JP2003291246A - 複合材料及びその製造方法 - Google Patents

複合材料及びその製造方法

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JP2003291246A
JP2003291246A JP2002103725A JP2002103725A JP2003291246A JP 2003291246 A JP2003291246 A JP 2003291246A JP 2002103725 A JP2002103725 A JP 2002103725A JP 2002103725 A JP2002103725 A JP 2002103725A JP 2003291246 A JP2003291246 A JP 2003291246A
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organic polymer
metal
sheet
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JP2002103725A
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English (en)
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Yukikazu Ochi
幸和 大地
Kaji Maezawa
可治 前澤
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスバリア性、非透湿性、防湿性、防水性及
び耐屈曲性から選択される少なくとも一種が向上された
複合材料を提供する。 【解決手段】 シート状基材(1)の少なくとも一方の
主表面に、金属膜及び/もしくは金属酸化物の膜
(2)、炭素膜(3)、並びに有機高分子膜(4)が形
成されている複合材料(10)である。金属膜及び/も
しくは金属酸化物の膜(2)、炭素膜(3)、並びに有
機高分子膜(4)が、シート状基材(1)からその順に
形成されている複合材料(10)が好ましい。この複合
材料は、包装材用又は断熱材用として使用することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複合材料に関し、好
ましくはガスバリア性、耐レトルト性、ゲルボ特性、非
透湿性、防湿性及び防水性等に優れる複合材料に関し、
好ましくは断熱性に優れる複合材料に関し、更にそのよ
うな複合材料の製造方法に関する。本発明の複合材料
は、食品、医薬品及び電子部品等の気密性を要求される
包装材料用の複合材料として好ましく使用でき、また食
品、医薬品及び電子部品等のガスバリア性を要求される
ガス遮断材料用の複合材料として好ましく使用できる。
【0002】
【従来の技術】近年、複合材料(又は高機能性薄膜)の
技術的発展は目ざましく、その応用分野も多岐にわたっ
ている。例えばガスバリア性に優れた複合材料として、
プラスチックフィルム上にアルミニウムを積層した複合
材料が公知である(特公昭59−146993号公報参
照)。また無機酸化物又は金属酸化物を利用したガスバ
リア性の優れた複合材料として、例えば酸化珪素膜又は
酸化アルミニウム薄膜等を積層した複合材料が公知であ
る(特許第3149505号参照)。
【0003】これらのガスバリア性の優れた複合材料
は、食品、医薬品及び電子部品の包装材料用の複合材料
として使用され、更にガス遮断材料用の複合材料として
真空断熱材料用の複合材料としても使用される。
【0004】上述のような従来のガスバリア性に優れる
複合材料は、包装材料もしくは真空断熱材料用の複合材
料として使用された場合、下記のような問題があった。
【0005】プラスチックフィルム上にアルミニウムを
積層した複合材料は経済性に優れているが、この複合材
料が物質の真空保存もしくは長期保存を行うために用い
られる包装材料用の複合材料、又は真空断熱材料用の複
合材料として用いられた場合、時間の経過と共に包装材
料及び真空断熱材料の内部の圧力の変化(上昇)もしく
は内部のガスの組成の変化を生じ得るという問題が有
る。時間の経過に伴なうこの複合材料のガスバリア性の
劣化は、例えばアルミニウムの酸化や吸湿が影響してい
ると考えられる。
【0006】この問題は、複合材料のガスバリア性を向
上してより高めることによって解決することができると
考えられ、プラスチックフィルム上に積層されるアルミ
ニウムの厚さをより厚くすることによって解決すること
ができる。しかし、その結果、得られる複合材料の屈曲
性が低下し、複合材料にクラックが生じ易くなる等の別
の問題を生じ得る。
【0007】またプラスチックフィルム上にポリ塩化ビ
ニリデンもしくはエチレン−ビニルアルコール共重合体
を湿式塗布して得られる複合材料は、酸素ガス等のガス
バリア性及び非透湿性が不充分であるという問題が有
る。特に、複合材料を高温処理した場合、例えば、複合
材料を高温雰囲気で保管した場合、そのガスバリア性及
び非透湿性が著しく低下するという問題が有る。
【0008】無機酸化物を利用した複合材料として、シ
ート状の樹脂の表面に、SiO(例えばSiO)を
蒸着したガスバリア性を有する複合材料が提案されてい
る。この複合材料は、ケイ素を十分に酸化することで無
機酸化物の膜の透明性をあげることが出来るという長所
が有るが、得られる複合材料のガスバリア性が不十分な
ので用途が限定されるという問題が有る。
【0009】また、金属酸化物を利用した複合材料とし
て、酸化アルミニウムが用いられた複合材料が提案され
ている。この複合材料は、材料コストが安く、生産が容
易で、化学的に安定であり、絶縁性が高いという長所が
ある。しかし、ガスバリア性が不十分であり、かつ耐屈
曲性も不十分であるという問題がある。耐屈曲性が不十
分であるという問題は、酸化アルミニウムという材料の
脆弱性に基づく問題であり、この問題は、複合材料の形
成後の後工程、例えばラミネート、製袋及び印刷等の工
程で問題となる。
【0010】このように、十分なガスバリア性を有する
複合材料であって、物質の真空保存もしくは長期保存を
行うために用いられる包装材料用の複合材料又は真空断
熱材料用の複合材料として用いられた場合でも、時間の
経過と共に包装材料もしくは真空断熱材料の内部の圧力
の変化(上昇)及び内部のガス組成の変化が少なく、好
ましくは耐屈曲性が高い複合材料、更に好ましくは断熱
性を有する複合材料は知られておらず、そのような複合
材料が要求されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
解決するためになされたもので、ガスバリア性、非透湿
性、防湿性、防水性及び耐屈曲性から選択される少なく
とも一種が向上された複合材料であって、物質の真空保
存もしくは長期保存を行うために用いられる包装材料用
の複合材料又は真空断熱材料用の複合材料として用いら
れた場合でも、時間の経過と共に包装材料もしくは真空
断熱材料の内部の圧力の変化(上昇)及び内部のガス組
成の変化が少なく、好ましくは耐屈曲性が高い複合材
料、更に好ましくは断熱性が向上された複合材料を提供
することを目的とする。更に、そのような複合材料の製
