JP5598038B2 - 熱間鍛造非調質鋼部品及びこれに用いる熱間鍛造用非調質鋼 - Google Patents

熱間鍛造非調質鋼部品及びこれに用いる熱間鍛造用非調質鋼 Download PDF

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Description

本発明は、コンロッド等に適した熱間鍛造非調質鋼部品及びこれに用いる熱間鍛造用非調質鋼に関する。
自動車の部品であるコンロッド等は、炭素鋼や若干の合金元素を添加した低合金鋼を熱間鍛造することにより製造されている。また、熱間鍛造によって成形した1個の部品を、所望の分割位置で破断分離(クラッキング)することにより複数の部品に分割することが行われることがある。代表的には、コンロッド部品(クラッキングコンロッド)があり、軸部の一端に設けられた大端部と該大端部から分離されるキャップ部とを一体的に備えた状態で熱間鍛造し、その後、大端部とキャップ部とを破断分離させることがよく行われている。
このような熱間鍛造用の鋼としては、エネルギーの節約のため、熱間鍛造時の熱を利用し、その後、大気中で空冷するだけで必要とする強度の得られる非調質鋼が多く用いられている。その一方で、自動車の燃費改善要求は極めて強く、そのため、軽量化の一助となる鋼部品の強度向上要求が強く求められている。
しかし、高強度を得るとは、言い換えれば硬さが高くなるということであり、被削性の低下を意味する。さらに、クラッキングコンロッドとして使用可能にするには、必要とする破断分離性も確保しなければならない。したがって、高強度のクラッキングコンロッドを開発するには、高い硬さであっても被削性の優れる条件を把握した上で、その条件の中から破断分離性も同時に満足する範囲を把握する必要がある。そのため、高強度及び被削性と破断分離性の両立は容易ではない。従って、従来から多数の熱間鍛造用鋼が提案されているが、HV300を大きく超える硬さで、優れた被削性及び破断分離性を維持できる非調質鋼となると、ほとんど提案されていないのが現状である。
例えば、特許文献1には、鋼の成分組成やAc3変態温度等を限定した、疲労強度に優れた非調質鍛造品の製造方法が記載されている。
上記特許文献1の鋼を含め、多数の非調質鋼が開発されており、これらは大量生産可能な被削性を確保しているが、硬さがHV300未満であり、本発明で目的とする強度が得られない。そして、この鋼の強度を単純に高めても、被削性が低下してしまう。そのため、硬さを高めても優れた被削性を維持できる技術開発が必要であった。
そして、特許文献2には、熱処理は必要となるものの高強度と大量生産可能な被削性の両立が可能で、自動車の足廻り部品の大幅な軽量化を達成可能とする被削性に優れた時効硬化型高強度ベイナイト鋼部品及びその製造方法が記載されている。
特許文献2の鋼部品は、硬さがHV340以上で高強度を有しながら、被削性の優れる材料として提案されており、コストの問題、熱処理が必要であるという点を除けば、従来からの高強度、及び優れた被削性の要求を満足するものである。しかしながら、時効処理が必須であるため、コスト高になる共に、CO2発生量の点で問題がある。
さらに、クラッキング性も含めて検討された文献として、特許文献3,4がある。
特許文献3には、クラッキングコンロッドに関する記載がある。そして、熱間鍛造のままでは大部分がHRC28(およそHV270相当)以下となって強度不足となることを改善するために、鍛造後の冷間コイニングと時効処理を行うことが示されている。しかしながら、このような追加工程はコスト高を招いてしまう。
また、特許文献4にも、クラッキングコンロッドに関する記載がある。しかしながら、そこに記載されたものは、熱間鍛造後の硬さが大半がHRC30以下、平均で26.8(およそHV265相当)であり、0.2%耐力も低く強度不足である。
特開平9−194933号公報 特開2004−169055号公報 特開2005−59013号公報 特開2004−277817号公報
本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、冷間コイニングや時効処理に頼ることなく、高強度を確保しつつ、優れた被削性と破断分離性を確保できる熱間鍛造非調質鋼部品及びこれに用いる熱間鍛造用非調質鋼を提供しようとするものである。
第1の発明は、化学成分が、質量%でC:0.35〜0.55%、Si:0.15〜0.40%、Mn:0.50〜1.00%、P:0.100%以下、S:0.040〜0.100%、Cr:1.00%以下、V:0.20〜0.50%、Ca:0.0005〜0.0100%、N:0.0150%以下を含有し、残部がFe及び不可避的不純物よりなり、
2Mn+5Mo+Cr≦3.1であり、
C+Si/5+Mn/10+10P+5V≧1.8であり、
