JP5593897B2 - 回路基板、半導体装置、回路基板の製造方法および半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Description
また、回路基板において、生産性の向上も求められている。従来の回路基板は、絶縁層内を貫通するビアを有し、この絶縁層の表裏面にビアに接続された一対の回路層が設けられている。一対の回路層は、ビアに電気的に接続されていなければならず、一対の回路層の回路パターンを精度よく形成しなければならない。そのため、生産性向上を図ることがむずかしい。
基板と、この基板上に設けられたフラックス活性化合物を含む樹脂層とを備える回路基板であって、
前記基板は、
第一絶縁層と、
前記第一絶縁層の一方の側に設けられた第一回路層と、
この第一回路層を被覆するとともに、第一回路層の一部を露出させるための開口が形成された第二絶縁層と、
前記第一絶縁層の他方側に設けられた第三絶縁層と、
前記第二絶縁層の開口内に設けられ、前記開口から露出する前記第一回路層の一部と接触する半田層とを備え、
前記フラックス活性化合物を含む樹脂層は、第二絶縁層を被覆するとともに、前記半田層上に設けられ、
前記第三絶縁層、第一絶縁層を貫通し、前記第一回路層に達する孔が形成され、
前記第一絶縁層の25℃〜ガラス転移点における基板面内方向の平均線膨張係数を平均線膨張係数(A)、
第二絶縁層の25℃〜ガラス転移点における基板面内方向の平均線膨張係数を平均線膨張係数(B)、
第三絶縁層の25℃〜ガラス転移点における基板面内方向の平均線膨張係数を平均線膨張係数(C)とした場合、
前記平均線膨張係数(B)と、平均線膨張係数(C)との差は、0ppm/℃以上、3ppm/℃以下であり、
前記平均線膨張係数(B)および(C)は、平均線膨張係数(A)よりも大きい回路基板が提供される。
本発明では、第一絶縁層、第三絶縁層を貫通し、第一回路層に達する孔が形成されており、この孔から第一回路層が露出することとなる。これにより、孔を介して第一回路層と直接導通を取ることができ、第一絶縁層の裏面側(第一回路層が設けられた面と反対側)に精度よく回路層を形成しなくてもよい。これにより、生産性を向上させることができる。
一方の面側に第一回路層が設けられた第一絶縁層を用意する工程と、
前記第一回路層を被覆する第二絶縁層を設ける工程と、
前記第一絶縁層の他面側を被覆する第三絶縁層を設ける工程と、
前記第二絶縁層に前記第一回路層の一部が露出する開口を形成する工程と、
前記開口内に、前記第一回路層の一部と接触する半田層を設ける工程と、
前記第二絶縁層を被覆するとともに、前記半田層上にフラックス活性化合物を含む樹脂層を設ける工程と、
前記第三絶縁層、第一絶縁層を貫通し、前記第一回路層に達する孔を形成する工程と、
を含み、
前記第一絶縁層の25℃〜ガラス転移点における基板面内方向の平均線膨張係数を平均線膨張係数(A)、
第二絶縁層の25℃〜ガラス転移点における基板面内方向の平均線膨張係数を平均線膨張係数(B)、
第三絶縁層の25℃〜ガラス転移点における基板面内方向の平均線膨張係数を平均線膨張係数(C)とした場合、
前記平均線膨張係数(B)と、平均線膨張係数(C)との差は、0ppm/℃以上、3ppm/℃以下であり、
前記平均線膨張係数(B)および(C)は、平均線膨張係数(A)よりも大きい回路基板の製造方法も提供できる。
さらに、本発明によれば、上述した回路基板の製造方法を含み、
前記フラックス活性化合物を含む樹脂層上に複数の半導体チップを配置する工程と、
前記回路基板を固片化して、半導体チップと、固片化した前記回路基板とを備える半導体装置を得る工程とを含む半導体装置の製造方法も提供できる。
はじめに、図1を参照して、本実施形態の回路基板1の概要について説明する。
本実施形態の回路基板1は、基板2と、この基板2上に設けられたフラックス機能を有する化合物を含む樹脂層3とを備え、分割して複数の回路基板部として使用されるものである。
基板2は、第一絶縁層21と、第一絶縁層21の一方の側に設けられた第一回路層22と、この第一回路層22を被覆するとともに、第一回路層22の一部上に開口が形成された第二絶縁層23と、第一絶縁層21の他方側に設けられた第三絶縁層25と、第二絶縁層23の開口内に設けられた半田層26とを備える。
フラックス機能を有する化合物を含む樹脂層3は、第二絶縁層23を被覆するとともに、前記半田層26上に設けられている。
第一絶縁層21の25℃〜ガラス転移点における基板面内方向の平均線膨張係数を平均線膨張係数(A)、
第二絶縁層23の25℃〜ガラス転移点における基板面内方向の平均線膨張係数を平均線膨張係数(B)、
第三絶縁層25の25℃〜ガラス転移点における基板面内方向の平均線膨張係数を平均線膨張係数(C)とした場合、
前記平均線膨張係数(B)と、平均線膨張係数(C)との差は、0ppm/℃以上、3ppm/℃以下であり、
前記平均線膨張係数(B)および(C)は、平均線膨張係数(A)よりも大きい。
ここで、平均線膨張係数は、以下のようにして測定できる。
各絶縁層から5mm角のサンプルを切り出し、TMA(TAインスツルメント(株)製)を用いて25℃から5℃/分でサンプルを加熱しながら、サンプルの面内方向の変位量を計測する。そして、25℃〜ガラス転移点における基板面内方向の平均線膨張係数を算出する。
(第一絶縁層21)
