JP5598821B2 - 負極用バインダー組成物および負極用合剤スラリー - Google Patents

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、極用バインダー組成物および極用合剤スラリー、特にリチウムイオン電池用の極用バインダー組成物および極用合剤スラリーに関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン電池は、リチウムイオンを正極と負極との間で移動させて充放電を行うことができる二次電池であって、一般的に、主に、正極活物質としてコバルト酸リチウム(LiCoO)などの金属酸化物を含む正極と、負極活物質として黒鉛などの炭素材料を含む負極と、電解質の溶媒としてカーボネート類などが用いられる電解液とから構成される。
【0003】
リチウムイオン電池は、ニッカド電池、ニッケル水素電池などの電池と比べ、エネルギー密度が大きく、放電電圧が高い。このため、リチウムイオン電池は、この特長を活かして、他の電池よりも小型化、軽量化を図ることができる。また、リチウムイオン電池は、メモリー効果がない、充放電サイクル特性が優れているなどの特長も持つ。このため、リチウムイオン電池は、ノート型パソコン、携帯電話、携帯ゲーム機器、デジタルカメラ、電子手帳など、小型化、軽量化が重要な商品価値となるモバイル機器に必要不可欠となっている。モバイル機器は、小型化、軽量化だけでなく、例えばワンセグなどの高機能化も年々進んでいる。このため、モバイル機器には、さらに長持ちする高容量、高性能な電池が求められるようになってきている。
【0004】
そして、近年、電池の高容量化を実現する負極活物質として、リチウムを吸蔵・放出する能力が大きいスズ及び/又はスズ合金やケイ素及び/又はケイ素合金が期待されている。負極の最も一般的な工業的製造方法としては、負極活物質とバインダーとを含む負極合剤スラリーを用いて銅などの負極集電体の表面に負極層を形成する方法が挙げられる。バインダーは、活物質同士及び活物質と集電体とを結着し、集電体から活物質が剥離することを防止するために必要となる。
【0005】
なお、通常、工業的に多用されている従来の炭素材料負極用のバインダーとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液や、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)の水分散液が挙げられる。
【0006】
しかし、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)は、炭素材料同士を一体化する結着剤としては優れているものの銅などの集電体金属との密着性が良くない。このため、このような炭素材料負極を有する電池には、繰り返し充放電が行われると、活物質である炭素材料が集電体から剥離して電池容量が低下する、すなわちサイクル寿命が短くなるという問題があった。一方、バインダー量を多くしてこの問題を解決しようすると、電池という限られた空間内で相対的に活物質の充填量が低下して電池容量が落ちるという新たな問題が生じてしまう。
【0007】
一方、スチレン−ブタジエンゴムの水分散液は、活物質の分散安定のためにカルボキシメチルセルロースなどの増粘剤を必要とする。増粘剤は負極に残留しやすく、本質的に絶縁物である。このため、このような炭素材料負極を有する電池では、電池容量を十分に高めることができないという問題があった(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0008】
また、上述のケイ素及び/又はケイ素合金は、黒鉛と違って充電時にその体積が3〜4倍にも膨張する。この現象に対し、従来のバインダーは充放電に合わせた繰り返しの膨張と収縮によって活物質がひび割れや微粉化を起こし、その結果、充放電サイクル特性が突然低下して電池性能が低下する問題があった。
【0009】
この問題を解決するため、特許文献3及び4では、バインダーとしてポリイミド樹脂を使用することを提案している。しかし、上記のような高分子材料をバインダーとして用いると高分子材料が活物質を完全に被覆しやすくなり、負極表面の安定界面(SEI)の形成を阻害してしまうおそれがある。また、高分子材料はそもそも絶縁物であるため、初期充放電効率が落ちるという問題もある。これに対し、特許文献5では、分解可能に設計したポリイミド樹脂が提案されている。この特許文献5では、ポリイミド樹脂を熱分解させることで、電解液が負極に浸透しやすくなり初期充放電効率が高くなるとともに、負極層中に空孔ができ活物質の膨張、収縮の応力が緩和されるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平11−007948号公報
【特許文献2】特開2001−210318号公報
【特許文献3】特開平11−158277号公報
【特許文献4】国際公開2004/004031パンフレット
【特許文献5】特開2007−242405号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、結着力が強く、活物質表面の安定界面(SEI)の形成を阻害することがない極用バインダー組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、活物質と極用バインダー組成物とを混合してなる極用合剤スラリーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、下記化学式(A)(式中、R 、R 、R 、R はそれぞれ独立に水素、炭素数1から8である炭化水素基(芳香環、−O−、−CO−、−OH等の官能基を有してもよい)またはフェニル基を表わす。また、R’は化学式(A−1)、化学式(A−2)または化学式(A−3)(式中、XはO、S、CH 、C(CH 、COまたは直接結合を表わす。)で表される。)で表されるテトラカルボン酸エステル化合物から成る群より選択される少なくとも1種のテトラカルボン酸から誘導されるエステル化合物、少なくとも1種の「芳香環または複素環に直接結合した3つ以上のアミノ基を有する化合物」および有機溶媒を含む極用バインダー組成物が上記課題を解決できることを見出した。
【0013】
【化1】
Figure 0005598821