Ceq=C+Si/7+Mn/5+Cr/9+Vが0.90〜1.10であり、
硬さがHV330以上であり、
降伏比が0.73以上であり、
組織が、ベイナイトが10%以下のフェライト・パーライト組織であることを特徴とする熱間鍛造非調質鋼部品にある(請求項1)。
第2の発明は、上記第1の発明の熱間鍛造非調質鋼部品を製造するための熱間鍛造用非調質鋼であって、
化学成分が、質量%でC:0.35〜0.55%、Si:0.15〜0.40%、Mn:0.50〜1.00%、P:0.100%以下、S:0.040〜0.100%、Cr:1.00%以下、V:0.20〜0.50%、Ca:0.0005〜0.0100%、N:0.0150%以下を含有し、残部がFe及び不可避的不純物よりなり、
2Mn+5Mo+Cr≦3.1であり、
C+Si/5+Mn/10+10P+5V≧1.8であり、
Ceq=C+Si/7+Mn/5+Cr/9+Vが0.90〜1.10であることを特徴とする熱間鍛造用非調質鋼にある(請求項2)。
上述したように、高強度を追及し、硬さを高くすると、それにより一般的には被削性は低下する。しかしながら、被削性は硬さのみで定まるわけではなく、特定の条件を備えることにより、高強度で高硬度であって、かつ優れたクラッキング性を備えた上で、優れた被削性を実現できると考えられる。
そこで、本発明の熱間鍛造非調質鋼部品及びこれに用いる熱間鍛造用非調質鋼は、コストを増大させることなく、高強度、優れたクラッキング性及び優れた被削性が得られるように、鋼を構成する各化学成分等の条件について鋭意検討を重ね、その条件を明確にしたものである。
本発明において、高強度とは、引張強さ1100MPa以上であり、0.2%耐力が800MPa以上であることとする。また、優れた被削性とは、従来のHV250程度の非調質鋼(例えば特許第3226781号公報など)と比べて同等以上の被削性を有することとした。また、優れた破断分離性とは、JIS Z2242に準拠したVノッチシャルピー衝撃試験を行った際に、試験後の破面の全面が脆性破面となることとする。
本発明の熱間鍛造非調質鋼部品は、上記強度を実現するために、硬さがHV330以上であることを必須要件とする。また、同じ硬さであっても、降伏比が低いと耐力が下がって強度が低下するため、降伏比が0.73以上であることを必須要件とする。
そして、上記硬さ及び降伏比を満足し、かつ被削性を得ることができるように、成分元素の含有率、及びその配合比率を規定した。
上記化学成分は、質量%でC:0.35〜0.55%、Si:0.15〜0.40%、Mn:0.50〜1.00%、P:0.100%以下、S:0.040〜0.100%、Cr:1.00%以下、V:0.20〜0.50%、Ca:0.0005〜0.0100%、N:0.0150%以下を含有し、残部がFe及び不可避的不純物よりなる。
C:0.35〜0.55%、
Cは強度を確保するための基本元素である。そのため、Cの含有率を0.35質量%以上とすることにより、上述の高強度(引張強さ1100MPa以上、0.2%耐力800MPa以上)を確保することができる。しかし、含有率が0.55質量%を超えると、後述するCaが存在する場合でも被削性が低下するため、上限を0.55質量%とした。
Si:0.15〜0.40%、
Siは、製鋼時の脱酸剤として有効であると共に、強度及び破断分離性を向上させるため下限を0.15%とした。また、Siは鍛造後の冷却時に生じる脱炭量が増加し疲労強度を低下させるため、添加は脱酸に必要な最低限の量とすることが好ましい。そのため、Siの含有率の上限を0.40質量%とした。
Mn:0.50〜1.00%、
Mnは、製鋼時の脱酸ならびに鋼の強度、靭性バランスを調整するために添加される元素であり、0.50%以上とする。しかし、本発明は、Cの上限を0.55%と高めに設定しており、Ca添加により被削性の向上を図っているものの、特にCが0.45%を超える場合では、ベイナイトが生じない場合であっても被削性が要求レベルを満足できないおそれがある。Mnは、増量すると、ベイナイトが生じない範囲に限定しても被削性低下の原因となるため、上限を1.00%とした。さらに、Mnを多量添加してベイナイト組織が生じた場合には、大きく耐力、被削性が低下するため、そうならないように添加量を調整する必要がある。
P:0.100%以下、
Pは破断分離性向上に有効であるために添加する。一方、熱間加工性の悪化を防ぐため上限を0.100%とする。
S:0.040〜0.100%、
Sは、鋼中でCaS、MgS、MnS、(Ca,Mn)S、(Ca,Mg)S、(Ca,Mg,Mn)S等の硫化物系介在物を形成し、被削性向上に効果のある元素であり、HV330以上の硬さで必要な被削性を確保するためには不可欠な元素であるため、下限を0.040%とした。しかし、添加量を増加すると被削性に効果のある一方で、鍛造時に割れの発生が生じ易くなるため、S含有量の上限を0.100%とした。好ましくは0.080%以下とするのがよい。
