JP5594531B2 - 金属蒸着フィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、金属蒸着フィルムの製造方法に関する。更に詳しくは、酸素や水蒸気などの気体の遮断性と高分子フィルムとの付着性に優れ、金属色の外観も良いために食品包装等に適した金属蒸着フィルムの製造方法に関する。
近年、食生活が豊かとなり、いろいろな食品や菓子類が市場に登場するに従い、品質の向上や、品質の長期保存性がより一層重視されるようになってきた。特にスナック菓子等の包装においては、内容物の酸化を防止し、できたての品質をより長期間確保する事が常識となり、ガスバリア性の包装は広い範囲で使用されるようになった。これに伴い、安価で高いガスバリア性と付着力を有する包装フィルムの供給が必要とされている。また、包装という用途の性質上、金属光沢の外観にも品質としての重要性がある。これまで、アルミニウム等の金属あるいは、金属化合物のプラスチックフィルムへの真空蒸着は金銀糸、コンデンサ、食品包装などに幅広く用いられてきた。しかし、一般にこれらの蒸着膜は基材であるプラスチックフィルムなどにそのまま真空蒸着されるため、金属膜と基材プラスチックフィルムとの密着力が弱いなどの問題があり、種々改良方法が検討されている。
真空蒸着における真空装置内の圧力は、金属膜の光沢、金属膜の緻密性、表面電気抵抗値、密着力に大きく影響することが知られている。特許文献1においては、蒸着初期のフィルム面に酸素を接触させる事により、膜厚方向でフィルム面に近い領域を酸化膜とし、金属光沢性と密着力に優れた金属蒸着膜を得ているが、酸素が蒸着室内に拡散し蒸着初期以降の膜も酸化するために金属光沢が損なわれやすく、膜の酸化度の制御と密着力を両立することは容易ではなかった。また、特許文献2には、プラスチックフィルムに密着力を強めるため、プラズマ処理による基材の表面改質と核付けによるアンカー層の形成を行った後、金属を蒸着する蒸着フィルムの製造方法の開示がある。この方法においては、酸素雰囲気中で核付けによるアンカー層を形成しているが、その酸素は蒸着室にも流れ込み、蒸着する金属を酸化する事による光透過率の上昇を伴う金属光沢の悪化、ガス遮断性能の悪化という問題があった。

特開昭62−228461号公報 特開平10−36958号公報
本発明は、蒸着初期の金属膜の酸化度を上げることにより、金属膜のフィルム面への密着力を十分に確保すること、及び、金属膜全体の酸化の度合いを下げて良好な外観とガスバリア性能を安定して得ることを目的とする。
本発明は、フィルム室から金属材料と反応性を有する気体を蒸着室に送り、蒸着初期の処理面のみに効率的に接触させて、化合物膜を形成し、その上に金属蒸着膜を設けることにより、本発明の目的が達成されることを見出したのである。
すなわち本発明は、真空中で金属材料を加熱し、該金属材料を蒸発させると共に、巻き出しロールから連続的に巻き出されて前記金属材料の蒸気に晒されるように走行する高分子フィルムを巻取ロールで巻き取ることにより、前記高分子フィルムの表面に前記金属材料の蒸着膜を形成する金属蒸着フィルムの製造方法であって、高分子フィルムの巻き出しと巻き取りを行うフィルム室と蒸着膜を形成する蒸着室とが、高分子フィルムが通る隙間でつながっており、フィルム室から蒸着室にフィルムが入る側の隙間のコンダクタンスが、蒸着室からフィルム室へ高分子フィルムが出る側の隙間のコンダクタンスの4.0倍以上、6.4倍以下であり、フィルムの巻き出しロールとフィルム室から蒸着室にフィルムが入る側の隙間の間で、金属材料と化合物を形成するガスを用いてプラズマ処理を行い、蒸着室側壁で測定した蒸着前の圧力が0.6×10−24.2×10−2Paであることを特徴とする金属蒸着フィルムの製造方法である。
た、プラズマ処理に用いるガスを、酸素若しくは窒素またはこれらの混合ガス、またはこれらのガスを不活性気体との混合比にて5体積%以上含まれる混合ガスとし、さらに蒸着される金属がアルミニウムとすることで本発明の特徴をより活かすことができる。
本発明の金属蒸着フィルムの製造方法によれば、付着力が強く、良好な外観とガスバリア性のフィルムを安定して製造することができて、本発明で得られる金属蒸着フィルムは、食品、医薬品、電子部品、機械部品などの包装材料として広く用いることができる。
本発明の金属蒸着フィルムの製造方法の一例を示した図である。 本発明の金属蒸着フィルムの製造方法の別形態の一例を示した図である。
