JP2005241545A - ドップラー式超音波流量計、その受信電圧レベル制御装置/方法、プログラム - Google Patents

ドップラー式超音波流量計、その受信電圧レベル制御装置/方法、プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 受信波の電圧レベルを動的に制御することで、流体の状態変化があっても計測精度やS/N比の低下を防止できるようにする。
【解決手段】 超音波パルスの送受信がある毎に、受信したエコー波に基づいて生成されたディジタルデータを取得して、データ監視・判定部12が、閾値設定データ保持部11が保持する上限値/下限値とディジタルデータとを比較して、上限値/下限値を超えたデータ個数が許容データ個数を超えるか否かを判定する。許容データ個数を超えたと判定した場合には、送信電圧設定部13又は受信増幅設定部14により、上記送信電圧制御部6による送信電圧又は上記増幅制御部7における増幅率の設定値を変更する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ドップラー式超音波流量計に関する。
クランプオン型超音波流量計は、水道管等の管状体の外周面の一部に超音波トランスジューサ(任意周波数の超音波パルスを送受信するモジュール)を装着し、この管状体の内部を流れる流体の流速・流量を、管状体の外側から測定する方式の流量計である。クランプオン型超音波流量計は、大別して、伝搬時間差式とドップラー式とに分類できる。
伝搬時間差式は、超音波を、管状体の内部を流れる流体を斜めに横切るような経路で往復させて、超音波が往路と復路のそれぞれを伝搬するのに要する時間の差から、流体の流量を測定する方法である。
一方、ドップラー式は、流体中に含まれる浮遊粒子や気泡等が、流体と同じ速度で移動すると仮定し、浮遊粒子や気泡等の移動速度から流体の流量を測定する方法である。これは、流体中に超音波を発信して、浮遊粒子等に反射された超音波の周波数がドップラー効果により変化することから、その周波数ズレにより流体の流速分布を算出し、以って流体の流量を算出するものである。
このようなドップラー式超音波流量計の従来技術は、例えば特許文献1等に開示されている。この特許文献1の発明では、非定常状態の流体に対し、非接触で高精度に測定可能なドップラー式超音波流量計を提案している。特許文献1の発明では、超音波パルス(群)を被測定流体に対して所要の間隔で送信し、測線上の反射体にて反射した超音波エコーを受信する。これをもとに、ドップラーシフト(周波数シフト;周波数の変化量)を算出し被測定流体の流速分布を求め、この流速分布に基づいて積分演算により流量を導くことで、流量計測を可能としている。
ここで、ドップラシフトとは送信パルスの周波数に対する反射エコーの周波数のズレである。つまり、反射エコーの周波数は、送信パルスの周波数が流体の流速(反射体の速度)に応じてシフトした周波数である。例えば、送信パルスの周波数が900(kHz)、反射エコーの周波数が902(kHz)であったとすると、上記シフトされた周波数(以下、ドップラー周波数と呼ぶ)は、2(kHz)となる。実際にはこの周波数2(kHz)の信号をアナログ処理で抽出する。つまり、発信した超音波パルスの周波数と受信した反射エコーの周波数とを混合し、送信周波数成分をフィルタリングすることで、ドップラー周波数の信号を抽出できる。これは、更に詳しくは、直交検波による解析信号の導出の手法を用いるものであり、反射エコー波に対して送信周波数の正弦・余弦成分を乗算して、反射エコー波を送信周波数成分とドップラーシフトの成分に分離し、その後ローパスフィルタにてドップラーシフト成分のみを抽出する。
そして、抽出したドップラーシフト成分の信号をA/D変換部でディジタルデータに変換してマイコン等の演算処理装置に入力する。マイコン等では、このドップラーシフト成分(余弦・正弦)から一定周期における位相角変化分を算出し、これより、流速分布を求め、流速分布から積分演算により流量を求める。