Cr:1.00%以下、
Crは、鋼の強度、靭性バランスを調整するために有効な元素である。しかしながら、Mnの場合と同様に、Crの添加量を増加すると被削性低下の原因となり、ベイナイトが生じない場合であっても必要とする被削性を確保できない場合がある。そして、さらに、ベイナイトが生じた場合には、耐力、被削性が大きく低下する。したがって、Cr添加量の上限を1.00%とする必要がある。
V:0.20〜0.50%、
Vは、鋼中で炭窒化物となって鍛造後の冷却中に金属組織において微細に析出することにより、フェライトを強化するという非調質鋼にとっては必須の元素である。そして、Vを0.20質量%以上含有させることにより、降伏比を0.73以上とすることができ、同一硬さで比較した場合の得られる耐力を高め、強度を改善することができる。しかしながら、0.50質量%を超えて含有させても、効果が飽和するため、上限を0.50質量%とした。
Ca:0.0005〜0.0100%、
Caは被削性の改善に非常に有効であるため0.0005%以上添加する。一方、その効果は添加量が多すぎても飽和するため、Caの上限値を0.0100%とした。
N:0.0150%以下
Nの含有量が0.0150%を超えると、鋼中NのうちVと結合し炭窒化物を形成してγ域で析出する量が増加し、強度に貢献しないV炭窒化物の析出が増加し、強度に貢献できるフェライト中のV炭窒化物の微細な析出量が減少して強度が低下する。そのため、Nの含有量を0.0150%以下に制限する。
2Mn+5Mo+Cr≦3.1、
上記式における、Mn、Mo、Crは、それぞれ、上記化学成分における含有率(質量%)である。
上記成分元素の含有率がそれぞれ上記範囲を満たし、かつ、2Mn+5Mo+Cr≦3.1を満たすことにより、ベイナイトの発生を10%以下に抑制し、主な組織をフェライト・パーライトとすることができ、被削性、及び降伏比0.73以上を確保することができる。ここで、ベイナイトの発生率は、断面観察による面積率によって評価する。
C+Si/5+Mn/10+10P+5V≧1.8、
上記式における、C、Si、Mn、Pは、それぞれ、上記化学成分における含有率(質量%)である。
上記式を満たすことにより、優れたクラッキング性を満たすことができる。
Ceq(炭素当量)=C+Si/7+Mn/5+Cr/9+Vが0.90〜1.10、
上記式における、C、Mn、Cr、Vは、それぞれ、上記化学成分における含有率(質量%)である。
上記成分元素の含有率がそれぞれ上記範囲を満たし、かつ、Ceqが上記範囲を満たすことにより、HV330以上の硬さを有しつつ、優れた被削性を得ることができる。
このように、上述の条件を全て満足することにより、両立することが困難である高強度及び優れた被削性並びに破断分離性を非調質、かつ、追加の工程なしで達成することができる。すなわち、特許文献2、3に記載された発明のように時効処理に頼る必要がなく、かつ冷間コイニングも必要ないため、コストの増大を防ぐことができる。
つまり、本発明によれば、時効処理や冷間コイニングに頼ることなく、高強度を確保しつつ、優れた被削性と破断分離性を確保できる熱間鍛造非調質鋼部品及びこれに用いる熱間鍛造用非調質鋼を提供することができる。
実施例1における、C含有率、第1被削性指数、及びCeqの関係を示すグラフ図。 実施例1における、Ceqと硬度HVとの関係を示すグラフ図。 実施例1における、Mn含有率、第1被削性指数、及びCeqの関係を示すグラフ図。 実施例1における、Cr含有率、第1被削性指数、及びCeqの関係を示すグラフ図。 実施例1における、V含有率と降伏比との関係を示すグラフ図。 実施例1における、2Mn+5Mo+Crとベイナイト面積率との関係を示すグラフ図。 実施例1における、脱炭性指数と耐久比との関係を示すグラフ図。 実施例1における、Si含有率と脱炭性指数との関係を示すグラフ図。 実施例1における、S含有率と第2被削性指数との関係を示すグラフ図。 実施例1における、S含有率と割れ発生の関係を示す説明図。 実施例1における、P含有率と割れ発生の関係を示す説明図。 実施例1における、C+Si/5+Mn/10+10P+5Vの値とクラッキング性との関係を示す説明図。
本発明の熱間鍛造非調質鋼部品及び熱間鍛造用非調質鋼における化学成分は、上述したように、質量%でC:0.35〜0.55%、Si:0.15〜0.40%、Mn:0.50〜1.00%、P:0.100%以下、S:0.040〜0.100%、Cr:1.00%以下、V:0.20〜0.50%、Ca:0.0005〜0.0100%、N:0.0150%以下を含有し、残部がFe及び不可避的不純物よりなる。
