以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態に係るガス器具判断装置を含むガス器具判断システムの構成図である。ガス器具判断システム1は、ガスストーブ、ファンヒータ、ガス給湯器、床暖房及びガステーブルなどの複数のガス器具10と、ガス供給元の調整器20と、配管31,32と、ガスメータ(ガス器具判断装置)40とを備えている。
調整器20は上流からの燃料ガスを所定圧力に調整して第1配管31に流すものである。第1配管31は、調整器20とガスメータ40とを接続するものである。第2配管32はガスメータ40とガス器具10とを接続する配管である。ガスメータ40は、燃料ガスの流量を測定して積算流量を表示するものである。このようなガス供給システム1では、ガスメータ40内に第1配管31及び第2配管32とつながる流路が形成されており、調整器20を通じて流れてきた燃料ガスは第1配管31からガスメータ40、及び第2配管32を通じてガス器具10に到達し、ガス器具10において燃焼されることとなる。
図2は、図1に示したガスメータ40の詳細を示す構成図である。図2に示すようにガスメータ40は、圧力センサ(計測センサ)41と、トリガIC42と、メインボード43とを有している。圧力センサ41は、ガスメータ40の流路内におけるガス圧力に応じた計測値の信号(アナログ信号)を出力するものであって、ピエゾ抵抗式や静電容量式などのセンサによって構成される。
トリガIC42は、CPU(トリガ信号発生手段)42aと、D/A変換器42bと、コンパレータ42cと、A/D変換器42dと、メモリ42eとを備えている。
CPU42aは、ガス器具10の使用開始時点、及びガス漏れ発生時点における計測値の変化時点をとらえて、トリガ信号を発生させるものである。A/D変換器42dは、圧力センサ41から出力されたアナログの計測値の信号を入力し、デジタル化してCPU42aに出力するものである。また、CPU42aは、圧力センサ41からのアナログの計測値の信号を規定時間(例えば1秒又は2秒)毎に読み込む。さらに、CPU42aは、圧力センサ41からの信号を読み込むと、この信号に応じた計測値を示すデジタルの信号をD/A変換器42bに送信する。この信号は、規定時間が経過して次回圧力センサ41からアナログの計測値の信号が読み込まれるまで、送信され続ける。
D/A変換器42bは、CPU42aから送信されるデジタルの計測値の信号を入力し、アナログ化してコンパレータ42cに出力するものである。コンパレータ42cは、D/A変換器42bから出力されたアナログの計測値の信号と、圧力センサ41から出力されたアナログの計測値の信号とを常時比較するものである。また、コンパレータ42cは、比較の結果、両者に所定値(例えば25Pa)より大きい差が発生した場合に、器具起動信号をCPU42aに出力する。具体的に本実施形態では、D/A変換器42bから出力されたアナログ信号が示す計測値よりも、圧力センサ41から出力されたアナログ信号が示す計測値の方が25Paより下回る場合に、器具起動信号をCPU42aに出力する。
A/D変換器42dは、圧力センサ41から出力されたアナログの計測値の信号を入力し、デジタル化してCPU42aに出力するものである。
また、CPU42aは、基準更新機能(基準更新手段)と、信号発生機能(信号発生手段)とを備えている。基準更新機能は、基準計測値を順次更新していく機能であって、上記した規定時間毎に読み込まれた圧力センサ41からの信号が示す計測値を、基準計測値とする機能である。すなわち、基準計測値は、規定時間毎に順次更新されることとなる。
信号発生機能は、コンパレータから器具起動信号が入力された場合に有効化する機能である。この信号発生機能は、有効化すると規定時間よりも短い所定時間(例えば2ms)毎に圧力センサ41から計測値の信号をA/D変換器42dを介して読み込む。また、信号発生機能は、コンパレータから器具起動信号が入力された場合、当該所定値より大きな差が発生したときの変化方向を特定する。すなわち、信号発生機能は、コンパレータから器具起動信号が出力されたときの変化方向を特定する。ここで、本実施形態において変化方向は下回る方向である。
次いで、信号発生機能は、所定時間毎に読み込んだ信号が示す計測値が、特定した変化方向と同一方向に連続して変化しているかを判断する。そして、信号発生機能は、特定した変化方向と同一方向(本実施形態では下回る方向)に連続して変化していると判断した場合、トリガ信号を発生させる。
ここで、ガス器具10の使用開始時やガス漏れ発生時には、ガス流量が所定の流量値に達するまで、ガス圧力が連続して低下する傾向にある。このため、ガス圧力に振動が発生したときのように、同一方向に連続して変化しない場合にトリガ信号を発生させないようにすることにできる。なお、トリガ信号はCPU42a内で内部発生させられる。
メモリ42eは、圧力センサ41からの信号が示す計測値の情報を記憶するものである。CPU42aは、トリガ信号を発生すると、トリガ信号発生時点から所定個数(例えば連続200個)の圧力データを収集し、メモリ42eに記憶させていく。ここで、トリガ信号発生時点とは、器具起動信号の入力時点である。また、メモリ42eは、基準計測値についても記憶している。