尚、送信周波数は数百(kHz)〜数(MHz)のオーダーであり、ドップラー周波数は数(kHz)以下のオーダーである。
従来のドップラー式超音波流量計による流量測定処理の流れを図7に示す。
図7において、流量測定開始すると、所定の繰返し周期で送信起動される毎に(ステップS51)、所定周波数の送信パルスを生成し(ステップS52)、この送信パルスを所定電圧レベルにした送信パルスに基づき、超音波トランスジューサが配管内に超音波パルスを送信する(ステップS53)。そして、受信サンプリング開始/完了の間(ステップS54,S55)、この超音波パルスが流体中の反射体により反射されてなる反射波(超音波エコー)を受信して、このエコー信号を増幅してから上記ドップラーシフト成分の抽出を行い、これをA/D変換する。そして、マイコン等により、ドップラー周波数算出、流速分布算出、流量算出を行う(ステップS56,S57,S58)。
上記従来技術では、上記送信パルスの電圧やエコー信号の増幅率は、一度設定したら、固定的であった。
これに対して、特許文献2記載の発明が提案されている。この特許文献2の発明では、送受信器設置位置からの距離に係わらず、より確実に流量を直接計測できる超音波流量計を提案している。すなわち、送受信部から距離の離れた測定点からの受信信号レベルは小さくなることから、S/N比が低下するという問題を解決するものであり、その為に特許文献2の発明では、超音波パルスが放出された後にゲート時間が経過した時点で検出部出力を取り出して(増幅された受信波から取り出したドップラー周波数成分)、周波数分析を行いドップラー周波数を算出するものであって、上記ゲート時間が大きいほど大きな増幅率(反対に小さいほど小さな増幅率)となるように増幅率を制御している。つまり、より距離が離れた測定点からの受信波(反射波)ほど、より増幅率が大きくなるようにしている。
特開2000−97742号公報 特開2001−124603号公報
上述したドップラー式超音波流量計では、A/D変換部に入力するアナログ信号の信号レベルが大き過ぎたり小さ過ぎたりすると、A/D変換で期待する分解能が得られなくなり、計測精度やS/N比の低下を招くので、受信波の電圧レベルを適切に設定することが必要である。従来では、流量計設置時等に、送信波の電圧レベルや受信信号の増幅レベルを設定することで、受信波の電圧レベル調整を行っていた。
しかしながら、最初に受信波の電圧レベルを適切に設定したとしても、受信波の電圧レベルは、配管材質、配管径、測定対象の媒体と共に、液体中に混在する反射体の密度等、流体の状態に依存している。この為、運用中に、流体の状態の変化によって電圧レベルも変化する為、A/D変換で期待する分解能が得られなくなり、計測精度やS/N比の低下を招くことがあった。
これに関して、上記特許文献2では、随時に増幅率を変えることでS/N比を改善しているが、これは測定点(例えば流体中の気泡等)との距離が、実際に反射波を受信してみるまでは分からないことから(つまり上記ゲート時間によって距離が算出できる)、その都度、測定点との距離に応じて増幅率を変えているのであり、流体の状態の変化によって電圧レベルも変化するという問題には対応できない(距離によって変化しているわけではないので)。
本発明の課題は、受信波の電圧レベルを動的に制御することで、流体の状態変化があっても計測精度やS/N比の低下を防止できるドップラー式超音波流量計、その受信電圧レベル制御装置/方法、プログラム等を提供することである。
