JP5596034B2 - コンピュータ断層撮影投影データの適応圧縮 - Google Patents

コンピュータ断層撮影投影データの適応圧縮 Download PDF

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Description

本発明は、コンピュータ断層撮影(CT)のために取得した投影データの圧縮及び解凍に係り、より詳細には、圧縮データにおいてサンプル当たり希望のビット数を得るための投影データサンプルの適応減衰に係る。
CT画像形成システムでは、物体の複数の放射線写真ビューが、投影データのセットを発生する。投影データの各行は、物体の平面又は薄片内の内部構造体の密度値の積分を表す。投影データの複数セットから、CT画像形成システムは、物体の内部構造体の二次元(2D)断面画像及び三次元(3D)画像を発生する。画像は、良く知られた画像再構成アルゴリズムを投影データのセットに適用することにより得られる。投影データの複数のセットから断面画像又は三次元画像を再構成する技術は、「断層撮影」と広く称されている。プログラム可能なプロセッサベースの装置を使用して画像再構成を遂行することは、コンピュータ(コンピュータ化又はコンピュータ支援)断層撮影と広く称されている。典型的な用途では、X線の放射源が物体を通してX線センサ(又は検出器)アレイにX線を投影する。X線センサの出力は、投影データのセットを形成するようデジタル化される。投影データのセットは、検出器アレイの幾何学形状に基づいて一次元又は二次元である。物体、X線源、及びX線センサアレイの1つ以上の間の相対的な動きは、異なるパースペクティブをもつ複数のビューを形成する。物体の薄片の画像又は断面画像は、複数のビューの数学的変換を使用することにより近似することができる。ある用途では、断面画像を結合して、そうしなければ観察できない物体の3D画像を形成することができる。
X線CTの良く知られた用途は、人体を非侵襲的に画像形成するための医療用CTスキャナである。医療用CTスキャナでは、ガントリーを使用してX線源及び検出器アレイを回転しそしてスリップリングを横切って投影データを転送することにより複数のビューが得られる。近代的なCTスキャナ(2008年の時点)は、1ないし10キロサンプル/秒(ksamp/sec)の範囲で数万個のX線センサ出力をデジタル化し、各デジタルサンプルは、16ないし24ビット/サンプルを有し、スリップリングを横切って数ギガビット/秒(Gbps)の総計データ転送帯域巾を生じさせる。又、投影データは、画像再構成の前にリアルタイムで記憶又はバッファされねばならない。画像再構成プロセスは、典型的に、データ取得プロセスより10ないし20倍も低速であり、記憶の必要性を生じる。典型的な記憶サブシステムは、独立ディスクの冗長アレイ(RAID)ドライブを備えている。スリップリングを横切るデータ転送レートが高くなるにつれて、RAIDサブシステムの記憶容量及びスループットも高くなければならない。業界が空間的及び時間的解像度の上昇並びにX線センサ数の増加を競うにつれて、データ転送及びデータ記憶サブシステムの帯域巾需要は、間もなく10Gbpsを越える。
X線CTの別の用途は、工業製品の自動検査である。例えば、X線投影データから再構成された断面画像は、プリント回路板のような電子装置を含む製造製品のための品質制御検査システムに使用される。断層撮影は、調査中の物体の品質を評価するために物体の1つ以上の平面又は断面の画像を再構成するのに使用できる。X線CTシステムは、当該物体に対して種々の位置及びビューにおける投影データのセットを取得する。工業用検査システムのシステムアーキテクチャーは、医療用CTスキャナとは異なる。しかしながら、医療用CTスキャナと同様に、大量の投影データは、データ転送及び記憶を必要とする。自動検査システムの場合、テスト中の物体の高いスループットが望まれる。というのは、テストされる製品のコストを下げることになるからである。高いスループットは、データ転送及びデータ記憶装置の帯域巾需要を高める。CTスキャニング技術を使用する自動検査の別の例は、自動手荷物選別システムである。
CTシステムのデータ取得サブシステムにより取得された大量の投影データは、データ転送及びデータ記憶についてシステムに負担を招く。データ転送帯域巾に制限があると、スキャニングされる物体の画像を再構成及び表示するための投影データの利用を遅延させる。データ転送の前に投影データを圧縮し、その後に、画像再構成処理の前に解凍すると、データ転送及び記憶についてシステムリソースの負担を減少させる。圧縮の利益は、データ取得と画像表示との間の待ち時間を短縮し、帯域巾の限定された通信チャンネルを経て転送されるデータの量を増加し、そして後でアクセスして画像再構成するためにネットワークを経て伝送して記憶するための圧縮された投影データを形成することを含む。圧縮は、システムリソースがより多くの投影データを受け容れできるようにするので、画像の解像度を改善することができ、及び/又は物体の広い領域をスキャンすることができる。圧縮動作を具現化するために計算リソースを利用することも、CTシステムにおける制約である。圧縮動作は、計算上の複雑さが低く、そして計算リソースへの影響を最小にするためにリアルタイムで動作できることが望まれる。
コンピュータ断層撮影では、画像関連データの2つのドメイン、即ちラドン変換ドメイン及び空間的ドメイン、がある。投影データ又はシノグラムデータは、投影ドメイン又はシノグラムドメインとも称されるラドン変換ドメインに含まれる。投影データは、それが物体の1つの薄片から得られるか又はX線センサの線型アレイから生じる状況では2Dである。投影データは、それが物体の2つ以上の薄片から得られるか又はX線センサの二次元アレイから生じる状況では3Dである。投影データから再構成された2D断面画像は、2D空間的ドメインにある。複数の断面画像から再構成された三次元画像は、3D空間的ドメインにある。ラドン変換は、ラドン変換ドメインの投影データと、投影データから再構成された空間的ドメイン画像との間の関係の根底にある数学的変換である。圧縮アルゴリズムをラドン変換ドメインの投影データに適用しても、同じアルゴリズムを空間的ドメインの再構成画像に適用したときと同じ結果を生じない。というのは、投影データと再構成データとの間の数学的関係のためである。
画像圧縮技術、例えば、JPEG画像圧縮は、典型的に、空間的ドメインの画像データ、例えば、写真画像に適用される。空間的ドメイン画像圧縮技術は、空間的ドメイン画像の効率的な画像記憶又は伝達のためにコンピュータ断層撮影の再構成画像にも適用される。空間的ドメイン画像の付加的な圧縮を達成するための解決策は、画像における当該領域を識別し、そして当該領域にロスレス圧縮を、又、当該領域以外の領域にロッシー圧縮を適用することである。この解決策は、例えば、2004年、Proceedings of SPIE、第5371巻、第160−169ページに掲載されたThammineni氏等著の“Segmentation-based CT Image Compression”と題する論文、及びIEEE 2004 International Conference on Image Processing、第3185−88ページに掲載されたHashimoto氏等著の“CT Image compression with Level of Interest”と題する会議書類に説明されている。
