とガラス転移温度以下の金型設定温度を含んでいることが好ましい。
本発明の成形方法における成形の形態としては、射出成形、ブロー成形、真空成形、および圧縮成形などが挙げられる。射出成形方法としては通常の射出成形方法以外にガスアシスト法、2色成形法、サンドイッチ成形、インモールド成形、インサート成形およびインジェクションプレス成形などが知られているが、いずれの成形方法にも本発明の成形方法が適用できる。
ここで、一例として射出成形機の構造を簡単に述べると、プラスチックスを加熱溶融混練後、溶融プラスチックスを高圧で射出する部分と射出された溶融プラスチックスを所定の形状(成形品)に冷却固化させる金型から構成されている。
また、一般的な金型構造と金型を温調する方法について簡単に述べると、金型は成形品構造部分、成形品構造部分の成形品を温調するための媒体を通す管またはヒーターなどの加熱ユニットおよび成形品を離型させる突き出しピンなどから構成されている。金型を温調する方法としては、金型内部の金属製ヒータ棒により温度制御する方法、あるいは水やオイルなどの媒体を金型温調器で温度制御して、媒体を通す管に循環させて温調させる方法が一般的な手法であり、通常金型温度は一定の温度に設定される。
前記の一般的な金型温調の方法に対して、本発明における特定の脂肪族ポリエステル樹脂組成物を成形するには、少なくとも2条件の金型設定温度で成形するが、その金型温調の具体例としては、媒体の設定温度の異なる2台以上の金型温調器を設置して、それぞれ送液ラインを媒体を通す管に送液、あるいは電磁弁などを設け、流路を切り替えて一系統で媒体を通す管に送液して、設定温度の異なる媒体を循環させて2条件以上の金型温度で温調する方法が挙げられ、前記の媒体としては、蒸気、加圧水、温水、チルド水、および冷凍機で冷却された水(不凍液を含有することが好ましい)などが用いられる。また、オイルも媒体として用いることができる。また、前記の媒体を電磁弁などで流路を切り替える装置、電磁弁の操作を時間管理できる装置、および温度センサーなどをユニットとして組み込まれた装置に接続して設定温度の異なる媒体を循環させて2条件以上の温度に温調する方法なども挙げられる。また、急冷と急加熱を速やかに行うため、圧力空気などにより循環媒体を金型外に排除する装置が組み込まれていてもよい。
別の金型温調の具体例としては、金型を高周波やヒーターにより加熱し金型の温度を上げ、冷却媒体で金型の温度を下げる方法も挙げることができる。
本発明は上記具体例に制限されるものではなく、要は金型温度を少なくとも2条件にコントロールできる装置を用いそれぞれに所望の温度を設定して、2条件以上に温調することが可能な装置であればよく、温調するためには、金型の表面温度、内部温度、温調する媒体の設定温度のいずれかを設定するものであるが、場合によっては、例えば、ヒーターで加熱する場合には内部温度設定とし、冷却する場合には、温調する媒体の設定温度とするなどのようにこれらの3つの設定温度を組み合わせて用いてもよい。
本発明の成形方法においては、成形する際に少なくとも2条件の金型設定温度とすることが必要であるが、その温度条件としては、本発明で用いられる脂肪族ポリエステルのガラス転移温度以下の金型設定温度、ガラス転移温度を超える金型設定温度から選択されることが好ましい。上記のガラス転移温度以下の金型設定温度とすることにより、固化を促進して剛性のある脂肪族ポリエステル樹脂組成物となり、ガラス転移温度を超える金型設定温度とすることにより脂肪族ポリエステル樹脂組成物の結晶化を促進させることができる。また、ガラス転移温度を超える金型表面温度のなかでも、ガラス転移温度を超え、結晶化ピーク温度から50℃未満([結晶化ピーク温度−50℃]未満)の金型設定温度範囲とすることにより、さらにバリの少ない脂肪族ポリエステル樹脂組成物の成形品を得ることができる。さらにこれ以上の金型設定温度とすることにより、脂肪族ポリエステル樹脂組成物成形品の結晶化をより促進することができる。また、少なくとも2条件以上の金型設定温度を選択する際の温度差は、大きいほど剛性と結晶化が促進された脂肪族ポリエステル樹脂組成物の成形品を得ることに有効であるが、最低設定温度と最高設定温度の差が10℃以上必要であり、20℃以上が好ましく、30℃以上がさらに好ましい。また、金型の最高設定温度の上限としては140℃以下とすることが成形品のバリ発生の観点から好ましい。