【化2】
Figure 0005598821

【化3】
Figure 0005598821

【化4】
Figure 0005598821

【0014】
すなわち、請求項1に記載の極用バインダー組成物は、下記化学式(A)(式中、R 、R 、R 、R はそれぞれ独立に水素、炭素数1から8である炭化水素基(芳香環、−O−、−CO−、−OH等の官能基を有してもよい)またはフェニル基を表わす。また、R’は化学式(A−1)、化学式(A−2)または化学式(A−3)(式中、XはO、S、CH 、C(CH 、COまたは直接結合を表わす。)で表される。)で表されるテトラカルボン酸エステル化合物から成る群より選択される少なくとも1種のテトラカルボン酸から誘導されるエステル化合物(以下「テトラカルボン酸エステル化合物」という)、少なくとも1種の「芳香環または複素環に直接結合した3つ以上のアミノ基を有する化合物」および有機溶媒を含有する。
【0015】
請求項2に記載の極用バインダー組成物は、請求項1に記載の極用バインダー組成物であって、少なくとも1種のジアミン化合物をさらに含有する。
【0018】
また、請求項に記載の極用バインダー組成物は、請求項に記載の極用バインダー組成物であって、(式中、R”は化学式(I−1)、化学式(I−2)または化学式(I−3)(式中、YはO、S、C(CH、COまたは直接結合を表わす。)で表される。)で表されるジアミン化合物から成る群より選択される少なくとも1種のジアミン化合物である。
【化5】
Figure 0005598821