また、CPU42aは、トリガ信号を内部発生すると、メインボード43にその旨の信号を送信する。さらに、CPU42aは、メモリ42eに所定個数の圧力データが蓄積されると、これらの圧力データを一括してメインボード43に送信する。
メインボード43は、使用ガス器具10やガス漏れを判断するものであり、CPU43aを備えている。CPU43aは、メインボード43の全体を統括しており、トリガIC42のCPU42aから信号送信されることにより有効化して機能する。また、CPU43aは、有効化すると使用ガス器具10やガス漏れを判断し、機能を停止すると共に、その旨の情報をトリガIC42に送信する。
次に、メインボード43のCPU43aによる使用ガス器具10及びガス漏れの判断手法について説明する。まず、本件発明者らは、ガス器具10の使用開始直後やガス漏れ発生直後の微小時間(例えば最大で2s)において圧力の計測値に振動が発生することを見出した。以下の判断手法では、この振動を解析することにより使用ガス器具10及びガス漏れを判断することとなる。なお、以下では、2つの判断手法を例示するが、判断手法は以下のものに限られるものではない。
まず、第1の判断手法について説明する。第1の判断手法は、類似度推移を用いるものである。具体的に本実施形態において類似度推移とは連続NCCであり、連続NCCとは、連続的な正規相互相関(NCC:Normalized Cross Correlation)をいう。
第1の判断手法において使用ガス器具10及びガス漏れの判断にあたり、CPU43aは、まず所定の波形を生成する。ここで、生成される波形は、例えばガス漏れ発生時に得られると予測されるガス漏れ発生時の振動波形である。
図3は、図2に示したCPU43aにより生成されるガス漏れ振動波形の概略を示す図である。図3に示すように、CPU43aは、圧力が時間の経過と共に低下しながら振動するガス漏れ振動波形を生成する。このガス漏れ振動波形は、減衰振動の周波数、ゲイン、及び減衰比を含む2次遅れのステップ応答の式に基づいて生成された波形である。
次いで、CPU43aは、生成した所定の振動波形と、トリガIC42から一括送信された微小時間中の振動波形との類似度推移を算出する。より具体的には、以下の式(1)により類似度R
NCCが求められる。CPU43aは、この式(1)による類似度R
NCCの算出を連続的に行うことにより、類似度推移(すなわち、連続NCCという)を求める。
類似度推移の算出後、CPU43aは、算出した類似度推移の代表値が閾値以上である場合に、ガス漏れが発生していると判断する。ここで、代表値とは、類似度全体又は類似度全体のうち特定期間の平均値であってもよいし、トリガ信号が発生してから、ある特定の時刻における類似度であってもよいし、他の値であってもよい。
図4は、ガス漏れ時における圧力変化を示す図である。図4に示すように、ガス漏れ発生時には、圧力が低下しつつ振動する波形を示すこととなる。この波形は、図3に示したようにCPU43aにより生成されたガス漏れ振動波形と相関が高い。このため、類似度推移の代表値は高い値を示すこととなり、CPU43aはガス漏れが発生したと判断することとなる。
図5は、ガス漏れ時における連続NCCを示すグラフである。なお、図5において実線と破線は、各家庭における配管状態の相違、ガス漏れ箇所の相違、及び、ガス漏れ流量の相違などの条件が異なる場合の連続NCCを示している。
図5に示すように、ガス漏れ時において圧力変化の発生直後(時刻0秒付近)における連続NCCは、「0.7」から「0.8」程度の値を示す。しかし、時刻0.025秒以降について連続NCCは「0.9」以上の値を示す。よって、CPU43aは、類似度推移第1判断部43aにより算出された類似度推移の代表値が「0.9」以上である場合に、ガス漏れが発生していると判断する。
図6は、ガス器具使用開始時における圧力変化を示すグラフであって、(a)はガステーブル使用開始時における圧力変化を示し、(b)は小型湯沸器使用開始時における圧力変化を示し、(c)は給湯器使用開始時における圧力変化を示している。
図6(a)に示すように、ガステーブルの使用開始時には圧力が2.9kPa程度で滑らかに振動する圧力波形が得られる。また、図6(b)に示すように、小型湯沸器の使用終了時には圧力が2.93kPaを基準にして0.1kPa強振動する圧力波形が得られる。さらに、図6(c)に示すように、給湯器の使用終了時には圧力が2.93kPaを基準にして小型湯沸器よりもやや粗い振動を示す圧力波形が得られる。
図7は、図2に示したCPU43aにより算出される連続NCCを示すグラフであって、(a)はガステーブル使用開始時における連続NCCを示し、(b)は小型湯沸器使用開始時における連続NCCを示し、(c)は給湯器使用開始時における連続NCCを示している。
