JP2000065672A - ガス漏洩検知装置 - Google Patents

ガス漏洩検知装置

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JP2000065672A
JP2000065672A JP10240001A JP24000198A JP2000065672A JP 2000065672 A JP2000065672 A JP 2000065672A JP 10240001 A JP10240001 A JP 10240001A JP 24000198 A JP24000198 A JP 24000198A JP 2000065672 A JP2000065672 A JP 2000065672A
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gas
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flow rate
pressure
time
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Hidetoshi Tanabe
英俊 田辺
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Yazaki Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 温度変化等の外乱的要因の悪影響を受けるこ
と無く正確なガス漏洩判定を行なうことを可能とするガ
ス圧力のデータおよびガス瞬間流速のデータを、同一の
時間軸に対応して計測、記録、そして出力して、従来の
方式よりもさらに正確なガス漏洩判定を実現できるガス
漏洩検知装置を提供する。 【解決手段】 データ記憶手段103に(P,Δq,
t)で一組のデータを、そのデータが計測された時点の
時刻データtごとにまとめて時系列的に記憶する。ま
た、ガス漏洩が発生した場合には、そのガス漏洩を自動
的に検知すると共に、そのガス漏洩が継続している間中
に流失するガスの積算流量を自動的に計ることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はガス漏洩検知装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】ガス供給配管等におけるガス漏洩を検知
あるいは判定するガス漏洩検知装置として、ガス供給配
管の途中を遮断弁等を強制遮断させるなどして閉塞状態
にしたうえで、自記圧力計を用いてガスの圧力を計測し
て記録し、その記録された圧力の時間的変化や圧力値の
異常発生等に基づいて、ガス微少漏洩等が発生したこと
を解析して判定する装置がある。
【0003】しかしながら、このような自記圧力計方式
のガス漏洩検知装置では、ガス供給配管内のガスの圧力
に基づいてガス漏洩を検知あるいは判定するが、ガスの
圧力は一般に周囲の温度変化の影響を受けて変化するた
め、ガス漏洩が実際は無かった場合でも、例えば外気温
度が低下するなどした場合には、そのときのガス圧力が
低下するので、この圧力低下をガス漏洩と誤認してしま
うという不都合が生じる。
【0004】そこで、このような温度変化のような外乱
的な要因に起因したガス漏洩の誤認の不都合を回避し
て、ガス漏洩が本当に発生したか否かを正確かつ確実に
検知又は判定するためには、そのときの外気温度あるい
はガスの温度も同時に計測しなければならない。そして
さらには、そのようにして計測された温度のデータに基
づいて、前記の計測されたガス圧力のデータを補正しな
ければならない。即ち、そのガス圧力が計測された際の
温度のデータと、ガス供給配管の体積(つまり強制遮断
された位置からユーザー寄りのガス栓までの間のガス供
給配管の長さとその断面積との積)と、温度ごとに対応
した圧力補正値とに基づいて、そのときの圧力値に対し
て補正すべき補正値を演算して、その補正値で前記の計
測された圧力値を補正しなければならない。
【0005】従って、そのような温度を計測するための
手段や圧力補正値を演算するための演算回路系等が上記
のようなガスの圧力を計測する手段等とは全く別に必要
となるので、装置全体としての構造の煩雑化が免れない
という問題がある。また、そのような圧力補正値を演算
する手法についても、そのような圧力補正値の算出を手
作業で行なう場合には、特に煩雑なものであるという問
題がある。
【0006】また、最下流側(ユーザー側)に配置され
る各種ガス器具等におけるガス漏洩についても、上記の
ような従来の圧力を計測する方式のものでも判定するこ
とが可能であるが、しかし、そのようにガス漏洩が判定
された場合に、どれだけの流量のガスが流失していたの
かについては、把握することができないという問題があ
る。
【0007】また、近年では、ガス供給システムに用い
られるガスメータをはじめとした各種装置類や配管等は
7〜10年以上もの長年に亙って継続使用されることが
要請されており、また今後さらに長期に亙って使用が継
続されるようになることが予測されるが、厳しい温度変
化などの使用環境によっては、一般的な使用環境で用い
られる場合よりも圧力センサや遮断弁等の劣化や消耗が
早くなる。あるいは、故障や動作不良等が発生する確率
が高くなる。
【0008】そしてその結果、せっかく圧力センサで計
測された圧力変化に基づいてガス漏洩を判定できても、
その圧力センサ自体の故障等に起因してそのとき計測さ
れた圧力データが正確ではなく誤った値であるために、
言わばガス漏洩検知装置自体の信頼性が低くなり、その
ときのガス漏洩の判定自体の信頼性が低くなってしま
い、正確なガス漏洩の判定ができなくなるという問題が
ある。
【0009】また、ガス漏洩検知の方式としてはこの他
にも、いわゆる微少流量漏洩検知と呼ばれる、微少なガ
ス流量が所定期間に亙って流れたことが検知された場合
には微少ガス漏洩が発生したものと判定するという方式
のガス漏洩検知が有る。
【0010】あるいは、いわゆる圧力式微少漏洩検知と
呼ばれるような、ガス使用停止後のガスの圧力が正常に
上昇しない事態が、例えば30日に亙って頻繁に継続し
て発生した場合には、微少ガス漏洩が発生したものと判
定するという方式のガス漏洩検知が有る。
【0011】しかしながら、このような方式のガス漏洩
検知でも、確かにガス漏洩が発生したか否かについては
判定可能であるが、ガス漏洩と判定された場合に、その
ときどれだけの流量のガスが流失していたのかについて
は把握することができないという問題がある。
【0012】また、圧力センサ等の故障や動作不良等が
発生した場合には、せっかく圧力センサで計測された圧
力変化に基づいてガス漏洩を判定できても、その圧力セ
ンサ自体の故障等に起因してそのとき計測された圧力デ
ータが正確ではなく誤った値であったがために、言わば
ガス漏洩検知装置自体の信頼性が低いために、そのとき
のガス漏洩の判定自体の信頼性が低くなってしまい、正