【化6】
Figure 0005598821

【化7】
Figure 0005598821

【化8】
Figure 0005598821

【0019】
また、請求項に記載の極用バインダー組成物は、請求項1からのいずれかに記載の極用バインダー組成物であって、有機溶媒は、沸点が250度C以下である。
【0020】
また、請求項に記載の極用バインダー組成物は、請求項1からのいずれかに記載の極用バインダー組成物であって、焼成後のガラス転移温度(Tg)が300度C以上である。
【0021】
また、請求項に記載の極用バインダー組成物は、請求項1からのいずれかに記載の極用バインダー組成物であって、焼成後の架橋点間分子量(Mx)が150以下である。なお、焼成後の架橋点間分子量(Mx)は、10以上150以下であるのが好ましく、50以上100以下であるのがより好ましい。
【0022】
次に、請求項に記載の極用合剤スラリーは、請求項1からのいずれかに記載の極用バインダー組成物に、少なくとも活物質を配合(混合)してなる。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る極用バインダー組成物は、従来のバインダー組成物のようなポリマー型ではなくモノマー型である。そして、この極用バインダー組成物は、3つ以上のアミノ基を有する化合物を含むため、重合の過程で網目構造となり、銅などの集電体金属と強い接着力を示し、負極活物質を集電体金属に強力に結着させる。このため、この極用バインダー組成物は、充放電に合わせた繰り返しの膨張と収縮によっても活物質がひび割れや微粉化を起こしにくくなっている。またこの極用バインダー組成物は、活物質を完全に被覆して活物質表面の安定界面(SEI)の形成を阻害することがなく、より少量で活物質を結着することができる。また、この極用バインダー組成物は、乾燥及び/又は焼結時にアルコールを生成しながらポリイミドとなるため、負極層中に適度な空孔が形成される。このため、この極用バインダー組成物を利用すれば、負極活物質の膨張、収縮の応力を緩和することができる。したがって、この極用バインダー組成物は、高い初期充放電効率とサイクル特性を示す極を提供することができる。また、この極用バインダー組成物中の有機溶媒として「沸点が250度C以下の有機溶媒」が採用されると、焼成後の溶媒残渣を十分に低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】実施例1および比較例1における動的粘弾性測定の結果を表すグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の極用バインダー組成物は、少なくとも1種のテトラカルボン酸から誘導されるエステル化合物(以下「テトラカルボン酸エステル化合物」という)、少なくとも1種の「3つ以上のアミノ基を有する化合物」および有機溶媒を含有する。
【0026】
本発明の極用バインダー組成物に用いることのできるテトラカルボン酸エステル化合物は、対応するテトラカルボン酸二無水物をアルコール類でエステル化することにより簡単に得られる。エステル化は50度C〜150度Cの温度で行うのが好ましい。また、エステル化時、必要に応じてジメチルアミノピリジン、トリエチルアミンのようなエステル化触媒を添加してもよい。
【0027】
テトラカルボン酸エステル化合物を誘導形成するためのテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(a−BPDA)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、2,2−ビス[3,4−(ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物(BPADA)、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物、オキシジフタル酸無水物(ODPA)、チオジフタル酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物、9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン二無水物や9,9−ビス[4−(3,4’−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]フルオレン二無水物などが挙げられる。なお、これらの中でも、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(a−BPDA)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)が好ましい。また、これらのテトラカルボン酸二無水物は単独あるいは2種以上混合して用いられてもよい。
【0028】
アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、3−メチル−2−ブタノール、2,2−ジメチル−1−プロパノール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、シクロヘキサノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−イソプロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−フェニルエタノール、1−フェニル−1−ヒドロキシエタン、2−フェノキシエタノールなどのアルコール類が挙げられる。また、アルコール類としては、さらに1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,2’−ジヒドロキシジエチルエーテル、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール類も挙げられる。これらのアルコール類は単独あるいは2種以上混合して用いられてもよい。