第一絶縁層21は、25℃〜ガラス転移点における基板面内方向の平均線膨張係数(A)が30ppm/℃以下、3ppm/℃以上であることが好ましい。
平均線膨張係数(A)を30ppm/℃以下とすることで、回路基板1の反りの発生を抑制できる。
また、平均線膨張係数(A)を3ppm/℃以上とすることで、搭載される半導体チップ5(図6参照)との線膨張係数差を小さくすることができ、半導体チップ5に力が加わってしまうことを抑制できる。
なお、5℃〜ガラス転移点における基板面内方向の平均線膨張係数(A)は、20ppm/℃以下、3ppm/℃以上であることがより好ましい。
また、第一絶縁層21は、25℃〜ガラス転移点における基板面内方向と直交する方向(厚み方向)の平均線膨張係数が30ppm/℃以下、3ppm/℃以上であることが好ましい。このようにすることで、反りが抑制できるとともに、半導体装置6の温度サイクル試験に対する信頼性を向上させることができる。
(a)ノボラック型エポキシ樹脂は、特に限定されないが、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型ノボラックエポキシ樹脂、ナフタレンアラルキル型ノボラックエポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型ノボラックエポキシ樹脂などが挙げられる。これらの中の1種類を単独で用いることもできるし、異なる重量平均分子量を有する2種類以上を併用したり、1種類または2種類以上と、それらのプレポリマーを併用したりすることもできる。これらの中でもビフェニルアラルキル型ノボラックエポキシ樹脂、ナフタレンアラルキル型ノボラックエポキシ樹脂等のようなメチレン結合を有するノボラック型エポキシが、耐熱性、難燃性の点で優れ、その中でもビフェニルアラルキル型ノボラックエポキシ樹脂が好ましい。
(a)ノボラック型エポキシ樹脂の重量平均分子量は、例えばGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー、標準物質:ポリスチレン換算)で測定することができる。
(c)無機充填材の含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物全体の20〜80重量%が好ましく、特に30〜75重量%が好ましい。含有量が前記範囲内であると、特に低熱膨張、低吸水とすることができる。
これらの中の1種類を単独で用いることもできるし、異なる重量平均分子量を有する2種類以上を併用したり、1種類または2種類以上と、それらのプレポリマーを併用したりすることもできる。
また、これらの中でも、特にシアネート樹脂(シアネート樹脂のプレポリマーを含む)が好ましい。これにより、第一絶縁層21の熱膨張係数を小さくすることができる。さらに第一絶縁層21の電気特性(低誘電率、低誘電正接)、機械強度等にも優れる。
以上のような前記樹脂組成物を基材に含浸させたプリプレグで第一絶縁層21を構成してもよい。
なお、第一絶縁層21として、以下のような樹脂フィルムを使用してよい。樹脂フィルムとしては、例えばポリイミド樹脂フィルム、ポリエーテルイミド樹脂フィルム、ポリアミドイミド樹脂フィルム等のポリイミド樹脂系樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム等のポリアミド樹脂系フィルム、ポリエステル樹脂フィルム等のポリエステル樹脂系フィルムが挙げられる。これら中でも主としてポリイミド樹脂系フィルムが好ましい。これにより、弾性率と耐熱性を特に向上することができる。
第一絶縁層21および第三絶縁層25には、これらを貫通する貫通孔20が形成されており、貫通孔20から、第一回路層22が露出する。第一回路層22は、金属製の回路、たとえば、銅の回路である。
なお、貫通孔20は、レーザにより形成されたものであり、第一絶縁層21側から第三絶縁層25側に向かって径が大きくなる断面テーパー状である。
このような貫通孔20を設けることで、貫通孔20を介して第一回路層22と直接導通を取ることができ、第一絶縁層21の裏面側(第一回路層22が設けられた面と反対側)に精度よく回路層を形成しなくてもよい。これにより、生産性を向上させることができる。
この貫通孔20内部には、後述する半田バンプ(半田ボール)が収容される。
第二絶縁層23、第三絶縁層25は、第一回路層22が第一絶縁層21上に形成された後、第一絶縁層21にラミネートされる層である。
第二絶縁層23、第三絶縁層25は、第一絶縁層21に直接接触し、第一絶縁層21に直接ラミネートされる層であり、単層構造である。
第二絶縁層23は、第一回路層22を被覆するとともに、第一回路層22の一部の上方に位置する部分に開口が形成されている。さらにこの開口内には、第一回路層22に接続された金属層27と、この金属層27上に設けられた半田層26とが配置されている。
金属層27は、たとえばニッケル層等である。半田層26は、フラックス機能を有する化合物を含む樹脂層3に接触している。
第二絶縁層23の25℃〜ガラス転移点における基板面内方向の平均線膨張係数(B)および第三絶縁層25の25℃〜ガラス転移点における基板面内方向の平均線膨張係数(C)が第一絶縁層21の平均線膨張係数(A)よりも大きく第二絶縁層23の25℃〜ガラス転移点における基板面内方向の平均線膨張係数(B)と、第三絶縁層25の25℃〜ガラス転移点における基板面内方向の平均線膨張係数(C)とは略等しい。すなわち、前記平均線膨張係数(B)と、平均線膨張係数(C)との差は、0ppm/℃以上、3ppm/℃以下であり、なかでも、平均線膨張係数(B)と、平均線膨張係数(C)とは等しいことが好ましい。
