JP5595829B2 - 超音波診断装置 - Google Patents

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本発明は超音波診断装置に関し、特に、表示ユニットの取付構造に関する。
医療の分野で用いられる一般的な超音波診断装置は、複数の電子基板を収容した本体、本体に支持されたアーム機構、アーム機構によって支持される表示ユニット、等を備える(特許文献1−3参照)。近時、表示ユニットとしてFPD(フラットパネルディスプレイ)が一般的に使用されている。そのような表示器は平板形を有し、その背面はほぼ垂直面をなす。そのような表示ユニットの取付構造(表示ユニットとアーム機構の接続構造)に着目すると、アーム機構は第1係合部を有し、その第1係合部は、一般に、垂直に起立した単なる平板としてのサポートプレートを備えている。サポートプレートの四隅には4つのボルト穴が形成されている。一方、表示ユニットは第2係合部を有し、その第2係合部は取付用プレート(あるいは取付用フレーム)を備えている。取付用プレートが4つのボルトによってベースプレートに取り付けられる。それらのプレートの接合面はいずれも単純な垂直面であり、両者間にボルトを通してはじめて表示器の荷重がアーム機構によって支持される。なお、そのような取付構造は一般に表示器のケーシング内あるいはカバー内に収容されており、外部には露出していない。
アーム機構に表示ユニットを一人で取り付ける場合には、表示ユニットを片手で抱え込みあるいは下支えし、もう一方の手でボルトを取り付けることになる。その作業を二人で行う場合には一人が表示器を保持し、もう一人によりボルトが取り付けられる。いずれにしても取り付け作業中は表示ユニットを手で支えてその荷重をすべて受ける必要があり、また、その状態において表示ユニットの微妙な位置決めを行う必要がある。なお、表示ユニットの固定作業の終了後に、別途、画像データ用ケーブルや電源ケーブルの接続作業を行う必要がある。
特開2008−22874号公報 特表2007−520304号公報 特開2010−131240号公報
従って、表示ユニットをアーム機構に取り付ける際には作業者の負担が大きいという問題がある。近時、より大型の表示ユニットの搭載が望まれており、そのような作業負担が今後増大することが予想される。一方、病院内においてあるいは病院間で超音波診断装置を搬送する際に装置全体の高さを低くするためあるいは表示ユニットを保護するために表示ユニットを一時的に取り外すことが必要となることもある。表示ユニットの着脱を容易にすることも求められている。
本発明の目的は、表示ユニットの取り付け及び取り外しの際における作業者の負担を軽減することにある。
本発明の他の目的は、表示ユニットの着脱を容易にすることにある。
本発明に係る装置は、第1係合部を備えたアーム機構と、前記第1係合部に対して着脱可能に連結される第2係合部を有する表示ユニットと、を含み、前記第1係合部及び前記第2係合部の一方は前記表示ユニットの荷重を支えるサポート構造を有し、第1係合部及び前記第2係合部の他方は前記サポート構造に引っ掛けられるフック構造を有し、前記サポート構造に前記フック構造が引っ掛けられて前記第1係合部と前記第2係合部が組み合った状態において前記サポート構造からの前記フック構造の脱落を防止するロック機構が設けられた、ことを特徴とするものである。
上記構成によれば、アーム機構に対して表示ユニットを取り付ける際に、フック構造がサポート構造に引っ掛けられた状態を形成できるので、それによって表示ユニットの荷重をアーム機構によって支持させた上で、次に必要な取付作業(位置決め、ボルト締め等)を行える。よって、そのような取付作業中に表示ユニットを手で支えなければならないという負担を軽減できる。望ましくは、サポート構造がアーム機構側つまり第1係合部に設けられ、フック構造は表示ユニット側つまり第2係合部に設けられる。但し、それらを入れ換えても上記同様の荷重受け作用を発揮させることができる。アーム機構は表示ユニットを支持する機構一般を指すものである。すなわち、本発明は表示ユニットを本体側の何らかの部材に取り付ける場合に有用なものである。
望ましくは、前記サポート構造は水平方向に伸長したサポート軸を有し、前記フック構造は前記サポート軸を受け入れる水平方向に伸長した下向きのフック溝を有する。望ましくは、前記第1係合部は第1接合面を有し、前記第2係合部は第2接合面を有し、前記サポート軸に対して前記フック溝が引っ掛けられて前記サポート軸回りに前記表示ユニットが前記アーム機構側へ揺動運動をした場合に前記第1接合面に対して前記第2接合面が接合する。2つの面の接合状態において必要に応じて従来同様のボルト締め等がなされる。