【0029】
「3つ以上のアミノ基を有する化合物」としては、例えば、1,3,5−トリアミノベンゼン、1,3,5−トリス(4−アミノフェニル)ベンゼン、3,4,4’−トリアミノジフェニルエーテル、2,4,6−トリアミノピリミジン(TAP)、6−フェニルブテリジン−2,4,7−トリアミン、トリス(4−アミノフェニル)メタノール、メラミン、2’,4’,4−トリアミノベンズアニリド、2,5,6−トリアミノ−3−メチルピリミジン−4(3H)−オン、1,4,5,8−テトラアミノアントラキノン、3,3’−ジアミノベンジジンなどが挙げられる。なお、これらの中でも、2,4,6−トリアミノピリミジン(TAP)、トリス(4−アミノフェニル)メタノールが好ましい。また、これらのアミン化合物は単独あるいは2種以上混合して用いられてもよい。
【0030】
ジアミン化合物としては、例えば、パラフェニレンジアミン(PPD)、メタフェニレンジアミン(MPDA)、2,5−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2−ビス(トリフルオロメチル)−4、4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン(MDA)、2,2−ビス−(4−アミノフェニル)プロパン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル(34ODA)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)、1,5−ジアミノナフタレン、4,4’−ジアミノジフェニルジエチルシラン、4,4’−ジアミノジフェニルシラン、4,4’−ジアミノジフェニルエチルホスフィンオキシド、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(133APB)、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(134APB)、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)、2,2−ビス(3−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン等が挙げられる。なお、これらのジアミン化合物は単独あるいは2種以上混合して用いられてもよい。なお、これらの中でも、パラフェニレンジアミン(PPD)、メタフェニレンジアミン(MPDA)、4,4’−ジアミノジフェニルメタン(MDA)、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル(34ODA)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(133APB)、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(134APB)、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)が好ましい。
【0031】
有機溶媒は、テトラカルボン酸エステル化合物、3つ以上のアミノ基を有する化合物およびジアミン化合物を溶解することのできる有機溶媒であれば何でもよい。なお、これらの中でも沸点が250度C以下の有機溶媒が好ましい。有機溶媒の沸点が250度C以下であると、極中に有機溶媒が残留しにくいからである。また、沸点が225度C以下の有機溶剤がより好ましい。このような有機溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(沸点202度C)、N,N−ジメチルアセトアミド(沸点166度C)、N−メチルアセトアミド(沸点206度C)、アセトアミド(沸点221度C)N,N−ジエチルホルムアミド(沸点177度C)、N,N−ジメチルホルムアミド(沸点153度C)、N−メチルホルムアミド(沸点183度C)等のアミド類、メタノール(沸点65度C)、エタノール(沸点78度C)、1−プロパノール(沸点97度C)、2−プロパノール(沸点82度C)、1−ブタノール(沸点118度C)、2−ブタノール(沸点100度C)、2−メチル−1−プロパノール(沸点108度C)、2−メチル−2−プロパノール(沸点83度C)、1−ペンタノール(沸点138度C)、2−ペンタノール(沸点119度C)、3−ペンタノール(沸点116度C)、2−メチル−1−ブタノール(沸点128度C)、3−メチル−1−ブタノール(沸点131度C)、2−メチル−2−ブタノール(沸点102度C)、3−メチル−2−ブタノール(沸点112度C)、2,2−ジメチル−1−プロパノール(沸点114度C)、1−ヘキサノール(沸点157度C)、2−メチル−1−ペンタノール(沸点148度C)、4−メチル−2−ペンタノール(沸点132度C)、2−エチル−1−ブタノール(沸点147度C)、シクロヘキサノール(沸点161度C)、2−メトキシエタノール(沸点125度C)、2−エトキシエタノール(沸点136度C)、2−イソプロポキシエタノール(沸点139−143度C)、2−ブトキシエタノール(沸点170度C)、2−フェニルエタノール(沸点220度C)、2−フェノキシエタノール(沸点245度C)等のアルコール類、さらに1,2−エタンジオール(沸点198度C)、1,2−プロパンジオール(沸点187度C)、1,3−プロパンジオール(沸点214度C)、1,3−ブタンジオール(沸点191度C)、1,4−ブタンジオール(沸点229度C)、2,3−ブタンジオール(沸点182度C)、1,5−ペンタンジオール(沸点242度C)、2−メチル−2,4−ペンタンジオール(沸点197度C)、2,2’−ジヒドロキシジエチルエーテル(沸点245度C)、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール(沸点194度C)、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール(沸点202度C)、1−メトキシ−2−プロパノール(沸点120度C)、1−エトキシ−2−プロパノール(沸点132度C)、ジプロピレングリコール(沸点232度C)等の多価アルコール類、1,2−ジメトキシエタン(モノグライム 