確なガス漏洩の判定ができなくなるという問題もある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な問題を解決するために成されたもので、温度変化等の
外乱的要因の悪影響を受けること無く、正確なガス漏洩
判定を行なうためのデータとして用いることが可能なガ
ス圧力のデータおよびガス瞬間流速のデータを、同一の
時間軸に対応して計測し、記録し、また出力することが
でき、従来の方式よりもさらに正確なガス漏洩判定を実
行できる、ガス漏洩検知装置を提供することを課題とし
ている。
【0014】しかも、そのようなガス漏洩の判定だけで
なく、そのガス漏洩検知装置自体の動作が正常であるか
否かについてなどの解析も可能であり、それによって本
来のガス漏洩判定の信頼性がさらに高いものとなるガス
漏洩検知装置を提供することを課題としている。
【0015】そしてさらには、上記のようにガス漏洩の
発生が判定された場合には、そのガス漏洩でどれだけの
流量のガスが流失したのかについて、その流失ガスの積
算流量値を演算して、そのときの損失量を自動的に算出
することができるガス漏洩検知装置を提供することを課
題としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】第1に、本発明のガス漏
洩検知装置は、ガス供給源から供給されるガスを前記ガ
ス供給源から下流側のガス消費機器へと導通するガス供
給配管の途中に配置されて前記ガスの圧力を計測する圧
力センサを用いてなる圧力計測手段と、前記ガス供給配
管の途中位置に配置されて前記ガスの瞬間流量または瞬
間流速に基づいて瞬間流量を計測する瞬間流量センサを
用いてなるガス流量計測手段と、予め定められた時間間
隔を隔てた時刻ごとに、該時刻における前記圧力計測手
段で計測された前記圧力のデータおよび前記ガス流量計
測手段で計測された前記瞬間流量のデータを、該両デー
タが計測された前記時刻のデータと共に一組にして記憶
するデータ記憶手段と、前記データ記憶手段に記憶され
た、前記瞬間流量のデータおよび前記圧力のデータを前
記時刻のデータと共に一組にして出力するデータ出力手
段とを備えたことを特徴としている。
【0017】即ち、本発明によれば、例えば10秒毎な
ど、所定の周期ごとにガス供給配管のガスの圧力を圧力
センサで計測し、またそのときの瞬間流量を瞬間流量セ
ンサで計測する。あるいは瞬間流速をまず計測し、これ
に基づいて瞬間流量を計測(算出)する。そしてそのデ
ータを、それが計測された時点の時刻のデータと共に一
組にして(つまり1ログのデータとして)記憶する。
【0018】そして、例えば1週間毎など適宜な日時ご
となどに、それまでの間に記憶されたデータを例えばガ
ス事業者のガス管理担当者等がデータ出力手段によって
出力させる。そしてそのデータを事業所に持ち帰って、
その事業所に設置されたホストコンピュータの記憶装置
等に記憶させ、あるいはそのデータを後述するような印
字出力手段によって印字出力させるなどして、そのデー
タつまりガスの圧力と流量(あるいは流速)とその計測
時刻のデータに基づいて、過去にガス漏洩が発生してい
たか否かについてや、ガス漏洩検知装置自体の故障が発
生していたか否かといった事項の解析を、高い信頼性で
確実に行なうことができる。
【0019】例えば、上記の従来技術で例示したような
自記圧力計を用いた従来のガス漏洩検知装置の場合に
は、温度が変化したことに起因して、圧力がガス漏洩発
生時と同様の低い圧力に低下したような場合には、ガス
漏洩が実際には発生していなくともガス漏洩発生と判定
されてしまうが、本発明によれば、ガスの圧力だけでな
く、そのときのガスの流量(あるいは流速)についても
計測し記憶しているので、これら圧力のデータと流量の
データとの両者に基づいて、より正確なガス漏洩の判定
が可能となるとともに、ガス漏洩判定以外にも圧力セン
サや流速センサ自体の動作不良等の判定(解析)なども
可能となる。
【0020】例えば、ある時刻で計測されたガスの圧力
の値が、正常な圧力値未満の低い圧力値であった場合に
は、ガス漏洩に起因してそのような圧力値の低下が生じ
たものと考えられるが、またその一方で、そのときに外
気温が低くなっていたがために、ガス漏洩が無かったに
もかかわらずガス圧力が低下したということも考えられ
る。そしてこの両者のうち、どちらが真実であるかとい
う判定は、この圧力のデータのみからは決定不可能であ
った。
【0021】しかし本発明によれば、このときガスの圧
力のデータだけでなく、ガスの流量のデータも共に計測
〜記憶しているので、このガスの流量のデータを併せ用
いることによって、本当にガス漏洩が発生したことを、
高い信頼性で正確に判定あるいは解析することができ
る。
【0022】例えば上記の場合では、圧力値が圧力値未
満にまで低下していた場合に、このときガスの流量(あ
るいは流速)が0であったなら、ガスは停止していたこ
とになるから、ガス圧力の低下は温度低下に起因するも
のであって、ガス漏れは無かったものと判定されること
になる。
【0023】ただしこのとき、瞬間流量センサまたは瞬
間流速センサの上流側でガス漏れが発生していた場合な
どには、ガス供給配管の流体的な条件によってはその瞬
間流量センサではガス漏れによるガスの流れが計測され
ない場合も有り得る。
【0024】つまり、そのような場合にはガスの流れは
供給源からガス漏れの発生位置までは流れているが、そ
れから先(下流側)の瞬間流量センサの設置位置におい
てはガスの流れは実質的に無い(停止の)ままの状態と
なる場合なども有り得る。
【0025】そこで、そのような場合には、下記の実施
形態でも幾つかの実例について述べている如く、さらに
その前後における瞬間流量(あるいは瞬間流速)や、そ
れと併せて圧力についてもデータの記録を解析すること
により、さらに詳細な過去の状況把握に基づいた正確で
信頼性の高いガス漏洩判定を行なうことができる。しか
も、従来の膜式メータでは、瞬時にその時々のガス流量
を計測することが不可能だった。
【0026】しかし、本発明によれば、ガスの瞬間流量
(あるいは瞬間流速)を計測可能な瞬間流量センサ(あ
るいは瞬間流速センサ)を用いることによって、瞬時に
その時々の流量あるいは流速を迅速に計測することがで
きるので、ガスの流量の時間的な早い変化に十分に精確
に対応した計測が可能となり、従来の膜式メータでは不
可能だった迅速かつ確実なガス漏洩検知やその解析用の
記録データの計測を可能とすることができる。
【0027】しかも、従来の膜式メータでは、数分〜数
十分間の流量停止を検知できないため、ごくわずかしか
ガスを止めないような使い方をすると、漏洩ありと誤判
定する場合があったが、本発明によればそのような従来
の不都合を回避することができる。即ち、本発明によれ
ば、上記の如く瞬時にその時々の流量あるいは流速を迅
速に計測可能なため、ごくわずかしかガスを止めないよ
うな使い方をしても、そのときのわずかな時間のガス停
止を確実に検知することができるので、前記の如き従来
の「漏洩あり」の誤判定を回避することができる。
【0028】さらには、本発明に係るガス漏洩検知装置