このようにすることで、第一絶縁層21を挟んで、平均線膨張係数が略等しい、第二絶縁層23、第三絶縁層25が対称に配置され、回路基板1の反りの発生が抑制されることとなる。
40ppm/℃以下とすることで、回路基板1の反りの発生が抑制されることとなる。
一方、20ppm/℃以上とすることで、第二絶縁層23とフラックス活性樹脂層の層間でのひずみ抑制という効果がある。
また、第二絶縁層23,第三絶縁層25は、25℃〜ガラス転移点における基板面内方向と直交する方向(厚み方向)の平均線膨張係数が30ppm/℃以下、3ppm/℃以上であることが好ましい。このようにすることで、反りが抑制できるとともに、半導体装置6の温度サイクル試験に対する信頼性を向上させることができる。
一方で、第一絶縁層21の平均線膨張係数(A)と、第二絶縁層23の平均線膨張係数(B)との差、第一絶縁層21の前記平均線膨張係数(A)と、第三絶縁層25の平均線膨張係数(C)との差を35ppm/℃以下とすることで、反り抑制という効果がある。
なかでも、第一絶縁層21の平均線膨張係数(A)と、第二絶縁層23の平均線膨張係数(B)との差、第一絶縁層21の平均線膨張係数(A)と、第三絶縁層25の平均線膨張係数(C)との差が10ppm/℃以上、20ppm/℃以下であることが好ましい。
ここで、第二絶縁層23の厚み(T1)と、第三絶縁層25との厚み(T2)は同じであってもよいが、第二絶縁層23の厚み(T1)と、第三絶縁層25との厚み(T2)とが異なることが好ましい。第二絶縁層23の厚み(T1)と、第三絶縁層25との厚み(T2)の比であるT1/T2は、1以上であることが好ましい。
T1/T2を1以上とすることで反り抑制という効果がある。
また、第二絶縁層23に形成された開口の割合、第三絶縁層25に形成された開口の割合の違いにより、回路基板1に反りが生じることがある。また、第一絶縁層21の第三絶縁層25側には、回路層が形成されていないため、回路基板1にそりが生じやすくなることがある。
この反りの発生を抑制するために、第二絶縁層23、第三絶縁層25の厚みを異なるもとすることで、より、フラットな回路基板1を得ることができる。
また、第二絶縁層23、第三絶縁層25の厚みは、第一絶縁層21よりも薄く、第一絶縁層21の厚みの1/10以上であることが好ましい。このようにすることで、反り抑制という効果がある。
なお、第二絶縁層23および第三絶縁層25は第一絶縁層とは異なる樹脂材料で構成される。
〜10の炭化水素基であり、mは0〜5の整数である。)
このような樹脂組成物を使用することで、絶縁信頼性を高めることができる。また、樹脂層3との密着性も良好なものとすることができる。
))ベンゼン、ジシクロペンタジエン型シアネートエステル、フェノールノボラック型シアネートエステル、ビス(4−シアナトフェニル)チオエーテル、ビス(4−シアナトフェ
ニル)エーテル、1,1,1−トリス(4−シアナトフェニル)エタン、トリス(4−シアナトフェニル)ホスファイト、ビス(4−シアナトフェニル)スルホン、2,2-ビス(4−シアナトフェニル)プロパン、1,3-、1,4-、1,6-、1,8-、2,6-又は2,7-ジシアナ
トナフタレン、1,3,6-トリシアナトナフタレン、4,4'−ジシアナトビフェニル、お
よびフェノールのノボラック型、クレゾールノボラック型の多価フェノール類とハロゲン化シアンとの反応で得られるシアネートエステル樹脂等が挙げられる。これらの中で、フェノールノボラック型シアネートエステル樹脂が難燃性、および低熱膨張性に優れ、2,
2'−ビス(4−シアナトフェニル)イソプロピリデン、およびジシクロペンタジエン型
シアネートエステルが架橋密度の制御、および耐湿信頼性に優れている。本実施形態では、フェノールノボラック型シアネートエステル樹脂が低熱膨張のため好ましい。また、更に他のシアネートエステル樹脂を1種類あるいは2種類以上併用したりすることもでき、特に限定されない。
前記プレポリマーは、通常、前記多官能シアネート樹脂を加熱反応などにより、例えば3量化することで得られるものであり、樹脂組成物の成形性、流動性を調整するために好ましく使用されるものである。
前記プレポリマーは、特に限定されないが、例えば3量化率が20〜50重量%のプレポリマーを用いた場合、良好な成形性、流動性を発現できる。
ンアルデヒド、アクロレイン、テトラオキシメチレン、フェニルアセトアルデヒド、o-
トルアルデヒド、サリチルアルデヒド、ジヒドロキシベンズアルデヒド、トリヒドロキシベンズアルデヒド、4−ヒドロキシ−3−メトキシアルデヒドパラホルムアルデヒド等が挙げられる。
Arは、以下の(3)に示す(Ar1)〜(Ar4)で表される構造のいずれかであることが好ましい。
なかでも、他の樹脂の相溶性の観点からR4がメチル基、エチル基、イソプロピル基等のアルキル基であり、pが1〜2であり、qが1〜2であり、Arがナフタレンであるものが好ましい。
式(1)において、相溶性、耐熱性の観点から、R1は水素または、メチル基であり、R2は、水素または、メチル基であり、R3は水素または、メチル基であり、mは1〜2であることが好ましい。