そして、上記各成分の条件は、後述する実施例に示すごとく、様々な成分組成を有す鋼を用いた多くの実験を重ねて検討することにより得た条件である。
(実施例1)
本例は、本発明の実施例にかかる熱間鍛造非調質鋼部品及び熱間鍛造用非調質鋼について説明する。
本例では、本発明の実施例として、表1に示す組成を有する鋼(試料E1〜試料E16)、本発明の比較例として、表2、表3に示す組成を有する鋼(試料C1〜試料C40)を作製した。
各試料の製造は、熱間圧延した棒鋼を鍛伸し、φ35mmの丸棒を製造した後、1200℃×30minで加熱保持後ファン空冷することにより作製した。そして、得られた試料に対して、後述する各種の評価を行った。
Figure 0005598038
Figure 0005598038
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<硬さ、ベイナイト面積率>
すべての試料について、T断面のD/4部(丸棒の軸方向に直交する断面(T断面)における、外周面から中心に向かう深さが直径Dの1/4の部位)の硬さ及びミクロ組織を観察し、ベイナイト面積率を測定した。
硬さは、ビッカース硬さ(JIS Z 2244(2003)に準拠)を測定することにより測定した。
ミクロ組織は、ナイタールで腐食し、光学顕微鏡を用いて観察した。
表4〜表6に、硬さ及びベイナイト面積率(%)を示す。
<旋削試験(第1被削性指数)>
試料E1〜試料E15、および試料C1〜試料C34について、切込速度200m/min、送り0.30mm/rev、仕込み2.0mm、水溶性切削油シンセティック♯770TG(20倍希釈)、刃具材質:超硬AC2000コートの条件で、旋削試験を実施(試験時間1000秒)した。試験後の刃具の横逃げ面摩耗幅を測定し、評価した。
試験結果は、成分が、質量%で、C:0.20%−Si:0.25%−Mn:0.80%−Cr:0.20%−V:0.23%−S:0.060%で、硬さがHV250のフェライト・パーライト型非調質鋼(従来の非調質鋼)に対して旋削試験を行った場合の横逃げ面摩耗幅を1とし、各試料に対して旋削試験を行った場合の横逃げ面摩耗幅を比率(これを第1被削性指数とする)で表4〜表6に併せて示した。
<引張試験>
試料E1〜試料E16、及び試料C1〜試料C28のD/4部から試験片を切り出し、試験片加工後、引張試験の実施を行った。
表4〜表6に、引張強さTS(MPa)、0.2%耐力PS(MPa)、及び降伏比を示す。
<疲労試験>
試料E1〜試料E16、試料C7、試料C8、試料C20、及び試料C21について、応力比=−1、周波数30Hzの条件で、両振り引張圧縮疲労試験を行った。
表4〜表6に107回疲労限度σw(MPa)、及び耐久比(=107回疲労限度/引張強さ)を示す。
<脱炭性>
試料E1、試料E8、試料E9、試料E10、試料C7、試料C8、及び試料C19〜試料C23について、JIS G 0058(2007)に規定された「鋼の脱炭層深さ測定方法」を行い、脱炭層深さを比較することにより脱炭性を評価した。
なお、表4〜表6に示した脱炭性指数は、機械構造用炭素鋼S55Cの脱炭層深さを1とし、比率で示したものである。
<ドリル試験(第2被削性指数)>
試料E16、及び試料C35〜試料C40について、日立ツール株式会社製強力型ロングドリルφ5(材質 ハイス)を使用してドリル試験を行った。回転数1127rpm、送り0.13mm/rev、加工深さ40mm、穴数150(未貫通穴)の条件で行った。150穴加工後の逃げ面コーナー磨耗量を測定し、比較、評価を行った。
試験結果は、成分が、質量%で、C:0.20%−Si:0.25%−Mn:0.80%−Cr:0.20%−V:0.23%−S:0.060%で、硬さがHV250のフェライト・パーライト型非調質鋼(従来の非調質鋼)に対し150穴加工を行った後のドリルの逃げ面磨耗量を1とし、各試料に対して150穴加工を行った後のドリルの逃げ面磨耗量の結果を比率(これを第2被削性指数とする)で表4〜表6に示す。
<熱間鍛造時の割れの有無>
試料E10、試料E11、試料E15、試料E16及び試料C19〜試料C24、試料C27、試料28について、熱間鍛造した際の割れ発生が起きるおそれがないかどうかについて評価した。
評価は、直径φ35mm×長さ200mmの鋼材を準備し、これを1200℃に加熱した後熱間鍛造し、コンロッド部品を100個製造することにより行った。製造されたコンロッド部品について割れの発生の有無を調査し、1件でも割れが発生した場合を不合格(×)、全く割れなかった場合を合格(○)とした。
<クラッキング性>
全ての試料について、JIS Z2242に準拠したVノッチシャルピー衝撃試験片を作製して室温で試験を行い、試験後の破面の脆性破面率を測定して判定した。脆性破面率が100%のものを合格(○)、それ以外を不合格(×)とした。
