JP2009216712A - 流量計測装置および流量計測方法 - Google Patents

流量計測装置および流量計測方法 Download PDF

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Abstract

【課題】流量情報からガス器具を判別する場合、器具特有の流量特性を利用して行うことが一般的であるが、その特徴的な流量特性も器具毎に異なる場合があり、1つの流量特性を用いてガス器具を判別すると誤判定を生ずる恐れがあり、また、経年変化により、変化することもある。このような変化を考慮しないと誤判定を生ずる可能性がある。
【解決手段】流量計測装置は、流路に流れる流体の流量を計測する流量計測部と、前記流量計測部で計測された計測流量値と、当該計測流量値を計測した計測時間が対応付けられて記述された対象データを記憶する流量情報記憶部と、前記流量情報記憶部に記憶された第1の対象データを基準データとし、第2の対象データの計測流量値と、前記基準データの流量値との間の関連性を示す相関係数及び前記基準データの流量値に基づき、前記第2の対象データを各基準データ毎のグループに分類分けする対象データ分類部と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、予め登録された流量情報と計測された流量情報を比較し、計測された流量情報をグループ毎に分類するための技術に関する。
従来、この種の流量計測装置は、図10に示すように、ガス流路に流れるガス流量を計測するガス流量計測手段1と、この計測結果より流量の増加を検出する流量増加検出手段2と、この流量増加に伴うガス流量の瞬時増減変化を検出する流量増減検出手段3と、前記瞬時増減変化検出時に新たなガス燃焼器具の使用開始を判定する器具判定手段4と、前記流量増加検出手段で検出されたガス流量の増加分を、前記新たなガス燃焼器具の使用開始に伴うガス流量の増加分として登録する流量登録手段5とを備えていた(例えば、特許文献1参照)。
上記構成によって、新たにガス燃焼器具の使用を開始した場合にガス流量は瞬時に増減変化して安定したガス流量になる事に着目し、増減変化を判定時に新たなガス燃焼器具の使用開始を判定することで、簡易な方法で新たなガス燃焼器具の使用開始を判定し、新たなガス燃焼器具の使用によるガス増加分を登録することができるものである。
しかしながら、前記従来の構成では、流量の増加が同じ器具の使用によるものなのか、新たなガス燃焼器具の使用によるものなのか分からないという課題があった。
この点を解決するため、図11に示す流量計測装置は、流路6に流れる流量を計測する流量計測部としての超音波流量計7と、前記超音波流量計7の流量値と時間情報を記憶する計測流量記憶部8と、一定時間の間に計測された計測流量情報を器具流量情報として登録する学習器具登録手段21と、前記計測流量情報を登録記憶する器具流量情報記憶部22とを備え、前記計測流量記憶部8の計測流量情報と器具流量情報記憶部22の器具流量情報とを比較して器具を判別する器具判別手段11とを備えたものである。ここで、12は台数判別手段、13から15はガス器具、16は流量計測装置としてのガスメータ、17は流路遮断弁、18は操作部、19はガス管路、20は器具別流量算出手段である(特許文献2参照)。
上記流量計測装置によれば、計測された計測流量情報を記憶登録し、複数の器具の使用状況を判別することができるとともに、あらかじめどんな種類の器具(給湯器やガステーブルなど)であるかを登録しておけば、使用される器具も特定することができる。
特開2002−174542号公報 特開2007−024750号公報
しかしながら、上記の構成においては、器具の登録を行なうため、計測された流量情報に基づき、器具を判別するための具体的な処理が明示されていない。
また、流量情報からガス器具を判別する場合、器具特有の流量特性を利用して行うことが一般的であるが、その特徴的な流量特性も器具毎に異なる場合があり、1つの流量特性を用いてガス器具を判別すると誤判定を生ずる恐れがあり、また、ガス器具の流量は経年変化等の要因により、変化することが考えられる。このような変化を考慮せず判別を続行した場合、誤判定を生ずる可能性がある。
また、さまざまな器具が流通しており、新規な製品も増え続けており、各器具に対する登録データを全て保持していくのは困難であり、家庭ごとに流量計測結果を判定しようとすると、使用するデータ量にも限りがあり、より高精度の判定を行う必要がある場合には限界があった。