これらの中の1種類を単独で用いることもできるし、2種類以上を併用したりすることもできる。
前記(g)無機充填材の含有量は、特に限定されないが、(g)無機充填材を除く樹脂組成物100重量部に対し、20〜250重量部含有することが好ましい。さらに好ましくは50〜150重量部とすることで、低熱膨張性、成形性、および低吸水性を付与する効果が発現できる。
前記樹脂組成物は、必要に応じて硬化剤、または硬化促進剤を含んでいてもよい。
フラックス機能を有する化合物を含む樹脂層3は、第二絶縁層23を被覆するとともに、半田層26上に、半田層26に接触して設けられている。
フラックス機能を有する化合物を含む樹脂層3は、硬化後の室温における弾性率が0.5GPa以上、15GPa以下であることが好ましい。なお、弾性率は、以下の方法で測定したものである。
幅4mm×長さ45mm×厚み0.1mmのフィルム状の試験片を180℃、1時間で硬化させて作製させた後、周波数10Hz、3℃/分の昇温速度で0℃〜300℃の温度範囲で、動的粘弾性測定機(DMA)にて引っ張りモードで計測し、25℃における弾性率を算出した。
フラックス機能を有する化合物を含む樹脂層3は、たとえば、1核体から3核体の合計の含有量が、30〜70%であるフェノール系ノボラック樹脂(h)と、25℃で液状であるエポキシ樹脂(i)と、フラックス機能を有する化合物(j)と、成膜性樹脂(k)と、を含むものであることが好ましい。
前記フェノール系ノボラック樹脂の含有量は、特に限定されるわけではないが、樹脂層3中に3〜30重量%含まれることが好ましく、5〜25重量%含まれることが特に好ましい。前記フェノール系ノボラック樹脂の含有量を上記範囲とすることで、樹脂層3の硬化物のガラス転移温度を効果的に高めること、さらに、アウトガスとなるフェノール系ノボラック樹脂の量を効果的に低減することを両立することができる。
前記1核体から3核体の合計の含有量が30%より小さい(4核体以上の合計の含有量が70%以上)場合、25℃で液状であるエポキシ樹脂との反応性が低下し、樹脂層3の硬化物中に未反応のフェノール系ノボラック樹脂が残留するため、樹脂層3が脆くなり作業性が低下してしまうといった問題が生じる。また、前記1核体から3核体の合計の含有量が70%より大きい(4核体以上の合計の含有量が30%以下)場合、樹脂層3を硬化させる際のアウトガス量が増大する可能性がある。さらに、樹脂層3のタック性が大きくなり過ぎる可能性もある。
前記フェノール系ノボラック樹脂中の2核体と3核体の合計の含有量は、特に限定されるわけではないが、30〜70%であることが好ましい。上記下限値以上とすることで、樹脂層3を硬化させる際のアウトガス量が増大してしまうことを抑制できる。また。上記上限値以下とすることで、樹脂層3の柔軟性と屈曲性をより効果的に確保することができる。
前記フェノール系ノボラック樹脂(h)中の1核体の含有量は、特に限定されるわけではないが、樹脂層3中に1%以下であることが好ましく、0.8%以下であることが特に好ましい。前記1核体の含有量を、上記範囲とすることで、樹脂層3を硬化する際のアウトガス量を低減することができる。
前記フェノール系ノボラック樹脂(h)の重量平均分子量は、特に限定されるわけではないが、300〜1,500であることが好ましく、400〜1400であることが特に好ましい。上記下限値以上とすることで、樹脂層3を硬化させる際のアウトガス量を抑制できる。また。上記上限値以下とすることで、樹脂層3の柔軟性と屈曲性をより効果的に確保することができる。
25℃で液状であるエポキシ樹脂(i)としては、特に限定されるものではないが、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの中でも、接着フィルムの支持体および被着体に対する密着性、さらに、接着フィルム硬化後の機械特性に優れる、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂が好ましい。
HOOC−(CH2)n−COOH (II)
(式(II)中、nは、1以上20以下の整数を表す。)
これらの中でも、半田表面の酸化膜を除去する効果とエポキシ樹脂との反応性に優れる、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、ゲンチジン酸、フェノールフタリンが好ましい。
はじめに第一絶縁層21表面にパターンめっきを施す。具体的には、図2(A)に示すように、第一絶縁層21表面にシード層Sを形成し、シード層S上の第一回路層が形成されない部分に対しマスクMを形成する。
次に、マスクMを形成した状態で、第一絶縁層21表面にめっき膜220を形成する。その後、図2(B)に示すように、マスクMおよびマスクMに被覆されていたシード層Sをフラッシュエッチング等により除去する。これにより第一回路層22が形成されることとなる。
次に、図3(A)に示すように第一回路層22を被覆する第二絶縁層23を設ける。また、第一絶縁層21の裏面に第三絶縁層25を設ける。
その後、図3(B)に示すように、第二絶縁層23に第一回路層22を露出させるための開口を形成する。この開口は、たとえば、UVレーザ等で形成することができる。
第三絶縁層25および第一絶縁層21に貫通孔20を形成する。この貫通孔20は、たとえば、炭酸レーザ等のレーザで形成することができる。貫通孔20は、第一回路層22まで達し、孔内において、第一回路層22が露出する。
