JPH11131134A - 非調質鋼製高強度成形品の製法 - Google Patents
非調質鋼製高強度成形品の製法Info
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- JPH11131134A JPH11131134A JP29906197A JP29906197A JPH11131134A JP H11131134 A JPH11131134 A JP H11131134A JP 29906197 A JP29906197 A JP 29906197A JP 29906197 A JP29906197 A JP 29906197A JP H11131134 A JPH11131134 A JP H11131134A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 フェライト・パーライト非調質鋼の特長を活
かしつつ、その欠点である降伏比不足を改善し、特に高
レベルの降伏応力(0.2%耐力)や疲労強度が求めら
れる部位を強化し、優れた強度特性の非調質鋼製成形品
を得ること。 【解決手段】 金属組織が実質的にフェライト・パーラ
イト組織である非調質鋼材からなる成形加工品の高疲労
特性が要求される部位のみに3〜30%の冷間加工を施
し、その後100〜450℃の範囲で15秒〜60分の
時効処理を行うことにより、上記冷間加工部のみの降伏
応力(0.2%耐力)と疲労強度を高める。
かしつつ、その欠点である降伏比不足を改善し、特に高
レベルの降伏応力(0.2%耐力)や疲労強度が求めら
れる部位を強化し、優れた強度特性の非調質鋼製成形品
を得ること。 【解決手段】 金属組織が実質的にフェライト・パーラ
イト組織である非調質鋼材からなる成形加工品の高疲労
特性が要求される部位のみに3〜30%の冷間加工を施
し、その後100〜450℃の範囲で15秒〜60分の
時効処理を行うことにより、上記冷間加工部のみの降伏
応力(0.2%耐力)と疲労強度を高める。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車や建設機械
等のエンジン部品や機械構造用部品などとして用いられ
る高強度鋼製成形品の製法に関し、より詳細には、非調
質鋼材を使用し、特に高い疲労強度や降伏強度が要求さ
れる部位を部分的に強化し、全体の強度特性を高めた非
調質高強度成形品の製法に関するものである。
等のエンジン部品や機械構造用部品などとして用いられ
る高強度鋼製成形品の製法に関し、より詳細には、非調
質鋼材を使用し、特に高い疲労強度や降伏強度が要求さ
れる部位を部分的に強化し、全体の強度特性を高めた非
調質高強度成形品の製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より自動車や建設機械等に用いられ
る機械構造用部品は、機械構造用炭素鋼や機械構造用合
金鋼を素材とし、必要な強度と靱性を確保するため熱間
加工後に焼入れ・焼戻し処理(調質処理)を行なうこと
によって製造されてきた。しかし最近では、上記の様な
調質処理に要するエネルギーの節約とコスト低減を図る
ため、調質処理を省略しても調質処理を行ったものと同
等の特性を有する非調質鋼の使用量が増大してきてい
る。この様な非調質鋼としては、例えばJIS G40
51に規定される機械構造用炭素鋼、あるいはJIS
G 4106に規定される機械構造用マンガン鋼にVや
Nb等の析出硬化型元素を添加したものが挙げられ、自
動車のエンジン部品や足廻り部品あるいは建設機械部品
等に使用されている。
る機械構造用部品は、機械構造用炭素鋼や機械構造用合
金鋼を素材とし、必要な強度と靱性を確保するため熱間
加工後に焼入れ・焼戻し処理(調質処理)を行なうこと
によって製造されてきた。しかし最近では、上記の様な
調質処理に要するエネルギーの節約とコスト低減を図る
ため、調質処理を省略しても調質処理を行ったものと同
等の特性を有する非調質鋼の使用量が増大してきてい
る。この様な非調質鋼としては、例えばJIS G40
51に規定される機械構造用炭素鋼、あるいはJIS
G 4106に規定される機械構造用マンガン鋼にVや
Nb等の析出硬化型元素を添加したものが挙げられ、自
動車のエンジン部品や足廻り部品あるいは建設機械部品
等に使用されている。
【0003】これらの非調質鋼は、熱間加工後に冷却し
て組織をフェライト・パーライト混合組織とし、フェラ
イト部にVやNb等の炭化物や窒化物を析出させること
によって目標硬度を得るもので、調質処理の省略を可能
にすると共に、熱処理歪みを減少できるので、その後の
矯正加工も簡略化できるという利点を享受できる。
て組織をフェライト・パーライト混合組織とし、フェラ
イト部にVやNb等の炭化物や窒化物を析出させること
によって目標硬度を得るもので、調質処理の省略を可能
にすると共に、熱処理歪みを減少できるので、その後の
矯正加工も簡略化できるという利点を享受できる。
【0004】一方、自動車などに対する軽量化の要求は
近年ますます強くなっており、上述した機械構造用部品
についても同様に軽量化が求められている。機械構造用
部品を軽量化するには、該部品の疲労強度や降伏強度を
向上させることが必要となる。図1に示す如く、疲労強
度(疲れ限度)と降伏強度(0.2%耐力)が高い相関
々係を有していることは既に明らかにされており、非調
質鋼の降伏強度(0.2%耐力)を高めと、当該鋼製部
品の変形に対する抵抗が高められるばかりでなく疲労強
度も向上するので、鋼製部品の軽量化に大きく寄与して
くる。
近年ますます強くなっており、上述した機械構造用部品
についても同様に軽量化が求められている。機械構造用
部品を軽量化するには、該部品の疲労強度や降伏強度を
向上させることが必要となる。図1に示す如く、疲労強
度(疲れ限度)と降伏強度(0.2%耐力)が高い相関
々係を有していることは既に明らかにされており、非調
質鋼の降伏強度(0.2%耐力)を高めと、当該鋼製部
品の変形に対する抵抗が高められるばかりでなく疲労強
度も向上するので、鋼製部品の軽量化に大きく寄与して
くる。
【0005】一方、フェライト・パーライト型非調質鋼
と焼入れ処理により強度を高めた調質鋼について、同一
硬さ(引張強さ)での強度特性を比較するため降伏比
(降伏強度または0.2%耐力を引張強さで割った値)
を調べてみると、フェライト・パーライト型非調質鋼の
降伏比は0.60〜0.75程度であり、焼入れ処理さ
れた調質鋼の0.85〜0.95に比べて格段に低くな
る。
と焼入れ処理により強度を高めた調質鋼について、同一
硬さ(引張強さ)での強度特性を比較するため降伏比
