JP5633426B2 - 熱処理用鋼材 - Google Patents

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本発明は、熱処理用鋼材に関する。より詳しくは、本発明は、熱処理前においては優れた加工性を有し、熱処理後においては高い強度と優れた靭性とを有する熱処理用鋼材に関する。
ギヤ、ミッション、シートベルト等の自動車部品等に使用される熱処理用鋼材は、成形加工が施されて所定の部材形状とされた後に、熱処理が施されて所定の強度に調整される。これらの熱処理用鋼材には、昨今の部材軽量化のニーズから、部材の薄肉化を可能にするように、熱処理後において高い強度を有しかつ優れた靭性を有することが望まれている。
ここで、熱処理用鋼板に施される典型的な熱処理として焼入れ焼戻し処理が挙げられる。しかし、焼入れ焼戻し処理では高い強度と優れた靭性とを高次元で両立させることが困難である。このため、高い強度と優れた靭性とを高次元で良質させることが要求される場合には、熱処理としてオーステンパー処理が採用されている。しかしながら、オーステンパー処理は高コストである。したがって、よりコストの低い熱処理である焼入れ焼戻し処理によっても高い強度と優れた靭性とを高次元で両立させ得る熱処理用鋼板が望まれている。
一方、これらの熱処理用鋼材に施される成形加工には、近年、増肉加工や鍛造といった難成形が採用されるようになってきている。したがって、これらの熱処理用鋼材には、熱処理前において従来よりも優れた加工性を有することが望まれている。すなわち、高歪域で変形抵抗が過大となって成形設備の許容荷重を超過したり成形工具が短寿命化したりすることを抑制するために、より軟質であることが望まれている。
ここで、熱処理用鋼材を単に軟質化する方法としては、合金元素の含有量を低減する方法が挙げられる。しかしながら、そもそも合金元素は、熱処理用鋼材の焼入れ性を高めることによって、熱処理後において高い強度と靭性とを確保することを可能にする目的で含有させているのであるから、斯かる方法では熱処理用鋼材の焼入れ性が低下してしまい、熱処理後の鋼材の強度と靭性とが劣化してしまう場合がある。すなわち、熱処理としてオーステンパー処理を施す場合には、熱処理用鋼材のMs点が高いために塩浴温度を比較的高温とせざるを得ず、このため、オーステナイト化した後に塩浴に浸漬しても十分な冷却速度を確保することができず、フェライトやパーライトが生成してしまい、熱処理後の鋼材の強度と靭性とが劣化してしまう。このように、焼入れ性の低い熱処理用鋼材にオーステンパー処理を施して高い強度と優れた靭性とを確保することは困難である。
一方、焼入れ焼戻し処理であれば、焼入れ性が低い熱処理用鋼材であっても熱処理を施すことが可能である。しかし、通常のバッチ式炉を用いた場合には、加熱炉抽出から油冷開始までにある程度の時間を要するため、加熱炉抽出から油冷開始までの鋼材の温度低下に起因してフェライトが生成してしまい、熱処理後の鋼材の強度と靭性とが劣化してしまう。このため、従来よりも加熱温度を高温とする必要が生じ、生産性の低下とコストの上昇を余儀なくされる。
そこで、熱処理用鋼材の軟質化処理として、炭化物の球状化処理が採用される場合がある。これは、所定の高温域に保持する球状化焼鈍を施すことにより、熱処理用鋼材のフェライトの粒成長を促すとともに炭化物を球状化させ、熱処理用鋼材の軟質化を図るものである。
熱処理用鋼材に関しては従来から多くの技術が提案されている。
特許文献1には、C:0.30〜0.80重量%、Si:0.05〜0.40重量%、Mn:0.50重量%以下、Cr:1.00〜3.00重量%、Mo:0.40〜1.00重量%、V:0.01〜0.40重量%、N:0.005〜0.02重量%、P:0.010重量%以下、S:0.006重量%以下、酸可溶Al:0.010〜0.10重量%を含む連鋳スラブを熱間圧延してベイナイト組織にした後、炭化物の平均粒径を1μm以下に調整した鋼板を850〜1100℃でオーステナイト化し、次いでマルテンサイト生成温度以下に急冷し、200〜600℃に焼き戻す高強度高靭性鋼板の製造方法が開示されている。
また、特許文献2には、C:0.15〜0.50重量%、Si:0.30重量%以下、Mn:0.3〜1.0重量%、P:0.03重量%以下、S:0.01重量%以下、Ti:0.01〜0.15重量%、B:0.0005〜0.0050重量%、N:0.01重量%以下、T.Al:0.02〜0.10重量%、Cr:0〜0.8重量%を含み、残部が実質的にFeの組成をもち、[%P]≦6×[%B]+0.005を満足し、JIS5号引張試験片の平行部長手方向中央位置における幅方向両サイドに開き角45度、深さ2mmのVノッチを入れた試験片を用いて引張試験し、平行部長手方向中央部の標点間距離5mmに対する破断後の伸び率として表わされる切欠き引張伸びが35%以上であることを特徴とする局部延性および熱処理後の靭性に優れるとされる低合金鋼熱延鋼板が開示されている。