Figure 0005598038
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<考察>
図1に、試料E1〜E15、試料C4〜C6、試料C9〜C13及び試料C25〜C30について、上記旋削試験により得られた第1被削性指数、C含有率、及びCeqの関係を示す。同図は、横軸にCeqをとり、縦軸に第1被削性指数とった。
同図においてプロットしたデータは、ベイナイト面積率10%超のものは除き、Mn:1.00%以下、Cr:1.00%以下のものである。これは、Ceqの変化以外に被削性指数に大きな影響を及ぼす要因を除いて被削性の影響を判断したいためである。
同図中、曲線Aは、C:0.35〜0.55%の試料に関するものである。曲線Bは、C:0.5%、Ca無し(Ca:0.0005%未満、以下同様)の試料に関するものである。曲線Cは、C:0.60%以上の試料に関するものである。また、△はベイナイト組織分率が0%超え10%以下で、C:0.38%あるいは0.45%、かつCa有り(0.0005%以上、以下同様)の試料を示す。△以外のデータは、全てベイナイト組織分率が0%である。○はC:0.45〜0.55%、かつCa有りの試料を示す。●はC:0.6%%以上かつCa有りの試料を示す。×のうち、曲線A付近のプロットは、Cが0.35〜0.45%%のデータである。×のうち、曲線B付近のプロットはCが0.45%超え〜0.55%%かつCa無しのデータである。×のうち、曲線C付近のプロットはCが0.60%以上のデータである。
図1より、Cの含有率及びCeqの値が大きくなるに従い第1被削性指数が大きくなるものの、Caを適量含有しC含有率が0.35〜0.55質量%の場合にはCeqが1.10%以下の範囲であればその変化は小さく、本発明で定めた成分範囲内において、V、Si含有率等の他の成分組成が変化しても大きな影響はなく、第1被削性指数は1以下を満足できることがわかる。そして、Ca無しでCの含有率が0.45質量%超えの場合及びCaを含有してもC含有率が0.55%を超えると、急激に被削性が悪化し、Ceqの値に関わらず第1被削性指数1以下を満足し難くなることがわかる。そのため、Caの含有を必須とし、かつ、C含有率の上限を0.55質量%とし、Ceqの上限値を1.10とした。
また、Cの含有率が少なければ必要となる被削性を確保することができる。しかしながら、上述したように、Cは強度を確保するために必要な基本元素であり、Cの含有率を低減すると、強度が得難くなる。そして、Vを多く含有させて強度を確保しようとすると、コストが高くなる。また、被削性の確保のためベイナイト組織の生成の原因となるMn、Crの含有率を増加することができず、また、脱炭の抑制のためSiの含有率を増加することもできない。そのため、強度確保、及び他の成分元素の影響を考慮し、Cの下限値を0.35質量%とした。
また、図1より、Caを添加することによって、Cを0.55%まで増量しても、Ceqが0.90〜1.10であることを条件に満足する被削性を得ることができるため、Ca添加はCの増量を可能とすることがわかる。その結果、Mn、Cr、V等の元素を減らしても、強度を確保可能となって、低コスト材料を得ることができる。
続いて、Ceqと硬さHVとの関係を検討し、Ceqの下限値を規定した。
図2は、硬さを測定したすべての試料についてのCeqと硬度HVとの関係を示す。同図は、横軸をCeq、縦軸を硬さHVをとした。同図中、◇はベイナイト組織の存在が面積率10%を超えて確認された試料の結果であり、△はベイナイト組織の存在が面積率0%超え10%以下の範囲で確認された試料の結果である。その他のベイナイト組織が確認できなかった試料の結果は◆を用いて示した。
本発明は、高強度を実現するために、硬度がHV330以上を満足することを条件としている。硬さがHV330未満である場合には、引張強さで1100MPa以上の高強度を得られないおそれがある。そして、本発明で規定した成分からなる非調質鋼を鍛造し、空冷した後の硬度は、本発明で規定した成分範囲内であれば成分の種類に関係なくCeqで整理することができ、図2より、Ceqが0.90以上の範囲となる配合比率である場合に、HV330以上を満足できることが分かる。そのため、Ceqの下限値を0.90とした。
次に、炭素以外の成分の含有率の最適化を行った。
図3は、C:0.45〜0.55%、かつCr:1.00%以下のデータ及びC:0.45%未満であってMn量が多いことによりベイナイト組織の確認ができたデータ、具体的には、上記試料E2〜E4、E7、E9、E10、E13、E14、C1、C5、C6、C11、C14〜C19、C21、C24、C25、C27、C31、C32についての、Mn含有率、第1被削性指数、及びCeqの関係を示す。同図は、横軸をCeq、縦軸を第1被削性指数とした。