に用いられる前記瞬間流量センサは、一般にその本体を
従来の膜式と比較して飛躍的に小型化することができる
ので、微少漏洩検知装置であるガス流量計測手段の小型
化を図ることができ、その結果、ガス漏洩検知装置全体
としても小型化を図ることができる。
【0029】ここで、前記の本発明に係る瞬間流量計測
センサとは、いわゆる推量方式(あるいは文献によって
は推測方式とも言う)と呼ばれるような、ガス流の流速
あるいは流量に対応して変化する流体的な各種物理量を
計測しその計測値に基づいてガス流量あるいはガス流速
を算出するような方式、つまりガス流による動圧を計測
する差圧流量計方式や、ガス流の粘性抵抗を計測する面
積流量計測方式や、ガス流がタービン羽を動かす仕事率
を計測するタービン流量計測方式や、ガス流で発生する
渦の周波数を計測する渦流量計測方式や、ガス流中に超
音波を伝搬させてその伝搬時間あるいは伝搬速度等を計
測する超音波流量計測方式などが特に好適である。ある
いはその他にも、ガス流中に熱線を配置してその前後で
の温度変化を計測する熱式質量流量計測方式なども好適
に用いることができる。
【0030】またいずれにせよ、ガス流の流量あるいは
流速に関するファクタ(物理量)を計測し、それに基づ
いてそのガス流の微分的単位時間あたりの流量を得るも
のであれば、各種の瞬間流量センサを好適に用いること
ができる。
【0031】なお、瞬間流速vを計測したら、そのvと
ガス流路の断面積Sとの掛け算を演算することにより、
そのときの瞬間流量Δq=v・Sを得ることができるの
で、本発明に用いる瞬間流量センサは、実質的には瞬間
流速vを計測し、この瞬間流速vに基づいてそのときの
瞬間流量Δqを得ることのできる流速計測方式のセンサ
とその計測された流速に基づいてそのときの流量を演算
する演算手段とを用いても良いことは言うまでもない。
【0032】第2に、本発明のガス漏洩検知装置は、上
記第1記載のガス漏洩検知装置において、前記データ出
力手段によって前記時刻ごとで一組のデータとして出力
される前記瞬間流量のデータおよび前記圧力のデータに
基づいて、前記瞬間流量のデータおよび前記圧力のデー
タの前記時刻ごとの変化を、同一の時間軸を用いたグラ
フとしてそれぞれ表示画面に表示出力するデータ表示手
段を、さらに具備することを特徴としている。
【0033】即ち、上記のようにして計測され記憶され
たガスの圧力のデータおよび瞬間流量のデータに基づい
て、それを同じ時間軸を例えば横軸にプロットする一
方、縦軸には圧力値と流量値の目盛をプロットして、グ
ラフの形として視覚的に表示画面上に表示することで、
その視覚的に明瞭に表示されたグラフに基づいて、本発
明に係るガス漏洩検知装置のユーザーつまりガス事業者
やガス管理者は、過去のガス漏洩の発生の判定や圧力セ
ンサの故障等の記録データに基づいた正確な解析等を、
一目瞭然に極めて簡易な作業あるいは手間だけで行なう
ことができる。
【0034】第3に、本発明のガス漏洩検知装置は、上
記第1または第2記載のガス漏洩検知装置において、前
記データ出力手段によって前記時刻ごとで一組のデータ
として出力される前記瞬間流量のデータおよび前記圧力
のデータに基づいて、前記瞬間流量のデータおよび前記
圧力のデータの前記時刻ごとの変化を、同一の時間軸を
用いたグラフとしてそれぞれ印字用紙上に印字出力する
データ印字手段を、さらに具備することを特徴としてい
る。
【0035】即ち、上記のようにして計測され記憶され
たガスの圧力のデータおよび瞬間流量のデータに基づい
て、それを同じ時間軸を例えば横軸にプロットする一
方、縦軸には圧力値と流量値の目盛をプロットして、グ
ラフの形として視覚的に印字用紙上に印字出力(換言す
れば印刷出力)することによって、その視覚的に明瞭に
印字(換言すれば印刷)媒体の形式で出力されたグラフ
に基づいて、本発明に係るガス漏洩検知装置のユーザー
つまりガス事業者やガス管理者は、過去のガス漏洩の発
生やそのときの漏洩流量の判定や圧力センサの故障等の
解析を、一目瞭然に極めて簡易な作業あるいは手間だけ
で、確実に行なうことができる。
【0036】第4に、本発明のガス漏洩検知装置は、上
記第2又は第3記載のガス漏洩検知装置において、前記
データ表示手段または前記データ印字手段は、少なくと
も前記データ記憶手段および前記データ出力手段とは別
体として離れた位置に移動可能な構造に形成されてお
り、かつ前記データ出力手段に対してデータ伝送手段を
介して接続されるデータ表示手段またはデータ印字手段
であることを特徴としている。
【0037】即ち、上記のようなガスの圧力のデータや
瞬間流量のデータの計測周期(計測時間間隔)を、例え
ば10分ごとに1回ずつのように、かなり粗い計測頻度
に設定しても、印字用紙や表示画面としてはかなりの大
きな面積が必要となる。このため、印字用紙の取り替え
あるいは回収や表示画面の確認〜リセットを行なうため
にガス管理者等がガス漏洩検知装置の設置された現場へ
赴かねばならない回数や頻度は、例えば2〜3日に一度
など、かなりの頻度となってしまい、実際には極めて煩
雑なものとなることが想定される。
【0038】そこで、そのような場合には、上記のデー
タ記憶手段の記憶容量を、例えば1か月分程度のデータ
が記憶できるような比較的大きな容量にしておき、デー
タ表示手段やデータ印字手段をガス管理者等が携帯可能
なものにして、チェックが必要となった場合や1か月に
一度などのように設定されているチェック周期が到来し
た時にだけ、そのデータ表示手段やデータ印字手段を現
場に携行し、データ記憶手段に記憶されているデータを
読み出してそのデータ表示手段やデータ印字手段にて前
記グラフのような形で必要な時刻(日時)分のデータの
みを選択的に出力させるようにすれば良いわけである。
このようにして、必要なデータは確実に表示出力あるい
は印字出力として得ることができ、しかもその表示出力
や印字出力の効率化を図ることができる。
【0039】第5に、本発明のガス漏洩検知装置は、上
記第1乃至第4のいずれかに記載のガス漏洩検知装置に
おいて、前記瞬間流量のデータおよび前記圧力のデータ
および前記時刻のデータのうち少なくとも一種類のデー
タに基づいて前記ガスの漏洩の発生を判定するガス漏洩
発生判定手段と、前記ガス漏洩発生判定手段によって前
記ガスの漏洩が判定された時点から、前記ガスの瞬間流
量を積算して、前記ガスの漏洩が継続している間に前記
漏洩によって流失した流失ガスの積算流量の値を演算す
る流失ガス積算流量演算手段と、前記流失ガス積算流量
演算手段で演算された前記流失ガスの積算流量の値を出
力する流失ガス積算流量値出力用のデータ出力手段と
を、さらに具備することを特徴としている。
【0040】即ち、本発明によれば、まずガス漏洩の発
生を、計測された圧力や流量やそのときの時刻に基づい
て判定する。この判定方式自体については、従来の微少
流量漏洩検知方式を用いても良く、または従来の圧力微
少漏洩検知方式を用いても良い。あるいは、従来用いら
れている判定方式とは異なる方式でも有効な判定方式で
あれば、それを用いても良いことは言うまでもない。