また、特許文献3には、C:0.20〜0.90質量%の熱延鋼板または焼鈍鋼板に、少なくとも圧延最終パスに表面粗さRaが0.20〜1.50μmのワークロールを用い、トータル圧延率を20〜70%とする条件で仕上圧延を行い、その後、仕上焼鈍を施す、深絞り性に優れるとされる中・高炭素鋼板の製造方法が開示されている。
特許文献4には、C:0.22〜0.45質量%、Cr:0.01〜0.70質量%、Ti:0.005〜0.050質量% 、B:0.0003〜0.0050 質量% を含有する鋼からなり、炭化物の平均粒径が0.1〜1.0μmで、炭化物粒径の標準偏差/炭化物の平均粒径の比が1.0以下である、焼き入れ性と伸びフランジ性の優れるとされる高炭素鋼板が開示されている。
特開平9−170017公報 特開2001−64751公報 特開2003−293042公報 特開2005−344197公報
上述した従来技術における熱処理用鋼板には、以下の問題が存在する。
すなわち、特許文献1に開示された高強度高靭性鋼板は、強度および靭性を確保するために多量の合金元素を含有する。このため、鋼板自体の軟質化を図ることが困難であり、熱処理前において優れた加工性を確保することが困難である。
また、特許文献2に開示された低合金熱延鋼板は、熱延鋼板のパーライト組織を微細化するものであり、炭化物の球状化処理を施すものではない。このため、熱処理前において優れた加工性を確保することが困難である。
また、特許文献3に開示された中・高炭素鋼板は、鋼板表面に形成した凹凸による潤滑油の保持効果によって深絞り性の向上を図るものであり、鋼板自体の軟質化を図るものではない。このため、増肉加工や鍛造といった難成形に対する加工性を向上させることはできず、熱処理前において優れた加工性を確保することが困難である。
この点において、特許文献4に開示された高炭素鋼板は、炭化物の球状化処理を施すものであるため、熱処理前において優れた加工性を確保することができる。しかしながら、本発明者らの検討によれば、特許文献4に開示された高炭素鋼板では、熱処理後において高い強度と優れた靭性とを高次元で確保することができない場合があることが判明した。
すなわち、熱処理用鋼材にはMnやCrといった焼入れ性を向上させる合金元素を含有させることが通常行われるのであるが、炭化物の球状化処理によって形成される球状化炭化物にはMnやCrなどの置換型合金元素が濃化しやすい。そして、このようにMnやCrなどの置換型合金元素が濃化した炭化物は熱処理の加熱工程において固溶が遅延する。このため、通常の熱処理条件を適用した場合に、炭化物の固溶が不十分となり、残存した炭化物中に存在するMnやCrは鋼の焼入れ性に寄与しないため、鋼材の化学組成に見合うだけの焼入れ性が発揮されない場合が生じる。したがって、特許文献4に開示された高炭素鋼板のように、炭化物の完全な球状化を目的とした通常の球状化焼鈍が施された高炭素鋼板では、熱処理後において高い強度と優れた靭性とを高次元で確保することができない場合がある。
この点を解消するには、熱処理における加熱条件を炭化物が固溶するのに十分な条件とすればよいが、生産性の低下を招くので好ましくない。
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、熱処理前においては優れた加工性を有し、熱処理後においては高い強度と優れた靭性とを有する熱処理用鋼材を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。
本発明者らは、先ず、熱処理用鋼材の加工性を向上させることについて検討した。
上述したように、熱処理用鋼材に施される成形加工には、近年、増肉加工や鍛造といった難成形が採用されるようになってきており、熱処理用鋼材の加工性を向上させるために、球状化焼鈍による軟質化が図られている。しかし、球状化焼鈍による軟質化には自ずと限界がある。
そこで、合金元素の含有量の低減による一層の軟質化について検討した。しかしながら、上述したように、単に合金元素の含有量を低減させたのでは焼入れ性の低下を招いてしまい、熱処理後において高い強度と優れた靭性とを確保することが困難となる。