投影又はシノグラムドメインの場合、投影データの圧縮及び解凍は、空間的ドメインにおける画像の再構成の前に適用される。投影データの圧縮に対する幾つかの解決策が投影ドメインにおけるJPEG画像圧縮方法に適用される。この解決策の一例が、2008年2月5日付の“Method and Apparatus for Compressing Computed Tpmography Raw Projection Data”と題するBae氏等の米国特許第7,327,866号に説明されている。この解決策は、ロスレス又はロッシー圧縮を投影データに適用する。スキャンされる物体の境界内に入る投影データを圧縮するための解決策は、2003年10月14日に公告された“X-Ray CT Apparatus, System and Projection Data Compressing/Restoring Method”と題するNishide氏等の日本国公開(未審査)特許公告第2003−290216(P2003−290216A)号に説明されている。この解決策は、投影データを、X線が空き領域を横断する空気情報領域と、X線が対象物又は患者を横断する対象情報領域とに分離する。空気情報領域及び対象情報領域には異なる圧縮方法が適用され、又は空気情報領域が削除されてもよい。
投影データの圧縮に対する前記解決策の欠点は、次の通りである。前記技術では、定義される当該領域及びロスレス圧縮がデータ依存であるので、圧縮データのビットレートが予想不能に変化する。圧縮データの帯域巾が時間と共に変化するので、FIFOのようなインターフェイスは、変化するデータレートをサポートすることが要求される。FIFOインターフェイスは、付加的な制御信号(半いっぱい、ほぼいっぱい、ほぼ空、等)を必要とするので、固定レートのインターフェイスより複雑である。ビットレートが望ましい範囲内に入る圧縮データを得ることが好都合である。ロッシーの固定レート圧縮モードでは、圧縮データの帯域巾を制御することができる。従って、圧縮データは、インターフェイスを横切って固定のデータレートで記憶媒体へ転送することができる。固定のデータレートは、圧縮データの転送についてインターフェイスを簡単化し、そしてFIFO深さを最小にする。前記解決策の別の欠点は、どの圧縮方法が適用されるかに基づき計算が複雑なことである。計算の複雑さを減少してシステムリソースへの負担を少なくすると共に、投影データをリアルタイムで圧縮できるようにするのが好都合である。
2007年12月3日に出願された“Compression and Decompression of Computed Tomography Data”と題する共通に所有された同時係争中の米国特許出願第11/949670号(‘670出願)は、投影データを圧縮し、そしてその圧縮された投影データを、画像再構成の前に解凍することを説明している。この‘670出願は、投影データサンプルをそれらの意義に基づいてサブセットへと分類することを教示している。サブセットに適用される圧縮動作は、投影データサンプルの意義に依存する。
ここでの説明において、「リアルタイム」とは、デジタル信号のサンプルレートと少なくとも同じ速さのレートを意味する。「リアルタイム」という語は、デジタル信号を処理し、転送し、記憶するためのレートを示すのに使用できる。サンプルレートとは、アナログ/デジタルコンバータ(ADC)がアナログ信号の変換中にデジタル信号のサンプルを形成するレートである。デジタル信号をアナログ信号に変換するときには、サンプルレートは、デジタル/アナログコンバータ(DAC)がデジタル信号のサンプルからアナログ信号を形成するレートである。非圧縮のサンプル信号又はデジタル信号のビットレートは、サンプル当たりのビット数にサンプルレートを乗算したものである。圧縮比は、オリジナル信号サンプルのビットレートと、圧縮されたサンプルのビットレートとの比である。本出願の場合、リアルタイムは、ADCがX線センサの出力信号から投影データのデジタルサンプルを形成するレートを参照する。
この説明は、ロスレス及びロッシー圧縮を参照する。ロスレス圧縮では、解凍されたサンプルがオリジナルサンプルと同じ値を有する。ロスレス圧縮が圧縮サンプルのビットレートの充分な減少を与えない場合には、ビットレートの充分な減少を与えるためにロッシー圧縮が必要となる。ロッシー圧縮では、解凍されたサンプルがオリジナルサンプルと同様であるが、同じではない。ロッシー圧縮は、圧縮サンプルのビットレートと、解凍サンプルの歪との間のトレードオフを生成する。
本発明の実施形態は、以上の従来の問題を考慮してなされたものである。本発明の目的は、CT投影データを圧縮することである。CT投影データを圧縮する利益は、CTスキャナのスリップリングインターフェイスを横切るデータ転送の効率を高め、RAIDアレイのような記憶サブシステムへ配送されるデータの帯域巾を減少し、そしてCT画像形成システムにおける投影データのセットに要求される記憶容量を減少することを含む。本発明の更に別の目的は、固定の出力ビットレートを与えることである。圧縮データの出力ビットレート又はビット/サンプルのユーザ特定制御は、予想可能なデータ転送レート及びデータ記憶要件を生じさせる。CTシステムコンポーネントの付加的なコスト節約は、ユーザ特定圧縮比が整数値、例えば、2:1であるときに、達成することができる。例えば、固定の2:1圧縮比は、システムのあるコンポーネント、例えば、メモリ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、データ転送用のケーブル、及びデータ記憶用のディスクドライブを半分に減少できるようにする。
以上の目的を実現するために、本発明の1つの態様は、複数のセンサが複数のセンサ測定値を発生して投影データの1つ以上のセットを形成し、投影データの各セットは、投影ドメインの一部分を表し、且つ投影データのサンプルのアレイを含み、そのアレイは、少なくとも1行のサンプルを有し、各サンプルは、オリジナルのビット数で表され、そしてサンプル座標により指示されたアレイ内の位置を有するコンピュータ断層撮影システムにおいて投影データを圧縮する方法を提供する。この方法は、
減衰プロフィールの1つ以上のパラメータをメモリにセットし、減衰プロフィールは、サンプル座標の関数であって、複数の減衰値を特定し、その減衰値は、1以下であり、
減衰プロフィールに基づきアレイのサンプルを減衰して、サンプルのオリジナル大きさ以下の大きさを有する減衰サンプルを形成し、
減衰サンプルをエンコードして圧縮サンプルを形成する、
ことを含む。
本発明の別の態様は、複数のセンサが複数のセンサ測定値を発生して投影データの1つ以上のセットを形成し、投影データの各セットは、投影ドメインの一部分を表し、且つ投影データのサンプルのアレイを含み、そのアレイは、少なくとも1行のサンプルを有し、各サンプルは、オリジナルのビット数で表され、そしてサンプル座標により指示されたアレイ内の位置を有するコンピュータ断層撮影システムにおいて投影データを圧縮する装置を提供する。この装置は、
投影データのサンプルを受け取るように結合され、且つ圧縮サンプルをデータ転送インターフェイスに与える圧縮サブシステム、
を備え、この圧縮サブシステムは、更に、
圧縮サブシステムのメモリに記憶された1つ以上のパラメータで表された減衰プロフィールを含み、減衰プロフィールは、サンプル座標の関数であって、複数の減衰値を特定し、その減衰値は、1以下であり、更に、
メモリに結合され、減衰プロフィールに基づきサンプルを減衰して、サンプルのオリジナル大きさ以下の大きさを有する減衰サンプルを形成する減衰器、及び
減衰サンプルをエンコードして圧縮サンプルを形成するエンコーダ、
を含む。
従来技術により医療用CT画像形成システムにおいてCTスキャンデータを取得する基本的構成を示す図である。 従来技術により1行のセンサから出力された投影データによって形成される信号を例示する。 好ましい実施形態による投影データの圧縮システムのブロック図である。 式g(x)=2-y(j)により与えられる減衰プロフィールの指数関数y(j)の一例を示す。 式g(x)=2-y(j)により与えられる減衰プロフィールの指数関数y(j)の別の例を示す。 差の演算器を含む投影データのための圧縮システムのブロック図である。 投影データの異なるセットに対応する減衰サンプルの2つのアレイの一例を示す。 圧縮サンプル当たりの平均ビットを制御するための種々の要素の相互作用を示すブロック図である。 導関数縁検出器のブロック図である。 その後の画像再構成のための解凍のブロック図である。