(降伏強度または0.2%耐力を引張強さで割った値)
を調べてみると、フェライト・パーライト型非調質鋼の
降伏比は0.60〜0.75程度であり、焼入れ処理さ
れた調質鋼の0.85〜0.95に比べて格段に低くな
る。
【0006】そこで、これまでにも非調質鋼の特性向上
のため多くの研究が行なわれており、降伏強度(0.2
%耐力)の向上を主目的としたものもあるが、他の特性
向上を主目的とし結果的に降伏強度(0.2%耐力)が
向上したものもある。フェライト・パーライト型非調質
鋼についてみると、例えば特開平2−163319号公
報、特公平7−59739号公報、特開平6−2568
92号公報では、析出物を核として粒内フェライトを多
く生成させ靱性向上を図っており、その実施例では結果
的に降伏比が最高0.84程度まで向上した例も示され
ている。また特開平7−3386号公報では、Vを多量
添加することによって降伏比を最高0.89まで高めて
いる。
のため多くの研究が行なわれており、降伏強度(0.2
%耐力)の向上を主目的としたものもあるが、他の特性
向上を主目的とし結果的に降伏強度(0.2%耐力)が
向上したものもある。フェライト・パーライト型非調質
鋼についてみると、例えば特開平2−163319号公
報、特公平7−59739号公報、特開平6−2568
92号公報では、析出物を核として粒内フェライトを多
く生成させ靱性向上を図っており、その実施例では結果
的に降伏比が最高0.84程度まで向上した例も示され
ている。また特開平7−3386号公報では、Vを多量
添加することによって降伏比を最高0.89まで高めて
いる。
【0007】高炭素鋼の分野では、例えば特開昭57−
140832号公報や特開昭57−140833号公報
に見られる如く、パーライト鋼に対し5〜65%の伸線
加工を施した後でブルーイング処理を施すことにより、
降伏比を0.90以上に高める方法を開示している。
140832号公報や特開昭57−140833号公報
に見られる如く、パーライト鋼に対し5〜65%の伸線
加工を施した後でブルーイング処理を施すことにより、
降伏比を0.90以上に高める方法を開示している。
【0008】他方、ベイナイトまたはマルテンサイト型
非調質鋼の分野でも、熱間加工後に水冷や空冷して使用
されるが、その様な冷却のままでは、例えば特開昭63
−130749号公報や特開平4−141548号公報
に見られる如く最高で0.85までの降伏比しか得られ
ない。
非調質鋼の分野でも、熱間加工後に水冷や空冷して使用
されるが、その様な冷却のままでは、例えば特開昭63
−130749号公報や特開平4−141548号公報
に見られる如く最高で0.85までの降伏比しか得られ
ない。
【0009】そこで、降伏比を向上させるための手段と
して、熱間加工・水冷後に焼戻しを行なう方法(例えば
特開平6−73446号公報)、あるいは熱間鍛造・空
冷後に焼戻しを行なう方法(例えば特開平6−2286
33号公報)等が提案され、これらの方法を採用するこ
とによって、降伏比を最高0.96程度まで高めてい
る。また特開平6−248341号公報には、熱間加工
・冷却後に冷間加工を施し、その後歪み時効処理(焼戻
し)を行うことによって降伏比を最高0.98まで高め
る技術が開示されている。
して、熱間加工・水冷後に焼戻しを行なう方法(例えば
特開平6−73446号公報)、あるいは熱間鍛造・空
冷後に焼戻しを行なう方法(例えば特開平6−2286
33号公報)等が提案され、これらの方法を採用するこ
とによって、降伏比を最高0.96程度まで高めてい
る。また特開平6−248341号公報には、熱間加工
・冷却後に冷間加工を施し、その後歪み時効処理(焼戻
し)を行うことによって降伏比を最高0.98まで高め
る技術が開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】非調質鋼の降伏強度
は、上述した様な手法によってかなり向上してきた。し
かし、フェライト・パーライト型非調質鋼では依然とし
て0.90以上の高降伏比は得られておらず、0.90
以上の高降伏比を得ているのは、ベイナイトまたはマル
テンサイト型の非調質鋼に焼戻しや歪み時効処理を施し
たものだけである。しかしながら、フェライト・パーラ
イト鋼とベイナイト鋼またはマルテンサイト鋼を同じ硬
度レベルで比較すると、前者の方が鋼中に含有させる合
金元素量が少なくてコスト的に有利であり、また後者の
場合は鍛造後急冷するための急冷設備が必要となる。ま
たベイナイト・マルテンサイト混合組織鋼の場合は、製
造条件(特に加熱温度や冷却速度など)による組織バラ
ツキが大きく、結果的に安定した強度特性が得られ難
い。この様なところから、ベイナイト鋼またはマルテン
サイト鋼ではなく、フェライト・パーライト鋼の使用が
望まれる。
は、上述した様な手法によってかなり向上してきた。し
かし、フェライト・パーライト型非調質鋼では依然とし
て0.90以上の高降伏比は得られておらず、0.90
以上の高降伏比を得ているのは、ベイナイトまたはマル
テンサイト型の非調質鋼に焼戻しや歪み時効処理を施し
たものだけである。しかしながら、フェライト・パーラ
イト鋼とベイナイト鋼またはマルテンサイト鋼を同じ硬
度レベルで比較すると、前者の方が鋼中に含有させる合
金元素量が少なくてコスト的に有利であり、また後者の
場合は鍛造後急冷するための急冷設備が必要となる。ま
たベイナイト・マルテンサイト混合組織鋼の場合は、製
造条件(特に加熱温度や冷却速度など)による組織バラ
ツキが大きく、結果的に安定した強度特性が得られ難
い。この様なところから、ベイナイト鋼またはマルテン
サイト鋼ではなく、フェライト・パーライト鋼の使用が
望まれる。
【0011】本発明は上記の様な状況に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、フェライト・パーライト非調
質鋼の特長を活かしつつ、その欠点である降伏比不足を
改善し、特に高レベルの降伏応力(0.2%耐力)や疲
労強度が求められる部位を強化し、優れた強度特性の非
調質鋼製成形品を得ることのできる方法を提供しようと
するものである。
ものであり、その目的は、フェライト・パーライト非調
質鋼の特長を活かしつつ、その欠点である降伏比不足を
改善し、特に高レベルの降伏応力(0.2%耐力)や疲
労強度が求められる部位を強化し、優れた強度特性の非
調質鋼製成形品を得ることのできる方法を提供しようと
するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成し得た本
発明に係る非調質鋼製高強度成形品の製法は、金属組織