本発明においては、本発明で用いる特定の脂肪族ポリエステル樹脂組成物を用い、このような条件下で成形することにより、バリ、ヒケ、へこみなどが抑制され、極めて成形品外観に優れる成形品が得られるものである。
本発明における特定の脂肪族ポリエステル樹脂組成物を成形する際、少なくとも2条件の金型設定温度で成形することを特徴とする成形方法の射出成形の例としては、脂肪族ポリエステルのガラス転移温度を超える温度に温調された金型に、脂肪族ポリエステル樹脂組成物の溶融ポリマーを射出し、一定時間後に脂肪族ポリエステルのガラス転移温度以下に冷却した後成形品を取り出す方法、脂肪族ポリエステルのガラス転移温度以下の温度に温調された金型に、脂肪族ポリエステル樹脂組成物の溶融ポリマーを射出し、一定時間後に脂肪族ポリエステルのガラス転移温度を超える金型温度にし結晶化を促進して成形品を取り出す方法、脂肪族ポリエステルのガラス転移温度を超え結晶化ピーク温度から50℃未満の範囲に金型が温調された金型に、脂肪族ポリエステル樹脂組成物の溶融ポリマーを射出し、一定時間後にさらに高温の媒体に切り替えてより結晶化を促進して成形品を取り出す方法、脂肪族ポリエステルのガラス転移温度を越え結晶化ピーク温度から50℃未満の範囲に温調された金型に、脂肪族ポリエステル樹脂組成物の溶融ポリマーを射出し、一定時間後にさらに高温の媒体に切り替えてより結晶化を促進し、さらに一定時間後に脂肪族ポリエステルのガラス転移温度以下の媒体に切り替えて冷却を強化して成形品を取り出す方法、脂肪族ポリエステルのガラス転移温度を越え結晶化ピーク温度から50℃未満の範囲に金型表面温度が温調された金型に、脂肪族ポリエステル樹脂組成物の溶融ポリマーを射出し、一定時間後に脂肪族ポリエステルのガラス転移温度以下の媒体に切り替えて冷却を強化して成形品を取り出す方法、および脂肪族ポリエステルのガラス転移温度以下の温度に金型表面温度が温調された金型に、脂肪族ポリエステル樹脂組成物の溶融ポリマーを射出し、一定時間後に脂肪族ポリエステルのガラス転移温度を超え結晶化ピーク温度から50℃未満の範囲の媒体に切り替えて結晶化を促進して成形品を取り出す方法などが挙げられる。その中では、脂肪族ポリエステルのガラス転移温度を超える温度に金型表面温度が温調された金型に、脂肪族ポリエステル樹脂組成物の溶融ポリマーを射出し、一定時間後に脂肪族ポリエステルのガラス転移温度以下の媒体に切り替えて冷却を強化して成形品を取り出す方法と脂肪族ポリエステルのガラス転移温度以下の温度に金型表面温度が温調された金型に、脂肪族ポリエステル樹脂組成物の溶融ポリマーを射出し、一定時間後に脂肪族ポリエステルのガラス転移温度を超える媒体に切り替えて結晶化を促進して成形品を取り出す方法が好ましく使用できる。
本発明の成形方法においては、金型の設定温度だけでなく、金型の実表面温度の最低温度と最高温度の差が10℃以上である少なくとも2条件の金型実表面温度で成形することが好ましく、その温度条件としては、本発明で用いられる脂肪族ポリエステルのガラス転移温度以下の金型実表面温度、ガラス転移温度を超える金型実表面温度を含む少なくとも2条件であることが好ましい。上記のガラス転移温度以下の金型実表面温度とすることにより、固化を促進して剛性のある成形品となり、ガラス転移温度を超える金型実表面温度とすることにより脂肪族ポリエステルの結晶化を促進させることができる。また、ガラス転移温度を超える金型実表面温度のなかでも、ガラス転移温度を超え、結晶化ピーク温度から50℃未満([結晶化ピーク温度−50℃]未満)の金型実表面温度範囲とすることにより、さらにバリの少ない脂肪族ポリエステル樹脂組成物の成形品を得ることができる。