沸点85度C)、1,2−ジエトキシエタン(沸点121度C)、1,2−ジブトキシエタン(沸点203度C)、ビス(2−メトキシエチル)エーテル(ジグライム 沸点160度C)、ビス(2−エトキシエチル)エーテル(沸点188度C)、テトラヒドロフラン(沸点66度C)、ジオキサン(沸点101度C)等のエーテル類、酢酸エチル(沸点77度C)、酢酸プロピル(沸点102度C)、酢酸ブチル(沸点126度C)、γ−ブチロラクトン(沸点204度C)等のエステル類、ジメチルカーボネート(沸点90度C)、エチルメチルカーボネート(沸点107度C)、ジエチルカーボネート(沸点126度C)、エチレンカーボネート(沸点238度C)、プロピレンカーボネート(沸点242度C)、ブチレンカーボネート(沸点240度C)等の炭酸エステル類が挙げられる。なお、これらの有機溶媒は単独あるいは2種以上混合して用いられてもよい。
【0032】
上述の通り、本発明に係る極用バインダー組成物は、従来の極用バインダー組成物であるポリフッ化ビニリデン、スチレン−ブタジエン共重合体のようなポリマー型ではなくモノマー型である。このため、この極用バインダー組成物は、乾燥及び/又は焼結時にアルコールを生成しながらポリイミドとなるため、負極層中に適度な空孔が形成される。このため、この極用バインダー組成物を利用すれば、負極活物質の膨張、収縮の応力を緩和することができるのである。ポリイミドのガラス転移温度(Tg)が300度C以上となるようにこの極用バインダー組成物を焼成すると、負極活物質の膨張、収縮の応力を緩和するのに好適である。また、この極用バインダー組成物は、3つ以上のアミノ基を有する化合物を含むため、重合の過程で網目構造となり、銅などの集電体金属と強い接着力を示し、負極活物質を集電体金属に強力に結着させる。なお、架橋点間分子量(Mx)が150以下であれば、極用バインダー組成物中の樹脂成分は、銅などの集電体金属に対し、良好な接着力を示す。また、架橋点間分子量(Mx)が100以下であれば、極用バインダー組成物中の樹脂成分は、銅などの集電体金属に対し、さらに良好な接着力を示す。このため、この極用バインダー組成物は、充放電に合わせた繰り返しの膨張と収縮によっても活物質がひび割れや微粉化を起こしにくい。
【0033】
また、本発明の極用バインダー組成物の固形分は、特に制限されるものではないが、極用合剤スラリーの製造において溶媒使用量の削減や濃度調整ができるため、高い方が好ましい。極用バインダー組成物の固形分は10重量%以上であるのが好ましく、20%重量%以上であるのがより好ましく、30%重量%以上であるのがさらに好ましい。
【0034】
また、本発明の極用合剤スラリーは、本発明の極用バインダー組成物に活物質を配合することにより得られる。
【0035】
本発明の極用合剤スラリーに用いることのできる活物質粒子は特に制限されるものではないが、負極合剤スラリー用の負極活物質粒子としては、例えば、黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、スズ及び/又はスズ合金、ケイ素及び/又はケイ素合金などが挙げられる。負極活物質粒子が合金である場合、極用合剤スラリーには、その他、リチウムと合金化する材料が含有されていてもよい。ここで、リチウムと合金化する材料としては、例えば、ゲルマニウム、スズ、鉛、亜鉛、マグネシウム、ナトリウム、アルミニウム、ガリウム、インジウム、およびこれらの合金などが挙げられる。ただし、負極における電池の容量を高めるためには、負極活物質粒子はケイ素及び/又はケイ素合金であることが好ましく、ケイ素であることがより好ましい。正極活物質粒子としては、例えば、LiCoO,LiNiO,LiMn,LiMnO,LiCo0.5Ni0.5,LiNi0.7Co0.2Mn0.1などのリチウム含有遷移金属酸化物や、MnOなどのリチウムを含有していない金属酸化物等を用いることができる。
【0036】
負極活物質粒子の平均粒子径は、特に制限されるものではないが、10μm以上20μm以下であることが好ましい。負極活物質粒子は、その粒径が大きくなるほど、負極活物質粒子と負極集電体との間の抵抗が低減される一方、充放電時における負極活物質粒子の体積変化による応力が作用して、負極集電体から剥離しやすくなり、逆に、負極活物質粒子の粒径が小さくなりすぎると、単位重量あたりの負極活物質粒子の表面積が増大して、非水電解液と接触する面積が増大し、不可逆反応が増加して容量低下を招くからである。
【0037】
本発明の極用合剤スラリーでは、バインダーの量が少ないと、負極層中における負極活物質を充分に保持したり、負極層と負極集電体との密着性を充分に高めたりすることが困難になる一方、バインダーの量が多くなると、負極の抵抗が増大して初期の充電が困難になる。このため、バインダーの重量は、活物質に対し、5重量%以上50重量%以下であることが好ましい。
【0038】
負極における集電性を高めるため、負極用合剤スラリーに導電性粉末を添加してもよい。導電性粉末としては、導電性炭素材料、後述する負極集電体と同様の導電性金属のものを用いることが好ましい。導電性炭素材料としては、黒鉛、MCMBなどの人造黒鉛、カーボンナノチューブなどが挙げられる。導電性金属としては、銅、ニッケル、鉄、チタン、コバルト等の金属やこれらの合金が挙げられる。
【0039】
本発明の極用合剤スラリーの粘度は、特に制限されるものではないが、1ポイズ以上500ポイズ以下であるのが好ましい。極用合剤スラリーの塗布作業が容易になるからである。
【0040】