ガステーブルの使用が開始した場合、図6(a)の振動波形が得られ、CPU43aにより算出される連続NCCは図7(a)に示すようになる。すなわち、連続NCCは、初期的に「1.0」程度を示し、その後「0.2」を下回り、約0.04秒において「0.95」まで復帰する。そして、連続NCCは、約0.1秒において「0.5」程度となり、その後「0.65」付近までゆっくりと上昇する。
また、小型湯沸器の使用が開始した場合、図6(b)の振動波形が得られ、CPU43aにより算出される連続NCCは図7(b)に示すようになる。すなわち、連続NCCは、初期的に「1.0」程度を示し、その後「0.2」を下回り、約0.04秒において「0.9」まで復帰する。そして、連続NCCは、再度「0.4」程度まで低下し、その後、「0.7」付近までゆっくりと上昇する。
また、給湯器の使用が開始した場合、図6(c)の振動波形が得られ、CPU43aにより算出される連続NCCは図7(c)に示すようになる。すなわち、連続NCCは、初期的に「0.8」弱を示し、その後「0.2」を下回り、約0.02秒において「0.7」まで復帰する。そして、連続NCCは、「0.6」程度まで低下し、次いで「0.7」程度まで復帰する。その後、連続NCCは再び「0.5」程度まで低下した後に、約0.1秒において「0.6」弱となる。以後、連続NCCは「0.65」付近までゆっくりと上昇していく。
このようにガス器具10の使用開始時において、連続NCCは大半の期間で「0.9」以上を示さない。このため、判断部52aは、連続NCCの代表値が閾値以上でない場合、ガス漏れ発生でなくガス器具10が使用されたと判断する。
また、連続NCCはガス器具10毎に異なっている。このため、CPU43aは、このような連続NCCのパターンから使用ガス器具10を判断する。具体的にはCPU43aに、各ガス器具10の連続NCCのパターンを記憶させておく。すなわち、CPU43aは、ガステーブルについて図7(a)に示したような連続NCCのパターンを記憶し、小型湯沸器について図7(b)に示したような連続NCCのパターンを記憶し、給湯器について図7(c)に示したような連続NCCのパターンを記憶している。そして、CPU43aは、記憶した連続NCCデータのうち、算出された連続NCCと最も近い連続NCCデータが示すガス器具10の使用が開始したと判断する。
次に、CPU43aによって生成される所定の振動波形の生成手法について説明する。CPU43aは、以下のようにしてガス漏れ振動波形を生成する。まず、CPU43aは以下の式(2)を記憶している。
ここで、y(t)は圧力の変化量を示し、Kはゲインを示し、ωdは減衰振動の周波数を示し、ζは減衰比を示している。特に、ゲインK、減衰振動の周波数ωd、及び減衰比ζは、圧力センサ41によって実際に計測された波形から求められるものである。次に、これらの算出方法について図4を参照して説明する。
CPU43aは、以下の式(3)から、減衰振動の周波数ω
dを算出する。
ここで、Tpは行き過ぎ時間であり、図4で示すように、圧力変化発生時から最初の極値V1(極小値V1)までの時間をいう。CPU43aは、計測値データから最初の極値V1が確認されると、行き過ぎ時間Tpを求め、式(3)から減衰振動の周波数ωdを算出する。
なお、減衰振動の周波数ωdは、式(3)から求める場合に限らず、圧力変化発生時から2つ目の極値M(極大点M)や、3つ目の極値V2(極小点V2)に基づいて算出してもよい。
次に、CPU43aは、以下の式(4)から、ゲインKを算出する。
このような式であるため、CPU43aは、計測値データから極値V1,M,V2が確認されると、式(4)からゲインKを算出する。
なお、図4から明らかなように、ゲインKは圧力変化発生前の圧力値と圧力変化発生後の圧力値との差分によっても求めることができる。従って、CPU43aは、圧力変化が発生して圧力値が略一定値となったとき(図4では時刻0.4秒)に、差分からゲインKを求めてもよい。さらに、CPU43aは、圧力変化発生時から4つ目以降の極値を加味してゲインKを算出してもよい。
次いで、CPU43aは、以下の式(5)から、減衰比ζを算出する。
ここで、δは対数減衰率であり、mは周期数である。式(5)の場合、周期数mは「0.5」となる。
このような式であるため、CPU43aは、計測値データから極値V1,Mが確認されると、式(5)から減衰比ζを算出する。
以上のように、CPU43aは、ゲインK、減衰振動の周波数ωd、及び減衰比ζを算出し、式(2)より振動波形の式を求める。そして、CPU43aは、求めた式と、計測値データ(圧力波形)とから、式(1)に従って連続NCCを求めることとなる。
ここで、CPU43aは、減衰振動の周波数ωd、及び減衰比ζを以下のようにして算出するようにしてもよい。すなわち、図4に示す振動波形は、ガス漏れ時の流量に依存する傾向にある。このため、CPU43aは、流量値のみを変数に含む式を予め記憶し、この式に流量値を代入して、減衰振動の周波数ωd、及び減衰比ζを求めるようにしてもよい。
具体的にCPU43aは、以下の式(6)から減衰振動の周波数ω
d、及び減衰比ζを求める。
ここで、Lは流量値であり、a1,a2,b1,b2は定数である。このように、式(6)から求めることで演算量を減らして、算出処理の簡素化を図るようにしてもよい。なお、流量と圧力には一定の相関がある。このため、式(6)に代えて圧力値のみを変数に含む式を記憶し、この式から減衰振動の周波数ωd、及び減衰比ζを求めるようにしてもよい。