造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、ガスバリ
ア性、非透湿性、耐真空保存性及び耐屈曲性に優れ、更
に生産性にも優れた複合材料の開発に鋭意検討した結
果、シート状基材の少なくとも一方の主表面に、金属膜
及び/もしくは金属酸化物の膜、炭素膜、並びに有機高
分子膜が積層されているという特定の構成を有する複合
材料がこれらの特性に優れることを見出し、本発明を完
成するに至ったものである。本発明の複合材料は、ガス
バリア用、真空断熱用及び防湿用の複合材料として使用
することができる。
【0013】即ち、本発明は、シート状基材の少なくと
も一方の主表面に、金属膜及び/もしくは金属酸化物の
膜、炭素膜、並びに有機高分子膜が積層されている複合
材料を提供する。本発明は、一の要旨において、ガスバ
リア性及び非透湿性を有する複合材料を提供し、また、
本発明は、別の要旨において、包装材用又は断熱材用と
して使用される複合材料を提供する。
【0014】更に、本発明の上述の複合材料のいずれに
おいても「金属膜及び/もしくは金属酸化物の膜」、
「炭素膜」、並びに「有機高分子膜」が、この順にシー
ト状基材に近い方から形成されている複合材料を提供す
るが、「炭素膜」、並びに「金属膜及び/もしくは金属
酸化物の膜」、並びに「有機高分子膜」の順に形成され
ていてもよい。
【0015】本発明の一の態様において、基材の他方の
主表面に有機高分子膜が形成されている複合材料を提供
する。更に、本発明の別の態様において、基材の他の主
表面に、金属膜及び/もしくは金属酸化物の膜、炭素
膜、並びに有機高分子膜が形成されている複合材料を提
供する。本発明の複合材料は、ガスバリア性及び非透湿
性を有する複合材料であって、包装材料又は断熱材用の
複合材料として、好ましく使用される。
【0016】尚、本発明の複合材料に関して、「ガスバ
リア性」とは、複合材料がCOガスの透過を防げる性
質をいう。具体的には複合材料と基準となる材料の各々
をCOガス層と真空層の間に配置して、各々の材料を
透過して真空層中に拡散するCOガスの量をガス質量
分析計で測定し、基準となる材料に対する複合材料のガ
ス透過度で示す。従って、本発明の複合材料の「ガス透
過度」の値が小さいほど、「ガスバリア性」は高い。
【0017】尚、基準となる材料及び基準となる値は、
適宜選択することができるが、本発明においては、基準
となる材料として表面性の良い(即ち、後述するAFM
を用いて表面の粗さを測定した場合、少なくとも一方の
主表面に、平均線から高さが100nm以上の突起粒子
が実質的に無い)厚さが12μmのPETフィルムに厚
さが50nmのアルミニウム金属膜を蒸着して得られる
材料を用い、この材料の「ガス透過度」を30として、
それに対する相対値として本発明の複合材料の「ガス透
過度」を示す。本発明の複合材料のガス透過度は、10
以下であり、5以下であるのが好ましく、1以下である
のがより好ましく、0.1以下であるのが特に好まし
い。
【0018】また、本発明の複合材料に関して、「非透
湿性」とは、複合材料が水蒸気の透過を妨げる性質をい
う。後述するように、本発明の複合材料の「透湿度(又
は水蒸気透過度)」は、JIS K−6549、Z−0
208及びZ−0721基づく透湿度測定法により求め
る。本発明の複合材料の「透湿度」が低いほど、「非透
湿性」は高い。
【0019】具体的には、カップの中に乾燥剤を入れ
て、その上を上述の複合材料で覆って密閉状態とした
後、カップを一定の温湿度条件(条件B:温度40℃、
相対湿度90%、空気循環速度 1m/sec)で、1
日放置した。1日放置前後の透湿カップ全体の質量を秤
量して、1日放置したことによる、カップ全体の質量の
増加量を求めることで、透湿度(g/m・24H)を
算出した。本発明の複合材料の透湿度は、50未満(g
/m・24H)であり、1未満(g/m・24H)
であるのが好ましく、0.1未満(g/m・24H)
であるのがより好ましく、0.01未満(g/m・2
4H)であるのが特に好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明において「シート状基材」
とは、形状がシート状であって、その主表面上に形成さ
れる金属膜及び/もしくは金属酸化物の膜、並びに炭素
膜を支持することができ、本発明が目的とする複合材料
を得ることができる基材である限り、特に制限されるも
のではないが、基材の特性として、高い絶縁性、高い気
密性及び高い緻密性を有するものが好ましい。
【0021】更に、本発明の「シート状基材」の厚さ
は、3〜500μmの範囲であるのが好ましく、4〜3
00μmの範囲であるのがより好ましく、5〜100μ
mの範囲であるのが特に好ましい。
【0022】また、本発明の「シート状基材」は、AF
M(原子間力顕微鏡)を用いて表面の粗さを測定した場
合、少なくとも一方の主表面に、平均線から高さが10
0nm以上の突起粒子が実質的に無いのが好ましく、平
均線から高さが50nm以上の突起粒子が実質的に無い
のがより好ましく、平均線から高さが30nm以上の突
起粒子が実質的に無いのが特に好ましい。即ち、「シー
ト状基材」として、表面性の良好なものがより好まし
い。尚、「平均線」とは、JIS B0601に規定さ
れている平均線をいう。
【0023】更に、「シート状基材」は、たとえ平均線
から高さが100nm以上の突起粒子が有る場合であっ
ても、平均線から高さが100nm以上の突起粒子は、
突起粒子全体の90%〜50%であるのが好ましく、5
0%〜30%であるのがより好ましく、30%以下であ
るのが特に好ましい。
【0024】そのような「シート状基材」の「表面の粗
さ」は、セイコー電子工業製のAFMであるSPI38
00型(商品名)を用いて、基材の表面の50μm角を
10nm毎にスライスさせながら測定して得られる、基
材の主表面上の突起粒子の平均線からの高さの分布を用
いて評価した。
【0025】AFMを用いて基材の主表面を測定し、主
表面上に平均線から高さが100nm以上の突起粒子が
実質的に無い場合、後述する例えばアルミニウム等の金
属膜を蒸着して得られる複合材料に十分なガスバリア性
を付与することができるので好ましい。
【0026】また、AFMを用いて基材の主表面を測定
して、平均線から高さが100nmを超える突起粒子が
たとえ有るとしても、平均線から高さが100nmを超
える突起粒子が、突起粒子全体の90%以下である場
合、得られる複合材料のガスバリア性低下を抑制するこ
とができ、更に、平均線から高さが100nmを超える
突起粒子が、突起粒子全体の50%以下である場合、得
られる複合材料のガスバリア性低下を十分に抑制するこ
とができる。
【0027】上述の「シート状基材」として、例えば、
シート状の有機高分子を例示できる。
【0028】「シート状の有機高分子」とは、シート状
に成形された有機高分子をいい、例えば、押出成形法、
ホットメルト法、ラミネート法等の有機高分子をシート
状に成形することができる適当な方法を用いて、必要に
応じ長手方向、及び/もしくは幅方向に延伸、冷却及び
熱固定等を施してシート状に成形された有機高分子をい
う。尚、目的とする複合材料を得ることができる限り、