同図において、◇は、Mn:1%超え、ベイナイト組織の存在が面積率10%超え、Ca無しのデータである。□は、Mn:1%超え、ベイナイト組織の存在が面積率10%超え、Ca有りのデータである。×は、Mn:1%超え、ベイナイト無し、Ca無しのデータである。●は、Mn:1%超え、ベイナイト無し、Ca有りのデータである。
また、◆は、Mn:1%以下、ベイナイト無し、Ca有りのデータである。△は、Mn:1%以下、ベイナイト組織の存在が面積率0%超え10%以下、Ca有りのデータである。
同図において、C含有率及びCr含有率が上記範囲内にある試料に限定することにより、C及びCrを多量に含有することによる被削性低下の影響を排除し、Mn含有率の変化による被削性低下への影響を検証できる。そして、Mn含有率、第1被削性指数、及びCeqとの関係からMn含有率の上限値を規定した。
同図より、ベイナイト組織が10%以下となる範囲であってMn含有率が1.00%以下の範囲であれば第1被削性指数1.0以下を満足するが、Mn含有率が1.00%超えとなるとベイナイト組織無しであっても第1被削性指数が1.0超えとなり、さらにMnの含有率が増加し、ベイナイト組織が10%を超えて生じると被削性が急激に低下することがわかる。
そして、Ca有り、Mn含有率が1.0質量%以下であり、ベイナイト組織が10%以下となる範囲については、Ceq0.90〜1.10の範囲において、第1被削性指数1以下を満足できることがわかる。この結果より、Mnの含有率の上限を1.00質量%とした。
そして、Mnは、上述したように、製鋼時の脱酸ならびに鋼の強度、靭性バランスを調整するために添加される元素である。そして、この効果を得るために、Mnの含有率の下限を0.50質量%とした。
図4は、C:0.45〜0.55%、かつMn:1.00%以下のデータ及びC:0.45%未満であってCr量が多いことによりベイナイト組織の確認ができたデータ、具体的には、上記試料E2〜E4、E7、E9、E10、E13、E14、C2、C3、C5、C6、C11、C16〜C18、C25、C27、C33、C34についての、Cr含有率、第1被削性指数、及びCeqの関係を示す。同図は、横軸をCeq、縦軸を第1被削性指数とした。
同図において、◇は、Cr:1.00%超え、ベイナイト組織の存在が面積率10%超え、Ca無しのデータである。□は、Cr:1.00%超え、ベイナイト組織の存在が面積率10%超え、Ca有りのデータである。×は、Cr:1.00%超え、ベイナイト無し、Ca無しのデータである。●は、Cr:1.00%超え、ベイナイト無し、Ca有りのデータである。
また、◆は、Cr:1.00%以下、ベイナイト無し、Ca有りのデータである。△は、Cr:1.00%以下、ベイナイト組織の存在が面積率0%超え10%以下、Ca有りのデータである。
同図においてC含有率及びMn含有率が上記範囲内である試料に限定することにより、C及びMnを多量に含有することによる被削性低下の影響を排除し、Cr含有率の変化による被削性低下への影響を検証できる。そして、Cr含有率、第1被削性指数、及びCeqとの関係からCr含有率の上限値を規定した。
同図より、ベイナイト組織が10%以下であってCr含有率が1.00%以下の範囲であれば第1被削性指数1.0以下を満足するが、Cr含有率が1.00%超えとなるとベイナイト組織無しであっても第1被削性指数が1.0超えとなり、さらに、Crの含有率が増加し、ベイナイト組織が10%を超えて生じると被削性が急激に低下することが分かる。
そして、Cr含有率が1.00質量%以下の場合には、Ceq0.90〜1.10の範囲において第1被削性指数1以下を満足できることが分かる。この結果より、Crの含有率の上限を1.00質量%とした。
図5は、全ての試料について、引張試験において得られた降伏比と、V含有率との関係を示す図である。同図は、横軸をV含有率(質量%)、縦軸を降伏比とした。同図において、◇はベイナイト組織の存在が面積率10%を超えて確認された試料の結果であり、△はベイナイト組織の存在が面積率10%以下の範囲で確認された試料の結果である。□はN:0.0150%超えの試料の結果である。◆はその他の試料の結果である。
本発明においては、強度確保のため、降伏比が0.73以上を満足することを条件としている。降伏比が0.73未満である場合には、耐力が劣るため、強度の点で劣るものとなる。
また、同図より、Vの含有率が増加するにしたがって降伏比は向上することがわかる。そして、Vの含有率が0.20質量%以上であり、かつ、ベイナイト組織が10%以下である場合には、降伏比0.73以上を満足できることがわかる。以上の結果より、主となる組織をフェライト・パーライト組織に限定し、許容するベイナイト組織の上限を面積率で10%以下にすると共に、Vの含有率の下限を0.20質量%とした。