また、従来技術においては、高い強度と優れた靭性とを高次元で両立させるのにオーステンパー処理を採用していたため、よりコストの低い熱処理である焼入れ焼戻し処理によっても高い強度と優れた靭性とを高次元で両立させ得る熱処理用鋼板が望まれていた。
そこで、これらの課題を一気に解決する方法として、熱処理用鋼材の化学組成にBを含有させることを着想した。
すなわち、Bは少量の含有により鋼の焼入れ性を著しく向上させる作用を有することから、Bを含有させるとともに焼入れ性を確保するために含有させていた他の合金元素の含有量を削減することにより、熱処理前の熱処理用鋼材を一層軟質化させて加工性を向上させることが可能となる。さらに、Bは粒界に偏析することにより粒界の強度を高める作用を有することから、熱処理後において粒界にBを偏析させることにより、焼入れ焼戻し処理によっても熱処理後において優れた靭性を具備させることが可能となる。
このようにして、本発明者らは、熱処理用鋼材の化学組成にBを含有させることを着想したのであるが、実際に検討を行っていくうちに新たな問題に直面した。
すなわち、Bを含有させることにより焼入れ性を確保と熱処理後の靭性の向上とを図ったのであるが、Bによる作用効果が十分に奏されずに、熱処理後において目的とする高い強度と優れた靭性とを確保することができない場合があることが判明したのである。
そこで、本発明者らはこの原因を究明すべく、さらに検討を進めたのである。
その結果、熱処理用鋼材の加工性を向上させるための前提条件としていた炭化物の球状化処理により、Bの作用効果が阻害されることが判明した。
すなわち、上述したように、炭化物の球状化処理によって形成される球状化炭化物にはMnやCrなどの置換型合金元素が濃化しやすく、このMnやCrなどが濃化した炭化物は熱処理の加熱工程において固溶が遅延するため、炭化物中に存在するMnやCrは鋼の焼入れ性に寄与できず、結果として鋼材の化学組成に見合うだけの焼入れ性が発揮されない場合が生じるのであるが、Bについても同様の現象が生じ、炭化物の球状化処理によって形成される球状化炭化物にBが濃化し、Bが濃化した炭化物も熱処理の加熱工程において固溶が遅延するため、炭化物の固溶が不十分となり、球状化炭化物に濃化したBの固溶が遅延して、Bによる焼入れ性向上作用やBが熱処理後の粒界に偏析することに起因する靭性向上作用が阻害されるのである。
この点を解消するには、熱処理における加熱条件を炭化物が固溶するのに十分な条件とすればよいが、生産性の低下を招くので好ましくない。
そこで、本発明者らはさらに検討を行い、従来技術において炭化物の完全な球状化(球状化率:100%)を目的として施されていた炭化物の球状化処理を、熱処理前において優れた加工性を確保しつつ熱処理における炭化物の固溶を促して熱処理後において高い強度と優れた靭性とを確保するように、適度な球状化率を目的として施すという、従来技術において全く検討されていなかった方法を着想したのである。しかも、炭化物の大きさの影響をも考慮して、炭化物の大きさに応じた球状化率とすることを着想したのである。
本発明は、これらの新たな着想に基づいた検討により得られた新知見に基づくものであり、その要旨は以下のとおりである。
(1)質量%で、C:0.35%超0.6%以下、Si:0.5%以下、Mn:0.5%以上1.5%以下、P:0.03%以下、S:0.01%以下、sol.Al:0.1%以下、N:0.01%以下、B:0.005%以下およびTi:0.1%以下を含有し、残部Feおよび不純物からなる化学組成を有し、フェライトと炭化物と介在物とからなるとともに、前記フェライトの平均線分長が5μm以上、粒径が0.18μm以上である炭化物に占める粒径が0.5μm以上の粗大炭化物の個数比率が0.5以上、粒径が0.18μm以上である炭化物の球状化率が0.6以上0.85以下である鋼組織を有することを特徴とする熱処理用鋼材。
(2)質量%で、C:0.35%超0.6%以下、Si:0.5%以下、Mn:0.5%以上1.5%以下、P:0.03%以下、S:0.01%以下、sol.Al:0.1%以下、N:0.01%以下、B:0.005%以下およびTi:0.1%以下を含有し、残部がFeおよび不純物からなる化学組成を有し、フェライトと炭化物と介在物とからなるとともに、前記フェライトの平均線分長が5μm以上、粒径が0.18μm以上である炭化物に占める粒径が0.5μm以上の粗大炭化物の個数比率が0.5未満、粒径が0.18μm以上である炭化物の球状化率が0.7以上0.91以下である鋼組織を有することを特徴とする熱処理用鋼材。