が実質的にフェライト・パーライト組織である非調質鋼
材からなる成形加工品の高疲労特性が要求される部位の
みに3〜30%の冷間加工を施し、その後100〜45
0℃の範囲で15秒〜60分の時効処理を行うことによ
り、上記冷間加工部のみを強化するところに要旨が存在
する。
発明に係る非調質鋼製高強度成形品の製法は、金属組織
が実質的にフェライト・パーライト組織である非調質鋼
材からなる成形加工品の高疲労特性が要求される部位の
みに3〜30%の冷間加工を施し、その後100〜45
0℃の範囲で15秒〜60分の時効処理を行うことによ
り、上記冷間加工部のみを強化するところに要旨が存在
する。
【0013】上記製法を実施する際に用いられる非調質
鋼の化学成分としては、C :0.15〜0.6%(質
量%を意味する、以下同じ)、Si:2.5%以下(0
%を含まない)、Mn:0.3〜2.0%を含有する非
調質鋼が好ましく、あるいは更にV:0.6%以下(0
%を含まない)、Cr:1.5%以下(0%を含まな
い)およびMo:0.5%以下(0%を含まない)より
なる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含み、ある
いは更に他の元素としてS :0.12%以下(0%を
含まない)、Pb:0.3%以下(0%を含まない)、
Zr:0.2%以下(0%を含まない)、Ca:0.0
1%以下(0%を含まない)、Te:0.1%以下(0
%を含まない)、Bi:0.1%以下(0%を含まな
い)よりなる群から選ばれる1種以上の元素を含む鋼材
が好ましい非調質鋼として用いられる。
鋼の化学成分としては、C :0.15〜0.6%(質
量%を意味する、以下同じ)、Si:2.5%以下(0
%を含まない)、Mn:0.3〜2.0%を含有する非
調質鋼が好ましく、あるいは更にV:0.6%以下(0
%を含まない)、Cr:1.5%以下(0%を含まな
い)およびMo:0.5%以下(0%を含まない)より
なる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含み、ある
いは更に他の元素としてS :0.12%以下(0%を
含まない)、Pb:0.3%以下(0%を含まない)、
Zr:0.2%以下(0%を含まない)、Ca:0.0
1%以下(0%を含まない)、Te:0.1%以下(0
%を含まない)、Bi:0.1%以下(0%を含まな
い)よりなる群から選ばれる1種以上の元素を含む鋼材
が好ましい非調質鋼として用いられる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明者らは、高い降伏強度
(0.2%耐力)、高い疲労強度を有するフェライト・
パーライト組織の非調質鋼を開発すべく、かねてより研
究を進めてきた。その結果、好ましくは後述する様な成
分組成の非調質鋼材を使用し、該非調質鋼材を熱間加工
してなる金属組織が実質的にフェライト・パーライト組
織からな成形加工品について、該成形加工品の中でも特
に高い降伏強度(0.2%耐力)と高い疲労強度が必要
とされる部位のみに軽度の冷間加工を施して軽度の加工
歪みを与え、その後の歪み時効処理を施せば、上記冷間
加工部の降伏強度(0.2%耐力)と疲労強度を効果的
に高められるという事実を確認し、本発明を完成したも
のである。
(0.2%耐力)、高い疲労強度を有するフェライト・
パーライト組織の非調質鋼を開発すべく、かねてより研
究を進めてきた。その結果、好ましくは後述する様な成
分組成の非調質鋼材を使用し、該非調質鋼材を熱間加工
してなる金属組織が実質的にフェライト・パーライト組
織からな成形加工品について、該成形加工品の中でも特
に高い降伏強度(0.2%耐力)と高い疲労強度が必要
とされる部位のみに軽度の冷間加工を施して軽度の加工
歪みを与え、その後の歪み時効処理を施せば、上記冷間
加工部の降伏強度(0.2%耐力)と疲労強度を効果的
に高められるという事実を確認し、本発明を完成したも
のである。
【0015】即ち本発明では、使用鋼材として熱間加工
後の金属組織がフェライト・パーライト組織の非調質鋼
が用いられる。この理由は、前述の如くフェライト・パ
ーライト組織となる非調質鋼材は、ベイナイト鋼やマ
ルテンサイト鋼に較べて合金元素の添加量が少なくてす
み、且つ調質処理が不要で急冷設備を必要としない、
製造時の熱処理条件による組織のバラツキが小さく、結
果的に安定した強度特性が得られ易い、といった利点を
活かすためである。
後の金属組織がフェライト・パーライト組織の非調質鋼
が用いられる。この理由は、前述の如くフェライト・パ
ーライト組織となる非調質鋼材は、ベイナイト鋼やマ
ルテンサイト鋼に較べて合金元素の添加量が少なくてす
み、且つ調質処理が不要で急冷設備を必要としない、
製造時の熱処理条件による組織のバラツキが小さく、結
果的に安定した強度特性が得られ易い、といった利点を
活かすためである。
【0016】そして、フェライト・パーライト組織の非
調質鋼に指摘される前述の欠点、即ち降伏比および疲労
強度の不足を補うための手段として、成形加工品全体の
強度や疲労特性を高めるのではなく、当該成形品におい
て特に高レベルの降伏応力(0.2%耐力)や疲労強度
が求められる部位(以下、強度要求部位ということがあ
る)を強化するため、当該強度要求部位のみに所定の冷
間加工を施した後、歪み時効処理が施される。
調質鋼に指摘される前述の欠点、即ち降伏比および疲労
強度の不足を補うための手段として、成形加工品全体の
強度や疲労特性を高めるのではなく、当該成形品におい
て特に高レベルの降伏応力(0.2%耐力)や疲労強度
が求められる部位(以下、強度要求部位ということがあ
る)を強化するため、当該強度要求部位のみに所定の冷
間加工を施した後、歪み時効処理が施される。
【0017】即ちこの冷間加工は、その後の歪み時効処
理によって降伏応力と疲労強度を高めるための予備処理
として重要な意味合いを有しており、該歪み時効処理後
に目標とする降伏強度(0.2%耐力)と疲労強度を確
保できる歪み量を与えるには、該冷間加工時の加工率を
3%以上、より好ましくは5%以上にすることが必要で
ある。しかしながら、こうした降伏強度向上効果は加工
率が約30%で飽和し、それ以上に冷間加工率を高めて
もそれ以上の降伏強度向上効果は得られず、しかもそれ
以上に冷間加工率を高めるには、冷間加工時の負荷荷重
を確保するのに大きな設備が必要となり、工業的に実施
が困難となる。従って冷間加工率は30%以下、より好
ましくは20%以下に抑えることが望ましい。該冷間加
工の具体的な方法は特に制限されず、強度要求部位の形
状などを考慮して、鍛造、圧延、伸線など任意の方法を