「シート状の有機高分子」を得るための有機高分子の成
形方法は、特に制限されるものではない。
【0029】「有機高分子」には、天然樹脂及び合成樹
脂が含まれるが、上述の基材としての特性から合成樹脂
が好ましい。合成樹脂として、例えば、ポリエチレン
(PE)(低密度ポリエチレン(LDPE)及び高密度
ポリエチレン(HDPE)を含む)、ポリプロピレン
(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)及び
ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステ
ル、ナイロン等のポリアミド(PA)、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール(PV
A)、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルイ
ミド、ポリスルホン、ポリカーボネート、エチレン−ビ
ニルアルコ−ル共重合体(EVOH)、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、AB
S樹脂、ポリスチレン−ABS樹脂、アクリル樹脂、メ
タクリル樹脂、不飽和ポリエステル、ウレタン樹脂、テ
フロン(登録商標)等のフッ素樹脂並びにシリコーン樹
脂等を例示できる。これらの有機高分子は、他の有機単
量体が更に共重合されたり、他の有機高分子及び/もし
くは有機重合体が混合されてもよい。
【0030】この「有機高分子」には、有機高分子の基
材としての性質を向上するために通常有機高分子に添加
される各種添加剤を添加してよい。そのような添加剤と
して、例えば酸化珪素及びアルミナ等のシート状基材の
走行性を向上するための表面処理剤、紫外線吸収剤、帯
電防止剤、可塑剤、滑剤、着色剤、極圧剤及び防錆剤等
を例示できる。
【0031】従って、「シート状の有機高分子」は、A
FM(原子間力顕微鏡)を用いて表面の粗さを測定した
場合、少なくとも一方の主表面に、平均線から高さが1
00nm以上の突起粒子が実質的に無いものが好まし
く、平均線から高さが50nm以上の突起粒子が実質的
に無いものがより好ましく、平均線から高さが30nm
以上の突起粒子が実質的に無いものが特に好ましい。
「シート状の有機高分子」の厚さは、3〜500μmの
範囲であるのが好ましく、4〜300μmの範囲である
のがより好ましく、5〜100μmの範囲であるのが特
に好ましい。
【0032】上述のシート状の有機高分子として、シー
ト状に成形されたPE、PP、PET、PEN、PA
(ポリアミド)、PVA(ポリビニルアルコール)及び
EVOH(エチレン−ビニルアルコール共重合体)が好
ましく、PET、PVA、EVOH、PE及びPPがよ
り好ましい。
【0033】基材が、ポリエチレンテレフタレート又は
エチレン−ビニルアルコール共重合体からなるシート状
の有機高分子であって、シートの厚さが3〜500μm
であり、その少なくとも一方の主表面に平均線から高さ
が100nm以上の突起粒子が実質的に無いことが好ま
しく、シートの厚さが4〜300μmであり、その少な
くとも一方の主表面に平均線から高さが50nm以上の
突起粒子が実質的に無いことがより好ましく、シートの
厚さが5〜100μmであり、その少なくとも一方の主
表面に平均線から高さが30nm以上の突起粒子が実質
的に無いことが特に好ましい。
【0034】「有機高分子」として、市販の有機高分子
を使用できる。また、「シート状の有機高分子」として
使用できるPETフィルムには、例えば、表面の粗さが
均一であり、平均線から高さが100nm以上の突起粒
子が実質的に無く、ビデオ録画用に用いられる蒸着テー
プ用の基材として使用されるPETフィルムと、平均線
から高さが100nm以上の突起粒子が存在する、家庭
用VHSビデオテープ用に用いられる汎用テープ用の基
材として使用されるPETフィルムの2種類が知られて
いる。表面性のよい蒸着テープ用の基材として使用され
るPETフィルムは、汎用テープ用の基材として使用さ
れるPETフィルムより製膜コストが高いという問題が
有る。
【0035】本発明において「金属膜及び/もしくは金
属酸化物の膜」とは、通常金属とされる物質の膜及び/
もしくは通常金属酸化物とされる物質の膜であって、目
的とする複合材料を得ることができるものであれば、特
に制限されるものではないが、その特性として、高い気
密性、高い緻密性を有するものが好ましい。
【0036】「金属膜及び/もしくは金属酸化物の膜」
の厚さは、特に限定されることはないが、ガスバリア性
及び加工性から考えて、5〜800nmの範囲が好まし
く、10〜700nmの範囲がより好ましく、30〜5
00nmの範囲が特に好ましい。
【0037】「金属膜」の「金属」として、例えば、ア
ルミニウム、銅、ニッケル、亜鉛、マンガン、チタン、
クロム、鉄、錫、銀、鉛、コバルト、ケイ素等を例示で
きるが、アルミニウム、錫、鉛、亜鉛、銀、銅、ニッケ
ルが好ましい。また、これらの金属の混合物(物理的な
混合物及び/又は合金等)の膜であってもよい。更に、
後述する金属酸化物が含まれていてもよい。金属と金属
酸化物の比は作製条件によって、種々変化し得るが、例
えば、金属膜がアルミニウム(Al)膜である場合、金
属アルミニウム及びアルミニウムの酸化物(AlO
からなると考えられるが、両者の比は、適宜選択するこ
とができる。尚、本発明においては、ケイ素は金属に含
まれるものとする。
【0038】「金属膜」は、金属の膜を作製することが
でき、目的とする複合材料を得ることができる方法であ
れば、特に制限されることなく、いずれの方法も使用す
ることができ、そのような方法を用いて基材の上に作成
することができる。そのような方法として、例えば、真
空蒸着法、スパッタ法及びイオンプレーティングなどの
PVD法(物理蒸着)、並びにCVD法(化学蒸着)等
を使用できる。
【0039】真空蒸着法についてより詳細に説明する
と、真空蒸着法では、金属塊が蒸発材料として用いら
れ、加熱方式として抵抗加熱、高周波誘導加熱及び電子
ビ−ム加熱等を用いることができる。金属を真空蒸着中
に導入し、更にイオンアシスト又は他のガスを導入して
もよい。金属の蒸着時に、シート状の基板に正又は負の
バイアスを加えてもよく、また電子線を照射してもよ
い。更に、シート状の基板の温度を上昇させてもよく、
温度を低下させてもよい。本発明が目的とする複合材料
を得られる限り、金属膜の作製条件は適宜変更すること
ができる。
【0040】「金属酸化物」として、例えば、酸化アル
ミニウム、酸化ケイ素、酸化銅、酸化ニッケル、酸化
錫、酸化鉛、酸化亜鉛等を例示できるが、酸化アルミニ
ウム、酸化ケイ素、酸化銅が好ましい。また、これらの
金属酸化物の混合物(二種類以上の金属酸化物の物理的
な混合物及び/又は二種類以上の金属が合金と成ってお
り、その酸化物等)であってもよい。更に、上述した金
属が含まれていてもよく、金属と金属酸化物の比は作成
条件によって、種々変化し得る。
【0041】また、「金属酸化物の膜」は、金属酸化物
の膜を作製することができる方法であって、目的とする
複合材料を得ることができる方法である限り、特に制限
されることなく「金属酸化物の膜」を形成できる方法を
