JP5598645B2 - 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置並びに圧電素子 - Google Patents

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本発明は、ノズルから液滴を噴射する液体噴射ヘッド及び液体噴射装置、並びにこれらに用いられる圧電素子に関する。
液体噴射ヘッドの代表例としては、例えば、インク滴を噴射するノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板(バネ板材)で構成し、この振動板を圧電素子(アクチュエーター)により変形させて圧力発生室のインクを加圧してノズル開口からインク滴を吐出させるインクジェット式記録ヘッドがある。このようなインクジェット式記録ヘッドに用いられる圧電素子としては、例えば、内部電極及び個別内部電極と圧電体層とを交互に積層することで形成されたものがある(例えば、特許文献1参照)。また、このように圧電体層と電極とを交互に積層した圧電素子の構造については、様々な提案がなされている(例えば、特許文献2〜5参照)。
例えば、これらの特許文献にも記載されているように、積層型の圧電素子の構造として、圧電素子の表面に外部電極を設けて、圧電体層間に積層された各内部電極と接続するようにしたものがある。
特開2004−327462号公報 特開2005−285817号公報 特許第3214017号公報 特開平4−235041号公報 特開平4−186379号公報
このように圧電素子の表面に外部電極が設けられた構成では、外部電極と内部電極とが短絡してしまい、圧電素子が破壊されてしまう虞がある。その原因としては、例えば、不活性な最外層厚みが薄い場合に絶縁抵抗が不足している場合や、いわゆるイオンマイグレーション等によって絶縁抵抗が経時的に劣化する場合に、このような問題が特に生じやすい。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、外部電極と内部電極との短絡を抑制することができる液体噴射ヘッド及び液体噴射装置並びに圧電素子を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明は、ノズルに連通する圧力発生室と、該圧力発生室に圧力を加える圧電素子とを具備し、該圧電素子は、複数層の圧電体層とこれらの圧電体層の間に交互に配される第1の内部電極及び第2の内部電極とを有すると共に、前記第1の内部電極と同一平面に設けられる第3の内部電極を有し、前記圧電素子の一方面には、前記第1の内部電極に接続される第1の外部電極と、前記第2の内部電極及び前記第3の内部電極に接続される第2の外部電極とが設けられ、前記圧電素子の前記一方面側最外層の圧電体層は、前記第1の外部電極と前記第1の内部電極とで挟まれた不活性層となっていると共に、前記第1の外部電極は前記第1の内部電極に対向する領域の外側まで延設されており、前記第3の内部電極は、前記圧電体層の間に配された全ての層が前記圧電体層の積層方向で前記第1の外部電極と重ならないように構成され、前記第1の内部電極と前記第3の内部電極との間に、これら第1及び第3の内部電極とは独立するダミーの内部電極がさらに設けられていることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる本発明では、いわゆるイオンマイグレーション等に起因する第1の外部電極と第3の内部電極との短絡が抑制される。これにより圧電素子の耐久性が向上し、長期に亘って液滴を良好に噴射させることができるようになる。
またこのような構成とする場合、前記第1の内部電極と前記第3の内部電極との間に、これら第1及び第3の電極とは独立するダミーの内部電極がさらに設けられていることが好ましい。これにより、圧電素子を形成する際に生じる圧電素子の変形(撓みや反り)を抑制することができる。
また本発明は、このような構成の液体噴射ヘッドを具備する液体噴射装置にある。かかる本発明では、耐久性に優れた液体噴射装置を実現することができる。