さらに、この場合、CPU43aは、ゲインKについて式(4)から算出することなく、圧力変化発生前の圧力値と圧力変化発生後の圧力値との差分によっても求めることが望ましい。これにより、一層演算量を減らすことができるからである。
次に、第2の判断手法について説明する。第2の判断手法は、スペクトルデータを用いるものである。具体的に本実施形態に係るCPU43aは、振動波形をフーリエ変換することにより、スペクトルデータを算出する。なお、CPU43aはフーリエ変換によりスペクトルデータを算出する場合に限らず、他の方法によってスペクトルデータを算出するようにしてもよい。
図8は、図2に示したCPU43aにより算出されるスペクトルデータを示すグラフであって、ガス漏れが発生したときの圧力波形をフーリエ変換して得られるスペクトルデータを示すグラフである。図8に示すように、ガス漏れが発生した場合、得られる圧力波形には20Hz以上の周波数成分が殆ど含まれていない。なお、60Hz付近において存在するピークは、商用電源によるノイズであると考えられる。
図9は、図2に示したCPU43aにより算出されるスペクトルデータを示すグラフであって、(a)はガステーブル使用開始時におけるスペクトルデータを示し、(b)は小型湯沸器使用開始時におけるスペクトルデータを示し、(c)は給湯器使用開始時におけるスペクトルデータを示している。
図9(a)に示すように、ガステーブルの使用が開始した場合、得られる圧力波形には30Hz以下の周波数成分が多く、特に10〜20Hz付近において大きな振幅を示す傾向がある。また、図9(b)に示すように、小型湯沸器の使用が開始した場合、圧力波形は150Hzまでの圧力成分を含んでおり、特に30Hz程度では非常に大きな振幅を示す傾向がある。さらに、図9(c)に示すように、給湯器の使用が開始した場合、圧力波形は180Hzまでの圧力成分を含んでおり、特に20Hz程度では非常に大きな振幅を示す傾向がある。
また、CPU43aは、図8及び図9に示したようなスペクトルデータを記憶している。そして、CPU43aは、このスペクトルデータに基づいて、ガス漏れ及び使用ガス器具10を判断する。
すなわち、CPU43aは、算出したスペクトルデータと、記憶したスペクトルデータとを比較し、類似度が最も高いスペクトルデータを特定し、ガス漏れの発生や使用ガス器具10について判断する。ここで、類似度とは、上記したNCCであってもよいし、他の手法により算出された類似度であってもよい。
次に、本実施形態に係るトリガIC42によるトリガ信号発生について詳細に説明する。上記したように、トリガIC42のCPU42aは、基準更新機能と、信号発生機能とを備えている。トリガIC42は、これらの機能によりガス漏れ発生時やガス器具10の使用開始時をより正確にとらえて圧力データを収集するようにしている。
図10は、図2に示したCPU42aによる基準計測値の更新の様子を示すタイミングチャートである。上記したように、CPU42aは規定時間(図10に示すNsecに相当)毎に圧力センサ41からのアナログの計測値の信号を読み込んでいる。そして、CPU42aは、規定時間毎に読み込んだ信号(図10に示すa(I−1)及びa(I)に相当)が示す計測値を、基準計測値として順次更新する。
一方、コンパレータ42cには、圧力センサ41からの信号がD/A変換器42b等を介することなく入力されている。そして、コンパレータ42cは、圧力センサ41からの信号が例えば信号a(I)よりも所定値(図10に示すTH)を超えて下回る場合に、器具起動信号を出力する。
図11は、図2に示したCPU42aによるトリガ信号の発生の様子を示すタイミングチャートである。CPU42aは、器具起動信号を入力すると、信号発生機能を有効化し、所定時間毎にA/D変換器42dを介して計測値の信号を読み込む。ここで、読み込んだ信号が示す計測値をa(k+n)とする。なお、nは任意の自然数である。
そして、CPU42aは、a(I)に対してa(k)が下回る方向に変化しているか否か、a(I)に対してa(k+1)が下回る方向に変化しているか否か、及び、a(I)に対してa(k+2)が下回る方向に変化しているか否かを判断する。そして、上記すべてについて下回る方向に変化していると判断した場合、CPU42aは、トリガ信号を発生させる。このとき、トリガ信号の発生タイミングは、a(k)の時点である。なお、例えばa(k+1)はa(I)に対して下回る方向に変化していればa(k)よりも大きい値でもよい。a(k+2)についても同様である。
以上のようにトリガ信号が発生すると、CPU42aは、メインボード43にその信号を出力する。これにより、メインボード43のCPU43aは起動することとなる。また、CPU42aは、トリガ信号が発生すると、圧力センサ41からの信号をメモリ42eに記憶させていく。そして、CPU42aは、a(k)から所定個数の圧力データを記憶させた後に、所定個数の圧力データを一括してメインボード43に送信する。その後、上記したガス漏れ及び使用ガス器具10の判断処理が実行されることとなる。