使用して基材の上に作成することができる。そのような
方法として、例えば、金属(アルミニウム又はケイ素
等)の蒸気雰囲気中に酸素ガスを導入する反応性蒸着
法、スパッタ法及びイオンプレーティング等のPVD法
(物理吸着)並びにCVD法(化学吸着)等を使用でき
る。
【0042】反応性蒸着法についてより詳細に説明する
と、反応性蒸着法は、上述した真空蒸着法と類似する方
法であるが、加熱して蒸発した金属の蒸気雰囲気中に酸
素ガスを導入するという点で真空蒸着法と異なってい
る。例えば、金属酸化物が酸化アルミニウムの場合、金
属アルミニウムが蒸発され、その蒸気雰囲気中に酸素ガ
スが導入される。また、金属酸化物が酸化ケイ素の場
合、ケイ素が蒸発され、その蒸気雰囲気中に酸素ガスが
導入される。本発明の目的とする複合材料を得ることが
できる限り、金属酸化物の膜の作製条件は適宜変更し得
る。
【0043】金属膜及び/もしくは金属酸化物の膜が、
アルミニウム金属膜、酸化アルミニウムの膜又は酸化ケ
イ素の膜であって、膜の厚さが5〜800nmの範囲が
好ましく、10〜700nmの範囲がより好ましく、3
0〜500nmの範囲が特に好ましい。
【0044】本発明において「炭素膜」とは、通常炭素
膜と呼ばれるものであって、目的とする複合材料を得る
ことができる炭素膜であれば、特に制限されるものでは
ないが、その特性として、高い気密性、高い緻密性を有
する炭素膜が好ましい。
【0045】炭素膜の厚さは、1〜1000nmの範囲
であるのが好ましく、5〜500nmの範囲であるのが
より好ましく、10〜100nmの範囲であるのが特に
好ましい。
【0046】炭素膜は、通常炭素膜を形成するために使
用される方法であれば、特に制限されることなく使用し
て、形成することができる。その方法として、例えば、
プラズマCVD法及びスパッタ法を例示できる。
【0047】「プラズマCVD法」とは、通常炭素膜の
形成に用いられているプラズマCVD法であって、目的
とする複合材料を得られる限り、特に制限されるもので
はない。プラズマCVD法を用いて炭素膜を形成する際
に使用するガスは、通常炭素膜をプラズマCVD法によ
って形成する場合に通常用いられているガスでよく、例
えばメタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘ
キサン、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、
トルエン及びベンゼン等の炭化水素系ガスに、水素ガ
ス、窒素ガス、アルゴン及びヘリウムガス等の反応促進
ガスを混合した原料ガスを例示できる。メタンガスと水
素ガスの混合ガス、エタンガスとアルゴンガスの混合ガ
ス、トルエンガスとアルゴンガスの混合ガスが好まし
い。
【0048】プラズマCVD法による炭素膜の形成は、
具体的には、反応容器中に原料ガスを導入し、容器内の
圧力を0.1〜100Paに保った状態で反応容器内部
で炭化水素系ガスのプラズマを発生させることにより実
施する。プラズマは、例えば反応容器中で放電を発生さ
せることによって発生させ得る。炭素膜の形成中、炭化
水素系ガス及び反応促進ガスをそれぞれ所定流量で反応
容器中に導入し、反応容器中でそれらを混合してよい。
【0049】プラズマを放電により発生させる場合、そ
の放電形式は外部電極方式および内部電極方式のいずれ
でもよく、放電周波数は実験的に決めることができる。
炭素膜を形成する条件、例えば、放電の際に印加する電
圧を変化させること、原料ガスの圧力を変化させること
等を種々変えることによって、所望の炭素膜を得ること
ができる。
【0050】また、マイクロ波と磁場により電子を共鳴
させて原料ガスをプラズマ化する方法、即ち、電子サイ
クロトロン共鳴(Electron Cyclotron Resonance;EC
R)を用いてプラズマを発生させてもよい。
【0051】「スパッタ法」とは、通常炭素膜の形成に
用いられているスパッタ法であって、目的とする複合材
料を得られる限り、特に制限されるものではない。スパ
ッタ法では、不活性ガス(例えば、窒素、アルゴン及び
ヘリウム)の雰囲気中で、又は不活性ガスと上述の炭化
水素ガスを混合したガス(例えば、窒素とメタンの混合
ガス、アルゴンとメタンの混合ガス、ヘリウムとメタン
の混合ガス)の雰囲気中で、ターゲット(例えば、カー
ボン、グラファイト等)にAC又はDC電流(電力)を
印加すると、不活性ガスがプラズマ化する。プラズマ中
のイオンがターゲットに衝突し、カーボン粒子を叩き出
し基体に堆積し、炭素膜を形成することができる。スパ
ッタの方法には、例えば、直流スパッタ、交流スパッ
タ、高周波スパッタ及びイオンビームスパッタ等がある
が、目的とする複合材料を得ることができる限り、スパ
ッタの方法に特に制限されるものではない。
【0052】本発明において「有機高分子膜」とは、シ
ート状基材の少なくとも一方の主表面に形成される「金
属膜及び/もしくは金属酸化物の膜」並びに「炭素膜」
の性能を維持するために形成される膜状の有機高分子を
いい、「有機高分子膜」は、目的とする複合材料を得ら
れる限り特に制限されるものではないが、その特性とし
て、高い気密性、高い緻密性を有するものが好ましい。
【0053】本発明に係る複合材料において、「金属膜
及び/もしくは金属酸化物の膜」並びに「炭素膜」は、
「シート状基材」と「有機高分子膜」の間に形成される
のが好ましいが、「金属膜及び/もしくは金属酸化物の
膜」並びに「炭素膜」がシート状基材から形成される順
序は特に制限されるものではない。
【0054】「有機高分子膜」の厚さは、10nm〜8
00μmの範囲であるのが好ましく、100nm〜50
0μmの範囲であるのがより好ましく、50nm〜10
0μmの範囲であるのが特に好ましい。
【0055】ここで「有機高分子膜」の「有機高分子」
として、上述した「シート状有機高分子」に用いられる
「有機高分子」を例示することができるが、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重
合体、ポリスチレン、ポリビニルアルコールが好まし
い。
【0056】「有機高分子膜」の製膜方法は、通常有機
高分子膜を得ることができる方法であって、目的とする
複合材料を得ることができる方法である限り、特に制限
されるものではないが、そのような方法として、例え
ば、原液もしくは適当な溶媒で希釈した溶液を塗布する
ことで膜を形成する湿式塗布法(例えば、グラビアコー
タ法、リバースコータ法及び押出コータ法等)、並びに
有機高分子を溶解し蒸着する(有機)蒸着法(例えば、
真空蒸着法等)を例示できる。
【0057】有機高分子膜は、ポリプロピレン、ポリエ
チレン、ポリ塩化ビニリデン、エチレン−ビニルアルコ
ール共重合体又はポリスチレンから成る膜であって、膜
の厚さが10nm〜800μmの範囲であるのが好まし
く、100nm〜500μmの範囲であるのがより好ま
しく、50nm〜100μmの範囲であるのが特に好ま
しい。
【0058】このような「有機高分子膜」は、上述した
「シート状基材」としても使用できる。
【0059】本発明の「複合材料」においては、「金属
膜及び/もしくは金属酸化物の膜」と「炭素膜」が形成
