JP4886468B2 - ガス器具判別装置と判別方法および判別システム、ガス流路監視装置および監視方法 - Google Patents

ガス器具判別装置と判別方法および判別システム、ガス流路監視装置および監視方法 Download PDF

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Description

本発明は、各家庭へのガス供給ライン中に設置され、ガス流量計を有するガスメータなどに利用されるガス器具判別装置および判別方法に関するもので、特に、使用中のガス器具の種別やガス漏れの有無を特定することにより、ガス器具に対応したより高度な保安機能やサービスの提供を可能とする技術に係る。
各家庭へのガス供給ラインの入り口には、ガス流量計を内蔵したガスメータが取り付けられている。ガスメータは、ガス供給ラインを通過するガス流量を計測し、計測されたガス流量は定期的な請求ガス料金の算出に利用される。かかるガスメータは、ガス流量の計測という基本的な機能に加えて、異常状態発生時にガス供給を遮断するという保安機能を有する。この保安機能は、地震の検出やガス漏れまたは器具の消し忘れなどの異常な使用状態の検出に応答して、ガスメータのガス流路内に設けられた遮断弁によりガスを遮断する機能である。
図23は、上記保安機能の一つである安全継続使用時間オーバ時の遮断機能に利用される安全継続使用時間設定値を示す図である。この機能は、ガス流量の発生が検出されてから、そのガス流量が継続して使用される場合に、継続時間が過度に長くなる時は、ガス漏れなどの何らかの異常な使用状態が発生したとみなして、ガスを遮断する機能である。
図23に示されるとおり、ガス流量が大きい大型の湯沸かし器は、せいぜい30分程度しか継続して使用されず、一方で、ガス流量が小さいストーブは、長時間継続して使用されるであろうとの前提で、ガス流量が大きい時の安全継続使用時間を短く、ガス流量が小さい時の安全継続使用時間を長く設定している。
そして、ガスメータは、ガス流量が発生したり増加側に変化した時点で、何らかのガス器具の使用が開始されたと判断して、その流量が継続する時間を計測し、図23に示す安全継続使用時間を超えてその流量が継続する場合に、保安上の理由からガス遮断を行っている。従って、使用中のガス器具を特定することなく、使用ガス流量に基づいて、安全継続使用時間オーバ遮断を行っている。
しかしながら、図23に示されるとおり、少ないガス流量レンジ(流量の大小の範囲)に、比較的長時間使用されるストーブと、比較的短時間しか使用されないコンロや小型湯沸かし器などの、使用時間の大きく異なる複数種類のガス器具が存在する。従来のガスメータでは、使用中のガス器具の種別を特定することができないので、長時間使用のストーブに合わせてこの流量レンジの安全継続使用時間をかなり長く設定している。このような長時間に設定された安全継続使用時間は、同じ流量レンジに存在するコンロや小型湯沸かし器に対しては過度に長くなってしまい、必ずしも最適な安全継続使用時間であるとはいえなかった。すなわち、この手法は、使用中のガス器具の種別を特定するものではないため、ガス器具の種別に適した保安機能を提供することは困難である。
このような問題点を克服する観点から、ガス器具判別装置に関する提案が、たとえば特許文献1〜3に示すように従来からなされている。これらの従来技術では、ガス器具が使用された時のガス流量の変化から使用中のガス器具の種別を判定するために、複雑な一連のガス流量の変化を燃焼制御ステップ毎に分割した部分流量パターンという概念を使用して、次のような手法によりガス器具の種別を判別している。
すなわち、まず、使用可能性がある複数種類のガス器具について、部分流量パターンを制御ステップ毎に分類して流量パターンテーブルに登録しておく。さらに、複数種類のガス器具に対応する部分流量パターンの組合せを器具テーブルに登録しておく。そして、ガス流量計が検出したガス流量パターンとマッチングする部分流量パターンを流量パターンテーブルから抽出し、さらに、抽出された部分流量パターンの組合せとマッチングするガス器具を器具テーブルから抽出する。
この従来技術では、ガス器具の燃焼制御に伴う複雑な一連のガス流量パターンを、制御ステップ毎に分割した部分流量パターンに単純化し、検出されたガス流量パターンとのマッチングを容易にし、ガス器具の種別の判定を可能にしている。
特に、特許文献1〜3に記載の発明は、燃焼制御ステップとして、少なくとも「点火時」「その後の初期過渡期」「流量が安定する安定期」という3つの流量パターンに基づいてガス器具を判定するものである。また、この流量パターンに加えて、制御ステップごとに流量レンジ(流量の大小の範囲)も監視して、検出したガス流量パターンの流量が、予め器具テーブルに登録されていた流量レンジ内に該当するか否かも考慮して、器具を判別することも行っている。
特開2003−149019号公報 特開2003−149027号公報 特開2003−149075号公報 特開2002−58942号公報
確かに、前記のような特許文献1〜3に記載の従来技術は、流量パターンの特徴がはっきりしたある種の器具の判別には適しているものの、いずれもガスの部分流量パターン(もしくは部分流量パターンと流量範囲)のみに基づいてガス器具を判別するものであるから、現在のように多種多様のガス器具が使用されている状況においては、適切な判別技術とは言えなかった。
特に、従来から一般家庭で広く使用されているガスコンロや湯沸かし器、風呂釜のように流量の変動が大きい器具の場合には、単に流量パターンやレンジを監視するだけで器具の判別が可能であったが、最近の住宅で使用される床暖房のように長時間にわたって流量の変動が少ない器具の場合には、単に流量を監視しただけでは器具の判別や漏れの判定が困難であった。
また、ガス器具であっても、コンロのように手動による調整のみで自動的に流量と圧力の調整を行うガバナ(圧力調整器)のない器具と、ガバナの付いた器具とでは使用時における流量のパターンも大きく異なり、単に流量範囲や変化を監視しただけでは、器具判別が難しかった。中でも、ガス漏れの場合と、ガバナのないガス器具の連続使用とでは、流量の範囲やパターンの変化がない状態が継続することから、両者の区別が困難であった。
さらに、この種の判別装置は、都市ガスだけでなく、LPGのガスメータについても適用することが要望されており、その場合においても、流量パターンとその範囲のみで器具の判別と漏れの判定を行うことは不可能であった。
このような実情に鑑みて、本発明者等は、流量パターンとその範囲以外の要因により、ガス器具並びにガス漏れの判別を行うことができないかについて、鋭意検討並びに実証を繰り返したところ、ガス流路を流れるガスの流量と圧力を、電気回路を流れる電流と電圧に置き換えて回路モデル化した場合、ガスの出力抵抗特性に基づいて、ガス器具の種別とガス漏れの有無の判別が可能であることに想到した。
なお、ガス流路を電気回路に置き換えて回路モデル化する手法としては、例えば、特許文献4に記載の従来技術が存在している。
一方、ガス流路を流れるガスの流量と圧力の測定は、一定のサンプリング周期で行われるが、ガス供給源で脈動が発生した場合には、この脈動により、サンプリング測定値が影響を受け、正確な測定信号が得られなくなる可能性がある。しかしながら、従来、脈動の有無を低コストで容易かつ正確に検出する手法は確立されていない。
また、ガス流路を電気回路に置き換えて回路モデル化し、出力抵抗などを計算するためには、正確な配管インピーダンスの値が必要である。しかしながら、従来、配管インピーダンスの値を低コストで容易かつ正確に取得する手法は確立されていない。
また、ガス流路に使用される配管にガス漏れ穴などが存在する場合には、メータ設置時などのできるだけ早期の時点でガス漏れの有無を検出して対策を施す必要がある。しかしながら、従来、配管のガス漏れの有無を低コストで容易かつ正確に検出する手法は確立されていない。
さらに、配管にガス漏れ穴などが存在する場合には、その位置の特定も重要であるが、従来、配管のガス漏れ位置を低コストで容易かつ正確に特定する手法は確立されていない。
本発明は、前記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであって、その第1の目的は、本発明者等の実証によって得られたガス流路内を流れるガスの出力抵抗特性に着目して、ガス流路を流れるガスを電気回路に置き換えて回路モデル化し、出力抵抗を計算することにより、ガス器具の種別の特定およびガス漏れの検出を、低コストで容易かつ正確に実行可能で、しかも、都市ガスだけでなくLPGなどの他のガスにも好適なガス器具判別装置および判別方法を提供することである。
本発明の第2の目的は、ガス流路を流れるガスを電気回路に置き換えて回路モデル化し、数式計算を行うことにより、脈動の有無を低コストで容易かつ正確に検出可能で、しかも、都市ガスだけでなくLPGなどの他のガスにも好適なガス流路監視装置および監視方法を提供することである。
本発明の第3の目的は、ガス流路を流れるガスを電気回路に置き換えて回路モデル化し、数式計算を行うことにより、配管インピーダンスの値を低コストで容易かつ正確に取得可能で、しかも、都市ガスだけでなくLPGなどの他のガスにも好適なガス流路監視装置および監視方法を提供することである。
本発明の第4の目的は、ガス流路を流れるガスを電気回路に置き換えて回路モデル化し、数式計算を行うことにより、配管のガス漏れの有無を低コストで容易かつ正確に検出可能で、しかも、都市ガスだけでなくLPGなどの他のガスにも好適なガス流路監視装置および監視方法を提供することである。