(3)前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、質量%で、Cr:0.5%以下、Nb:0.1%以下、Ni:1.0%以下およびMo:0.5%以下からなる群から選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする上記(1)または上記(2)に記載の熱処理用鋼材。
本発明によれば、熱処理前においては優れた加工性を有し、熱処理後においては高い強度と優れた靭性とを有する熱処理用鋼材が提供される。したがって、自動車部品に適用する場合には、高強度化を図ることで車体軽量化を図ることができる部品に適用することが好適であり、例えば、ドライブプレート、シートベルトタング、ミッションギヤ等が例示される。また、本発明によれば、より低温域からの焼入れが可能となるので、実用上の利益は極めて大きい。
実施例のNo.3、5、12および13の鋼板の冷却速度とHv比との関係を示すグラフである。
本発明に係る熱処理用鋼材の化学組成および金属組織の限定理由を説明する。なお、以下の説明において、各元素の含有量を表す「%」は特に断りがない限り質量%を意味する。
(1)化学組成
[C:0.35%超0.6%以下]
Cは、熱処理後の鋼材の強度を主に決定する重要な元素である。C含有量が0.35%以下では熱処理後において十分な強度が得られない場合がある。したがって、C含有量は0.35%超とする。一方、C含有量が0.6%超では、熱処理後の鋼材の靱性の劣化が著しくなる。また、熱処理前の鋼材における炭化物が著しく増加するため、強度が上昇して成形性の劣化が著しくなる。したがって、Cの含有量は0.6%以下とする。好ましくは0.5%以下である。
[Si:0.5%以下]
Siは、一般に不純物として含有されるが、鋼材の焼入れ性を高める作用を有するので、積極的に含有させてもよい。しかしながら、Si含有量が0.5%超では、Ac点の上昇が著しくなり、炭化物の固溶が遅延して焼入れ性の低下を招く場合がある。また、熱間圧延時の表面疵を誘発する場合がある。したがって、Si含有量は0.5%以下とする。好ましくは0.3%以下である。
[Mn:0.5%以上1.5%以下]
Mnは、Ac点を低下させ、鋼の焼入れ性を高める作用を有する。Mn含有量が0.5%未満では上記作用による効果を得ることが困難な場合がある。したがって、Mn含有量は0.5%以上とする。一方、Mn含有量が1.5%超では、熱処理用鋼材が硬質化して熱処理前において優れた加工性を確保することが困難となる。また、Mnの偏析に起因するバンド状組織を生じやすくなり靭性を劣化させる。したがって、Mn含有量は1.5%以下とする。好ましくは1%以下である。
[P:0.03%以下]
Pは、不純物として含有され、熱処理用鋼材の成形性および熱処理後の鋼材の靱性を劣化させる作用を有する。P含有量が0.03%超では上記作用による弊害が著しくなる。したがって、P含有量は0.03%以下とする。好ましくは0.015%以下である。
[S:0.01%以下]
Sは、不純物として含有され、熱処理用鋼材の成形性および熱処理後の鋼材の靱性を劣化させる作用を有する。S含有量が0.01%超では上記作用による弊害が著しくなる。したがって、S含有量は0.01%以下とする。好ましくは0.005%以下である。
[sol.Al:0.1%以下]
Alは、一般に不純物として含有されるが、脱酸により鋼を健全化する作用を有するので、積極的に含有させてもよい。しかしながら、sol.Al含有量が0.1%超では、Ac点の上昇が著しくなり、炭化物の固溶が遅延するため、焼入れ性の低下を招く。したがって、sol.Al含有量は0.1%以下とする。好ましく0.05%以下である。なお、上記作用による効果をより確実に得るには、sol.Al含有量を0.005%以上とすることが好ましい。
[N:0.01%以下]
Nは、不純物として含有され、熱処理用鋼材の成形性を劣化させる作用を有する。また、鋼中の固溶Bと結合してBNを形成することにより、鋼中の固溶Bの量を減じてしまい、後述するBの作用を阻害する作用を有する。N含有量が0.01%超では、上記作用による弊害が著しくなる。したがって、N含有量は0.01%以下とする。好ましくは0.005%以下である。
[B:0.005%以下]
Bは、鋼中に固溶状態で存在することにより、熱処理中において焼入れ性を高めるとともに、熱処理後において靭性を向上させる作用を有する。したがって、Bを含有させる。しかしながら、B含有量が0.005%超では、BがFe等と化合物を形成してしまい、Bによる作用効果が減殺されてしまう。したがって、B含有量は0.005%以下とする。上記作用による効果をより確実に得るにはB含有量を0.0001%以上とすることが好ましい。さらに好ましくは0.0003%以上、最も好ましくは0.0005%以上である。