本発明は、投影ドメイン又はシノグラムドメインとしても知られているラドン変換ドメインにおける投影データの圧縮及び解凍に向けられる。投影データの圧縮は、CTシステムのデータ取得サブシステムから記憶サブシステム及び画像再構成プロセッサへのデータ転送をより効率的に行えるようにする。圧縮された投影データのその後の解凍は、空間的ドメイン画像の画像再構成の前に適用される。圧縮及び解凍は、1つのビューから生じる投影データの1つのセットに、又は複数のビューから生じる投影データの複数のセットに適用することができる。本発明は、空間的ドメイン画像を計算するために画像再構成プロセスにより使用されるビューの数とは独立している。
本発明の実施形態は、人体の断面画像を生成するための医療用コンピュータ断層撮影スキャナ及び調査中の物体を検査するための工業用コンピュータ断層撮影システムにおいて投影データを圧縮及び解凍するのに使用できる。医療用コンピュータ断層撮影スキャナでは、X線源及び検出器アレイが回転ガントリーにより患者の周りで回転される。検出器アレイにより取得された投影データは、ガントリーシステムの回転ユニットと固定ユニットとの間の通信チャンネルを経て記憶システムへ送信され、その後に、画像再構成のためにプロセッサへ送信される。工業用コンピュータ断層撮影システムでは、X線源及び検出器アレイが、限定された動きであるか又は固定のままであり、そして調査中の物体は、並進移動又は回転される。投影データは、通信リンクにより記憶装置へ送信され、その後に、画像再構成のためにプロセッサへ送信される。両用途では、各通信チャンネルの帯域巾に限度がある。帯域巾の制限は、画像再構成に使用するためのプロセッサへの投影データの送信速度を決定する。帯域巾が限定されたチャンネルを横切ってより多くのデータを転送できるように、投影データは、送信前に圧縮される。投影データが記憶される用途では、投影データの圧縮により、所与のメモリ容量でより多くのデータを記憶できるか、或いは必要なメモリ容量及びメモリインターフェイスの帯域巾を減少することができる。圧縮された投影データは、画像再構成のために解凍されて処理される。
図1aは、医療用CT画像形成システムにおけるCTスキャンデータ取得のための基本的構成を示す図である。物体又は患者110は、CT画像形成システムの回転ガントリー(図示せず)内で前後に移動できるプラットホーム120に位置される。ガントリーは、X線源100及びデータ取得サブシステム(DAS)130を備えている。このDAS130は、1行以上のX線源及びアナログ/デジタルコンバータ(ADC)のマトリクスを含む。ADCは、X線センサからの信号をデジタル化してサンプルを生成し、その振幅がX線カウント又はハウンズフィールド単位を表す。現在(2008年)のCTシステムは、薄片又は行当たり約1024個のX線センサと、ビュー当たり320個までの薄片とのマトリクスを含むことができる。X線源100は、システム設計に基づいて特定の幾何学形状を有するビームを発生する。図1aに示す例は、扇状ビームの幾何学形状である。X線の減衰程度は、その経路に依存する。図1aでは、線140a及び140bは、空気中を進行するので減衰しない。線140cは、物体110を横断するときに一部分吸収されるので減衰される。線140b及び140dは、物体110の境界を横断し、線140cより減衰は少ない。X線センサのアレイは、受け取ったX線を測定し、ADC用の信号を形成する。CTスキャナのX線センサは、X線源100からの減衰及び非減衰X線信号の範囲を捕獲するために数桁の大きさのダイナミックレンジを必要とする。現在(2008年)のCTスキャナのX線センサは、16ないし24ビット/サンプルを使用してX線センサ出力をサンプリングするADCを使用する。16ビット/サンプルの場合、最大(非減衰)X線カウントは、216、即ち65,536である。24ビット/サンプルの場合、最大X線カウントは、224、即ち16,777,216である。ビューアングル増分ごとに、DAS130は、投影データのセットを発生する。投影データのセットは、サンプルのアレイを含み、このアレイにおけるサンプルの行又はスキャン線は、物体110の薄片を通過するX線の測定値に対応する。ガントリーが患者の周りを回転するとき、投影データの複数のセットが捕獲されて、スリップリングを横切って外部コンピュータ又はプロセッサ(図1aには示さず)へ転送される。プロセッサは、画像再構成アルゴリズムを投影データのセットに適用して、画像を形成する。画像再構成アルゴリズムは、スキャンプロトコルに基づいて、スキャンされた物体の二次元断面画像又は三次元画像を発生することができる。再構成された画像は、次いで、分析のために表示される。X線源ビームの特定の幾何学形状、検出器の幾何学形状、DAS130の構成、又はスキャンプロトコルは、本発明の用途を限定するものではない。
図1bは、DAS130のセンサの行から出力される投影データにより形成される信号150の一例を示す。領域150a及び150eは、非減衰線140a及び140eに対応し、最大のX線カウントを有する。150b及び150dで指示された領域は、境界140b及び140dで検出された線を表す遷移領域である。150cで指示された領域は、物体110を横断した減衰線140cに対応し、従って、実質的に低いX線カウントを有する。使用するCTシステムは、典型的に、スキャンされる物体より広いセンサのマトリクスを含み、従って、非減衰X線を伴う領域、例えば、領域150a及び150eは、投影データに共通に生じる。再構成された画像において、これらの「空き」領域は、再構成される画像の外側の領域に対応する。CT画像再構成アルゴリズムは、典型的に、空き領域150a及び150eからの投影データを使用しない。
図1bの例では、空きスペースに対応する投影データは、物体を横断する線に対応する投影データより低い値を有する。あるCTシステムでは、空きスペースに対応するサンプルが物体に対応するサンプルより高い値を有する投影データが前処理で発生される。この説明では、サンプルのインデックスが左から右へ増加すると仮定する。しかしながら、サンプル座標を表す慣習は、本発明の範囲を限定するものではない。
図2は、投影データのための圧縮システムのブロック図である。DAS130は、ビューごとに投影データ160のセットを発生する。投影データ160のセットは、投影データサンプルのアレイを含む。アレイの幾何学形状は、データ取得プロセスに依存するもので、本発明の範囲を限定するものではない。投影データ160のアレイは、関連座標又はインデックスを有する投影データサンプルd11、d12、等を含む。圧縮プロセッサ200は、アレイ160の投影データサンプルを圧縮する。減衰器210は、減衰プロフィール214のパラメータに基づいてアレイ160の各線又は行におけるサンプルの大きさを減少する。減衰プロフィール214は、アレイ160におけるサンプルの座標に依存し、1以下の減衰値を与える。減衰されるサンプルの大きさは、減衰プロフィール214に基づいて、減少されるか、又はオリジナル値に留められる。減衰器210は、本質的に、減衰されるサンプルのダイナミックレンジを減少して、より少ないビットを使用してそれらを表せるようにする。エンコーダ212は、以下に述べるように、ロスレス又はロッシーエンコーディングを使用して、減衰されたサンプルをパックする。エンコーダ212は、圧縮されたサンプルをバッファ230へ出力し、通信チャンネル240を経て送信する。CTスキャナシステムでは、スリップリングインターフェイスが通信チャンネル240をなす。圧縮コントローラ220は、エンコーダ212からフィードバック情報を受け取る。出力ビットレートのフィードバック制御に使用されるフィードバック情報は、圧縮データのビットレート又は圧縮サンプル当たりのビット数を含むことができる。圧縮コントローラ220は、フィードバック情報を使用して、減衰プロフィール214のパラメータを含む圧縮制御パラメータを調整し、圧縮データのビットレート又は圧縮サンプル当たりのビット数が一定に留まるか又は希望の範囲内に入るようにする。減衰プロフィール214に対応するパラメータを含む圧縮制御パラメータは、エンコードされて、圧縮データと共に含まれ、そして解凍制御のために後で使用される。又、圧縮コントローラ220は、圧縮データのための希望の出力ビットレート、圧縮動作の選択、及び設定制御パラメータのようなユーザ入力201も受け取ることができる。