本発明の第5の目的は、ガス流路を流れるガスを電気回路に置き換えて回路モデル化し、数式計算を行うことにより、配管のガス漏れ位置を低コストで容易かつ正確に特定可能で、しかも、都市ガスだけでなくLPGなどの他のガスにも好適なガス流路監視装置および監視方法を提供することである。
上記の第1の目的を達成するために、請求項1に記載のガス器具判別装置は、ガス流路に設けられたガス流量測定部とガス圧力測定部と、これらのガス流量測定部とガス圧力測定部の測定信号から、微分積分法または周波数解析法により回路モデル用の指標値を取得する測定信号解析手段と、前記ガス流路を流れるガスを電気回路に置き換えた回路モデルと、この回路モデルに対して予め設定された出力抵抗推定用の推定式を用いて、前記測定信号解析手段で得られた回路モデル用の指標値から出力抵抗推定値を計算する出力抵抗推定手段と、この出力抵抗推定手段で得られた出力抵抗推定値に基づき、前記ガス流路に接続された供給先のガス器具の種別およびガス漏れの有無を判別して、判別結果を出力する器具判別手段、を有することを特徴とする。
上記の第2の目的を達成するために、請求項8に記載のガス流路監視装置は、ガス流路に設けられたガス流量測定部とガス圧力測定部と、これらのガス流量測定部とガス圧力測定部の測定信号から、微分積分法または周波数解析法により回路モデル用の指標値を取得する測定信号解析手段と、前記ガス流路を流れるガスを電気回路に置き換えた回路モデルと、この回路モデルに対して予め設定された脈動判定用の判定式を用いて、前記測定信号解析手段で得られた回路モデル用の指標値から脈動の有無を判定して、判定結果を出力する脈動判定手段、を有することを特徴とする。
上記の第3の目的を達成するために、請求項9に記載のガス流路監視装置は、ガス流路に設けられたガス流量測定部とガス圧力測定部と、これらのガス流量測定部とガス圧力測定部の測定信号から、微分積分法または周波数解析法により回路モデル用の指標値を取得する測定信号解析手段と、前記ガス流路を流れるガスを電気回路に置き換えた回路モデルと、この回路モデルに対して予め設定された配管インピーダンス推定用の推定式を用いて、前記測定信号解析手段で得られた回路モデル用の指標値から配管インピーダンス推定値を計算して、計算結果を出力する配管インピーダンス推定手段、を有することを特徴とする。
上記の第4の目的を達成するために、請求項10に記載のガス流路監視装置は、ガス流路に設けられたガス流量測定部とガス圧力測定部と、これらのガス流量測定部とガス圧力測定部の測定信号から、微分積分法または周波数解析法により回路モデル用の指標値を取得する測定信号解析手段と、前記ガス流路を流れるガスを電気回路に置き換えた回路モデルと、この回路モデルに対して予め設定されたガス漏れ判定用の判定式を用いて、前記測定信号解析手段で得られた回路モデル用の指標値からガス漏れの有無を判定して、判定結果を出力するガス漏れ判定手段、を有することを特徴とする。
上記の第5の目的を達成するために、請求項11に記載のガス流路監視装置は、ガス流路に設けられたガス流量測定部とガス圧力測定部と、これらのガス流量測定部とガス圧力測定部の測定信号から、微分積分法により回路モデル用の指標値となる微分値または積分値を計算する微分積分手段と、前記ガス流路を流れるガスを電気回路に置き換えた回路モデルと、この回路モデルに対して予め設定されたガス漏れ位置推定用の推定式を用いて、前記測定信号解析手段で得られた回路モデル用の指標値からガス漏れ位置を推定して、推定結果を出力するガス漏れ位置推定手段、を有することを特徴とする。
なお、請求項12に記載のガス器具判別システムは、上記のガス器具判別装置と1つ以上のガス流路監視装置を組み合わせたものである。また、請求項13〜請求項17に記載のガス器具判別方法は、請求項1、請求項8〜請求項11に記載のガス器具判別装置とガス流路監視装置の機能を方法の観点からそれぞれ把握したものである。
請求項1、13に記載のガス器具判別装置および判別方法によれば、ガス流路を流れるガスを電気回路に置き換えて回路モデル化し、この回路モデルに対する出力抵抗推定用の推定式を予め設定しておき、この推定式に用いる回路モデル用の指標値を、ガス流量とガス圧力の測定信号から微分積分法または周波数解析法により取得することによって、出力抵抗推定値を数式計算で効率よく高精度に取得できる。そして、得られた出力抵抗推定値に基づき、ガス器具の種別およびガス漏れの有無を効率よく高精度に判別できる。したがって、ガス器具の種別の特定およびガス漏れの検出を、低コストで容易かつ正確に実行可能で、しかも、都市ガスだけでなくLPGなどの他のガスにも好適なガス器具判別装置および判別方法を提供することができる。
請求項8、14に記載のガス流路監視装置および監視方法によればガス流路を流れるガスを電気回路に置き換えて回路モデル化し、この回路モデルに対する脈動判定用の判定式を予め設定しておき、この判定式に用いる回路モデル用の指標値を、ガス流量とガス圧力の測定信号から微分積分法または周波数解析法により取得することによって、脈動の有無を効率よく高精度に検出できる。したがって、脈動の有無を低コストで容易かつ正確に検出可能で、しかも、都市ガスだけでなくLPGなどの他のガスにも好適なガス流路監視装置および監視方法を提供することができる。
請求項9、15に記載のガス流路監視装置および監視方法によれば、ガス流路を流れるガスを電気回路に置き換えて回路モデル化し、この回路モデルに対する配管インピーダンス推定用の推定式を予め設定しておき、この推定式に用いる回路モデル用の指標値を、ガス流量とガス圧力の測定信号から微分積分法または周波数解析法により取得することによって、配管インピーダンス推定値を数式計算で効率よく高精度に取得できる。したがって、配管インピーダンスの値を低コストで容易かつ正確に取得可能で、しかも、都市ガスだけでなくLPGなどの他のガスにも好適なガス流路監視装置および監視方法を提供することができる。
請求項10、16に記載のガス流路監視装置および監視方法によれば、ガス流路を流れるガスを電気回路に置き換えて回路モデル化し、この回路モデルに対するガス漏れ判定用の判定式を予め設定しておき、この判定式に用いる回路回路モデル用の指標値を、ガス流量とガス圧力の測定信号から微分積分法または周波数解析法により取得することによって、配管のガス漏れの有無を数式計算で効率よく高精度に検出できる。したがって、配管のガス漏れの有無を低コストで容易かつ正確に検出可能で、しかも、都市ガスだけでなくLPGなどの他のガスにも好適なガス流路監視装置および監視方法を提供することができる。
請求項11、17に記載のガス流路監視装置および監視方法によれば、ガス流路を流れるガスを電気回路に置き換えて回路モデル化し、この回路モデルに対するガス漏れ位置推定用の推定式を予め設定しておき、この推定式に用いる回路モデル用の指標値を、ガス流量とガス圧力の測定信号から微分積分法により取得することによって、配管のガス漏れ位置を数式計算で効率よく高精度に特定できる。したがって、配管のガス漏れ位置を低コストで容易かつ正確に特定可能で、しかも、都市ガスだけでなくLPGなどの他のガスにも好適なガス流路監視装置および監視方法を提供することができる。
以下には、以上のような本発明の適用対象となるガス流路とその回路モデルについて説明した後、本発明を適用した複数の実施形態について説明する。
[ガス流路]
図1は、本発明の適用対象となるガス流路の構成を示す模式図である。この図1に示すように、ガス流路は、ガスメータ1、配管2、ガス器具3から構成されており、本発明のガス器具判別装置は、一般的に、ガスメータ1に設置される。このようなガス流路において、配管2にガス漏れ穴4が存在する場合には、このガス漏れ穴4からのガス漏れを検出する必要がある。ガスメータ1で測定されるガス圧力はp、ガス流量はqであり、また、ガスメータ1の供給側の供給ガス圧力はpsである。なお、本明細書中において、「ガスメータ」は適宜「メータ」と略称する。
[ガス流路の回路モデル]
図2は、図1に示すガス流路を電気回路に置き換えた回路モデルの一例を示す図である。ここで、図2の(a)は、インピーダンスをまとめて表記した例であり、図2の(b)は、(a)のインピーダンスを分解して表記した例である。この図2に示すように、(a)中に示される供給配管インピーダンスZ0は、(b)において、供給配管抵抗R0、供給配管インダクタンスL0、供給配管容量C0により示され、(a)中に示される配管インピーダンスZ1は、(b)において、供給配管抵抗R1、供給配管インダクタンスL1、供給配管容量C1により示されている。また、R2は、ガス漏れあるいはガス器具のガス出力抵抗である。さらに、ガスメータでのガス流量i=q、ガスメータでのガス圧力の平方根v=√p、供給ガス圧力の平方根vs=√psなどが示されている。
[数式に使用する記号の説明]
なお、図1、図2および以下の各実施形態中で説明する数式に使用する記号のうち、小文字の「i」はガス流量、小文字の「v」はガス圧力の平方根、大文字の「I」は周波数領域のガス流量、大文字の「V」は周波数領域におけるガス圧力の平方根、をそれぞれ示している。また、各記号の末尾の下付き文字は、ガス流路中の異なる位置をそれぞれ意味している。末尾の下付き文字「s」は供給部、末尾の下付き文字「0」はメータの上流側の供給配管、末尾の下付き文字がないものはメータ部分、末尾の下付き文字「1」はメータの下流側(ガス器具側)の配管、末尾の下付き文字「2」はガス漏れあるいはガス器具である。
[第1の実施形態]
[構成]