される順序は、特に制限されるものではなく、入れ替わ
ってもよい。本発明の「複合材料」は、シート状基材の
他方の主表面に有機高分子膜が形成されていてもよい。
【0060】更に、本発明の「複合材料」は、シート状
基材の他方の主表面に、金属膜及び/もしくは金属酸化
物の膜、炭素膜、並びに有機高分子膜が形成されていて
もよい。「シート状基材」、「金属膜及び/もしくは金
属酸化物の膜」、「炭素膜」、並びに「有機高分子膜」
は、上述した通りであり、「金属膜及び/もしくは金属
酸化物の膜」並びに「炭素膜」は、「シート状基材」と
「有機高分子膜」の間に形成されるのが好ましい。
【0061】また、本発明の「複合材料」は、基材の一
方の主表面に、(1)金属膜及び/もしくは金属酸化物
の膜、炭素膜、並びに有機高分子膜が、その順に基材か
ら形成されている場合、(2)炭素膜、金属膜及び/も
しくは金属酸化物の膜、並びに有機高分子膜が、その順
に基材から形成されている場合のいずれの場合であって
も、基材の他方の主表面に、(a)金属膜及び/もしく
は金属酸化物の膜が形成されている場合、(b)炭素膜
が形成されている場合、(c)金属膜及び/もしくは金
属酸化物の膜、炭素膜が、その順に基材から形成されて
いる場合、(d)炭素膜、金属膜及び/もしくは金属酸
化物の膜が、その順に基材から形成されている場合、
(e)金属膜及び/もしくは金属酸化物の膜、有機高分
子膜が、その順に基材から形成されている場合、(f)
炭素膜、有機高分子膜が、その順に基材から形成されて
いる場合、(g)金属膜及び/もしくは金属酸化物の
膜、炭素膜、有機高分子膜が、その順に基材から形成さ
れている場合、(h)炭素膜、金属膜及び/もしくは金
属酸化物の膜、有機高分子膜が、その順に基材から形成
されている場合のいずれの場合でもよい。
【0062】本発明の複合材料はそのまま使用すること
ができるが、更に追加の高分子フィルム又は薄層を、ラ
ミネートして又はコーティングして使用できる。
【0063】更に、本発明の複合材料を製造する過程に
おいて、上述した金属膜、金属酸化物及び炭素膜等を形
成する方法として蒸着法を使用する場合、蒸着前処理を
行い、複合材料内に存在し得るガス及び不純物等の影響
を除去することができる。そのような処理として、例え
ば、プラズマ処理及びグロー処理等の真空放電処理、加
熱ロール及びランプ等による熱処理、並びにイオン及び
電子等の照射処理を例示できる。
【0064】尚、例えば、アルミニウム金属膜等の「金
属膜及び/もしくは金属酸化物の膜」については、これ
が一方の主表面のみに蒸着された複合材料より、両方の
主表面に蒸着された複合材料の方が、後述する実施例で
も示されるように、ガスバリア性は好ましくは2倍以上
に向上するという長所がある。更に、基材の他の主表面
にも膜を形成することによって、本発明の複合材料の構
成が多様になり、その結果複合材料の用途が広がるとい
う長所が有る。
【0065】上述した本発明のガスバリア性及び非透湿
性を有する「複合材料」、又は包装用もしくは断熱材用
として使用される「複合材料」は、シート状基材の少な
くとも一方の主表面に、金属膜及び/もしくは金属酸化
物の膜を形成する工程、金属膜及び/もしくは金属酸化
物の膜の上に炭素膜を形成する工程、並びに炭素膜の上
に有機高分子膜を形成する工程を有してなる製造方法を
用いて製造することができる。
【0066】上述した本発明のガスバリア性及び非透湿
性を有する「複合材料」、又は包装用もしくは断熱材用
として使用される「複合材料」は、シート状基材の少な
くとも一方の主表面に、炭素膜を形成する工程、炭素膜
の上に金属膜及び/もしくは金属酸化物の膜を形成する
工程、並びに金属膜及び/もしくは金属酸化物の膜の上
に有機高分子膜を形成する工程を有してなる製造方法を
用いて製造することができる。
【0067】上述のいずれの製造方法においても、有機
高分子膜が有機高分子を湿式塗布することによって形成
されることが好ましく、また、有機高分子膜が有機化合
物を真空蒸着することによって形成されることが好まし
い。
【0068】以下、添付した図面を参照して本発明の複
合材料を説明する。図1は、本発明の複合材料の一例を
模式的に示す断面図である。図1の複合材料(10)に
は、シート状基材(1)の一方の主表面上に、金属膜及
び/もしくは金属酸化物の膜(2)、炭素膜(3)、並
びに有機高分子膜(4)が、その順に基材から形成され
ている。金属膜及び/もしくは金属酸化物の膜(2)と
炭素膜(3)を形成する順序は、逆であってもよい。図
1の複合材料(10)では、シート状基材の他の主表面
には、いずれの膜も形成されていないが、金属膜及び/
もしくは金属酸化物の膜、炭素膜、並びに有機高分子膜
の少なくとも一つが形成されているのが好ましい。
【0069】図2は、本発明の複合材料の他の一例を模
式的に示す断面図である。図2の複合材料(20)で
は、図1の複合材料(10)の、シート状基材(1)の
他の主表面に、有機高分子膜(5)が形成されている。
尚。有機高分子膜(4)と(5)は、同一でも異なって
いてもよい。
【0070】図3は、本発明の複合材料の好ましい一例
を模式的に示す断面図である。図3の複合材料(30)
では、図1の複合材料(10)の、シート状基材(1)
の他の主表面に、金属膜及び/もしくは金属酸化物の膜
(6)、炭素膜(7)、並びに有機高分子膜(5)が、
その順に基材から形成されている。金属膜及び/もしく
は金属酸化物の膜(6)と炭素膜(7)の順序は、逆で
あってもよい。尚、金属膜及び/もしくは金属酸化物の
膜(2)と(6)は、同一でも異なっていてもよい。炭
素膜(3)と(7)は、同一でも異なっていてもよい。
更に、有機高分子膜(4)と(5)も、同一でも異なっ
ていてもよい。
【0071】尚、本発明に係る複合材料は、そのガスバ
リア性によって、断熱材、好ましくは真空断熱材に応用
することができる。例えば、空隙率の高い発砲体(又は
気泡性の高い板状構造部材)を本発明の複合材料で完全
に密閉するように覆った後、複合材料で覆われた内部
(即ち、空隙率の高い発砲体)を減圧してほぼ真空状態
とした部材は、内部に生じた真空層が高い断熱性を発現
し得るので、断熱材として、好ましくは高性能な断熱材
として使用できる。ここで、断熱性の高さは、真空層の
真空度をいかに高くすることができるか、また、断熱性
の耐久性は、真空層の真空度をいかに長時間維持できる
かということに依存すると考えられ、それらはいずれ
も、複合材料のガスバリア性の高さに対応すると考えら
れる。即ち、複合材料のガスバリア性が高い場合、真空
層の真空度をより高くすることができ、また、真空層の
真空度をより長時間維持できると考えられるので、より
高性能の断熱材を構成することが可能である。
【0072】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により具体
的かつ詳細に説明するが、これらの実施例は本発明の一
態様にすぎず、本発明はこれらの例によって何ら制限さ
れるものではない。
【0073】(実施例1の複合材料の製造)シート状基
材として、表面粗さが均一で、平均線から高さが100
nm以上の突起粒子を実質的に有さない、厚さが12μ
mの市販のポリエチレンテレフタレート(PET)フィ