本発明でいう高分子フィルムとは、有機重合体を溶融または溶解押出しし、必要に応じて長手方向および幅方向に延伸したものである。有機重合体としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12などのポリアミド、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリレート、ポリフェニレンサルファィド、ポリフェニレンオキサイド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフロロエチレン、テトラフロロエチレン・ヘキサフロロプロピレン共重合体などがあげられる。特に、ポリエチレンテレフタレートフィルムが最も好ましく用いることができる。
これらの有機重合体に公知の添加剤、例えば、帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤などが添加されていても良い。
本発明の高分子フィルムの厚さは、特に制限を受けないが、包装材料としての適性から3〜200μmの範囲が望ましい。機械的特性や可撓性の点では好ましくは、5〜100μmの範囲であり、より好ましくは、8〜30μmである。
一般に高分子フィルムを連続で真空蒸着するための連続真空装置では、高分子フィルムの巻き出しと巻き取りを行うフィルム室と蒸着膜を形成する蒸着室とはそれぞれ排気が行われるが、フィルム室は蒸着室に比べて高い圧力に保たれ、両室をつなぐ隙間を狭くすることで蒸着室の圧力を低く保つ設計になっており、フィルム室の残留ガスや表面処理に用いるガスが蒸着室に流れ込んで蒸着膜の純度を下げない工夫がされている。
本発明によれば、フィルム室のガスがフィルム室と蒸着室を隔てる仕切りを通して蒸着室に入り、蒸着初期の金属と効率的に反応することで、金属単独より密着力の強い金属化合物層が形成され、その上に金属膜が形成される。また、フィルム室で高分子フィルム表面をプラズマ処理して官能基が形成されれば、上記化合物との親和性に優れた表面が形成され、より強い付着力を得ることができる。
本発明において、フィルム室に導入したガスは、高分子フィルムがフィルム室から蒸着室に入る側の隙間から蒸着室により多く入ることにより上記効果を発揮することから、フィルム室から蒸着室に高分子フィルムが入る側の隙間のコンダクタンスは、高分子フィルムが蒸着室からフィルム室へ出る側の隙間のコンダクタンスに対して4.0倍以上、6.4倍以下であることが必要である。それぞれの隙間のコンダクタンスは、隙間の形状、高分子フィルムの幅方向の寸法(奥行き)、厚み方向の寸法(幅)、進行方向の寸法(長さ)で決定される([実施例](物性の測定方法ならびに効果の評価方法)(6)コンダクタンスおよびコンダクタンス比、参照)。一般的に、奥行き、幅が大きく、長さが短くなるとコンダクタンスは大きくなり、それぞれの隙間の奥行き、幅、長さを調整することでコンダクタンスの比率を変えることができ、フィルム室から蒸着室に高分子フィルムが入る側の隙間のコンダクタンスを高分子フィルムが蒸着室からフィルム室へ出る側の隙間のコンダクタンスに対して4.0倍以上、6.4倍以下とすることができる。これらの隙間の形状は、コンダクタンスを適正な値とすれば、特に制限は無い
蒸着室の圧力は、フィルム室の圧力と、フィルム室と蒸着室の隙間のコンダクタンスで決定されるフィルム室から蒸着室に流れ込むガスの流量と、蒸着室の容積、蒸着室の排気能力で決定される。蒸着室の圧力が高すぎると膜厚全体で反応物となるため、蒸着を開始する前の段階で4.2×10−2Pa以下に保たれている必要がある。また、圧力が低すぎると反応のためのガスが不足するので、0.6×10−2Pa以上とする。
このように、フィルム表面の蒸着初期膜の化合物で密着性を強め、その上の金属膜により、ガスバリア性、金属光沢の外観を付与する。用いるガスとしては、金属材料と化合物を形成する気体であれば良く、酸素や窒素、あるいはこれらの混合ガスが特に適している。これらを100体積%の濃度で導入しても良いが、アルゴンなど希ガスに混入しても良い。希ガスに混入する場合は、金属材料と化合物を形成する気体の濃度が高いほど密着性向上の効果は見られるので、30体積%以上が特によいが、5体積%以上でも効果は見られる。ガスの流量は、蒸着室の圧力を適正に保つように調整する。