さらに本発明は、複数層の圧電体層とこれらの圧電体層の間に交互に配される第1の内部電極及び第2の内部電極とを有すると共に、前記第1の内部電極と同一平面に設けられる第3の内部電極を有し、前記圧電体層の積層方向の一方面には、前記第1の内部電極に接続される第1の外部電極と、前記第2の内部電極及び前記第3の内部電極に接続される第2の外部電極とが設けられ、前記一方面側最外層の圧電体層は、前記第1の外部電極と前記第1の内部電極とで挟まれた不活性層となっていると共に、前記第1の外部電極は前記第1の内部電極に対向する領域の外側まで延設されており、前記第3の内部電極は、前記圧電体層の間に配された全ての層が前記圧電体層の積層方向で前記第1の外部電極と重ならないように構成され、前記第1の内部電極と前記第3の内部電極との間に、これら第1及び第3の内部電極とは独立するダミーの内部電極がさらに設けられていることを特徴とする圧電素子にある。
かかる本発明では、いわゆるイオンマイグレーション等に起因する第1の外部電極と第3の内部電極との短絡が抑制される。これにより圧電素子の耐久性が向上する。
本発明の他の態様は、ノズルに連通する圧力発生室と、該圧力発生室の一方面を構成する振動板上に設けられる圧電素子とを具備し、該圧電素子は、複数層の圧電体層とこれらの圧電体層の間に交互に配される第1の内部電極及び第2の内部電極とを有すると共に、前記第1の内部電極と同一平面に設けられる第3の内部電極を有し、前記圧電素子の一方面には、前記第1の内部電極に接続される第1の外部電極と、前記第2の内部電極及び前記第3の内部電極に接続される第2の外部電極とが設けられ、前記圧電素子の前記一方面側最外層の圧電体層は、前記第1の外部電極と前記第1の内部電極とで挟まれた不活性層となっていると共に、前記第1の外部電極は前記第1の内部電極に対向する領域の外側まで延設されており、前記第3の内部電極は、前記圧電体層の間に配された全ての層が前記圧電体層の積層方向で前記第1の外部電極と重ならないように構成されていることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
具体的には、例えば、前記第3の内部電極の端部が、前記第1の外部電極の端部よりも前記第2の外部電極側に位置している構成とする。
かかる本発明では、いわゆるイオンマイグレーション等に起因する第1の外部電極と第3の内部電極との短絡が抑制される。これにより圧電素子の耐久性が向上し、長期に亘って液滴を良好に噴射させることができるようになる。
またこのような構成とする場合、前記第1の内部電極と前記第3の内部電極との間に、これら第1及び第3の内部電極とは独立するダミーの内部電極がさらに設けられていることが好ましい。これにより、圧電素子を形成する際に生じる圧電素子の変形(撓みや反り)を抑制することができる。
また本発明の他の態様は、このような構成の液体噴射ヘッドを具備する液体噴射装置にある。かかる本発明では、耐久性に優れた液体噴射装置を実現することができる。
さらに本発明の他の態様は、複数層の圧電体層とこれらの圧電体層の間に交互に配される第1の内部電極及び第2の内部電極とを有すると共に、前記第1の内部電極と同一平面に設けられる第3の内部電極を有し、前記圧電体層の積層方向の一方面には、前記第1の内部電極に接続される第1の外部電極と、前記第2の内部電極及び前記第3の内部電極に接続される第2の外部電極とが設けられ、前記一方面側最外層の圧電体層は、前記第1の外部電極と前記第1の内部電極とで挟まれた不活性層となっていると共に、前記第1の外部電極は前記第1の内部電極に対向する領域の外側まで延設されており、前記第3の内部電極は、前記圧電体層の間に配された全ての層が前記圧電体層の積層方向で前記第1の外部電極と重ならないように構成されていることを特徴とする圧電素子にある。
かかる本発明では、いわゆるイオンマイグレーション等に起因する第1の外部電極と第3の内部電極との短絡が抑制される。これにより圧電素子の耐久性が向上する。
本発明の一実施形態に係る記録ヘッドを示す平面図及び断面図である。 本発明の一実施形態に係る圧電素子を示す平面図及び断面図である。 本発明に係る圧電素子の変形例を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る記録装置を示す概略斜視図である。
以下に、本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態の液体噴射ヘッドの一例となるインクジェット式記録ヘッドは、複数の圧力発生室11が設けられた流路形成基板12と、各圧力発生室11に連通する複数のノズル13が穿設されたノズルプレート14と、流路形成基板12のノズルプレート14とは反対側の面に設けられる振動板15と、振動板15上の各圧力発生室11に対応する領域に設けられる圧力発生手段としての圧電素子16とを有する。
流路形成基板12には、各圧力発生室11が隔壁17によって区画されてその幅方向に複数並設されている。例えば、本実施形態では、複数の圧力発生室11が並設された列が流路形成基板12に2列設けられている。
