JP5594238B2 - 磁石固定治具 - Google Patents
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Description
希土類磁石の加工には、通常、円板状台金の外周部分にダイヤモンド砥粒を固着したダイヤモンド砥石の外周刃や研削砥石を用いる。
この場合、固定が不十分であると精度が悪化したり、切断時にカケが生じたりする問題点がある。
この問題に対し、接着を用いない固定治具により磁石又は被切断物を固定することが特許文献1:特開2001−212730号公報、特許文献2:特開2006−68998号公報に提案されている。
また、磁石固定治具の複数台を切断又は研削用具の相対的移動方向に沿って連設して配設することができる。この場合、互いに連設する一の磁石固定治具と他の磁石固定治具とがその連設側支持部材を共通して連設していると共に、該支持部材の切断又は研削用具の相対的移動方向の両面にそれぞれゴム製挟持部材挿入用溝を形成してなることが好ましい。
回転砥石と希土類磁石とを配置し、回転砥石と希土類磁石とのいずれか又は双方を、砥石を回転させながらその砥粒部を希土類磁石に接触させて相対的に移動させる(砥石の移動、希土類磁石の移動又はそれら双方に移動させる)ことにより、希土類磁石を加工することができる。
上記希土類磁石を回転砥石により加工するに際しては、磁石を固定する必要があり、本発明はこの磁石を固定するための磁石固定治具に係る。
上記治具10は、希土類磁石Mが載置される基台12と、基台12の互いに対向する一方の両側に配設された支持部材14,14と、これら支持部材14,14の互いに対向する各対向面(上記磁石配置側の面)に形成された溝16,16に挿入された挟持部材18とを備える。
そして、図に示されるように、磁石固定治具を構成する部品は、希土類磁石をその加工方向と平行に支持部材のどちらか一方又は両方が直線状に移動することにより、磁石の着脱を行う。この直線状に移動する機構を持つことにより、切断方向に対しさまざまな寸法の磁石に対してこの治具が使用可能となる。すなわち、切断方向の磁石寸法が大きくなった場合には、治具をのせる台を長いものに交換するか、複数の台を組み合わせて磁石の長さ相当にすることで対応可能となる。
図7はその一例を示したもので、2台の治具を連設した例である。
また、成形砥石を使った加工の場合も、治具にゴムを組み込んだ状態でゴム製挟持部材18を入れた金属製治具を砥石で加工して治具を完成させることができる。
このように、本発明では、磁石を挟む部品は、切断方向に平行な直線運動による固定のため、1つの押し圧源で複数の磁石を同時に固定することが可能である。
なお、上記押し圧付与機構は、1台の固定治具に適用してもよいことは勿論であり、また上述したように、ビスなどにより固定治具を加工方向移動可能かつ着脱可能に基礎台に配設、固定するようにしてもよい。
超硬合金(WC−90質量%/Co−10質量%の組成)製の150mmφ×60mmφ×0.5mmtのドーナツ円板状台金の外周縁部にレジンボンド法によりダイヤモンド砥粒(平均粒径150μmの人工ダイヤモンドを体積含有率で25%含有させたもの)を固着させてこれを砥石部(砥石外周刃)とし、外周切断刃(切断砥石ブレード)を作製した。
この成形砥石を用いて、Nd−Fe−B系希土類焼結磁石を被切断物として切断試験を行った。切断試験は次のような条件で行った。
また、被切断物であるNd−Fe−B系希土類焼結磁石は長さ100mm×幅30mm×高さ17mmに竪両頭研磨機を用いて±0.05mmの精度に加工したものを用いた。
この場合、ゴムの材質はニトリルゴムで硬度Hs66とし、断面形状は3mmφの円形状で、溝の形状は図4に示したものであり、その開口部の寸法は2.49mm、開口部と溝底部との間の距離は2.37mmであり、溝の底辺と斜辺とのなす角度が66°である。そして、挟持部材(ゴム棒)の突出長は0.63mmである。
切断操作は以下のとおりとした。
使用する研削液は30L/minとした。まず、回転砥石をNd−Fe−B系希土類焼結磁石を固定している一方の支持部材上でNd−Fe−B系希土類焼結磁石側に降下させ、砥石を5,000rpmで回転させ、研削液を研削液供給ノズルから供給しながら、150mm/minの速度で他方の支持部材側へ移動させて切削し、Nd−Fe−B系希土類焼結磁石を成形加工した。