本発明では、上記のガスを用いて、高分子フィルムの蒸着される面へプラズマ処理を行うことが好ましい。この場合のガスの流量は、フィルム室でのプラズマ処理が安定的に実施できる程度に設定されるとともに、蒸着室の圧力を適正に保つように調整する。
かかる高分子フィルムの少なくとも一方の面に、真空蒸着法により、金属材料の蒸気を晒して、金属膜を形成する。金属材料としては、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、錫等の金属が好ましいが、チタン、インジウム、クロム、ニッケル、銅、鉛、鉄等も使用できる。これらの金属の中で、蒸着の容易さ、経済性、金属光沢、ガスバリア性能などの観点でアルミニウムが最も好ましい。これらの金属は不純物が少なく、純度が99重量%以上、望ましくは99.5重量%以上の粒状、ロッド状、タブレット状、ワイヤー状あるいは使用するルツボの形状に加工したものが好ましい。
金属材料を蒸発させるための加熱方法は、ルツボ中に金属材料を入れて抵抗加熱あるいは高周波加熱を行う方式や、電子ビーム加熱を行う方法、窒化硼素などのセラミック製のボートに金属材料を入れ直接抵抗加熱を行う方法など、周知の方法を用いることができる。
真空蒸着に用いられるルツボは、アルミナ製が望ましく、カーボンやマグネシア、チタニア、ベリリア製のルツボでもよい。
蒸着金属膜の膜厚としては、ガスバリア性および可撓性などの点で、5〜200nmの範囲が好ましい。膜厚を5nm以上とすることで、ガスバリア性能を確保し、特に、酸素バリア性能を十分とすることができ、200nm以下とすることで蒸着時の熱負けの発生を抑え、金属膜の可撓性を確保することで割れや、剥離を抑えることができる。より好ましくは、10〜100nmである。
本発明の金属蒸着フィルムの製造方法では、高分子フィルム走行系は少なくとも2本のロールを持っている。1本は蒸着する高分子フィルムをセットする巻き出しロールである。別の1本は蒸着が済んだ高分子フィルムを巻き取る巻取ロールである。本発明を阻害しない限り、前記2本のロール以外に、プラスチックフィルムを任意位置に導くガイドロール、テンションをピックアップするピックアップロール、テンションを調整するダンサロール、高分子フィルムのシワを伸ばすエキスパンダーロール、高分子フィルムの滑りを防ぐニップロール等の他のロールがあってもよい。これらのロールは、フィルムを支給する巻き出しロールから、蒸着されたフィルムを収納する巻取ロールにフィルムを円滑に導くものであり、この目的で任意のロールが使用可能である。
以下、本発明の金属蒸着フィルムの製造方法の一例を図1を用いて説明する。
真空容器6は、仕切り7によりフィルム室14と蒸着室13に仕切られている。フィルム室内に設置された2のフィルム巻き出しロールより巻き出された10の高分子フィルムは、−30℃〜60℃に温度調節された3の加熱・冷却ドラムに沿って、走行しながら1のフィルム巻取ロールに巻き取られる。同時に、4の蒸発器内のルツボから金属が蒸発され、走行フィルムに積層される。金属が積層される前部分にプラズマ処理部8と気体の供給部9を設け、ここで用いられたガスを仕切り7の形成する隙間11を通して蒸着室13に導く。その後、隙間12を通過してフィルム室14に戻り、巻取ロール1に巻き取られる。シャッター5は、蒸着源4からの金属蒸気がフィルムへ飛来するのを開閉にて制御するものである。
(物性の測定方法ならびに効果の評価方法)
本発明の特性値は以下の測定法による。
(1)光線透過率を、OD値(光学濃度)
マクベス社製マクベス濃度計TR−927を用いて、透過法で測定した。-log10(減衰率)の値をOD値として算出した。フィルムの巾方向3点の平均値を求めた。OD値≧1.5を良品範囲内とした。
(2)酸素のガスバリア性
酸素透過率(cc/mday)をJISK7126−2(制定2006年8月20日)に準じて、モダンコントロール社製酸素透過率測定装置OX−TRAN2/20を用いて、23℃、0%RHの条件にて測定した。サンプル3点の平均値を求めた。酸素透過率≦1.2(cc/mday)を良品範囲内とした。
(3)水蒸気のガスバリア性
水蒸気透過率(g/mday)をJISK7129B(制定2008年3月20日)に準じて、モダンコントロール社製水蒸気透過率測定装置Permatran−W3/30を用いて、40℃、90%RHの条件にて測定した。サンプル3点の平均値を求めた。水蒸気透過率≦1.5(g/mday)を良品範囲内とした。
(4)表面抵抗値(Ω/□)