本発明のドップラー式超音波流量計は、超音波のドップラーシフトを利用して配管内を流れる被測定流体の流量を測定するドップラー式超音波流量計において、所定周波数の信号を発生する発振手段と、該信号の電圧を所定電圧にした送信信号を生成・出力する送信電圧制御手段と、該所定電圧の送信信号に基づく超音波パルスを生成して前記被測定流体内に送出し、その超音波エコーを受信して電気信号に変える超音波送受信手段と、該受信信号を所定の増幅率で増幅する増幅手段と、該増幅手段により増幅された受信信号を用いてドップラーシフト成分を求めるフィルタ制御手段と、該ドップラーシフト成分をディジタルデータに変換するA/D変換手段と、該ディジタルデータを入力して、前記被測定流体の流速分布を求め、該流速分布に基づいて流量を算出する演算処理手段と、第1、第2の閾値を設定させて保持する閾値設定データ保持手段と、前記ディジタルデータのうち該第1の閾値を超えるデータの数を求め、このデータ数が第2の閾値を超えるか否かを判定する監視・判定手段と、該監視・判定手段により第2の閾値を超えると判定された場合、前記送信電圧制御手段における前記所定電圧又は増幅手段における前記増幅率を変更する受信電圧レベル変更手段とを有するように構成する。
受信波の電圧レベルは、上記送信信号の電圧又は上記増幅率の設定を変更することで、変えることができる。上記第1の閾値は、例えば上限値と下限値である。最初に、適切な電圧レベルとなるように、すなわち受信波の電圧レベルが上限値と下限値の間にあるように設定したとしても、運用中に、流体の状態が変化する等した為に、電圧レベルが下がる/上がる場合がある。この場合、電圧レベルが上限値又は下限値を越えるデータ個数が、第2の閾値を越える場合には、電圧レベルの調整が必要と判定し、上記送信信号の電圧又は上記増幅率の設定を変更することで、受信波の電圧レベルを動的に制御する。
また、本発明は、例えば、上記ドップラー式超音波流量計の構成のうち、受信波の電圧レベルを動的に制御する構成自体とすることもできる。すなわち、超音波のドップラーシフトを利用して配管内を流れる被測定流体の流量を測定するドップラー式超音波流量計における受信電圧レベル制御装置であって、第1、第2の閾値を設定させて保持する閾値設定手段と、所定電圧の送信信号に基づく超音波パルスの反射波である超音波エコーの受信信号が増幅されて更に所定の処理の後A/D変換されて成るディジタルデータを入力し、該各データのうち該第1の閾値を超えるデータの数を求め、このデータ数が第2の閾値を超えるか否かを判定する監視・判定手段と、該監視・判定手段により第2の閾値を超えると判定された場合、前記所定電圧又は前記増幅の際の増幅率を変更する受信電圧レベル変更手段とを有する受信電圧レベル制御装置自体として構成することもできる。
上記受信電圧レベル制御装置において、例えば、前記第1の閾値は上限値/下限値であり、前記第2の閾値は上限値越え許容データ個数/下限値越え許容データ個数であり、前記監視・判定手段は、上限値越えデータ個数カウンタと、各ディジタルデータを前記上限値と比較して、上限値を越えるデータがある毎に該上限値越えデータ個数カウンタをカウントアップする上限値比較部と、該上限値越えデータ個数カウンタのカウント値と前記上限値越え許容データ個数とを比較してカウント値が上限値越え許容データ個数を越えた場合には前記受信電圧レベル変更手段に対して前記所定電圧又は前記増幅の際の増幅率のアップを指示する上限値越えデータ個数比較部とを有するものであってもよい。
あるいは、前記監視・判定手段は、下限値越えデータ個数カウンタと、各ディジタルデータを前記下限値と比較して、下限値を越えるデータがある毎に該下限値越えデータ個数カウンタをカウントアップする下限値比較部と、該下限値越えデータ個数カウンタのカウント値と前記下限値越え許容データ個数とを比較してカウント値が下限値越え許容データ個数を越えた場合には前記受信電圧レベル変更手段に対して前記所定電圧又は前記増幅の際の増幅率のダウンを指示する下限値越えデータ個数比較部とを有するものであってもよい。
本発明のドップラー式超音波流量計、その受信電圧レベル制御装置/方法、プログラム等によれば、受信波の電圧レベルを動的に制御することで、流体の状態変化があっても計測精度やS/N比の低下を防止できる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本例のドップラー式超音波流量計の概略構成図である。