【0041】そして、そのようにしてガス漏洩が発生し
たことが判定された場合には、そのガス漏洩で流失した
ガスの流失流量を流失ガス積算流量値出力手段が自動的
に演算する。そしてその値を流失ガス積算流量値出力手
段が出力する。
【0042】ここで、ガス漏洩が発生した場合、従来の
ガス漏洩検知装置では、実際にどれほどの量のガスが流
失したのかについては、その流失量を圧力値やガス供給
配管の体積や圧力補正値等に基づいて計算する計算手法
等が実際には極めて煩雑であったことなどに起因して、
そのような流失量のデータを自動的には演算していなか
った。また、そのような流失量を手作業で計算すること
も極めて煩雑であるという不都合があった。
【0043】しかし本発明によれば、ガス漏洩が検知
(判定)された時点から流失する流失ガスの流量を、瞬
間流量センサで計測されるガス流量(または計測される
流速に基づいて算出される瞬間流量)に基づいて、流失
ガス積算流量値出力手段によって積算することができる
ので、どれだけの量のガスが流失したのかについての定
量的なデータを自動的に正確に算出することができる。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るガス漏洩検知
装置の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0045】図1は本発明に係るガス漏洩検知装置の主
要部の構成を示す図である。このガス漏洩検知装置は、
ガス供給源(図示省略)から供給されるガス1を前記ガ
ス供給源から下流側のガス消費機器(図示省略)へと導
通するガス供給配管2の途中に配置されて前記ガス1の
圧力Pを計測する圧力センサ3を用いてなる圧力計測手
段101と、前記ガス供給配管2の途中位置に配置され
て前記ガス1の瞬間流速vに基づいてそのときの瞬間流
量Δqを計測する瞬間流量センサ4を用いてなるガス流
量計測手段102と、予め定められた時間間隔(つまり
周期)Tを隔てた時刻t=T,2T,3T…nT…(n
は自然数)ごとに、該時刻tにおける前記圧力計測手段
101で計測された前記圧力Pのデータおよび前記ガス
流量計測手段102で計測された前記瞬間流速vに基づ
いた瞬間流量Δqのデータを、該両データP,qが計測
された前記時刻tのデータと共に(P,Δq,t)のよ
うに一組にして記憶するデータ記憶手段103と、前記
データ記憶手段103に記憶された、前記ガスの瞬間流
量Δqのデータおよび前記圧力Pのデータを前記時刻t
のデータと共に(P,Δq,t)で一組にして出力する
(つまり時刻区間を指定した読み出し命令入力があった
場合には、その命令に対応した時刻区間内に該当する
(P,Δq,t)のデータを読み出す)データ出力手段
104とを備えている。
【0046】さらに、このガス漏洩検知装置は、前記デ
ータ出力手段104によって前記時刻tごとで一組のデ
ータとして出力される前記瞬間流量Δqのデータおよび
前記圧力Pのデータに基づいて、前記瞬間流量Δqのデ
ータおよび前記圧力Pのデータの前記時刻tごとの変化
を、同一の時間軸tを用いたグラフとしてそれぞれ表示
画面に表示出力するデータ表示手段105を具備してい
る。
【0047】さらにまた、前記データ出力手段104に
よって前記時刻tごとに一組のデータとして出力される
前記瞬間流量Δqのデータおよび前記圧力Pのデータに
基づいて、前記瞬間流量Δqのデータおよび前記圧力P
のデータの前記時刻tごとの変化を、同一の時間軸tを
用いたグラフとしてそれぞれ印字用紙上に印字出力する
データ印字手段106を具備している。
【0048】そしてさらには、上記のデータ表示手段1
05およびデータ印字手段106とそれぞれ同様の機能
を備えており、しかもその構造上の特徴的な点として、
前記データ記憶手段103および前記データ出力手段1
04とは別体として離れた位置に移動可能、つまり可搬
で携行可能な構造に形成されて、前記データ出力手段1
04に対してデータ伝送用の接続ケーブルのようなデー
タ伝送手段200を介して接続端子5にて接続される、
携行タイプのデータ表示手段105´およびデータ印字
手段106´が利用可能となっている。
【0049】そしてこれら携行タイプのデータ表示手段
105´およびデータ印字手段106´はまた、ガス管
理会社の事業所内に設置されたI/F(インターフェイ
ス)300a,300bを介して電話回線200´によ
って前記のデータ出力手段104に接続されることも可
能となっている。
【0050】そしてさらには、このガス漏洩検知装置
は、前記瞬間流量Δqのデータおよび前記圧力Pのデー
タおよび前記時刻tのデータに基づいて、後述するよう
な手順で前記ガス1の漏洩の発生を判定するガス漏洩発
生判定手段107と、前記ガス漏洩発生判定手段107
によって前記ガス1の漏洩が判定された時点から、前記
ガス1の瞬間流量Δqを積算して、前記ガス1の漏洩が
継続している間に前記漏洩によって流失した流失ガスの
積算流量Q=ΣΔq・Δtの値を演算する流失ガス積算
流量演算手段108と、前記流失ガス積算流量演算手段
108で演算された前記流失ガスの積算流量Qの値を、
本実施形態の場合には上記のデータ表示手段105およ
びデータ印字手段106を兼用して用いて出力するため
の前記データ出力手段104を兼用してなる流失ガス積
算流量値のデータ出力手段104とを、さらに具備して
いる。なお、この流失ガス積算流量値のデータ出力手段
は、上記のようなデータ出力手段104を兼用して用い
る以外にも、データ出力手段104とは別個に付設して
用いても良く、またその出力を表示あるいは印字で具体
的なアウトプットとして出力するための手段としても、
上記のデータ表示手段105およびデータ印字手段10
6を兼用で用いる以外にも、前記流失ガスの積算流量Q
の値を専用で表示出力あるいは印字出力する手段をデー
タ表示手段105やデータ印字手段106とは別個に付
設して用いても良いことは言うまでもない。
【0051】ここで、上記の主要部の構成についてさら
に詳細に説明すると、まず、圧力計測手段101に用い
られる圧力センサ3としては、例えば半導体圧力センサ
を好適に用いることができる。
【0052】また、ガス流量計測手段102に用いられ
る瞬間流量センサ4としては、例えば熱式フローセンサ
を用いることができる。あるいはその他にも、いわゆる
推量方式(あるいは文献によっては推測方式とも言う)
と呼ばれるような、ガス1の流速に対応して変化する流
体的な各種物理量を計測し、その計測値に基づいてガス
流量を算出するような方式、つまりガス1の流れによる
動圧を計測する差圧流量計圧方式や、ガス流の粘性抵抗
を計測する面積流量計測方式や、ガス流がタービン羽を
動かす仕事率を計測するタービン流量計測方式や、ガス
流で発生する渦の周波数を計測する渦流量計測方式や、
ガス流中に超音波を伝搬させてその伝搬時間あるいは伝
搬速度等を計測する超音波流量計測方式などが特に好適
である。あるいはその他にも、ガス流中に熱線を配置し
てその前後での温度変化を計測する熱式質量流量計測方