ルム(東レ製のルミラー(商品名))を用いた。このP
ETフィルムを真空蒸着製造装置の送り軸にセットし
た。PETフィルムは、冷却回転ドラムを経て巻取り軸
で巻き取られた。冷媒の温度は−20℃に設定した。シ
ート状基材の下方から、セラミック製の坩堝内に入れた
アルミニウム(Al)に、電子ビームを当ててアルミニ
ウムを溶融し、PETフィルムの一方の主表面上にアル
ミニウムを蒸着してアルミニウム金属膜を形成した。こ
のアルミニウム金属膜の厚さは、光透過率及び表面抵抗
の測定から50nmであった。尚、蒸着速度は、50m
/minで行った。
【0074】次に、アルミニウム金属膜の表面上に炭素
膜を製膜する製造装置に、アルミニウムを蒸着したPE
Tフィルムをセットした。PETフイルムを装置の送り
軸にセットし、温度制御した冷却回転ドラムを経て、巻
き取り軸で巻き取った。冷媒の温度は、20℃に設定し
た。基材の下方から、プラズマCVD法を用いて、アル
ミニウム金属膜の上に炭素膜を形成した。尚、ガスとし
てメタンガスと水素ガスを導入し、炭素膜を形成するボ
ックス内をプラズマ雰囲気にして、炭素膜を製膜した。
炭素膜の製膜速度は10m/minであった。得られた
炭素膜の厚さは20nmであった。
【0075】最後に、有機高分子膜として、上述した炭
素層の上にポリプロピレン(三洋化成製のビスコール
(商品名))を押出成形法を用いることで製膜して、実
施例1の複合材料を得た。ポリプロピレン膜の製膜速度
は20m/minであった。ポリプロピレン膜の膜厚は
10μmであった。
【0076】(実施例2の複合材料の製造)シート状基
材の他の主表面上に、更に、有機高分子膜として、ポリ
プロピレン(三洋化成製のビスコール(商品名))を押
出成形法を用いて製膜した以外は、実施例1に記載した
方法と実質的に同じ方法を用いて、実施例2の複合材料
を製造した。他の主表面上のポリプロピレン膜の製膜速
度は20m/minであり、ポリプロピレン膜の厚さ
は、10μmであった。
【0077】(実施例3の複合材料の製造)実施例1に
記載した複合材料の他の主表面上にも、更に、アルミニ
ウム金属膜、炭素膜及び有機高分子膜を、実施例1に記
載した方法と実質的に同じ方法を用いて製膜して実施例
3の複合材料を製造した。
【0078】(実施例4の複合材料の製造)実施例1に
記載した方法と実質的に同じ方法を用いて、シート状基
材の一方の主表面上に、アルミニウム金属膜及び炭素膜
を積層した。炭素膜を製膜後、ポリプロピレンを炭素膜
の表面上に製膜する製造装置にPETフィルムをセット
した。PETフイルムを装置の送り軸にセットし、温度
制御した冷却回転ドラムを経て、巻き取り軸で巻き取っ
た。冷媒の温度は、20℃に設定した。基材の下方か
ら、溶融したポリプロピレンを入れて、真空蒸着法を用
いて、炭素膜の上にポリプロピレン膜を形成した。尚、
ポリプロピレン膜の製膜速度は20m/minであっ
た。ポリプロピレン膜の厚さは0.1μmであった。
【0079】更に、シート状基材の他の主表面上に、更
に、有機高分子膜として、ポリエチレン(三洋化成製の
サンワックス(商品名))を押出成形法を用いて製膜し
て実施例4の複合材料を製造した。他の主表面上のポリ
エチレン膜の製膜速度は20m/minであり、膜の厚
さは、10μmであった。
【0080】(実施例5の複合材料の製造)実施例1に
記載した複合材料のシート状基材の他の主表面上にも、
更に、アルミニウム金属膜、炭素膜及び有機高分子膜
を、実施例1に記載した方法と実質的に同じ方法を用い
て製膜して実施例5の複合材料を製造した。但し、他の
主表面上の有機高分子膜は、ポリエチレン膜であって、
ポリエチレン膜は実施例4に記載した複合材料のシート
状基材の他の主表面上に形成されたポリエチレン膜と同
様の方法を用いてシート状基材の他の主表面上の炭素膜
上に製膜された。
【0081】(実施例6〜10の複合材料の製造)シー
ト状基材として、厚さが12μmのPETフィルムの代
わりに、表面粗さが均一で、平均線から高さが100n
m以上の突起粒子を実質的に有さない、厚さが12μm
のエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)
(クラレ製のエバール(商品名))フィルムを用いた以
外は、実施例1〜5に記載した方法と実質的に同じ方法
を用いて、実施例6〜10の各々の複合材料を得た。
【0082】(実施例11の複合材料の製造)シート状
基材として、厚さが12μmのPETフィルムの代わり
に、表面粗さが均一で、平均線から高さが100nm以
上の突起粒子を実質的に有さない、厚さが20μmのエ
チレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)(クラ
レ製のエバール(商品名))フィルムを用いた以外は、
実施例1に記載した方法と実質的に同じ方法を用いて、
実施例11の複合材料を得た。
【0083】(実施例12の複合材料の製造)有機高分
子膜としてポリプロピレン膜の代りにポリエチレン膜を
製膜した(ポリエチレンとして三洋化成製のサンワック
ス(商品名)を用いた。)以外は、実施例1に記載した
方法と実質的に同じ方法を用いて、実施例12の複合材
料を得た。尚、ポリエチレン膜の製膜速度は20m/m
inであった。ポリエチレン膜の膜厚は10μmであっ
た。
【0084】(実施例13の複合材料の製造)シート状
基材の他の主表面上に、更に、有機高分子膜として、ポ
リプロピレン(三洋化成製のビスコール(商品名))を
押出成形法を用いて製膜した以外は、実施例12に記載
した方法と実質的に同じ方法を用いて、実施例13の複
合材料を製造した。他の主表面上のポリプロピレン膜の
製膜速度は20m/minであり、膜の厚さは、10μ
mであった。
【0085】(実施例14の複合材料の製造)実施例1
2に記載した複合材料のシート状基材の他の主表面上に
も、更に、アルミニウム金属膜、炭素膜及び有機高分子
膜(ポリプロピレン膜)を、実施例1に記載した方法と
実質的に同じ方法を用いて製膜して実施例14の複合材
料を製造した。
【0086】(実施例15の複合材料の製造)有機高分
子膜としてポリプロピレン膜の代りにポリ塩化ビニリデ
ン膜を製膜した(ポリ塩化ビニリデンとして旭化成製の
サラン(商品名)を用いた。)以外は、実施例1に記載
した方法と実質的に同じ方法を用いて、実施例15の複
合材料を得た。尚、ポリ塩化ビニリデン膜の製膜速度は
20m/minであった。ポリ塩化ビニリデン膜の膜厚
は10μmであった。
【0087】(実施例16の複合材料の製造)シート状
基材として、表面粗さが均一で、平均線から高さが10
0nm以上の突起粒子を実質的に有さない、厚さが12
μmの市販のポリエチレンテレフタレート(PET)フ
ィルム(東レ製のルミラー(商品名))を用いた。この
PETフィルムを真空蒸着製造装置の送り軸にセットし
た。PETフィルムは、冷却回転ドラムを経て巻取り軸
で巻き取られた。冷媒の温度は−20℃に設定した。基
材の下方から、セラミック製の坩堝内に入れたアルミニ
ウム(Al)に、電子ビームを当ててアルミニウムを溶
融し、PETフィルムの片面にアルミニウムを蒸着しつ
つ、同時にアルミニウム金属の蒸気流に酸素ガスを左右
から導入してアルミニウム金属を酸化して、酸化アルミ