図示のドップラー式超音波流量計は、超音波トランスジューサ3、送受信タイミング制御部4、送信パルス生成部5、送信電圧制御部6、増幅制御部7、フィルタ制御部8、A/D変換部9、及び演算制御部10を有する。演算制御部10は、例えばマイコン(CPU/MPU)等であり、特に図示しないが従来より有る流速分布算出部、流量算出部を有し、これらによって流速分布、流量を算出する。
そして、本例では更に受信電圧レベル制御部20を備える。受信電圧レベル制御部20は、閾値設定データ保持部11、データ監視・判定部12、送信電圧設定部13、受信増幅設定部14を備える。これら閾値設定データ保持部11、データ監視・判定部12、送信電圧設定部13、受信増幅設定部14は、演算制御部10においてソフトウェア処理によって実現されるものであってもよいし、専用のハードウェア(但し、この場合でもソフトウェア処理は行う)を追加する構成としてもよい。
尚、これら閾値設定データ保持部11、データ監視・判定部12、送信電圧設定部13、受信増幅設定部14を、演算制御部10においてソフトウェア処理によって実現する場合には、上記マイコン(CPUやMPU)が、内部のメモリ等の記憶装置に記憶されている所定のプログラムを実行することにより実現される。また、このプログラム実行に必要なデータも上記記憶装置に記憶されている。これは不図示の流速分布算出部、流量算出部等についても同様である。尚、送信電圧設定部13、受信増幅設定部14は、両方あってもよいが、どちらか一方のみ備える構成でもよい。
超音波トランスジューサ3は、送受信一体型のトランジューサであり、超音波パルスを発信し、その反射波(超音波エコー)を受信する。超音波トランスジューサ3は、配管1の管壁外側に、超音波パルスが流体2の上流方向に配管管軸への垂線に対して所定角度で、配管内を流れる流体2に入射するように傾けられて取り付けられている。
以下、図2も参照して説明する。
上記超音波パルスは、所定のパルス繰返し周期で、繰返し発信される。このパルス繰返し周期は送受信タイミング制御部4によって制御される。つまり、送受信タイミング制御部4は自己が保持するパルス繰返し周期に従って、パルス送信タイミングが到来する毎に、送信パルス生成部5に送信パルス生成を指示する。送信パルス生成部5は、所定の周波数f0の電気信号TXD0を発生するパルス発生装置を有し、上記指示により当該電気信号TXD0(送信パルス)を送信電圧制御部6に送る。送信電圧制御部6は、この電気信号TXD0の電圧を所定の電圧(送信電圧)にして成る電気信号TXD1(図2参照)を、超音波トランスジューサ3に送る。これより、超音波トランスジューサ3より配管1内に上記送信電圧に応じた振幅の超音波パルスが送出される。尚、図2に送信パルスTXD0,TXD1の例を示すが(電圧レベルが異なるだけなので一緒に示す)、図示の送信周期が上記パルス繰返し周期のことである。
超音波トランスジューサ3は、上記超音波パルスが流体2内の含まれる反射体(気泡や異物等)により反射されて成る超音波エコーを受信すると、これを電気信号に変換して成るエコー波RXD0を増幅制御部7に送る。
このエコー波RXD0は、図2に示すように電圧レベルが低いので、増幅制御部7によって、このエコー波RXD0を所定の増幅率で増幅する。そして、増幅後のエコー波である増幅制御出力RXD1をフィルタ制御部8に送る。