さらにこれ以上の金型実表面温度とすることにより、脂肪族ポリエステル樹脂組成物成形品の結晶化をより促進することができる。また、少なくとも2条件以上の金型温度を選択する際の温度差は、大きいほど剛性と結晶化が促進された脂肪族ポリエステル樹脂組成物の成形品を得ることに有効であるが、最低実表面温度と最高実表面温度の差が20℃以上であることが好ましく、30℃以上であることがさらに好ましい。また、最高実表面温度の上限としては130℃以下とすることが成形品のバリ発生の観点から好ましい。
本発明における特定の脂肪族ポリエステル樹脂組成物を成形する際、少なくとも2条件の金型実表面温度で成形することを特徴とする成形方法の射出成形の例としては、脂肪族ポリエステルのガラス転移温度を超える温度に金型実表面温度が温調された金型に、脂肪族ポリエステル樹脂組成物の溶融ポリマーを射出し、一定時間後に脂肪族ポリエステルのガラス転移温度以下の金型実表面温度に冷却した後を成形品を取り出す方法、脂肪族ポリエステルのガラス転移温度以下の温度に金型実表面温度が温調された金型に、脂肪族ポリエステル樹脂組成物の溶融ポリマーを射出し、一定時間後に脂肪族ポリエステルのガラス転移温度を超える金型実表面温度にし、結晶化を促進して成形品を取り出す方法、脂肪族ポリエステルのガラス転移温度を超え結晶化ピーク温度から50℃未満の範囲に金型実表面温度が温調された金型に、脂肪族ポリエステル樹脂組成物の溶融ポリマーを射出し、一定時間後にさらに高温の金型実表面温度にし結晶化を促進して成形品を取り出す方法、脂肪族ポリエステルのガラス転移温度を超え結晶化ピーク温度から50℃未満の範囲に金型実表面温度が温調された金型に、脂肪族ポリエステル樹脂組成物の溶融ポリマーを射出し、一定時間後にさらに高温の金型実表面温度にし結晶化を促進し、さらに一定時間後に脂肪族ポリエステルのガラス転移温度以下の金型実表面温度に冷却して成形品を取り出す方法、脂肪族ポリエステルのガラス転移温度を超え結晶化ピーク温度から50℃未満の範囲に金型実表面温度が温調された金型に、脂肪族ポリエステル樹脂組成物の溶融ポリマーを射出し、一定時間後に脂肪族ポリエステルのガラス転移温度以下の金型実表面温度に冷却して成形品を取り出す方法、および脂肪族ポリエステルのガラス転移温度以下の温度に金型実表面温度が温調された金型に、脂肪族ポリエステル樹脂組成物の溶融ポリマーを射出し、一定時間後に脂肪族ポリエステルのガラス転移温度を超え結晶化ピーク温度から50℃未満の範囲の金型実表面温度にして結晶化を促進して成形品を取り出す方法などが挙げられる。その中では、脂肪族ポリエステルのガラス転移温度を超える温度に金型実表面温度が温調された金型に、脂肪族ポリエステル樹脂組成物の溶融ポリマーを射出し、一定時間後に脂肪族ポリエステルのガラス転移温度以下の金型実表面温度に冷却して成形品を取り出す方法と脂肪族ポリエステルのガラス転移温度以下の温度に金型実表面温度が温調された金型に、脂肪族ポリエステル樹脂組成物の溶融ポリマーを射出し、一定時間後に脂肪族ポリエステルのガラス転移温度を超える金型実表面温度にして結晶化を促進して成形品を取り出す方法が好ましく使用できる。
なお、本発明における金型実表面温度とは、金型内部の溶融樹脂が充填される部分の金型実表面温度であり、表面温度計で実測される温度を用いることができ、例えば射出成形直前の金型実表面温度と成形直後の金型実表面温度を測定することにより、容易に金型実表面温度の測定が可能である。さらに成形途中の金型実表面温度は、測定サンプルとして成形中の所望の時点で成形品を取り出し、直ちに金型表面温度を測定することにより測定することができる。また、金型実表面温度は、金型内部に表面温度が測れるように設置した熱電対を有する温度計でも測定することができる。
本発明においては、本発明で用いる特定の脂肪族ポリエステル樹脂組成物を用い、このような条件下で成形することにより、バリ、ヒケ、へこみなどが抑制され、極めて成形品外観に優れる成形品が得られるものである。