なお、図11に示す例において、それぞれの変化方向が同一方向でなかった場合、図11に示すa(k+1)から3つの計測値が基準計測値と比較され、変化方向の同一性が判断されることとなる。
また、図11においてCPU42aは、基準計測値、a(k)、a(k+1)、及びa(k+2)の3つの計測値を比較して変化方向を判断しているが、これに限らず、基準計測値と2つの計測値とを比較して変化方向を判断してもよいし、基準計測値と4つ以上の計測値とを比較して変化方向を判断してもよい。
次に、フローチャートを参照して、本実施形態に係るガス状況判断方法を説明する。図12は、本実施形態に係るガス状況判断方法を示すフローチャートであって、図2に示したトリガIC42のフローチャートである。
まず、CPU42aは、前回基準計測値を更新してから規定時間経過したか否かを判断する(S1)。規定時間経過していないと判断した場合(S1:NO)、処理はステップS1に移行する。一方、規定時間経過したと判断した場合(S1:YES)、CPU42aは、基準計測値を更新する(S2)。すなわち、CPU42aは、今回読み込んだアナログ信号が示す計測値を、基準計測値とする。そして、処理はステップS3に移行する。
ステップS3においてCPU42aは、コンパレータ42cから器具起動信号を入力したか否かを判断する(S3)。器具起動信号を入力していないと判断した場合(S3:NO)、処理はステップS1に移行する。一方、器具起動信号を入力したと判断した場合(S3:YES)、CPU42aは、A/D変換器42dを介して所定時間毎に計測値の信号を読み込む(S4)。
次いで、CPU42aは、圧力に所定値より大きな差が発生したときの変化方向を特定する(S5)。次に、CPU42aは、ステップS5にて判断した変化方向が、所定回数連続するか否かを判断する(S6)。なお、この判断は、図11に示したようにして行われる。ステップS5にて判断した変化方向が所定回数連続しないと判断した場合(S6:NO)、処理はステップS1に移行する。
一方、ステップS5にて判断した変化方向が所定回数連続すると判断した場合(S6:YES)、CPU42aは、トリガ信号を発生させる(S7)。次いで、CPU42aは、圧力センサ41からの信号を順次読み込んで、メモリ42eに圧力データを所定個数記憶させる(S8)。その後、CPU42aは、ステップS8において記憶させた所定個数の圧力データを一括して送信する(S9)。そして、図12に示す処理は終了する。
次に、メインボード43の処理について説明する。図13は、本実施形態に係るガス状況判断方法を示すフローチャートであって、図2に示したメインボード43のメインフローチャートである。
図13に示すように、メインボード43のCPU43aは所定個数の圧力データを受信したか否かを判断する(S11)。圧力データを受信していないと判断した場合(S11:NO)、受信したと判断されるまで、この処理が繰り返される。
圧力データを受信したと判断した場合(S11:YES)、CPU43aは、ガス漏れ/開始ガス器具判断処理を実行する(S12)。その後、CPU43aは、ステップS12の処理においてガス漏れが発生していたか否かを判断する(S13)。ガス漏れが発生していたと判断した場合(S13:YES)、CPU43aは保安処理を実行し(S14)、図13に示す処理は終了する。
一方、ガス漏れが発生していなかったと判断した場合(S13:NO)、CPU43aは、保安処理を実行せず、図13に示す処理は終了する。
図14は、図13に示したガス漏れ/開始ガス器具判断処理(S12)の詳細を示すフローチャートであって、第1の判断手法を示している。図14に示すように、まず、CPU43aは、微小時間中に得られた振動波形から、減衰振動の周波数ωd、ゲインK、及び減衰比ζを決定する(S21)。このとき、CPU43aは、減衰振動の周波数ωd、ゲインK、及び減衰比ζを式(3)〜式(5)に基づいて算出してもよいし、式(6)から求めてもよい。
次に、CPU43aは、ステップS21により決定された減衰振動の周波数ωd、ゲインK、及び減衰比ζから、2次遅れのステップ応答の式に基づいてガス漏れ振動波形を生成する(S22)。このとき、CPU43aは、ステップS21により決定された減衰振動の周波数ωd、ゲインK、及び減衰比ζを式(2)に代入することにより、ガス漏れ振動波形を生成する。
そして、CPU43aは、ステップS22において生成されたガス漏れ振動波形と、受信した圧力データからなる振動波形とに基づいて、式(1)から連続NCCを算出する(S23)。
次に、CPU43aは、連続NCCの代表値を決定し、代表値が閾値以上であるか否かを判断する(S24)。代表値が閾値以上であると判断した場合(S24:YES)、CPU43aは、ガス漏れが発生していると判断する(S25)。その後、図14に示す処理は終了する。