採用すればよい。
理によって降伏応力と疲労強度を高めるための予備処理
として重要な意味合いを有しており、該歪み時効処理後
に目標とする降伏強度(0.2%耐力)と疲労強度を確
保できる歪み量を与えるには、該冷間加工時の加工率を
3%以上、より好ましくは5%以上にすることが必要で
ある。しかしながら、こうした降伏強度向上効果は加工
率が約30%で飽和し、それ以上に冷間加工率を高めて
もそれ以上の降伏強度向上効果は得られず、しかもそれ
以上に冷間加工率を高めるには、冷間加工時の負荷荷重
を確保するのに大きな設備が必要となり、工業的に実施
が困難となる。従って冷間加工率は30%以下、より好
ましくは20%以下に抑えることが望ましい。該冷間加
工の具体的な方法は特に制限されず、強度要求部位の形
状などを考慮して、鍛造、圧延、伸線など任意の方法を
採用すればよい。
【0018】即ちこの冷間加工は、前述の如く特に強度
増強が求められる部位のみに対して行なわれ、例えば自
動車部品の足回り部品におけるフロントハブやナックル
スピン等の軸部について部分的に行なうことができる。
従って、該冷間加工前に行なわれる熱間加工々程や切削
加工工程では、該強度要求部位の冷間加工率を加味し
て、非加工部位よりもやや大きめの寸法に加工しておけ
ばよい。またこの冷間加工とは、上記の様に非調質鋼製
成形品の少なくとも降伏応力や疲労強度などの強度特性
が特に重要となる部位のみに加工歪みを与えて転位を導
入する為に行なわれる処理であり、通常の成形用の冷間
加工とは区別される。
増強が求められる部位のみに対して行なわれ、例えば自
動車部品の足回り部品におけるフロントハブやナックル
スピン等の軸部について部分的に行なうことができる。
従って、該冷間加工前に行なわれる熱間加工々程や切削
加工工程では、該強度要求部位の冷間加工率を加味し
て、非加工部位よりもやや大きめの寸法に加工しておけ
ばよい。またこの冷間加工とは、上記の様に非調質鋼製
成形品の少なくとも降伏応力や疲労強度などの強度特性
が特に重要となる部位のみに加工歪みを与えて転位を導
入する為に行なわれる処理であり、通常の成形用の冷間
加工とは区別される。
【0019】次に冷間加工後に行なわれる歪み時効処理
は、冷間加工によって与えられた歪み付与部を強化する
為に行なわれるものであり、該歪み時効処理による降伏
強度向上効果を有効に発揮させるには、少なくとも10
0℃以上の温度を採用しなければならず、より好ましい
温度は150℃以上である。但し、温度が450℃を超
えると過時効となり却って降伏強度の低下を招くので、
450℃以下に抑えなければならず、より好ましい温度
は350℃以下である。
は、冷間加工によって与えられた歪み付与部を強化する
為に行なわれるものであり、該歪み時効処理による降伏
強度向上効果を有効に発揮させるには、少なくとも10
0℃以上の温度を採用しなければならず、より好ましい
温度は150℃以上である。但し、温度が450℃を超
えると過時効となり却って降伏強度の低下を招くので、
450℃以下に抑えなければならず、より好ましい温度
は350℃以下である。
【0020】該歪み時効による降伏強度向上効果を確保
するための保持時間は、温度によっても変わってくる
が、15秒程度以上でその効果は十分に認められる。し
かし、部品の当該処理部に確実且つ安定した歪み時効処
理効果を与えるには、保持時間を1分以上とすることが
望ましい。保持時間の上限は特に存在しないが、経済性
や処理効率などを考慮すると60分程度で十分であり、
より一般的には30分程度以下の処理で十分である。ま
た歪み時効処理後の冷却は特に制限的でなく、炉冷、水
冷なども可能であるが、通常の空冷で差し支えない。
するための保持時間は、温度によっても変わってくる
が、15秒程度以上でその効果は十分に認められる。し
かし、部品の当該処理部に確実且つ安定した歪み時効処
理効果を与えるには、保持時間を1分以上とすることが
望ましい。保持時間の上限は特に存在しないが、経済性
や処理効率などを考慮すると60分程度で十分であり、
より一般的には30分程度以下の処理で十分である。ま
た歪み時効処理後の冷却は特に制限的でなく、炉冷、水
冷なども可能であるが、通常の空冷で差し支えない。
【0021】なお上記歪み時効処理は、冷間加工の与え
られた前記強度要求部位のみに施すことも勿論可能であ
るが、この処理温度は上記の様に低温であり、冷間加工
歪みの与えられておらない部位には殆んど熱影響を与え
ることがないので、部品全体に上記温度・時間の処理を
施すことも可能であり、それにより前記冷間加工歪み付
与部のみを強化することができる。
られた前記強度要求部位のみに施すことも勿論可能であ
るが、この処理温度は上記の様に低温であり、冷間加工
歪みの与えられておらない部位には殆んど熱影響を与え
ることがないので、部品全体に上記温度・時間の処理を
施すことも可能であり、それにより前記冷間加工歪み付
与部のみを強化することができる。
【0022】本発明では、上記の様に金属組織が実質的
にフェライト・パーライト組織からなる成形加工品の特
に強度要求部位に所定の冷間加工を施して歪みを与え、
その後所定温度・時間の歪み時効処理を施すことによ
り、当該処理部の降伏応力と疲労強度を高めるところに
特徴を有しているが、こうした効果をより有効に発揮さ
せるには、下記成分組成の非調質鋼材を選択して使用す
ることが望ましい。以下、本発明で好ましく用いられる
非調質鋼材の成分組成について説明する。
にフェライト・パーライト組織からなる成形加工品の特
に強度要求部位に所定の冷間加工を施して歪みを与え、
その後所定温度・時間の歪み時効処理を施すことによ
り、当該処理部の降伏応力と疲労強度を高めるところに
特徴を有しているが、こうした効果をより有効に発揮さ
せるには、下記成分組成の非調質鋼材を選択して使用す
ることが望ましい。以下、本発明で好ましく用いられる
非調質鋼材の成分組成について説明する。
【0023】本発明で用いられる非調質鋼材としては、
質量%で、C :0.15〜0.6%、Si:2.5%
以下、Mn:0.3〜2.0%、を含む鋼材が好まし
い。その理由は下記の通りである。
質量%で、C :0.15〜0.6%、Si:2.5%
以下、Mn:0.3〜2.0%、を含む鋼材が好まし
い。その理由は下記の通りである。
【0024】まずCは、熱間加工・冷却後における鍛造
品の金属組織中のパーライト量を増大させて必要な強度
を確保するのに有効な元素であり、少なくとも0.15
%以上、好ましくは0.20%以上のCを含有するもの
が望ましい。しかしながらC量が多くなり過ぎると、靱
延性が低下すると共に被削性が低下してくるので、0.