フィルタ制御部8は、上記従来技術で説明したように、この増幅制御出力RXD1を送信周波数成分とドップラーシフトの成分に分離し、その後ローパスフィルタにてドップラーシフト成分のみを抽出する。この抽出したドップラーシフト成分が、図2に示すフィルタ制御出力RXD2であり、これをA/D変換部9に送る。A/D変換部9は、フィルタ制御出力RXD2を所定のサンプリング周期でサンプリングすることでディジタルデータとしたA/D変換出力RXD3を演算制御部10に渡す。尚、A/D変換部9がA/D変換する際に用いるサンプリングクロックは、送受信タイミング制御部4が生成・出力しており、これを入力する。尚、フィルタ制御出力RXD2の電圧レベルは増幅制御出力RXD1の電圧レベルと同じであり、これが受信電圧レベルである。この受信電圧レベルは、上述してある通り、上記増幅率又は送信電圧を変えることで調整できる。
演算制御部10は、上記A/D変換出力RXD3を用いて、従来と同様に流速分布、流量を算出する。
ここで、図2は、上記受信電圧レベル制御部20を用いない場合(つまり従来と同様の場合)の受信電圧レベルを示すものであり、最初は図上左側に示すように適切な電圧レベルとなるように設定していたとしても、計測中に、計測対象の状況(例えば反射体密度)の変化により、例えば図上真中に示すようにエコー波RXD0の電圧レベルが低下した場合、図示の通りA/D変換出力RXD3は小さくなり、図には示していないがエコー波RXD0には雑音が含まれる為、この雑音の影響を受け易くなる。一方、図上右側に示すようにエコー波RXD0の電圧レベルが増大した場合、図示の通りA/D変換出力RXD3において有効出力範囲を超えるデータが現れ、正確なデータが得られなくなる。つまり、A/D変換で期待する分解能が得られなくなり、計測精度やS/N比の低下を招いていた。
これより、本例では、更に、受信電圧レベル制御部20において、まず、上記データ監視・判定部12が、閾値設定データ保持部11が保持する上限値/下限値、及びそれぞれの許容データ個数を参照して、上限値/下限値を超えたデータ個数が許容データ個数を超えたと判定した場合には、送信電圧設定部13又は受信増幅設定部14により、上記送信電圧制御部6による送信電圧又は上記増幅制御部7における増幅率の設定値を変更する。
ここで、図3に、上記受信電圧レベル制御部20を演算制御部10以外の専用ハードウェアで実現する場合のハードウェア構成図を示す。
図示の構成では、まず予め、演算制御部10から上記各閾値(上限値/下限値、上限値越え許容データ個数N1、下限値越え許容データ個数N2)が設定され、閾値設定データ保持部11に保持されている。
データ監視・判定部12は、上限値比較部31、下限値比較部32、上限値越えデータ個数カウンタ33、下限値越えデータ個数カウンタ34、上限値越えデータ個数比較部35、下限値越えデータ個数比較部36より成る。
また、A/D変換部9の出力は、演算制御部10だけでなく、データ監視・判定部12の上限値比較部31、下限値比較部32にも入力される。A/D変換部9から出力されるディジタルデータは、例えばデータ幅16bitの信号であり、0000h〜7FFFh(16進法表記)が正、FFFFh〜8000hが負の値を表すものとする。また、上記上限値は、正が4000h、負がC000、下限値は、正が1000h、負がF000h等と設定する。
上限値比較部31には閾値設定データ保持部11に保持された上記上限値が設定され、下限値比較部32には下限値が設定される。同様に、上限値越えデータ個数比較部35、下限値越えデータ個数比較部36には、各々、閾値設定データ保持部11に保持された上記許容データ個数N1,N2が設定される。
上限値比較部31、下限値比較部32は、それぞれ、A/D変換部9から出力されるディジタルデータ(サンプリングデータ)の各データ値を、上限値、下限値と比較して、上限値/下限値を越えるデータがある毎に、上限値越えデータ個数カウンタ33/下限値越えデータ個数カウンタ34をカウントアップさせる。
上限値越えデータ個数比較部35は、上限値越えデータ個数カウンタ33のカウント値と上記N1とを比較して、カウント値がN1を越えた場合には、受信電圧レベルダウン指令を送信電圧設定部13又は受信増幅設定部14に出す。これを受けて、送信電圧設定部13又は受信増幅設定部14は、送信電圧設定又は増幅率設定を、例えば“現在値−1”等とする。