[Ti:0.1%以下]
Tiは、焼入れ性を高める作用を有するとともに、鋼中の固溶Nと結合してTiNを形成することにより、鋼中の固溶Nの量を減じて、鋼熱処理用鋼材の成形性を向上させる作用を有する。また、TiはBに比して優先的に鋼中の固溶Nと結合するため、BNの形成による固溶Bの量の低下を抑制し、上述したBの作用をより確実に発揮させる作用を有する。したがって、Tiを含有させる。しかしながら、Ti含有量が0.1%超では、鋼中のCと結合してTiCを多量に形成してしまう。ここで、熱処理によって鋼材の強度上昇に寄与するCは、熱処理の加熱工程において固溶状態で存在するCである。したがって、鋼中にTiCが多量に形成されると熱処理により鋼材の強度上昇に寄与するCの量を減じてしまい、熱処理後の鋼材において目的とする強度が得られない場合がある。したがって、Ti含有量は0.1%以下とする。上記作用による効果をより確実に得るにはTi含有量を0.01%以上とすることが好ましい。
[Cr:0.5%以下、Nb:0.1%以下、Ni:1.0%以下およびMo:0.5%以下からなる群から選ばれた1種または2種以上]
Cr、Nb、NiおよびMoは、任意元素であり、いずれも鋼の焼入れ性を高める作用を有する。また、Nbは、熱処理後の鋼材の靭性を向上させる作用も有する。したがって、Cr、Nb、NiおよびMoの1種または2種以上を含有させてもよい。しかしながら、いずれの元素も過剰に含有させると熱処理前の鋼材の成形性の低下が著しくなる。また、CrおよびMoは、鋼中の炭化物に濃化して、熱処理の加熱工程における炭化物の固溶を遅延させ、焼入れ性を低下させる。したがって、各元素の含有量の上限は上記のとおりとする。なお、上記作用による効果をより確実に得るには、Cr:0.1%以上、Nb:0.03%以上、Ni:0.18%以上およびMo:0.03%以上のいずれかを満足させることが好ましい。
残部は、Feおよび不純物である。
(2)鋼組織
本発明に係る熱処理用鋼材は、フェライトと炭化物と介在物とからなる鋼組織を有する。ここで、炭化物にはセメンタイトやM23等の金属元素比率が高い炭化物が含まれる。なお、上記介在物は上記化学組成とすることにより不可避的に含有されるMnSやTiN等の介在物である。
[フェライト平均線分長:5μm以上]
フェライト平均線分長は5μm以上とする。
フェライト平均線分長が大きいほど熱処理用鋼材は軟質化して成形性が向上する。フェライト平均線分長が5μm未満では上述した難成形を可能にするだけの優れた加工性を確保することが困難である。したがって、フェライト平均線分長は5μm以上とする。
本発明において、フェライトの形状を示す「平均線分長」とは、JIS G 0551:2005で規定される切断法によって求められる、結晶粒内を横切る試験線の1結晶粒当たりの平均線分長を意味する。断面観察は、板厚の1/4厚さ位置について500倍の倍率で行えばよい。
フェライト平均線分長が大きいほど熱処理用鋼板は軟質となって加工性が向上する。したがって、加工性の観点からフェライト平均線分長の上限を規定する必要はない。しかしながら、フェライト平均線分長が過大になると成形加工時の鋼材表面の荒れが著しくなる場合がある。また、フェライトの粒成長を促進させるために長時間の焼鈍を施す必要が生じる。この長時間の焼鈍はコスト上昇要因であり、しかもこの長時間の焼鈍中に炭化物への合金元素濃化が過度に促進されて、熱処理における炭化物の固溶が阻害される。したがって、フェライト平均線分長は50μm以下とすることが好ましい。
[粒径が0.18μm以上である炭化物に占める粒径が0.5μm以上の粗大炭化物の個数比率:0.5以上、かつ、粒径が0.18μm以上である炭化物の球状化率:0.6以上0.85以下]
[粒径が0.18μm以上である炭化物に占める粒径が0.5μm以上の粗大炭化物の個数比率:0.5未満、かつ、粒径が0.18μm以上である炭化物の球状化率:0.7以上0.91以下]
粒径が0.18μm以上である炭化物に占める粒径が0.5μm以上の粗大炭化物の個数比率(以下、「粗大炭化物比率」という。)が0.5以上である場合には、粒径が0.18μm以上である炭化物の球状化率(以下、「実効球状化率」という。)を0.6以上0.85以下とし、粗大炭化物比率が0.5未満である場合には、実効球状化率を0.7以上0.91以下とする。