減衰プロフィール214は、減衰器210によりアレイ160のサンプルに適用される減衰の程度を決定するパラメータを含む。減衰プロフィール214の好ましい形式は、底2の指数関数であるセグメントを有する関数により表される。別の態様では、減衰プロフィール214は、アレイ160の各線の境界から中心に向かって減少する減衰を与える。例えば、アレイ160dijにおけるi番目の線又は行の座標がj=1からj=Nへ延びると仮定する。但し、Nは、DAS130の行におけるX線センサの数を表す。例えば、現在(2008年)のCTシステムでは、アレイは、線又は行当たり1024個までの要素をもつ線を有する。指数関数的な減衰プロフィールは、次のようなサンプル座標jの関数g(j)として減衰を与える。
g(j)=2-y(j) y(j)≧0 (1)
g(j)で表される減衰プロフィール214は、指数関数y(j)を含む。指数は式(1)において負であるから、サンプルに関数g(j)の値を乗算することで、y(j)=0でない限り、サンプルの大きさを減少する。指数関数y(j)は、g(j)で表された減衰プロフィールの負のlog2である。j番目の減衰サンプルを表すのに必要なビットの数(ビットの断片を含めて)は、j番目の非減衰サンプルより、指数関数y(j)のj番目の値だけ少ない。
図3aは、指数関数y(j)がインデックスjの線型関数であるセグメントを含む例を示す。y軸は、j番目のサンプルの大きさの減少のビット数(ビットの断片を含めて)を指示する。パラメータYmaxは、次のような最大減衰を生じさせる。
max=2-Ymax (2)
図3aに示す対称的な指数関数は、アレイ160のi番目の線におけるサンプルd(i、1)及びd(i、N)に最大の減衰を適用する。Tmaxの値は、DAS130により発生される投影サンプルのビット精度以下であり、図7を参照して以下に述べるように、圧縮データのターゲット出力ビットレートを達成するように選択することができる。例えば、DAS130により20ビットサンプルが発生されるときには、Ymaxの値は、20以下である。20ビットサンプルに対して10のようなYmaxの低い値は、低い減衰を生じ、少ない圧縮となる。パラメータYminは、次のような最小減衰に対応する。
min=2-Ymin (3)
min=0の場合には、図3aにおけるd(i、N/2)に対応する中心サンプルは、同じ大きさに留まる。又、Yminの値は、図7を参照して以下に述べるように、ターゲット出力ビットレートを達成するように調整することもできる。指数関数に対する別の例は、図3bに示す複数の線型セグメントを含む。或いは又、指数関数は、サンプル座標の非線型関数であるセグメントを有してもよい。
減衰プロフィールは、線型、指数、放物線、階段状、ディザ又は他の非線型セグメントによって表すことができる。又、減衰プロフィールは、対称的である必要もないし、その最小値をアレイ160のN長さ線の中心(N/2)要素に有する必要もない。減衰プロフィールは、サンプルごとに徐々に変化するのが好ましい。サンプル間での減衰プロフィールの変化が1ビットより大きいと、再構成された画像にリングアーティファクトを生じることが観察されている。医療用でない幾つかのCT用途では、リングアーティファクトを許容できる。医療用CTの場合には、リングアーティファクトを防止することができる。リングアーティファクトを防止するために、g(j)で表される減衰プロフィールは、その変化が、サンプルインデックスj当たり1ビット未満でなければならない。この制約は、次のように表される。
Abs[log2(g(j))−log2(g(j+1))]<1
式(1)で表されたg(j)の場合に、y(j)に対する線セグメントの勾配の大きさは、この制約を満足するためには1以下でなければならない。図3a及び3bの例は、この制約を満足する。又、この制約は、デシベル(dB)の単位を使用して表すこともできる。1ビットは、6dBの減衰を表し、サンプルインデックス当たり6dB未満の減衰ステップは、前記基準を満足する。例えば、0.375dBの減衰ステップは、1/16ビットに対応し、減衰ステップが0.375dBへ減少されたときには、6dBの減衰ステップで現れるリングアーティファクトが生じない。従って、臨界減衰ステップは、CT画像形成の用途に基づく。高解像度のCTシステムでは、リングアーティファクトを回避するための臨界減衰ステップは、1dB未満である。減衰ステップの大きさは、達成できる圧縮比と逆の関係にある。それ故、少なくとも2:1の圧縮比を要求するシステムでは、より高い減衰ステップが示唆される。医療用画像形成のための高解像度のCTシステムにおいて滑らかに再構成された画像を維持しながら、ここに述べる減衰及びエンコーディング技術を使用して顕著な圧縮を達成できることが分かった。
再構成された画像の中心エリアの精度を保存するために、減衰プロフィールは、アレイ160の縁付近のサンプルに大きな減衰を与え、そしてアレイの中心付近のサンプルにはあまり又は全く減衰を与えないのが好ましい。サンプルの減衰がロッシー圧縮を生じるときには、再構成された画像の中心エリアの精度が保存され、一方、周囲エリアではエラーが増大する。減衰プロフィール値は、アレイの全ての線について同じでよい。或いは又、減衰プロフィール値は、アレイの異なる線について又は異なる投影データセットについて変化してもよい。
減衰器210は、サンプルに対応減衰値を乗算し及び/又はサンプルを対応減衰値だけシフトすることにより、例えば、式(1)で表される減衰プロフィール214を適用する。シフトすると共に乗算することで、フローティングポイント範囲{0.0、1.0}における部分減衰値を許す。例えば、Mビットを使用して減衰プロフィールのフローティングポイント減衰値を表すことで、範囲{0.0、1.0}において2M個の減衰値が与えられる。減衰値、それ自体は、メモリ内のルックアップテーブルに記憶し、そして減衰器210に与えることができる。或いは又、減衰器210は、メモリに記憶された勾配及びセグメント終了点のような減衰プロフィール214を定義するパラメータを使用して減衰値を計算することができる。減衰器210の簡単な実施形態は、減衰値に対応するビット数だけサンプルを右シフトすることを含む。シフトだけでサンプルの大きさが2分の1になる。というのは、右シフトは、2で除算することに対応するからである。減衰プロフィール214が、式(1)のような底2の指数関数に対応するときには、右シフトの全数を決定するために指数関数y(j)を裁断するか又は丸めることができる。右シフトは、対応する数の最下位ビットをシフトアウトし、従って、サンプルを表すのに使用されるビット数を減少する。減衰値に対応する右シフト値は、ルックアップテーブルに記憶することもできるし、又は減衰プロフィール214のパラメータに基づいて減衰器210により計算することもできる。
エンコーダ212は、更に、減衰されたサンプルを表すビットの数を減少して、圧縮されたサンプルを発生する。エンコーダ212は、ブロックフローティングポイントエンコーディング、ハフマンエンコーディング、又は他のビットパッキング方法を適用することができる。或いは又、減衰されたサンプルは、順次にパックすることもできる。というのは、サンプル当たりのビット数が、減衰プロフィールにより表されたサンプルインデックスの既知の関数だからである。例えば、式(1)により表される減衰プロフィール214の場合、j番目のサンプルのビット数は、y(j)の丸められた又は裁断された値だけ減少され、各圧縮サンプルのビット数がサンプルインデックスjの関数として分かることになる。