6%以下、より好ましくは0.55%以下に抑えるべき
である。
品の金属組織中のパーライト量を増大させて必要な強度
を確保するのに有効な元素であり、少なくとも0.15
%以上、好ましくは0.20%以上のCを含有するもの
が望ましい。しかしながらC量が多くなり過ぎると、靱
延性が低下すると共に被削性が低下してくるので、0.
6%以下、より好ましくは0.55%以下に抑えるべき
である。
【0025】Siは鋼材溶製時の脱酸に有効である他、
金属組織中のフェライト地に固溶して熱間加工部品の降
伏強度(0.2%耐力)や疲労強度の向上に有効な元素
であり、こうしたSiの効果は0.05%以上、より好
ましくは0.1%以上含有させることによって有効に発
揮される。しかしながら、Si量が多くなり過ぎると冷
間加工性が劣化するので、2.0%以下、より好ましく
は1.5%以下に抑えるべきである。
金属組織中のフェライト地に固溶して熱間加工部品の降
伏強度(0.2%耐力)や疲労強度の向上に有効な元素
であり、こうしたSiの効果は0.05%以上、より好
ましくは0.1%以上含有させることによって有効に発
揮される。しかしながら、Si量が多くなり過ぎると冷
間加工性が劣化するので、2.0%以下、より好ましく
は1.5%以下に抑えるべきである。
【0026】Mnは、鋼材溶製時の脱酸・脱硫元素とし
て有効に作用すると共に、金属組織中のフェライト地に
固溶してフェライトを強化し、更には、パーライト量を
増大させてパーライト中のラメラ間隔を細かくし、降伏
強度(0.2%耐力)や疲労強度の向上に寄与する。こ
うした効果は、Mnを0.3%以上、より好ましくは
0.50%以上含有させることによって有効に発揮され
るが、反面Mn量が多くなり過ぎると、金属組織中にベ
イナイトが生成して被削性に悪影響を及ぼす様になるの
で、2.0%以下、より好ましくは1.8%以下に抑え
るのがよい。
て有効に作用すると共に、金属組織中のフェライト地に
固溶してフェライトを強化し、更には、パーライト量を
増大させてパーライト中のラメラ間隔を細かくし、降伏
強度(0.2%耐力)や疲労強度の向上に寄与する。こ
うした効果は、Mnを0.3%以上、より好ましくは
0.50%以上含有させることによって有効に発揮され
るが、反面Mn量が多くなり過ぎると、金属組織中にベ
イナイトが生成して被削性に悪影響を及ぼす様になるの
で、2.0%以下、より好ましくは1.8%以下に抑え
るのがよい。
【0027】本発明で使用する鋼材の基本成分は上記3
種であり、残部は実質的にFeと不可避不純物である
が、更に他の成分として、V:0.6%以下(0%を含
む)、Cr:1.5%以下(0%を含まない)およびM
o:0.5%以下(0%を含まない)から選ばれる少な
くとも1種の元素を含有させることも有効である。
種であり、残部は実質的にFeと不可避不純物である
が、更に他の成分として、V:0.6%以下(0%を含
む)、Cr:1.5%以下(0%を含まない)およびM
o:0.5%以下(0%を含まない)から選ばれる少な
くとも1種の元素を含有させることも有効である。
【0028】即ちVは、微細な炭化物あるいは窒化物を
形成してフェライト部に析出し、降伏強度(0.2%耐
力)や疲労強度を高める作用があり、こうした作用は、
Vを少量、好ましくは0.03%以上、より好ましくは
0.05%以上含有させることによって有効に発揮され
る。しかしながら、Vのこうした効果は0.6%程度で
飽和し、それ以上含有させてもそれ以上の改質効果は得
られないので、経済性を考慮すると0.6%以下、より
経済的には0.5%以下が好ましい。
形成してフェライト部に析出し、降伏強度(0.2%耐
力)や疲労強度を高める作用があり、こうした作用は、
Vを少量、好ましくは0.03%以上、より好ましくは
0.05%以上含有させることによって有効に発揮され
る。しかしながら、Vのこうした効果は0.6%程度で
飽和し、それ以上含有させてもそれ以上の改質効果は得
られないので、経済性を考慮すると0.6%以下、より
経済的には0.5%以下が好ましい。
【0029】またCrは、パーライト焼入性を高めて強
度を向上させる作用があり、その効果は0.02%以上
含有させることによって有効に発揮される。しかしなが
ら、Cr含有量が多くなり過ぎると熱間加工品の金属組
織中にベイナイトが生成し、被削性に悪影響を及ぼす傾
向が生じてくるので1.5%以下に抑えるべきである。
またMoも、靱性を損なうことなく強度向上に寄与する
が、多くなり過ぎるとやはり熱間加工品の金属組織中に
ベイナイトが生成して被削性に悪影響を及ぼす様になる
ので、0.5%以下に抑えるべきである。強度向上の効
果を有効に発揮させるには、Moを0.01%以上含有
させることが望ましい。
度を向上させる作用があり、その効果は0.02%以上
含有させることによって有効に発揮される。しかしなが
ら、Cr含有量が多くなり過ぎると熱間加工品の金属組
織中にベイナイトが生成し、被削性に悪影響を及ぼす傾
向が生じてくるので1.5%以下に抑えるべきである。
またMoも、靱性を損なうことなく強度向上に寄与する
が、多くなり過ぎるとやはり熱間加工品の金属組織中に
ベイナイトが生成して被削性に悪影響を及ぼす様になる
ので、0.5%以下に抑えるべきである。強度向上の効
果を有効に発揮させるには、Moを0.01%以上含有
させることが望ましい。
【0030】本発明で使用する鋼材には、更に他の成分
として、S :0.12%以下(0%を含まない)、P
b:0.3%以下(0%を含まない)、Zr:0.2%
以下(0%を含まない)、Ca:0.01%以下(0%
を含まない)、Te:0.1%以下(0%を含まな
い)、Bi:0.1%以下(0%を含まない)よりなる
群から選ばれる元素の1種以上を含有させることも有効
である。即ちこれらの元素は、いずれも被削性の向上に
寄与する点で同効物質であり、特にSはMnSを形成し
て被削性を向上させると共に、オーステナイト結晶粒の
微細化や粒内フェライトの生成によってフェライト・パ
ーライト組織を微細化し、強度や靱性の向上にも寄与す
る。しかしながら、S含有量が過剰になると脆化が生じ
る様になるので、0.12%以下に抑えるべきである。
として、S :0.12%以下(0%を含まない)、P
b:0.3%以下(0%を含まない)、Zr:0.2%
以下(0%を含まない)、Ca:0.01%以下(0%
を含まない)、Te:0.1%以下(0%を含まな
い)、Bi:0.1%以下(0%を含まない)よりなる
群から選ばれる元素の1種以上を含有させることも有効
である。即ちこれらの元素は、いずれも被削性の向上に