図3は、本発明を適用した第1の実施形態に係るガス器具判別装置の構成を示す機能ブロック図である。この図3に示すように、本実施形態のガス器具判別装置10は、ガス流路に設けられたガス流量測定部11とガス圧力測定部12、測定流量と測定圧力から回路モデル用の微分値および積分値をそれぞれ計算する微分積分手段13,14、回路モデル用の微分値および積分値から出力抵抗推定値を計算する出力抵抗推定手段15、出力抵抗推定値に基づき、その変動パターンに着目してガス器具の種別およびガス漏れの有無を判別する器具判別手段16から構成されている。
ここで、ガス流量測定部11は、例えば、超音波流量計などの各種の流量計により実現可能であり、ガス圧力測定部12は、各種の圧力計や圧力センサにより実現可能である。また、微分積分手段13,14と出力抵抗推定手段15、および器具判別手段16は、一般的には、各種の電子回路またはコンピュータとこれらの手段13〜16の機能を実現するために特化されたプログラムとの組み合わせにより実現可能である。
また、器具判別手段16には、出力手段17が接続されており、器具判別手段16で得られた判別結果の出力が、出力手段17により、人間系に対して判別結果を提示・通報できる形で出力されるようになっている。ここで、出力手段17は、ガスメータに設けられたLCDなどの表示装置、ガスメータに設けられたLCDなどの表示装置、外部に設けられた通報装置、その他ディスプレイ、プリンタあるいはガス漏れ警報装置などの、各種の出力手段により実現可能である。
[作用]
次に、以上のような構成を有する第1の実施形態のガス器具判別装置によるガス器具判別方法の手順について説明する。
ガス流路に設けられたガス流量測定部11とガス圧力測定部12から、ガス流量とガス圧力の測定信号i(t),v(t)が、一定の周期で微分積分手段13,14にそれぞれ与えられると、微分積分手段13,14では、回路モデル用の微分値および積分値がそれぞれ求められる。出力抵抗推定手段15では、微分積分手段13,14から微分値および積分値を受け取り、それらを用いて、予め設定された出力抵抗推定用の推定式により出力抵抗推定値を計算する。
ここで、微分値および積分値を用いた出力抵抗推定用の推定式としては、例えば、次の式(1)が使用され、ガス漏れあるいはガス器具の出力抵抗R2の推定値が計算される。
Figure 0004886468
器具判別手段16では、出力抵抗推定手段15から出力抵抗R2の推定値を受け取り、その逆数1/R2の時間軸上における変動パターンに基づき、ガス器具の種別およびガス漏れの有無を判別する。図4は、この場合の器具判別方式を示す図である。
まず、図4の(a)に示すように、出力抵抗の逆数1/R2が、所定時間以上変化しない場合には、ガス漏れと判定する。すなわち、ガス漏れの場合、概して、ガス漏れの大きさは一定時間変化しないため、出力抵抗R2およびその逆数1/R2も一定時間変化しない。
また、図4の(b)に示すように、出力抵抗の逆数1/R2が、非連続的な増減により矩形の階段状に変化する場合には、ガバナなし器具と判別する。すなわち、コンロなどのガバナなし器具の場合、ガス出力ノズルの開口度は、人間系により手動操作された際のみ変化し、それ以外では変化しないため、出力抵抗R2およびその逆数1/R2は、手動操作時にのみ急激かつ非連続的に増減し、矩形の階段状に変化する。
また、図4の(c)に示すように、出力抵抗の逆数1/R2が、連続的な増減により曲線波形状に変化する場合には、ガバナ付き器具と判別する。すなわち、床暖房などのガバナ付き器具の場合、ガス圧力に対してガス流量が一定になるようにガス出力を制御するので、出力抵抗R2およびその逆数1/R2は、連続的に緩やかに増減し、曲線は形状に変化する。
なお、以上のような出力抵抗の逆数の時間軸上における変動パターンを用いた器具判別方式は、所定の時間間隔の変動パターンをサンプリングして比較することにより実現可能であるが、図4に示すような典型的な変動パターン「ガス漏れ」、「ガバナなし器具」、「ガバナ付き器具」を予め比較用の基準データとして記憶しておき、対象となる変動パターンとのパターンマッチングを行ってもよい。このようなパターン比較の具体的な手法としては、多種多様の既存の技術が適用可能である。
このようにして器具判別手段16でガス器具の種別およびガス漏れの有無の判別結果が得られ、出力されると、この判別結果は、後段の出力手段17により、画面表示などの、人間系に対して判別結果を提示・通報できる形で出力される。特に、ガス漏れを検出した場合には、音声による警告メッセージや警報などを含めた出力が行われると同時に、ガスを遮断するための制御信号が出力され、ガス供給が遮断される。
[効果]
以上のような第1の実施形態によれば、次のような効果が得られる。
まず、ガス流路を流れるガスを電気回路に置き換えて回路モデル化し、この回路モデルに対して出力抵抗推定用の推定式を予め設定しておき、この推定式に用いる回路モデル用の指標値を、ガス流量とガス圧力の測定信号から微分積分法により取得することによって、出力抵抗推定値を数式計算で効率よく高精度に取得できる。そして、得られた出力抵抗推定値に基づき、ガス器具の種別およびガス漏れの有無を効率よく高精度に判別できる。
特に、本実施形態においては、出力抵抗の逆数1/R2の時間軸上における変動パターンに基づき、ガス器具の種別およびガス漏れの有無を判別することにより、ガス器具がガバナ付きであるか否かを容易かつ高精度に判別できる上、ガス器具の種別に拘らずガス漏れの有無を容易かつ高精度に判別できる。そのため、脈動などにより、メータで測定される流量・圧力が変動した場合でも、ガス漏れの出力抵抗が高精度に推定できるため、判別精度を向上できる。
したがって、本実施形態によれば、ガス器具の種別の特定およびガス漏れの検出を、低コストで容易かつ正確に実行可能で、しかも、都市ガスだけでなくLPGなどの他のガスにも好適なガス器具判別装置および判別方法を提供することができる。
[器具判別方式の変形例]
なお、第1の実施形態の変形例として、器具判別手段16による器具判別方式を若干変更することも可能である。すなわち、上記の説明では、「出力抵抗の逆数の時間軸上における変動パターンを用いた器具判別方式」について説明したが、この他にも、例えば、「出力抵抗の逆数の微分値を用いた器具判別方式」や「出力抵抗の逆数の微分値と他のパラメータを用いた器具判別方式」を用いて器具判別を行うことが可能である。以下には、これらの変形例について順次説明する。
[出力抵抗の逆数の微分値を用いた器具判別方式]
図5は、器具判別手段16により、出力抵抗の逆数1/R2および出力抵抗の逆数の微分値(d/dt)・(1/R2)を判定空間とし、その領域からガス器具の種別およびガス漏れの有無を判別する場合の器具判別方式を示す図である。この図5では、3つの器具A〜Cの領域パターンがそれぞれ模式的に示されている。
また、図6の(a)(b)は、図5の器具判別方式において使用する具体的なガス器具の領域パターンとして、床暖房の領域およびコンロの領域パターンをそれぞれ示す図である。この図6の(a)(b)において、床暖房の領域パターンは、(d/dt)・(1/R2)=0の位置に1つの収束点を有するが、コンロの領域パターンは複数の収束点を有する。
この図5、図6に示す器具判別方式の場合には、使用される器具の種類に応じて、複数種類のガス器具およびガス漏れの領域パターンを予め比較用の基準データとして記憶しておき、対象となる領域パターンとのパターンマッチングを行うことで、より詳細な器具判別およびガス漏れを実現できる。すなわち、図6に示すように、ガス器具の具体的な種別に応じた領域パターンを用いて、対象となる領域パターンと比較することにより、器具のガバナの有無だけでなく、「床暖房」、「コンロ」などのより具体的な種別の特定が可能となる。
このように領域パターン比較を行う図5、図6の器具判別方式によれば、図4に示すような波形パターン比較に比べて、ガス器具のより詳細な種別の特定およびガス漏れの有無を効率よく高精度に判別できる。
[出力抵抗の逆数の微分値と他のパラメータを用いた器具判別方式]
図7の(a)(b)は、器具判別手段16により、流量i2および出力抵抗の逆数の微分値(d/dt)・(1/R2)を判定空間とし、その領域からガス器具の種別およびガス漏れの有無を判別する場合の器具判別方式を示す図である。この図7の(a)(b)は、器具判別方式において使用する具体的なガス器具の領域として、床暖房の領域およびコンロの領域パターンをそれぞれ示す図である。
この図7の(a)(b)において、床暖房の領域パターンは、(d/dt)・(1/R2)=0の位置に1つの収束点を有するが、圧力変化により、流量i2一定でその値にはばらつきが生じている。また、コンロの領域パターンは複数の収束点を有するが、圧力変化により、その値にはばらつきが生じている。
この図7に示す器具判別方式の場合には、図5、図6に示した器具判別方式と同様に、使用される器具の種類に応じて、複数種類のガス器具およびガス漏れの領域パターンを予め比較用の基準データとして記憶しておき、対象となる領域パターンとのパターンマッチングを行うことで、より詳細な器具判別およびガス漏れを実現できる。したがって、図7の器具判別方式によれば、図5、図6の器具判別方式と同様に、図4に示すような波形パターン比較に比べて、ガス器具のより詳細な種別の特定およびガス漏れの有無を効率よく高精度に判別できる。
[第2の実施形態]
[構成]
図8は、本発明を適用した第2の実施形態に係るガス器具判別装置の構成を示す機能ブロック図である。この図8に示すように、本実施形態のガス器具判別装置20は、図3に示した第1の実施形態の構成において、微分積分手段13,14の代わりに、測定流量と測定圧力を時間領域の関数から周波数領域の関数に変換する周波数領域変換手段23,24を使用するものである。