ニウムの膜を形成した。この酸化アルミニウムの膜の厚
さは、光透過率及び表面抵抗の測定から100nmであ
った。尚、蒸着速度は、50m/minで行った。
【0088】次に、アルミニウム金属膜の表面上に炭素
膜を製膜する製造装置に、酸化アルミニウムの膜を形成
したPETフィルムをセットした。PETフイルムを装
置の送り軸にセットし、温度制御した冷却回転ドラムを
経て、巻き取り軸で巻き取った。冷媒の温度は、20℃
に設定した。基材の下方から、プラズマCVD法を用い
て、酸化アルミニウム膜の上に炭素膜を形成した。尚、
ガスとしてメタンガスと水素ガスを導入し、炭素膜を形
成するボックス内をプラズマ雰囲気にして、炭素膜を製
膜した。炭素膜の製膜速度は2m/minであり、得ら
れた炭素膜の厚さは50nmであった。
【0089】最後に、有機高分子膜として、エチレン−
ビニルアルコール共重合体(EVOH)(クラレ製のエ
バール(商品名))をグラビアコート法を用いること
で、上述した炭素膜の上に製膜して、実施例16の複合
材料を得た。尚、エチレン−ビニルアルコール共重合体
膜の製膜速度は100m/minであり、膜厚は0.0
5μmであった。
【0090】(実施例17の複合材料の製造)シート状
基材として、表面粗さが均一で、平均線から高さが10
0nm以上の突起粒子を実質的に有さない、厚さが12
μmの市販のポリエチレンテレフタレート(PET)フ
ィルム(東レ製のルミラー(商品名))を用いた。この
PETフィルムを真空蒸着製造装置の送り軸にセットし
た。PETフィルムは、冷却回転ドラムを経て巻取り軸
で巻き取られた。冷媒の温度は−20℃に設定した。基
材の下方から、セラミック製の坩堝内に入れた酸化ケイ
素に電子ビームを当てて溶解し、PETフィルムの片面
に酸化ケイ素を蒸着しつつ、同時にケイ素の蒸気流に酸
素ガスを左右から導入してケイ素を酸化して、酸化ケイ
素の膜を形成した。この酸化ケイ素の膜の厚さは、光透
過率及び表面抵抗の測定から50nmであった。尚、蒸
着速度は、50m/minで行った。
【0091】次に、アルミニウム金属膜の表面上に炭素
膜を製膜する製造装置に、酸化ケイ素の膜を形成したP
ETフィルムをセットした。PETフイルムを装置の送
り軸にセットし、温度制御した冷却回転ドラムを経て、
巻き取り軸で巻き取った。冷媒の温度は、20℃に設定
した。基材の下方から、プラズマCVD法を用いて、酸
化ケイ素の膜の上に炭素膜を形成した。尚、ガスとして
メタンガスと水素ガスを導入し、炭素膜を形成するボッ
クス内をプラズマ雰囲気にして、炭素膜を製膜した。炭
素膜の製膜速度は20m/minであった。得られた炭
素膜の厚さは5nmであった。
【0092】最後に、有機高分子膜として、ポリスチレ
ン(旭化成製のスタイロン(商品名))を押出し成形法
を用いることで、上述した炭素層の上にポリスチレン膜
を製膜して、実施例17の複合材料を得た。尚、ポリス
チレン膜の製膜速度は50m/minであった。ポリス
チレン膜の膜厚は0.2μmであった。
【0093】(比較例1の複合材料の製造)炭素膜及び
有機高分子膜を製膜しなかった以外は、実施例1に記載
した方法と実質的に同じ方法を用いて、比較例1の複合
材料を得た。
【0094】(比較例2の複合材料の製造)シート状基
材として、厚さが12μmのPETフィルムの代りに、
表面粗さが均一で、平均線から高さが100nm以上の
突起粒子を実質的に有さない、厚さが25μmのPET
フィルム(東レ製のルミラー(商品名))を用い、更に
有機高分子膜を製膜しなかった以外は、実施例1に記載
した方法と実質的に同じ方法を用いて、比較例2の複合
材料を得た。
【0095】以下、各種測定方法及び評価方法について
説明する。シート状基材(フイルム)の表面性は、上述
したように原子間力顕微鏡(AFM)を用いて表面に存
在するの粒子の平均線から高さの分布を調べることで評
価した。金属膜及び/又は金属酸化物の膜の厚さは、基
材を送る速度と電子銃の投入電力を調節することで制御
することができ、その膜厚は膜の表面抵抗と膜の透過光
量の変化によってモニターした。
【0096】炭素膜の膜厚は、複合材料を切断して、そ
の破断面を走査型顕微鏡(SEM)を用いて観察するこ
とによって直接測定した。製膜速度を変えることで、炭
素膜の膜厚は自由に調節することができ、その膜厚は1
〜1000nmであるのが好ましく、そのような膜厚を
有する炭素膜を有する複合材料を得ることができる。
【0097】「ガスバリア性」は、酸素ガスを用いた場
合、いずれの複合材料もガスバリア性が高すぎて評価不
能となるので、COガスを用いてガスバリア性を評価
した。複合材料をCOガスと真空層の間にセットし
て、複合材料を透過して真空層中に拡散するCOガス
をガス質量分析計で測定した。尚、評価は、表面性の良
い(即ち、表面粗さが均一で、平均線から高さが100
nm以上の突起粒子を実質的に有さない)厚さが12μ
mのPETフィルム(東レ(株)製のルミラー(商品
名))に厚さが50nmのアルミニウム金属膜を蒸着し
て得られる複合材料(比較例1の複合材料)のガス透過
度を30として、それに対する相対値を求めることで行
った。従って、ガス透過度の値が小さいほど、ガスバリ
ア性は高い。
【0098】「透湿度(又は水蒸気透過性)」はJIS
K−6549、Z−0208及びZ−0701に基づ
く透湿度測定法により調べた。即ち、カップの中に乾燥
剤を入れて、その上を上述の複合材料で覆って密閉状態
とした。カップを一定の温湿度条件(条件B:温度40
℃、相対湿度90%、空気循環速度 1m/sec)
で、1日放置した。1日放置前後の透湿カップ全体の質
量を秤量して、1日放置したことによる、カップ全体の
質量の増加量を求めて、透湿度(g/m・24H)を
算出した。
【0099】「非透湿性」は、透湿度が1g/m・2
4H未満である場合を◎とし、1g/m・24H以
上、50g/m・24H未満である場合を○とし、5
0g/m・24H以上、100g/m・24H未満で
ある場合を×とし、100g/m ・24H以上である
場合を××として示した。
【0100】実施例1〜17の複合材料、並びに比較例
1及び2の複合材料の評価結果を、それらの構成ととも
に表1に示す。
【0101】
【表1】
【0102】表1に示した評価結果から、まず、実施例
1、6、11及び12と比較例1及び2とを比較する
と、「非透湿性」は、炭素膜上に有機高分子膜を形成す
ることで向上し、本発明の複合材料の水分遮断性が高い
ことが認められた。
【0103】次に、実施例1〜5と実施例6〜10とを
比較すると、本発明の複合材料では、COガスに対す
るガスバリア性は、シート状基材として、PETを用い
るより、EVOHを用いた方が高いことが認められた。
【0104】しかし、複合材料をガスバリア膜として使
用する場合、ガスバリア性とフイルムコストなどの他の
要因も加味される。炭素膜のガスバリア効果は、全ての
複合材料に対してアルミニウム金属膜と同等以上の効果
が確認できる。金属酸化物の膜のガスバリア性は金属膜
ほどではないが、透明性が遙かに高く、絶縁体であると
いう特徴を有する。
【0105】更に、実施例1と3との比較、並びに実施
例6と8との比較から、「ガスバリア性」は、シート状
基材の一方の主表面上にのみ金属膜及び/もしくは金属