本発明は、前述した課題を解決するためになされたもので、その目的は、予め登録された流量情報と計測された流量情報を比較し、計測された流量情報をグループ毎に分類して、起動したガス器具を、常に正確に判定できる流体計測装置を提供することにある。
また本発明は、常に、より高精度の流量判定が可能な流量計測システムを提供することを目的とする。
本発明の流量計測装置は、流路に流れる流体の流量を計測する流量計測部と、前記流量計測部で計測された計測流量値と、当該計測流量値を計測した計測時間が対応付けられて記述された対象データを記憶する流量情報記憶部と、前記流量情報記憶部に記憶された第1の対象データを基準データとし、第2の対象データの計測流量値と、前記基準データの流量値との間の関連性を示す相関係数及び前記基準データの流量値に基づき、前記第2の対象データを各基準データ毎のグループに分類分けする対象データ分類部と、を備える。
本発明によれば、計測された計測流量値に基づき、使用器具を流量特性の観点から分類することが可能となる。従って、流量計測装置に、使用器具を判別する学習機能の如き応用展開機能を付与するための前提となる機能を付加することも可能となる。
さらに本発明の流量計測装置は、流路に流れる流体の流量を計測する流量計測部と、前記流量計測部で計測された計測流量値と、当該計測流量値を計測した計測時間が対応付けられて記述された対象データを記憶する流量情報記憶部と、前記流量情報記憶部に記憶された第1の対象データを基準データとし、第2の対象データの複数の計測流量値と、当該複数の計測流量値の計測時間に対応した前記基準データの複数の流量値との間の関連性を示す複数の相関係数及び前記基準データの流量値に基づき、前記第2の対象データを各基準データ毎のグループに分類分けする対象データ分類部と、を備える。
本発明によれば、計測された計測流量値に基づき、使用器具を流量特性の観点から分類することが可能となる。従って、流量計測装置に、使用器具を判別する学習機能の如き応用展開機能を付与するための前提となる機能を付加することも可能となる。また、使用器具をより正確に、きめ細かく分類することが可能となる。
さらに本発明は、上記流量計測装置によって実行される流量計測方法、及び流量計測装置を制御するコンピュータに、流量計側方法を実行させるプログラムをも提供する。
本発明によれば、新たに使用を開始するガス器具の分類分けに対応した学習機能を付加することができ、計測された計測流量値に基づき、使用器具を流量特性の観点から分類、判別することが可能となる。
本発明の実施形態における流量計測装置のブロック図 本発明の種々の実施形態において使用する基準データ、対象データ、相関係数を示す概念図 基準データと対象データの関係を示すグラフ 第1の実施形態において、対象データを二つの基準データのグループに分類する概念を示す概念図 第1の実施形態において、対象データを三つの基準データのグループに分類する概念を示す概念図 第2の実施形態において、対象データを七つの基準データのグループに分類する概念を示す概念図 基準データと対象データの関係を示すグラフ 基準データと対象データの関係を示すグラフ 基準データと対象データの関係を示すグラフ 従来の流量計測装置のブロック図 従来の他の流量計測装置のブロック図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態における流量計測装置としてのガスメータ16のブロック図を示すものである。
図1においてガスメータ16は、流路6と、超音波流量計7と、計測流量情報記憶部8と、対象データ分類部9と、基準データグループ記憶部10と、器具判別手段11とを備えたものである。さらにガスメータ16は、メータ設置業者等が入力するための入力部18、流路6に配置され、緊急時などにガスを遮断する流路遮断弁17、器具別流量算出手段20を含む。
超音波流量計7は、流路6に流れる流体としてのガスに対し、超音波を発射してその流量を計測するものであり、一般的なものを使用することができる。計測流量情報記憶部8は、超音波流量計7で計測された計測流量値と、当該計測流量値を計測した計測時間が対応付けられて記述された対象データを記憶する。
対象データ分類部9は、後述するように、計測流量情報記憶部8に記憶された対象データを、基準データグループ記憶部10に記憶した、複数のグループ(基準データグループ)のいずれかに分類するものである(グルーピングを行なう)。