次に、図4に示すように、第二絶縁層23の開口内に金属層27および半田層26を形成する。この半田層26は、Cu、Ni層等の金属層27を介して第一回路層22と電気的に接触する。半田層26としては、たとえば、Sn−2.5Ag等の半田で構成される。
半田層26は、電気めっき法、印刷法等で形成できる。また、半田層26を半田ボール搭載法に形成された半田ボールとしてもよい。
また、貫通孔20内に第一回路層22を被覆するめっき膜(導体膜)28を形成する。このめっき膜は、たとえば、Ni層上にAu層をした構造である。めっき膜28表面(第一回路層と反対側の表面)は貫通孔20内部に位置している。
このようなめっき膜28を設けることで第一回路22の酸化防止、半田ボールB(図6参照)との接合信頼性向上という効果がある。
その後、第二絶縁層23にフラックス機能を有する化合物を含む樹脂層3を圧着させる(図1参照)。
以上の工程により、回路基板1が完成する。
(位置決め仮接着)
図5に示すように、回路基板1上に複数の半導体素子(半導体チップ)5を設置する。複数の半導体素子5は、回路基板1の面方向に沿って並べられる。半導体素子5の電極51は、フラックス機能を有する化合物を含む樹脂層3を貫通し、半田層26と接触する。条件は特に限定されないが、25〜175℃、半導体素子5の1つ当たり0.5〜5kgfで電極51と半田層26の位置を合わせて仮接着する。
(接合)
その後、回路基板1および複数の半導体素子5からなる積層体を加熱して、電極51と半田層26とを半田接合させる。条件は特に限定されないが、200〜300℃×1〜60秒間、半導体素子5の1つ当たり0.1〜15kgfが好ましい。特に200〜230℃×5〜180秒間が好ましい。接合温度は半田層26の半田種の融点に依存し、荷重は接合する端子数に依存する。ここで、フラックス機能を有する化合物を含む樹脂層3を介して、電極51と半田層26を接合するので、半田層26の表面が酸化されるのを抑制しながら(表面酸化膜を除去しながら)半田を接続することができるようになる。
(硬化)
この積層体をさらに加熱することによりフラックス機能を有する化合物を含む樹脂層3を構成する樹脂を硬化させることが好ましい。
この際の加熱条件は特に限定されないが、120〜200℃×30〜180分間が好ましく、これにより、フラックス機能を有する化合物を含む樹脂層3が硬化することにより、電極51と半田層26の間を封止し、接続信頼性を向上することができる。
なお、本実施の形態では、積層体を得た後、フラックス機能を有する化合物を含む樹脂層3を硬化させたが、これに限らず、フラックス機能を有する化合物を含む樹脂層3を硬化させた後に積層体を得る方法でも良い。
(樹脂封止)
得られた積層体に半導体素子5側から、エポキシ樹脂組成物を金型を用いて圧縮成形する。その後、取り出して乾燥機で硬化乾燥させる。この際の加熱条件は特に限定されないが、圧縮成形は厚み30〜300μm、120〜200℃×1〜5分間、硬化は120〜200℃×3〜5時間が好ましく、これにより、積層体を封止し、信頼性を確保することができる。
(半田ボール搭載)
さらに、図6に示すように、回路基板1に半田ボール(半田バンプ)Bを形成する。これにより、他の基板等への2次実装が容易となる。半田ボールBを付与する方法としては、例えばメッキ法、ペースト印刷法、ボール搭載法が挙げられる。半田ボールBは、貫通孔20内部に配置される。
(ダイシング)
次に、図7に示すように、回路基板1を分割し、一つの半導体素子5と、分割された一つの回路基板1(以下回路基板部10ということもある)とで構成される複数の半導体装置6を得る。
分割する際には、半田ボールが付与されているのと反対側の面にダイシングシートを付与してダイシングを行う。
この半導体装置は、図7に回路基板部10の側面と、半導体素子5の側面とがつらいちとなる。ここで、使用するダイシングシートは市販されているものをそのまま用いることができる。
たとえば、前記実施形態では、第二絶縁層、第三絶縁層の外側(第一絶縁層と反対側)には他の絶縁層は設けられていなかったが、他の絶縁層を設けてもよい。
この場合、第二絶縁層の外側に設けられる他の絶縁層の25℃からガラス転移点における基板面内方向の平均線膨張係数と、第三絶縁層の外側に設けられる他の絶縁層のガラス転移点における基板面内方向の平均線膨張係数とは等しいことが好ましい。
また、前記実施形態では、第一絶縁層21の第一回路層22と反対側には回路層は設けられていなかったが、図8に示すように、回路層(第二回路層)29を形成してもよい。この回路層29はダミーの回路層であり、第一回路層22とは電気的に接続されていない。回路基板の反り防止の観点からは、回路層29の回路厚みは、第一回路層22と同じ厚みが好ましい。また、回路基板の反り防止の観点からは、回路層29の基板面側から見た回路の面積と、第一回路層22の基板面側からみた回路の面積とは等しいことが好ましい。すなわち、回路層29の導体率((基板面側からみた回路層29の面積)/(基板面側からみた回路層29の面積+回路層29を構成する配線間の隙間の面積)で示されるいわゆる残銅率)は、第一回路層22と同じであることが好ましい。このようなダミーの回路層29を設けることで、回路基板のそりを確実に低減させることが可能となる。また、回路層29はダミーであるため、回路パターンを精度よく形成する必要はない。また、第三絶縁層25には、回路層29を露出させるための開口を形成する必要はない。