寄与する点で同効物質であり、特にSはMnSを形成し
て被削性を向上させると共に、オーステナイト結晶粒の
微細化や粒内フェライトの生成によってフェライト・パ
ーライト組織を微細化し、強度や靱性の向上にも寄与す
る。しかしながら、S含有量が過剰になると脆化が生じ
る様になるので、0.12%以下に抑えるべきである。
【0031】またZrおよびCaは、MnSを球状化し
て熱間加工品の異方性を改善し、強度の低下を防ぐ効果
を発揮する。しかしながらこうした効果は、Zrの場合
は0.2%、Caの場合は0.01%でほぼ飽和し、そ
れ以上になると逆に靱性や強度に悪影響を及ぼす様にな
るので、Zrは0.2%以下、Caは0.01%以下に
抑えるべきである。
て熱間加工品の異方性を改善し、強度の低下を防ぐ効果
を発揮する。しかしながらこうした効果は、Zrの場合
は0.2%、Caの場合は0.01%でほぼ飽和し、そ
れ以上になると逆に靱性や強度に悪影響を及ぼす様にな
るので、Zrは0.2%以下、Caは0.01%以下に
抑えるべきである。
【0032】Pb、TeおよびBiも同様に被削性の向
上に寄与するが、Pbの場合は0.3%以下、Te、B
iの場合は0.1%以下でその効果が飽和するので、そ
れ以上含有させることは経済的に無駄である。
上に寄与するが、Pbの場合は0.3%以下、Te、B
iの場合は0.1%以下でその効果が飽和するので、そ
れ以上含有させることは経済的に無駄である。
【0033】本発明で使用する鋼材中に含有させること
のできる更に他の元素として、Al:0.06%以下
(0%を含まない)、Ti:0.1%以下(0%を含ま
ない)、Nb:0.1%以下(0%を含まない)、N
:0.015%(0%を含まない)よりなる群から選
ばれる元素の1種以上が挙げられる。即ちこれらの元素
は、いずれも結晶粒を微細化して疲労特性の向上に寄与
するが、夫々上限値あたりでその効果は飽和し、逆に熱
間加工材の脆化を招く様になる。
のできる更に他の元素として、Al:0.06%以下
(0%を含まない)、Ti:0.1%以下(0%を含ま
ない)、Nb:0.1%以下(0%を含まない)、N
:0.015%(0%を含まない)よりなる群から選
ばれる元素の1種以上が挙げられる。即ちこれらの元素
は、いずれも結晶粒を微細化して疲労特性の向上に寄与
するが、夫々上限値あたりでその効果は飽和し、逆に熱
間加工材の脆化を招く様になる。
【0034】なお上記以外の元素であっても、不可避不
純物量である限り微量含まれていても差し支えない。
純物量である限り微量含まれていても差し支えない。
【0035】本発明で使用する非調質鋼材は、好ましく
は前述の成分組成の要件を満たす上で、熱間加工後の金
属組織がフェライト・パーライト混合組織を有するもの
でなければならないが、こうした混合組織は、たとえば
熱間加工後の冷却速度を、熱間加工温度から500℃ま
での平均で5℃/秒程度以下にコントロールすることに
よって容易に確保できる。
は前述の成分組成の要件を満たす上で、熱間加工後の金
属組織がフェライト・パーライト混合組織を有するもの
でなければならないが、こうした混合組織は、たとえば
熱間加工後の冷却速度を、熱間加工温度から500℃ま
での平均で5℃/秒程度以下にコントロールすることに
よって容易に確保できる。
【0036】かくして本発明によれば、好ましくは前述
した化学成分を満足する鋼材を使用し、熱間加工により
所定の形状に成形加工し(このとき、加工物の強度要求
部は、後に行なわれる冷間加工の加工率を見越してやや
大きめに成形しておく)、室温まで冷却してフェライト
・パーライト混合組織を得た後、強度要求部のみに所定
加工率の冷間加工を施し、次いで前述した所定温度・時
間の歪み時効処理を施すことにより、強度要求部、即ち
冷間加工部の疲労強度(疲れ限度)と降伏強度(0.2
%耐力)著しく高めることが可能となる。
した化学成分を満足する鋼材を使用し、熱間加工により
所定の形状に成形加工し(このとき、加工物の強度要求
部は、後に行なわれる冷間加工の加工率を見越してやや
大きめに成形しておく)、室温まで冷却してフェライト
・パーライト混合組織を得た後、強度要求部のみに所定
加工率の冷間加工を施し、次いで前述した所定温度・時
間の歪み時効処理を施すことにより、強度要求部、即ち
冷間加工部の疲労強度(疲れ限度)と降伏強度(0.2
%耐力)著しく高めることが可能となる。
【0037】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、下記実施例はもとより本発明を制限する性
質のものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で
適当に変更を加えて実施することも可能であり、それら
はいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
説明するが、下記実施例はもとより本発明を制限する性
質のものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で
適当に変更を加えて実施することも可能であり、それら
はいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【0038】実施例1 (1)降伏比と冷間加工率および歪み時効処理条件の関
係 まず、歪み時効による降伏強度(0.2%耐力)向上効
果を明らかにするために、冷間伸線加工材を用いて実験
を行った。供試材は表1に示す引張強さ800N/mm
2 級V添加非調質鋼を転炉で溶製し、伸線実験を容易に
するため直径20mmの線材に圧延し、その後、実際の
熱間加工で行われる様に衝風冷却を行い、線材の引張強
さを800N/mm2 程度に制御した。伸線前処理とし
て一連の皮膜処理(酸洗、ボンデ・石灰処理)を行った
後、ドローベンチで伸線速度1m/minで伸線を行っ
た。
係 まず、歪み時効による降伏強度(0.2%耐力)向上効
果を明らかにするために、冷間伸線加工材を用いて実験
を行った。供試材は表1に示す引張強さ800N/mm
2 級V添加非調質鋼を転炉で溶製し、伸線実験を容易に
するため直径20mmの線材に圧延し、その後、実際の
熱間加工で行われる様に衝風冷却を行い、線材の引張強
さを800N/mm2 程度に制御した。伸線前処理とし
て一連の皮膜処理(酸洗、ボンデ・石灰処理)を行った
後、ドローベンチで伸線速度1m/minで伸線を行っ
た。
【0039】表2に実験で採用した冷間伸線条件と歪み
時効処理条件、および得られた加工品の引張強さ(T