同様に、下限値越えデータ個数比較部36は、下限値越えデータ個数カウンタ34のカウント値と上記N2とを比較して、カウント値がN2を越えた場合には、受信電圧レベルアップ指令を送信電圧設定部13又は受信増幅設定部14に出す。これを受けて、送信電圧設定部13又は受信増幅設定部14は、送信電圧設定又は増幅率設定を、例えば“現在値+1”等とする。
尚、ここでは、1回の変更あたりのアップ/ダウン量を+1、−1等としたが、これは一例である。但し、後述するように、1回の変更あたりの変化量は少なくすることが望ましい。
尚、送信電圧設定部13又は受信増幅設定部14は、送信電圧/増幅率の設定値が可変レベルを越える場合は、その旨を演算制御部10に通知するようにしてもよい。また、尚、上限値越えデータ個数カウンタ33/下限値越えデータ個数カウンタ34は、1回の超音波パルス送受信処理が完了する毎にリセットする。
上記受信電圧レベル制御部20における処理動作を含むドップラー式超音波流量計により実行される処理全体を、図4に示す。
図4は、本例のドップラー式超音波流量計により実行される処理を説明する為のフローチャート図である。
ここで、図4の処理は、流量計測の運用中に行う処理であるが、閾値設定データ保持部11に予め設定された任意の閾値(上限値/下限値、各々の許容データ個数)を保持させておく。これは、例えば、図5に示すように、A/D変換部9から出力されるディジタルデータであるA/D変換出力RXD3に関して、上限値、下限値をそれぞれ設定する。また、上限値超えデータ許容個数N1、下限値超えデータ許容個数N2も設定する。これら各種閾値は、例えば設計者等が任意に決めてよい。
図4において、流量計測開始すると、まず、上記送信電圧制御部6による送信電圧又は上記増幅制御部7における増幅率の設定を、送信電圧設定部13又は受信増幅設定部14により行わせる(ステップS11,S12)。このときの設定値は、任意に設定された初期値であってもよいし、前回計測を行ったときの最終設定値を保持しておきこれを用いてもよい。
そして、図4の処理においても、上述してある送受信タイミング制御部4、送信パルス生成部5、送信電圧制御部6、及び超音波トランスジューサ3によって、超音波パルスを配管内に送出し(ステップS13,S14,S15)、上記エコー波RXD0を上述してある増幅制御部7、フィルタ制御部8、及びA/D変換部9によって、増幅、フィルタリング、A/D変換してディジタルデータを生成・出力する処理(受信サンプリングの開始から終了までの処理(ステップS16、S21))、及びこのディジタルデータを入力した演算制御部10が、ドップラー周波数算出、流速分布算出、流量算出(ステップS26,S27,S28)を行う点は、図7に示した従来の処理と略同様である。
本例では、更に、データ監視・判定部12が、上記受信サンプリングの開始から終了までの処理(ステップS16、S21)の間、上記A/D変換部9から出力されるディジタルデータを取得して、このディジタルデータ(各サンプリングデータ値)を上記上限値、下限値と比較して(ステップS17,S19)、上限値を超えるデータ個数、下限値を超える(下回る)データ個数を、それぞれカウントする(ステップS18、S20)。
そして、上限値を超えるデータ個数が上記上限値超えデータ許容個数N1を超えない場合には(ステップS22,NO)、設定変更無しとする。一方、N1を超えた場合には(ステップS22,YES)、送信電圧設定部13又は受信増幅設定部14により、上記送信電圧制御部6による送信電圧又は上記増幅制御部7における増幅率の設定値を、現在の設定値から予め設定される所定量pダウンさせた新たな設定値を決め(つまり、新たな設定値=現在の設定値−p)(ステップS23)、この新たな設定値により送信電圧制御部6又は上記増幅制御部7を動作させる(ステップS11又はS12)。