本発明の成形方法で得られた成形品は、特に限定されるものではないが、組成物中の脂肪族ポリエステルの結晶化度が10%以上であることが好ましく、20%以上であることがさらに好ましく、30%以上であることが特に好ましい。
以下、実施例により本発明を更に説明する。
なお、各特性の測定方法は以下の通りである。
[脂肪族ポリエテル樹脂組成物の製造方法]
(A)脂肪族ポリエステルに(B)可塑剤、必要に応じて(C)結晶核剤、さらに必要に応じて(D)、(E)、(F)成分を、さらに適宜必要に応じてその他の酸化防止剤などの添加剤を予めブレンドした後、シリンダー温度を220℃に設定した日本製鋼所製30mmφ二軸押出機TEX−30を使用して溶融混練し、ストランド状に吐出し、冷却バスを通して冷却後、ペレタイザーでペレット化した。
[ガラス転移温度の測定方法]
前記で得られたペレットを用い、示差熱量計(パーキングエルマー社製DSC−7)によりガラス転移温度を測定した。なお、測定条件は、溶融後、室温まで急冷したサンプルを速度10℃/分で昇温し、ガラス転移部分の中央部の温度をガラス転移温度とした。
[結晶化ピーク温度の測定方法]
前記で得られたペレットを用い、示差熱量計(パーキングエルマー社製DSC−7)により結晶化ピーク温度を測定した。なお、測定条件は、溶融後、サンプルを速度2℃/分で降温し、結晶化のピーク温度を求めた。例えば、実施例1の結晶化ピーク温度は134℃であった。
[射出成形方法]
東芝IS55EPN射出成形機に2系統の金型温調が可能なフィルムゲートを持つ80mm×80mm×3mm厚みの角板形状の金型を用い、また、成形品を離型するために必要な突きだしピンは角板の各コーナー部に配置した金型をセットした。また、冷却装置の付いた水循環の金型温調器Aとオイル循環ができる金型温調器Bの2台を設置し、循環の起動と停止が自動操作できる装置を取り付けた。
シリンダー温度が210℃に温度設定された東芝IS55EPN射出成形機に脂肪族ポリエテル樹脂組成物のペレットを投入し、溶融混練後、溶融樹脂を金型に射出し、射出時間時から30秒間その圧力で保圧し、60秒間冷却し、成形品を突きだしピンで離型させて成形品を得た。また、射出速度はMAXに設定し、射出成形圧力は成形品が得られる最低の成形圧力で行った。ここで、金型温度を低温から高温で成形する場合の金型温調器AとBから金型への送液時間は、先ず金型温調器Aの媒体を射出後10秒間まで送液し(保圧時の金型温調器の設定温度であり、金型実表面温度の測定方法は後で述べる)、停止後、次ぎに金型温調器Bからの媒体を金型への送液を射出10秒後から冷却の60秒間行った(冷却時の金型温調器の設定温度であり、金型実表面温度の測定方法は後で述べる)。その後、送液を停止し、金型温調器Aの媒体を4分間送液して上記の操作を繰り返した。また、金型温度を高温から低温で成形する場合は、金型温調器AとBの送液を逆にし、金型温調器Bにおける媒体の設定温度を保圧時の金型温調器の温度とし、金型温調器Aにおける媒体の設定温度を冷却時の金型温調器の温度とした(金型実表面温度の測定方法は後で述べる)。
[金型実表面温度の測定方法]
金型内部の溶融樹脂が充填される部分の金型実表面温度は、安立計器社製デジタル表面温度計HFT−60表面温度計を用いて測定した。
下記の参考例1と参考例2に実施例1、4における保圧時の金型実表面温度と冷却時の金型実表面温度の測定方法を例示した。他の実施例、比較例においても、保圧時および冷却時の金型温調器の媒体の設定温度(金型温調器の設定温度)を表1、2記載の金型温調器の設定温度にした以外は同様にして測定した。
[参考例1:実施例1における金型実表面温度]