本発明に用いることのできる負極集電体の表面粗さRaは0.1μm以上であるのが好ましい。このように負極集電体の表面粗さRaが0.1μm以上であると、負極集電体の上に負極層を形成するとき、バインダーによるアンカー効果が大きく得られ、負極層の負極集電体に対する密着性が大きく向上するからである。
【0041】
また、この負極集電体の材料としては、例えば、銅、ニッケル、鉄、チタン、コバルト等の金属またはこれらの合金を用いることができる。特に、負極集電体の材料として、銅元素を含む金属箔を用いるのがより好ましく、銅箔又は銅合金箔を用いるのがさらに好ましい。なお、上記の銅元素を含む金属箔としては、銅以外の金属元素から成る金属箔の表面に銅元素を含む層を形成したものであってもかまわない。
【0042】
また、上記の負極集電体の厚みは、特に限定されないが、通常、10μm〜100μmの範囲である。
【0043】
本発明の極用合剤スラリーの集電体への塗布方法は、特に制限されないが、ダイコート法であるのが好ましい。なお、極用合剤スラリーはダイコートされた後に圧延が可能になるまで乾燥され、その結果、負極合剤層が形成される。また、続いて、負極集電体に形成した負極合剤層が圧延される。このように負極合剤層が圧延されると、負極合剤層の密度が高くなり電池のエネルギー密度が高くなるとともに、負極活物質粒子の一部が負極集電体に埋設され、負極合剤層と負極集電体との接着面積が大きくなる。その結果、負極集電体に対する負極合剤層の密着性が向上し、表面が粗面化されていない負極集電体に対しても負極合剤層が充分に密着するようになる。
【0044】
極用合剤スラリーを焼結処理する場合の処理温度は、バインダーをポリイミド転化させるために200度C〜500度Cであるのが好ましく、300〜450度Cであるのがより好ましい。また、この焼結処理は、非酸化性雰囲気下で行うことが好ましい。非酸化性雰囲気としては、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気、窒素ガス雰囲気、及び真空雰囲気が挙げられる。また、水素雰囲気などの還元性雰囲気であってもよい。なお、これらの中でも、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気が好ましく用いられる。焼結処理の方法としては、放電プラズマ焼結法及びホットプレス法を用いてもよい。また、負極を焼結処理する場合、焼結処理により、集電体中の元素が活物質層の活物質粒子中に拡散してもよい。特に、集電体表面に銅元素が含まれる場合、銅元素が活物質粒子中に拡散することにより、集電体と活物質層との密着性を高めることができる。
【0045】
以下、実施例によって本発明を詳細に説明する。
【実施例1】
【0046】
(バインダー組成物の作製)
500mLの3つ口フラスコに、ポリテトラフルオロエチレン製の攪拌羽を取り付けた攪拌棒を取り付けて合成容器とした。そして、その合成容器に、ポリイミド前駆体溶液の固形分が43重量%となるように3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)109.53g(0.340mol)、エタノール45.85g(1.02mol)およびN−メチル−2−ピロリドン(NMP)113.20gを投入し、その混合物を80度Cに加熱して2時間攪拌し、BTDAエステル化合物溶液を得た。次いで、BTDAエステル化合物溶液を40度C以下に冷却した後、合成容器にメタフェニレンジアミン(MPDA)15.79g(0.136mol)及び2,4,6−トリアミノピリミジン(TAP)18.27g(0.136mol)を加え、再び80度Cに加熱して3時間攪拌し、ポリイミド前駆体溶液を得た。続いて、そのポリイミド前駆体溶液を#300のSUSメッシュでろ過し、極用バインダー組成物を得た。この極用バインダー組成物の粘度は173ポアズであった。
(負極の作製)
次に、極用バインダー組成物が活物質の10重量%となるように活物質としてのケイ素粉末に極用バインダー組成物を添加して、極用合剤スラリーを調製した。そして、この極用合剤スラリーを厚さ18μmの圧延銅箔(日本銅箔(株)製)に塗布して乾燥させた後、その圧延銅箔をロールプレス機により圧縮成形した。続いて、その圧延銅箔を真空雰囲気中400度Cで6時間加熱して圧延銅箔上に合剤層を形成した。この合剤層は、発泡体となっており、圧延銅箔に強固に固着されていた。
(物性測定)
極用バインダー組成物をガラス板上に流延し、その極用バインダー組成物が流延されたガラス板を焼成炉に投入した後、焼成炉の温度を徐々に上げていき、極用バインダー組成物を最終的に350℃で1時間焼成して極用バインダー組成物のフィルム片を得た。そして、このフィルム片をセイコーインスツルメンツ製の動的粘弾性測定装置EXSTAR6000にセットして測定周波数1Hz,昇温速度2度C/分の条件で以下の物性を測定した。
(1)ガラス転移温度(Tg)
ガラス転移温度(Tg)は、図1に示されるように、貯蔵弾性率曲線の低温側直線部の外挿線と、ガラス転移領域の曲線の勾配が最大であると思われる点における接線との交点に対応する温度とした。なお、本実施例におけるフィルム片のガラス転移温度(Tg)は、356度Cであった。
(2)架橋点間分子量(Mx)
架橋点間分子量(Mx)は、下式(1)により求めた。
Mx=ρRT/E’ (1)
なお、式(1)中、ρは、樹脂の密度であり、本実施例では1.3g/cmとした。Tは、貯蔵弾性率が極小となる点での絶対温度である。E’は、極小点における貯蔵弾性率である。Rは、気体定数である。
なお、本実施例におけるフィルム片の架橋点間分子量は16であった。
【実施例2】
【0047】
BTDAの投入量を107.66g(0.334mol)に代え、エタノールの投入量を46.18g(1.00mol)に代え、NMPの投入量を112.79gに代え、MPDAの投入量を24.09g(0.223mol)に代え、TAPの投入量を9.29g(0.074mol)に代えた以外は、実施例1と同様に極用バインダー組成物を調製した後、負極を作製すると共に、実施例1と同様にして物性測定を行った。