望ましくは、前記第1係合部及び前記第2係合部の一方が収容室を有する箱構造を有し、前記揺動運動時に前記第1係合部及び前記第2係合部の他方が前記収容室内に挿入される。箱構造であれば剛性を高められる。また箱構造とその内部に入る部材とからなる嵌め込み構造hを採用すれば左右上下の動きを規制するのが容易となる。
望ましくは、前記ロック機構は、前記第1係合部及び前記第2係合部の一方に形成されたロックピンと、前記第1係合部及び前記第2係合部の他方に形成されたピン穴と、前記第1係合部と前記第2係合部とが組み合った状態が形成された時点で前記ロックピンを前記ピン穴に差し込むための付勢力を生じさせる手段と、を含む。この構成によればピンを自然にピン穴に挿入させることが容易となる。
望ましくは、前記アーム機構及び前記表示ユニットの内の一方が少なくとも1つのコネクタを有し、前記アーム機構及び前記表示ユニットの内の他方が少なくとも1つのレセクタブルを有し、前記表示ユニットの運動により前記第1係合部と前記第2係合部とが組み合った状態が形成される過程で、前記少なくとも1つのコネクタが前記少なくとも1つのレセプタクルに差し込まれる。この構成によれば表示ユニットの取付運動時にコネクタ接続を行えるから作業性を向上できるし、接続忘れも防止できる。
本発明によれば、表示ユニットの取り付け及び取り外しの際における作業者の負担を軽減できる。あるいは、本発明によれば、表示ユニットを容易に着脱できる。
本発明に係る超音波診断装置の概略的な構成を示す斜視図である。 表示器の取付作業を説明するための図である。 表示器の取付作業を説明するための図である。 表示器の取付作業を説明するための図である。 ロック機構を説明するための断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明に係る超音波診断装置の好適な実施形態が示されている。この超音波診断装置は、医療の分野において用いられ、生体に対する超音波の送受波により超音波画像を形成する装置である。
図1において、超音波診断装置は、本体10を有する。可動部12は、昇降機構14によって本体10上に支持されている。本体10の内部には複数の電子回路基板や電源などが収容されている。それらの電子回路基板は送受波用の基板、画像形成用の基板等を含むものである。
可動部12は、操作パネル16、アーム機構20及び表示器22を有している。操作パネル16は、各種のスイッチやトラックボールなどを備えている。また、本実施形態においては操作パネル16が、サブディスプレイを備えている。操作パネル16の奥側には台座18が設けられ、その台座18上にアーム機構20が搭載されている。アーム機構20は表示器22を支持する機構である。
表示器22は、本実施形態においてフラットパネルディスプレイ(FPD)として構成されている。すなわち表示器22は液晶表示器等の平板型のデバイスである。表示器22の背面側においてアーム機構20が接続されている。アーム機構20は、表示器22の垂直方向及び水平方向の位置を変更するための支持機構である。アーム機構20は、複数の旋回機構、チルト機構などを備えている。
図2乃至図4にはアーム機構20に対して表示器22を取付ける際の作業工程が示されている。まず図2を用いて、第1及び第2の係合機構について説明する。
アーム機構20はその作用端側に第1係合機構26を備えている。一方、表示器22はその背面側に第2係合機構28を備えている。具体的に説明すると、符号30はアーム機構20の作用端部を示しており、その作用端部30にはチルト軸32が設けられている。チルト軸32によって連結金具34が首振り運動可能に設けられている。連結金具34はクランク状の形態を有しており、その前面側すなわち表示器22側にはサポートプレート36が取り付けられている。サポートプレート36は概略的には垂直のプレートであるが、その上端部はサポート用の軸状部36Aとなっており、すなわち水平軸の形態を有している。また、サポートプレート36の下端部はL字型に折れ曲がっており、その水平部分36Bにはロック孔36Cが形成されている。一枚の平坦な金具の各端部を加工することにより図示されるような形態をもったサポートプレート36を構成するようにしてもよい。またサポートプレート36の左右端に側面板を設け、これによって箱状のサポート部材を構成するようにしてもよい。なお、符号36Dは表示器22側(前側)を向いた接合面(第1接合面)を示している。その四隅には4つのボルト穴が形成されている。サポートプレート36において、第1接合面を構成している部分がプレート本体である。図示されるように、上記軸状部36Aはプレート本体よりも後側(前側とは逆の側)に突出している。水平部分36Bはプレート本体から後側へ伸長している。