また、同図より、Vの含有率が0.50質量%以上となると、降伏比の向上効果が飽和し降伏比が上昇してないことが分かる。また、Vの多量添加はコストの増大につながる。また、Vの含有率が多くなると、硬くなり、被削性を低下させるおそれがある。そのため、Vの含有率の上限を0.50質量%とした。
また、同図よりNが0.0150質量%超えとなった場合でも、降伏比が低下することが分かった。これは、N量が多くなると、強度向上に効果のないV炭窒化物が増加するためと考えられる。
また、HV330以上の高い硬さ領域で優れた被削性を確保するには、熱間鍛造非調質鋼部品の組織をベイナイト組織が面積率で10%以下であるフェライト・パーライト組織とすることが必要であるが、ベイナイト組織が生じるかどうかはMn、Cr、Moの3元素の含有率が問題となる。そのため、その上限を把握するために、上記3元素とベイナイト面積率の関係を示した図が図6である。
同図には、全ての試料についての、2Mn+5Mo+Crとベイナイト面積率との関係を示す。同図は、横軸に2Mn+5Mo+Crをとり、縦軸にベイナイト面積率(%)をとった。◇はベイナイト組織の存在が面積率10%を超えて確認された試料の結果であり、△はベイナイト組織の存在が面積率0%超え10%以下の範囲で確認された試料の結果である。◆はその他の試料の結果である。
同図より、2Mn+5Mo+Crが3.1以下である場合には、ベイナイトの発生を10%以下に抑制できることが確認できる。
特にMoは、Mn、Crに比べ少量の添加でベイナイト組織が生じると共に、Mn、Crに比べ高価な元素であるため、本発明では不純物としての含有のみ許容しているので、その含有率は0.020質量%以下であることが好ましい。
上記熱間鍛造非調質鋼部品が、フェライト・パーライト以外の組織であるベイナイト組織を有している場合には、上述したように、被削性が低下するだけでなく、降伏比も低下し、強度、被削性で共に劣る結果となる。
脱炭が少ないと強度低下が少なく、脱炭量が増加すると、表面硬さが低下すると共に、鋼表面のスケールの影響で表面性状が低下し、切欠効果により、鋼自体が本来もつ疲労強度を十分に発揮できなくなる問題が起きる。そのため、脱炭による疲労強度の低下を評価するために、図7に、試料E1、E8〜E10、試料C7、C8、C19〜C23について、脱炭性指数と耐久比との関係を示した。同図は、横軸に脱炭性指数をとり、縦軸に耐久比をとった。
本発明の熱間鍛造非調質鋼部品は、強度確保のため、0.38以上の耐久比を有することが望ましい。そして、同図より、脱炭性指数と耐久比との関係から、脱炭性指数が0.2以下であれば、耐久比0.38以上を満足できることが分かる。
Siの含有率が大きくなると熱間鍛造非調質鋼部品の脱炭量が増加してしまう。そのため、脱炭量との関係から、0.38以上の耐久比を有することができるSiの含有率を規定した。
図8に、試料E1、E8〜E10、試料C7、C8、C19〜C23について、脱炭性に影響を与えるSiの含有率と脱炭性指数との関係を示す。同図は、横軸にSi含有率(質量%)、縦軸に脱炭性指数をとった。
同図より、Si含有率0.40質量%以下で脱炭性指数0.2以下を満足でき、疲労強度の低下を抑制できることが分かる。そのため、Siの含有率の上限値を0.40質量%とした。
図9には、試料E16、試料C35〜C40(S量以外ほぼ同一の成分系)について、上記ドリル試験により得られた第2被削性指数と、S含有率との関係を示す。同図は、横軸にS含有率(%)、縦軸に第2被削性指数をとった。Sは、被削性向上に効果のある元素である。そして、S含有率と第2被削性指数の関係からS含有率の下限を規定した。
同図より、Sは、含有率が多くなるほど、被削性が向上することが分かる。そして、S以外の成分、Ceq、及び2Mn+5Mo+Crが上記範囲を満たす場合には、Sの含有率が0.040質量%以上であれば、第2被削性指数1以下を満足できることが分かる。これにより、Sの含有率の下限を0.040質量%とした。
Sの含有率が多くなると、延伸したMnSが増加して異方性が生じ、圧延直角方向での強度特性低下の原因となり、割れが発生し易くなる。そのため、Sの含有率と割れ発生の関係からS含有率の上限を規定した。
図10は、試料E10、E11、E15、E16、試料C19〜C24について、S含有率と、割れ発生の有無の関係を示す図である。割れ発生のデータを収集した試料のうちPの上限が範囲外のデータを除いて記載することにより、Pの上限超えによる影響を排除した。○は割れ発生無し、×は割れ発生有りを示す。
同図より、S含有率が0.100質量%を超えると割れが発生することがわかる。また、同図には示していないが、S含有率の増加とともに、割れ個数が増加した。そのため、Sの含有率の上限を0.100質量%とした。