式(本実施形態で用いた前記の熱式フローセンサがこれ
に該当する)なども好適に用いることができる。
【0053】またいずれにせよ、ガス流の流量(あるい
は流速)に関するファクタ(物理量)を計測し、それに
基づいてそのガスの微分的単位時間あたりのガス流量を
得ることができるものであれば、上記の他の種類の各種
瞬間流量計測センサや、瞬間流速計測センサ等も好適に
用いることができることは言うまでもない。つまり、瞬
間流速vを計測したら、その瞬間流速vにガス流路の断
面積Sを掛け算して、そのときの瞬間流量Δq=S・v
を得ることができるからである。
【0054】また、同じ流量のガスが流れていても、ガ
ス供給配管2内のガス流路の断面積Sが小さければ小さ
いほど、瞬間流速vは速くなり(つまり高い値となり)
また圧力Pも高い値となるので、ガスの微少流量の漏洩
や微少な圧力変化を計測するためには、圧力センサ3や
瞬間流量センサ4の計測精度が同じであれば断面積Sが
小さいほど良いが、その一方で断面積Sが余りにも小さ
いと、ガス供給配管2の本来の機能であるガス供給量の
確保や適正圧力の確保ができなくなるので、圧力センサ
3や瞬間流量センサ4の計測精度とガス供給量や適正圧
力の確保とを併せて考慮して、その断面積Sおよび計測
精度の最適値を決定すれば良い。
【0055】また、上記の圧力計測手段101、ガス流
量計測手段102、データ出力手段104、データ表示
手段105、データ印字手段106の、それぞれのデー
タ演算またはデータ処理を実行する演算処理回路系を具
体的に構築する電気回路の構造については、無数のバリ
エーションが有り得るのであるから、本実施形態ではそ
のような詳述は省略するが、そのような演算処理回路系
は、いわゆるマイコン(マイクロコンピュータ)および
その周辺回路素子等を用いて構築するようにしても良
く、あるいは個別の電子回路素子を組み合わせて構築し
ても良いことは言うまでもない。
【0056】またその他にも、データ記憶手段103と
しては、例えばS−RAMあるいはEEP−ROMのよ
うなデータの書き込み〜保存〜読み出し〜書き換えが可
能な記憶素子あるいは磁気ディスクのような磁気記憶媒
体などを好適に用いることができる。
【0057】なお、上記の圧力センサ3も含めた圧力計
測手段101、瞬間流量センサ4も含めたガス流量計測
手段102、データ記憶手段103、データ出力手段1
04、データ表示手段105、データ印字手段106、
ガス漏洩発生判定手段107、流失ガス積算流量演算手
段108、I/F300bは、共に一つの外殻筐体つま
りボディ100内に収容するようにしても良いことは言
うまでもない。
【0058】また、そのボディ100としては、消費者
側で消費されるガスの積算消費量を計測する、いわゆる
ガスメータのボディを用いて、そのガスメータのボディ
内に設けても良い。つまり、ガスメータのボディ内に、
本発明に係るガス漏洩検知装置本体の主要部分を配置し
ても良い。
【0059】そしてこのようにガスメータのボディ内に
本発明に係るガス漏洩検知装置本体の主要部分を配置す
ることで、本発明に係るガス漏洩検知装置に用いられる
瞬間流量センサ4として、ガスメータとしてのガス積算
流量を演算するためにガスの流量(あるいは流速)を計
測する瞬間流量センサを兼用して用いることもできるの
で、ハードウェア構造のさらなる簡素化および小型化を
図ることが可能となるという利点をも得ることができる
ので好ましい。
【0060】上記のデータ表示手段105は、ドットマ
トリックス方式の液晶表示パネルのような表示画面を備
えたいわゆるフラットパネルディスプレイ装置を用い
て、同じ一つの時間軸tを横軸として縦軸に上記のよう
なPやΔqをプロットしてなるグラフを表示出力するも
のである。このデータ表示手段105のフラットパネル
ディスプレイデバイスとしてのハードウェア自体につい
ては、従来の一般的な液晶表示パネルのようなハードウ
ェアを用いれば良い。
【0061】また、データ印字手段106は、前記同様
に同じ一つの時間軸tを横軸とするPやΔqのグラフを
印字出力するもので、例えば感熱記録用紙上にそのグラ
フを印字するものである。このデータ印字手段106の
印字出力デバイスとしてのハードウェア自体について
は、従来の一般的な感熱記録方式のプリンタ装置のよう
なハードウェアを用いれば良い。
【0062】また、上記の携行可能なデータ表示手段1
05´およびデータ印字手段106´は本実施形態では
共に一つの外殻筐体つまり携行用ボディ400に収容さ
れており、図2の正面図に一例を示すような前面形状に
形成されている。
【0063】即ち、データ表示手段105´のドットマ
トリックス方式の液晶表示パネルを用いてなる表示画面
401が、この携行用ボディ400の前面ほぼ上半分の
幅方向全体に亙って配置されている。
【0064】この表示画面401の左端辺には圧力Pの
グラフPの目盛402が示されている。またこの表示画
面401の右端辺には瞬間流量Δqのグラフの目盛40
3が示されている。これらの目盛402、目盛403は
液晶表示パネルのドットを用いて表示しても良く、ある
いはこれらの目盛402、目盛403は変更する必要性
もほとんど無いのであるから、液晶表示パネルの外縁部
に印刷などにより固定的に付与しておいても良い。
【0065】そして、前記の表示画面401の下方やや
左寄りに操作入力用のキー配列405が配設されてい
る。例えば、このキー配列405のうちの例えばキー4
05aには、データを出力する操作を開始するための命
令を入力する機能が割り振られていて、このキー405
aをユーザーが押下することでデータ出力操作開始のモ
ードに入る。またその隣のキー405bには表示出力し
たい時刻(日時も含む)範囲の始点をエントリーするた
めの機能が割り振られており、またその隣のキー405
dには表示出力したい時刻(日時も含む)範囲の終点を
エントリーするための機能が割り振られている。
【0066】そしてキー配列405の右寄りの4行×3
列に配置されているテンキー405cによって、そのと
きユーザーが出力したいデータの時刻範囲の数値が入力
される。
【0067】例えば、1月1日12:00から1月10
日23:00までの間の各計測時刻におけるデータを読
み出してそのグラフを表示出力したい場合には、ユーザ
ーはまずキー405aを押下した後、テンキー405c
を用いて1:1:12:00と入力した後、キー405
bを押下すると、このとき入力された1:1:12:0
0がデータ読み出し始点の指定として入力される。そし
てこれに続いてユーザーはテンキー405cを用いて
1:10:23:00と入力した後、キー405dを押
下する。すると、このとき入力された1:10:23:
00がデータ読み出し終点の指定として入力される。こ
のようにして、読み出しの対象となる時刻の始点と終点
とが入力されて指定されると、これに基づいて、データ
記憶手段103に記憶されていた1月1日12:00か
ら1月10日23:00までの間のデータ(P,Δq,
t)が、時系列的に読み出されて、データ表示手段10
5´の表示画面401上に表示される。