(実施例1)
前記実施形態と同様の方法で回路基板を製造した。
(第一絶縁層)
以下のようにして第一絶縁層を作製した。
エポキシ樹脂としてビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂(日本化薬社工業社製、商品名NC3000FH)11重量部、ノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製、プリマセットPT−30)20重量部、硬化剤としてフェノール樹脂(明和化成社工業製社製、商品名MEH7851−4H)9.0重量部をメチルエチルケトンに溶解、分散させた。さらに、無機充填材として球状溶融シリカ(アドマテックス社製・「SO−25R」、平均粒径0.5μm)60重量部と、高速攪拌装置を用いて10分間攪拌して、固形分50重量%の樹脂ワニスを調製した。
上述の樹脂ワニスをガラス織布(厚さ0.1mm、日東紡社製、商品名WEA−2116)に含浸し、150℃の加熱炉で2分間乾燥して、プリプレグ中のワニス固形分が約50重量%のプリプレグ(第一絶縁層)を得た。
(積層板)
次に、上述のプリプレグの表面に、ピーラブル箔付き銅箔を重ねて、圧力4MPa、温度200℃で2時間加熱加圧成形することにより銅張りの積層板を得た。ピーラブル箔を剥がすことによりシード層を形成するとともに、シード層上にマスクを設けた。そして、電気銅めっきにて回路パターン形成を行った。その後、マスクを除去するとともに、マスクにより被覆されていたシード層をフラッシュエッチングにより除去した。これにより第一回路層(厚み12μm)を形成した。
はじめに、第二絶縁層、第三絶縁層で使用したフェノキシ樹脂の合成について説明する。
[ビスフェノールアセトフェノン構造を含むフェノキシ樹脂Aの合成]
容量1Lの反応容器に、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製「YX−4000」、エポキシ当量185g/eq)100g、ビスフェノールアセトフェノン80g、およびシクロヘキサノン70gを入れ攪拌して溶解させた。次に、50wt%テトラメチルアンモニウムクロライド溶液0.4gを滴下し、窒素雰囲気下、180℃で5時間反応させた。反応終了後、析出物をろ過し、真空乾燥機にて、95℃で8時間真空乾燥し、構造式(A)で表される重量平均分子量38000、ガラス転移温度130℃のビスフェノールアセトフェノン構造を含むフェノキシ樹脂Aを得た。
(フラックス機能を有する化合物を含む樹脂層)
フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト社製、PR55617)15.0重量部と、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製、EPICLON−840S)45.0重量部と、フラックス活性化合物であるフェノールフタリン(東京化成工業社製)15.0重量部と、成膜性樹脂としてビスフェノールA型フェノキシ樹脂(東都化成社製、YP−50)24.4重量部と、硬化促進剤として2―フェニルー4−メチルイミダゾール(四国化成工業社製、2P4MZ)0.1重量部と、シランカップリング剤としてβ−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM−303)0.5重量部とを、メチルエチルケトンに溶解し、樹脂濃度50%の樹脂ワニスを調製した。得られた樹脂ワニスを、基材ポリエステルフィルム(東レ株式会社製、ルミラー)に厚さ50μmとなるように塗布して、100℃、5分間乾燥して、厚さ25μmのフラックス活性を有する接着フィルムを得た。
第二絶縁層を第一回路層上に、第三絶縁層を第一絶縁層の第一回路層と反対側に真空ラミネータにてラミネートし、硬化させた後、UVレーザーにて第二絶縁層に開口部を形成し、銅、ニッケル、はんだめっきを施し、また、CO2レーザーにて第三絶縁層、第一絶縁層に第一回路層に達する孔を形成し、孔から第一回路層を露出させた。そして、孔内にニッケル、金めっきを施し、導体膜を形成した。
その後、第二絶縁層上にフラックス機能を有する化合物を含む樹脂層を真空ラミネータにてラミネートした。
実施例1と同様の第一絶縁層を使用し、積層板を得た。
第二絶縁層、第三絶縁層で使用したフェノキシ樹脂の合成について説明する。
[ビスフェノールアセトフェノン構造を含むフェノキシ樹脂Bの合成]
容量1Lの反応容器に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製「jER828」、エポキシ当量186g/eq)100g、ビスフェノールアセトフェノン70g、およびシクロヘキサノン70gを入れ攪拌して溶解させた。次に、50wt%テトラメチルアンモニウムクロライド溶液0.4gを滴下し、窒素雰囲気下、180℃で5時間反応させた。反応終了後、析出物をろ過し、真空乾燥機にて、95℃で8時間真空乾燥し、構造式(B)で表される重量平均分子量46000、ガラス転移温度110℃のビスフェノールアセトフェノン構造を含むフェノキシ樹脂Bを得た。
この樹脂ワニスを用い、実施例1と同様にして、第二絶縁層、第三絶縁層を作製した。
その後、実施例1と同様にして回路基板を得た。