JISK6911(1962年制定(1995年改訂))に準拠して、温度20℃、湿度65%RH条件下で、表面抵抗測定装置(三菱化学(株)製 ロレスタMCP−T350、センサータイプASP)を使用して測定した。サンプル3点の平均値を求めた。表面抵抗値≦2.0(Ω/□)を良品範囲内とした。
(5)ラミネート強度
蒸着面にポリエステル2液型接着剤(東洋モートン製 主剤AD503、硬化剤CAT−10)を乾燥後の塗布厚み2μm相当をコートし、60μmの未延伸PPフィルム(東レフィルム加工社製「トレファン」(登録商標)NO3501)と、80℃に加熱したロールで1.8m/minの速度で送り出してラミネートし、18時間、40℃雰囲気でエージング後、15mm×200mmの大きさに切り出し、オリエンテック社製テンシロン万能試験機PTM−50を用いて引張り速度300mm/分でT型剥離時の密着強度として評価した(ドライラミネート強度(N/15mm))。サンプル3点の平均値を求めた。ドライラミネート強度≧2.45(N/15mm)、ウェットラミネート強度≧2.26(N/15mm)をそれぞれ良品範囲内とした。また、90°剥離時剥離界面に蒸留水を2〜3滴滴下した綿棒を当て剥離界面を濡れた状態に保ち、同様にウェットラミネート強度を評価した。いずれも、アルミニウム膜とフィルムの間で剥離したので、アルミニウム膜の密着力とみなした。
(6)コンダクタンスおよびコンダクタンス比
コンダクタンスCは、下記の式より算出した。
C=309(常数)×Ks×a×b/l
参考 アルバック真空ハンドブック 2002年CD−ROM版表1・7・2 12)薄い平行2面 参照
Ks:bとlとの関係から導き出される補正係数
a:隙間の奥行き、b:隙間の幅、l:隙間の長さ隙間の奥行き、幅、長さは、定規で測定した。
(7)ガス流量
フィルム室に導入するガス流量はマスフローコントローラーにより制御した。流量値は表1、表2に記載した。
(8)蒸着室圧力
蒸着室側壁に設置したペーニングゲージ(Ulvac社GI-PARY)により測定した。圧力値は表1、表2に記載した。
(実施例1)
二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製「ルミラー」(登録商標)タイプP60、厚さ12μm)を基材高分子フィルムとして、この上に真空蒸着法により、アルミニウム膜を形成した。電子ビーム加熱型真空蒸着機の蒸着室を0.3×10−2Paまで真空排気した後、フィルム室に酸素を導入し、蒸着室の圧力を1.5×10−2 Paとし、プレーナーマグネトロン電極を使用し、プラズマ処理を行い、続いて、アルミニウムの真空蒸着を行った。真空蒸着はアルミナルツボ(日本カーボンセラム(株)製)に粒状アルミニウム(真空冶金(株)製、純度99.99%)を充填して、アルミニウムを電子ビームで加熱溶融しながら蒸発せしめ、膜厚50nmのアルミニウム膜を形成した。この時のフィルム冷却ドラムの温度は−30℃であった。フィルムが蒸着室に入る隙間11は、奥行き2000mm、幅30mm、長さ150mm、コンダクタンス2.48m/s、フィルムが蒸着後に通過する隙間12は、奥行き2000mm、幅12mm、長さ150mm、コンダクタンス0.56m/sであった。コンダクタンスの比率は、4.4である。このアルミニウム蒸着フィルムを実施例1とした。アルミの物性値、ガスバリア性、ラミネート強度ともに良好であった。
(実施例2)
実施例1において、酸素流量を増やして蒸着室の圧力を、4.2×10−2Paとした。
OD値がやや下がり、表面抵抗値がやや上がったが、良品内であった。
(実施例3)
実施例1において、酸素流量を減らして蒸着室の圧力を、0.7×10−2Paとした。密着力がやや下がったが、良品内であった。
(実施例4)
実施例1において、フィルムが蒸着室に入る隙間11を、幅50mm、長さ150mmとして、コンダクタンス5.36m/sとした。高分子フィルムが蒸着後に通過する隙間12は、幅18mm、長さ150mm、コンダクタンス1.25m/sとした。コンダクタンスの比率は、4.3である。酸素流量を調整して、蒸着室の圧力を、3.8×10−2Paとした。OD値がやや下がり、表面抵抗値がやや上がったが、良品内であった。
(実施例5)
本発明をさらに効率的に実施するため、ガスを導入する隙間に拡散を防ぎコンダクタンスを下げる事ができる板15と16を設置した。これにより、高分子フィルムが蒸着室に入る隙間11を、幅25mm、長さ300mmとして、コンダクタンス1.20m/sとした。フィルムが蒸着後に通過する隙間12は、幅10mm、長さ250mm、コンダクタンス約0.30m/sとした。コンダクタンスの比率は、4.0である。酸素流量を調整して、圧力を、0.6×10−2Paとした。密着力がやや下がったが、良品内であった。