代表値が閾値以上でないと判断した場合(S24:NO)、CPU43aは、記憶されているガス器具10毎の類似度推移データを読み出す(S26)。次いで、CPU43aは、ステップS26にて読み出したガス器具10毎の連続NCCデータのうち、ステップS23において算出した連続NCCと最も近いものを特定し、使用が開始したガス器具10を判断する(S27)。その後、図14に示す処理は終了する。
なお、図14に示す処理では、ステップS27において使用が開始したガス器具10を判断するのに先立って、ステップS24においてガス漏れを判断することにより、迅速性を必要とするガス漏れの判断を優先し、安全性の向上を図っている。
図15は、図13に示したガス漏れ/開始ガス器具判断処理(S12)の詳細を示すフローチャートであって、第2の判断手法を示している。
図15に示すように、まず、CPU43aは、ガスメータ40から受信した圧力データに基づく振動波形をフーリエ変換し、スペクトルデータを算出する(S31)。その後、CPU43aは、ガス漏れのスペクトルデータを読み出し(S32)、読み出したガス漏れのスペクトルデータと、ステップS31にて算出したスペクトルデータとの類似度を算出する(S33)。
次に、CPU43aは、ステップS33にて算出した類似度が特定値以上であるか否かを判断する(S34)。ステップS33にて算出した類似度が特定値以上であると判断した場合(S34:YES)、CPU43aはガス漏れが発生したと判断する(S35)。そして、図15に示す処理は終了する。
ところで、ステップS33にて算出した類似度が特定値以上でないと判断した場合(S34:NO)、CPU43aは、ガス器具10毎のスペクトルデータを読み出し(S36)、読み出したガス器具10毎のスペクトルデータと、ステップS31にて算出したスペクトルデータとの類似度を算出する(S37)。
その後、CPU43aは、類似度が最大となったスペクトルデータが示す種類のガス器具10の使用が開始したと判断する(S38)。そして、図15に示す処理は終了する。
このようにして、本実施形態に係るガスメータ40によれば、規定時間毎に圧力センサ41から読み込んだ信号が示す計測値を、基準計測値として順次更新する。また、コンパレータ42cが、更新された基準計測値に応じた信号と圧力センサ41からの信号と入力し、これらの信号が示す計測値に所定値よりも大きな差が発生した場合に、器具起動信号を出力する。そして、コンパレータ42cから器具起動信号が出力された場合に、圧力センサ41から所定時間毎に計測値の信号を読み込む。このため、コンパレータ42cからの器具起動信号が出力されるまでは、CPU42aは、規定時間毎に計測値の信号を読み込めばよく、消費電力が低減される。
また、所定時間毎に圧力センサ41から計測値の信号を読み込み、読み込んだ信号が示す計測値が、基準計測値に対して、当該所定値より大きな変化があったときの変化方向と同一方向に変化した値を連続して示す場合に、トリガ信号を発生させる。ここで、ガス器具10の使用開始時やガス漏れ発生時には、ガス流量が所定の流量値に達するまで、ガス圧力は連続して低下する傾向にある。このため、計測値に振動が発生したときのように、同一方向に連続して変化しない場合にトリガ信号を発生させないようにすることができる。よって、同一方向への連続性を判断することで、より正確にガス器具10の使用開始時点及びガス漏れ発生時点を判断することができる。
従って、消費電力を抑えつつも、計測値変化時点の判断の正確性について向上させて、より正確にトリガ信号を発生させることができる。
次に、本実施形態に係るガスメータ40の第2実施形態について説明する。第2実施形態に係るガスメータ40は、第1実施形態のものと同様であるが、処理内容が一部異なっている。以下、第1実施形態との相違点について説明する。
まず、第1実施形態においてトリガIC42は、ガス器具10の使用開始時及びガス漏れ発生時を正確に判断することを目的としていたが、第2実施形態おいてトリガIC42は、ガス器具10の使用終了時を正確に判断することを目的としている。ここで、本件発明者らは、ガス器具10の使用終了直後の微小時間(例えば最大で2s)においても圧力の計測値に振動が発生することを見出した。特に、この振動は、ガス器具10の使用開始時と同様に、ガス器具10毎に特徴を示すものである。このため、第2実施形態では、使用開始時等と終了時との相違から、第1実施形態と各種処理内容が異なっている。
まず、変化方向が同一方向であるかを判断する点は第1実施形態と同じである。しかし、第1実施形態において変化方向が下回る方向であったのに対して、第2実施形態ではガス器具10の使用終了時を正確に判断するものであるため、変化方向が上回る方向となっている。このため、CPU42aは、上回る方向が連続した場合に、トリガ信号を発生させることとなる。
また、ガス器具10の使用終了時においては、使用開始時と得られる振動波形が異なることから連続NCCやスペクトルデータについても第1実施形態と異なっている。
図16は、ガス器具使用終了時における圧力変化を示すグラフであって、(a)はガステーブル使用終了時における圧力変化を示し、(b)は小型湯沸器使用終了時における圧力変化を示し、(c)は給湯器使用終了時における圧力変化を示している。
