JP5323369B2 - 被削性と結晶粒粗大化防止特性に優れた肌焼鋼 - Google Patents
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(1)Ni:3%以下(0%を含まない)、および/またはCu:0.5%以下(0%を含まない)、
(2)Mo:1%以下(0%を含まない)、および/またはB:0.005%以下(0%を含まない)
等の元素を含有してもよい。
〔([CaO]+[TiO2])/([CaO]+[TiO2]+[Al2O3]+[SiO2])〕×100≧80(%)
式中、[ ]は、各酸化物系介在物の質量%を意味する。
〔[TiO2]/([CaO]+[TiO2])〕×100≧60(%)
式中、[ ]は、各酸化物系介在物の質量%を意味する。
(1)NiやCuなどの耐食性向上元素、
(2)MoやBなどの焼入れ性向上元素、
等を含有してもよい。なお、耐食性向上元素と焼入れ性向上元素は、単独で、または適宜組み合わせて用いることができる。
NiとCuは、鋼材の耐食性を向上させる元素であり、これらの元素量が多くなるにつれてその耐食性向上効果は顕著となる。特にNiは、鋼材の耐衝撃性を向上させる作用も有している。従ってNiは、例えば、0.3%以上とすることが好ましく、より好ましくは0.5%以上である。Cuは、例えば、0.05%以上とすることが好ましく、より好ましくは0.1%以上である。しかしNiが過剰になるとコスト高となる。従ってNiは3%以下、好ましくは2%以下、より好ましくは1.5%以下とする。一方、Cuが過剰になると熱間延性が劣化する。従ってCuは0.5%以下、好ましくは0.3%以下、より好ましくは0.2%以下とする。NiとCuは、単独で、または組み合わせて用いることができる。
MoとBは、表面硬化熱処理における焼入れ(例えば、浸炭焼入れ、浸炭窒化焼入れなど)時の焼入れ性を向上させる作用を有している元素であり、これらの元素量が多くなるにつれてその耐食性向上効果は顕著となる。
(a)溶鋼にSiを添加して脱酸した後、
(b)TiとCa以外の成分組成を調整し、
(c)溶存酸素を30〜50ppm(質量基準。以下同じ。)に調整した溶鋼に、TiとCaをこの順で添加すると共に、
(d)Tiを添加してからCaを添加するまでの時間を5分以内とすればよい。
以下、(a)〜(d)の順を追って説明する。
上記介在物観察用試験片のD/4位置(Dは試験片の直径)を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて10mm×10mmの視野で観察した。視野内に認められる酸化物系介在物のうち、円相当直径が約2μm以上の酸化物系介在物を任意に20個を選択し、選択した酸化物系介在物の成分組成をSEMに付属しているEDS(エネルギー分散型蛍光X線分析装置)で分析した。
○(合格) :TiO2を60質量%以上含有するTiO2リッチなCaO−TiO2複合介在物の個数分率が75%以上である。
×(不合格):TiO2を60質量%以上含有するTiO2リッチなCaO−TiO2複合介在物の個数分率が75%未満である。
被削性は、被削試験によって評価した。被削試験は、試験機としてNC旋盤を用い、上記被削性評価用試験片(φ80mm×長さ350mmの試験片)を旋盤加工して行った。このとき用いた工具の逃げ面における摩耗量(VB)の経時変化を測定し、VB=0.2mmとなるまでの切削時間を測定し、測定結果を下記表3に示す。被削試験の詳細な条件は次の通りである。被削性は、下記基準で評価し、評価結果を下記表3に示す。
工具 :P10
切削速度 :200m/minで、周速一定
切削油 :なし(乾式)
切り込み量 :1.5mm
送り量 :0.25mm/rev
工具寿命判定:VB=0.2mm
下記表3のうち、No.1〜9(鋼種A〜I)については、No.2(鋼種B)における切削時間を基準として、切削時間が長くなった場合を工具寿命が延長されており被削性良好(評価○)、切削時間が短くなった場合を工具寿命が短くなっており被削性不良(評価×)として評価した。
上記結晶粒粗大化防止特性評価用試験片(φ8mm×長さ12mmの円柱状の試験片)を圧縮率70%で冷間圧縮加工した後、温度950℃、975℃、1000℃、1025℃または1050℃の各温度で3時間保持し、水冷後の結晶粒度を調べた。結晶粒度の観察は圧縮加工された試験片の断面で行い、結晶粒が粗大(JISで規定される粒度番号が4番以下)とならなかった最高の温度を求めた。この温度が高い程、結晶粒の粗大化防止特性に優れており、この温度が1000℃以上の場合を結晶粒粗大化防止特性に優れている(評価○)、975℃以下の場合を結晶粒粗大化防止特性が劣っている(評価×)として評価した。なお、975℃は、通常の浸炭処理の最高温度程度である。
Claims (3)
- 質量%で、
C :0.05〜0.3%、
Si:2%以下(0%を含まない)、
Mn:2%以下(0%を含まない)、
P :0.03%以下(0%を含まない)、
S :0.005〜0.05%、
Cr:2%以下(0%を含まない)、
Al:0.01%以下(0%を含まない)、
N :0.03%以下(0%を含まない)、
Ti:0.04〜0.2%、
O :0.003%以下(0%を含まない)、
Ca:0.0001〜0.02%、および
Nb:0.05〜0.1%を含有し、
残部は鉄および不可避不純物からなる肌焼鋼であり、
該肌焼鋼は、酸化物系介在物を含有し、
該酸化物系介在物は、酸化物系介在物の組成分析を行い、CaO、TiO 2 、Al 2 O 3 およびSiO 2 の質量の合計を100%としたとき、CaOとTiO 2 の質量の合計が80%以上を満足するCaO−TiO 2 複合介在物を含んでおり、
前記CaO−TiO 2 複合介在物の個数は、観察視野内に認められる酸化物系介在物の総数に対して60%以上であり、且つ
このCaO−TiO 2 複合介在物のうち、CaOとTiO 2 の合計質量に対してTiO2を60質量%以上含有するCaO−TiO 2 複合介在物の個数分率が75%以上であることを特徴とする被削性と結晶粒粗大化防止特性に優れた肌焼鋼。 - 更に、他の元素として、
Ni:3%以下(0%を含まない)、および/または
Cu:0.5%以下(0%を含まない)
を含有する請求項1に記載の肌焼鋼。 - 更に、他の元素として、
Mo:1%以下(0%を含まない)、および/または
B :0.005%以下(0%を含まない)
を含有する請求項1または2に記載の肌焼鋼。
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