【0068】また、上記の操作の最初に、キー405a
ではなくグラフを印字出力するための命令入力機能が割
り振られたキー405eを押下して、その後の操作は上
記同様にした場合には、今度は表示出力ではなくデータ
印字手段106´によって前記同様のPおよびΔqのグ
ラフが、印字出力口406から印字用紙407上に印字
されて出力される。なお、印字装置本体(図示省略)は
前面蓋408の内側に収容されている。
【0069】そしてこの携行用ボディ400と外部との
間でデータを伝送する際に用いられる伝送手段200の
接続用コード201および接続プラグ202が付設され
ている。この伝送手段200の接続プラグ202は、ガ
ス漏洩検知装置本体100側の接続端子5と接続可能な
構造に形成されているものであることは言うまでもな
い。また、この接続プラグ202は、図2では図示省略
したガス管理会社側のI/F(インターフェイス300
a)に対しても接続可能である。
【0070】一方、ボディ100側に固定的に配置され
ているデータ表示手段105については、現時点から所
定時間(又は日時)に亙っての間に計測されたPおよび
Δqのデータを、上記同様に液晶表示パネルのような表
示画面上にグラフとして表示する。そしてその表示され
るグラフは、新たなデータが計測される毎に逐次にイン
クリメントして行く。例えば、現時点から過去2日に亙
っての間に、計測周期10分/1回の周期ごとに計測さ
れた計測されたPおよびΔqのデータに基づいてそのP
およびΔqの時刻tごとの推移を示すグラフを表示す
る。
【0071】また、ボディ100側に固定的に配置され
ているデータ印字手段106については、図示しない出
力命令入力ボタンが押下されると、その時点から過去に
溯って所定時間(又は日時)に亙る間に計測され記録さ
れてきたPおよびΔqのデータを、印字用紙上に印字し
て出力する。
【0072】次に、本発明に係るガス漏洩検知装置にお
ける動作の特に主要部である、ガスの流速及び圧力の計
測〜そのデータの記憶〜データの出力〜ガス漏洩判定・
解析の動作など、本発明に係るガス漏洩検知装置として
の中心的な動作についてを図3、図4、図5の概要フロ
ーチャートに基づいて説明する。
【0073】まず、圧力Pおよび瞬間流量Δqの計測〜
記憶〜出力の動作についてを図3の概要フローチャート
に基づいて述べる。
【0074】予め定められた計測周期T(本実施形態で
はT=10秒に設定)が経過するごとに(S1のY)、
圧力計測手段101はその時刻tにおけるガス1の圧力
Pを計測し(S2)、またガス流速計測手段102はそ
の時刻tにおけるガス1の瞬間流量Δqを計測し(S
3)、圧力Pのデータおよび瞬間流量Δqのデータを時
刻tのデータと共に(P,Δq,t)のように一組のデ
ータとしてまとめて、データ記憶手段103に送出す
る。
【0075】続いて、データ記憶手段103は、前記の
圧力Pのデータおよび瞬間流速vのデータおよび時刻t
のデータで一組となっているデータ(P,Δq,t)
を、時系列的に順次に記憶していく(S4)。
【0076】続いて、前記の新たに計測されたデータ
(P,Δq,t)を、データ表示手段105の表示画面
上のグラフの最新時刻部分に表示するとともに、表示可
能なタイムスパン中で最古の時刻に該当するデータにつ
いては表示から外す。つまり、グラフをインクリメント
する(S5)。
【0077】表示可能なタイムスパンが120分で、1
分ことの計測周期でデータが計測される設定の場合に
は、前記のタイムスパン120分中に、Pのグラフある
いはΔqのグラフでそれぞれ120個ずつの点がプロッ
トされるが、新たに最新の1個の点がそのグラフの最新
の時刻に対応する最先端部分に書き替えられてプロット
されると、それに合わせてそれ以前の119個の各プロ
ット点も順送りに1個ずつ時刻の目盛りの古い方へとず
れるように書き替えられるが、それまで表示されていた
グラフ中で最も古い1個のプロットは、前記のように順
送りにずれて行った結果として、前記120分のタイム
スパンの枠から押し出されることになって、表示画面か
らは消去されることになる。このようにして、Pおよび
Δqのグラフは時刻tの経過につれてPおよびΔqの新
たな計測が行なわれる毎に、インクリメントされて行
く。
【0078】そしてここで、データの出力(読み出し)
命令やが入力されない場合には(S6のN)、引き続き
上記のS(ステップ)1〜S5の動作が時刻tの経過に
つれて計測周期Tごとに繰り返されるが、データの出力
(読み出し)命令、即ちデータをデータ印字手段106
によって印字出力する命令あるいは携行可能なデータ表
示手段105´やデータ印字手段106によって出力す
る命令およびそのときの出力対象となる時刻の範囲(t
s ≦t≦te )の指定dが入力された場合には(S6の
Y)、その指定された時刻の範囲ts ≦t≦te に対応
する時刻tを1ログ中に持つ全てのデータの組(P,Δ
q,t)を、その時系列的な序列を保ちつつ、データ出
力手段104が読み出して出力する(S7)。
【0079】そしてこの出力された全てのデータの組
(P,Δq,t)を、その時系列的な序列に従って横軸
に同一の時間軸tを取るとともに縦軸には圧力Pおよび
瞬間流速vを取ったグラフの形式で、前記のデータ出力
命令が表示出力を指定していた場合には(S8のD)デ
ータ表示手段105´の表示画面上に表示する(S
9)。あるいは前記のデータ出力命令が印字出力を指定
していた場合には(S8のW)、データ印字手段106
´によって印字用紙407上に印字する(S10)。
【0080】そして、出力を終了する命令が入力される
と(S11のY)、グラフの表示出力を停止する。ある
いは印字出力時に出力終了の命令が入力された場合に
は、その時点で印字出力を強制終了する。また、指定時
刻範囲に該当する全てのプロット点を含むグラフの印字
出力が終了した場合には、データ印字手段106´が自
動的にそれを判定して前記の出力終了命令を自動的に発
して、そのときの印字出力動作を終了する。
【0081】次に、圧力Pおよび瞬間流量Δqの計測〜
ガス漏洩判定〜流失ガスの積算流量演算の動作について
を図4の概要フローチャートに基づいて述べる。
【0082】ガス1の圧力Pや瞬間流量Δqのデータの
計測〜記憶の動作については、上記の図3のS1〜S5
に示した動作と全く同様であることは言うまでもない
(従って図4では図3のS1〜S5に示した動作をS1
2としてサブルーチンにまとめて図示してある)。
【0083】そして、上記のようにして計測されたガス
1の圧力Pや瞬間流量Δqのデータに基づいて、ガス漏
洩発生判定手段107は、ガス漏洩が発生したか否かを
判定する。
【0084】そのさらに詳細な手法としては幾つかのバ
リエーションが挙げられるが、まず第1に、0<Δq<
Δqthなる瞬間流量Δqが計測された場合にはガス漏洩
が発生したと判定する、というものである。
【0085】即ち、いわゆる「とろ火」程度のガス消費
量に対応した最小微少流量に対応した流量を前記のΔq
th(つまり微少漏洩判定しきい値)として予め登録して