シリンダー温度が210℃に温度設定された東芝IS55EPN射出成形機に実施例1の脂肪族ポリエテル樹脂組成物のペレットを投入し、溶融混練後、溶融樹脂を金型に射出し、射出時間時から30秒間その圧力で保圧し、60秒間冷却し、成形品を突きだしピンで離型させて成形品を得た。また、射出速度はMAXに設定し、射出成形圧力は成形品が得られる最低の成形圧力で行った。ここで、金型の温度コントロール方法は、金型温調器の媒体の設定温度で10℃に温調された金型温調器Aの媒体を射出後10秒間まで送液し、停止後、次に金型温調器の媒体の設定温度で90℃に温調された金型温調器Bからの媒体を金型への送液を射出10秒後から冷却の60秒間行った。その後送液を停止し、10℃に温調された金型温調器Aの媒体を4分間送液して上記の操作を繰り返した。前記の射出前に金型内部の溶融樹脂が充填される部分の金型実表面温度を表面温度計で測定したところ、32℃を示し、目的とする脂肪族ポリエステルのガラス転移温度以下の温度になっていた。また、成形品を突きだしピンで離型させて成形品を得た後、上記と同様に金型実表面温度を測定したところ、81℃を示し、目的とする脂肪族ポリエステルのガラス転移温度以上、かつガラス転移温度を越え、結晶化ピーク温度から50℃未満([結晶化ピーク温度−50℃]未満)の金型実表面温度範囲になっていた。
[参考例2:実施例4における金型実表面温度]
参考例1と同じく、射出前に金型内部の溶融樹脂が充填される部分の金型実表面温度を表面温度計で測定したところ、78℃を示し、目的とする脂肪族ポリエステルのガラス転移温度以上、かつガラス転移温度を越え、結晶化ピーク温度から50℃未満([結晶化ピーク温度−50℃]未満)の温度範囲の温度になっていた。また、成形品を突きだしピンで離型させて成形品を得た後、上記と同様に金型実表面温度を測定したところ、28℃を示し、目的とする脂肪族ポリエステルのガラス転移温度以下になっていた。
[成形品外観]
ヒケとは、金型に射出あるいは充填された樹脂が金型うまく転写されずに、成形品表面にくぼみが発生する。このくぼみをヒケとして表現した。
ヒケの判定は、成形品を目視観察し、下記の判定基準を用いた。
◎:ヒケなし
○:ヒケはないが、流動パターンのような皺が僅かに認められる
△:一部にヒケが認められる
×:広範囲にヒケが認められる
バリとは、金型に射出あるいは充填された樹脂が金型キャビティ外に流れて発生する薄膜の樹脂をバリとして表現した。
バリの判定は、フィルムゲートから遠い部分の成形品端に発生したバリの長さを万能投影機で測定した。
[成形直後の剛性]
成形終了後、成形品は金型から突きだしピンによって突きだされて離型するが、突き出された部分は、成形直後の剛性がない成形品の場合はヘコミが生じる。 このヘコミ量をハイトゲージで測定した。なお、あまりにもヘコミが多い試料は、測定面の反対面が極端にふくらみ測定不能であり、その試料はNGと表現した。
[難燃性]
前記の射出成形方法と同様に東芝機械製IS55EPN射出成形機を用いて、1/32インチ(約0.79mm)厚みの難燃性評価用試験片の射出成形を行い、UL94垂直試験に定められている評価基準に従い、難燃性を評価した。難燃性はV−0>V−1>V−2の順に低下しランク付けされる。また、難燃性が上記のV−2に達せず、上記の難燃性ランクに該当しなかった材料は規格外とした。
[実施例1〜27および比較例1〜13]
また、実施例および比較例においては、下記に示す材料を表1と表2に示す配合割合で脂肪族ポリエテル樹脂組成物の製造を行い、表1、表2に示す種々の金型設定温度、金型実表面温度で射出成形し、成形品外観と成形直後の剛性を評価して同じく表1と表2に示した。
(A)脂肪族ポリエステル
A−1:重量平均分子量20万、D−乳酸単位1%、融点175℃のポリ−L−乳酸
A−2:ポリブチレンサクシネート・アジペート、昭和高分子社製“ビオノーレ”3000
(B)可塑剤
B−1:ポリエチレングリコール、東邦化学社製“PEG−8000”
B−2:ポリエチレン・プロピレングリコール、旭電化製“プルロニック”F68
(C)結晶核剤
C−1:タルク、富士タルク社製“LMS−300”
(D)滑剤
D−1:モンタン酸エステルの一部ケン化物、ヘキストジャパン社製“ヘキスト・ワックスOP”