エンコーダ212は、ブロックフローティングポイントエンコーディングを適用することができる。好ましいブロックフローティングポイントエンコーディングは、エンコードされるべきサンプルの各線をN_GROUPサンプルのグループへと分割し、そして次のステップを適用する。
サンプルの第1グループについて:
1)N_GROUPサンプルの各グループにおける最大の大きさのlog2を計算することにより最大の大きさをもつサンプルの指数(底2)を決定する。これは、エンコードされたサンプル当たりのビット数又はn_exp(0)を指示する。
2)Sビットを使用して第1グループの指数n_exp(0)を絶対エンコードする。
3)サンプル当たりのn_exp(0)ビットを使用してN_GROUPサンプルをエンコードする。
N_GROUPサンプルのi番目のグループについて:
4)最大の大きさをもつサンプルに対し、i番目のグループにおけるエンコードされたサンプル当たりのビット数又はn_exp(i)を指示するi番目の指数(底2)を決定する。
5)i番目の差の値を決定するためにn_exp(i−1)からn_exp(i)を減算することによりi番目の指数を差動的にエンコードする。対応するトークンを使用してi番目の異なる値をエンコードする。ここで、短いトークンは、より共通性のある差の値を表し、長いトークンは、共通性の少ない差の値を表す。
6)サンプル当たりn_exp(i)ビットを使用してN_GROUPサンプルのi番目のグループをエンコードする。
サンプルの第1グループの場合、指数n_exp(0)が直接エンコードされる。例えば、指数n_exp(0)は、サンプル当たりのオリジナルビット数をSとすれば、次のようにエンコードすることができる。
a.0: n_exp(0)=0(4つのサンプル値は、全て0)
b.1: n_exp(0)=2(サンプル当たり2ビット)
c.2: n_exp(0)=3(サンプル当たり3ビット)
d.等、S−1まで:n_exp(0)=S(サンプル当たりSビット)
i番目のグループの場合、指数n_exp(i)は、プレフィックスコードを使用して差動的にエンコードされ、ノーコードワードは、別のコードワードのプレフィックスである。好ましい差動的エンコーディングは、次の通りである。
1.差を計算する:e_diff=n_exp(i)−n_exp(i−1)
2.e_diffを次のようにエンコードする:
a.0: e_diff=e(i)−e(i−1)
b.101: e_diff=+1
c.110: e_diff=−1
d.1001: e_diff=+2
e.111: e_diff=−2
f.その他
別のロッシーエンコーディング方法は、サンプル値の仮数及び指数の個別のエンコーディングを与える。仮数及び指数を個別にエンコーディングすることは、付加的な圧縮を与え、ロッシー圧縮エラーの影響を減少することができる。この方法では、指数の差の値を決定するために、連続サンプルの指数の差の値が計算される。指数は、ゆっくり変化し、従って、ゼロ値のストリングで分離される非ゼロ値は比較的僅かである。指数の差の値は、非ゼロの差の値及びそれに対応する位置だけを表すことにより効率的にエンコードすることができる。位置は、対応するインデックス値により、或いは最後の非ゼロの差の値の位置に対して、表すことができる。指数の差の値のエンコーディングは、比較的大きなエラーを防止するロスレスである。仮数のエンコーディングは、ロッシーである。指数をデコーディングするために、指数の差の値を積分しそしてそれに対応する位置場所をデコーディングすることにより指数値が再構成される。仮数をデコーディングするときには、再構成された仮数値は、デコードされたサンプルの対応する指数の値を変化させないように制約を受ける。n_expのデコードされた指数の場合に、再構成された仮数は、最大値2n_exp−1をもつことができる。これは、仮数におけるロッシー圧縮エラーが指数の値を変化させるのを防止する。
ブロックフローティングポイント又は他のエンコーディングの前の減衰サンプルの差動的エンコーディングは、付加的な圧縮を与えることができる。差動的エンコーディングの場合、圧縮プロセッサ200は、図4に示すように、差の演算器216を含む。この差の演算器216は、減衰サンプルの一次又はそれより高次の差を計算する。差の演算器216は、差を計算するために次の別の態様を有する。
1)同じ線(行)の連続する減衰サンプル間の差、又は列ごとの差を計算する。
2)投影データの同じセットの連続する線(行)における減衰サンプル間の差、又は行ごとの差を計算する。
3)投影データの連続セットの対応位置における減衰サンプル、又はビュー間の差を計算する。
図5は、投影データの異なるセットに対応する減衰サンプルの2つのアレイA及びBの一例を示す。第1の別の態様について、差の演算器は、同じ線又は行における連続サンプル間の差を計算する。例えば、アレイAの第1行について、減衰サンプル間の計算された差は、次のものを含む。
Diff3=a14−a13 (4)
Diff2=a13−a12 (5)
Diff1=a12−a11 (6)
投影データの同じセットの異なる行における減衰サンプル間の差を計算するために、アレイAの一例は、次の通りである。
Diff1=[a21222324・・・]−[a11121314・・・] (7)
Diff2=[a31323334・・・]−[a21222324・・・] (8)
投影データの異なるセットの対応する減衰サンプル間の差を計算するために、一例は、次の通りである。
Diff1=B−A (9)
第2次の差については、差の演算器216は、各例について次のものを計算する。
Sdiff1=Diff2−Diff1 (10)
Sdiff2=Diff3−Diff2 (11)
第3次の差については、差の演算器は、各例について次のものを計算する。
Tdiff1=Sdiff2−Sdiff1 (12)
圧縮コントローラ220は、望ましい計算を行うように差の演算器216を構成する制御パラメータを与える。圧縮コントローラ220ユーザ入力201に応答して制御パラメータの値をセットすることができる。差の値は、付加的なビット減少のために少数のビットへ量子化することができる。エンコーダ212は、上述したブロックフローティングポイントエンコーディング、ハフマンエンコーディング又は他のビットパッキング方法(ロスレス又はロッシー)を差のサンプルに適用する。
図2及び4のビットレートモニタ222は、出力ビットレートのフィードバック制御のために圧縮サンプルにおけるサンプル当たりの出力ビットを追跡する。ビットレートモニタ222は、圧縮サンプルのグループに対してサンプル当たりの平均ビットを計算する。圧縮サンプル当たりの平均ビット数は、希望の値又は値の範囲と比較される。圧縮サンプル当たりの平均ビット数がその範囲外である場合には、圧縮コントローラ220は、サンプル当たりの出力ビットを減少又は増加するように減衰プロフィール214のパラメータを調整することができる。例えば、図3aを参照すれば、サンプル当たりの出力ビットを減少するために、パラメータYmaxを増加して、線セグメントの勾配を急峻にし、サンプルの減衰を増加することができる。ビットレートモニタ222は、圧縮比のような圧縮性能の他の尺度を計算することができる。