これに伴い、出力抵抗推定手段としては、微分値および積分値から出力抵抗推定値を計算する出力抵抗推定手段15の代わりに、周波数領域の関数から出力抵抗推定値を計算する出力抵抗推定手段25を使用している。また、器具判別手段としては、出力抵抗推定値の変動パターンに着目して判別する器具判別手段16の変わりに、周波数成分に着目してガス器具の種別およびガス漏れの有無を判別する器具判別手段26を使用している。
なお、これらの手段23〜26は、一般的には、各種の電子回路またはコンピュータとこれらの手段23〜26の機能を実現するために特化されたプログラムとの組み合わせにより実現可能である。また、ガス器具判別装置20の他の構成は、第1の実施形態のガス器具判別装置10と同様である。
[作用]
次に、以上のような構成を有する第2の実施形態のガス器具判別装置によるガス器具判別方法の手順について説明する。
ガス流路に設けられたガス流量測定部11とガス圧力測定部12から、ガス流量とガス圧力の測定信号i(t),v(t)が、一定の周期で周波数領域変換手段23,24にそれぞれ与えられると、周波数領域変換手段23,24では、フーリエ変換やウェーブレット変換により、それらの測定信号を時間領域の関数から周波数領域の関数に変換する。例えば、次に示す式(2)によりフーリエ変換が行われ、周波数領域の関数I(ω),V(ω)が求められる。
Figure 0004886468
出力抵抗推定手段25では、周波数領域変換手段23,24から周波数領域の関数I(ω),V(ω)を受け取り、それらを用いて、予め設定された出力抵抗推定用の推定式により出力抵抗推定値を計算する。ここで、微分値および積分値を用いた出力抵抗推定用の推定式としては、例えば、次に示す式(3)が使用され、ガス漏れあるいはガス器具の出力抵抗R2の推定値が計算される。
Figure 0004886468
器具判別手段26では、出力抵抗推定手段25から出力抵抗R2の推定値を受け取り、その逆数1/R2の周波数軸上における成分分布パターンに基づき、高周波成分の量に応じてガス器具の種別およびガス漏れの有無を判別する。図9は、この場合の器具判別方式を示す図である。
まず、図9の(a)に示すように、出力抵抗の逆数1/R2に、高周波成分がない場合には、ガス漏れと判定する。すなわち、ガス漏れの場合、概して、ガス漏れの大きさは一定時間変化しないため、出力抵抗R2およびその逆数1/R2の高周波成分はゼロとなる。
また、図9の(b)に示すように、出力抵抗の逆数1/R2の高周波成分が、予め設定された基準レベル以上である場合には、人間系による手動出力操作のみの非出力制御型器具と判別する。すなわち、コンロなどの人間系による手動出力操作のみでガス出力を制御しないタイプの非出力制御型器具の場合、ガス出力ノズルの操作は人間系による手動操作のみであるため、出力抵抗R2およびその逆数1/R2の高周波成分は多い。
また、図9の(c)に示すように、出力抵抗の逆数1/R2の高周波成分が、予め設定された基準レベル以下である場合には、出力制御型器具と判別する。すなわち、床暖房などの出力制御型器具の場合、ガス出力を緩やかに制御するので、出力抵抗R2およびその逆数1/R2の高周波成分は少ない。
このようにして器具判別手段26でガス器具の種別およびガス漏れの有無の判別結果が得られ、出力されると、この判別結果が、後段の出力手段17により、画面表示などの、人間系に対して判別結果を提示・通報できる形で出力される点、および、ガス漏れを検出した場合に、音声による警告メッセージや警報などを含めた出力が行われると同時に、ガスを遮断するための制御信号が出力され、ガス供給が遮断される点は、第1の実施形態と同様である。
[効果]
以上のような第2の実施形態によれば、次のような効果が得られる。
まず、ガス流路を流れるガスを電気回路に置き換えて回路モデル化し、この回路モデルに対して出力抵抗推定用の推定式を予め設定しておき、この推定式に用いる回路モデル用の指標値を、ガス流量とガス圧力の測定信号から周波数解析法により取得することによって、出力抵抗推定値を数式計算で効率よく高精度に取得できる。そして、得られた出力抵抗推定値に基づき、ガス器具の種別およびガス漏れの有無を効率よく高精度に判別できる。
特に、本実施形態においては、出力抵抗の逆数1/R2の周波数成分に着目して判別することにより、ガス器具が出力制御型であるか否かを容易かつ高精度に判別できる上、ガス器具の種別に拘らずガス漏れの有無を容易かつ高精度に判別できる。また、このように周波数成分に着目した方式であるため、パターン比較を行う必要なしに、高周波成分値の大小比較を行うだけの単純な判別アルゴリズムで器具判別を実現できる。
したがって、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、ガス器具の種別の特定およびガス漏れの検出を、低コストで容易かつ正確に実行可能で、しかも、都市ガスだけでなくLPGなどの他のガスにも好適なガス器具判別装置および判別方法を提供することができる。
[第3の実施形態]
[構成]
図10は、本発明を適用した第3の実施形態に係るガス流路監視装置の構成を示す機能ブロック図である。この図10に示すように、本実施形態のガス流路監視装置30は、図3に示した第1の実施形態の構成において、出力抵抗推定手段15と器具判別手段16の代わりに、回路モデル用の微分値および積分値から脈動の有無を判定する脈動判定手段35を使用するものである。
なお、微分積分手段13,14および脈動判定手段35は、一般的には、各種の電子回路またはコンピュータとこれらの手段13,14,35の機能を実現するために特化されたプログラムとの組み合わせにより実現可能である。また、ガス流路監視装置30の他の構成は、第1の実施形態のガス器具判別装置10と同様である。
[作用]
次に、以上のような構成を有する第3の実施形態のガス流路監視装置によるガス流路監視方法の手順について説明する。
まず、ガス流路に設けられたガス流量測定部11とガス圧力測定部12から、ガス流量とガス圧力の測定信号i(t),v(t)が、一定の周期で微分積分手段13,14にそれぞれ与えられる点、および、微分積分手段13,14で、回路モデル用の微分値および積分値がそれぞれ求められる点は、第1の実施形態のガス器具判別装置10と同様である。
本実施形態のガス流路監視装置30においては、脈動判定手段35により、微分積分手段13,14から微分値および積分値を受け取り、それらを用いて、予め設定された脈動判定用の判定式により脈動の有無を判定する。
脈動判定手段35はまず、測定流量の微分値(d/dt)iが一定値以上になった場合に、「脈動あり」と判定する。脈動判定手段35はまた、測定圧力の微分値(d/dt)vが一定値以上になった場合に、「脈動あり」と判定する。この理由は、測定流量iが一定であっても、脈動が存在する場合には、異常燃焼となって測定圧力が上昇するからである。
脈動判定手段35はさらに、ガス漏れあるいはガス器具のガス流量i2の推定値を計算して、得られたガス流量i2が一定以上の振幅となった場合、あるいは、その微分値(d/dt)i2が一定値以上になった場合に、「脈動あり」と判定する。なお、ガス流量i2の推定値は、例えば、第1の実施形態中で示した前記式(1)を使用して計算できる。
このようにして脈動判定手段35で脈動の有無の判定結果が得られ、出力されると、この判定結果は、後段の出力手段17により、画面表示などの、人間系に対して判定結果を提示・通報できる形で出力される。
[効果]
以上のような第3の実施形態によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、ガス流路を流れるガスを電気回路に置き換えて回路モデル化し、この回路モデルに対して脈動判定用の判定式を予め設定しておき、この判定式に用いる回路モデル用の指標値を、ガス流量とガス圧力の測定信号から微分積分法により取得することによって、取得した微分値または積分値に基づき、脈動の有無を効率よく高精度に検出できる。
したがって、本実施形態によれば、脈動の有無を低コストで容易かつ正確に検出可能で、しかも、都市ガスだけでなくLPGなどの他のガスにも好適なガス流路監視装置および監視方法を提供することができる。
[第4の実施形態]
[構成]
図11は、本発明を適用した第4の実施形態に係るガス流路監視装置の構成を示す機能ブロック図である。この図11に示すように、本実施形態のガス流路監視装置30は、図10に示した第3の実施形態の構成において、微分積分手段13,14の代わりに、測定流量と測定圧力を時間領域の関数から周波数領域の関数に変換する周波数領域変換手段23,24を使用するものである。
これに伴い、脈動判定手段としては、微分値および積分値から脈動の有無を判定する脈動判定手段35の代わりに、周波数領域の関数から脈動の有無を判定する脈動判定手段45を使用している。なお、周波数領域変換手段23,24および脈動判定手段45は、一般的には、各種の電子回路またはコンピュータとこれらの手段23,24,45の機能を実現するために特化されたプログラムとの組み合わせにより実現可能である。また、ガス流路監視装置40の他の構成は、第3の実施形態のガス流路監視装置30と同様である。
[作用]
次に、以上のような構成を有する第4の実施形態のガス流路監視装置によるガス流路監視方法の手順について説明する。