第2係合機構28について説明する。表示器22の前面側には表示面22Aがあり、その背面側には背面部22Bが設けられている。背面部22Bの背面は平坦な垂直面を構成し、そこには第2係合機構28が固定連結されている。第2係合機構28は箱状の形態をもったフレーム42を備えており、符号44はフレーム42におけるフレームベースを表している。その下端はL字型に折り曲げられて後側へ伸長した水平部分44Bを構成しており、左右端にはそれぞれ側壁が設けられている。その上端部はフック構造を形成しており、符号44Aは下向きのフック溝を示している。符号44Cは接合面(第2接合面)を表している。水平部分44Bにはピン機構48が設けられており、このピン機構48と上述したロック孔36Cとが両者相まってロック機構を構成する。
アーム機構20側にはケーブル38が取付けられており、その端部にはコネクタ40が設けられている。具体的にはコネクタ40は、連結金具34に固定されている。一方、表示器22側において、背面部22Bの下部であってコネクタ40の配置位置に対応する部分にレセプタクル46が設けられている。このレセプタクル46はコネクタ40にはめ込まれるものである。本実施形態においては、1つのケーブルで示されているが、実際には電源ケーブル及び信号ケーブルの2本のケーブルが設けられ、それらのケーブルは以下に説明するように表示器22をアーム機構20に取付ける過程で電気的に表示器に接続され、つまり二対のコネクタ−レセプタクル間の物理的、電気的な結合が自然に図られている。
表示器22をアーム機構20に取り付ける際には、表示器22を両手で支持しながら、第2係合機構28が有するフック溝44Aを第1係合機構26が有するサポート用軸状部36Aに引っ掛ける。その場合においては、表示器22が図2に示されるように若干上向きの斜めの姿勢となるように表示器22を保持するのが望ましい。
より具体的には、図3に示されるように、上記の斜め姿勢にある表示器を符号100で示すように上方から下方に若干引き下げることによりフック溝44Aの中に軸状部36Aを収容させる。これにより、第2係合機構28が第1係合機構26に引っかかった状態を形成することが可能となる。その上で、符号102で示すようにフック状部すなわち水平軸を回転軸として表示器を回転運動すなわち揺動運動させるならば、図4に示されるように2つの接合面36D,44Cを密着させて、第1係合機構26と第2係合機構28とが完全に組み合った状態(連結状態)を形成することが可能となる。その場合においては、ロック機構50が動作する。すなわち上述したピン機構が備えるピンヘッドがロック孔内に進入し、2つの係合機構の連結状態が維持される。上述した表示器の揺動運動に伴い、コネクタ40に対してレセプタクル46が自然にはめ込まれる。本実施形態においては、2つのケーブルが設けられており、すなわち2つのコネクタに対して2つのレセプタクルが同時にはめ込まれることになる。その場合においてそのような電気的かつ物理的接続が円滑に行われるようにコネクタやレセプタクルの各形状を設定するのが望ましい。
図5にはロック機構が示されている。ロック機構50は上述したピン機構48とピン孔36Cとを有し、第1係合機構に対して第2係合機構がはめ込まれた状態では、バネ49の作用によってピンヘッド48Aがピン孔内に進入し、両者が一体的な関係となる。すなわち、表示器の時計回り方向の回転が規制されることになる。よって第1係合機構から第2係合機構が離脱することはなくなる。その状態ではサポートプレートが箱状のフレーム内に完全に収容され、その左右方向の運動が規制されると共に上方への運動及び下降への運動も規制されることになる。具体的には、サポートプレートのプレート本体がフレームの左右側壁に当たるのでサポートプレートに対するフレームの左右方向の運動が規制される。第1水平部分に対して第2水平部分が当たるのでサポートプレートに対するフレームの上方への運動が規制される。更にロック機構により表示器の回転運動も規制されることになる。もちろん、ピンヘッドを下方へ退避させれば、表示器22の時計回り方向回転運動が許容されることになり、その結果フレームからサポートプレートを離脱させ斜め上方へ表示器を引き上げることが可能である。