各圧力発生室11の列の外側には、各圧力発生室11にインクを供給するためのリザーバー18が、流路形成基板12を厚さ方向に貫通して設けられている。そして、各圧力発生室11とリザーバー18とは、インク供給路19を介して連通している。インク供給路19は、本実施形態では、圧力発生室11よりも狭い幅で形成されており、リザーバー18から圧力発生室11に流入するインクの流路抵抗を一定に保持する役割を果たしている。
また圧力発生室11は、本実施形態では、流路形成基板12を貫通することなく形成されており、圧力発生室11のリザーバー18とは反対の端部側には、流路形成基板12を貫通してノズル13に連通するノズル連通路20が形成されている。
流路形成基板12の一方面側にはノズルプレート14が接合されている。そして上述のように各ノズル13が流路形成基板12に設けられたノズル連通路20を介して各圧力発生室11と連通している。また、流路形成基板12の他方面側、すなわち圧力発生室11の開口面側には振動板15が接合され、各圧力発生室11はこの振動板15によって封止されている。そしてこの振動板15上には、圧力発生室11内にインク滴を噴射するための圧力を発生する圧力発生手段である圧電素子16が設けられている。圧電素子16は、その先端部が振動板15上に当接した状態で固定されている。
圧電素子16は、圧電体層21と個別内部電極22及び共通内部電極23とが交互に積層され、圧電変形に寄与しない不活性領域が固定基板24に固着されている。また圧電素子16の不活性領域には、駆動IC25が搭載された駆動配線26が接続されている。なお、このような圧電素子16の構造については、詳しく後述する。
振動板15上には、圧電素子16が固定基板24に固定された状態で収容される収容部27を有するヘッドケース28が固定されている。圧電素子16の先端が当接する振動板15は、例えば、樹脂フィルム等の弾性部材からなる弾性膜29と、この弾性膜29を支持する、例えば、金属材料等からなる支持板30との複合板で形成されており、弾性膜29側が流路形成基板12に接合されている。また振動板15の各圧力発生室11に対向する領域内には、圧電素子16の先端部が当接する島部31が設けられている。すなわち振動板15の各圧力発生室11の周縁部に対向する領域に他の領域よりも厚さの薄い薄肉部32が形成されて、この薄肉部32の内側にそれぞれ島部31が設けられている。
なお振動板15のリザーバー18に対向する領域には、薄肉部32と同様に、支持板30が除去されて実質的に弾性膜29のみで構成されるコンプライアンス部33が設けられている。ヘッドケース28のコンプライアンス部33に対向する部分には、コンプライアンス部33の変形を許容する空間である空間部34が形成されている。
このようなインクジェット式記録ヘッドでは、インク滴を噴射する際に、圧電素子16及び振動板15の変形によって各圧力発生室11の容積を変化させて所定のノズル13からインク滴を噴射させるようになっている。具体的には、図示しないインクカートリッジからリザーバー18にインクが供給されると、インク供給路19を介して各圧力発生室11にインクが分配される。実際には、圧電素子16に電圧を印加することにより圧電素子16を収縮させる。これにより、振動板15が圧電素子16と共に変形されて圧力発生室11の容積が広げられ、圧力発生室11内にインクが引き込まれる。そして、ノズル13に至るまで内部にインクを満たした後、駆動IC25からの記録信号に従い、圧電素子16の個別内部電極22及び共通内部電極23に印加していた電圧を解除する。これにより、圧電素子16が伸張されて元の状態に戻ると共に振動板15も変位して元の状態に戻る。結果として圧力発生室11の容積が収縮して圧力発生室11内の圧力が高まりノズル13からインク滴が噴射される。
以下、圧電素子16の構造について詳しく説明する。本実施形態に係る圧電素子16は、圧電体層21のd31方向の逆圧電効果により変形するものであり、図2に示すように、複数層の圧電体層21(21a、21b、21c)と、各圧電体層21間に交互に配された第1の内部電極である個別内部電極22及び第2の内部電極である共通内部電極23とで構成される圧電素子形成部材35に複数一体的に形成されている。すなわち圧電素子形成部材35には、例えば、ワイヤソー等によって複数のスリット36が形成されることでその先端部側が櫛歯状に切り分けられて、複数の圧電素子16が形成されている。なお圧電素子16の列37の両外側には、圧電素子16よりも広い幅を有する位置決め部38が設けられている。この位置決め部38は、各圧電素子16をヘッドケース28の収容部27に対して高精度に位置決めするために設けられている。