まず、ガス流路に設けられたガス流量測定部11とガス圧力測定部12から、ガス流量とガス圧力の測定信号i(t),v(t)が、一定の周期で周波数領域変換手段23,24にそれぞれ与えられる点、および、周波数領域変換手段23,24で、フーリエ変換やウェーブレット変換により、それらの測定信号を時間領域の関数から周波数領域の関数に変換する点は、第2の実施形態のガス器具判別装置20と同様である。そして、例えば、前記式(2)によりフーリエ変換が行われ、周波数領域の関数I(ω),V(ω)が求められる点も、第2の実施形態のガス器具判別装置20と同様である。
本実施形態のガス流路監視装置40においては、脈動判定手段45により、周波数領域変換手段23,24から周波数領域の関数I(ω),V(ω)を受け取り、それらを用いて、予め設定された脈動判定用の判定式により脈動の有無を判定する。例えば、脈動判定手段45は、ω>0において、V(ω)、I(ω)、あるいはI2(ω)が一定値以上となった場合に、「脈動あり」と判定する。
このようにして脈動判定手段45で脈動の有無の判定結果が得られ、出力されると、この判定結果が、後段の出力手段17により、画面表示などの、人間系に対して判定結果を提示・通報できる形で出力される点は、第3の実施形態と同様である。
[効果]
以上のような第4の実施形態によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、ガス流路を流れるガスを電気回路に置き換えて回路モデル化し、この回路モデルに対して脈動判定用の判定式を予め設定しておき、この判定式に用いる回路モデル用の指標値を、ガス流量とガス圧力の測定信号から周波数解析法により取得することによって、取得した周波数領域の関数に基づき、脈動の有無を効率よく高精度に検出できる。
したがって、本実施形態によれば、第3の実施形態と同様に、脈動の有無を低コストで容易かつ正確に検出可能で、しかも、都市ガスだけでなくLPGなどの他のガスにも好適なガス流路監視装置および監視方法を提供することができる。
[第5の実施形態]
[構成]
図12は、本発明を適用した第5の実施形態に係るガス流路監視装置の構成を示す機能ブロック図である。この図12に示すように、本実施形態のガス流路監視装置50は、図10に示した第3の実施形態の構成において、脈動判定手段35の代わりに、回路モデル用の微分値および積分値から配管インピーダンス推定値を計算する配管インピーダンス推定手段55を使用するものである。
なお、微分積分手段13,14および配管インピーダンス推定手段55は、一般的には、各種の電子回路またはコンピュータとこれらの手段13,14,55の機能を実現するために特化されたプログラムとの組み合わせにより実現可能である。また、ガス流路監視装置50の他の構成は、第3の実施形態のガス流路監視装置30と同様である。
[作用]
次に、以上のような構成を有する第5の実施形態のガス流路監視装置によるガス流路監視方法の手順について説明する。
まず、ガス流路に設けられたガス流量測定部11とガス圧力測定部12から、ガス流量とガス圧力の測定信号i(t),v(t)が、一定の周期で微分積分手段13,14にそれぞれ与えられる点、および、微分積分手段13,14で、回路モデル用の微分値および積分値がそれぞれ求められる点は、第1の実施形態のガス器具判別装置10および第3の実施形態のガス流路監視装置30と同様である。
本実施形態のガス流路監視装置50においては、配管インピーダンス推定手段55により、微分積分手段13,14から微分値および積分値を受け取り、それらを用いて、予め設定された配管インピーダンス推定用の推定式により配管インピーダンスの推定値を計算する。
ここで、本実施形態のガス流路監視装置50は、特に、メータ設置時における配管インピーダンスの推定を意図している。メータ設置時に、上流側の弁を開くと、測定されるガス流量およびガス圧力は、図13の(a)(b)に示すように変化する。このため、配管インピーダンス推定手段55は、ガス流量iおよびガス圧力vの時系列データから、配管インピーダンス推定用の推定式として、次の式(4)を用いて、配管インピーダンスZ1を分解して示す値(R1,L1,C1)および供給配管インピーダンスZ0を分解して示す値(R0,L0,C0)を求める。
Figure 0004886468
このようにして配管インピーダンス推定手段55で配管インピーダンスの推定結果が得られ、出力されると、この推定結果は、後段の出力手段17により、画面表示などの、人間系に対して判定結果を提示・通報できる形で出力される。
[効果]
以上のような第5の実施形態によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、ガス流路を流れるガスを電気回路に置き換えて回路モデル化し、この回路モデルに対して配管インピーダンス推定用の推定式を予め設定しておき、この推定式に用いる回路モデル用の指標値を、ガス流量とガス圧力の測定信号から微分積分法により取得することによって、取得した微分値または積分値に基づき、配管インピーダンス推定値を数式計算で効率よく高精度に取得できる。
したがって、本実施形態によれば、配管インピーダンスの値を低コストで容易かつ正確に取得可能で、しかも、都市ガスだけでなくLPGなどの他のガスにも好適なガス流路監視装置および監視方法を提供することができる。また、本実施形態のガス流路監視装置50を、第1、第2の実施形態におけるガス器具判別装置10,20とデータ連携させるか、あるいは、構成を組み合わせてシステム化することにより、高精度の配管インピーダンス値を用いて、ガス器具の種別およびガス漏れの有無の判別をより高精度に実現可能である。
[第6の実施形態]
[構成]
図14は、本発明を適用した第6の実施形態に係るガス流路監視装置の構成を示す機能ブロック図である。この図14に示すように、本実施形態のガス流路監視装置60は、図12に示した第5の実施形態の構成において、微分積分手段13,14の代わりに、測定流量と測定圧力を時間領域の関数から周波数領域の関数に変換する周波数領域変換手段23,24を使用するものである。
これに伴い、配管インピーダンス推定手段としては、微分値および積分値から配管インピーダンス推定値を計算する配管インピーダンス推定手段55の代わりに、周波数領域の関数から配管インピーダンス推定値を計算する配管インピーダンス推定手段65を使用している。なお、周波数領域変換手段23,24および配管インピーダンス推定手段65は、一般的には、各種の電子回路またはコンピュータとこれらの手段23,24,65の機能を実現するために特化されたプログラムとの組み合わせにより実現可能である。また、ガス流路監視装置60の他の構成は、第5の実施形態のガス流路監視装置50と同様である。
[作用]
次に、以上のような構成を有する第6の実施形態のガス流路監視装置によるガス流路監視方法の手順について説明する。
まず、ガス流路に設けられたガス流量測定部11とガス圧力測定部12から、ガス流量とガス圧力の測定信号i(t),v(t)が、一定の周期で周波数領域変換手段23,24にそれぞれ与えられる点、および、周波数領域変換手段23,24で、フーリエ変換やウェーブレット変換により、それらの測定信号を時間領域の関数から周波数領域の関数に変換する点は、第2の実施形態のガス器具判別装置20および第4の実施形態のガス流路監視装置40と同様である。そして、例えば、前記式(2)によりフーリエ変換が行われ、周波数領域の関数I(ω),V(ω)が求められる点も、第2の実施形態のガス器具判別装置20および第4の実施形態のガス流路監視装置40と同様である。
本実施形態のガス流路監視装置60においては、配管インピーダンス推定手段65により、周波数領域変換手段23,24から周波数領域の関数I(ω),V(ω)を受け取り、それらを用いて、予め設定された配管インピーダンス推定用の推定式により配管インピーダンスの推定値を計算する。
ここで、本実施形態のガス流路監視装置60は、第5の実施形態と同様に、メータ設置時における配管インピーダンスの推定を意図している。前述したように、メータ設置時に、上流側の弁を開くと、測定されるガス流量およびガス圧力は、図13の(a)(b)に示すように変化する。このため、配管インピーダンス推定手段65は、周波数領域におけるガス流量Iとガス圧力Vの周波数データから、配管インピーダンス推定用の推定式として、次の式(5)を用いて、配管インピーダンスZ1を分解して示す値(R1,L1,C1)および供給配管インピーダンスZ0を分解して示す値(R0,L0,C0)を求める。
Figure 0004886468
このようにして配管インピーダンス推定手段65で配管インピーダンスの推定結果が得られ、出力されると、この推定結果が、後段の出力手段17により、画面表示などの、人間系に対して判定結果を提示・通報できる形で出力される点は、第5の実施形態と同様である。
[効果]
以上のような第6の実施形態によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、ガス流路を流れるガスを電気回路に置き換えて回路モデル化し、この回路モデルに対して配管インピーダンス推定用の推定式を予め設定しておき、この推定式に用いる回路モデル用の指標値を、ガス流量とガス圧力の測定信号から周波数解析法により取得することによって、取得した周波数領域の関数に基づき、配管インピーダンス推定値を数式計算で効率よく高精度に取得できる。