S)、降伏強度(0.2%耐力:YP)、降伏比(Y
R)を示す。
時効処理条件、および得られた加工品の引張強さ(T
S)、降伏強度(0.2%耐力:YP)、降伏比(Y
R)を示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】表2より、次の様に解析できる。No.1
は伸線加工および歪み時効処理を行わなかった比較例で
あり、通常の800N/mm2 級非調質鋼の結果と同様
に降伏比(YR)が低い。No.2は、No.1の鋼材
に対し伸線加工のみを行ない歪み時効処理を行なわなか
った比較例であり、加工硬化によって引張強さ(TS)
と耐力(YP)はNo.1よりも向上しているが、降伏
比(YR)の向上は僅かにすぎない。No.3は、N
o.1の鋼材に対し時効処理のみを行った比較例であ
り、TS、YP、YRともに殆んど向上が見られない。
は伸線加工および歪み時効処理を行わなかった比較例で
あり、通常の800N/mm2 級非調質鋼の結果と同様
に降伏比(YR)が低い。No.2は、No.1の鋼材
に対し伸線加工のみを行ない歪み時効処理を行なわなか
った比較例であり、加工硬化によって引張強さ(TS)
と耐力(YP)はNo.1よりも向上しているが、降伏
比(YR)の向上は僅かにすぎない。No.3は、N
o.1の鋼材に対し時効処理のみを行った比較例であ
り、TS、YP、YRともに殆んど向上が見られない。
【0043】No.4、7、10はそれぞれ加工率、時
効温度、時効時間が規定範囲以下の比較例であり、いず
れもYRの向上が十分と言えない。No.19は時効処
理温度が規定範囲を超える比較例であり、過時効となっ
てYRが低下している。No.18、22は、それぞれ
時効処理時間または冷間加工率が規定範囲を超える比較
例であり、YR向上効果は認められるものの、冷間加工
の為の負荷加重が過度に大きくなり、あるいは処理効率
が悪くなるため、工業規模での実用化にそぐわない。
効温度、時効時間が規定範囲以下の比較例であり、いず
れもYRの向上が十分と言えない。No.19は時効処
理温度が規定範囲を超える比較例であり、過時効となっ
てYRが低下している。No.18、22は、それぞれ
時効処理時間または冷間加工率が規定範囲を超える比較
例であり、YR向上効果は認められるものの、冷間加工
の為の負荷加重が過度に大きくなり、あるいは処理効率
が悪くなるため、工業規模での実用化にそぐわない。
【0044】上記以外の例は、本発明の規定要件をすべ
て満足する実施例であり、いずれも0.9以上の高いY
Rが得られている。尚、伸び率は表2中の全ての例で1
0%以上が得られており、十分な延性を有していると判
断できる。
て満足する実施例であり、いずれも0.9以上の高いY
Rが得られている。尚、伸び率は表2中の全ての例で1
0%以上が得られており、十分な延性を有していると判
断できる。
【0045】(2)伸線・時効処理後の降伏比と成分の
関係 表3,4に記載した化学成分の鋼を50kg真空炉によ
って溶製し、鋳造した後熱間鍛造して直径20mmの棒
状物を用意した。各棒状物について光学顕微鏡を用いて
断面の金属組織を確認した後、下記の条件で冷間伸線加
工と歪み時効処理を行ない、夫々について機械的性質を
評価した。尚、伸線前の鋼材の組織観察でベイナイトの
混在が認められた鋼についてはその後の試験を中止し、
フェライト・パーライト組織の鋼だけについて評価実験
を進めた。また、物性の目標基準は、TS:900N/
mm2 以上、YR:0.90以上、El:10%以上と
した。 (冷間伸線加工) 伸線減面率:15% (歪み時効処理) 時効温度:300℃ 時効時間:30分
関係 表3,4に記載した化学成分の鋼を50kg真空炉によ
って溶製し、鋳造した後熱間鍛造して直径20mmの棒
状物を用意した。各棒状物について光学顕微鏡を用いて
断面の金属組織を確認した後、下記の条件で冷間伸線加
工と歪み時効処理を行ない、夫々について機械的性質を
評価した。尚、伸線前の鋼材の組織観察でベイナイトの
混在が認められた鋼についてはその後の試験を中止し、
フェライト・パーライト組織の鋼だけについて評価実験
を進めた。また、物性の目標基準は、TS:900N/
mm2 以上、YR:0.90以上、El:10%以上と
した。 (冷間伸線加工) 伸線減面率:15% (歪み時効処理) 時効温度:300℃ 時効時間:30分
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】表3,4より次の様に考えることができ
る。No.23、30は、それぞれC,Mn,Vが好適
範囲に満たないため強度不足が否めない。No.26、
34は、それぞれC,Vが好適範囲を超えるため、TS
やYRは良好であるが伸びが5%以下となり靱延性が悪
い。No.31、36は、強度は満足しているが、それ
ぞれMn,Crが好適範囲を超える為ベイナイト組織が
生成していたので、その後の評価を行わなかった。N
o.40は、Sが好適範囲を超えるため熱間鍛造時に割
れが生じたので、その後の評価を中止した。No.29
は、Siが好適範囲を超えるため冷間加工性が悪く、伸
線加工時に断線が生じたのでその後の評価は行わなかっ
た。
る。No.23、30は、それぞれC,Mn,Vが好適
範囲に満たないため強度不足が否めない。No.26、
34は、それぞれC,Vが好適範囲を超えるため、TS
やYRは良好であるが伸びが5%以下となり靱延性が悪
い。No.31、36は、強度は満足しているが、それ
ぞれMn,Crが好適範囲を超える為ベイナイト組織が
生成していたので、その後の評価を行わなかった。N
o.40は、Sが好適範囲を超えるため熱間鍛造時に割
れが生じたので、その後の評価を中止した。No.29
は、Siが好適範囲を超えるため冷間加工性が悪く、伸
線加工時に断線が生じたのでその後の評価は行わなかっ
た。
【0049】これらに対し、No.24、25、27、
28、、32、33、35、37、38、39、41、
42、43、44、45、46、47、48、49、5
0、51は、好ましい化学成分の要件をすべて満たす鋼
材を用いた例であり、TSは900N/mm2 以上、Y
Rは0.9以上であり、Elも10%以上を有してお
り、非常に良好な結果が得られている。
28、、32、33、35、37、38、39、41、
42、43、44、45、46、47、48、49、5
0、51は、好ましい化学成分の要件をすべて満たす鋼
材を用いた例であり、TSは900N/mm2 以上、Y
Rは0.9以上であり、Elも10%以上を有してお