各圧電素子16の個別内部電極22は、圧電素子形成部材35の一方の端面(圧電素子16の先端部側の端面)35aで露出するように設けられている。そして本実施形態では、個別内部電極22は圧電素子形成部材35の端面35aから圧電素子形成部材35の中央部まで延設されている。一方、共通内部電極23は、圧電素子形成部材35の他方側の端面(圧電素子16の基端部側の端面)35bで露出するように設けられている。この共通内部電極23は、圧電素子形成部材35の略全面に亘って設けられているが、圧電素子形成部材35の端面35aでは露出されないように形成されている。そして、これら個別内部電極22と共通内部電極23とが重なっている部分が電圧を印加した際に実際に圧電変形が生じる活性領域となり、それ以外の部分が、圧電変形が生じない、又は、活性領域の変位に伴い吐出に寄与しない程度に圧電変形する不活性領域となっている。
また個別内部電極22と同一平面には、個別内部電極22とは独立する第3の内部電極である補助内部電極39が設けられている。つまり圧電素子16(圧電素子形成部材35)の不活性領域に、補助内部電極39が設けられている。
この補助内部電極39は、後述するように共通内部電極23に接続されており、共通内部電極23の抵抗値を低減させる役割を果たしている。共通内部電極23の抵抗値が高いと、電圧降下に起因して各圧電素子16の変位量にバラツキが生じる虞がある。圧電素子16が高密度に形成されている場合には、特にバラツキが生じやすい。しかしながら、補助内部電極39が共通内部電極23に接続されていることで、共通内部電極23の抵抗値が実質的に低下するため、このような圧電素子16の変位量のバラツキが抑えられる。
さらにこの補助内部電極39が設けられていることで、圧電素子16を製造する際の変形(撓みや反り)も抑えられる。すなわち、活性領域と不活性領域とで電極の層数が異なると、圧電素子16(圧電素子形成部材35)を製造する際に、熱による変形が生じる虞があるが、補助内部電極39が設けられていることで、このような変形を抑制することができる。
圧電素子形成部材35の表面には、個別内部電極22に接続される個別外部電極40と、共通内部電極23及び補助内部電極39に接続される共通外部電極41とが電気的に独立した状態で形成されている。個別外部電極40は、圧電素子形成部材35の端面35aから固定基板24とは反対側の表面の個別内部電極22に対向する領域の外側(不活性領域)まで連続的に設けられている。すなわち本実施形態では、個別外部電極40は、固定基板24に対向する領域まで延設されている。この個別外部電極40は、圧電素子形成部材35の端面35aで各個別内部電極22と接続されている。一方、共通外部電極41は、圧電素子形成部材35の端面35bから固定基板24とは反対側の表面に連続的に設けられている。また共通外部電極41は圧電素子形成部材35の端面35bで共通内部電極23及び補助内部電極39に接続されている。そして、これら個別外部電極40及び共通外部電極41は、上述のように圧電素子16(圧電素子形成部材35)の不活性領域(固定基板24に対向する領域)で駆動配線26と接続されている。
ここで、圧電素子16を構成する複数の圧電体層21のうち最外層の圧電体層21a,21b、つまり積層方向両端部の圧電体層21a,21bは、圧電素子16に電圧を印加した際に圧電変形しない不活性層となっている。本実施形態では、上述のように圧電素子形成部材35の個別外部電極40と共通外部電極41が共に形成されている面は一面のみである。また個別内部電極22及び補助内部電極39と共通内部電極23とは、圧電素子形成部材35の個別外部電極40が形成された面側から個別内部電極22及び補助内部電極39、共通内部電極23の順で交互に配されている。
したがって個別外部電極40と共通外部電極41が共に形成されている面側の圧電体層21aは活性領域であっても同じ極である個別内部電極22と個別外部電極40とによって挟まれることになり不活性層となっている。一方、圧電体層21aとは反対側の面の最外層の圧電体層21bの表面には、外部電極が形成されていないことで不活性層となっている。なお固定最外層の圧電体層21bは圧電変形が生じる活性層となっていてもよい。