したがって、本実施形態によれば、第5の実施形態と同様に、配管インピーダンスの値を低コストで容易かつ正確に取得可能で、しかも、都市ガスだけでなくLPGなどの他のガスにも好適なガス流路監視装置および監視方法を提供することができる。また、第5の実施形態と同様に、本実施形態のガス流路監視装置60を、第1、第2の実施形態におけるガス器具判別装置10,20とデータ連携させるか、あるいは、構成を組み合わせてシステム化することにより、高精度の配管インピーダンス値を用いて、ガス器具の種別およびガス漏れの有無の判別をより高精度に実現可能である。
[第7の実施形態]
[構成]
図15は、本発明を適用した第7の実施形態に係るガス流路監視装置の構成を示す機能ブロック図である。この図15に示すように、本実施形態のガス流路監視装置70は、図12に示した第5の実施形態の構成において、配管インピーダンス推定手段55の代わりに、回路モデル用の微分値および積分値からガス漏れの有無を判定するガス漏れ判定手段75を使用するものである。
なお、微分積分手段13,14およびガス漏れ判定手段75は、一般的には、各種の電子回路またはコンピュータとこれらの手段13,14,75の機能を実現するために特化されたプログラムとの組み合わせにより実現可能である。また、ガス流路監視装置70の他の構成は、第5の実施形態のガス流路監視装置50と同様である。
[作用]
次に、以上のような構成を有する第7の実施形態のガス流路監視装置によるガス流路監視方法の手順について説明する。
まず、ガス流路に設けられたガス流量測定部11とガス圧力測定部12から、ガス流量とガス圧力の測定信号i(t),v(t)が、一定の周期で微分積分手段13,14にそれぞれ与えられる点、および、微分積分手段13,14で、回路モデル用の微分値および積分値がそれぞれ求められる点は、第1の実施形態のガス器具判別装置10、および第3、第5の実施形態のガス流路監視装置30,50と同様である。
本実施形態のガス流路監視装置70においては、ガス漏れ判定手段75により、微分積分手段13,14から微分値および積分値を受け取り、それらを用いて、予め設定されたガス漏れ判定用の判定式によりガス漏れの有無を判定する。
ここで、本実施形態のガス流路監視装置70は、特に、メータ設置時におけるガス漏れの有無の判定を意図している。メータ設置時に、上流側の弁を開くと、測定されるガス流量およびガス圧力は、図16の(a)(b)に示すように変化する。このため、ガス漏れ判定手段75は、ガス流量iおよびガス圧力vの時系列データから、ガス漏れ判定用の判定式として、次の式(6−1)、(6−2)、(6−3)を用いて、ガス漏れの有無を判定する。
Figure 0004886468
まず、図16中において、ガス流量iの立ち上がり部分である区間T1では、式(6−2)から配管インピーダンス(R1,L1,C1)の推定値を計算する。なお、この区間T1では、ガス漏れi2はほぼゼロであると仮定する。そして、図16中における区間T2では、式(6−3)からガス漏れi2の推定値を計算する。そして、ガス漏れi2が、一定値以上である場合に、「ガス漏れあり」と判定する。
このようにしてガス漏れ判定手段75でガス漏れの有無の判定結果が得られ、出力されると、この判定結果は、後段の出力手段17により、画面表示などの、人間系に対して判定結果を提示・通報できる形で出力される。特に、ガス漏れありと判定した場合には、音声による警告メッセージや警報などを含めた出力が行われると同時に、ガスを遮断するための制御信号が出力され、ガス供給が遮断される。
[効果]
以上のような第7の実施形態によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、ガス流路を流れるガスを電気回路に置き換えて回路モデル化し、この回路モデルに対して配管インピーダンス推定用の推定式を予め設定しておき、この推定式に用いる回路モデル用の指標値を、ガス流量とガス圧力の測定信号から微分積分法により取得することによって、取得した微分値または積分値に基づき、配管のガス漏れの有無を数式計算で効率よく高精度に検出できる。
したがって、本実施形態によれば、配管のガス漏れの有無を低コストで容易かつ正確に検出可能で、しかも、都市ガスだけでなくLPGなどの他のガスにも好適なガス流路監視装置および監視方法を提供することができる。
[第8の実施形態]
[構成]
図17は、本発明を適用した第8の実施形態に係るガス流路監視装置の構成を示す機能ブロック図である。この図17に示すように、本実施形態のガス流路監視装置80は、図15に示した第7の実施形態の構成において、微分積分手段13,14の代わりに、測定流量と測定圧力を時間領域の関数から周波数領域の関数に変換する周波数領域変換手段23,24を使用するものである。
これに伴い、ガス漏れ判定手段としては、微分値および積分値からガス漏れの有無を判定するガス漏れ判定手段75の代わりに、周波数領域の関数からガス漏れの有無を判定するガス漏れ判定手段85を使用している。なお、周波数領域変換手段23,24およびガス漏れ判定手段85は、一般的には、各種の電子回路またはコンピュータとこれらの手段23,24,85の機能を実現するために特化されたプログラムとの組み合わせにより実現可能である。また、ガス流路監視装置80の他の構成は、第7の実施形態のガス流路監視装置70と同様である。
[作用]
次に、以上のような構成を有する第8の実施形態のガス流路監視装置によるガス流路監視方法の手順について説明する。
まず、ガス流路に設けられたガス流量測定部11とガス圧力測定部12から、ガス流量とガス圧力の測定信号i(t),v(t)が、一定の周期で周波数領域変換手段23,24にそれぞれ与えられる点、および、周波数領域変換手段23,24で、フーリエ変換やウェーブレット変換により、それらの測定信号を時間領域の関数から周波数領域の関数に変換する点は、第2の実施形態のガス器具判別装置20、および第4、第6の実施形態のガス流路監視装置40,60と同様である。そして、例えば、前記式(2)によりフーリエ変換が行われ、周波数領域の関数I(ω),V(ω)が求められる点も、第2の実施形態のガス器具判別装置20、および第4、第6の実施形態のガス流路監視装置40,60と同様である。
本実施形態のガス流路監視装置80においては、ガス漏れ判定手段85により、周波数領域変換手段23,24から周波数領域の関数I(ω),V(ω)を受け取り、それらを用いて、予め設定されたガス漏れ判定用の判定式によりガス漏れの有無を判定する。
ここで、本実施形態のガス流路監視装置80は、第7の実施形態と同様に、メータ設置時におけるガス漏れの有無の判定を意図している。前述したように、メータ設置時に、上流側の弁を開くと、測定されるガス流量およびガス圧力は、図16の(a)(b)に示すように変化する。このため、ガス漏れ判定手段85は、周波数領域におけるガス流量Iおよびガス圧力Vの周波数データから、ガス漏れ判定用の判定式として、次の式(7−1)、(7−2)、(7−3)を用いて、ガス漏れの有無を判定する。
Figure 0004886468
まず、図16中において、ガス流量iの立ち上がり部分である区間T1では、時間領域のガス流量iとガス圧力vを周波数領域に変換したガス流量Iおよびガス圧力Vの周波数データを用いて、式(7−2)から配管インピーダンス(R1,L1,C1)の推定値を計算する。なお、この区間T1では、ガス漏れi2はほぼゼロであると仮定する。そして、図16中における区間T2では、時間領域のガス流量iとガス圧力vを周波数領域に変換したガス流量Iおよびガス圧力Vの周波数データを用いて、式(7−3)からガス漏れi2の推定値を計算する。そして、ガス漏れi2が、一定値以上である場合に、「ガス漏れあり」と判定する。
このようにしてガス漏れ判定手段85でガス漏れの有無の判定結果が得られ、出力されると、この判定結果が、後段の出力手段17により、画面表示などの、人間系に対して判定結果を提示・通報できる形で出力される点、および、ガス漏れありと判定した場合に、音声による警告メッセージや警報などを含めた出力が行われると同時に、ガスを遮断するための制御信号が出力され、ガス供給が遮断される点は、第7の実施形態と同様である。
[効果]
以上のような第8の実施形態によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、ガス流路を流れるガスを電気回路に置き換えて回路モデル化し、この回路モデルに対して配管インピーダンス推定用の推定式を予め設定しておき、この推定式に用いる回路モデル用の指標値を、ガス流量とガス圧力の測定信号から周波数解析法により取得することによって、取得した周波数領域の関数に基づき、配管のガス漏れの有無を数式計算で効率よく高精度に検出できる。
したがって、本実施形態によれば、第7の実施形態と同様に、配管のガス漏れの有無を低コストで容易かつ正確に検出可能で、しかも、都市ガスだけでなくLPGなどの他のガスにも好適なガス流路監視装置および監視方法を提供することができる。
[第9の実施形態]
[構成]
図18は、本発明を適用した第9の実施形態に係るガス流路監視装置の構成を示す機能ブロック図である。この図18に示すように、本実施形態のガス流路監視装置90は、図15に示した第7の実施形態の構成において、ガス漏れ判定手段75の代わりに、回路モデル用の微分値および積分値からガス漏れ位置を推定するガス漏れ位置推定手段95を使用するものである。
なお、微分積分手段13,14およびガス漏れ位置推定手段95は、一般的には、各種の電子回路またはコンピュータとこれらの手段13,14,95の機能を実現するために特化されたプログラムとの組み合わせにより実現可能である。また、ガス流路監視装置90の他の構成は、第7の実施形態のガス流路監視装置70と同様である。
[作用]