本発明において、炭化物の形状を示す「粒径」とは、鋼材の断面を観察することにより測定された炭化物の面積から求めた円相当直径を意味する。また、炭化物の形状を示す「球状化率」とは、上記の粒径の計測のために観察した炭化物のアスペクト比(観察された炭化物の断面において取りうる最大軸長に対するこの最大軸に直交する軸長の比)を求め、アスペクト比を算出した炭化物の個数に対するアスペクト比が3以下である炭化物の個数の比率を意味する。
ここで、粒径が0.18μm以上の炭化物について規定するのは、鋼中における炭化物の粒径および球状化率を適正に評価するためである。すなわち、炭化物の観察に際しての測定倍率が低すぎると、粗大な炭化物のみを評価することとなり、熱処理の加熱工程において速やかに固溶して焼入れ性に寄与する微細な炭化物の多寡を適正に評価することができない。また、炭化物の観察に際しての測定倍率が高すぎると、観察視野が狭いために局所的な炭化物の状況のみを評価することとなり、鋼材全体の焼入れ性に及ぼす影響を適正に評価することができない。したがって、炭化物を観察する際の測定倍率は2000倍とすることが適正であり、斯かる条件下で十分な精度で測定可能な炭化物の粒径の下限が0.18μmであるため、粒径が0.18μm以上の炭化物について規定するのである。
上述したように、球状化炭化物は非球状化炭化物に比してMn等の元素が濃縮されやすいため、熱処理における固溶が遅延する傾向を有する。また、粗大炭化物は微細炭化物に比して熱処理における固溶が遅延するため、粗大炭化物比率が高い場合には、熱処理における炭化物の固溶が全般的に遅延する傾向にある。そこで、そのような場合には実効球状化率の上限をより厳しく制限することにより、熱処理における炭化物の固溶を促進させる。逆に、粗大炭化物比率が低い場合には、熱処理における炭化物の固溶が全般的に促進される傾向にあるため、実効球状化率の上限の制限はやや緩和される。
よって、粗大炭化物比率が0.5以上である場合には、実効球状化率を0.85以下とし、粗大炭化物比率が0.5未満である場合には、実効球状化率を0.91以下とする。
一方、粗大炭化物比率が高い場合には、粗大炭化物比率が低い場合に比して軟質で加工性に優れる。また、実効球状化率が高い場合には、実効球状化率が低い場合に比して軟質で加工性に優れる。したがって、粗大炭化物比率が低い場合には、加工性が低下する傾向にあるため、実効球状化率の下限をより高く制限することにより、優れた加工性を確保する。逆に、粗大炭化物比率が高い場合には、加工性が比較的良好であるため、実効球状化率の下限の制限はやや緩和される。
よって、粗大炭化物比率が0.5以上である場合には、実効球状化率を0.6以上とし、粗大炭化物比率が0.5未満である場合には、実効球状化率を0.7以上とする。
粗大炭化物比率や実効球状化率は、球状化焼鈍の温度と時間と冷却条件を制御することにより決定することが可能である。
なお、粗大炭化物比率が過度に小さい場合や過度に大きい場合には、実効球状化率を調整しても炭化物の固溶の程度や加工性の制御されにくくなることが懸念されるため、粗大炭化物比率は0.1から0.9の範囲にあることが好ましい。
(3)製造条件
本発明の熱処理用鋼材は上記化学組成と鋼組織を満足するものであればよく、その製造条件は特に限定する必要はない。以下では、本発明の熱処理用鋼材の好適な製造条件を説明する。
上記化学組成を有する鋼を、常法により溶製し、連続鋳造により鋼塊、または、鋳造後に分塊圧延して鋼片とする。生産性の観点からは連続鋳造法を用いることが好ましい。
連続鋳造法を用いる場合には、鋳造速度を2.0m/分未満とすると、Mnの中心偏析あるいはV字状偏析が効果的に抑制されるので好ましい。また、鋳造速度を1.2m/分以上とすると、鋳片表面部の清浄度を良好な状態に保つことができるとともに生産性も確保することができるので好ましい。
得られた鋼塊または鋼片に熱間圧延を施す。
熱間圧延条件は特に限定しないが、熱間圧延工程においてパーライトを均一に生成させた方が炭化物球状化処理において上記鋼組織の形成が容易になるので好ましい。そこで、1000℃以上1300℃以下の温度域で熱間圧延を開始し、熱間圧延完了温度を850℃以上とすることが好ましい。また、巻取温度は、加工性の観点からは高い方が好ましいが、高すぎるとスケール生成による歩留まりが低下するので、500℃以上650℃以下とすることが好ましい。
熱間圧延により得られた熱延鋼板に酸洗等により脱スケール処理を施す。