(実施例6)
実施例1において、フィルムが蒸着室に入る隙間11を、幅41mm、長さ150mmとして、コンダクタンス3.60m/sとした。フィルムが蒸着後に通過する隙間12は、幅12mm、長さ150mm、コンダクタンス約0.56m/sとした。コンダクタンスの比率は、6.4である。酸素流量を調整して、圧力を1.2×10−2Paとした。アルミの物性値、ガスバリア性、ラミネート強度ともに良好であった。
(実施例7)
実施例6において、酸素流量を調整して、圧力を、0.7×10−2Paとした。アルミの物性値、ガスバリア性、ラミネート強度ともに良好であった。
(実施例8)
実施例1において、窒素ガスを流し、圧力を、1.5×10−2Paとした。密着力がやや下がったが、良品内であった。
(実施例9)
実施例1において、アルゴンと酸素を1:1に混合したガスを流し、圧力を、1.6×10−2Paとした。密着力がやや下がったが、良品内であった。
(実施例10)
実施例1において、プラズマ処理を行わずアルミニウム膜を作成した。密着力がやや下がったが、良品内であった。
以下には、隙間11,12の形状、ガスの流量、放電ガスなどを変えて、比較例1から3を行った。
(比較例1)
実施例1において、フィルムが蒸着後に通過する隙間12を、幅30mm、長さ150mmとし、コンダクタンスをフィルムが蒸着室に入る隙間11と同じコンダクタンスとした。コンダクタンスの比率は、1.0である。酸素流量を調整して、圧力を、1.5×10−2Paとした。アルミの物性値、ガスバリア性、ラミネート強度ともに不良となった。
(比較例2)
実施例1において、酸素流量を調整して、圧力を、6.3×10−2Paとした。酸化により、アルミニウムの物性値が不良となった。
(比較例3)
実施例1において、酸素流量を調整して、圧力を、0.4×10−2Paとした。ラミネート強度が不良となった。
Figure 0005594531
Figure 0005594531
酸素や水蒸気などの気体の遮断性と高分子フィルムとの付着性に優れ、金属色の外観も良好なため、食品包装等に適した金属蒸着フィルムを得ることができる。
1 巻取ロール
2 巻き出しロール
3 加熱・冷却ドラム
4 蒸発器
5 シャッター
6 真空容器
7 仕切り
8 プラズマ処理部
9 ガス供給部
10 高分子フィルム
11 蒸着前の高分子フィルムが通過するとともにガスを蒸着室に供給する隙間
12 蒸着後の高分子フィルムが通過する隙間
13 蒸着室
14 フィルム室
15 ガスの導入板(フィルム入口側)
16 ガスの導入板(フィルム出口側)
17 巻き出し部でのフィルムの動く方向
18 巻取部でのフィルムの動く方向
19 ガスの流れの方向
20 金属蒸気の流れ

Claims (3)

  1. 真空中で金属材料を加熱し、該金属材料を蒸発させると共に、巻き出しロールから連続的に巻き出されて前記金属材料の蒸気に晒されるように走行する高分子フィルムを巻取ロールで巻き取ることにより、前記高分子フィルムの表面に前記金属材料の蒸着膜を形成する金属蒸着フィルムの製造方法であって、フィルムの巻き出しと巻き取りを行うフィルム室と、蒸着膜を形成する蒸着室とがフィルムが通る隙間でつながっており、フィルム室から蒸着室にフィルムが入る側の隙間のコンダクタンスが、蒸着室からフィルム室へフィルムが出る側の隙間のコンダクタンスの4.0倍以上、6.4倍以下であり、フィルムの巻き出しロールとフィルム室から蒸着室にフィルムが入る側の隙間の間で、金属材料と化合物を形成するガスを用いてプラズマ処理を行い、蒸着室における蒸着を開始する前の圧力が0.6×10−24.2×10−2Paであることを特徴とする金属蒸着フィルムの製造方法。
  2. プラズマ処理に用いるガスが、酸素若しくは窒素またはこれらの混合ガス、またはこれらのガスが不活性気体との混合比にて5体積%以上含まれる混合ガスであることを特徴とする請求項に記載の金属蒸着フィルムの製造方法。
  3. 金属材料がアルミニウムであることを特徴とする請求項1または2に記載の金属蒸着フィルムの製造方法。
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