次に、以上のような構成を有する第9の実施形態のガス流路監視装置によるガス流路監視方法の手順について説明する。
まず、ガス流路に設けられたガス流量測定部11とガス圧力測定部12から、ガス流量とガス圧力の測定信号i(t),v(t)が、一定の周期で微分積分手段13,14にそれぞれ与えられる点、および、微分積分手段13,14で、回路モデル用の微分値および積分値がそれぞれ求められる点は、第1の実施形態のガス器具判別装置10、および第3、第5、第7の実施形態のガス流路監視装置30,50,70と同様である。
本実施形態のガス流路監視装置90においては、ガス漏れ位置推定手段95により、微分積分手段13,14から微分値および積分値を受け取り、それらを用いて、予め設定されたガス漏れ位置推定用の推定式によりガス漏れ位置を推定する。ガス漏れ位置推定手段95は、具体的には、脈動などによって生じる圧力波の漏れ位置までの往復時間と音速から、ガス漏れ位置を計算する。
図19は、このようなガス漏れ位置の算出方法の原理を説明する模式図である。この図19において、ガス供給源での脈動などにより、ガスメータでのガス流量iとガス圧力vが変化すると、配管内を圧力波が進行する。この場合に、配管の途中にガス漏れがあると、その部分で配管の特性インピーダンスZ1が不整合となり、この不整合部分で圧力波の反射が生じる。この場合、脈動によるガス流量iとガス圧力vの変化時刻から、反射波によるガス流量iとガス圧力vの変化時刻までの時間と、ガス中の音速から、ガス漏れ位置を推定できる。
図20は、メータ位置からガス漏れ位置まで圧力波が進行する際のガス流量iとガス圧力vを示す図であり、図21は、圧力波が往復する際のガス流量iとガス圧力vについて、メータから出て行く圧力波の波形と、メータに戻る圧力波の波形をそれぞれ示す図である。
この図21に示すように、メータを圧力波が通過する場合には、ガス流量iとガス圧力vはこのように変化すると考えられる。この場合、メータに対する圧力波の方向に応じて、ガス流量iとガス圧力vの位相関係が異なる。
より詳細に説明すれば、ガス流量iとガス圧力vの位相は、配管の有する特性インピーダンス(インダクタンス分、容量分)によりずれを生じる。供給側から圧力波が進行する場合は、メータに圧力波が入る際に、この圧力波に押されてガス流量はプラスになり、圧力波が通過した後は、通過した圧力波に押されて、ガス流量はマイナスになる。これに対して、ガス漏れ側からの反射波として圧力波が戻る場合には、メータにこの圧力波が入る際に、この圧力波に押されてガス流量はマイナスになり、圧力波が通過した後は、通過した圧力波に押されて、ガス流量はプラスになる。
以上のような圧力波の往復と、ガス流量とガス圧力の位相関係を利用して、ガス漏れ位置推定手段95は、次の手順でガス漏れ位置を計算する。
まず、供給源の脈動などによって生じる圧力波の、メータからガス漏れ位置までの往復時間を測定する。この場合に、メータから出て行く圧力波と、メータに反射波として戻る圧力波は、ガス流量iとガス圧力vの位相に基づいて区別する。そして、求めた往復時間と音速から、ガス漏れ位置を計算する。
なお、圧力波の往復時間は、通常の場合、1秒以下と短いが、脈動の周期はそれよりも長く、間欠的な脈動の場合には数十秒程度の周期となることもある。このような場合には、上記手法により、往復時間を高精度に求めることができるため、ガス漏れ位置を高精度の特定可能である。これに対して、脈動の周期が、圧力波の往復時間より短い場合には、上記の手法を適用できないが、信号の相関などを調べることにより、往復時間を取得できるため、往復時間と音速から、同様にガス漏れ位置を計算することができる。
また、音速の計測は、既存の技術を適宜使用して実現可能であるが、普及している超音波流量計の場合には、流量計測と同時に音速も計測しているため、その計測値をそのまま活用することができる。
[効果]
以上のような第9の実施形態によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、ガス流路を流れるガスを電気回路に置き換えて回路モデル化し、この回路モデルに対してガス漏れ位置推定用の推定式を予め設定しておき、この推定式に用いる回路モデル用の指標値を、ガス流量とガス圧力の測定信号から微分積分法により取得することによって、取得した微分値または積分値に基づき、配管のガス漏れ位置を数式計算で効率よく高精度に特定できる。
したがって、本実施形態によれば、配管のガス漏れ位置を低コストで容易かつ正確に特定可能で、しかも、都市ガスだけでなくLPGなどの他のガスにも好適なガス流路監視装置および監視方法を提供することができる。
[第10の実施形態]
図22は、本発明を適用した第10の実施形態に係るガス器具判別システムの構成を示す機能ブロック図である。この図22に示すように、本実施形態のガス器具判別システム100は、第1の実施形態のガス器具判別装置10と、第3、第5、第7、第9の実施形態のガス流路監視装置30,50,70,90を組み合わせてシステム化したものである。
このガス器具判別システム100においては、各実施形態における共通の構成要素であったガス流量測定部11、ガス圧力測定部12、微分積分手段13,14と、出力手段17の間に、各実施形態装置の特徴的な手段、すなわち、出力抵抗推定手段15、器具判別手段16、脈動判定手段35、配管インピーダンス推定手段55、ガス漏れ判定手段75、ガス漏れ位置推定手段95を、並列的に組み込むことで、無駄のない合理的な構成を実現している。また、それらの特徴的な手段によって処理された個々の処理結果を保存および管理して出力手段17から適切に出力するための管理手段101が追加的に設けられている。
このような構成を有する本実施形態のガス器具判別システム100によれば、第1、第3、第5、第7、第9の実施形態と同様の効果が得られる。
[他の実施形態]
なお、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で、他にも多種多様な変形例が可能である。例えば、第10の実施形態では、第1、第3、第5、第7、第9の実施形態を組み合わせてシステム化した場合について説明したが、前記実施形態の組み合わせはこれに限らず、自由に選択してシステム化可能である。
本発明の適用対象となるガス流路の構成を示す模式図。 図1に示すガス流路を電気回路に置き換えた回路モデルの一例を示す図。 本発明を適用した第1の実施形態に係るガス器具判別装置の構成を示す機能ブロック図。 第1の実施形態における一つの器具判別方式を示す図であり、(a)はガス漏れの変動パターン、(b)はガバナなし器具の変動パターン、(c)はガバナ付き器具の変動パターンを示す図。 第1の実施形態における別の器具判別方式を示す図。 (a)(b)は、図5の器具判別方式において使用する具体的なガス器具の領域パターンとして、床暖房の領域およびコンロの領域パターンをそれぞれ示す図。 (a)(b)は、第1の実施形態における別の器具判別方式において使用する具体的なガス器具の領域パターンとして、床暖房の領域およびコンロの領域パターンをそれぞれ示す図。 本発明を適用した第2の実施形態に係るガス器具判別装置の構成を示す機能ブロック図。 第2の実施形態における一つの器具判別方式を示す図であり、(a)はガス漏れの周波数特性、(b)は非出力制御型器具の周波数特性、(c)は出力制御型器具の周波数特性を示す図。 本発明を適用した第3の実施形態に係るガス流路監視装置の構成を示す機能ブロック図。 本発明を適用した第4の実施形態に係るガス流路監視装置の構成を示す機能ブロック図。 本発明を適用した第5の実施形態に係るガス流路監視装置の構成を示す機能ブロック図。 (a)(b)は、メータ設置時に上流側の弁を開いた場合に測定されるガス流量およびガス圧力の変化を示す図。 本発明を適用した第6の実施形態に係るガス流路監視装置の構成を示す機能ブロック図。 本発明を適用した第7の実施形態に係るガス流路監視装置の構成を示す機能ブロック図。 (a)(b)は、メータ設置時に上流側の弁を開いた場合に測定されるガス流量およびガス圧力の変化と判定対象区間を示す図。 本発明を適用した第8の実施形態に係るガス流路監視装置の構成を示す機能ブロック図。 本発明を適用した第9の実施形態に係るガス流路監視装置の構成を示す機能ブロック図。 第9の実施形態におけるガス漏れ位置の算出方法の原理を説明する模式図。 メータ位置からガス漏れ位置まで圧力波が進行する際のガス流量とガス圧力を示す図。 圧力波が往復する際のガス流量とガス圧力について、メータから出て行く圧力波の波形と、メータに戻る圧力波の波形をそれぞれ示す図。 本発明を適用した第10の実施形態に係るガス器具判別システムの構成を示す機能ブロック図。 従来の安全継続使用時間オーバ時の判定に使用される制限時間設定値を示す図。
符号の説明
10,20…ガス器具判別装置
11…ガス流量測定部
12…ガス圧力測定部
13,14…微分積分手段
15,25…出力抵抗推定手段
16,26…器具判別手段
17…出力手段
23,24…周波数領域変換手段
30,40,50,60,70,80,90…ガス流路監視装置
35,45…脈動判定手段
55,65…配管インピーダンス推定手段
75,85…ガス漏れ判定手段
95…ガス漏れ位置推定手段
100…ガス器具判別システム
101…管理手段

Claims (17)

  1. ガス流路に設けられたガス流量測定部とガス圧力測定部と、
    これらのガス流量測定部とガス圧力測定部の測定信号から、微分積分法または周波数解析法により回路モデル用の指標値を取得する測定信号解析手段と、