本発明の熱処理用鋼材の好ましい製造方法としては、脱スケール処理後に球状化焼鈍を行うものであってもよく、脱スケール処理後に冷間圧延を行い、その後に球状化焼鈍を行うものであってもよい。製品の板厚精度要求レベル等に合わせて適宜プロセスを選択すればよい。冷間圧延に供する鋼材が硬質である場合には、冷間圧延前に球状化焼鈍を施して冷間圧延に供する鋼材の加工性を高めておくことが好ましい。
冷間圧延は常法で行えばよい。
冷間圧延条件は特に限定しないが、冷間圧延後Ac点未満の球状化焼鈍を施す場合には、フェライトの粒成長を促進させる観点から、圧下率を50%以下とすることが好ましい。一方、平坦を確保する観点からは圧下率を10%以上とすることが好ましい。
炭化物の球状化処理である球状化焼鈍は、焼鈍温度をAc点以上とする場合と焼鈍温度をAc点未満とする場合とに大別される。
球状化焼鈍の焼鈍温度をAc点以上とする場合には、炭化物が部分的に固溶し、フェライトの粒成長が促進される。そして、固溶した炭化物は、球状化焼鈍後の冷却過程において、未固溶の炭化物を核として析出したり、新たな炭化物として析出したりする。いずれも比較的高温域において成長する炭化物であるため、粗大炭化物比率が高くなる。しかし、新たな炭化物として析出する炭化物は、粒界に沿って析出するため棒状であり、また合金元素の濃化が然程進行していないため、熱処理において比較的容易に固溶する。したがって、球状化焼鈍後の冷却条件を制御し、球状化率を制御することにより、熱処理後において高い強度と優れた靭性とを具備させることが可能となる。
フェライトの粒成長を促進する観点からは焼鈍温度は高いほど好ましいが、焼鈍温度が過度に高いと、未固溶炭化物への合金元素の濃化が著しくなる。また、焼鈍過程において炭化物が過度に固溶してしまい、焼鈍後の冷却過程でパーライトが生成し、鋼材の硬質化を招いて加工性を低下させる。したがって、焼鈍温度は780℃以下とすることが好ましい。
焼鈍時間は、フェライトの粒成長を促進する観点からは2時間以上とすることが好ましい。炭化物中への合金元素の濃化を抑制し、冷却過程におけるパーライトの生成を抑制する観点からは、10時間以下とすることが好ましい。
通常の球状化焼鈍における焼鈍後の冷却は、球状化率を高めるために徐冷とされるが、本発明では炭化物中への合金元素の濃化を抑制するとともに球状化率を抑制する観点から、焼鈍温度から最終鋼組織形成が完了する650℃までの温度域を3℃/h以上の平均冷却速度で冷却することが好ましい。
一方、上記温度域における冷却速度が高すぎると、冷却中にパーライトが生成して鋼材が硬質になったり、コイル内の温度差が大きくなってコイル内の鋼組織が著しく不均一となったりする。したがって、上記平均冷却速度は20℃/h以下とすることが好ましい。
なお、バッチ式焼鈍を行う場合には、コイル内温度均一化のために650℃以上720℃以下の温度域にて5時間以上40時間以下保持する予備焼鈍を施してもよい。
球状化焼鈍の焼鈍温度をAc点未満とする場合には、炭化物は殆ど固溶しないので、異常粒成長を利用してフェライトの粒成長を促進させることが有効である。異常粒成長を利用してフェライトの粒成長を促進させるには、球状化焼鈍を施す前に50%以下の圧下率の冷間圧延を施すことが好ましい。
球状化焼鈍の焼鈍温度をAc点未満とする場合には、炭化物は殆ど固溶しないので、粗大炭化物率は低くなる。そして、炭化物の球状化率は焼鈍温度、焼鈍時間、焼鈍後の冷却条件により制御することが可能である。
フェライトの粒成長を促進させて炭化物の球状化率を高める観点からは、焼鈍温度を650℃以上とし、焼鈍時間を5時間以上とすることが好ましい。焼鈍温度は670℃以上とすることがさらに好ましい。一方、炭化物への合金元素の濃化を抑制し、炭化物の球状化率を制限する観点からは、焼鈍時間は30時間以下とすることが好ましい
通常の球状化焼鈍における焼鈍後の冷却は、球状化率を高めるために徐冷とされるが、本発明では炭化物中への合金元素の濃化を抑制するとともに球状化率を抑制する観点から、焼鈍温度から最終鋼組織形成が完了する650℃までの温度域を2℃/h以上の平均冷却速度で冷却することが好ましい。
一方、上記温度域における冷却速度が高すぎると、冷却中にコイル内の温度差が大きくなってコイル内の鋼組織が著しく不均一となったりする。したがって、上記平均冷却速度は20℃/h以下とすることが好ましい。
なお、バッチ式焼鈍を行う場合には、コイル内温度均一化のために550℃以上650℃以下の温度域にて5時間以上40時間以下保持する予備焼鈍を施してもよい。