基準データグループ記憶部10は、上述したように、基準データ毎に分類された複数のグループ(基準データグループ)を記憶する。基準データの種類が多いほどグループの数は多くなり(細かいグルーピング)、基準データの種類が少ないほどグループの数は少なくなる(粗いグルーピング)。また、一つのグループには同種のガス器具が分類される場合の他、同型番のガス器具のみが分類される場合もある。一方、一つのグループに異なる種類のガス器具(ファンヒータと床暖房など)が分類される場合もある。いずれにせよ、一つのグループにはガスの流量値(計測時間ごとの流量値)の見地から、所定の関連性(類似性)をもつガス器具が分類される。
器具判別手段11は、基準データグループのガス器具が、特定のガス器具(種類または型番)に判別可能な場合に、当該ガス器具を判別する。器具別流量算出手段20は、器具判別手段11により判別されたガス器具毎の流量を算出する。また、ガスメータ16は上流側においてガス管路19に接続されるとともに、下流側にてガステーブル、ファンヒータ、床暖房等、種々のガス器具13,14,15に接続されている。
以上のように構成された流量計測装置について、以下その動作、作用を、特に対象データ分類部9の動作、作用を中心として説明する。
例えば、超音波流量計7で計測した流量が、ゼロ流量から、所定流量の変化があった時、器具が1台動作したと判別する。そして、計測流量情報記憶部8は、この時の計測流量の時間変化を計測流量値として記憶を開始する。すなわち、計測流量情報記憶部8は、所定の計測時間間隔(例えば2秒間など)で計測された流量値を変化があった時を起点とする計測時間と対応付け、対象データとして記憶する。
図2は、計測流量記憶部8、対象データ分類部9、基準データグループ記憶部10の各々に記憶されたデータを、表形式で説明したものである。「時間」は、いわゆる計測時間を示し、t(0),t(1),t(2)・・・の間隔は、例えば2秒間隔で設定される。そして、この計測時間と「対象データ」の「流量(計測流量値)」が対応付けられ、一旦計測流量情報記憶部8に記憶される。さらに、この計測時間と「基準データ」の「流量(流量値)」が対応付けられ、基準データグループ記憶部10に記憶されている。この例では一つの基準データグループ(Q(0)〜Q(5))が示されているが、実際には複数のグループが基準データグループ記憶部10に記憶されている。
基準データグループの一つないし複数は、予め一種のデフォルトとして基準データグループ記憶部10に記憶させておいても良いが、対象データ分類部9が自動的に作成するようにしても良い。すなわち、対象データ分類部9は、新しく計測され、取得された対象データが、予め基準データグループ記憶部10に記憶された既存の基準データのいずれに対しても所定の要件を満たさない場合(所定の関連性が得られない場合;後述する相関係数が要件を満たさない場合)、対象データ分類部9は、新しく取得された対象データを基準データとして認定する。この場合の対象データは第1の対象データである。そして、対象データ分類部9は、当該対象データを基準データとして基準データグループ記憶部10に記憶させる。
一方、新しく計測され、取得された対象データが、予め基準データグループ記憶部10に記憶された既存の基準データのいずれかに対し所定の要件を満たす場合(所定の関連性が得られた場合;後述する相関係数が要件を満たす場合)、対象データ分類部9は、新しく取得された対象データを、要件を満たした基準データのグループ(基準データグループ)に自動的に分類する。この場合の対象データは第2の対象データである。
図3は、基準データと対象データの一例をグラフで示したものである。上述したように、本発明の流量計測装置は、取得された対象データが既存の基準データと関連性を有する場合に(図3では二つのグラフが関連性を有する場合)、基準データのガス器具と同様の流量特性をもつガス器具(同種、同型番の器具には限定されない)が使用されたとして、同様の流量特性をもつガス器具毎にガス器具を分類(グルーピング)する。これはいわば一種の使用ガス器具を判定するための学習機能であり、使用ガス器具を判定するための前提となる技術を提供することとなる。