図16(a)に示すように、ガステーブルの使用終了時には圧力が2.85kPa程度で滑らかに振動する圧力波形が得られる。また、図16(b)に示すように、小型湯沸器の使用終了時には圧力が2.85kPaを基準にして0.1kPa程度振動する圧力波形が得られる。さらに、図16(c)に示すように、給湯器の使用終了時には圧力が2.88kPaを基準にしてガステーブルよりもやや粗い振動を示す圧力波形が得られる。
図17は、図2に示したCPU43aにより算出される算出される連続NCCを示すグラフであって、(a)はガステーブル使用終了時における連続NCCを示し、(b)は小型湯沸器使用終了時における連続NCCを示し、(c)は給湯器使用終了時における連続NCCを示している。
ガステーブルの使用が終了した場合、図16(a)の振動波形が得られ、類似度推移算出部52cにより算出される連続NCCは図17(a)に示すようになる。すなわち、連続NCCは、初期的に「0.9」程度を示し、その後「0.2」を下回り、約0.03秒において「0.8」まで復帰する。そして、連続NCCは、約0.1秒において「0.6」程度となり、その後「0.6」付近を維持する。
また、小型湯沸器の使用が終了した場合、図16(b)の振動波形が得られ、類似度推移算出部52cにより算出される連続NCCは図17(b)に示すようになる。すなわち、連続NCCは、初期的に「0.9」程度を示し、その後「0.2」を下回り、約0.01秒において「0.8」まで復帰する。そして、連続NCCは、再度「0.3」程度まで低下し、次いで「0.6」程度まで復帰する。その後、連続NCCは小さな振動を繰り返しながら約0.1秒において「0.6」程度となる。次に、連続NCCは「0.7」付近までゆっくりと上昇する。
また、給湯器の使用が終了した場合、図16(c)の振動波形が得られ、類似度推移算出部52cにより算出される連続NCCは図17(c)に示すようになる。すなわち、連続NCCは、初期的に「0.9」程度を示し、その後「0.2」を下回り、約0.02秒において「0.6」まで復帰する。そして、連続NCCは、再度「0.45」程度まで低下し、次いで「0.6」程度まで復帰する。その後、連続NCCは再び「0.45」程度まで低下した後に、約0.1秒において「0.6」程度となる。次に、連続NCCは「0.7」付近までゆっくりと上昇する。
このように、ガス器具10の使用終了時においても連続NCCはガス器具10毎に異なり、CPU43aは、このような連続NCCのパターンから使用が終了したガス器具10を判断する。具体的にはCPU43aに、各ガス器具10の連続NCCのパターンを記憶させておく。すなわち、CPU43aは、ガステーブルについて図17(a)に示したような連続NCCのパターンを記憶し、小型湯沸器について図17(b)に示したような連続NCCのパターンを記憶し、給湯器について図17(c)に示したような連続NCCのパターンを記憶している。そして、CPU43aは、記憶された連続NCCデータのうち、算出された連続NCCと最も近い連続NCCデータが示すガス器具10の使用が終了したと判断する。
図18は、図2に示したCPU43aにより算出されるスペクトルデータを示すグラフであって、(a)はガステーブル使用終了時におけるスペクトルデータを示し、(b)は小型湯沸器使用終了時におけるスペクトルデータを示し、(c)は給湯器使用終了時におけるスペクトルデータを示している。
図18(a)に示すように、ガステーブルの使用が終了した場合、得られる圧力波形には30Hz以下の周波数成分が多く、特に10〜20Hz付近において大きな振幅を示す傾向がある。また、図18(b)に示すように、小型湯沸器の使用が終了した場合、圧力波形は150Hzまでの圧力成分を含んでおり、特に90Hz程度で大きな振幅を示す傾向がある。さらに、図18(c)に示すように、給湯器の使用が終了した場合、30Hz程度でやや大きな振幅を示す程度であり、その他の周波数成分を殆ど含まない傾向がある、なお、50Hz付近において存在するピークは、商用電源によるノイズであると考えられる。
また、CPU43aは、図18に示したようなスペクトルデータを記憶している。そして、CPU43aは、このスペクトルデータに基づいて、使用が終了したガス器具10を判断する。
すなわち、CPU43aは、算出したスペクトルデータと、記憶したスペクトルデータとを比較し、類似度が最も高いスペクトルデータを特定し、使用が終了したガス器具10について判断する。ここで、類似度とは、上記したNCCであってもよいし、他の手法により算出された類似度であってもよい。
図19は、第2実施形態に係るガス状況判断方法を示すフローチャートであって、図2に示したメインボード43のフローチャートである。
図19に示すように、メインボード43のCPU43aは所定個数の圧力データを受信したか否かを判断する(S41)。圧力データを受信していないと判断した場合(S41:NO)、受信したと判断されるまで、この処理が繰り返される。
圧力データを受信したと判断した場合(S41:YES)、CPU43aは、終了ガス器具判断処理を実行する(S42)。その後、図19に示す処理は終了する。