表1に示す化学組成を有する連続鋳造鋳片A〜Iを加熱炉に装入して加熱し、加熱炉から抽出した後に1150℃で熱間圧延を開始し、870℃で熱間圧延を完了し、600℃で巻き取って、板厚5.0mmの熱延鋼板とした。この熱延鋼板を酸洗等により脱スケールした。一部はそのまま焼鈍を行い熱延焼鈍鋼板とし、一部は20〜60%の冷間圧延率で冷間圧延を行った後に焼鈍し、冷延焼鈍鋼板とした。冷間圧延の圧下率および焼鈍条件を表2に示す。
Figure 0005633426
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このようにして得られた熱延焼鈍鋼板および冷延焼鈍鋼板の断面組織を、走査型電子顕微鏡を用いて2000倍の倍率で各2視野観察し、各炭化物の面積を測定し、円相当直径として各々の炭化物の粒径を算出した。その際の各視野における炭化物の総数は300〜3000個であった。そして、粒径が0.18μm以上である炭化物に占める粒径が0.5μm以上の粗大炭化物の個数比率(粗大炭化物比率)、および、粒径が0.18μm以上である炭化物の球状化率(実効球状化率)を求めた。
また、得られた熱延焼鈍鋼板および冷延焼鈍鋼板について、断面のビッカース硬さを測定した(素材硬さ)。
また、得られた熱延焼鈍鋼板および冷延焼鈍鋼板から試験片を採取し、焼入シミュレータを用いて、850℃の温度に10分間保持した後に80℃の油に浸漬しで焼入れを行い、さらに200℃の温度に2時間保持する焼戻しを行った。得られた試験片を2.5mm厚に研削し、3枚重ねして、2mmUノッチ入りシャルピー試験を行って、吸収エネルギーを求めた。
また、各試料の焼入性を調査するために、焼入シミュレータにて850℃の温度に10分間の保持した後に60℃/sと20℃/sとで冷却と行い、それぞれの断面のビッカース硬さを測定し、Hv比(20/60)=(20℃/s硬さ)/(60℃/s硬さ)を求め、焼入性を評価した。また、No.No.3、5、12および13については、冷却速度を40℃/sと10℃/sとした場合についても断面のビッカース硬さを測定し、冷却速度を60℃/sとした場合に対するHv比(40/60)およびHv比(10/60)をも求めた。Hv比の値が1に近いほど焼入性に優れる。
これらの結果を表2および図1に示す。
なお、表1および2において下線を付された数値等は、その数値等により示される含有量、鋼組織の特徴、または機械特性が本発明の範囲外であることを示している。
表2および図1に示すように、本発明例は、素材硬さが低く、Hv比および吸収エネルギーが高く、熱処理前において優れた加工性を有し、熱処理後において高い強度と優れた靭性とを有している。一方、比較例は、素材硬さ、Hv比および吸収エネルギーのいずれかが不芳であり、熱処理前の加工性が低い、熱処理後の強度が低い、熱処理後の靭性が低い、のいずれかである。

Claims (3)

  1. 質量%で、C:0.35%超0.6%以下、Si:0.5%以下、Mn:0.5%以上1.5%以下、P:0.03%以下、S:0.01%以下、sol.Al:0.1%以下、N:0.01%以下、B:0.005%以下およびTi:0.1%以下を含有し、残部Feおよび不純物からなる化学組成を有し、
    フェライトと炭化物と介在物とからなるとともに、前記フェライトの平均線分長が5μm以上、粒径が0.18μm以上である炭化物に占める粒径が0.5μm以上の粗大炭化物の個数比率が0.5以上、粒径が0.18μm以上である炭化物の球状化率が0.6以上0.85以下である鋼組織を有することを特徴とする熱処理用鋼材。
  2. 質量%で、C:0.35%超0.6%以下、Si:0.5%以下、Mn:0.5%以上1.5%以下、P:0.03%以下、S:0.01%以下、sol.Al:0.1%以下、N:0.01%以下、B:0.005%以下およびTi:0.1%以下を含有し、残部がFeおよび不純物からなる化学組成を有し、
    フェライトと炭化物と介在物とからなるとともに、前記フェライトの平均線分長が5μm以上、粒径が0.18μm以上である炭化物に占める粒径が0.5μm以上の粗大炭化物の個数比率が0.5未満、粒径が0.18μm以上である炭化物の球状化率が0.7以上0.91以下である鋼組織を有することを特徴とする熱処理用鋼材。
  3. 前記化学組成が、前記Feの一部に代えて、質量%で、Cr:0.5%以下、Nb:0.1%以下、Ni:1.0%以下およびMo:0.5%以下からなる群から選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱処理用鋼材。
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