取得された対象データと既存の基準データとの間に所定の関連性があるか否かを判断するには手法として、本発明においては、対象データと基準データの間の関連性を示す特性値を用いる。特に本実施形態では、そのような特性値の具体例の一つとして、対象データの計測流量値と、基準データの流量値との間の相関係数を利用する。図2において、対象データ分類部9が算出した相関係数R(1)〜R(5)が示されている。相関係数R(i)は以下の式(1)で示される。ここで、Q(i)は各計測時間における基準データの流量値、Qは基準データの平均流量値、q(i)は各計測時間における第2の対象データの計測流量値、qは第2の対象データの平均流量値をそれぞれ示す。
Figure 2009216712
尚、Q、qは、相関係数を得ようとする計測時間より前に得られた総ての値の平均値より求められる(Q=ΣQ(i)/i,q=Σq(i)/i)。例えば、計測時間t(2)におけるQは、(Q(0)+Q(1)+Q(2))/3より求められる。同様に、qは、(q(0)+q(1)+q(2))/3より求められる。これらと、Q(2)、q(2)を式(1)に代入し、計測時間t(2)における相関係数R(2)が求められる。他の計測時間においても同様の計算を実行することにより、相関係数が求められる。
そして、本実施形態では、複数得られた相関係数R(1)〜R(5)のうち、対象データ分類部9は任意の一つを選び、当該選ばれた相関係数の値により、対象データと基準データの関連性、すなわち得られた対象データが比較対象となっている基準データのグループに分類されるべき否かを判定する。すなわち、図2(a)において、網掛けで表された部分のデータである(本例ではR(5))。尚、複数存在する基準データのグループのうち、対象データとの比較対象となるグループの選出方法は任意である。
図4は、分類のうち最も粗い分類といえる二つのグループのいずれかへの対象データの分類を示す概念図である。二つの(基準データ)グループ(A),(B)は流量値の立ち上がりが緩やかか緩やかでないかのいずれかによって区別、分類されている。そして、上記したように対象データのうち、任意に選ばれた一つの相関係数R(i)が、所定の閾値であるP(たとえば0.9など)以上の場合は、当該対象データはグループ(A)に分類され、相関係数R(i)が閾値Pより小さい場合は、当該対象データはグループ(B)に分類される。
例えば、任意に選ばれた一つの相関係数がR(5)であり、閾値Pが0.9であったと仮定する。対象データのR(5)が0.94の場合、当該対象データはグループ(A)に分類され、対象データのR(5)が0.88の場合、当該対象データはグループ(B)に分類されることとなる。
図5は、図4の分類よりも細かい分類といえる三つのグループのいずれかへの対象データの分類を示す概念図である。三つの(基準データ)グループ(A),(B),(C)は流量値の立ち上がりが緩やかか、急激か、これら以外のいずれかによって区別、分類されている。そして、上記したように対象データのうち、グループ(A)の基準データ1に対する任意に選ばれた一つの相関係数R(i)が、所定の閾値であるP(たとえば0.9など)以上の場合は、当該対象データはグループ(A)に分類される。また、対象データのうち、グループ(B)の基準データ2に対する任意に選ばれた一つの相関係数R(i)が、所定の閾値であるP以上の場合は、当該対象データはグループ(B)に分類される。そして、対象データのうち、グループ(A)の基準データに対する任意に選ばれた一つの相関係数R(i)が、閾値Pより小さく、グループ(B)の基準データに対する任意に選ばれた一つの相関係数R(i)も閾値Pより小さい場合、当該対象データはグループ(C)に分類される。
尚、上述した基準データの数、種類、閾値Pなどについては、メータ設置業者等が入力部18より設定を入力することにより変更することも可能である。
このように、本実施形態では、一つの相関係数のみを用いて、現在使用中のガス器具を同じ流量特性の器具が分類されるグループに分類分けすることができ、容易に使用ガス器具のグルーピングが達成される。ユーザは、このようなグルーピングを用いて種々の応用形式(ガス器具判別など)に利用することができる。
また、ある場合には、一旦管理会社に、計測データを持ち帰り、多数種のガス器具に対するデータを基準値として用いてデータ処理を行うことで、より高精度の器具判別が実現可能となる。あるいは通信装置を用いてデータを管理会社の処理端末で集中管理することで、より高精度化が実現される。