    前記ガス流路を流れるガスを電気回路に置き換えた回路モデルと、この回路モデルに対して予め設定された出力抵抗推定用の推定式を用いて、前記測定信号解析手段で得られた回路モデル用の指標値から出力抵抗推定値を計算する出力抵抗推定手段と、
    この出力抵抗推定手段で得られた出力抵抗推定値に基づき、前記ガス流路に接続された供給先のガス器具の種別およびガス漏れの有無を判別して、判別結果を出力する器具判別手段
    を有することを特徴とするガス器具判別装置。
  2. 前記測定信号解析手段は、微分積分法により回路モデル用の微分値または積分値を計算する微分積分手段を含み、
    前記器具判別手段は、前記出力抵抗推定手段で得られた出力抵抗推定値の時間軸上における変動パターンに基づき、ガス器具の種別およびガス漏れの有無を判別するように構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のガス器具判別装置。
  3. 前記器具判別手段は、前記出力抵抗推定手段で得られた出力抵抗推定値の逆数の時間軸上における変動パターンに基づき、所定時間以上変化がない場合にガス漏れと判定し、非連続的な増減により階段状に変化する場合にガバナなし器具と判別し、連続的な増減により曲線波形状に変化する場合にガバナ付き器具と判別するように構成されている
    ことを特徴とする請求項2に記載のガス器具判別装置。
  4. 前記測定信号解析手段は、微分積分法により回路モデル用の微分値または積分値を計算する微分積分手段を含み、
    前記器具判別手段は、前記出力抵抗推定手段で得られた出力抵抗推定値の逆数および出力抵抗推定値の逆数の微分値を判定空間とし、その領域からガス器具の種別およびガス漏れの有無を判別するように構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のガス器具判別装置。
  5. 前記測定信号解析手段は、微分積分法により回路モデル用の微分値または積分値を計算する微分積分手段を含み、
    前記器具判別手段は、前記ガス流量測定部で得られた測定流量および前記出力抵抗推定手段で得られた出力抵抗推定値の逆数の微分値を判定空間として、その領域からガス器具の種別およびガス漏れの有無を判別するように構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のガス器具判別装置。
  6. 前記測定信号解析手段は、周波数解析法により測定信号を時間領域の関数から周波数領域の関数に変換する周波数領域変換手段を含み、
    前記器具判別手段は、前記出力抵抗推定手段で得られた出力抵抗推定値の周波数特性に基づき、ガス器具の種別およびガス漏れの有無を判別するように構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のガス器具判別装置。
  7. 前記器具判別手段は、前記出力抵抗推定手段で得られた出力抵抗推定値の逆数の周波数軸上における成分分布パターンに基づき、高周波成分がない場合にガス漏れと判定し、高周波成分が予め設定された基準レベル以上である場合に手動出力操作のみの非出力制御型器具と判別し、高周波成分が前記基準レベル以下である場合に出力制御型器具と判別するように構成されている
    ことを特徴とする請求項6に記載のガス器具判別装置。
  8. ガス流路に設けられたガス流量測定部とガス圧力測定部と、
    これらのガス流量測定部とガス圧力測定部の測定信号から、微分積分法または周波数解析法により回路モデル用の指標値を取得する測定信号解析手段と、
    前記ガス流路を流れるガスを電気回路に置き換えた回路モデルと、この回路モデルに対して予め設定された脈動判定用の判定式を用いて、前記測定信号解析手段で得られた回路モデル用の指標値から脈動の有無を判定して、判定結果を出力する脈動判定手段
    を有することを特徴とするガス流路監視装置。
  9. ガス流路に設けられたガス流量測定部とガス圧力測定部と、
    これらのガス流量測定部とガス圧力測定部の測定信号から、微分積分法または周波数解析法により回路モデル用の指標値を取得する測定信号解析手段と、
    前記ガス流路を流れるガスを電気回路に置き換えた回路モデルと、この回路モデルに対して予め設定された配管インピーダンス推定用の推定式を用いて、前記測定信号解析手段で得られた回路モデル用の指標値から配管インピーダンス推定値を計算して、計算結果を出力する配管インピーダンス推定手段
    を有することを特徴とするガス流路監視装置。
  10. ガス流路に設けられたガス流量測定部とガス圧力測定部と、
    これらのガス流量測定部とガス圧力測定部の測定信号から、微分積分法または周波数解析法により回路モデル用の指標値を取得する測定信号解析手段と、
    前記ガス流路を流れるガスを電気回路に置き換えた回路モデルと、この回路モデルに対して予め設定されたガス漏れ判定用の判定式を用いて、前記測定信号解析手段で得られた回路モデル用の指標値からガス漏れの有無を判定して、判定結果を出力するガス漏れ判定手段
    を有することを特徴とするガス流路監視装置。
  11. ガス流路に設けられたガス流量測定部とガス圧力測定部と、
    これらのガス流量測定部とガス圧力測定部の測定信号から、微分積分法により回路モデル用の指標値となる微分値または積分値を計算する微分積分手段と、
    前記ガス流路を流れるガスを電気回路に置き換えた回路モデルと、この回路モデルに対して予め設定されたガス漏れ位置推定用の推定式を用いて、前記測定信号解析手段で得られた回路モデル用の指標値からガス漏れ位置を推定して、推定結果を出力するガス漏れ位置推定手段
    を有することを特徴とするガス流路監視装置。
  12. ガス流路に接続された供給先のガス器具の種別およびガス漏れの有無を判別するガス器具判別システムにおいて、
    請求項1乃至請求項7に記載のガス器具判別装置の中から選択されたガス器具判別装置と、請求項8乃至請求項11に記載のガス流路監視装置の中から選択された1つ以上のガス流路監視装置を組み合わせたことを特徴とするガス器具判別システム。
  13. ガス流路を流れるガス流量とガス圧力を測定する測定ステップと、
    この測定ステップで得られたガス流量とガス圧力の測定信号から、微分積分法または周波数解析法により回路モデル用の指標値を取得する測定信号解析ステップと、
    前記ガス流路を流れるガスを電気回路に置き換えた回路モデルと、この回路モデルに対して予め設定された出力抵抗推定用の推定式を用いて、前記測定信号解析ステップで得られた回路モデル用の指標値から出力抵抗推定値を計算する出力抵抗推定ステップと、
    この出力抵抗推定ステップで得られた出力抵抗推定値に基づき、前記ガス流路に接続された供給先のガス器具の種別およびガス漏れの有無を判別して、判別結果を出力する器具判別ステップ
    を有することを特徴とするガス器具判別方法。
  14. ガス流路を流れるガス流量とガス圧力を測定する測定ステップと、
    この測定ステップで得られたガス流量とガス圧力の測定信号から、微分積分法または周波数解析法により回路モデル用の指標値を取得する測定信号解析ステップと、
    前記ガス流路を流れるガスを電気回路に置き換えた回路モデルと、この回路モデルに対して予め設定された脈動判定用の判定式を用いて、前記測定信号解析ステップで得られた回路モデル用の指標値から脈動の有無を判定して、判定結果を出力する脈動判定ステップ
    を有することを特徴とするガス流路監視方法。
  15. ガス流路を流れるガス流量とガス圧力を測定する測定ステップと、
    この測定ステップで得られたガス流量とガス圧力の測定信号から、微分積分法または周波数解析法により回路モデル用の指標値を取得する測定信号解析ステップと、
    前記ガス流路を流れるガスを電気回路に置き換えた回路モデルと、この回路モデルに対して予め設定された配管インピーダンス推定用の推定式を用いて、前記測定信号解析ステップで得られた回路モデル用の指標値から配管インピーダンス推定値を計算して、計算結果を出力する配管インピーダンス推定ステップ
    を有することを特徴とするガス流路監視方法。
  16. ガス流路を流れるガス流量とガス圧力を測定する測定ステップと、
    この測定ステップで得られたガス流量とガス圧力の測定信号から、微分積分法または周波数解析法により回路モデル用の指標値を取得する測定信号解析ステップと、
    前記ガス流路を流れるガスを電気回路に置き換えた回路モデルと、この回路モデルに対して予め設定されたガス漏れ判定用の判定式を用いて、前記測定信号解析ステップで得られた回路モデル用の指標値からガス漏れの有無を判定して、判定結果を出力するガス漏れ判定ステップ
    を有することを特徴とするガス流路監視方法。
  17. ガス流路を流れるガス流量とガス圧力を測定する測定ステップと、
    この測定ステップで得られたガス流量とガス圧力の測定信号から、微分積分法により回路モデル用の指標値となる微分値または積分値を計算する微分積分ステップと、
    前記ガス流路を流れるガスを電気回路に置き換えた回路モデルと、この回路モデルに対して予め設定されたガス漏れ位置推定用の推定式を用いて、前記測定信号解析ステップで得られた回路モデル用の指標値からガス漏れ位置を推定して、推定結果を出力するガス漏れ位置推定ステップ
    を有することを特徴とするガス流路監視方法。
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