なお、本実施例に係る極用バインダー組成物の粘度は60ポアズであった。また、この極用バインダー組成物を用いて作製されたフィルム片のガラス転移温度(Tg)は324度Cであった。また、同フィルムの架橋点間分子量は48であった。また、負極の合剤層は発泡体となっており、圧延銅箔に強固に固着されていた。
【実施例3】
【0048】
BTDAの投入量を106.36g(0.330mol)に代え、エタノールの投入量を45.62g(0.990mol)に代え、NMPの投入量を113.49gに代え、MPDAの投入量を30.60g(0.283mol)に代え、TAPの投入量を3.93g(0.031mol)に代えた以外は、実施例1と同様に極用バインダー組成物を調製した後、負極を作製すると共に、実施例1と同様にして物性測定を行った。
なお、本実施例に係る極用バインダー組成物の粘度は47ポアズであった。また、この極用バインダー組成物を用いて作製されたフィルム片のガラス転移温度(Tg)は306度Cであった。また、同フィルムの架橋点間分子量は92であった。また、負極の合剤層は発泡体となっており、圧延銅箔に強固に固着されていた。
【実施例4】
【0049】
BTDAの投入量を104.61g(0.325mol)に代え、エタノールの投入量を89.74g(1.948mol)に代え、NMPの投入量を78.56gに代え、TAPの投入量を27.08g(0.216mol)に代えた以外は、実施例1と同様に極用バインダー組成物を調製した後、負極を作製すると共に、実施例1と同様にして物性測定を行った。
なお、本実施例に係る極用バインダー組成物の粘度は12ポアズであった。また、この極用バインダー組成物を用いて作製されたフィルム片のガラス転移温度(Tg)は366度Cであった。また、同フィルムの架橋点間分子量は14であった。また、負極の合剤層は発泡体となっており、圧延銅箔に強固に固着されていた。
【実施例5】
【0050】
BTDAの投入量を84.87g(0.263mol)に代え、エタノールの投入量を36.40g(0.790mol)に代え、NMPの投入量を125.11gに代え、MPDA15.79g(0.136mol)及びTAP18.27g(0.136mol)をトリス(4−アミノフェニル)メタノール53.62g(0.176mol)に代えた以外は、実施例1と同様に極用バインダー組成物を調製した後、負極を作製すると共に、実施例1と同様にして物性測定を行った。
なお、本実施例に係る極用バインダー組成物の粘度は109ポアズであった。また、この極用バインダー組成物を用いて作製されたフィルム片のガラス転移温度(Tg)は329度Cであった。また、同フィルムの架橋点間分子量は25であった。また、負極の合剤層は発泡体となっており、圧延銅箔に強固に固着されていた。
【実施例6】
【0051】
BTDAの投入量を100.26g(0.311mol)に代え、エタノールの投入量を43.00g(0.934mol)に代え、NMPの投入量を116.79gに代え、MPDAの投入量を22.43g(0.207mol)に代え、TAP18.27g(0.136mol)を6−フェニルブテリジン−2,4,7−トリアミン17.52g(0.069mol)に代えた以外は、実施例1と同様に極用バインダー組成物を調製した後、負極を作製すると共に、実施例1と同様にして物性測定を行った。
なお、本実施例に係る極用バインダー組成物の粘度は75ポアズであった。また、この極用バインダー組成物を用いて作製されたフィルム片のガラス転移温度(Tg)は318度Cであった。また、同フィルムの架橋点間分子量は56であった。また、負極の合剤層は発泡体となっており、圧延銅箔に強固に固着されていた。
【実施例7】
【0052】
BTDAの投入量を102.70g(0.319mol)に代え、エタノールの投入量を44.05g(0.956mol)に代え、NMPの投入量を115.47gに代え、MPDAの投入量を20.68g(0.191mol)に代え、TAP18.27g(0.136mol)を1,4,5,8−テトラアミノアントラキノン17.10g(0.064mol)に代えた以外は、実施例1と同様に極用バインダー組成物を調製した後、負極を作製すると共に、実施例1と同様にして物性測定を行った。
なお、本実施例に係る極用バインダー組成物の粘度は125ポアズであった。また、この極用バインダー組成物を用いて作製されたフィルム片のガラス転移温度(Tg)は331度Cであった。また、同フィルムの架橋点間分子量は37であった。また、負極の合剤層は発泡体となっており、圧延銅箔に強固に固着されていた。
【実施例8】
【0053】
BTDAの投入量を107.66g(0.334mol)に代え、NMPの投入量を96.75gに代え、MPDAの投入量を24.09g(0.223mol)に代え、TAPの投入量を9.29g(0.074mol)に代え、エタノール45.85g(1.02mol)を1,2−エタンジオール62.22g(1.00mol)に代えた以外は、実施例1と同様に極用バインダー組成物を調製した後、負極を作製すると共に、実施例1と同様にして物性測定を行った。
【0054】
なお、本実施例に係る極用バインダー組成物の粘度は280ポアズであった。また、この極用バインダー組成物を用いて作製されたフィルム片のガラス転移温度(Tg)は322度Cであった。また、同フィルムの架橋点間分子量は47であった。また、負極の合剤層は発泡体となっており、圧延銅箔に強固に固着されていた。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明の極用バインダー組成物は、従来の極用バインダー組成物よりも結着力が強く、活物質表面の安定界面(SEI)の形成を阻害することがないという特徴を有しており、特に、リチウムイオン電池等の高容量電池において負極集電体に負極活物質を結着させるための結着剤として有用である。