なお、本実施形態では、計測流量値と基準データの流量値との間の関連性を示す特性値として相関係数を用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、判別分析手法の一つであるマハラノビスの距離を適用し、現在使用中のガス器具を同じ流量特性の器具が分類されるグループに分類分けしてもよく、これにより、より高精度の器具判別が実現可能となる。
また、後述する各実施形態においても、同様にマハラノビスの距離を適用することができる。
(第2の実施形態)
図6は、本発明の第2の実施の形態における対象データの分類を示す概念図である。第1の実施形態では、単一の相関係数のみを用いてガス器具を分類分けすることにしている。一方、本実施形態では、グルーピングの基準となる特性値として、単一の相関係数に加え、基準データの流量値を考慮して対象データをグルーピングすることとしている。すなわち、図2(b)において、網掛けで表された部分のデータである(本例ではQ(5)とR(5))。
すなわち、相関係数Rを用いて、対象データ分類部9が、得られた対象データを三つの基準データのグループ(A),(B)、(C)のいずれかに分類する点は、図5の例と同じである。さらに本実施形態では、対象データ分類部は、予め基準データのグループ(A),(B)各々を、その流量値に応じて三つのサブグループ(D),(E),(F)と(G),(H),(I)のいずれかに分類している。基準データの流量値のとり方として、一般的には流量が一定となったところ(グラフにおいて平らなところ)での値を採用
する。
そして、対象データ分類部9は、所定の計測時間(一般的には流量が一定となった後)における対象データの計測流量値に基づき、当該対象データを基準データ1の三つのサブグループ(D),(E),(F)のいずれか、または基準データ2の三つのサブグループ(G),(H),(I)のいずれかに分類する。また、対象データ分類部9は、上記グループ(D)〜(I)に分類された以外の他の対象データを、グループ(C)に分類する。
サブグループ(D),(E),(F)、サブグループ(G),(H),(I)は、流量値Q1〜Q2、Q2〜Q3、Q3〜Q4を閾値として分類されているが、サブグループ(D),(E),(F)と、サブグループ(G),(H),(I)との間で閾値となる流量値を変えても良い。
第2の実施形態によれば、対象データ分類部9は、相関係数のみならず基準データの流量値をもグルーピングの特性値として用いるため、第1の実施形態に比べ、より正確かつきめの細かいグルーピングを行うことが可能となる。
尚、器具判別手段11は、基準データグループのガス器具が、特定のガス器具(種類または型番)に判別可能な場合に、当該ガス器具を判別するが、本実施形態ではかなりきめの細かいグルーピングを行なうため、基準データグループ記憶部によるグルーピングそのものが、器具判別手段11による器具判別と同等になる場合もある。
(他の実施形態)
上述の実施形態においては、単一の相関係数、単一の流量値のみをもちいてグルーピングを行なうこととしている。しかしながら、相関係数、流量値は、異なる時間で複数、すなわち時系列的に複数得られているため、相関係数および/または流量値を複数使用し、グルーピングを行なうこともできる。
例えば図2(c)において網掛けで示したように、複数の相関係数(本例では総て)であるR(1)〜R(5)の各々と閾値Pとの関係を考慮し、グルーピングを行うことができる。例えばR(1)=1.00、R(2)=0.99、R(3)=0.98、R(4)=0.97、R(5)=0.95の場合において、最も小さいR(5)を閾値と比較し、第1の実施形態と同様な方法にてグルーピングを行うことができる。
さらに、図2(d)において網掛けで示したように、図2(c)の如き方法でグルーピングを行った後、第2の実施形態と同様に、流量値に基づきさらに細かくグルーピングを行うことができる。また、図2(e)の例は、図2(c)の例と図2(d)の例を組み合わせたものである(複数の相関係数と複数の流量値を使用)。
図7から図9は、本発明の流量計測装置、流量計側方法を用いて所定の基準データグループに分類された対象データを示すものであり、図7は図2(a)の方法(第1の実施形態)により分類された対象データと基準データの関係、図8は図2(b)の方法(第2の実施形態)により分類された対象データと基準データの関係、図9は図2(e)の方法により分類された対象データと基準データの関係をそれぞれ示す。このように、分類に使用されるパラメータを増やすほど、正確な分類(基準データと対象データが合致する)が可能となることが理解される。図7においては、二つのデータのグラフはほぼ相似の関係となっており、両者が比例関係となっている場合に高い相関が成立していると分析される。図8においては、二つのデータのグラフの関係は図7よりも互いにより近いものとなっており、図9の場合はグラフがほぼ合同、すなわち両者がほぼ一致している。