このように圧電素子16(圧電素子形成部材35)の表面に外部電極が形成された構成では、最外層の圧電体層21aが不活性層となっているにも拘わらず、外部電極と内部電極とが短絡してしまう虞がある。具体的には、個別外部電極40と補助内部電極39とが短絡してしまう虞がある。しかしながら、本発明では、複数層の各補助内部電極39が、圧電体層22の積層方向で個別外部電極40と重ならないように形成されているため、上記のような個別外部電極40と補助内部電極39との短絡を抑制することができる。
具体的には、図2に示すように、各補助内部電極39を、その端部39aが個別外部電極40の端部40aよりも共通外部電極41側となるように形成することで、圧電体層21の積層方向で個別外部電極40と補助内部電極39とが重ならないようにした。
これにより、圧電素子16に電圧を印加した際に、個別外部電極40と補助内部電極39とが短絡してしまうのを抑えることができる。なお、このように短絡を抑制することができるのは、個別外部電極40と補助内部電極39との間での、いわゆるイオンマイグレーションの発生が抑制されるからであると考えられる。
また上述したように、補助内部電極39は共通内部電極23の抵抗値を低減させるという重要な役割を果たすものである。つまり本発明の構成によれば、電圧降下による圧電素子16の変位のバラツキを抑えつつ圧電素子16の耐久性も向上することができる。よって、長期に亘ってインク滴を良好に噴射させることができるようになる。このように補助内部電極39を設けた構成において生じる補助内部電極39と個別外部電極40との短絡を抑制できる本発明は、極めて有用なものである。
さらに本発明の構成では、補助内部電極39の全ての層が同一形状に形成されている。このため圧電素子16(圧電素子形成部材35)を形成する際に、各圧電体層21上に同一パターンの補助内部電極39を形成すればよい。したがって製造工程を簡素化することができ、コストの増加も抑制することができる。
なお上述のような構成とすることで、個別内部電極22と補助内部電極39との間隔が広くなってしまう場合には、例えば、図3に示すように、個別内部電極22と補助内部電極39との間に、これら個別内部電極22及び補助内部電極39とは独立するダミー電極42をさらに設けることが好ましい。これにより、上述したように圧電素子16を製造する際に起こる圧電素子16(圧電素子形成部材35)の変形(撓みや反り)を、より確実に抑制することができる。
ところで、不活性層である最外層の圧電体層21a,21bのうち、少なくとも一方の厚さは、最外層以外の圧電体層(以下、「内層の圧電体層」という)21cの厚さ以下となっている。好ましくは、最外層の圧電体層21a,21bの厚さの合計が、内層の圧電体層21cの2倍以下であり、特に、最外層の圧電体層21a,21bのそれぞれが、内層の圧電体層21cの厚さ以下となっていることが好ましい。本実施形態では、最外層の圧電体層21a,21bのそれぞれの厚さが、内層の圧電体層21cの厚さよりも薄くなるようにしている。
なお本実施形態では、内層の各圧電体層21cは略同一の厚さで形成されているが、これら内層の圧電体層21cの厚さは必ずしも同一である必要はない。内層の各圧電体層21cの厚さが異なる場合には、最外層の圧電体層21a,21bは、内層の圧電体層21cの最大厚以下となっていればよいが、最小厚以下であることが好ましい。
このように、積層型の圧電素子16を構成する最外層の圧電体層21a,21bが不活性層となっている場合に、この最外層の圧電体層21a,21bの厚さを内層の圧電体層21cの厚さ以下とすることで、この最外層の圧電体層21a,21bによる圧電素子16の変位の低下を抑えることができる。したがって、各圧電素子16を十分に変位させてインク滴を良好に噴射させることができる。
またこのように最外層の圧電体層21aの厚さを薄くすると、最外層の圧電体層21aの両側に配された個別外部電極40と補助内部電極39との短絡は生じやすくなるが、上述したように補助内部電極39を圧電体層21の積層方向で個別外部電極40と重ならないように形成することで、個別外部電極40と補助内部電極39との短絡を抑制することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、勿論、本発明は、この実施形態に限定されるものではない。例えば、上述の実施形態では、圧電素子形成部材に複数の圧電素子が一体的に形成された構成を例示したが、勿論、圧電素子はそれぞれ独立したものであってもよい。
また例えば、上述の実施形態では、圧電素子として圧電体層のd31方向の逆圧電効果により変形するものを例示したが、複数層の圧電体層とこれらの圧電体層の間に交互に配される第1の内部電極及び第2の内部電極とを有する積層型の圧電素子であれば本発明を適用することができる。例えば、圧電体層のd33方向の逆圧電効果により変形するものであってもよく、このようなタイプの圧電素子であっても変位の低下を抑制することができる。