おき、この判定しきい値未満のガス流速が計測された場
合には(S13のY)、それは「とろ火」のような正常
なガス使用時の微少流速ではなくて微少ガス漏れによる
微少流速であることになるから、このような0<Δq<
Δqthなる瞬間流量Δqが計測された場合には、ガス漏
洩発生判定手段107は微少ガス漏洩が発生したものと
判定する(S14)。
【0086】あるいは第2に、上記のような0<Δq<
Δqthなる瞬間流量Δqが計測されなかった場合でも
(S13のN)、ガスの消費が継続していた状態から一
転して瞬間流量Δq=0となった時点から暫く時刻tが
経過した後に(例えば15分ごとの圧力差の計測でt=
30日間など)、所定の圧力上昇値ΔPth(例えばΔP
th=+20mmH2 O)を越えた圧力Pの上昇+ΔPが
無かった場合には(S15のY)、微少ガス漏洩が発生
したものと判定する(S14)、従来のいわゆる圧力式
微少漏洩検知方式のガス漏洩検知手法を用いても良い。
【0087】あるいは上記以外にも、時刻tが例えば午
前3:00≦t≦午前5:00のように一般家庭のユー
ザーが通常ではガスを使用しないような時間帯のときに
(S16のY)、計測された圧力Pが、予め定められた
正常なガス静止状態の圧力の下限値として定められた正
常静止圧力しきい値Pth未満であった場合(S17の
Y)であって、しかもこのときの瞬間流量Δqが、Δq
=0でなかった場合には(S18のN)、ガス漏れが発
生している可能性が高いという結論が得られることにな
る。そこでこのような場合にはガス漏洩が発生したもの
と判定することができる(S19)。しかし一方ここで
ガスの流量ΔqがΔq=0の場合には(S18のY)、
ガスは流れていないことになるから、このときの圧力P
の低下はガス漏洩に起因したものではなくて外気温度の
低下によるものであったということが結論付けられるこ
とになる。
【0088】つまり、従来の自記圧力計では、圧力Pの
みに基づいてガス漏洩を判定していたので、このような
温度変化に起因した圧力Pの異常値が発生した場合に
は、ガス漏洩と誤判定する場合があり、その判定精度が
低いものとなるという不都合があったが、本発明によれ
ば前記の如く瞬間流量ΔqがΔq=0であった場合には
(S18のY)、これに基づいてガス漏洩の誤判定を防
ぐことができ、さらに正確なガス漏洩検知が可能とな
る。
【0089】あるいは上記の他にも、例えば瞬間流量セ
ンサ4の計測レンジアビリティ未満の微少流量のガスが
漏れていたような場合などには、前記のS13の際に計
測されて用いられる瞬間流量Δqの値は実際には0では
ない(つまりガス漏洩が発生している)にもかかわら
ず、瞬間流量センサ4にとってはΔq=0として計測さ
れているのであるから、そのような微少ガス漏洩の判定
を見逃してしまうことになる。
【0090】あるいは、図示は省略したが、瞬間流量セ
ンサ4が配置された位置よりもガス供給源寄りの位置で
ガス漏洩が発生しているような場合には、ガス流はガス
供給源からガス漏洩発生位置の間は流れるが、そのガス
漏洩発生位置よりも下流側の瞬間流量センサ4が配置さ
れている位置ではガス流は殆ど0に近い値でしか計測さ
れないということもあり得る。そこでそのような場合に
は、上記のような自動判定はできないとしても、そのと
きの圧力Pや瞬間流量Δqの記録データはデータ記憶手
段103に記録されているのであるから、後にそのデー
タに基づいて、より詳細な解析作業を行なって、例えば
瞬間流量ΔqはΔq=0であってもそのときの圧力Pが
常に正常値よりも低い値で低迷しており、それは外気温
が高くなる日中の時刻tにおいても外気温が低くなる深
夜の時刻tにおいても殆ど変化なく常に低い圧力レベル
に低迷しているといったことが解析された場合には、高
い信頼性を以て、ガス漏洩が発生していた疑いが強いと
いう判定結果を得ることができる。このように、さらに
事後のデータ解析作業等によっても、従来よりもさらに
詳細なデータに基づいた正確なガス漏洩検知を行なうこ
とができる。
【0091】あるいは、図示は省略したが、(P,Δ
q,t)のデータに基づいて解析作業を行なう際の手法
としては、上記の他にも、例えば前記のようなt=午前
3:00〜5:00のような時間帯に計測された瞬間流
量Δqが、正常な数値範囲から大きく逸脱した高い流量
値であった場合などには、中〜大量のガス漏洩が発生し
たものと判定するようにしても良い。
【0092】また、ある時刻tにおいて瞬間流量Δqが
Δq=0と計測されているときに、圧力Pの方は正常な
静止圧力と比較して大幅に高い圧力が計測された場合に
は、このガス漏洩検知装置自体の圧力センサ3あるいは
瞬間流量センサ4が故障しているか、または圧力調整器
が故障していることなどを、解析結果として結論付ける
ことができる。
【0093】あるいは、ある時刻tにおいて圧力Pが高
い圧力値を示しているのに、そのときの瞬間流量Δqも
高い値を示しているような場合には、このガス漏洩検知
装置自体の圧力センサ3あるいは瞬間流量センサ4が故
障していることなどを、解析結果として結論付けること
ができる。
【0094】そして、このように解析結果としてガス漏
洩検知装置自体に故障等が発生していることを判定する
ことができることにより、そのようなガス漏洩検知装置
自体の故障等に起因したガス漏洩検知の誤動作あるいは
誤判定を防ぐことができ、さらに信頼性の高い正確なガ
ス漏洩判定を実現することが可能となる。
【0095】次に、上記のようにしてガス漏洩が自動検
知された場合の、そのガス漏洩に起因した流失ガスの積
算流量を演算する動作についてを、図5の概要フローチ
ャートに基づいて述べる。
【0096】上記のようにしてガス漏洩の発生が判定さ
れると、その判定された時点から、そのガス漏洩が継続
している間中に流失するガスの流失量を積算して行く。
【0097】即ち、流失ガス積算流量演算手段108
は、瞬間流量センサ4で計測されたガス1の瞬間流量Δ
qの積算を演算する(S21)。
【0098】なお、より正確なガス1の瞬間流量Δqを
求めることが必要な場合には、瞬間流量Δqと同時に計
測された圧力P等に基づいて、前記の算出された瞬間流
量Δqの補正値を求めて、この補正値で前記の瞬間流量
Δqの値を補正しても良いことは言うまでもない。
【0099】続いて、前記のようにして算出される瞬間
流量Δqを、前記のガス漏洩が継続している間中、瞬間
流量Δqが計測される毎(つまり計測周期Tが経過する
毎)にその瞬間流量Δqに対応して求められた前記の瞬
間流量Δqの値を逐一積算して行き(Q=ΣΔq・Δ
t)、そのガス漏洩が継続している期間中から現時点ま
でに流失した流失ガスの総量Qを算出する(S21〜S
23のY〜S21の繰り返し)。
【0100】こうして流失ガスの総量Qを算出すると、
その値をデータ表示手段105の表示画面中に書き替え
て表示する。つまり、表示の値を逐次にインクリメント
する(S22)。
【0101】そして流失ガス積算処理動作解除およびそ
のときのデータリセットの命令が入力されると(S24
のY)、流失ガス積算流量演算手段108の流失ガス積