なお、以上の説明は超音波流量計を用いた場合について説明したが、他の瞬間式の流量計測装置でも、同様の効果が得られることは明白である。グルーピング後の処理は説明を省略したが、ガスメータでは、登録器具ごとあるいは分類分けされたグループごとの積算流量の計測による器具別料金や、登録器具ごとあるいは分類分けされたグループごとに安全管理(保安機能)処理の器具別保安機能を設定することも可能であることは明白である。また、ガスメータとガス器具に無線機のような送受信手段を装備させることができれば、より器具判別の精度が向上することは明白である。さらに、ガスメータおよびガス器具で説明したが、工業用流量計や水道メータにおいても同様に、流量計測装置の下流側に接続された使用器具のグルーピングに使用することができる。
以上、本発明の各種実施形態を説明したが、本発明は前記実施形態において示された事項に限定されず、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者がその変更・応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
以上のように、本発明によれば流体を使用する器具を、流量特性の観点から分類することが可能となり、器具判別のような応用技術の基礎となる技術を容易に提供する。
7 超音波流量計(流量計測部)
8 計測流量情報記憶部
9 対象データ分類部
10 基準データグループ記憶部
11 器具判別手段
13、14、15 ガス器具
16 ガスメータ(流量計測装置)

Claims (4)

  1. 流路に流れる流体の流量を計測する流量計測部と、
    前記流量計測部で計測された計測流量値と、当該計測流量値を計測した計測時間が対応付けられて記述された対象データを記憶する流量情報記憶部と、
    前記流量情報記憶部に記憶された第1の対象データを基準データとし、第2の対象データの計測流量値と、前記基準データの流量値との間の関連性を示す相関係数及び前記基準データの流量値に基づき、前記第2の対象データを各基準データ毎のグループに分類分けする対象データ分類部と、
    を備える流量計測装置。
  2. 流路に流れる流体の流量を計測する流量計測部と、
    前記流量計測部で計測された計測流量値と、当該計測流量値を計測した計測時間が対応付けられて記述された対象データを記憶する流量情報記憶部と、
    前記流量情報記憶部に記憶された第1の対象データを基準データとし、第2の対象データの複数の計測流量値と、当該複数の計測流量値の計測時間に対応した前記基準データの複数の流量値との間の関連性を示す複数の相関係数及び前記基準データの流量値に基づき、前記第2の対象データを各基準データ毎のグループに分類分けする対象データ分類部と、
    を備える流量計測装置。
  3. 流路に流れる流体の流量を計測するステップと、
    計測された計測流量値と、当該計測流量値を計測した計測時間が対応付けられて記述された対象データを記憶するステップと、
    記憶された第1の対象データを基準データとし、第2の対象データの計測流量値と、前記基準データの流量値との間の関連性を示す相関係数及び前記基準データの流量値に基づき、前記第2の対象データを各基準データ毎のグループに分類分けするステップと、
    を備える流量計測方法。
  4. 流路に流れる流体の流量を計測するステップと、
    計測された計測流量値と、当該計測流量値を計測した計測時間が対応付けられて記述された対象データを記憶するステップと、
    記憶された第1の対象データを基準データとし、第2の対象データの複数の計測流量値と、前記基準データの複数の流量値との間の関連性を示す複数の相関係数及び前記基準データの流量値に基づき、前記第2の対象データを各基準データ毎のグループに分類分けするステップと、
    を備える流量計測方法。
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