図20は、図19に示した終了ガス器具判断処理(S42)の詳細を示すフローチャートであって、第1の判断手法を示している。図20に示すステップS51〜S53において、図14に示したステップS21〜S23と同様の処理が実行される。
その後、図20に示すステップS54,S55において、図16に示したステップS56,S57と同様の処理が実行される。そして、図20に示す処理は終了する。
図21は、図19に示した終了ガス器具判断処理(S42)の詳細を示すフローチャートであって、第2の判断手法を示している。図21に示すステップS61において、図15に示したステップS31と同様の処理が実行される。
その後、図21に示すステップS62〜S64において、図15に示したステップS36〜S38と同様の処理が実行される。そして、図21に示す処理は終了する。
このようにして、第2実施形態に係るガスメータ40及びガス状況判断方法によれば、第1実施形態と同様に、消費電力を抑えつつも、計測値変化時点の判断の正確性について向上させて、より正確にトリガ信号を発生させることができる。
さらに、第2実施形態によれば、ガス器具10の終了時点についてもより正確に判断することができる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよいし、各実施形態を組み合わせてもよい。
例えば、上記実施形態において類似度推移を式(1)により算出しているが、これに限らず、他の方法で類似度推移を算出するようにしてもよい。
また、上記実施形態においてCPU43aは、記憶した連続NCCデータのうち、算出した連続NCCと類似するものが存在しない場合、記憶された連続NCCデータが示すガス器具10に不足があると判断してもよい。
また、本実施形態では燃料ガスをLPガスとする場合の例について説明したが、これに限らず、都市ガスの場合にも適用可能である。
また、本実施形態では最大で2秒の微小時間におけるガス漏れ振動波形に基づいて、ガス漏れ及び使用ガス器具10を判断している。特に、本実施形態では、圧力を計測する時間は2秒以内(望ましくは1秒以内)で充分であるが、予備的に2秒よりも長い時間の計測を行ってもよい。
また、本実施形態においてCPU43aは、ガス器具10毎の連続NCCデータを記憶している。この連続NCCデータは、1つのガス器具10に対して1つだけ記憶されていてもよいし、1つのガス器具10に対して複数記憶されていてもよい。例えば、ガス給湯器ではガス給湯器内の水温によって連続NCCが異なってくる。この場合、CPU43aに記憶される連続NCCデータが1つだけであると、ガス給湯器の水温に応じて使用ガス器具10の判断を誤ってしまう可能性がある。そこで、このようなガス器具10に対しては複数の連続NCCデータを記憶しておくことが望ましい。これにより、より精度良く使用ガス器具10を判断することができるからである。同様に、1つのガス器具10に対し、複数のスペクトルデータを記憶していてもよい。
また、上記実施形態においてCPU43aは、スペクトルデータの全周波数域で類似度を算出しているが、これに限らず一部の周波数域のみで類似度を算出してもよい。例えば、ガス給湯器の使用終了時では100Hz以上の周波数域においてもスペクトルデータに大きな振幅が得られるという特徴があるため、100Hz以上の周波数域についてスペクトルデータの類似度を算出することによっても使用が終了したガス器具10を特定することができる。このように、一部の周波数域のみで類似度を算出して演算量を減らすこともできる。
さらに、上記実施形態では、使用が終了したガス器具10、使用が開始したガス器具10、及び、ガス漏れについて、連続NCCを求めたり、スペクトルデータを求めたりすることで、判断している。しかし、これに限らず、例えば、図4や図6や図18に示すような微小時間における波形を直接記憶しておき、波形同士の類似度などから、使用が終了したガス器具10、使用が開始したガス器具10、及び、ガス漏れを判断するようにしてもよい。さらには、波形の特定点など波形の直接の特徴から使用が終了したガス器具10、使用が開始したガス器具10、及び、ガス漏れを判断するようにしてもよい。
さらに、上記実施形態では圧力センサ41を備えているが、これに代えて、又はこれに加えて流量センサを備えていてもよい。なお、流量センサは、ガスメータ40の流路内におけるガス流量に応じた計測値の信号を出力するものであって、超音波センサやフローセンサなどで構成される。ここで、圧力と流量とには一定の相関がある。このため、流量センサからの信号に基づいてガス器具10の使用開始時点や終了時点、及びガス漏れの発生時を判断してもよい。この場合、第1実施形態においてコンパレータ42cは、規定時間前の流量センサからの信号よりも流量センサからCPU42aを介することなく入力される信号が示す計測値が所定値よりも大きい場合に、器具起動信号を出力することとなる。また、第2実施形態においては、上記の逆となる。
さらに、上記実施形態においては、トリガIC42の部位だけの機能を有したトリガ信号発生装置として用いることも可能である。この場合、既存のガスメータ40に外付けなどして、より正確にトリガ信号を発生させることができる。