図6は、出力ビットレートをターゲット値へフィードバック制御するための種々の要素の相互作用を示すブロック図である。ビットレートモニタ222は、エンコーダ212から、圧縮ビットレート情報、例えば、圧縮ビットカウント及び/又はサンプルカウントを受け取る。ビット/サンプル計算器221は、圧縮サンプルのセットに対してサンプル当たりの平均ビット数を計算する。圧縮サンプルのセットは、投影データのセットに対応するのが好ましい。減算器223は、サンプル当たりの平均ビットを、サンプル当たりのターゲットビット又は希望ビットから減算して、エラー値を与える。エラー値を平滑化するためにスケールファクタ225及びフィルタ227が適用される。スケールファクタ225の値及びフィルタ係数は、フィードバックループの応答時間又は時定数を決定するためにユーザにより特定することができる。パラメータ計算器229は、減衰プロフィール214のパラメータを、平滑化されたエラー値に基づいて変更する。1つの解決策では、パラメータ計算器229は、サンプル当たり減少される平均ビット値が、平滑化されたエラー値にほぼ等しくなるように、減衰プロフィール214のパラメータをセットする。例えば、式(1)から(3)により表される減衰プロフィール214に対して、パラメータ計算器229は、関数y(j)のパラメータYmax及びYminの値を調整する。図3aを参照すれば、平均値は、次の式で与えられる。
平均=(Ymax+Ymin)/2 (13)
サンプル当たりのビットを量rだけ減少するために、新たな平均値即ち平均(2)が古い平均値即ち平均(1)から量rだけ増加されるようにパラメータYmax及びYminを調整することができる。
平均(2)=平均(1)+r (14)
=[Ymax(1)+Ymin(1)+2r]/2 (15)
式15は、平均を量rだけ増加するようにYmax及び/又はYminを調整するための3つの別の形態を示す。
1)セットYmax(2)=Ymax(1)+2r及びYmin(2)=Ymin(1) (16a)
2)セットYmax(2)=Ymax(1)+r及びYmin(2)=Ymin(1)+r (16b)
3)セットYmax(2)=Ymax(1)及びYmin(2)=Ymin(1)+2r (16c)
別の形態1及び3は、指数関数y(i)のセグメントの勾配を変更する。別の形態2は、指数関数y(i)を正方向にシフトする。ユーザは、これら別の形態のどれを、指数関数のパラメータを変更するためのルールとして使用するか決定することができる。減衰プロフィール214及び指数関数の他のパラメータ、例えば、勾配、y切片の値、及びセグメント長さ、を調整することができる。
別の実施形態では、減衰プロフィール214は、図1においてスキャニングされる物体110の境界140及び140に関連して定義することができる。縁検出器は、投影データ160のアレイの各線において遷移150b及び150dに対応する縁サンプルを決定することができる。減衰プロフィール214は、遷移150b及び150dに対応する境界内の減衰X線に対応するサンプルに適用される。空き領域150a及び150eに対応するサンプルは、エンコードされない。むしろ、境界の座標がエンコードされる。
好ましい縁検出器は、線内のサンプルの差又は導関数に基づいて縁サンプルを決定し、ここでは、導関数縁検出器と称される。図7は、アレイ160のサンプル160iの線に適用される導関数縁検出器のブロック図である。図7に示す導関数縁検出器のブロック図は、図1bの信号150のように、空きスペース150a及び150eに対応するサンプルの値が、物体150cに対応するサンプルの値より大きい投影データに適用される。インデックスは、左から右へと増加し、左縁が低い値のインデックスを有し、そして右縁が高い値のインデックスを有すると仮定する。この状況では、負であって且つ充分に大きい導関数は、線に150bに対応する左縁を指示し、又、正であって且つ充分に大きい導関数は、遷移150dに対応する右縁を指示することができる。差の計算器310は、i番目の線におけるサンプルdijの一次の差を計算する。比較器320aは、負の差を負のスレッシュホールドTnegと比較し、比較器320bは、正の差を正のスレッシュホールドTposと比較する。セット330aは、負の差が負のスレッシュホールドより小さい候補サンプルNDiffiqを含む。セット330bは、正の差が正のスレッシュホールドより大きい候補サンプルNDiffipを含む。低インデックスセレクタ340aは、左縁を指示するためにセット330aの候補サンプルNDiffiqに対応する最低インデックスqminを決定する。高インデックスセレクタ340bは、右縁を指示するためにセット330bの候補サンプルNDiffipに対応する最高インデックスqmaxを決定する。セット下部境界ブロック350a及びセット上部境界ブロック350bは、減衰プロフィール214に対して下部境界及び上部境界を各々決定する。減衰プロフィール214に対する下部境界及び上部境界は、最低インデックスqmin及び最高インデックスpmaxに添付される余裕を含む。下部境界及び上部境界は、減衰プロフィール214に対するパラメータとして与えられる。又、エンコーダ212は、圧縮サンプルと共に含むように下部境界及び上部境界をエンコードする。
空きスペースに対応するサンプルの値が、画像形成される物体の投影データに対応するサンプルの値より小さい状況では、右及び左の縁に対する正及び負の差の関係が逆転される。正のスレッシュホールドより大きい正の差のサンプルは、左縁に対応し、又、負のスレッシュホールドより小さい負の差のサンプルは、右縁に対応する。図7に示す動作では、負の差に対する比較器320a及びセット330aは、高インデックスセレクタ340bへ入力を与え、又、比較器320b及びセット330bは、低インデックスセレクタ340aへ入力を与える。この場合も、インデックスは、左から右へ増加すると仮定する。
負のスレッシュホールドTneg及び正のスレッシュホールドTposは、次のように繰り返し決定することができる。
1)最大の大きさをもつよう初期スレッシュホールドTneg及びTposをセットする。
2)負の差をTnegと、そして正の差をTposと比較するように比較器320a及び320bを適用する。
3)候補サンプル330a又は330bのセットが空きである場合には、Tneg又はTposの大きさを各々減少し、そしてステップ2)を再び適用する。
4)候補サンプル330a又は330bのセットが空きでない場合には、各々低インデックスセレクタ340a又は高インデックスセレクタ340bで続ける。
導関数縁検出器は、投影データの境界情報が必要である他のアプリケーションでも使用できる。このケースでは、セット下部境界ブロック350a及びセット上部境界ブロック350bが境界情報を他のアプリケーションへ供給する。別の圧縮アルゴリズムを、境界と境界との間の投影サンプルに適用することもできる。例えば、サンプルの線内の境界と境界との間のサンプルを差動的にエンコードすることは、効率的に具現化できる。というのは、縁検出のために一次の差が既に計算されているからである。境界と境界との間の差のサンプルに、ブロックフローティングポイントエンコーディング、ハフマンエンコーディング、又は他のビットパッキングを適用することができる。境界座標をエンコードして、圧縮データと共に含ませることができる。
図8は、その後の画像再構成のための解凍のブロック図である。チャンネル240及び任意の記憶装置242を経て送信した後に、解凍プロセッサ400は、画像再構成処理の前に圧縮サンプルを解凍する。画像再構成プロセッサ430は、解凍されたサンプルを使用し、良く知られたCT画像再構成アルゴリズムを使用して画像を計算する。再構成された画像は、ディスプレイ432に提示することができる。或いは又、圧縮されたサンプルは、解凍プロセッサ400による解凍及び画像再構成プロセッサ430による画像形成の前に記憶装置又はデータ記憶媒体に記憶することができる。解凍コントローラ420は、圧縮制御パラメータを解凍プロセッサ400に与える。圧縮制御パラメータが圧縮データに含まれたときには、それらが解凍コントローラ420により回復される。解凍コントローラ420は、ユーザ入力201を任意に受け取る。
図8に示す解凍プロセッサ400は、差動的エンコーディングを適用する図4の圧縮プロセッサ200に対応する。解凍プロセッサ400は、入力の圧縮サンプルに差動的デコーディングを適用する。デコーダ410は、エンコーダ212により適用されたエンコーディングに適したブロックフローティングポイントデコーディング、ハフマンデコーディング、又は他のアンパッキングを適用することにより、圧縮サンプルをアンパックする。圧縮プロセッサ200は、図4を参照して述べたように、差の演算器216を含むので、アンパックされたサンプルは、デコードされた差のサンプルに対応する。解凍プロセッサ400は、積分演算器416を適用して、再構成された減衰サンプルを形成する。積分演算器416は、次の1つに基づいて、一次又はそれより高次の積分を適用して、差の演算器216の動作を逆に行う。