り、非常に良好な結果が得られている。
【0050】実施例2 前記表1に示下のと同じ引張強さ800N/mm2 級V
添加非調質鋼を転炉で溶製し、伸線実験を容易にするた
め直径20mmの線材に圧延し、その後、実際の熱間加
工で行われる様に衝風冷却を行い、線材の引張強さを8
00N/mm2程度に制御した。伸線前処理として一連
の皮膜処理(酸洗、ボンデ・石灰処理)を行った。
添加非調質鋼を転炉で溶製し、伸線実験を容易にするた
め直径20mmの線材に圧延し、その後、実際の熱間加
工で行われる様に衝風冷却を行い、線材の引張強さを8
00N/mm2程度に制御した。伸線前処理として一連
の皮膜処理(酸洗、ボンデ・石灰処理)を行った。
【0051】得られた熱間圧延線材を長さ1mに切断
し、その中央部一端から0.5mの領域のみに、ドロー
ベンチ法で15%の冷間伸線加工を施し、次いで該冷間
伸線加工品に、300℃×30分の歪み時効処理を施し
たものについて、冷間伸線処理を施した部分と施してい
ない部分の物性を前記と同様にして調べた。結果を表5
に示す。なお表5には、試料として用いた冷間加工処理
前の線材の物性を併記した。
し、その中央部一端から0.5mの領域のみに、ドロー
ベンチ法で15%の冷間伸線加工を施し、次いで該冷間
伸線加工品に、300℃×30分の歪み時効処理を施し
たものについて、冷間伸線処理を施した部分と施してい
ない部分の物性を前記と同様にして調べた。結果を表5
に示す。なお表5には、試料として用いた冷間加工処理
前の線材の物性を併記した。
【0052】
【表5】
【0053】表5からも明らかである様に、冷間伸線加
工の後、冷間加工の施されていない部分(すなわち時効
処理のみが施された部分)の物性は、供試原料である熱
間伸線材の物性と殆んど変わっていないのに対し、本発
明に従って軽度の冷間加工を施してから歪み時効処理を
施した部分の物性は著しく高められていることが分か
る。
工の後、冷間加工の施されていない部分(すなわち時効
処理のみが施された部分)の物性は、供試原料である熱
間伸線材の物性と殆んど変わっていないのに対し、本発
明に従って軽度の冷間加工を施してから歪み時効処理を
施した部分の物性は著しく高められていることが分か
る。
【0054】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、非
調質鋼材を熱間加工してなる金属組織が実質的にフェラ
イト・パーライト組織の成形加工品における、特に高度
の疲労特性と強度が要求される部位に3〜30%の冷間
加工を施して軽度の加工歪みを与え、その後所定温度・
時間の歪み時効処理を行なうことにより、上記加工歪み
付与部の疲労強度と降伏強度を高めることができ、非調
質鋼材としての利点を享受しつつその欠点である疲労特
性不足を解消し得ることになった。
調質鋼材を熱間加工してなる金属組織が実質的にフェラ
イト・パーライト組織の成形加工品における、特に高度
の疲労特性と強度が要求される部位に3〜30%の冷間
加工を施して軽度の加工歪みを与え、その後所定温度・
時間の歪み時効処理を行なうことにより、上記加工歪み
付与部の疲労強度と降伏強度を高めることができ、非調
質鋼材としての利点を享受しつつその欠点である疲労特
性不足を解消し得ることになった。
【図1】種々のフェライト・パーライト鋼およびベイナ
イト鋼について、疲労強度(疲れ限度)と降伏強度
(0.2%耐力)の関係を示したグラフである。
イト鋼について、疲労強度(疲れ限度)と降伏強度
(0.2%耐力)の関係を示したグラフである。
Claims (4)
- 【請求項1】 金属組織が実質的にフェライト・パーラ
イト組織である非調質鋼材からなる成形加工品の高疲労
特性が要求される部位のみに3〜30%の冷間加工を施
し、その後100〜450℃の範囲で15秒〜60分の
時効処理を行うことを特徴とする非調質鋼製高強度成形
品の製法。 - 【請求項2】 非調質鋼材の化学成分が、質量%で、 C :0.15〜0.6%、 Si:2.5%以下(0%を含まない)、 Mn:0.3〜2.0%、 を含有するものである請求項1に記載の非調質鋼製高強
度成形品の製法。 - 【請求項3】 非調質鋼材が、他の元素として、 V :0.6%以下(0%を含まない)、 Cr:1.5%以下(0%を含まない)、 Mo:0.5%以下(0%を含まない) よりなる群から選択される1種以上の元素を含有するも
のである請求項2に記載の非調質鋼製高強度成形品の製
法。 - 【請求項4】 非調質鋼材が、更に他の元素として、 S :0.12%以下(0%を含まない)、 Pb:0.3%以下(0%を含まない)、 Zr:0.2%以下(0%を含まない)、 Ca:0.01%以下(0%を含まない)、 Te:0.1%以下(0%を含まない)、 Bi:0.1%以下(0%を含まない) よりなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む
ものである請求項2または3に記載の非調質鋼製高強度
成形品の製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29906197A JPH11131134A (ja) | 1997-10-30 | 1997-10-30 | 非調質鋼製高強度成形品の製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29906197A JPH11131134A (ja) | 1997-10-30 | 1997-10-30 | 非調質鋼製高強度成形品の製法 |
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ID=17867706
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JP29906197A Withdrawn JPH11131134A (ja) | 1997-10-30 | 1997-10-30 | 非調質鋼製高強度成形品の製法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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1997
- 1997-10-30 JP JP29906197A patent/JPH11131134A/ja not_active Withdrawn
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