酸化物の膜、炭素膜並びに有機高分子膜を形成した複合
材料より、基材の両方の主表面上に金属膜及び/もしく
は金属酸化物の膜、炭素膜並びに有機高分子膜を形成し
た複合材料の方が高いことが認められた。
【0106】
【発明の効果】以上のように本発明は、基材の少なくと
も一方の主表面に、金属膜及び/もしくは金属酸化物の
膜、炭素膜、並びに有機高分子膜を形成することで、ガ
スバリア性、非透湿性、防湿性、防水性及び耐屈曲性か
ら選択される少なくとも一種が向上された複合材料を提
供することができ、好ましくはガスバリア性及び非透湿
性に優れ、更に好ましくは断熱性が向上され、好ましく
は生産性にも優れた複合材料を提供することができる。
上述の複合材料は、包装材用もしくは断熱材用として好
ましく使用できる。更に、本発明はそのような複合材料
の製造方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の複合材料の一例を模式的に示す断面
【図2】 本発明の複合材料の他の一例を模式的に示す
断面図
【図3】 本発明の複合材料の好ましい一例を模式的に
示す断面図
【符号の説明】
10,20,30 複合材料 1 シート状基材 2 金属膜及び/もしくは金属酸化物の膜 3 炭素膜 4 有機高分子膜 5 有機高分子膜 6 金属膜及び/もしくは金属酸化物の膜 7 炭素膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 7/04 CER C08J 7/04 CERP CEZ CEZ C23C 14/12 C23C 14/12 // C08L 101:00 C08L 101:00 Fターム(参考) 3E086 BA04 BA13 BA15 BB02 BB03 BB71 CA01 CA28 CA31 DA08 4F006 AA19 AA20 AA35 AB13 AB16 AB17 AB20 AB72 AB73 AB74 BA05 CA07 DA01 DA04 4F100 AA17B AA20B AA37B AA37C AB01B AB10B AK01B AK01D AK01E AK04 AK07 AK12 AK16 AK42A AK69 AK69A AT00A BA03 BA04 BA05 BA06 BA07 CC01 EH17 EH66 GB15 JD02 JD04 JJ02 JM02B YY00B YY00C 4K029 AA11 AA25 BA03 BA34 BA44 BA46 BA62 BB02 BC00 BD00 CA01

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状基材の少なくとも一方の主表面
    に、金属膜及び/もしくは金属酸化物の膜、炭素膜、並
    びに有機高分子膜が形成されているガスバリア性及び非
    透湿性を有する複合材料。
  2. 【請求項2】 シート状基材の少なくとも一方の主表面
    に、金属膜及び/もしくは金属酸化物の膜、炭素膜、並
    びに有機高分子膜が形成されている包装材用又は断熱材
    用として使用される複合材料。
  3. 【請求項3】 シート状基材の少なくとも一方の主表面
    に、金属膜及び/もしくは金属酸化物の膜、炭素膜、並
    びに有機高分子膜が、この順にシート状基材から形成さ
    れていることを特徴とする請求項1又は2記載の複合材
    料。
  4. 【請求項4】 基材の他方の主表面に有機高分子膜が形
    成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    に記載の複合材料。
  5. 【請求項5】 基材の他方の主表面に、金属膜及び/も
    しくは金属酸化物の膜、炭素膜、並びに有機高分子膜が
    形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    かに記載の複合材料。
  6. 【請求項6】 基材が、シート状の有機高分子であるこ
    とを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の複合材
    料。
  7. 【請求項7】 基材が、有機高分子膜と同一であること
    を特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の複合材
    料。
  8. 【請求項8】 基材が、ポリエチレンテレフタレート又
    はエチレン−ビニルアルコール共重合体からなるシート
    状の有機高分子であって、シートの厚さが3〜500μ
    mであり、その少なくとも一方の主表面に平均線から高
    さが100nm以上の突起粒子が実質的に無いことを特
    徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の複合材料。
  9. 【請求項9】 金属膜及び/もしくは金属酸化物の膜
    が、アルミニウム金属膜、酸化アルミニウムの膜又は酸
    化ケイ素の膜であって、膜の厚さが5〜800nmであ
    ることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の複
    合材料。
  10. 【請求項10】 炭素膜は、膜の厚さが1〜1000n
    mであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記
    載の複合材料。
  11. 【請求項11】 有機高分子膜は、ポリプロピレン、ポ
    リエチレン、ポリ塩化ビニリデン、エチレン−ビニルア
    ルコール共重合体又はポリスチレンから成る膜であっ
    て、膜の厚さが10nm〜800μmであることを特徴
    とする請求項1〜10のいずれかに記載の複合材料。
  12. 【請求項12】 シート状基材の少なくとも一方の主表
    面に金属膜及び/もしくは金属酸化物の膜を形成する工
    程、 金属膜及び/もしくは金属酸化物の膜の上に炭素膜を形
    成する工程、並びに炭素膜の上に有機高分子膜を形成す
    る工程を含んで成る、ガスバリア性及び非透湿性を有す
    る、又は包装材用もしくは断熱材用として使用される複
    合材料の製造方法。
  13. 【請求項13】 シート状基材の少なくとも一方の主表
    面に炭素膜を形成する工程、 炭素膜の上に金属膜及び/もしくは金属酸化物の膜を形
    成する工程、並びに金属膜及び/もしくは金属酸化物の
    膜の上に有機高分子膜を形成する工程を含んで成る、ガ
    スバリア性及び非透湿性を有する、又は包装材用もしく
    は断熱材用として使用される複合材料の製造方法。
  14. 【請求項14】 有機高分子膜が有機高分子を湿式塗布
    することによって形成されることを特徴とする請求項1
    2又は13記載の製造方法。
  15. 【請求項15】 有機高分子膜が有機化合物を真空蒸着
    することによって形成されることを特徴とする請求項1
    2又は13記載の製造方法。
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