逆に、下限値を超える(下回る)データ個数が上記下限値超えデータ許容個数N2を超えた場合には(ステップS24,YES)、送信電圧設定部13又は受信増幅設定部14により、上記送信電圧制御部6による送信電圧又は上記増幅制御部7における増幅率の設定値を、現在の設定値から予め設定される所定量qアップさせた新たな設定値を決め(つまり、新たな設定値=現在の設定値+q)(ステップS25)、この新たな設定値により送信電圧制御部6又は上記増幅制御部7を動作させる(ステップS11又はS12)。
尚、これらアップ/ダウンの所定量p,qは、任意に設定してよいが、設定値よりも非常に小さい値(例えば設定値の1割未満程度等)とすることが望ましい。つまり、一度の設定変更で大幅に変えることなく、少しずつ変えていくことが望ましい。
以上説明した本例の受信電圧レベル制御部20による制御を行うことで、上記図2に示す例では、図6に示す通り、流体の状態変化等によってエコー波RXD0の電圧レベルが変化しても、増幅制御部7の増幅率の設定値がこの変化に応じて自動的に調整され、増幅制御出力RXD1の電圧レベルは3つとも適切なレベルとなり、これに応じてA/D変換されるので、計測精度やS/N比の低下を防止できる。
尚、図6では、増幅率を変える例を示しているが、上述してある通り、送信電圧を変えるようにしてもよい。
また、尚、上述した一実施例の説明では、受信電圧レベルの監視は、ディジタル変換後のデータを監視するものとしたが、この例に限らず、例えばディジタル変換前のアナログ信号(図1のRXD2又はRXD1)に対して、例えばオペアンプ等を使用して閾値電圧との比較回路を構成するようにしてもよい。つまり、受信電圧レベルの監視を、アナログ信号電圧の監視とする構成としてもよい。
本例のドップラー式超音波流量計の概略構成図である。 受信電圧レベルの動的制御を行わない場合の流量計各部の波形の一例を示す図である。 受信電圧レベル制御部のハードウェア構成図である。 本例のドップラー式超音波流量計により実行される処理を説明する為のフローチャート図である。 閾値(上限値/下限値)設定を説明する為の図である。 受信電圧レベルの動的制御を行なった場合の流量計各部の波形の一例を示す図である。 従来のドップラー式超音波流量計により実行される処理を説明する為のフローチャート図である。
符号の説明
1 配管
2 流体
3 超音波トランスジューサ
4 送受信タイミング制御部
5 送信パルス生成部
6 送信電圧制御部
7 増幅制御部
8 フィルタ制御部
9 A/D変換部
10 演算制御部
11 閾値設定データ保持部
12 データ監視・判定部
13 送信電圧設定部
14 受信増幅設定部
20 受信電圧レベル制御部
31 上限値比較部
32 下限値比較部
33 上限値越えデータ個数カウンタ
34 下限値越えデータ個数カウンタ
35 上限値越えデータ個数比較部
36 下限値越えデータ個数比較部

Claims (5)

  1. 超音波のドップラーシフトを利用して配管内を流れる被測定流体の流量を測定するドップラー式超音波流量計において、
    所定周波数の信号を発生する発振手段と、
    該信号の電圧を所定電圧にした送信信号を生成・出力する送信電圧制御手段と、
    該所定電圧の送信信号に基づく超音波パルスを生成して前記被測定流体内に送出し、その超音波エコーを受信して電気信号に変える超音波送受信手段と、
    該受信信号を所定の増幅率で増幅する増幅手段と、
    該増幅手段により増幅された受信信号を用いてドップラーシフト成分を求めるフィルタ制御手段と、
    該ドップラーシフト成分をディジタルデータに変換するA/D変換手段と、
    該ディジタルデータを入力して、前記被測定流体の流速分布を求め、該流速分布に基づいて流量を算出する演算処理手段と、
    第1、第2の閾値を設定させて保持する閾値設定データ保持手段と、