D−2:エチレンジアミン・ステアリン酸・セバシン酸の重縮合物、共栄社化学社製“ライトアマイド”WH−255
D−3:モンタン酸エステル、ヘキストジャパン社製“ヘキスト・ワックスE”
(E)熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、軟質熱可塑性樹脂および強化材
E−1:ポリブチレンアジペート/テレフタレート、BASFジャパン社製“エコフレックス”
E−2:ガラス繊維、チョップドストランド、日東紡社製“3J949”
E−3:ABS樹脂、東レ社製“トヨラック”T−500
(F)難燃剤
F−1:芳香族縮合リン酸エステル(大八化学製“PX−200”)
F−2:メラミンシアヌレート(日産化学製“MC−440”、表面処理あり)
F−3:ポリリン酸アンモニウム(鈴裕化学製“ファイアカット”FCP730)
F−4:水酸化アルミニウム(昭和電工製“ハイジライト”H−32ST、カップリング剤処理あり)
Figure 2005169885
実施例1〜11と比較例1〜2の比較から、本発明の特定の脂肪族ポリエステル樹脂組成物を金型を用いて溶融成形する際、少なくとも2条件の金型温度で成形した場合、成形品外観と成形直後の剛性に優れる成形品が得られることが明らかである。
また、比較例3〜5に示すように、本発明の特定の脂肪族ポリエステル樹脂組成物を1条件の金型温度で成形した場合は、とくに成形品外観に劣ることが明白である。
また、実施例4〜6から、脂肪族ポリエステルのガラス転移温度を越え結晶化ピーク温度から50℃未満の範囲に金型表面が温調された金型に、脂肪族ポリエステル樹脂組成物の溶融ポリマーを射出し、一定時間後に脂肪族ポリエステルのガラス転移温度以下の媒体に切り替えて成形した場合は、とくにバリの少ない成形品が得られた。
Figure 2005169885
実施例12〜26は、実施例5の脂肪族ポリエステル樹脂組成物に、さらに必要に応じて添加可能な本発明の(D)、(E)、および(F)成分を配合した組成物の特性を示した。
実施例12〜14から、滑剤を配合した場合は、実施例5よりも成形直後の剛性に優れていた。また、D−1とD−2の滑剤を配合した場合は特に上記の効果とヒケが少ないことから、脂肪酸エステルのケン化物、一部ケン化物、エチレンジアミン・ステアリン酸・セバシン酸の重縮合物は特に好ましい滑剤と言える。
また、実施例15〜17から、熱可塑性樹脂、軟質熱可塑性樹脂、および強化材を配合した場合においても、成形品外観と成形直後の剛性に優れることが明らかであり、実施例15のABS樹脂を配合した材料は、とくにバリが少ない結果が得られた。
また、実施例18〜21から、難燃剤を配合した場合においても、成形品外観と成形直後の剛性に優れることが明らかである。
また、実施例22〜26から、滑剤と軟質熱可塑性樹脂または強化材の併用、滑剤と難燃剤を併用配合した場合においても、成形品外観と成形直後の剛性に優れることが明らかであり、実施例24〜26から難燃剤を多量添加することによって、高度な難燃性が得られると言える。
また、比較例6〜13から、本発明の(A)脂肪族ポリエステルに(B)可塑剤、必要に応じて(C)結晶核剤からなる特定の脂肪族ポリエステル樹脂組成物を用いずに、(A)脂肪族ポリエステルに(D)、(E)、および(F)成分を配合した組成物は、成形品外観と成形直後の剛性に劣ることが明らかである。
本発明の特定の脂肪族ポリエステル樹脂組成物の成形方法から得られた成形品は、成形品表面にヒケやバリのない、成形品外観に優れる成形品が得られ、かつ成形直後に剛性があり変形を起こし難くいことから、成形品外観と成形直後の剛性に優れ、商品価値の高い成形品が容易に得られる成形方法であり、生分解性ポリマーを用いた成形外観に優れる成形品として、自動車用部品(例えば、自動車内装・外装部品、アンダーフード部品など)、電機・電子機器用部品(例えば、家電用部品、OA機器の部品、携帯などの通信機器の部品など)、農業用資材、園芸用資材、漁業用資材、土木・建築用資材、文具、医療用品、それらの筐体など多用途に展開可能であり、とくに電機・電子機器用部品の筐体に極めて有用な成形方法である。