算流量演算動作が終了されるとともに、積算流量Qのデ
ータもリセットされて、再び図4のS12のステップに
戻ってそれ以降の動作を繰り返す。
【0102】なお、図3,図4,図5の概要フローチャ
ートにおいてはいずれも、全体として1つの無限ループ
を描いてその動作が繰り返されるように描いてあるが、
図示しない例えば本装置の取換寿命が到来するなどして
強制的な割り込みモード等でその動作を停止されるよう
な場合には、その停止動作等が割り込みモードとして行
なわれることも可能であることは言うまでもないが、本
発明に係るガス漏洩検知装置は本質的に上記のようなガ
ス漏洩検知の機能をその使用継続中は休むこと無く無限
ループ状に繰り返しているのであるから、強制的な停止
動作の割り込みモードなどの瑣末な事項については説明
および図示の簡潔化のために敢えて省略するものとし
た。
【0103】
【発明の効果】以上、詳細な説明で明示したように、本
発明によれば、温度変化等の外乱的要因の悪影響を受け
ること無く、正確なガス漏洩判定を行なうために利用可
能なガス圧力のデータおよびガス瞬間流量のデータを、
同一の時間軸に対応して計測〜記録そして出力して、従
来の方式よりもさらに正確なガス漏洩判定を実行するこ
とが可能なガス漏洩検知装置を提供することができる。
【0104】しかも、そのようなガス漏洩の判定だけで
なく、そのガス漏洩検知装置自体の動作が正常であるか
否かについてなどの解析も可能であり、それによって本
来のガス漏洩判定の信頼性がさらに高いものとなるガス
漏洩検知装置を提供することができる。
【0105】そしてさらには、上記のようにガス漏洩の
発生が判定された場合には、そのガス漏洩でどれだけの
流量のガスが流失したのかについて、その流失ガスの積
算流量値を演算して、そのときの損失量を自動的に算出
することの可能なガス漏洩検知装置を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガス漏洩検知装置の構成の主要部
を示す図である。
【図2】本発明に係るガス漏洩検知装置に用いられる携
行可能なデータ表示手段105´およびデータ印字手段
106´の携行用ボディ400の前面の概観を示す正面
図である。
【図3】本発明に係るガス漏洩検知装置における、圧力
Pおよび瞬間流量Δqの計測〜記憶〜出力の動作につい
てを示す概要フローチャートである。
【図4】本発明に係るガス漏洩検知装置における、圧力
Pおよび瞬間流量Δqの計測〜ガス漏洩判定〜流失ガス
の積算流量演算の動作についてを示す概要フローチャー
トである。
【図5】本発明に係るガス漏洩検知装置における、ガス
漏洩が自動検知された場合の、そのガス漏洩に起因した
流失ガスの積算流量を演算する動作についてを示す概要
フローチャートである。
【符号の説明】
1…ガス 2…ガス供給配管 3…圧力センサ 4…瞬間流量センサ 5…接続端子 100…ガス漏洩検知装置本体 200…データ伝送手段 300…I/F 400…携行用ボディ 101…圧力計測手段 102…ガス流量計測手段 103…データ記憶手段 104…データ出力手段 105…データ表示手段 106…データ印字手段 107…ガス漏洩発生判定手段 108…流失ガス積算流量演算手段

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス供給源から供給されるガスを前記ガ
    ス供給源から下流側のガス消費機器へと導通するガス供
    給配管の途中に配置されて前記ガスの圧力を計測する圧
    力センサを用いてなる圧力計測手段と、 前記ガス供給配管の途中位置に配置されて前記ガスの瞬
    間流量または瞬間流速に基づいて瞬間流量を計測する瞬
    間流量センサを用いてなるガス流量計測手段と、 予め定められた時間間隔を隔てた時刻ごとに、該時刻に
    おける前記圧力計測手段で計測された前記圧力のデータ
    および前記ガス流量計測手段で計測された前記瞬間流量
    のデータを、該両データが計測された前記時刻のデータ
    と共に一組にして記憶するデータ記憶手段と、 前記データ記憶手段に記憶された、前記瞬間流量のデー
    タおよび前記圧力のデータを前記時刻のデータと共に一
    組にして出力するデータ出力手段とを備えたことを特徴
    とするガス漏洩検知装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のガス漏洩検知装置におい
    て、 前記データ出力手段によって前記時刻ごとで一組のデー
    タとして出力される前記瞬間流量のデータおよび前記圧
    力のデータに基づいて、前記瞬間流量のデータおよび前
    記圧力のデータの前記時刻ごとの変化を、同一の時間軸
    を用いたグラフとしてそれぞれ表示画面に表示出力する
    データ表示手段を、さらに具備することを特徴とするガ
    ス漏洩検知装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のガス漏洩検知装置
    において、 前記データ出力手段によって前記時刻ごとで一組のデー
    タとして出力される前記瞬間流量のデータおよび前記圧
    力のデータに基づいて、前記瞬間流量のデータおよび前
    記圧力のデータの前記時刻ごとの変化を、同一の時間軸
    を用いたグラフとしてそれぞれ印字用紙上に印字出力す
    るデータ印字手段を、さらに具備することを特徴とする
    ガス漏洩検知装置。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3記載のガス漏洩検知装置
    において、 前記データ表示手段または前記データ印字手段は、少な
    くとも前記データ記憶手段および前記データ出力手段と
    は別体として離れた位置に移動可能な構造に形成されて
    おり、前記データ出力手段に対してデータ伝送手段を介
    して接続されるデータ表示手段またはデータ印字手段で
    あることを特徴とするガス漏洩検知装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のうちいずれかに記載の
    ガス漏洩検知装置において、 前記瞬間流量のデータおよび前記圧力のデータおよび前
    記時刻のデータのうち少なくとも一種類のデータに基づ
    いて前記ガスの漏洩の発生を判定するガス漏洩発生判定
    手段と、 前記ガス漏洩発生判定手段によって前記ガスの漏洩が判
    定された時点から、前記ガスの瞬間流量を積算して、前
    記ガスの漏洩が継続している間に前記漏洩によって流失
    した流失ガスの積算流量の値を演算する流失ガス積算流
    量演算手段と、 前記流失ガス積算流量演算手段で演算された前記流失ガ
    スの積算流量の値を出力する流失ガス積算流量値出力用
    のデータ出力手段とを、さらに具備することを特徴とす
    るガス漏洩検知装置。
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