    前記ディジタルデータのうち該第1の閾値を超えるデータ数を求め、このデータ数が第2の閾値を超えるか否かを判定する監視・判定手段と、
    該監視・判定手段により第2の閾値を超えると判定された場合、前記送信電圧制御手段における前記所定電圧又は増幅手段における前記増幅率を変更する受信電圧レベル変更手段と、
    を有することを特徴とするドップラー式超音波流量計。
  2. 超音波のドップラーシフトを利用して配管内を流れる被測定流体の流量を測定するドップラー式超音波流量計における受信電圧レベル制御装置であって、
    第1、第2の閾値を設定させて保持する閾値設定手段と、
    所定電圧の送信信号に基づく超音波パルスの反射波である超音波エコーの受信信号が増幅されて更に所定の処理の後A/D変換されて成るディジタルデータを入力し、該各データのうち該第1の閾値を超えるデータ数を求め、このデータ数が第2の閾値を超えるか否かを判定する監視・判定手段と、
    該監視・判定手段により第2の閾値を超えると判定された場合、前記所定電圧又は前記増幅の際の増幅率を変更する受信電圧レベル変更手段と、
    を有することを特徴とする受信電圧レベル制御装置。
  3. 前記第1の閾値は上限値/下限値であり、前記第2の閾値は上限値越え許容データ個数/下限値越え許容データ個数であり、
    前記監視・判定手段は、
    上限値越えデータ個数カウンタと、各ディジタルデータを前記上限値と比較して、上限値を越えるデータがある毎に該上限値越えデータ個数カウンタをカウントアップする上限値比較部と、該上限値越えデータ個数カウンタのカウント値と前記上限値越え許容データ個数とを比較してカウント値が上限値越え許容データ個数を越えた場合には前記受信電圧レベル変更手段に対して前記所定電圧又は前記増幅の際の増幅率のアップを指示する上限値越えデータ個数比較部とを有し、
    あるいは、下限値越えデータ個数カウンタと、各ディジタルデータを前記下限値と比較して、下限値を越えるデータがある毎に該下限値越えデータ個数カウンタをカウントアップする下限値比較部と、該下限値越えデータ個数カウンタのカウント値と前記下限値越え許容データ個数とを比較してカウント値が下限値越え許容データ個数を越えた場合には前記受信電圧レベル変更手段に対して前記所定電圧又は前記増幅の際の増幅率のダウンを指示する下限値越えデータ個数比較部とを有することを特徴とする請求項2記載の受信電圧レベル制御装置。
  4. 超音波のドップラーシフトを利用して配管内を流れる被測定流体の流量を測定するドップラー式超音波流量計における受信電圧レベル制御方法であって、
    予め第1、第2の閾値を設定させてこれを保持しておき、
    所定電圧の送信信号に基づく超音波パルスの反射波である超音波エコーの受信信号が増幅されて更に所定の処理の後A/D変換されて成るディジタルデータを入力し、該各データのうち該第1の閾値を超えるデータの数を求め、この数が第2の閾値を超えるか否かを判定し、
    第2の閾値を超えると判定された場合、前記所定電圧又は前記増幅の際の増幅率を変更することを特徴とする受信電圧レベル制御方法。
  5. 超音波のドップラーシフトを利用して配管内を流れる被測定流体の流量を測定するドップラー式超音波流量計におけるコンピュータに、
    予め第1、第2の閾値を設定させてこれを保持しておく機能と、
    所定電圧の送信信号に基づく超音波パルスの反射波である超音波エコーの受信信号が増幅されて更に所定の処理の後A/D変換されて成るディジタルデータを入力し、該各データのうち該第1の閾値を超えるデータの数を求め、この数が第2の閾値を超えるか否かを判定する機能と、
    第2の閾値を超えると判定された場合、前記所定電圧又は前記増幅の際の増幅率を変更する機能と、
    を実現させる為のプログラム。

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