また本実施形態のインクジェット式記録ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するインク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成して、インクジェット式記録装置に搭載される。図4に示すように、インクジェット式記録装置における記録ヘッドユニット1A及び1Bは、インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。
そして、駆動モーター6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラーなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8に巻き掛けられて搬送されるようになっている。
なお上述の実施形態では、液体噴射ヘッドとしてインク滴を噴射するインクジェット式記録ヘッドを例示したが、本発明は、広く液体噴射ヘッド全般を対象としたものである。液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(電界放出ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等を挙げることができる。
また本発明は、インクジェット式記録ヘッドに代表される液体噴射ヘッドに搭載される圧電素子に限られず、他の装置に搭載される圧電素子にも適用することができる。
12 流路形成基板、 14 ノズルプレート、 15 振動板、 16 圧電素子、 21 圧電体層、 22 個別内部電極、 23 共通内部電極、 24 固定基板、 28 ヘッドケース、 29 弾性膜、 30 支持板、 35 圧電素子形成部材、 39 補助内部電極、 40 個別外部電極、 41 共通外部電極、 42 ダミー電極

Claims (3)

  1. ノズルに連通する圧力発生室と、該圧力発生室に圧力を加える圧電素子とを具備し、
    該圧電素子は、
    複数層の圧電体層とこれらの圧電体層の間に交互に配される第1の内部電極及び第2の内部電極とを有すると共に、前記第1の内部電極と同一平面に設けられる第3の内部電極を有し、
    前記圧電素子の一方面には、前記第1の内部電極に接続される第1の外部電極と、前記第2の内部電極及び前記第3の内部電極に接続される第2の外部電極とが設けられ、
    前記圧電素子の前記一方面側最外層の圧電体層は、前記第1の外部電極と前記第1の内部電極とで挟まれた不活性層となっていると共に、前記第1の外部電極は前記第1の内部電極に対向する領域の外側まで延設されており、
    前記第3の内部電極は、前記圧電体層の間に配された全ての層が前記圧電体層の積層方向で前記第1の外部電極と重ならないように構成され、
    前記第1の内部電極と前記第3の内部電極との間に、これら第1及び第3の内部電極とは独立するダミーの内部電極がさらに設けられていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  2. 請求項に記載の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置。
  3. 複数層の圧電体層とこれらの圧電体層の間に交互に配される第1の内部電極及び第2の内部電極とを有すると共に、前記第1の内部電極と同一平面に設けられる第3の内部電極を有し、
    前記圧電体層の積層方向の一方面には、前記第1の内部電極に接続される第1の外部電極と、前記第2の内部電極及び前記第3の内部電極に接続される第2の外部電極とが設けられ、
    前記一方面側最外層の圧電体層は、前記第1の外部電極と前記第1の内部電極とで挟まれた不活性層となっていると共に、前記第1の外部電極は前記第1の内部電極に対向する領域の外側まで延設されており、
    前記第3の内部電極は、前記圧電体層の間に配された全ての層が前記圧電体層の積層方向で前記第1の外部電極と重ならないように構成され、
    前記第1の内部電極と前記第3の内部電極との間に、これら第1及び第3の内部電極とは独立するダミーの内部電極がさらに設けられていることを特徴とする圧電素子。
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