Claims (7)

  1. 下記化学式(A)(式中、R 、R 、R 、R はそれぞれ独立に水素、炭素数1から8である炭化水素基(芳香環、−O−、−CO−、−OH等の官能基を有してもよい)またはフェニル基を表わす。また、R’は化学式(A−1)、化学式(A−2)または化学式(A−3)(式中、XはO、S、CH 、C(CH 、COまたは直接結合を表わす。)で表される。)で表されるテトラカルボン酸エステル化合物から成る群より選択される少なくとも1種のテトラカルボン酸から誘導されるエステル化合物(以下「テトラカルボン酸エステル化合物」という)と、
    少なくとも1種の芳香環または複素環に直接結合した3つ以上のアミノ基を有する化合物と、
    有機溶媒と
    を含有する極用バインダー組成物。
    Figure 0005598821

    Figure 0005598821

    Figure 0005598821

    Figure 0005598821
  2. 少なくとも1種のジアミン化合物をさらに含有する
    請求項1に記載の極用バインダー組成物。
  3. 前記ジアミン化合物は、下記化学式(I)(式中、R”は化学式(I−1)、化学式(I−2)または化学式(I−3)(式中、YはO、S、C(CH、COまたは直接結合を表わす。)で表される。)で表されるジアミン化合物から成る群より選択される少なくとも1種のジアミン化合物である
    請求項に記載の極用バインダー組成物。
    Figure 0005598821

    Figure 0005598821

    Figure 0005598821

    Figure 0005598821
  4. 前記有機溶媒は、沸点が250度C以下である
    請求項1からのいずれかに記載の極用バインダー組成物。
  5. 焼成後のガラス転移温度(Tg)が300度C以上である
    請求項1からのいずれかに記載の極用バインダー組成物。
  6. 焼成後の架橋点間分子量(Mx)が150以下である
    請求項1からのいずれかに記載の極用バインダー組成物。
  7. 請求項1からのいずれかに記載の極用バインダー組成物に、少なくともケイ素粉末を混合してなる極用合剤スラリー。
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