1)同じ線又は行におけるデコードされた差のサンプルを積分して、連続する減衰サンプルを再構成するか、又は列ごとに積分する。
2)複数の線の対応位置におけるデコードされた差のサンプルを積分するか、又は行ごとに積分して、投影データの同じセットの連続する線に対応する減衰サンプルを再構成する。
3)複数のアレイの対応位置におけるデコードされた差のサンプルを積分するか、又はアレイごとに積分して、投影データの連続するセットに対応する減衰サンプルのアレイを再構成する。
或いは又、差動的エンコーディングを含まない図2の圧縮プロセッサ200の場合に、解凍プロセッサ400は、積分演算器416をバイパスするか、又はそれを含まない。デコーダ400は、エンコーダ212により適用されたエンコーディングに適したブロックフローティングポイントデコーディング、ハフマンデコーディング、又は他のアンパッキングを適用することにより圧縮サンプルをアンパックする。このケースでは、デコードされたサンプルは、再構成された減衰サンプルに対応し、増幅器412へ入力される。
増幅器412は、再構成された減衰サンプルに利得プロフィール414を適用して解凍サンプルを形成する。式(1)の減衰プロフィール関数g(f)に対して、対応する利得プロフィール関数f(j)は、次の通りである。
f(j)=2y(j) y(j)≧0 (17)
増幅器412は、アレイ160のオリジナルサンプル値を回復しない。というのは、減衰から生じる裁断又は丸めが不可逆だからである。利得プロフィール関数f(j)は、減衰プロフィール関数g(j)の厳密な逆を与えないので、それにより生じる圧縮/解凍は、ロッシーである。しかしながら、解凍サンプルは、サンプル当たりのビット数及びダイナミックレンジがオリジナルサンプルと同じである。
増幅器412は、再構成された減衰サンプルに対応利得値f(j)≧1を乗算することにより式(17)のような利得プロフィール414を適用する。利得プロフィール414の利得値は、メモリ内のルックアップテーブルに記憶し、そして増幅器412へ送ることができる。或いは又、増幅器412は、利得プロフィール414を表すパラメータから利得値を計算することができる。増幅器412の簡単な実施形態は、利得値に対応するビット数だけサンプルを左シフトし、そして付加的な最下位ビットをゼロ又はディザ値にセットすることを含む。左シフトは、2で乗算することに対応する。f(j)で表された利得プロフィール414が、式(17)のように底2の指数関数であるときには、左シフトの全数を決定するように指数関数y(j)を裁断し又は丸めることができる。利得プロフィール414に対応する左シフト値は、ルックアップテーブルに記憶することもできるし、或いは利得プロフィール414のパラメータから増幅器412により計算することもできる。或いは又、式(7)の値y(j)が整数でないときには、増幅器を使用してy(j)の小部分を適用することができる。画像再構成プロセッサ430は、解凍サンプルから画像を再構成する。
圧縮処理が、図7を参照して述べた投影データの縁サンプルに対して利得プロフィール214の境界を定義することを含むときに、解凍プロセッサ400は、圧縮サンプルと共に含まれた境界情報もデコードする。増幅器412は、再構成された減衰サンプルの適当な境界内の利得プロフィール414を適用する。
圧縮プロセッサ200は、DAS130のADCから出力されるサンプルをリアルタイムで圧縮することのできる簡単な演算を適用する。減衰器210は、乗算器、除算器及び/又は右シフト演算器を含む。メモリに記憶されたルックアップテーブルは、減衰器210のための減衰値を供給することができる。差の演算器216は、1つ以上の減算器を含む。並列に動作する複数の減算器は、線ごとに又はアレイごとに差を計算することができる。ブロックフローティングポイントエンコーディングを適用するエンコーダ212は、比較器、減算器及びルックアップテーブルを使用する。ハフマンエンコーディングを適用するエンコーダ212は、ルックアップテーブルを使用して、減衰サンプル値又は差の値にコードを指定する。ビットレートモニタ222及び圧縮コントローラ220は、加算、減算及び乗算演算を使用する。解凍プロセッサ400は、圧縮サンプルをリアルタイムで解凍するために簡単な演算を適用する。デコーダ410は、ブロックフローティングポイントデコーディングのためのルックアップテーブル及び加算器を含む。積分演算器416は、デコードされたサンプルを積分するための1つ以上の加算器を含む。増幅器412は、乗算器又は左シフト演算器を含む。利得プロフィール414の値は、メモリのルックアップテーブルに記憶することができる。
本発明は、DAS130における圧縮サブシステムとして具現化することができる。ADCを含むDAS130の特定用途向け集積回路(ASIC)では、ADCから出力されたサンプルを圧縮するためにASICに圧縮サブシステムを一体化することができる。別の具現化では、圧縮サブシステムは、DAS130のADCチップの出力に結合された個別の装置において実施される。この装置は、ASIC、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又はプログラム可能なプロセッサ、例えば、デジタル信号プロセッサ(DSP)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、マルチコアCPU(例えば、IBMセル)、又はグラフィック処理ユニット(GPU、例えば、Nvidia FeForce)として具現化することができる。CTシステムアーキテクチャーに基づき、解凍サブシステムは、画像再構成プロセッサと同じ装置、又はそれとは異なる装置へ合体することができる。解凍サブシステムは、ASIC、FPGA又はプログラム可能なプロセッサにおいて具現化することができる。ユーザインターフェイスは、良く知られたプログラミング技術を使用してCTシステムの制御コンソールへ合体することができる。
以上、コンピュータ断層撮影の医療用途に関する例を使用して本発明の実施形態を説明したが、本発明は、医療用途に限定されない。本発明の実施形態は、工業用のコンピュータ断層撮影に使用することもできる。工業用コンピュータ断層撮影システムでは、物体、X線源、及び検出器アレイを移動する装置が、テストされるべき物体の形式に対して設計される。物体のスキャン中に、物体、X線源、及び検出器アレイの相対的な移動により、本発明の実施形態を適用できる投影データのセットを発生する多数のビューが生じる。
本発明の好ましい実施形態を図示して説明したが、本発明は、それらの実施形態に限定されないことが明らかであろう。当業者であれば、特許請求の範囲に規定された本発明の精神及び範囲から逸脱せずに、多数の変更、変形、修正、置き換え、及び等効物が明らかであろう。
100:X線源
110:物体又は患者
120:プラットホーム
130:データ取得サブシステム(DAS)
140a、b、c、d、e:線
150:信号
150a、b、c、d、e:領域
160:投影データ
200:圧縮プロセッサ
201:ユーザ入力
210:減衰器
212:エンコーダ
214:減衰プロフィール
216:差の演算器
220:圧縮コントローラ
222:ビットレートモニタ
225:スケールファクタ
227:フィルタ
229:パラメータ計算器
230:バッファ
240:通信チャンネル
410:デコーダ
412:増幅器
414:利得プロフィール
416:積分演算器
420:解凍コントローラ
430:画像再構成プロセッサ
432:ディスプレイ

Claims (15)