そして、大量生産した場合に確実に割れを防止するためには、S含有率の上限を低めとするのが望ましく、Sの含有率は、0.040〜0.080質量%であることが好ましい。
また、Pは破断分離性改善に効果のある元素であるが、その量が多くなると熱間加工性が低下し、割れが発生しやすくなる。
図11は、試料E10、E11、E15、E16、試料C19、C27、C28について、P含有率と、割れ発生の有無の関係を示す図である。そして、図11は、割れ発生のデータを収集したデータのうち、Sの上限範囲外のデータを除いて記載することにより、Sの上限超えによる影響を排除したものである。○は割れ発生無し、×は割れ発生有りを示す。
同図より、P含有率が0.100質量%を超えると割れが発生することがわかる。このことから、P含有率は0.100質量%以下であることがが好ましい。
なお、不可避的不純物としては、他に、P:0.030質量%以下、Cu:0.30質量%以下、Ni:0.30質量%以下等が挙げられる。
図12には、全ての試料について、C+Si/5+Mn/10+10P+5Vの値(1.6〜2.2までの範囲に限る)と、クラッキング性との関係を示す。○はクラッキング性合格のもの、×はクラッキング性不合格のものを示す。
同図より、C+Si/5+Mn/10+10P+5Vの値が1.8未満の場合にはクラッキング性が良くないことが分かる。
以上説明した多数の実験の結果を総合的に組み合わせることによって初めて高強度、優れた被削性及び破断分離性(クラッキング性)の特性を兼ね備えた熱間鍛造非調質鋼部品の条件が判明し、本発明を完成させることができた。即ち、化学成分が、質量%でC:0.35〜0.55%、Si:0.15〜0.40%、Mn:0.50〜1.00%、P:0.100%以下、S:0.040〜0.100%、Cr:1.00%以下、V:0.20〜0.50%、Ca:0.0005〜0.0100%、N:0.0150%以下を含有し、残部がFe及び不可避的不純物よりなり、2Mn+5Mo+Cr≦3.1であり、C+Si/5+Mn/10+10P+5V≧1.8であり、Ceq=C+Si/7+Mn/5+Cr/9+Vが0.90〜1.10であり、硬さがHV330以上であり、降伏比が0.73以上であり、組織が、ベイナイトが10%以下のフェライト・パーライト組織である熱間鍛造非調質鋼(試料E1〜試料E16)は、時効処理や冷間コイニングを行っていなくても、引張強さ1100MPa以上、及び0.2%耐力が800MPa以上を満足することができ、また、従来のHV250程度の硬さの非調質鋼と比べ同等以上の被削性を有することができる。また、脱炭を抑制して優れた疲労強度を確保することができる。さらには、優れた破断分離性(クラッキング性)を確保することができる。

Claims (3)

  1. 化学成分が、質量%でC:0.35〜0.55%、Si:0.15〜0.40%、Mn:0.50〜1.00%、P:0.100%以下、S:0.040〜0.100%、Cr:1.00%以下、V:0.20〜0.50%、Ca:0.0005〜0.0100%、N:0.0150%以下を含有し、残部がFe及び不可避的不純物よりなり、
    2Mn+5Mo+Cr≦3.1であり、
    C+Si/5+Mn/10+10P+5V≧1.8であり、
    Ceq=C+Si/7+Mn/5+Cr/9+Vが0.90〜1.10であり、
    硬さがHV330以上であり、
    降伏比が0.73以上であり、
    組織が、ベイナイトが10%以下のフェライト・パーライト組織であることを特徴とする熱間鍛造非調質鋼部品。
  2. 請求項1の記載において、上記熱間鍛造非調質鋼部品は、軸部の一端に設けられた大端部と該大端部から分離されるキャップ部とを一体的に備えており、熱間鍛造後に上記大端部と上記キャップ部とを破断分離させるクラッキングコンロッドであることを特徴とする熱間鍛造非調質鋼部品。
  3. 請求項1又は2に記載の熱間鍛造非調質鋼部品を製造するための熱間鍛造非調質鋼であって、
    化学成分が、質量%でC:0.35〜0.55%、Si:0.15〜0.40%、Mn:0.50〜1.00%、P:0.100%以下、S:0.040〜0.100%、Cr:1.00%以下、V:0.20〜0.50%、Ca:0.0005〜0.0100%、N:0.0150%以下を含有し、残部がFe及び不可避的不純物よりなり、
    2Mn+5Mo+Cr≦3.1であり、
    C+Si/5+Mn/10+10P+5V≧1.8であり、
    Ceq=C+Si/7+Mn/5+Cr/9+Vが0.90〜1.10であることを特徴とする熱間鍛造用非調質鋼。
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