上記の加工を行い、得られた加工後の1つのワークの4つの端部及び中央部の寸法を測定した。なお、測定値の最大値と最小値の差を寸法バラツキとした。
カーボン板にワックスを用いて接着し、同じ条件で切断試験を行った。
挟持部材をはめ込まず支持部材の接触だけで磁石を固定して加工を行った。
支持部材表面にゴム板(厚さ1mm)を貼り付け、ゴム板だけの接触で磁石を固定して加工を行った。
実施例1では、それぞれ小さな寸法ばらつきとなった。実施例1では、一部の磁石が刃の回転方向に沿ってずれた形跡があったが、その動き自体は刃と接触する方向の動きではなく金属製の強固な治具であったため磁石が治具から外れることはなく、寸法精度に影響は出なかった。比較例1でも同程度であるが、接着と剥離,洗浄作業が必要であった。比較例2では、加工中に磁石が外れてしまい、最後まで加工できなかった。比較例3では、加工はできたが、弾性的な保持のため、寸法精度がよくなかった。
12 基台
13 凹部
14 支持部材
16 溝
18 挟持部材
20 ガイド溝
22 希土類磁石切断用具
24 砥石外周刃
26 円形リング状台金
28 回転軸
30 固定治具
32 長板状基台
34 金属製支持部材
35 短軸四角柱状の主体
36 係止突起部
38 溝
40 挟持部材
42 研削砥石部
44 円形リング状台金
46 希土類磁石研削用具
50 基礎台
52 載置台
54 固定治具
56 係止壁
58 エアシリンダ
59 ピストン
60 カムクランプ
61 カム
Claims (9)
- 外周部に砥石外周刃を有する円形リング状台金を回転軸に所定の間隔で複数取り付けてなる希土類磁石切断用具又は外周部に研削砥石を有する円形リング状もしくは円筒状台金を回転軸に取り付けてなる希土類磁石研削用具を上記回転軸の回転と一体に回転させると共に、希土類磁石に対し相対的に移動させて該移動方向に沿って上記希土類磁石を切断又は研削加工する際に上記希土類磁石を固定する磁石固定治具において、希土類磁石が載置される基台と、この基台の上記切断用具又は研削用具の相対的移動方向両側に配設され、上記希土類磁石配置側の対向面にそれぞれ溝が形成されてなる金属製支持部材と、上記両支持部材にそれぞれ形成された溝内に、該溝から上記希土類磁石配置側に一部突出し、かつ溝の底部に当接した状態で挿入されたゴム製の挟持部材とを備え、上記一方の支持部材の溝内に挿入された挟持部材と他方の支持部材の溝内に挿入された挟持部材との間に上記希土類磁石が挟持固定され、かつ上記各溝の容積がこの溝に挿入される挟持部材の容積以上に形成されてなり、ゴムからなる挟持部材の断面形状が円形であり、この挟持部材が挿入される支持部材の溝の断面形状が底部に向うに従って幅広になる台形形状又はその底辺側の一方もしくは双方の角部が丸味を帯びた台形形状であり、該溝の開口部の寸法が上記挟持部材の直径Dに対して0.8×D〜0.95×Dの範囲であり、かつ開口部から底部までの距離が0.75×D〜0.85×Dの範囲であり、台形状溝の底辺と斜辺のなす角度が60°〜70°であることを特徴とする磁石固定治具。
- 外周部に砥石外周刃を有する円形リング状台金を回転軸に所定の間隔で複数取り付けてなる希土類磁石切断用具又は外周部に研削砥石を有する円形リング状もしくは円筒状台金を回転軸に取り付けてなる希土類磁石研削用具を上記回転軸の回転と一体に回転させると共に、希土類磁石に対し相対的に移動させて該移動方向に沿って上記希土類磁石を切断又は研削加工する際に上記希土類磁石を固定する磁石固定治具において、基台と、この基台に上記切断用具又は研削用具の相対的移動方向に互いに所定間隔離間して配設され、上面にそれぞれ係止突起部が形成されてなる金属製支持部材であって、互いに離間して配設された両支持部材の係止突起部間に希土類磁石が配置されると共に、上記係止突起部の該磁石と対向する面にそれぞれ溝が形成されてなる支持部材と、上記両支持部材にそれぞれ形成された溝内に、該溝から上記希土類磁石配置側に一部突出し、かつ溝の底部に当接した状態で挿入されたゴム製の挟持部材とを備え、上記一方の支持部材の溝内に挿入された挟持部材と他方の支持部材の溝内に挿入された挟持部材との間に上記希土類磁石が挟持固定され、かつ上記各溝の容積がこの溝に挿入される挟持部材の容積以上に形成されてなり、ゴムからなる挟持部材の断面形状が円形であり、この挟持部材が挿入される支持部材の溝の断面形状が底部に向うに従って幅広になる台形形状又はその底辺側の一方もしくは双方の角部が丸味を帯びた台形形状であり、該溝の開口部の寸法が上記挟持部材の直径Dに対して0.8×D〜0.95×Dの範囲であり、かつ開口部から底部までの距離が0.75×D〜0.85×Dの範囲であり、台形状溝の底辺と斜辺のなす角度が60°〜70°であることを特徴とする磁石固定治具。