Claims (13)

  1. (A)脂肪族ポリエステルに(B)可塑剤を配合してなる脂肪族ポリエステル樹脂組成物を金型を用いて溶融成形する際、金型の最低設定温度と最高設定温度の差が10℃以上である少なくとも2条件の金型設定温度で成形することを特徴とする脂肪族ポリエステル樹脂組成物の成形方法。
  2. 脂肪族ポリエステル樹脂組成物が、さらに(C)結晶核剤を配合してなるものである請求項1記載の脂肪族ポリエステル樹脂組成物の成形方法。
  3. 脂肪族ポリエステルのガラス転移温度を超える金型設定温度、および脂肪族ポリエステルのガラス転移温度以下の金型設定温度の2条件が含まれる少なくとも2条件の金型設定温度で成形することを特徴とする請求項1または2に記載の脂肪族ポリエステル樹脂組成物の成形方法。
  4. 前記の少なくとも2条件の金型温度条件を、脂肪族ポリエステルのガラス転移温度以下の金型設定温度にした後、脂肪族ポリエステルのガラス転移温度を超える金型設定温度とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の脂肪族ポリエステル樹脂組成物の成形方法。
  5. 脂肪族ポリエステルのガラス転移温度を超える金型実表面温度、および脂肪族ポリエステルのガラス転移温度以下の金型実表面温度の2条件が含まれる少なくとも2条件の金型実温度で成形することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の脂肪族ポリエステル樹脂組成物の成形方法。
  6. 前記の少なくとも2条件の金型実温度条件を、脂肪族ポリエステルのガラス転移温度以下の金型実表面温度に温調した後、脂肪族ポリエステルのガラス転移温度を超える金型実表面温度とすることを特徴とする請求項5に記載の脂肪族ポリエステル樹脂組成物の成形方法。
  7. 前記(B)可塑剤が、ポリアルキレングリコール系可塑剤であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の脂肪族ポリエステル樹脂組成物の成形方法。
  8. 前記(C)結晶核剤が、タルク、有機カルボン酸金属塩、およびカルボン酸アミドから選ばれる一種以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の脂肪族ポリエステル樹脂組成物の成形方法。
  9. 脂肪族ポリエステル樹脂組成物が、(D)滑剤をさらに配合してなるものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の脂肪族ポリエステル樹脂組成物の成形方法。
  10. 前記の(D)滑剤が脂肪酸エステルのケン化物あるいは一部ケン化物であることを特徴とする請求項9記載の脂肪族ポリエステル樹脂組成物の成形方法。
  11. 脂肪族ポリエステル樹脂組成物が、(E)熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂および強化材から選ばれる一種以上をさらに配合してなるものであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の脂肪族ポリエステル樹脂組成物の成形方法。
  12. 脂肪族ポリエステル樹脂組成物が(F)難燃剤をさらに配合してなるものであることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の脂肪族ポリエステル樹脂組成物の成形方法。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の脂肪族ポリエステル樹脂組成物の成形方法で得られた成形品。
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