以下のようにして第一絶縁層を作製した。
エポキシ樹脂としてビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂(日本化薬工業社製、商品名NC3000FH)17重量部、ノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン株式会社製、プリマセットPT−30)30重量部、硬化剤としてフェノール樹脂(明和化成工業社製、商品名MEH7851−4H)13重量部をメチルエチルケトンに溶解、分散させた。さらに、無機充填材として球状溶融シリカ(アドマテックス社製・「SO−25R」、平均粒径0.5μm)40重量部を添加して高速攪拌装置を用いて10分間攪拌して、固形分50重量%の樹脂ワニスを調製した。
上述の樹脂ワニスをガラス織布(厚さ0.1mm、日東紡社製、商品名WEA−2116)に含浸し、150℃の加熱炉で2分間乾燥して、プリプレグ中のワニス固形分が約50重量%のプリプレグ(第一絶縁層)を得た。
(積層板)
次に、上述のプリプレグの表面に、ピーラブル箔付き銅箔を重ねて、圧力4MPa、温度200℃で2時間加熱加圧成形することにより銅張りの積層板を得た。ピーラブル箔を剥がすことによりシード層を形成するとともに、シード層上にマスクを設けた。そして、電気銅めっきにて回路パターン形成を行った。その後、マスクを除去するとともに、マスクにより被覆されていたシード層をフラッシュエッチングにより除去した。これにより第一回路層(厚み12μm)を形成した。
第二絶縁層、第三絶縁層としては、実施例1と同様のものを使用した。
そして、実施例1と同様にして回路基板を得た。
第一絶縁層、積層板は実施例3と同様のものを使用した。
第二絶縁層、第三絶縁層としては、実施例2と同様のものを使用した。
そして、実施例1と同様にして回路基板を得た。
本実施例では、図8に示す回路基板を製造した。
実施例1と同様の第一絶縁層(プリプレグ)を用意した。
(積層板)
次に、上述のプリプレグの表裏面それぞれに、ピーラブル箔付き銅箔を重ねて、圧力4MPa、温度200℃で2時間加熱加圧成形することにより両面銅張りの積層板を得た。ピーラブル箔を剥がすことによりシード層を形成するとともに、シード層上にマスクを設けた。そして、電気銅めっきにて表裏面の回路パターン形成を行った。その後、マスクを除去するとともに、マスクにより被覆されていたシード層をフラッシュエッチングにより除去した。これにより第一回路層と第二回路層(それぞれ厚み12μm)を形成した。第一回路層および第二回路層の残銅率は同じであった。
(回路基板)
次に、実施例1と同様の第二絶縁層、第三絶縁層、フラックス機能を有する化合物を含む樹脂層を用意した。
第二絶縁層を第一回路層上に、第三絶縁層を第二回路層上に真空ラミネータにてラミネートし、硬化させた後、UVレーザーにて第二絶縁層に開口部を形成し、銅、ニッケル、はんだめっきを施し、また、CO2レーザーにて第三絶縁層、第一絶縁層に第一回路層に達する孔を形成し、孔から第一回路層を露出させた。そして、孔内にニッケル、金めっきを施し、導体膜を形成した。
その後、第二絶縁層上にフラックス機能を有する化合物を含む樹脂層を真空ラミネータにてラミネートした。
第二回路層は、ダミー回路層であり、第一回路層と電気的に接続されていない。
第一絶縁層、第二絶縁層、第三絶縁層、フラックス機能を有する化合物を含む樹脂層を実施例2と同様のものを使用した。そして、実施例5と同様の方法で、第二回路層を含む回路基板を得た。第一回路層および第二回路層の厚みは等しく、残銅率は同じであった。
第一絶縁層、第二絶縁層、第三絶縁層、フラックス機能を有する化合物を含む樹脂層を実施例3と同様のものを使用した。そして、実施例5と同様の方法で、第二回路層を含む回路基板を得た。第一回路層および第二回路層の厚みは等しく、残銅率は同じであった。
第一絶縁層、第二絶縁層、第三絶縁層、フラックス機能を有する化合物を含む樹脂層を実施例4と同様のものを使用した。そして、実施例5と同様の方法で、第二回路層を含む回路基板を得た。第一回路層および第二回路層の厚みは等しく、残銅率は同じであった。
第一絶縁層、第二絶縁層、第三絶縁層の線膨張係数を以下のようにして測定した。
熱機械測定装置(TAインスツルメント社製)を用い、窒素雰囲気下、引っ張りモードで昇温速度10℃/min、温度25〜300℃、荷重5g、2サイクル測定を行った。平均線膨張率は、2サイクル目の温度25℃〜ガラス転移点における平均線熱膨張係数とした。
なお、ガラス転移点は、tanδのピーク位置とした。また、評価サンプルは、前記で得られた絶縁層を2枚ラミネートし、続いて窒素雰囲気下の乾燥機により200℃で1時間、加熱硬化した樹脂板を用いて測定を行った。
結果を表1に示す。
半導体素子を得られた回路基板のフラックス機能を有する化合物を含む樹脂の所定の位置に位置合わせして配置し、230℃ピークのリフロー処理にて接合処理、硬化を行い、その後エポキシ樹脂組成物で封止し、半田ボールを搭載後ダイシングし分割した半導体装置の反り量を測定し40μm以下であれば、良好と判断した。
実施例1〜4で得られた回路基板は、いずれも反り量が40μm以下であり、良好であった。
また、実施例1〜4で得られた回路基板の第一絶縁層および第三絶縁層には、第一回路層に達する孔が形成されており、この孔を介して第一回路層と導通を取ることができた。したがって、第一絶縁層の裏面側(第一回路層が設けられた面と反対側)に精度よく回路層を形成しなくてもよく、これにより、生産性を向上させることができた。