- 磁石固定治具の複数台が切断又は研削用具の相対的移動方向に沿って連設されてなる請求項1又は2記載の磁石固定治具。
- 互いに連設する一の磁石固定治具と他の磁石固定治具とがその連設側支持部材を共通して連設していると共に、該支持部材の切断又は研削用具の相対的移動方向の両面にそれぞれゴム製挟持部材挿入用溝を形成してなる請求項3記載の磁石固定治具。
- 外周部に砥石外周刃を有する円形リング状台金を回転軸に所定の間隔で複数取り付けてなる希土類磁石切断用具又は外周部に研削砥石を有する円形リング状もしくは円筒状台金を回転軸に取り付けてなる希土類磁石研削用具を上記回転軸の回転と一体に回転させると共に、希土類磁石に対し相対的に移動させて該移動方向に沿って上記希土類磁石を切断又は研削加工する際に上記希土類磁石を固定する磁石固定治具において、希土類磁石が載置される基台と、この基台の上記切断用具又は研削用具の相対的移動方向両側に配設され、上記希土類磁石配置側の対向面にそれぞれ溝が形成されてなる金属製支持部材と、上記両支持部材にそれぞれ形成された溝内に、該溝から上記希土類磁石配置側に一部突出し、かつ溝の底部に当接した状態で挿入されたゴム製の挟持部材とを備え、上記一方の支持部材の溝内に挿入された挟持部材と他方の支持部材の溝内に挿入された挟持部材との間に上記希土類磁石が挟持固定され、かつ上記各溝の容積がこの溝に挿入される挟持部材の容積以上に形成されてなり、磁石固定治具の複数台が切断又は研削用具の相対的移動方向に沿って連設され、互いに連設する一の磁石固定治具と他の磁石固定治具とがその連設側支持部材を共通して連設していると共に、該支持部材の切断又は研削用具の相対的移動方向の両面にそれぞれゴム製挟持部材挿入用溝を形成してなることを特徴とする磁石固定治具。
- 外周部に砥石外周刃を有する円形リング状台金を回転軸に所定の間隔で複数取り付けてなる希土類磁石切断用具又は外周部に研削砥石を有する円形リング状もしくは円筒状台金を回転軸に取り付けてなる希土類磁石研削用具を上記回転軸の回転と一体に回転させると共に、希土類磁石に対し相対的に移動させて該移動方向に沿って上記希土類磁石を切断又は研削加工する際に上記希土類磁石を固定する磁石固定治具において、基台と、この基台に上記切断用具又は研削用具の相対的移動方向に互いに所定間隔離間して配設され、上面にそれぞれ係止突起部が形成されてなる金属製支持部材であって、互いに離間して配設された両支持部材の係止突起部間に希土類磁石が配置されると共に、上記係止突起部の該磁石と対向する面にそれぞれ溝が形成されてなる支持部材と、上記両支持部材にそれぞれ形成された溝内に、該溝から上記希土類磁石配置側に一部突出し、かつ溝の底部に当接した状態で挿入されたゴム製の挟持部材とを備え、上記一方の支持部材の溝内に挿入された挟持部材と他方の支持部材の溝内に挿入された挟持部材との間に上記希土類磁石が挟持固定され、かつ上記各溝の容積がこの溝に挿入される挟持部材の容積以上に形成されてなり、磁石固定治具の複数台が切断又は研削用具の相対的移動方向に沿って連設され、互いに連設する一の磁石固定治具と他の磁石固定治具とがその連設側支持部材を共通して連設していると共に、該支持部材の切断又は研削用具の相対的移動方向の両面にそれぞれゴム製挟持部材挿入用溝を形成してなることを特徴とする磁石固定治具。
- 挟持部材の溝からの突き出し量が、0.1〜4mmの範囲で、切断されるべき希土類磁石の寸法ばらつきの2倍以上である請求項1乃至6のいずれか1項記載の磁石固定治具。
- 希土類磁石が、上記一方の支持部材の溝内に挿入された挟持部材と他方の支持部材の溝内に挿入された挟持部材との間に挟持されていると共に、一方の支持部材と他方の支持部材とに対しても当接されて係止される請求項1乃至7のいずれか1項記載の磁石固定治具。
- 上記希土類磁石を切断加工する際に希土類磁石を固定する磁石固定治具であって、上記基台の上面及び両支持部材の各上面から下面にかけてそれぞれ複数の希土類磁石切断用具の砥石外周刃が挿入されるガイド溝が形成された請求項1乃至8のいずれか1項記載の磁石固定治具。
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