  1. 複数のセンサが複数のセンサ測定値を発生して、投影データの1つ以上のセットを形成し、各セットは、投影ドメインの一部分を表し、且つ投影データのサンプルのアレイを含み、そのアレイは、少なくとも一線のサンプルを有し、更に、各サンプルは、サンプル座標で指示されたアレイ内の位置を有しているコンピュータ断層撮影システム内で投影データを圧縮する方法において、
    減衰プロフィールの1つ以上のパラメータをメモリにセットする段階であって、その減衰プロフィールは、サンプル座標の関数であり且つ当該サンプル座標に対応する複数の減衰値を規定し、その減衰値は1以下であるような段階と、
    前記減衰プロフィールに基づきアレイのサンプルを減衰して、サンプルのオリジナルの大きさ以下の大きさを有する減衰サンプルを形成する段階と、
    前記減衰サンプルをエンコードして圧縮サンプルを形成する段階と、
    を備えた方法。
  2. 前記エンコードする段階は、更に、前記減衰サンプルをブロックフローティングポイントエンコーディングして、圧縮サンプルを形成することを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記エンコードする段階は、更に、差動的エンコーディングを含み、これは、
    対応する減衰サンプル間の複数の差を計算して、複数の差のサンプルを形成すること、 前記差のサンプルをブロックフローティングポイントエンコーディングして、前記圧縮サンプルを形成すること、
    を含む請求項1に記載の方法。
  4. 前記減衰プロフィールのパラメータは、更に、
    サンプルの線における第1縁サンプルに対応する減衰プロフィールの第1境界と、
    サンプルの線における第2縁サンプルに対応する減衰プロフィールの第2境界と、
    を含み、前記減衰する段階は、前記第1境界と第2境界との間のサンプル座標を有するサンプルに前記減衰プロフィールを適用する、請求項1に記載の方法。
  5. 前記減衰プロフィールの少なくとも1つのパラメータを調整することによりターゲットビットレート以下の圧縮サンプルの出力ビットレートを与える段階を更に備えた、請求項1に記載の方法。
  6. コンピュータ断層撮影システムのスリップリングインターフェイスの通信チャンネルを経て前記圧縮サンプルを送信する段階を更に備えた、請求項1に記載の方法。
  7. 前記圧縮サンプルを解凍する段階を更に備え、この解凍する段階は、
    利得プロフィールの1つ以上のパラメータをメモリにセットすることを含み、その利得プロフィールは、前記サンプル座標の関数であり且つ当該サンプル座標に対応する複数の利得値を規定し、その利得値は1以上であり、更に、
    前記圧縮サンプルをデコードして、対応サンプル座標を有する再構成された減衰サンプルを形成することと、
    その再構成された減衰サンプルを前記利得プロフィールに基づいて増幅して、解凍サンプルを形成することと、
    を含む請求項1に記載の方法。
  8. 前記エンコードする段階は、更に、前記減衰プロフィールに対応する少なくとも1つのパラメータをエンコードして、前記圧縮サンプルと共に含まれるエンコードされたパラメータを形成することを含み、前記解凍する段階は、更に、
    前記エンコードされたパラメータをデコードして、デコードされたパラメータを形成すること、及び
    前記デコードされたパラメータに基づいて前記利得プロフィールのパラメータの少なくとも1つを決定すること、
    を含む請求項7に記載の方法。
  9. 複数のセンサが複数のセンサ測定値を発生して、投影データの1つ以上のセットを形成し、その各セットは、投影ドメインの一部分を表し、且つ投影データのサンプルのアレイを含み、そのアレイは、少なくとも一線のサンプルを有し、各サンプルは、サンプル座標で指示されたアレイ内の位置を有するコンピュータ断層撮影システム内で投影データを圧縮する装置において、
    投影データのサンプルを受け取るように結合され、且つ圧縮サンプルをデータ転送インターフェイスに与える圧縮サブシステム、
    を備え、この圧縮サブシステムは、更に、
    その圧縮サブシステムのメモリに記憶された1つ以上のパラメータで表された減衰プロフィールを含み、この減衰プロフィールは、サンプル座標の関数であって、当該サンプル座標に対応する複数の減衰値を規定し、その減衰値は、1以下であり、更に、
    メモリに結合され、前記減衰プロフィールに基づきサンプルを減衰して、サンプルのオリジナル大きさ以下の大きさを有する減衰サンプルを形成する減衰器、及び
    前記減衰サンプルをエンコードして圧縮サンプルを形成するエンコーダ、
    を含むものである、装置。
  10. 前記エンコーダは、更に、前記圧縮サンプルを形成するために前記減衰サンプルに適用されるブロックフローティングポイントエンコーダを含む、請求項9に記載の装置。
  11. 前記エンコーダは、更に、
    対応する減衰サンプル間の複数の差を計算して複数の差のサンプルを形成する差の演算器と、
    差のサンプルに適用されて圧縮サンプルを形成するブロックフローティングポイントエンコーダと、
    を備えた請求項9に記載の装置。
  12. 前記エンコーダ及びメモリに結合されたフィードバックコントローラを更に備え、このフィードバックコントローラは、ターゲットビットレート以下の圧縮サンプルの出力ビットレートを与えるように前記減衰プロフィールの少なくとも1つのパラメータを調整する、請求項9に記載の装置。
  13. 前記データ転送インターフェイスは、スリップリングインターフェイスを備え、前記装置は、更に、
    前記エンコーダから圧縮サンプルを受け取り、そしてその圧縮サンプルを前記スリップリングインターフェイスの通信チャンネルに与えるように結合されたバッファ、
    を備えた請求項9に記載の装置。
  14. 前記コンピュータ断層撮影システムは、更に、前記データ転送インターフェイスから圧縮サンプルを受け取って解凍サンプルを発生する解凍サブシステムを備え、この解凍サブシステムは、更に、
    前記圧縮サンプルをデコードして、それに対応するサンプル座標を有する再構成された減衰サンプルを形成するためのデコーダ、
    この解凍サブシステムのメモリに記憶された1つ以上のパラメータで表された利得プロフィールであって、この利得プロフィールは、前記サンプル座標の関数であり且つ当該サンプル座標に対応する複数の利得値を規定し、更に、前記利得値は1以上である、利得プロフィール、及び
    その再構成された減衰サンプルの大きさを前記利得プロフィールに基づいて増加して、解凍サンプルを形成する増幅器、
    を含む請求項9に記載の装置。
  15. 複数のセンサが複数のセンサ測定値を発生して、サンプリングビットレートで投影データの1つ以上のセットを形成し、各セットは、投影ドメインの一部分を表し、且つ投影データのサンプルのアレイを含み、そのアレイは、少なくとも一線のサンプルを有し、更に、各サンプルは、サンプル座標で指示されたアレイ内の位置を有しているコンピュータ断層撮影システム内で投影データを圧縮する方法において、
    減衰プロフィールの1つ以上のパラメータをメモリにセットする段階であって、その減衰プロフィールは、サンプル座標の関数であり且つ当該サンプル座標に対応する複数の減衰値を規定し、その減衰値は1以下であり、更に、隣接サンプル座標の減衰値の相違はユーザ特定値より小さいような段階と、
    前記減衰プロフィールに基づきアレイのサンプルを減衰して、サンプルのオリジナルの大きさ以下の大きさを有する減衰サンプルを形成する段階と、
    前記減衰サンプルをエンコードして圧縮サンプルを形成する段階と、
    最大ビットレートが前記サンプルビットレートの半分以下の通信チャンネルを経て前記圧縮サンプルを送信する段階と、
    を備えた方法。
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