以上の実施形態によれば、図3に示したように、水平軸としての軸状部36Aに対してフック溝44Aを引っ掛けた状態を一旦形成した上で、第1係合機構26と第2係合機構28との連結状態を構築することができるから、一旦フック状態が形成されたならば作業者によって表示器を下支えする必要がなくなるので、その後の作業を円滑に行うことができ、作業者の負担を大幅に軽減することが可能となる。しかも、第1係合機構と第2係合機構の正規の結合状態が形成された状態では、それらが容易に離脱してしまうことがロック機構によって防止されているので、不用意に表示器が脱落してしまうという問題も回避することが可能となる。
ちなみに、ロック機構に加えてサポートプレートとフレーム等を完全に連結される複数のボルト締めを行うようにしてもよい。また、上記の実施形態においては表示器の取付に伴う姿勢変化を利用してコネクタとレセプタクルとの電気的機械的な結合を行うことができるから、1つの作業によって2つの結果を得られる。これにより作業性を向上できると共に、迅速かつ確実なケーブル接続を行える。
10 本体、12 可動部、14 昇降機構、16 操作パネル、18 台座、20 アーム機構、22 表示器、24 キャスタ、26 第1係合機構、28 第2係合機構、36 サポートプレート、36A サポート用軸状部(水平軸)、42 フレーム、44 フレームベース、44A フック溝、50 ロック機構。

Claims (3)

  1. 超音波診断時に操作される操作パネルの奥側に設けられた台座に搭載され、第1係合部としてのサポートプレートを備えたアーム機構と、
    前記第1係合部に対して着脱可能に連結される第2係合部としての箱構造を有するフレームを有する表示ユニットと、
    を含み、
    前記サポートプレートは、
    前記表示ユニット側である前側を向いた第1接合面を有するプレート本体と、
    前記サポートプレートの上端部を構成する部分であって、前記表示ユニットの荷重を支える水平方向に伸長したサポート軸と、
    前記サポートプレートの下端部を構成する部分であって、前記前側とは反対の後側への折れ曲がり部分としての第1水平部分と、
    を有し、
    前記フレームは、
    前記後側を向いた第2接合面を有するフレームベースと、
    前記フレームベースの上端部を構成する部分であって、前記サポート軸を受け入れる水平方向に伸長した下向きのフック溝を有するフック構造と、
    前記フレームベースの下端部を構成する部分であって、前記後側への折れ曲がり部分としての第2水平部分と、
    前記フレームベースの左端及び右端に設けられ、前記第2接合面の後側に生じる収容室を前記第2水平部分と共に囲む左側壁及び右側壁と、
    を有し、
    前記サポート軸に対して前記フック溝が引っ掛けられて前記サポート軸回りに前記表示ユニットが前記アーム機構側へ回転運動をした場合に、前記フレームが有する前記収容室内に前記サポートプレートが挿入されて前記第1接合面に対して前記第2接合面が接合し、その連結状態では、前記サポートプレートに対する前記フレームの左右方向の運動が前記プレート本体と前記左側壁及び前記右側壁とにより規制され、前記サポートプレートに対する前記フレームの上方への運動が前記第1水平部分と前記第2水平部分とにより規制され、
    更に、前記サポート軸に前記フック構造が引っ掛けられて前記第1係合部と前記第2係合部が組み合った前記連結状態において前記サポート軸からの前記フック構造の脱落を防止するロック機構が設けられ、前記ロック機構のロック動作により前記連結状態において前記表示ユニットの前記サポート軸回りの逆回転運動が規制される、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  2. 請求項1記載の装置において、
    前記ロック機構は、
    前記第1係合部及び前記第2係合部の一方に形成されたロックピンと、
    前記第1係合部及び前記第2係合部の他方に形成されたピン穴と、
    前記第1係合部と前記第2係合部とが組み合った前記連結状態が形成された時点で前記ロックピンを前記ピン穴に差し込むための付勢力を生じさせる手段と、
    を含むことを特徴とする超音波診断装置。
  3. 請求項1記載の装置において、
    前記アーム機構及び前記表示ユニットの内の一方が少なくとも1つのコネクタを有し、
    前記アーム機構及び前記表示ユニットの内の他方が少なくとも1つのレセプタクルを有し、
    前記表示ユニットの回転運動により前記第1係合部と前記第2係合部とが組み合った前記連結状態が形成される過程で、前記少なくとも1つのコネクタが前記少なくとも1つのレセプタクルに差し込まれる、
    ことを特徴とする超音波診断装置。
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