さらに、実施例5〜8では、第二回路層を設けることで、実施例1〜4に比べ、さらに反り量を低減することができた。
2 基板
3 樹脂層
5 半導体チップ(半導体素子)
6 半導体装置
10 回路基板部
20 貫通孔
21 第一絶縁層
22 第一回路層
23 第二絶縁層
25 第三絶縁層
26 半田層
27 金属層
28 導体膜
29 回路層
51 電極
220 めっき膜
M マスク
S シード層
B はんだボール
Claims (10)
- 基板と、この基板上に設けられたフラックス活性化合物を含む樹脂層とを備える回路基板であって、
前記基板は、
第一絶縁層と、
前記第一絶縁層の一方の側に設けられた第一回路層と、
この第一回路層を被覆するとともに、前記第一回路層の一部を露出させるための開口が形成された第二絶縁層と、
前記第一絶縁層の他方側に設けられた第三絶縁層と、
前記第二絶縁層の前記開口内に設けられ、前記開口から露出する前記第一回路層の一部と接触する半田層とを備え、
前記フラックス活性化合物を含む樹脂層は、前記第二絶縁層を被覆するとともに、前記半田層上に設けられ、
前記第三絶縁層および前記第一絶縁層を貫通し、前記第一回路層に達する孔が形成され、
前記第一絶縁層の25℃〜ガラス転移点における基板面内方向の平均線膨張係数を平均線膨張係数(A)、
前記第二絶縁層の25℃〜ガラス転移点における基板面内方向の平均線膨張係数を平均線膨張係数(B)、
前記第三絶縁層の25℃〜ガラス転移点における基板面内方向の平均線膨張係数を平均線膨張係数(C)とした場合、
前記平均線膨張係数(B)と、前記平均線膨張係数(C)との差は、0ppm/℃以上、3ppm/℃以下であり、
前記平均線膨張係数(B)および(C)は、前記平均線膨張係数(A)よりも大きい回路基板。 - 請求項1に記載の回路基板において、
前記第一絶縁層の平均線膨張係数(A)が3ppm/℃以上、30ppm/℃以下であり、
前記第二絶縁層の平均線膨張係数(B)が20ppm/℃以上、40pm/℃以下であり、
前記第三絶縁層の平均線膨張係数(C)が20ppm/℃以上、40pm/℃以下である回路基板。 - 請求項1または2に記載の回路基板において、
前記孔は、断面テーパー形状である回路基板。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の回路基板において、
前記孔内には、前記孔から露出した第一回路層に接触する導電体膜が設けられ、前記導電体膜の前記第一回路層側と反対側の表面が前記孔内部に位置している回路基板。 - 請求項4に記載の回路基板において、
前記孔内には、前記導電体膜に接触する半田バンプが設けられている回路基板。 - 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の回路基板において、
前記第一絶縁層の前記第一回路層が設けられた面とは反対側の面を被覆する第二回路層を有し、
前記第二回路層は、前記第一回路層と電気的に接続されていないダミー回路層である回路基板。 - 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の回路基板は、分割して複数の回路基板部を得るものである回路基板。
- 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の回路基板を分割して得られた回路基板部と、
この回路基板部上に積層され、前記回路基板部の基板面側からみて前記回路基板部と略同じサイズである半導体チップとを有し、
前記回路基板部の側面と、前記半導体チップの側面とがつらいちである半導体装置。 - 一方の面側に第一回路層が設けられた第一絶縁層を用意する工程と、
前記第一回路層を被覆する第二絶縁層を設ける工程と、
前記第一絶縁層の他面側を被覆する第三絶縁層を設ける工程と、
前記第二絶縁層に前記第一回路層の一部が露出する開口を形成する工程と、
前記開口内に、前記第一回路層の一部と接触する半田層を設ける工程と、
前記第二絶縁層を被覆するとともに、前記半田層上にフラックス活性化合物を含む樹脂層を設ける工程と、
前記第三絶縁層および前記第一絶縁層を貫通し、前記第一回路層に達する孔を形成する工程と、
を含み、
前記第一絶縁層の25℃〜ガラス転移点における基板面内方向の平均線膨張係数を平均線膨張係数(A)、
前記第二絶縁層の25℃〜ガラス転移点における基板面内方向の平均線膨張係数を平均線膨張係数(B)、
前記第三絶縁層の25℃〜ガラス転移点における基板面内方向の平均線膨張係数を平均線膨張係数(C)とした場合、
前記平均線膨張係数(B)と、前記平均線膨張係数(C)との差は、0ppm/℃以上、3ppm/℃以下であり、
前記平均線膨張係数(B)および(C)は、前記平均線膨張係数(A)よりも大きい回路基板の製造方法。 - 請求項9に記載の回路基板の製造方法を含み、
前記フラックス活性化合物を含む樹脂層上に複数の半導体チップを配置する工程と、
前記回路基板を固片化して、前記半導体チップと、固片化した前記回路基板とを備える半導体装置を得る工程とを含む半導体装置の製造方法。
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